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2018年10月14日

記述現代文の攻略 基礎編第3回 〜設問の要求に正確に答えられるようになろう〜




※現代文の攻略記事まとめはこちら
現代文記事まとめ








今回は、初回にまとめた手順のうち、手順?Dを説明していきます。

手順?D
手順?Cでまとめたものを参考に、傍線部の各要素を言い換える。







また、基礎編で解き方を説明した後は実践編ということで、

実際の二次試験を使いながら詳しく解説をしていきます。




教材は主にこちらを使います。

東大を受けないという人も、記述の練習用に是非お買い求めください。





東大の過去問は、現代文の解き方を学ぶ上で特に有効です。

それだけしっかり考えられて作られている問題で、
問題の作りも非常にシンプルで、素直な頭の使い方を習得できます。









それでは本題に入りましょう。


手順?D
手順?Cでまとめたものを参考に、傍線部の各要素を言い換える。




今回はいよいよ解答を作るプロセスへと入ります。



解答を作るプロセスとして、まずすべきことは要素の言いかえです。


第1回目で、傍線部(を含む一文)を要素に分けました。
それらの各要素をまずはパートを参考にして言い換えることが大切です。


もちろん、それだけに終始してしまうと高得点は望めません。
8割以上の点数を取ろうと思うのならば、要素の言いかえに加えて、
段落ごとのつながりにも目を向けて、かつ適切な日本語で答案を仕上げていく必要があります。


その内容については次回の記事で扱います。




とはいうものの、この記事の内容を完全にマスターしていただければ、
6割程度の得点は望めると思います。


二次試験で6割なので、少なくとも現代文で足を引っ張るなんて言うことはなくなると思います。




また、このシリーズの最後には、要素を言い換えたまとめプリントを添付します。


印刷して、こんな風にやっていけばいいんだと実感してもらう手助けにしていただければと思います。





なお、各項目の大事なところは白色で書いています。

自分で考えてみて、答えが出たら反転させて確かめてくださいね。







まずは設問1から

要素1-A それ
要素1-B 大人の権威を支える
要素1-C 現実的根拠であった


・要素1-A
→指示語の先は「 同じ仕事を共有する先達と後輩の関係が成り立つ基盤
 ただし、その前に「そこには」とあるので、さらに指示語を拾います。
 すると、「 それぞれの仕事が行われている現場 」とあります。
→以上をまとめてみましょう。
要素解答例) 仕事現場において存在していた、仕事を共有する先輩後輩の関係

・要素1-B
→「権威を支える」を言い換えましょう。「権威」という言葉は難しくないと思います。
 くれぐれも、自分が普段使うレベルの言葉で言い換えてくださいね。
要素解答例) 大人が尊敬される存在であり続けた

・要素1-C
→「それ」が「現実的根拠」を言い換えます。ただし、少し難しいですよね。
 こういう時にこそ点差がつきますよ。


☆難しい表現が出てきたときの対処法☆
・悪い例:それぞれの言葉を言い換えてつなぐだけ。
    →今回の場合だと「それが実際の理由だった」とかしちゃうわけです。

・よい例:別の場面を想定して簡単な単語を当てはめる。
    →難しい文章だからわからないわけです。簡単にしてみましょう。
     例えば、「テストで100点を取ることが、彼が賢いことの根拠だ」とします。
     これを言い換えるとどうなるでしょうか? 
     「彼はテストで100点を取る ので 彼は賢い」となるでしょう?


 要素の解説に戻ります。
 じゃあこれをこの文章で当てはめ直してみましょう。
 すると、「 それがあるから大人の権威が支えられた 」となりますね。

 ということで、要素1-Cだけの内容を示すとすれば「 〜だからー 」となります。
 そうなんです。実はここに因果関係が隠されていたんですねえ。

 このように、因果関係は接続詞による示唆がないので、自分で見つけ出していく必要があります。



とにもかくにも大事なことは、
難しい表現が出てきたら、簡単な場面を想定して、
簡単な内容に置き換えてそれを言い換えてみる。
そして、その言いかえを参考にして、文章の表現を当てはめてみる。
こういうことなんですね。




それでは各要素の内容を基に一度答案を作ってみましょう。

ここではまだ解答用紙には書かないでください。

字数など意識せずにつないだだけのものを書いてみてください。









次に設問2を見ましょう

要素2-A その意味では
要素2-B 中世の教師は教える主体ではなかった


・要素2-A
→指示語を拾っていきます。
 すると、前の文がすべて接続詞がなく連続しています。
 なので、これは典型的な言いかえです。
 つまり、指示語の内容は、前の3文すべてを指すことになります。
→ただし、3段落頭にも「これは」とあります。この指示後も拾います。
 すると、2段落頭の「 中世では、学校においてさえ〜生きていた 」が該当します。
 よって、ここまで視野を広げて指示語を拾う必要があるといえます。
→最後に、「その意味では」の意味も要素の言いかえには抽出しておきましょう。

要素解答例) 中世では、学校においても後継者見習の機能があったことを考えると



・要素2-B
→傍線部の後を見ると「同様に」とあります。なので傍線部と直後の文は 並列 です。
 さらに、その後を見ると、「両者は」とはじまっています。
 よって、ここが傍線部を含む部分の説明になっているといえます。
 ここを言い換え先とするといいと思います。

要素解答例) 中世の教師は生徒にとっての先達でしかなかった




それでは各要素の内容を基に一度答案を作ってみましょう。

ここではまだ解答用紙には書かないでください。

字数など意識せずにつないだだけのものを書いてみてください。









それでは続いて設問3です

要素3-A 教師側の難しさ
要素3-B 生徒側の難しさ


・要素3-A
→「教師側の難しさ」つまり「 教師にとってうまくいかないこと
 をまとめていけばよいと思います。
→5段落に譲歩を示す接続詞「ただし〜もある」があるので注意してください。
 譲歩は逆説の後だけ読めばよいので、5段落は読む必要がないです。
 なので、6〜7段落を読んで、教師にとってうまくいかないことをまとめてください。

要素解答例) 近代の教師は生徒から尊敬されにくい。


・要素3-B
→今度は逆に「 生徒にとってうまくいかないこと 」をまとめましょう。

 要素解答例) 押し付けられる教師の人間像を受け入れないとダメ人間だとされてしまう。



この問題は要素わけが難しい問題です。

「関係性の難しさ」なので、両者の目線が必要です。
添削をしていると、教師目線の内容にとどまっている解答がとても多いです。




それでは各要素の内容を基に一度答案を作ってみましょう。

ここではまだ解答用紙には書かないでください。

字数など意識せずにつないだだけのものを書いてみてください。










では最後に設問4

要素4-A 近代の学校教師は〜を失ったがゆえに
要素4-B 子どもへの理解を無限に強いられる



・要素4-A
→傍線部直前「それとは対照的に」をヒントに言いかえを探しましょう。
 対照的にというのは「 反対に 」という意味なので、前の内容を否定すればいいんです。
 すると、答えを得れると思います。
→あと、傍線部の中に 因果 関係が明らかに示されているので崩さないでくださいね。

要素解答例) 近代では学校で後継者見習の機能が成立しないので


・要素4-B
→これも同じく前の内容を参考にすると、「後継者を要請できない」となります。
 ただし、このままでは傍線部中の「無限に」が言い換えられていません。
→「無限に」というのは「「終わりがない」ということですよね。ということは、
 「 いくら〜してもーできない 」というように言いかえができますね。
→このあたりは覚えるものではないので、無限にをどう言い換えたらいいか考えて
 同じ様な言いかえが思いつければいいわけです。

要素解答例) 教師がいくら子どもを理解しようとしても後継者の養成はできない



それでは各要素の内容を基に一度答案を作ってみましょう。

ここではまだ解答用紙には書かないでください。

字数など意識せずにつないだだけのものを書いてみてください。









さて、お疲れさまでした。



次回までに、要素解答例を参考にして、一つの答案を作ってみておいてください。

次回は、今回作った荒削りの答案を、洗練させていきます。







現代文の攻略記事まとめはこちら
(続きの記事はこちらからご覧いただけます)
現代文記事まとめ



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