先の記事で、記述現代文攻略のための手順をまとめました。
今回はその手順?@〜?Bを説明していきます。
手順?@
本文を傍線部と同じ数だけパートに分ける
手順?A
各パートのテーマをまとめて、本文の大きな流れをつかむ
手順?B
傍線部を分析して、傍線部を要素に分ける
また、基礎編で解き方を説明した後は実践編ということで、
実際の二次試験を使いながら詳しく解説をしていきます。
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東大の過去問は、現代文の解き方を学ぶ上で特に有効です。
それだけしっかり考えられて作られている問題で、
問題の作りも非常にシンプルで、素直な頭の使い方を習得できます。
それでは本題に入りましょう。
なお、理論の説明だけだと分かりにくいと思うので、実際の過去問を一つ使って説明したいと思います。読んでいる皆さんは、印刷していただいて、一緒に作業してもらえると分かりやすいのではないかなと思います。
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東京大学2006年 第4問
まずは手順?@
本文を傍線部と同じ数だけパートに分ける です。
パート分けとは簡単に言うと、意味段落に分けることです。
センターでは、段落の頭の単語だけ見てパート分けを行うように言っています。それは、時間を削減するためです。でも、二次試験の場合だと、しっかりと文章を読みながらパート分けを行ってください。記述問題において、パート分けを誤ると、それは0点を意味します。なので、パート分けは絶対に間違ってはいけません。そのためにも、文章を読みながらパート分けをするのが適切です。
さあ、ではまずは教材の本文を読んでパート分けをしてみましょう。
パート分けができたら下に進んでください。
手順?A
各パートのテーマをまとめて、本文の大きな流れをつかむ
これはセンターのときと同様です。
各パートのテーマ(〜について、の形)を10文字程度でまとめましょう。
そして、そのテーマをつなぎ合わせると、全体の文章の構造が分かりやすくなりますね。
このように、現代文では大きな視点も大切です。
木を見て森を見ずにならないように、本文の大きな論の展開もきちんと把握しましょうね。
ではここで再び時間を取って、パートごとのテーマをまとめてみましょう。
確信が持てなくてもいいので、とりあえずテーマをまとめられたら次へ進みましょう。
手順?B
傍線部を分析して、傍線部を要素に分ける
では、本文の大きな流れがつかめたところで、傍線部の分析に入ります。
まずは傍線部を各要素に区切ってみましょう。
注意点ですが、傍線部が文の一部であるときは、傍線部を含む一文自体を分析しましょう。
傍線部Aを一緒にやって、傍線部BCDは各自でやってみましょう。
傍線部Aは「それが大人の権威を支える現実的根拠であった」ですね。
・まずはやはり 「それ」という指示語でしょう。
当然指示語は拾ってあげる必要がありますよね。
・次は「大人の権威を支える」でしょうか。
「権威を支える」を パートを参考に 分かりやすく言い換える必要がありますね。
・最後に「現実的根拠であった」でしょうね。
「それ」が「根拠である」とはどういうことか、これまた パートを参考にして 分かりやすく言い換えてあげましょう。
とまあこのように分けていけばいいわけです。
そして、この後は各要素を言い換えたものをつなぎ合わせつつ、
本文の流れを汲んだ答案へと磨きをかけていくわけです。
その方法については次回以降で扱いますね。
では、ここまで理解できた方は、傍線部BCDの3つも同じように要素に分けてみましょう。
ここまでの手順の練習の正解を示しますね。
パート?@:1段落のみ
テーマは「産業革命以前の教育について」
パート?A:2〜4段落
テーマは「中世の教育について」
パート?B:5〜7段落
(傍線部C自体は8段落頭にあるが、「この難しさ」というように指示語という形で前までの内容を指しているので、パート自体は7段落までと考えるべき。)
テーマは「近代以降の教育について」
パート?C:8段落のみ
テーマは「近代の教師が抱える困難について」
傍線部A
要素?@「それ」
要素?A「大人の権威を支える」
要素?B「現実的根拠である」
傍線部B (傍線部を含む一文なことに注意)
要素?@「その意味では」
要素?A「逆説的だが教える主体ではなかった」
傍線部C
要素?@「教師視点の関係の難しさ」
要素?A「生徒視点の関係の難しさ」
注)「教師と生徒の関係」なので、必ず両方の視点から書くことを忘れずに。
傍線部D
要素?@「近代の学校教師」
要素?A「〜を失ったがゆえに」
要素?B「子どもへの理解を無限に強いられる」
どれくらいできていたでしょうか?
ここまでできれば、0点の答案に堕してしまうことはなくなります!
まずここまでの内容をしっかり理解してから次に進んでくださいね。
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