2017年05月13日
ポリヴァレント(polyvalent)
以前、日本代表監督であった、イビチャ・オシムが使って話題になった言葉に ポリヴァレント (polyvalent)と言う言葉があります。
よく『 多様性 』なんて訳されていましたっけ。
ポリヴァレントは、 多原子価 と言う意味の化学用語としても使われる言葉です。
ざっくり言うと、他の元素の原子と結合する能力を表す数の事を原子価と言うのですが、それが多いと言うのですね。
つまり、より多くの原子と結び付く事が出来る能力を持っていると言えるのかと思います。
そして、その結合によって別の新たな機能を持つ事が出来るのです。
どうでしょうか・・・イメージ出来ましたか?
これを人に対してオシムは使ったのですね。
複数のポジションをこなせるプレイヤー ・・・これが、1つのキーワードになっていた気がします。
じゃ、 ユーティリティープレイヤー と何が違うのか・・・と言う疑問が残ります。
ポリヴァレントと言う言葉だけが1人歩きしてしまい、その実態は分らないまま埋もれて行ってしまったと言えます。
オシムの頭の中にあったポリヴァレントとは、一体・・・。
オシムの頭の中には、常に スペシャリスト と対でポリヴァレントと言う言葉があった様に思います。
この2つの言葉は、互いに正反対の性質を持っている言葉の様に思われますが、切り離して考えなければならないと言う訳でも無いと考えていた様です。
スペシャリストな上にポリヴァレントであればなお良い・・・オシムはそうも言っています。
『 アンビヴァレント なポリバレント性』が日本にはあるとも言っています。
アンビヴァレント(ambivalent)とは、感情・性質・態度・意味などが相反するとか、 曖昧なとか言う感じの意味を持つ言葉です。
両価的な なんて日本語に訳されます。
同一の対象の中に、矛盾する2つの感情や評価を同時に抱いている様な状態なんだそうです。(汗)
好きだけど嫌い・・・みたいな感じですね。
スペシャリストだけどポリヴァレントと言うアンビヴァレントなプレイヤー・・・何の事やら・・・。(^^;
何かに特化したプレイヤーであるにも拘らず、プレイする位置を選ぶ事無く誰とでも絡む事の出来る器用さを持っているプレイヤーこんなイメージなんでしょうか・・・。
オシムが頭の中で描いていたサッカーが トータルフットボール であった事からも、それは窺えるのかと思います。
トータルフットボールとは、 流動的 に各プレイヤーが必要に応じて ポジションチェンジ を繰り返して行く様な、非常に 柔軟性に富んだサッカー を指す言葉です。
人とポジションが1対1では必ずしも無いのですね。
そう言うサッカーをオシムはどうも目指していた様なのです。
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では、求められていたのは器用さでしょうか・・・それも、少し違う気がします。
おそらくですが・・・ 即興力 とか 順応力 とか 適応力 をもったプレイヤー・・・それがオシムが考えていたポリヴァレントなプレイヤーなんじゃないでしょうかね。
守備にしても、攻撃にしても職人(=スペシャリスト)は必要ですが、その上でこう言った能力(=ポリヴァレント)も併せ持つ(=アンビヴァレント)プレイヤーを望んでいた様に思います。
もちろん、全員じゃありませんよね。
そう言うプレイヤーが多ければ、多い程目指すトータルフットボールに近付けると考えていた様に思います。
ただ単に、色々なポジションが出来ると言う事では無いのですよね・・・きっと。
そして、何かに特化したプレイヤーは必要ないとも言っていません。
何かに特化したプレイヤーである事は、トップチームに長く君臨するなら必要不可欠な事なんだと思います。
その上で、ポリヴァレントであればなお良いと言っているのだと思うのです。
また、オシムは日本のアンビヴァレントなポリヴァレント性に関して、「日本人の皆を尊重するやり方」の事だとも述べています。
そして、それが 面白い とも・・・。
日本人である私にはちょっとピンと来ませんが・・・。
日本人には当たり前の事も、外から見たら当たり前じゃない事もあるんでしょうね。
そして、それがサッカーに活かされれば、 日本のサッカーの日本化 が出来ると考えていたのでしょうか・・・?
今は、もう聞く事も無くなったポリヴァレントと言う言葉ですが・・・そこには、子供達が目指すべき物がある様にも思います。
ただ単に色々なポジションを経験するのではなくて・・・その位置で求められるプレイを意識する事って大事です。
めまぐるしく変わって行く景色の中で、自分がすべき事って何なのか・・・それを常に探さなければならないのでしょうね。
でも、それが独り善がりな物ではやはりダメなのであって、他のプレイヤー達との関係の中で生まれて来る物でなければならないのでしょうね・・・きっと。
サッカーがチームプレイである以上は、そう言う事も常に意識出来ないと良いプレイヤーにはなれないんだと思います。
ただ、単に器用と言うだけでは生き残る事は出来ないと言う事なんでしょうね・・・。
厳しい世界ですよ・・・ほんと。(^^;
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