プロフェッショナルの危機も
初期の コンティンジェンシー理論では、
「官僚制」対「革新」のような安直な対峙をさせていました。
しかし、例えば、まだ海のものとも山のものとも
つかないような新しいアイデアに対して、
カリスマ経営者が「よし、商品化しよう」
と一言言ってくれれば、
官僚制組織は一体となって効率的に動いて、
いっきに革新が進むのは明らかです。
そんな事例はいくらでもあります。
その場合には、むしろ官僚制のほうが、
新しいアイデアの実行にとっては
都合がいいわけです。
とはいえ、上意下達の権限構造で
管理される官僚制組織に対して、
専門知識と能力によって統制される
プロフェッショナルが存在すれば、
官僚制組織におけるイノベーションの障害を
変えてくれると期待されてきたのも事実です。
もともとプロフェッショナルとは
医者や弁護士のことを指していました。
アボット 氏は1981年の論文で、
プロ集団内で、
?@診断:問題の分類
?A推論:診断の理由付けと治療の方向性や範囲の設定
?B治療:問題解決のためのアクション
の中で、現場に近い?@?Bよりも遠い?Aにあたる人の
ステータスが高く、
より高いステータスを求める競争の結果、
プロフェッショナルがどんどん現場から
乖離していくと プロフェッショナルの危機を
唱えたくらいです。
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