数年前、知人に
「自分が存在していいかどうか考えたことはある?」
という質問をしたことがある。
すると、
「ないよ、というか考えたことないよその発想」
という答えが返ってきたのを憶えている。
6月から現在まで、祖父が亡くなったことに始まり
色んなことがいっぺんに起き、背負い切れなくなった。
睡眠や休息が浅くなった僕の心から、
明らかに色合いが薄れている。
この寂しくて空虚な感覚、
自分の存在に自信が持てない後ろめたさは憶えがある。
子どもの頃、17時門限を破って家に入れてもらえず、
インターホンを押しても反応のなかった時に見た、
曇りの色褪せた景色そっくりだ。
→「 冷たいドアと黄昏と。」
https://fanblogs.jp/yaritaikotohanokosazuyaru/archive/227/0
僕の質問に「そんな発想は思いつかなかった」と
答えてくれた知人はきっと、無条件でそこに居ていいと
周りからちゃんと想われて育ってきたんだろう。
居ていいか、いけないか、などという
自分の根幹を揺るがすような経験がないか、
ほとんどないか。
最近の空虚で色褪せた世界を観ていて、
ふと、その知人とのやり取りを思い出し
無条件の愛情とは何だろうと考えている。
自分に対して無条件の愛情を注ぐように、
どんな自分であっても受け入れるように、
考え方を試行錯誤しているが、どうも上手くいっていない。
もらった経験と実感がないものを
自分で創り出そうとしているんだから、
それ自体は長い目で見ないとなと思う。
だけどやっぱり、何か失敗したり
自信を無くすような出来事があると、
すぐに自分が居てもいいかどうかに結び付けて考え、
不安と居たたまれなさでいっぱいになる。
そうなるたびに、「発想がない」と堂々と答えられる
知人のことをうらやましく思ってしまう。
欲を言えば無条件の愛情を注がれてみたかった無条件でそこに存在していいと思う感覚とは
狭く霞んだ視界には 何も 何も 色付いちゃいないんだ
luz 『Labyrinth -white-』収録曲 ”ロスティナメイズ” より
どんなものなんだろう。
僕はまだそれを味わったことがないから、
一度は体験してみたいと渇望している。
それは「お願い、助けて、誰か気づいて」と
くすぶるサインを出す必要もないような、
色味に溢れた世界であり感覚なんだろうか。
それとも、深く悩み、不安感と闘いながらも
「自分が居るから大丈夫、自分を信じて」と
最後には言えるような感覚なんだろうか。
存在を疑うことのない、無条件の自信、
無条件の愛情への妄想は尽きない。
受け取って、感じることができる日まで
この闘いは続くんだろうか。
今日は何だか結論のない話になってしまった。
今回は言ってみれば、僕の心の中の描写。
色褪せた世界で、体感したことのない感覚を求め渇望する、
1人の人間の心模様。
Labyrinth -white-/CD/QWCE-00502
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