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今年を振り返って(2019プレイバック~その4) この1年で記事にしたアルバムの中に収録されたナンバーの中からいくつかピックアップしてお届けしてきましたが、これで最終回です。最後はジャズ・ナンバーを2つ取り上げたいと思います。 まずは、アート・ファーマー(Art Farmer)のアルバム『ブルースをそっと歌って』の表題曲で、「ブルースをそっと歌って(Sing Me Softly of the Blues)」です。この盤では、アート・ファーマーはフリューゲルホーンを手にし、ピアノ・トリオと演奏しています。そんなわけで、美しいフリューゲルホーンの音色をお楽しみください。 もう1曲は、上の曲と大いに関連するナンバーをお聴きいただこうと思います。上記の「ブルースをそっと歌って」のピアノ・トリオというのは、スティーヴ・キューン(Steve Kuhn)率いるトリオで、ベースはスティーヴ・スワロウ、ドラムはピート・ラロカです。『スリー・ウェイブズ』という盤は、まさしくこの3人組でスティーヴ・キューンをリーダーとして吹き込まれたものでした。同盤には好演奏の曲が多いのですが、今回は短いながらも印象的という短評がぴったりの、「アイダ・ルピノ(Ida Lupino)」をお聴きください。 大晦日も明日となり、新年が迫ってきました。本ブログの今年の更新はこれで最後となります。皆さん、よいお年をお迎えください。[収録アルバム]Art Farmer / Sing Me Softly of the Blues(1965年録音)Steve Kuhn Trio / Three Waves(1966年録音) 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2019年12月30日
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今年を振り返って(2019プレイバック~その3) 2019年の更新記事を振り返る企画、第3回はラテン系ポップナンバーを2つ取り上げたいと思います。 まずは、メキシコの超有名男性シンガー、ミハーレス(Mijares)の『ウノ・エントレ・ミル(Uno entre mil)』の表題曲です。記事にも書いたように、イタリアのジアンニ(ジャンニ)・モランディのヒット曲をスペイン語でカバーしたものです。比較的最近(2016年)の国立芸術宮殿でのライヴ映像をどうぞ。 続いては、モン・ラフェルテ(Mon Laferte)です。今年のラテン・グラミー(最優秀オルタナ・アルバムを受賞)で祖国チリの現状に抗議すべく服を脱ぎ胸を晒してアピールする(胸元にメッセージが書いてありました)というセンセーションを巻き起こした人物でもあります。彼女のアルバム『モン・ラフェルテVol. 1』に収められた「サルバドール(Salvador)」のオフィシャル・ライヴ映像をご覧ください。 [収録アルバム]Mijares / Uno entre mil(1988年)Mon Laferte / Mon Laferte Vol. 1(2016年) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2019年12月28日
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今年を振り返って(2019プレイバック~その2) 今年更新のアルバム記事を対象にして、それらのアルバムに含まれる楽曲をピックアップする企画の第2回です。今回はこれぞというロック系ナンバーを2つ取り上げたいと思います。 まずは、ニルス・ロフグレン(Nils Lofgren)のアルバム『フリップ』に所収の「スウィート・ミッドナイト(Sweet Midnight)」です。往時(1980年代)のライヴ演奏の音声をどうぞ。 続いては、ブライアン・アダムス(Bryan Adams)の『イントゥ・ザ・ファイヤー』の冒頭を飾るナンバーです。シングルとしても発売され、全米6位のヒットとなった「ヒート・オブ・ザ・ナイト(Heat of the Night)」です。 ニルス・ロフグレンのギタリストとしての本領発揮の演奏、やはりギターが中心でソリッドな感じに仕上がっているブライアン・アダムスのナンバー、皆さんはどちらが好みでしょうか(ちなみに筆者的には甲乙つけられません…)。[収録アルバム]Nils Lofgren / Flip(1985年)Bryan Adams / Into the Fire(1987年) 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2019年12月27日
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今年を振り返って(2019プレイバック~その1) クリスマスが過ぎ、年末気分が近づいてきた方も多いと思います。今年を振り返るということで、この1年間で記事にしたアルバムの中から、筆者が聴きたいと思ったナンバーをいくつか取り上げて、動画とともに紹介しようと思います。 まずは、ジミー・ウェッブ(Jimmy Webb)の名盤『エル・ミラージュ』に収められた「ハイウェイマン(The Highwayman)」です。個人的には名曲の域に達していると思うナンバーです。 続いてもう1曲、これも名曲です。ビリー・ジョエル(Billy Joel)の『ニューヨーク52番街』に収録の「オネスティ(Honesty)」です。同盤からは他の曲がシングルとしてははるかに大きなヒットでしたが、この曲は特に本邦で人気のある曲です。 年末までの間、何回更新できるかわかりませんが、しばしお付き合いください。[収録アルバム]Jimmy Webb / El Mirage(1977年)Billy Joel / 52nd Street(1978年) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2019年12月26日
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It’s Christmas Time 2019(その5) 前回のラウラ・パウジーニの「ホワイト・クリスマス」に続き、イタリア人が歌うクリスマス・ソングが連続することになってしまいますが、第5回は、盲目の大物テナー歌手、アンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)が歌う有名クリスマス曲です。 トリノ五輪の閉会式でも登場したイタリアを代表する歌手の彼は、様々なクリスマス・ソングを歌っていて、2009年にはクリスマス曲集を発表しています。今回は、その中にも収録されている「もみの木(O Tannenbaum)」を、ライヴで披露しているシーンをどうぞ。 ご存知の方も多いでしょうが、この曲はドイツの有名なクリスマス曲で、英語では「オー・タンネンバウム」ではなく「オー・クリスマス・ツリー」の表題になっていたりします。今回のものは、ドイツ由来ということで、歌詞の一部もボチェッリはドイツ語で歌っています。 今年のクリスマス曲集、目標の5回目まで達することができました。明日はイブ、明後日はクリスマスです。どうぞ楽しいクリスマスをお過ごしください。[収録アルバム]Andrea Bocelli / My Christmas(2009年) 【輸入盤CD】【ネコポス送料無料】Andrea Bocelli / My Christmas (アンドレア・ボチェッリ)【お部屋で】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2019年12月23日
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It’s Christmas Time 2019(その4) ラウラ・パウジーニ(Laura Pausini)は、1974年生まれのイタリア人ポップ・シンガー(参考過去記事(1)・(2))。自国語のイタリア語はもちろん、スペイン語や英語でも楽曲を発表し、国際的活動をしていて、とりわけイタリア語と似ているスペイン語を話す国々では大きな人気を博しています。 そんなラウラによる「ホワイト・クリスマス」です。スペイン語で歌っているため、表題としては、「ブランカ・ナビダー(Blanca Navidad)」。“白いクリスマス”という意味のそのまんまの直訳です。ライヴでの歌唱をご覧ください。 スタンダードらしいアレンジで、スタンダードの歌い方をしていますが、おそらくは、だからこそ、ところどころで出る彼女独自の節回しが印象に残ったりします。[収録アルバム]Laura Pausini / Laura Navidad(2016年) Laura Navidad【中古】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2019年12月21日
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It’s Christmas Time 2019(その3) 「ジングルベル(Jingle Bells)」と言えば、明るいクリスマス・ソングの代表格のようなイメージがあるかもしれませんが、この第3回は、少しお洒落な雰囲気の「ジングルベル」をお聴きいただこうかと思います。 ダイアナ・クラール(Diana Krall)は、ジャズのピアニスト、ヴォーカリストにして、エルヴィス・コステロの妻。ジャンルにとらわれないいろんな楽曲を取り上げ、解釈して発表しています。そんな彼女と、クレイトン-ハミルトン・オーケストラによる「ジングルベル」をどうぞ。 たまにはこのようなジャズらしいアレンジの「ジングルベル」でクリスマス気分、というのもよいのではないかと思った次第です。[収録アルバム]Diana Krall / Have Yourself a Merry Little Christmas(1998年)Diana Krall / Christmas Songs(2005年) 【中古】 Diana Krall ダイアナクラール / Have Yourself A Merry Little Christmas 【CD】 ↓こちらはLPです↓ 【輸入盤LPレコード】Diana Krall / Christmas Songs【LP2016/10/14発売】(ダイアナ・クラール) 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2019年12月19日
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It’s Christmas Time 2019(その2) スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)は、1967年(もう半世紀上も前!)に『想い出のクリスマス』というクリスマス盤を吹き込んでいます。そこにも収録されていた表題曲「想い出のクリスマス(Someday at Christmas)」は、何年か前に新たな録音されたのですが、今回はそれを取り上げたいと思います。 2015年、デビュー作を発表し、翌年にはグラミー賞に輝いたアンドラ・デイ(Andra Day)。1984年、カリフォルニアはサン・ディエゴ出身のこの女性シンガーのスティーヴィー・ワンダーとの共演です。 ビデオの映像(冒頭でスティーヴィーが触れているコンピューター)でも目につきますが、この曲はアップルのテレビCM用に用意された録音とのことです。50年近くの時を経てこの曲を再録したスティーヴィー・ワンダー。他方、1980年代に生まれて人生30年を超えたところでこれを吹き込んだアンドラ・デイ。立場の異なる2人の共演ですが、なかなかいい感じのデュエットにしあがっているのではないでしょうか。 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2019年12月17日
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It’s Christmas Time 2019(その1) 早いもので、気がつけば、12月も後半に突入しようという時期になってきました。シーズンということもあり、今年もいくつかクリスマス・ソングを取り上げることにしたいと思います。今年のテーマは、様々なアーティストの解釈によるスタンダード曲いくつか取り上げるということで、全5回を目標にお届けすることにしたいと思っています。 まず、第1回はルイス・ミゲル(Luis Miguel)です。プエルトリコ出身でメキシコを代表するシンガーのルイス・ミゲルは、『ナビダーデス』というクリスマス・アルバムも出しています。今回は、同盤の冒頭を飾った「サンタが街にやってくる(Santa Claus llegó a la ciudad)」です。 お聴きのように、有名な「サンタ・クロース・イズ・カミング・トゥ・タウン(Santa Claus Is Coming to Town)」ですが、スペイン語で歌っているということで、表題は「サンタ・クロース・ジェゴー・ア・ラ・シウダー」(英語タイトルの直訳のスペイン語)となっています。 クリスマスが迫ってきていますので、ちゃんと第5回までアップできるかわかりませんが、このあとしばらく、ぜひお付き合いください。[収録アルバム]Luis Miguel / Navidades(2006年) 【輸入盤CD】【ネコポス送料無料】Luis Miguel / Navidades Luis Miguel (Christmas) (ルイス・ミゲル) 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2019年12月15日
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バランス感覚に溢れた好盤 バーバラ・キース(Barbara Keith)は1946年生まれで、アメリカ東海岸出身の女性シンガーソングライター。1960年代後半にカンガルーというバンドで1枚アルバムを出し、その後1970年代初頭にかけてソロ名義のアルバム2枚を出してシーンからは姿を消した。1990年代になってザ・ストーン・コヨーテスという家族バンドで再びアルバム制作を始めて現在に至る。 上記のソロ名義の2作(それぞれ1969年と1972年にリリース)はともにセルフ・タイトル作で何とも紛らわしいのだけれど、今回取り上げるアルバムは1972年リリースのセカンド作の方である。そもそもあまり知られていないアーティストで、大きなヒットを飛ばしたわけでもないけれども、2枚のうちどちらがより知られているかというと、本盤の方ということになるだろう。 フォークやカントリーに根差し、大半が自作曲で占められているが、単調な弾き語り的なものというよりは、アレンジの工夫(といっても決して華美なものではない)をしながらじっくり聴かせようといった趣の盤である。 まず、注目されるのは、ジミ・ヘンドリックスの演奏でも知られる、ボブ・ディラン作の1.「見張り塔からずっと(オール・アロング・ザ・ウォッチタワー)」。ほかに筆者の好みでいくつか挙げると、2.「ローリング・ウォーター」、5.「フリー・ザ・ピープル」、7.「あなたへの道のり(ザ・ロード・アイ・トゥック・トゥ・ユー)」、8.「シャイニング・オール・アロング」、10.「ア・ストーンズ・スロウ・アウェイ」なんかがいい。他の曲も含め、全体的に“ひたむきな感じ”が好印象で、真摯に聴かせることを意図しつつも飽きさせない工夫を頑張ってしているように感じる。いま聴いても、やっぱり商業ベースに乗りにくいのだろうという気もするけれども、じっくり腰を据えて聴けば、目立たないもののバランス感覚がよく、しっかり制作された好盤と言えるように思う。ヒットやブームは不要だが、こういう盤こそ、一定数のリスナーを獲得しながらひそかにかつ着実に聴き継がれて欲しいと思う。[収録曲]1. All Along the Watchtower 2. Rolling Water3. The Bramble and the Rose4. Burn the Midnight Oil No More5. Free the People6. Detroit or Buffalo7. The Road I Took to You8. Shining All Along9. Rainy Nights Are All the Same10. A Stone's Throw Away1972年リリース。 【国内盤CD】【ネコポス送料無料】バーバラ・キース / バーバラ・キース 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2019年12月13日
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INDEXページ(ジャンル別、アーティストのアルファベット順)を更新しました。ここしばらくの新着記事へのリンクを追加しています。INDEXページへは、下のリンク、もしくは本ブログのトップページのフリーページ欄らお入りください。 アーティスト別INDEX~ジャズ編(A-G)へ → つづき(H-M)・つづき(N-Z) アーティスト別INDEX~ロック・ポップス編(A-B)へ → つづき(C-D)・つづき(E-I)・つづき(J-K)・つづき(L-N)・つづき(O-S)・つづき(T-Z) アーティスト別INDEX~ラテン系ロック・ポップス編(A-L)へ → つづき(M-Z) アーティスト別INDEX~邦ロック・ポップス編へ 下記ランキングに参加しています。応援くださる方は、各バナー(1つでも ありがたいです)をクリックお願いします! ↓ ↓
2019年12月12日
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安定した演奏を楽しめるオランダ系ピアノ奏者の代表盤 アーヴィン・ロクリン(Irvin Rochlin)は、オランダ系米国人のジャズ・ピアノ奏者。詳しい情報がまったくなくてよくわからないのだけれど、1926年頃に米国で生まれ、1970年頃にヨーロッパへ移住したという。その後、アムステルダムを拠点として長らく活躍したが、2013年には再び米国へ戻ったとのことである(それ以上情報がなく、存命中かどうかも不明)。 そんなロクリンの残した演奏のうち、今のところ筆者が唯一聴いているのが、この『キリーヌ(Quirine)』という盤である。オランダのライムツリーというレーベルへの吹き込みで、移住からおよそ10年経った1980年に録音されたものである。ジャケットからして印象的で、天使のような愛らしい子供の写真がシンプルな白地にあしらわれている。演奏はほぼ全編がピアノ・トリオで、ハリー・エメリー(ベース)、エリック・イネケ(ドラム)は共に現地オランダの奏者である。 ロクリンのピアノ演奏はクリアで時にリリカルである。透明感がありながら、変に情緒ばかり前面に押すのではなく、基本的には心地よくスウィングしており、情感込めて聴かせる場面ではじっくり聴かせるといったところだろうか。ベースとドラムもそれを心得てか派手になり過ぎぬ程度に小気味よく盛り立てていく。音源はライヴ演奏であるため、その場の客に聴かせることを意識したような構成の部分もあり、MCも挟まる。 全曲とはいかないが、ざっと演奏内容を通観しておきたい。1.「ペピートス・リブ」はこの後繰り広げられる演奏の導入とも言える短い演奏であるが、軽いジャブといった感じで、まずは聴き手の耳を惹きつけるものに仕上がっている。2.「イントロダクション」となっているMCを経て、表題曲の3.「キリーヌ」は透明感のあるピアノにテンポ感を失わないベースとドラムで、本盤を代表する演奏と言えそう。リリカルな方向性を持った演奏としては、4.「ゴースト・オブ・ア・チャンス」とピアノ・ソロの8.「ア・プラン・フォー・ザ・フューチャー」に代表される。上でスウィングと述べたが、安定したノリに支えられた方向性の演奏としては、7.「ローラ」や9.「フォー・オン・シックス」がいい。これら2つの方向性は、どちらか1つに偏ってしまうと退屈になったり、凡庸に聞こえてしまう可能性がある。けれどもそれらをバランスよく演奏しているというのも、本盤が聴き手の心を奪う大事な理由になっているように思う。[収録曲]1. Pepito's Rib2. Introduction 3. Quirine4. Ghost of A Chance5. Only Ludwig Knows 6. Little B's Poem7. Laura 8. A Plan for The Future 9. Four on Six [パーソネル、録音]Irvin Rochlin (p), Harry Emmery (b), Eric Ineke (ds)1980年5月3日録音。 キリーヌ [ アーヴィン・ロクリン・トリオ ] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2019年12月09日
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多彩なギターとパーカッション ジャック・マーシャル(Jack Marshall)は、1921年カンザス生まれの作曲家・編曲家、プロデューサーそしてギタリスト(1973年没)。どちらかというと裏方的な役割が多かったためか、彼名義のアルバム作品は決して多くない。そんな彼が1966年にドラマーのシェリー・マン(Shelly Manne)と共演したのが本作『サウンズ!(Sounds!)』である。シェリー・マンは1920年生まれ(1984年没)だから、同世代の2人ということになる。 内容は、ドラムのみならずヴォイス・パーカッションまでをも使って多彩な伴奏を繰り広げるシェリー・マンに、メロディアスで多彩なテクニックのジャック・マーシャルのギターが絡むというデュオ演奏になっている。取り上げている楽曲には、スタンダード曲のほか、いわば当時の“流行りもの”も含まれ、1.「アラビアのロレンスのテーマ」や11.「カーニヴァルの朝~オルフェのサンバ」なんかが収められている。その意味では、一見すると収録曲に一貫性がないように思われるかもしれないが、聴いてみると、意外にそうでもない。“お洒落に聴かせられる曲”というのがおそらくは選曲基準ではなかったかと思わせるような統一性があるように感じる。 全編通して聴くことがベストではあるものの、気になる曲をいくつか挙げておきたい。3.「オール・ザ・シングス・ユー・アー」や8.「スポージン」は本盤の特徴をよく表す演奏になっているように思う。既存の曲をそういうものとして演奏するのではなく、このデュオでしかできない形(8.の口でのパーカッションも含め)で提示しようという意気込みがはっきりしている。そういう意味では、1.「アラビアのロレンス」のほか、スペイン絡みの2曲(6.「スペインの雨」と7.「スペイン舞曲 第5番 アンダルーサ」)も、ブラジル系の選曲(4.「ショーロス」、10.「サン・パウロの少女」、11.「黒いオルフェ~オルフェのサンバ」)も、その意図に沿った題材の選択だったのかなと思わされる。 実は、本作品には同じ2人による先行するデュオ盤がある。1962年に吹き込まれた『サウンド・アンハード・オフ』という盤である。以前から気になっていながらも筆者は未聴であるが、同盤をいつか手にした時には、時系列では逆になるけれども、本記事の続編を書きたいと思っていたりする。[収録曲]1. Theme from "Lawrence of Arabia"2. Sweet Sue, Just You3. All the Things You Are4. Choros5. Am I Blue?6. The Rain in Spain7. Spanish Dance No. 58. S'posin'9. Yesterdays10. The Girls of Sao Paulo11. A Day in Brazil Medley: Manha de Carnaval/Sweet Happy Life (Samba de Orfeu)[パーソネル・録音]Jack Marshall (g), Shelly Manne (perc)1965年録音。 【中古】 Shelly Manne/Jack Marshall / Sounds! 【CD】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2019年12月06日
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今朝がた、本ブログの合計アクセス数が4200000件を超えました。ご覧いただいている皆さまにあらためて感謝いたします。引き続きご愛顧のほどよろしくお願いします。 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひバナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2019年12月05日
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爆発的かどうかはともかく、渋く粘っこい味わいを楽しめる好盤 ハーマン・フォスター(Herman Foster)は、ルー・ドナルドソンのレギュラー・ピアニストとして知られるが、いくつかの自己名義作も残している。1961年録音の『ジ・エクスプローシヴ・ピアノ・オブ・ハーマン・フォスター(The Explosive Piano of Herman Foster)』は、先に取り上げている『ハヴ・ユー・ハード』と並んで彼の代表的な作品(と言ってもこの人のリーダー作は決して多くないのだけれど)と言えるように思う。 “爆発的(explosive)”という表題が目を引くのだけれども、一般論としては、あまりここに拘らない方がいいと個人的には思っている。というのも、聴き手によっては、“どこが爆発的なのか”という疑問の声が出てきそうな感じがするからだ。ブロックコード(レッド・ガーランドなんかのそれとはまったく違って、ピアノを箱ごと鳴らしたような豪快な音)が爆発的と言えば確かにそうかもしれないのだけれども、音の豪快さだけでなく、黒っぽくて粘り気のあるプレイも同じように特徴になっている。むしろ、個人的には、こっちの部分がこの盤の最大の特徴かつ聴きどころになっているという気がする。 おすすめの演奏をいくつか挙げておきたい。1.「イエスタデイズ」は、テンポよく演奏が進む中、だんだんと粘っこさが増していき、聴き手はハーマン・フォスター節に引き込まれていくという演奏で、本盤の特質をよく表している1曲だと思う。4.「ダンシング・イン・ザ・ダーク」も筆者の好みの演奏で、盛り上がりのある演奏の中でフォスターのピアノをしっかり堪能できる。さらに、この人のピアノは静かな曲調だったり、ゆっくりとしたテンポの演奏であったりしても、独特の粘り気は消えないし、時に鍵盤を打楽器的に叩いて盛り上げてくれる。そういった側面が垣間見られる演奏としては、2.「ライク・サムワン・イン・ラヴ」や5.「グッドバイ」なんかが個人的には気に入っている。あと、ついでながら、自作曲の3.「キャロル」も、何だか聴いた後しばらくは耳から離れなく曲で、さりげなくいい。[収録曲]1. Yesterdays2. Like Someone in Love 3. Carol 4. Dancing in The Dark 5. Goodbye6. Dream[パーソネル、録音]Herman Foster (p), Grassella Oliphant (ds), Earl May (b)1961年5月9日録音。 Explosive Piano of Herman Foster/Have You Heard【中古】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2019年12月02日
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