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異色アーティストの経歴の中での異色作 ドクター・ジョン(Dr. John,1941年ニューオーリンズ生まれ、2019年に77歳で死去)は、若い頃に手を負傷し、ギタリストからピアニストへと鞍替えしたという過去を持つ。1968年の『グリ・グリ』でデビューしてから、ニューオーリンズの音楽的バックグラウンドに根差しつつも、ヴードゥー教の要素など、ある意味では“特異性”に満ちた作品を世に送り出していった。 そんな異色のアーティスト、ドクター・ジョンの作品群の中で、異色(異色なものの中での異色といっても、異色ではないということにはならない)なのが、1982年にリリースされた『ドクター・ジョン・プレイズ・マック・レベナック(Dr. John Plays Mac Rebennack)』である。表題の“マック・レベナック”というのは、ほかならぬドクター・ジョン自身(本名は、マルコム・ジョン・レベナック・Jr., Malcolm John Rebennack Jr.)のことである。 ほぼ全編、ピアノ・ソロである。4.「ニアネス・オブ・ユー」と6.「サイレント・ナイト(きよしこの夜)」で弾き語りのヴォーカルを披露しているものの、全編通してみれば、あくまでピアノ演奏が主なのである。ラグタイム的な雰囲気、ブルースやジャズの要素など、彼のバックグラウンドとなったであろう音楽が、ピアノ一つで表現されているといったところ。ニューオーリンズ(筆者は行ったこともないのだけれど)のバーで出会いそうな演奏でありながら、この高度なピアノの転がし方というのは、そんじょそこらで聴けるものではない。 異色作となった本盤の試みはこれで終わってしまうことなく、1983年にはその続編に当たる作品(『ザ・ブライテスト・スマイル・イン・タウン』)もリリースされた。初めて聴く人は面食らうかもしれないだろうし、そもそもドクター・ジョンの音楽に初めて触れる人に適した盤ではないとは思うけれど、彼の神髄がわかる盤というのもまた確かに言えるのだろうと思う。[収録曲]1. Dorothy2. Mac’s Boogie3. Memories of Professor Longhair4. The Nearness of You5. Delicado6. Silent Night7. Dance A La Negres8. Wade in The Water9. Honey Dripper10. Big Mac11. New Island Midnight12. Saints13. Pinetop1982年リリース。 【中古】[CD]Dr John Plays Mac Rebennack: Legendary Sessions 2 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2023年03月30日
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ギターを堪能できる好盤 ロイ・ブキャナン(Roy Buchanan)は、1939年生まれのアメリカのギタリスト。一般にはあまり名前を知られておらず、マイナー・アーティストであるかのように扱われてしまうことが多いが、エリック・クラプトンやジェフ・ベックが敬愛するギター奏者として紹介されたりする。1988年に48歳で亡くなっており、酔った末に問題を起こして拘留され、拘留先で首を吊ったとされる。 本盤『メシアが再び(A Street Called Straight)』は、1976年に発表された5作目のスタジオ・アルバム。子どもを膝にのせてテレキャスター(フェンダー社製のギター)を構えているジャケット写真も実にキマっている。ロイ・ブキャナンの作品に初めて手を伸ばす人には格好の盤ではないかと個人的に思っていたりするアルバムでもある。 いくつか注目したい曲をピックアップしてみたい。1.「ランニング・アウト(ラニング・アウト)」は、彼らしさ全開のオープニング・ナンバーで、筆者のなかではこの雰囲気こそブキャナンというイメージだったりする。4.「グッド・ゴッド・ハヴ・マーシィ」は、エレキギターでの弾き語り風のナンバー。ヴォーカリストとしてのよさも十分に兼ね備えていたことがよくわかるなかなか魅力的な1曲である(6.「カルソ」でもそのヴォーカルのよさが生かされている)。 インスト曲の7.「マイ・フレンド・ジェフ」は、表題からもわかるように、ジェフ・ベックに捧げられたナンバー。この前年にリリースされた『ブロウ・バイ・ブロウ』の中で、敬愛するロイ・ブキャナンにジェフ・ベックが名曲「哀しみの恋人達」を捧げたことから、これに呼応してこの曲がアンサートリビュートとなっている。 本盤での大きな聴きどころの一つは、邦題(原題は別のタイトル)にも採用された10.「メシアが再び(メサイア・ウィル・カム・アゲイン)」。ファースト作に収録されたナンバーの再演で、ゆったりと曲が流れていく中、彼のテレキャス演奏の魅力が発揮されている。この“泣きのギター”は、筆者的には、サンタナの「哀愁のヨーロッパ」と双璧を成すと思ったりするのだけれど、いかがだろうか。[収録曲]1. Running Out2. Keep What You Got3. Man on the Floor4. Good God Have Mercy5. Okay6. Caruso7. My Friend Jeff8. If Six Was Nine9. Guitar Cadenza10. The Messiah Will Come Again11. I Still Think About Ida Mae1976年リリース。 【輸入盤CD】Roy Buchanan / Live Stock/A Street Called Straight (ロイ・ブキャナン) 【中古】 メシアが再び /ロイ・ブキャナン 【中古】afb 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーをクリックで応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2023年03月26日
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“最も売れなかった盤”の実態は 1975年のデビュー盤『ドリームボート・アニー』以降、1980年代にかけて、ハート(Heart)というバンドは2度の成功を手にした。最初の成功は1970年代後半(シーンへの登場以降、1980年の『ベベ・ル・ストレンジ』および同年のベスト盤まで)の順調な快進撃で、2度目は1980年代半ば~後半の大セールス(『ハート』から1990年の『ブリゲード』まで)だった。 その狭間で、1980年代初頭の“振るわない時期”があった。アルバム作品で言うと、『プライヴェート・オーディション』(1982年)と本盤『パッションワークス』(1983年)である。とりわけ、本盤の方はチャートも全米39位と、それまでで“最も振るわない盤”になった。 前作に当たる『プライヴェート・オーディション』の項にも書いたように、バンドの過渡期と言える状況であった。その過渡期の中身には、実はメンバー間の問題というのもあった。当初、アンはマイク・フィッシャーと、ナンシーはロジャー・フィッシャーと付き合っていた。ロジャーはバンドの創設者、マイクはその兄である。しかし、1979年の時点でこれらカップルは破局し、ロジャーは脱退する。さらに、1982年にはバンドの創設メンバーだったスティーヴ・ホッセン、セカンド作から合流していたマイケル・デロージャーも脱退(『プライヴェート~』まで参加)し、メンバー交代を余儀なくされていた。つまるところ、“アンとナンシーの二人が残った”という状態で、バンドの音楽そのものも方向性を考えざるを得なくなった時期だったと言える。 この『パッションワークス』を聴くと、確かにこの後の方向性の変化を示唆する部分がある。オープニング・ナンバーの1.「誓いのハート・ビート(ハウ・キャン・アイ・リフューズ)」なんかは、特にそんな感じのする1曲である。アルバム全体を通して、ハードさは影を潜め、テンポを落としたしっとりめのナンバーやバラードっぽいナンバーが支配的である。そういう傾向を代表するナンバーの一つとして、10.「愛のランゲージ(ランゲージ・オブ・ラヴ)」が挙げられる。 いま思えば、というか、後になってから言えることだけれど、70年代ハートの魅力の原動力だった“強さ”の部分が影を潜め、だからと言って80年代の“ポップさ”や(いい意味でも悪い意味でも)大衆受けする要素はまだ部分的にしか見られなかった。聴衆だけでなく、バンド自体もまだ次の時代に追い付くには早すぎたといったところだろうか。とはいえ、個人的には酷評するようなアルバムとも思えず、案外好きだったりする部分もあるのだけれど。[収録曲]1. How Can I Refuse (誓いのハート・ビート) 2. Blue Guitar 3. Johnny Moon 4. Sleep Alone 5. Together Now 6. Allies 7. (Beat by) Jealousy 8. Heavy Heart 9. Love Mistake 10. Language of Love (愛のランゲージ) 11. Ambush1983年リリース。 【中古】 パッションワークス/ハート 【中古】afb ハート Heart - Playlist: THE VERY BEST OF HEART CD アルバム 【輸入盤】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひ“ぽちっと”お願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年03月23日
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アイドルからの脱皮(その2) 前回に続き、もう一つ、森川美穂のシングル曲を取り上げます。「おんなになあれ」に続くシングル曲は同じ1987年後半にリリースされた「PRIDE」(アルバムとしては同年発表で、『おんなになあれ』の次作『ヌード・ヴォイス』に収録)でした。 この曲に至っては、デビュー当時のアイドル的な雰囲気は消え去り、すっかりヴォーカリスト的な感じに変わっています。元のアルバムに収められたものをお聴きください。 続いては、同曲の“21世紀ヴァージョン”だそうです。個人的には、ある種、若さむき出しの元ヴァージョンの方が魅力的という部分もあります。とはいえ、地元大阪の芸術大学で指導に当たっている彼女のヴォーカル力がしっかりと表われていると思います。 [収録アルバム]森川美穂 『Nude Voice』(1987年)森川美穂 『glad』(2010年) glad [ 森川美穂 ] 【中古】 Nude Voice /森川美穂 【中古】afb 森川美穂ベストコレクションBe Free [ 森川美穂 ] 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年03月21日
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アイドルからの脱皮(その1) ずっと前(かなり昔の話です)、森川美穂の『ヌード・ヴォイス』というアルバムを取り上げて、“アイドルからヴォーカリストへ”という路線変更の例としての話を書きました。厳密にいうと、この傾向はその少し前からあって、最初の転機となったのは、この「おんなになあれ」というシングルだったのではないかと思ったりするわけです。 作曲はASKA(飛鳥涼)。余談ながら、ワイドショーなどを賑わせた事件の後、本人の楽曲は発売停止になりましたが、こういう“提供曲”はどうなったのだろうなんて素朴な疑問を抱いたりしています。それはともかく、デビュー当時の森川美穂は、菊池桃子(同じVapのアイドル歌手)の後釜的な位置づけが嫌で、当時の渡辺美里や小比類巻かほる、あるいは中村あゆみのような方向性を希望していたそうです。 曲を作ったASKAによれば、“制服を脱いで1人のおんなとして恋をしたら美穂はどんな恋をするんだろう…と思ってこの歌を作った”そうだけれど、音楽的な方向性という意味では、この後“学園祭クイーン”になっていった経緯を考えると、ちょうどそのきっかけになったのはこの曲だったのかもしれないと持ったりするわけです。 後年には、「おんなになあれ(アカペラ・ヴァージョン)」なるものも作られています。1996年に発売されたベストアルバムの初回盤ボーナストラックとして収録されたものです。折角ですので、こちらの方もお聴きください。 [収録アルバム]森川美穂 『おんなになあれ』(1987年)森川美穂 『HER-Best 1985-1989』(1996年) 森川美穂 VERY BEST SONGS 35 [ 森川美穂 ] 【中古】 HER−Best/森川美穂 【中古】afb 【中古】 おんなになあれ / 森川美穂 / 森川美穂 モリカワミホ / (unknown) [CD]【ネコポス発送】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年03月20日
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新ラインアップで臨んだ東京でのライヴ盤 1974年の『461 オーシャン・ブールヴァード』から1978年の『バックレス』まで、エリック・クラプトンのバンド・メンバーは固定されていた。しかし、『バックレス』制作後にジョージ・テリー(ギター)とマーシー・レヴィ(ヴォーカル)が脱退。翌1979年の欧州ツアーではメンバーが一新された。その新メンバーで臨んだ日本公演を収めた2枚組ライヴ盤が、1980年発表のこの『ジャスト・ワン・ナイト〜エリック・クラプトン・ライヴ・アット武道館〜(Just One Night)』である。『レインボー・コンサート』(1973年)、『エリック・クラプトン・ライヴ(E.C. Was Here)』(1975年)に続く、3作目のライヴ盤となった。 このツアーの演奏メンバーは、アルバート・リー(ギター)、クリス・スティントン(キーボード)、デイヴ・マーキー(ベース)、ヘンリー・スピネッティ(ドラムス)という布陣。これらのメンバーは次作となる『アナザー・チケット』へと継続していく。本ライヴ盤は、2枚組14曲が収録されているが、基本的には1979年12月4日(何曲かについては12月3日)の武道館公演を音源としている。アルバムは、米チャートで2位、英チャートで3位となり、好意的に受け入れられた。 聴きどころ満載で、通して聴く以外ないのだけれど、筆者の気に入っている演奏をいくつかだけ挙げておきたい。まず、1枚目からは、冒頭の1.「タルサ・タイム」は、ライヴ・ヴァージョンとしてシングル化されたもので、演奏の一体感がいい。4.「ワンダフル・トゥナイト」は、何を隠そう、筆者がこの曲を特別なお気に入り曲となるきっかけとなったのが、本ライヴでの演奏だったりする。圧倒される演奏の代表例としては、8.「アフター・ミッドナイト」は聴き逃がせない。 アルバム2枚目に目を向けると、ブルースあるいはブルースロックを演るクラプトンの本領発揮が冒頭の1.「ダブル・トラブル」と締め括りの6.「ファーザー・オン・アップ・ザ・ロード」と言えそう。これら2曲のほかには、元はJ.J.ケイルの曲の5.「コカイン」も注目。有名曲のせいか、とにかく観衆が一気に盛り上がり、ライヴの光景が目に浮かぶような気がする。 個人的に、本盤はLPレコードの時代から慣れ親しんだライヴ盤だったりする。武道館でのライヴ盤というのは世にいくつもあるけれど、ボブ・ディランのものと並ぶ代表作がこの『ジャスト・ワン・ナイト』だと思っている。そんなわけで、今でも、九段辺りを通りがかって武道館を見るにつけ、思い出してはまたCDを出してきて聴きたくなる盤の一つだったりもする。[収録曲](Disc 1)1. Tulsa Time2. Early in The Morning3. Lay Down Sally4. Wonderful Tonight5. If I Don't Be There by Morning6. Worried Life Blues7. All Our Past Times8. After Midnight(Disc 2)1. Double Trouble2. Setting Me Up3. Blues Power4. Rambling on My Mind5. Cocaine6. Further On Up The Road1980年リリース。 ジャスト・ワン・ナイト~エリック・クラプトン・ライヴ・アット武道館~ [ エリック・クラプトン ] ジャスト・ワン・ナイト〜エリック・クラプトン・ライヴ・アット武道館〜/エリック・クラプトン[SHM-CD]【返品種別A】 下記のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年03月17日
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バンド絶頂期における、オーケストラとの共演ライヴ盤 EL TRI(エル・トリ)は、現代メキシカン・ロックの草分け的存在で、1980年代以降、現在に至るまでメキシコのロック・シーンに君臨してきた現役バンドである。そんな彼らが時代を切り開き先導していったのが1980年代だとすれば、トップバンドとして引き続き時代を引っ張っていったのが1990年代だったと言えるだろう。そうした1990年代の末に録音され、なおかつ一風変わったライヴ盤となったのが、この『シンフォニコ(Sinfónico)』というアルバムだった。 本盤のスペイン語の原題である“シンフォニコ”というのは、英語の“symphonic”と同じ単語に当たる。つまるところ、交響楽団との共演ライヴというわけである。メトロポリタン交響楽団(メキシコ市交響楽団)の演奏をバックに、メキシコシティの国立オーディトリアム(アウディトリオ・ナシオナル)で1998年10月12・13日に収められたライヴ音源をアルバム化したもので、このバンドのライヴ盤としては4作目のものとなった。 収められている楽曲は、1970年代のスリー・ソウルズ・イン・マイ・マインド(前身となるバンド)時代の代表曲から、1980年代の代表曲、さらには本盤と同じ年にリリースされた『フィン・デ・シグロ』の収録曲まで、いわばヒット・メドレー的なもの。ただし、演奏は上述のようにオーケストラをバックにロックするという異色のスタイルで全編が統一されている。 聴きどころ満載で、捨て曲なしのライヴ盤ではあるのだけれど、あえて注目曲をいくつか挙げてみたい。間を持たせつつアレックス・ローラのMCから始まる1.「ビルヘン・モレーナ(褐色の聖母)」は、本ライヴの数年前のヒットアルバム(参考過去記事)所収のナンバーで、メキシコ人から国民的信仰を集める聖母マリアをテーマにしたもの。5.「ラス・ピエドラス・ロダンテス(転がる石)」と11.「ポブレ・ソニャドール(悲しき夢見人)」は個人的にお気に入りのナンバーで、別アレンジで聴けて(というか何度も聴いているのだけれど)感激する。上述のように古いナンバーから新しいナンバーまで散りばめられているが、6.「エル・ニーニョ・シン・アモール(愛なき子)」や10.「トリステ・カンシオン(哀しき愛の歌)」https://plaza.rakuten.co.jp/blogmusica/diary/201004240000/はEL TRI初期の代表曲で、他方、8.「クアンド・トゥ・ノ・エスタス(君がいないとき)」や9.「ノスタルヒア(世紀末の郷愁)」は1990年代の代表曲。アルバムを締めくくる12.「A.D.O.(アー・デー・オー)」は、彼らの古典的ナンバーにしてMCの聴かせどころでもある。特殊な演奏形態ということで、最初に聴くアルバムではないだろうと思うけれど、このバンドの作品を何枚か聴いた経験のある人には絶対に外せない盤と言えるかもしれない。なお、これで味をしめたのか、本盤の続編(『シンフォニコ2』、『シンフォニコ3』)も後年にリリースされている。[収録曲]1. Virgen morena2. Mente roquera3. María Sabina4. Los minusválidos5. Las piedras rodantes 6. El niño sin amor7. Difícil8. Cuando tú no estás 9. Nostalgia10. Triste canción 11. Pobre soñador12. A.D.O. 1999年リリース。 ↓いずれも別盤です。↓ 【中古】 El Tri / Sinfonico 2 輸入盤 / El Tri / Warner Music Latina [CD]【宅配便出荷】 【中古】 Un Cuarto De Siglo / El Tri / El Tri / Warner Music Latina [CD]【宅配便出荷】 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2023年03月14日
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晩年の2枚組ライヴ盤 ルイス・エドゥアルド・アウテ(Luis Eduardo Aute)は、スペイン人のシンガーソングライター、作曲家で、画家や映画監督としても活躍した。スペイン出身の両親のもと、1943年にフィリピンのマニラで生まれ、シンガーとしては1960年代後半にデビューした。2020年に亡くなるまで、30枚ほどのアルバム(コンピ盤・ベスト盤を除く)を残した。 本盤『デ・ラ・ルス・イ・ラ・ソンブラ(De la luz y la sombra)』は、そんな彼の足跡を辿ることのできる晩年のライヴ盤である。マドリードとメキシコシティでの公演からの収録で、2枚組CDに計34曲というヴォリュームである(余談ながらLPレコードでも発売されていて、そちらは4枚組とのこと)。 多くの楽曲が収められているとはいえ、長いキャリアの集大成的な名曲集のような感じである。個人的な好みから、いくつかの曲を挙げておきたい。1枚目の3.「ロサス・エン・エル・マール(海の薔薇)」は、アウテの初期の代表曲の一つ。4.「アレルヤNo. 5」は、同じく初期の1967年のシングル曲に端を発する「アレルヤ」の異バージョンの一つ。7.「アファ・カフェ」は、彼らしいメロディと曲展開、そして抒情性が筆者的にはお気に入り。1枚目の後半には、とりわけ弾き語り詩人としての彼のよさの出たナンバーが多く含まれているが、個人的に13.「デントロ」が特に気に入っている。 2枚目にもついても少しだけ触れておく。8.「シン・トゥ・ラティード(君の鼓動なくしては)」は1984年のアルバムで発表されたナンバーで、アウテの代表曲の一つ。16.「デ・ラ・ルス・イ・デ・ラ・ソンブラ(光と影)」は本ライヴ盤の表題になっているナンバー。元は2007年のアルバムに収められた曲で、昼と夜が順にめぐる地球をテーマにしたもの。2枚目ラストの17.「アル・アルバ(夜明けに)」は、複数のアーティストが取り上げた有名曲で、作者であるアウテ自身の代表曲。文字通り本盤のハイライトとなっていて、伴奏なしの熱唱が印象的かつ感動的である。 2020年、アウテが亡くなった原因は新型コロナ感染症だった。この年、日本でも世界でも亡くなった方の中にはいろんな有名人がいたが、76歳でのこの人物の逝去もまた多くの人たちに惜しまれた。彼の声はもう新たには聴けないけれど、この盤のような歌声は聴かれ続けてほしいアーティストだと心から思う。[収録曲]-CD I-1. Me va la vida en ello2. De paso3. Rosas en el mar4. Aleluya nº 55. Pasaba por aquí6. Siento que te estoy perdiendo7. Hafa café 8. Dos o tres segundos de ternura9. Imán de mujer10. Volver a verte11. Slowly12. Alevosía13. Dentro14. Las cuatro y diez15. De alguna manera16. Anda17. No te desnudes todavía-CD II-1. Quiéreme2. Mojándolo todo3. Cine, cine4. Prefiero amar5. Una de dos6. Queda la música7. El niño que miraba el mar8. Sin tu latido 9. Todo es mentira10. Señales de vida11. Atenas en llamas12. Cada vez que me amas13. A día de hoy14. La belleza15. Albanta16. De la luz y la sombra17. Al alba2018年リリース。 ↓ ベスト盤です。 ↓ 【輸入盤CD】Luis Eduardo Aute / Esencial Luis Eduardo Aute【K2021/6/25発売】 Aute Luis, Eduardo - Grandes Exitos CD アルバム 【輸入盤】 ブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年03月10日
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グラミー受賞につながったソロ作 記憶に間違いがなければ、筆者がカルロス・サンタナ(Carlos Santana)のソロ作で最初に聴いたのが、本盤『サルバドールにブルースを(Blues for Salvador)』だった。詳しい方にはいまさらな話だけれど、念のため、アーティスト名について触れておきたい。少々紛らわしくて、よく誤解されがちだが、カルロス・サンタナは個人名。一方、サンタナ(Santana)は、彼が率いるバンド名である。バンドの方は1960年代末から様々なアルバムを発表しているが、カルロス・サンタナ個人名義でのアルバム作品が発表されたのは、1979年の『ワンネス』以降のことである。同作から数えて、『サルバドールにブルースを』は、4作目のソロ名義盤ということになる。 前作の『ハバナ・ムーン』もそうなのだけれど、一時の宗教色は薄く、音楽的なルーツやバックグラウンドを意識し、バンドの方では盛り込みにくい要素を自由に取り込んでアルバム作品にしているという印象が強い。結果、この頃のソロ作は、カルロス・サンタナの人となりを掴むには好適といった感想を筆者としては抱いている。本作はグラミー賞(ベスト・ロック・インストルメンタル・パフォーマンス部門)に輝き、彼にとってのグラミー初受賞となった。 様々な参加メンバーの中では、バディ・マイルスやトニー・ウィリアムスの名が目を引く。実際、本盤の内容は、ロック、ラテン・ロックといった範疇に収まることなく、ジャズやブルースなどカルロスが育った音楽的背景を踏まえて、彼のギターを中心にしっかり聴かせるという作りになっている。 1.「舞踏 アクアティック・パーク(バイランド/アクアティック・パーク)」はラテン調のアルバム冒頭に相応しい、インパクトのある曲で、カルロスのソロが光る。ギターのプレイ内容は、アルバム全体を見渡すと結構多様であるが、筆者が気に入っているものとして、4.「トレーン」、5.「ディーパー・ディグ・ディーパー」、7.「ナウ・ザット・ユー・ノウ」あたりを挙げておきたい。アルバムを締めくくる表題曲の9.「サルバドールにブルースを」は、息子(その名がサルバドール)に捧げたナンバーである。この曲で繰り広げられるのは、これぞカルロス・サンタナというギター演奏。この曲をはじめ、とにかく彼のギターを全編にわたって堪能できるなかなかエキサイティングな一枚だと思う。[収録曲]1. Bailando/Aquatic Park2. Bella3. I'm Gone4. 'Trane5. Deeper, Dig Deeper6. Mingus7. Now That You Know8. Hannibal9. Blues for Salvador1987年リリース。 カルロスサンタナ Carlos Santana - Blues for Salvador CD アルバム 【輸入盤】 【輸入盤CD】Carlos Santana / Blues For Salvador 【K2019/5/10発売】(カルロス・サンタナ) 【中古】 サルバドールにブルースを/サンタナ 【中古】afb 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年03月07日
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INDEXページ(ジャンル別、アーティストのアルファベット順)を更新しました。ここしばらくの記事を追加しています。INDEXページへは、下のリンク、もしくは本ブログのトップページ(フリーページ欄)からお入りください。アーティスト別INDEX~ジャズ編(A-G)へ→ つづき(H-M)・つづき(N-Z)アーティスト別INDEX~ロック・ポップス編(A-B)へ→ つづき(C-D)・つづき(E-I)・つづき(J-K)・つづき(L-N)・つづき(O-S)・つづき(T-Z)アーティスト別INDEX~ラテン系ロック・ポップス編(A-I)へ→ つづき(J-N)・つづき(O-Z)アーティスト別INDEX~邦ロック・ポップス編へ 下記ランキングに参加しています。応援くださる方は、 各バナー(1つでもありがたいです)をクリックお願いします! ↓ ↓
2023年03月04日
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脇道からフルアルバムへの結実 ザ・ラヴモンガーズ(The Lovemongers)は、アメリカのロック・バンド、ハートの中心人物であるアンとナンシー(ウィルソン姉妹)が、1990年代、サイド・プロジェクト的に作り出したアコースティック・ユニット。1992年にレッド・ツェッペリンの「限りなき戦い」のカバーを4曲入りEPという形で発表していた。それからさらに5年ほどが経ち、このユニットのフルアルバムが届けられた。それが、本盤『ウィアリーギグ(Whirlygig)』だった。 本盤の特徴はというと、意外なことに、ツェッペリン色のなさではないかと思ったりする。そして、全体としてはポップ寄りのロックサウンドで、歌を聴かせるという部分におかれた比重が高いように感じる。 本盤に収録の曲のうち、個人的にお勧めのものをいくつか挙げておきたい。上記のポップ寄りのロックサウンドの典型の一つである2.「ミラクル・ガール」は、軽快な曲調が気に入っている。ハード・バラード調の6.「キッス」は、ライヴでやるとなかなか盛り上がりそう。7.「ラナウェイ」はアコギを中心とした演奏で、なかなかよくできたバラードの好曲。アルバムを締めくくる10.「サンド」はアコースティックな弾き語り(ただし曲後半ではドラムス等も加わる)で、確かにこういう曲はハートのアルバムにはそぐわず、こうした別プロジェクト的な場だからこそ収められたナンバーという印象がする。 なお、日本盤限定かどうか不明だが、3曲のボーナス・トラックが追加されており、クリスマス向けのナンバーなども収められている。[収録曲]1. City on the Hill2. Miracle Girl3. Two Black Lambs4. No School Today5. The Vegas Gene6. Kiss7. Runaway8. Elysian9. Heavy Sedation10. Sand~以下、日本盤ボーナス・トラック~11. How Beautiful12. Here Is Christmas13. Hurry Up, Healer1997年リリース。 Whirlygig [CD] ラブモンガーズ/トライエム 【中古】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年03月02日
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