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冴える円熟のヴォーカル ビクトル・マヌエル(Víctor Manuel)こと本名ビクトル・マヌエル・サン・ホセ・サンチェス(Víctor Manuel San José Sánchez)は、1947年、スペイン北部のアストゥリアス出身のシンガーソングライター。本ブログでは何回も記事にしていて、筆者のお気に入りのヴォーカリストである。 そんな中でも特に筆者は、1990年代~2000年代にかけての頃、言い換えれば、40歳代~50歳代頃の円熟期の彼の作品がとりわけ筆者は気に入っている。この時期にドンピシャの作品の一つが、本盤『カダ・ウノ・エス・コモ・エス(Cada uno es como es)』である。本作の前の『シン・メモリア』(1996年)も、後に出た『エル・イホ・デル・フェロビアリオ』(2001年)もよかったが、1999年リリースの本作もまた、この時期の彼の円熟のヴォーカルが冴えわたっている。 個人的に気に入っている曲をいくつか挙げてみたい。1.「ムヘール・デ・ウモ(煙の女)」は、叙情的な曲調と彼のヴォーカルの特性がぴったりとマッチしている。2.「ビエネン・デル・スール」はサビのメロディが筆者的にはツボにはまっている。表題曲の3.「カダ・ウノ・エス・コモ・エス」は、やや肩の力の抜けた歌唱がいい。8.「シ・エジャ・ノ・メ・キシエラ」はラテン調な演奏がいいアクセントになっている。10.「メ・グスタ・サベール・デ・ティ」もラテン調な演奏を含むが、ヴォーカルと声のよさが際立った1曲となっている。 他の過去記事にも書いているように、筆者はビクトル・マヌエルの“声”に魅了されてしまっている。そして、この盤もまた、その声のよさに惚れ惚れしてしまう作品であったりする。[収録曲]1. Mujer de humo2. Vienen del sur3. Cada uno es como es4. Boca que busca boca5. Al cabo del tiempo6. Algunos pasan de todo7. Pájaros negros8. Si ella no me quisiera9. Donde caben dos10. Me gusta saber de ti11. Tierra mía12. Nuestros nombres1999年リリース。 ↓別の盤(ベスト盤、ライヴ作など)です。↓ Belen, Ana / Manuel, Victor - Esencial Ana Y Victor CD アルバム 【輸入盤】 【輸入盤CD】Victor Manuel / La Vida En Canciones【K2023/1/13発売】 Manuel, Victor - La Vida En Canciones CD アルバム 【輸入盤】 【中古】 Ana Belen / Mucho Mas Que Dos 輸入盤 / Belen, Ana / Manuel, Victor / Imports [CD]【メール便送料無料】【あす楽対応】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2023年04月30日
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夫婦共演の第二作 当時、夫婦だったジョン&ビヴァリー・マーティン(John & Beverley Martyn)2人の名義で発表された2枚目にして最後の作品が、この『ザ・ロード・トゥ・ルイン(The Road to Ruin)』(1970年)という盤である。同じ年に発表された2人の名義の最初の盤(参考過去記事)に比べ、冒頭のナンバーがビヴァリーの曲であるなど、彼女の存在感がより増しているという印象を受ける。 1.「プリムローズ・ヒル」はビヴァリーがヴォーカルを担当しており、曲の出来として、前作からの進歩と2人の力がうまく組み合わさっている様子がわかる。この傾向は、2人による他の共作曲(3., 6., 8.)にも見られ、個人的には、3.「アーンティ・アヴィエイター」がいい。 ジョン・マーティンらしさが発揮された曲としては、2.「パーセルズ」がなかなかの美曲。5.「ギヴ・アス・ア・リング」は、本盤中で唯一のカバー曲だが、メロディアスな好ナンバーで、筆者はこの手の曲に滅法弱かったりする。他に外せない注目曲としては、アルバムの表題になっている9.「ロード・トゥ・ルイン」。弾き語り調で始まり、まもなくリズム感のある演奏へと展開していく。そうなった後はすっかりインスト曲となり、6分ほどの間に演奏がどんどん盛り上がっていく。 本作の発表後、レーベル側は、ファンの要望という理由でジョン・マーティンのソロ作品を要望したという。その時のリスナーの反応がどうだったのか、よく知らないが、個人的にはこのデュオの歌唱もなかなかよかったのに、と思わないでもない。ともあれ、夫婦名義の作品はこの2作目が最後となり、結局、2人も1980年に離婚してしまっている。そして、周知の通り、ジョン・マーティンはすぐれたアルバム作品を重ねていくことになる。[収録曲]1. Primrose Hill2. Parcels3. Auntie Aviator4. New Day5. Give Us a Ring6. Sorry to Be So Long7. Tree Green8. Say What You Can9. Road to Ruin10. Here I Am1970年リリース。 ザ・ロード・トゥ・ルイン +1 [ ジョン&ビヴァリー・マーティン ] [枚数限定][限定盤]ザ・ロード・トゥ・ルイン +1/ジョン&ビヴァリー・マーティン[CD]【返品種別A】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年04月24日
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2023年04月20日
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一聴の価値ありの一枚 バンド名が“目玉焼き”(片面焼きではなく両面焼きにしたもの)、アルバム表題が“うまくて安い”、ジャケットが食堂の絵というのは、第一印象としては、ふざけているとしか思えない。だが、そんな見かけにもかかわらず、本格派で味わい深い好盤というのが、この盤、エッグズ・オーヴァー・イージー(Eggs Over Easy)の『グッド・アンド・チープ(Good 'n' Cheap)』である。 このバンドは“パブ・ロックの火付け役”として紹介されたりするが、UK出身バンドではない。カリフォルニアで出会ったジャック・オハラとオースティン・デ・ローン(共にニューヨーク出身)の二人を中心にバンドが形成され、ニューヨークで活動するようになった。けれども、1970年にロンドンにレコーディングに行き、しばらくそのまま住み着いて、イギリスで活動を繰り広げたという経緯である。 本盤『グッド・アンド・チープ(Good 'n' Cheap)』はA&Mと契約して1972年にリリースされたもので、当初のロンドン・レコーディングの再録を含むとのこと。なお、リリース翌年に当たる1973年にはバンドは米国へ帰国して、イーグルスやイエスのツアーをサポートしている。 ジャンルで分ければ、カントリー・ロック、スワンプ・ロックということになるのだろうが、とにかくいいリラックス感というか余裕のような部分のある作品で、なおかつ完成度が高いというのがこの盤の特徴といっていいように思う。個人的に特におすすめのナンバーをいくつか挙げると、1.「2人のパーティー(パーティ・パーティ)」、4.「ザ・ファクトリー」、7.「歌はくり返す(ソング・イズ・ボーン・オブ・リフ・アンド・タング)」、9.「メンフィス川を下って(ラニン・ダウン・トゥ・メンフィス)」、11.「ナイト・フライト」。というか、通して聴いてみると、捨て曲が見当たらないほどの好曲揃い。“幻のバンド”的な存在だが、一聴の価値ありの一枚だと思う。[収録曲]1. Party Party2. Arkansas3. Henry Morgan4. The Factory5. Face Down in The Meadow6. Home to You7. Song Is Born of Riff and Tongue8. Don't Let Nobody9. Runnin' Down to Memphis10. Pistol on the Shelf11. Night Flight1972年リリース。 グッド・アンド・チープ [ エッグズ・オーヴァー・イージー ] [枚数限定][限定盤]グッド・アンド・チープ/エッグズ・オーヴァー・イージー[CD]【返品種別A】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年04月18日
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短いながらも魅力の伝わる好ライヴ作 エディ・マネー(Eddie Money)は、1970年代後半から1980年代にかけて人気を博したアメリカ人のロック・ヴォーカリストで、2019年に70歳で没している。生涯で11枚のスタジオ作品を残しているが、ライヴ音源が正式にリリースされたのは、意外にも遅く、1992年の『アンプラグ・イット・イン(Unplug It In)』が最初だった。ライヴ・アルバムと呼ぶには小ぶりで、正確にはミニアルバムと呼んだ方がいいサイズのもの(収録時間は計29分ほど)である。 1990年代初頭の“流行り”だったアンプラグド(プラグを抜く、すなわちアコースティック演奏)のライヴというのが本盤の内容である。エディ・マネーは1992年に“アンプラグド”を掲げたツアーを全米で行い、その際のテキサス州での音源がこのライヴ作品としてリリースされた。 このライヴで披露されている内容がエディ・マネーの真髄かといえば、答えに戸惑う。エレキギターがしっかり鳴っているロックサウンドが本来の姿だと言わざるを得ない。けれども、アコースティックなセッティングで、熱唱というよりも、語り掛けるかのように歌を紡ぐ様子は、ヴォーカリストとしての地力を存分に発揮したものだといえる。 収録曲数は7曲と少ないものの、注目ナンバーをいくつか挙げておきたい。5.「天国行き超特急 (トゥー・ティケッツ・トゥ・パラダイス)」は、彼の代表曲の一つ。とはいえ、このライヴ作品の選曲は、決してヒット・メドレーのような趣旨ではない。とくに注目したい歌唱としては、スモーキー・ロビンソン(ミラクルズ)のヒット曲である4.「ユーヴ・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー」、それから、3.「セイヴ・ア・リトル・ルーム・イン・ユア・ハート・フォー・ミー」や6.「トリニダー」といったところ。これら以外の楽曲も、総じてヴォーカリストとして“聴かせる”という点に多分に比重が置かれている。結果的に、私的には極めて好感度の高い作品に仕上がっていると思う。没後の今となっては、このアンプラグド・ツアーのもっとまとまった音源をライヴ・アルバム化してもいいんじゃないかと思ったりもするけれど、そこまで幅広いセールスは望めないのだろうか…。[収録曲]1. Gimme Some Water2. She Takes My Breath Away3. Save a Little Room in Your Heart for Me4. You've Really Got a Hold on Me5. Two Tickets to Paradise6. Trinidad7. Fall in Love Again1992年リリース。 Money, Eddie - Unplug It in CD アルバム 【輸入盤】 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年04月13日
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アルゼンチン人ロッカーによる円熟の好ライヴ盤 ミゲル・マテオス(Miguel Mateos)は、1954年ブエノスアイレス出身のアーティストで、“スペイン語ロック界のボス”とも呼ばれる。1970年代末から1980年代にかけて、アルゼンチンはもとより、スペイン語圏でのロックの普及と発展に寄与した主要アーティストの一人である。 その頃の彼は、見た目も細く、とがった印象もあった。けれども、20~30歳代の頃とは違い、年齢を重ねて50歳代となった彼のこのライヴ盤は、かつてとは異なる円熟味を非常にいい意味で示すことに成功した作品になったと思う。 収録曲は、キャリアの集大成といわんばかりの選曲である。2.「ジャマメ・シ・メ・ネセシタス」、12.「アタード・ア・ウン・センティミエント」、14.「クアンド・セアス・グランデ」など、ヒット曲や有名曲が目白押しである。さらに注目なのは、大物アーティストをゲストに迎えて代表曲を披露している点。9.「ソロス・エン・アメリカ(孤独のアメリカ)」では、スペインの実力派女性シンガー、マルーとデュエットし、15.「オブセシオン」では、メキシコの人気バンドのREIKと共演している。 本ライヴ盤は、2010年にメキシコ市内で行われたものを音源としており、ミゲル・マテオスの人気がアルゼンチンにとどまるわけではないことがわかる。各曲の彼の歌唱を聴くにつけ、ある種、勢いに任せる部分も多かった若い頃に比べ、本ライヴ盤では、円熟と貫禄が全体の雰囲気を支配している。大袈裟に言うわけでもなんでもなく、個人的感想を正直に言えば、“こういうロックおやじになりたい”と思わせてくれる盤でだった。もちろん、筆者的には二重丸を付けたくなる好ライヴ盤というわけなのである。[収録曲]1. Solo una noche más2. Llámame si me necesitas 3. Perdiendo el control4. Cuando despierte mañana5. Un poco de satisfacción6. Extra, extra7. Un gato en la ciudad8. En la cocina, huevos9. Solos en América (Con Malú) 10. Borracho y sentimental11. Lola12. Atado a un sentimiento 13. Rock libre14. Cuando seas grande 15. Obsesión (Con Reik)16. Tira para arriba2011年リリース。 【輸入盤CD】Miguel Mateos / Primera Fila (ミゲル・マテオス) 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年04月09日
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INDEXページ(ジャンル別、アーティストのアルファベット順)を更新しました。ここ1か月ほどの間の記事へのリンクを追加しています。INDEXページへは、下のリンク、もしくは本ブログのトップページ(フリーページ欄)からお入りください。 アーティスト別INDEX~ジャズ編(A-G)へ → つづき(H-M)・つづき(N-Z) アーティスト別INDEX~ロック・ポップス編(A-B)へ → つづき(C-D)・つづき(E-I)・つづき(J-K)・つづき(L-N)・つづき(O-S)・つづき(T-Z) アーティスト別INDEX~ラテン系ロック・ポップス編(A-I)へ → つづき(J-N)・つづき(O-Z) アーティスト別INDEX~邦ロック・ポップス編へ 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2023年04月05日
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坂本龍一、追悼 日本を代表するアーティストの一人、坂本龍一の死去が報道されました。がんの闘病が続いていましたが、1952年生まれの71歳、3月28日に亡くなったとの発表で、早すぎる死が惜しまれます。YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)の活動をはじめ、『戦場のメリークリスマス』(1983年)や『ラスト・エンペラー』(1987年)などの映画音楽でも広く知られました。 まずは、おそらくは彼の楽曲としては最も世界に知られているであろう、『戦場のメリークリスマス』のメインテーマをお聴きください。 さらに、『ラスト・エンペラー』のメインテーマです。坂本龍一が手掛けたこちらの映画のサウンドトラックは、アカデミー作曲賞のほかグラミー賞(最優秀映画音楽)など多くの賞を受賞しました。 今年(2023年)初めには、同じYMOのメンバーだった高橋幸宏が亡くなったばかりです(参考過去記事)。それから3か月と経たずして坂本龍一の逝去とは、残念でなりません。残されたYMOメンバー、細野晴臣は何を思っていることでしょうか。 その3人でのYMOの活動当時の楽曲もお聴きください。テクノポップの金字塔ともいうべき『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』(1979年)収録のシングル曲、「テクノポリス」です。 坂本龍一のご冥福を心よりお祈りいたします。 戦場のメリークリスマス - 30th Anniversary Edition - [ 坂本龍一 ] 「ラストエンペラー」オリジナル・サウンドトラック [ 坂本龍一 ] ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー [ YMO ] 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2023年04月03日
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