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今月はじめに観察したアカガシラサギのその後の様子を見に出かけました。姿は、遊歩道を探索しその一角にありました。観察個体は、喉から胸の縦斑の模様が昨年の同時期と比べると模様太く変化しているような印象があります。(写真)1枚目から4枚目:2023年2月28日撮影5枚目から7枚目:本日の観察個体と比較するために昨冬の撮影画像をアップ。2022年2月7日、同年2月26日、同年3月15日撮影
2023.02.28
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レンジャク類の様子を見に埼玉県荒川沿岸の公園に足を運びました。到着直後、もうヒレンジャクがヤドリギの実をおいしいそうについばんでいました。その後、10羽がその頭上を飛翔していきました。地元の方によると、キレンジャク1羽の姿を目撃された由。ヒレンジャクをじっくり観察してみると、初列風切は外弁のみ白色で雌と判明。(雄は初列風切の先端が白く、白色部に赤い蝋状の付属物があります)ヤドリギの実を食べた後は、水を飲みに水場に移動。長い冠羽、額から伸びた黒い過眼線、尾羽の紅色、どれも素敵でした。帰り道に立ち寄ったベニマシコがよく出現するスポットでは、ベニマシコ雄が枝先に止まっている姿も観察できました。(撮影)2023年2月27日撮影
2023.02.27
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ウグイスは、羽田(1970)が報告しているように、巣造り後期、抱卵、抱雛、給餌、糞運び出しの全てが雌が担当し、ナワバリ防衛は雄のみで行う鳥類と長年思っていました。しかし、濱尾(2001)は、隔離された大洋島で進化してきた小笠原のウグイスでは雄の巣内ビナヘの給餌が観察されており、2000年5月に京都府京田辺市で雄がヒナに給餌するところは直接観察できなかったもののヒナの近くに行くまでは職に幼虫をくわえているのを観察し、ヒナに近づいた後で幼虫をくわえていないのを観察したことから雄はヒナに幼虫を給餌していたと判断したこと報告しています。あわせて、子の世話の分担は、必ずしも固定されたものではなく条件により変化あるものと考えられると結んでいます。(なお、濱尾(2001)は、雌雄の識別について、雄は総排池腔が突出し、抱卵斑がなく放鳥後さえずる、雌は総排池腔が突出しておらず、抱卵斑があり囀ることがない点で識別したと記しています(引用)羽田健三・岡部剛士.1970.ウグイスの生活史に関する研究.山階鳥研報第6巻第1/2号.p130-141.涜尾章二・松原始・梶田学・三田村あまね.2001.ウグイスの雄による巣立ちビナヘの給餌.Strix第19巻.pp187-189.日本野鳥の会.(写真)2022年2月4日都内水元公園で撮影上面、下面ともに褐色味があり、嘴、足ともに褐色という解説が一般的です。水元の個体は上嘴が黒く、足は肉色でした。また。褐色の過眼線があり、足が長く見えたことから雄個体と思われました。
2023.02.26
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午後から流山市と野田市の境界の水田地帯を探索しました。曇り空で冷たい風が吹いていたので体感気温は真冬なみ。広大な水田を一枚ずつ見ていくと、タゲリが畦を移動する姿、ケリが複数羽で飛翔し移動する姿、あわせて、ミヤマガラスが群れで水田で餌を物色している姿を目撃しました。タゲリの数歩歩き、ついはんでから数歩歩いて停止といった独特の採食行動を観察しました。その後、野田市と流山市の境界を流れる運河沿いを散策しました。肩羽の模様が縦斑になっているコガモ雌、オオバン、上面が赤褐色の強いツグミ雄、上面の色が赤みのない褐色の雌の姿を観察しました。(写真)2023年2月25日撮影(ケリは2022年12月撮影)
2023.02.25
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鳥類は、胃の中に胃石っていうのを持っていて、のみ込んでからおなかの中でその石でゴリゴリッて硬いものをつぶして消化をしてます。歯がないけども、胃の中に歯の代わりになる小さな石をのみ込んでいてそれで嘴に歯がないのにいろんなものを食べられると聞いていました。柏市内で姿を目撃しているトラツグミを含む一部の鳥類で胃石が認められない種類が存在すると報告があることを耳にしました。参考までに紹介します。群馬県立自然史博物館(2020)は、2015年7月から2020年9月まで23科48種127検体を調査し報告しています。それによると、胃石が認められた種類、個体により胃石が認められた種類、胃石がない種類が存在するとしています。(1)胃石が認められる種類コジュケイ、ヤマドリ、キジ、コハクチョウ、マガモ、カルガモ、カンムリカイツブリ、カワラバト(ドバト)、キジバト、オオバン、ツツドリ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ガビチョウ、ツグミ、スズメ、アトリ、カワラヒワ(2)個体により胃石の有無がある種類カワラバト(採餌は地上、食性は植物質)、スズメ(採餌は地上、食性はイネ科種子+昆虫類成虫)(3)胃石なしアオバト(採餌はほぼ樹上植物質)アオゲラ(採餌はほぼ樹上植物質+動物質)トラツグミ(採餌は地上・樹上昆虫類+植物質)(鳥は2つの胃を持つ)鳥は「腺胃(せんい)」と「筋胃(きんい)」という2つの胃を持っています。このうち、腺胃は人の胃と同じような役割で強い酸性の消化液で食べたものを化学的に分解する働きをします。また、筋胃は通称砂肝(すなぎも)とも呼ばれ、強力な筋肉でできた胃の運動と中に入っている石によって食べ物をすりつぶします。穀物を食べる鳥では筋胃が、肉食の動物では腺胃が発達しているとされています。胃石がなしと報告されているアオバト、アオゲラは樹上植物質(木の上で木の実を食べる)ことが多いので胃石が認められない時期があるのか、それとも筋胃が退化しているのか、胃石なしと報告されているトラツグミの場合は、摂取したミミズをどうやって消化しているのか興味のあるところです。(引用)群馬県自然史博物館.2020.動物たちの「いま」.ぐんまの自然の「いま」を伝える報告会.要旨集2020年度.2-24(写真)2023年2月24日撮影今朝、谷津田の一角で採餌をしていたトラツグミです。昨日とは違い、最初は木に止まっていた後に地面に降りて餌を物色していました。
2023.02.24
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柏市内の小さな谷津田を散策しました。19日に姿を目撃したトラツグミの姿はどうかと林の一角で待機。ツグミ、シロハラ、シジュウカラ、メジロといった仲間が鳴きながら移動する光景を観察していたら、ハトくらいのサイズの鳥が太い木の枝に飛来しました。双眼鏡で確認すると、トラツグミでした。その後、低い姿勢で畑地の縁を移動し、歩いては停止を繰り返し物音を聞くような素振りをみせ獲物をとっていました。19日の目撃したような位置を定めてジャンプはせずに移動していました。ミミズを食べるときには渾身の力をこめてジャンプするものの、昆虫類や種子などを食べる時にはそうではないということを観察しました。尾羽の中央2対が黄褐色で、残りが黒褐色で先端が白いのがわかりました。なお、活発に餌をとった後は、太い木の枝にとまり30分以上休憩していました。アップした写真は、トラツグミのほか、同じ畑地で餌を探していたシロハラ、近所の畑地で餌探しに余念がなかったキジバトです。(写真)2023年2月23日撮影(なお、観察地は谷津田環境の保護の関係があり非公開とします)
2023.02.23
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18日にタマシギと出会うことができましたが、何度かは顔をあげたりあくびをしたりを披露してくれたものの、大半は葦原の中に姿がありましたので採餌している様子などを観察できないかと現地を訪ねました。動きが活発で今日は、葦原の外に出て採餌する様子を目撃できました。餌は甲虫類や昆虫類の幼虫を採食すると聞いていますが、何を採ったのかは確認できず。今日は、前回に比べてその羽色などをしっかりと観察できたのも収穫でした。顔から胸は灰褐色で、雨覆いに黄色の丸い斑は認められず、雌のような顔と上胸の赤褐色はないこと、目の周りに黄色味と黄褐色の頭央線があり、嘴は薄紅色で先端あたりで下方に曲がっていました。これらの特徴から成鳥ではなく、若鳥または第一回冬羽ではないかとも思いました。このほか、同じ葦原で採餌していたアカハラ、複数の巣にカワウの姿、小合溜の水面はキンクロハジロを見かけました。(写真)2023年2月22日撮影
2023.02.22
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風速4メートル強の北西の風が抜きぬける中、ホームグランド手賀沼沿岸のうち我孫子市側の遊歩道を探索しました。今月はじめに姿を観察したアカガシラサギの姿は確認できなかったものの、カワセミが風をさけて休み、オオジュリンが葦の中にいる虫を採食している光景、葦原の中で餌を探して移動するヒクイナ、クイナ、バン、オオバンの姿を見かけました。渡辺・平野(2009)が述べているように、ヒクイナは昆虫類や節足動物、甲殻類、カエル類、小魚、貝類などの動物質や草の実や根などの植物質を主に地上で採食したり、浅瀬にきた小魚を捕らえるとされています。姿を見かけたポイントはこういった餌が捕獲できる環境がわずかに残されているものと思われます。(引用)渡辺美郎・平野敏明.2009.ヒクイナ.食性と採食行動.Bird Research News Vol.6 No.11.p4-5.(写真)ヒクイナ:2022年2月21日、2022年2月3日手賀沼で撮影クイナ:2023年1月7日手賀沼、オオバン、バン:2023年2月21日撮影
2023.02.21
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鳥友からトラツグミとスズメ、シロハラ、ムクドリ、ウグイスの舌表面は類似していると聞いたがそれはどうしてかと質問をもらいました。江村(2011)は、トラツグミなどの鳥類の舌表面を電子顕微鏡で観察した結果を報告しています。それによると、ミミズなどを食べることが多いが柿などの奨果も食べるトラツグミの舌は、細長い矢じり状で舌尖の先端は幾つもの針状構造を呈していることがわかったと記し、スズメ目に属するスズメ、ツグミとシロハラ、ムクドリとウグイスと類似していると結んでいます。また、同じ鳥類でも食べ物により舌表面の構造は大きく異なり、草の葉や種子を主食とする鳥、水草あるいは肉などそのどれを主食とするかにより舌表面の構造は異なっていると報告しています。具体的には、昆虫類、ミミズ、種子を採食するトラツグミ、スズメ、ツグミ、シロハラでは舌先端は分離しているが、草の葉や種子を主食とする鳥でもキジの舌の先端は分離しないが、水草を主食とするオオヒシクイ、ハクチョウ、カルガモ には舌体外側面の毛状および鱗状の突起および隆起部が存在しているなどの内容を述べています。これらは、口腔内に入った食物が確実に食道に流れ込み、口腔外に押し出されないための装置と結んでいます。(引用)江村 正一.2011.トラツグミ、ハイタカ、オナガガモ、チュウサギの舌表面の走査型電子顕微鏡による観察.医学と生物学.第155 巻第 4号.p194-201.(写真)2023年2月19日千葉県柏市、2023年1月29日茨城県つくば市で撮影
2023.02.20
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柏市内の小さな谷津田を散策しました。エリア内では梅が開花し花の蜜を吸いにメジロ、シジュウカラが次々に飛来し、エナガがペアで巣材に使う蜘蛛の糸を集まる光景を目撃しました。また、小さな田んぼでは、足をふるわせて獲物を追い出す漁に余念のないコサギの姿も観察しました。さて、ハイライトは、落ち葉が堆積した畑地でトラツグミを発見したことでした。足踏みをして地中にいるミミズが発する音を聴いて、位置を定めてジャンプ。体をのけぞらせミミズを引き抜くために渾身の力をこめているように見えました。頭と上面は黄褐色で黒色のトラ模様があり、下面には黒い三角月型の黒い斑が目立ちました。(写真)2023年2月19日撮影(なお、観察地は谷津田環境の保護の関係があり非公開とします)
2023.02.19
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鳥友からタマシギが目撃されているとニュースをもらい、久しぶりに都内水元公園を訪ねました。塒としているらしい葦の一角に姿がありました。朝からいるけれどまだ、動いたのは一回だとおじさまメンバーから教えてもらい、ひたすら待機。その甲斐あって複数回顔をみせてくました。目の周りに黄色味と黄褐色の頭央線があり、胸が灰褐色で嘴は薄紅色てした。へーえと思ったのが上面の色でした。多くの図鑑では雄の上面は褐色と記されていますが、後方から上面の色を見てみるとタゲリのような緑がかった色。注視してみると、図鑑に描かれているのとは違う特徴に気づくものですね。タマシギのほか、同じエリアに全体的に羽色が濃く頭部が黒いオオアカハラ、となりの葦原の一角にはタシギ、クイナの姿、水面にはホシハジロ、キンクロハジロ、カンムリカイツブリ、ユリカモメ、セグロカモメの姿もありました。(写真)2023年2月18日撮影
2023.02.18
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流山市と野田市の境界の水田地帯にケリの姿を探しに出かけました。物流団地の建設が進行中で隣接する水田地帯も売却されることとなり、二番穂が刈られることなく放置され、そのエリアからケリ、タゲリの姿は消失しました。ところが、そのから北方向に移動した水田地帯にケリ、タゲリの姿を発見しました。耕起している田んぼで餌を物色している姿を見つけた時は思わず、いた!と声を出してしまいました。近くにいた農家のおじさまの当惑した表情。このほか、田んぼの畦をキジ成鳥雄の後ろを複数の雌が移動。黄色味のある褐色の体と黒斑、素敵でした。このほか、ホオジロ、カシラダカがあちこちの姿があり、この水田地帯がとっておきの餌場であり、休場であることを再認識。あわせて、その近くにはミヤマガラスの群れも発見しました。(写真)2023年2月17日撮影
2023.02.17
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旧柏市と沼南町の境にある公園内と隣接する大津川沿いを探索して歩きました。公園内で顔から後頸が灰色で眼先から喉にかけて緑色のオオカワラヒワを発見。顔と胸は個体により変異は多いのですが、こんなに黄色な個体だったのかと改めて発見。このほか、斜面の葉をひっくり返して餌探しをしているシロハラ、林縁を移動し地面近くの餌を探していたモズ、ぷくっとしたお腹の印象的だったツグミの姿を観察しました。このほか、手賀沼に注ぎ込む大津川の水面には、沼本体よりも個体数の多いマガモ、カルガモ、コガモ、オオバンの姿、そして小魚をゲットしようと枝に止まっていたカワセミの姿を発見しました。コガモは雌を囲い込んで追尾する雄の姿を複数箇所で見かけました。(写真)2023年2月16日撮影
2023.02.16
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朝から暖かな日差しが差し込むものの、北西の風が強く寒く感じる朝でした。さて、一週間ぶりに柏市内の小さな谷津田を散策しました。葦のある小さな池の縁、屋敷林の一角でカッカッと鳴き声。ジョウビタキかと思ったら切り株の上に登場したのがルリビタキ。よく似た声でしたので間違うところでした。帰宅後、蒲谷(1996)収録されているCDで声と鳴き声の解説を復習しました。「ヒッヒッ」「カッカッ」という声はルリビタキもよく出すので迷うことがあるが、しばらく聞いているとルリビタキは「ギギッ」と濁った声を出すので区別できると記されていました。聞きかじりで決めつけてはいけませんね。(引用)蒲谷鶴彦.1996.日本野鳥大鑑.下巻.p43-44.小学館.(写真)2023年2月15日撮影
2023.02.15
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一ヶ月ぶりに柏の葉公園を訪ねました。県民プラザ前の調整池には、マガモ14羽、カルガモ33羽、コガモ16羽、ヒドリガモ9羽、ヨシガモ41羽、オオバン10羽の姿がありました。ここの自慢は何と言ってもヨシガモを近距離が観察できるところです。今日のヨシガモ雄の羽色は、赤紫と緑色から構成される扁平な頭、鎌状に垂れた三列風切が長く、大雨覆の白さ、胸の黒い縁の入った鱗模様と生殖羽が整っていました。帰宅後、昨年秋から観察してきたヨシガモ雄の羽色の変化を復習。(ただし、同一個体ではありません)三枚目の写真は、昨年10月31日に撮影した雄幼羽が第一回生殖羽に換羽中の個体です。肩羽と脇の羽は尖り、肩羽の斑が縦斑の傾向があります。四枚目は、昨年11月10日に撮影した雄エクリプスが生殖羽に換羽中の個体。脇の羽に丸みがあります。五枚目は、昨年11月19日に観察した雄エクリプスが生殖羽に換羽中の個体。肩羽の模様は細い横斑でした。なお、三枚目から五枚目の個体は、胸の鱗模様に細かさがありません。六枚目は昨年12月18日に撮影した雄生殖羽です。鎌状の三列風切が少し垂れ始めました。頸の黒帯が首を伸ばすと幅広いのがわかりました。七枚目の写真は先月8日に撮影した雄個体で、大雨覆の白さが目立つようになってきました。六枚目と七枚目の個体以降は、胸の黒い縁のある鱗模様が整ってきました。胸の体羽は、我が家にある羽毛コレクションを確認すると、白地に三日月の黒い模様があり重なり合って鱗模様に見えているものと思います。また、雄の下尾筒の脇に黄色の斑がありますが、写真を振り返ると飛来したばかりの個体では黄色の斑はまだ見られません。12月になって斑が見られるようになりました。(写真)2023年2月14日撮影
2023.02.14
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鳥友からチバエナガについて教えてほしいと質問をもらいました。文献に報告されている内容を整理し提供します。望月(2022)は、分類学的な種名、亜種名ではないが眉がわずかに薄いまたは眉がほぼ真っ白な通称チバエナガについての知見を報告しています。眉の薄い通称チバエナガの写真を掲載し、当初2018年には千葉県北西部で見られるとされていが、その後情報収集したところ、ほぼ千葉県全域で見られるようだとしています。また、体感として10羽中3羽程度の割合でチバエナガが混じっているように思えると述べています。なお、根拠は明記されていないが、チバエナガの眉の薄さはおそらく遺伝子的な要因によるものと考えられるがDNAを調べないと明らかにならないとしています。また関さんの森を育む会会報にチバエナガの写真を掲載し2021年1月22日に観察したことが掲載されています。(私が観察した眉の薄いエナガ)私も柏市酒井根で眉の薄いエナガを観察しています。一度目は2015年11月30日、二度目は2021年12月24日でした。いずれも観察した個体は眉が薄く、瞼は黄色で腹は白く、下尾筒とピンクがかっていました。(写真)2015年11月30日、2021年12月24日いずれも柏市酒井根で撮影(なお、参考としてエナガ2013年12月28日撮影のものもアップ)(引用)望月みずき.2022.チバエナガはどこにいる.Birder.第36巻.第2号.p21.関さんの森を育む会.2022.2021年フィールドノートから.会報.第42号.p28.
2023.02.13
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江戸川に飛来しているコミミズクを見に現地に出かけました。登場は16時少し前でした。はじめて出会った時は14時30分すぎでしたから一時間半程度遅くなっています。出会えた個体は、顔盤が白く、体下面の縦斑は細いので雄個体と思います。菜の花とコミミズクのコラボ、素敵な光景でした。(写真)2023年2月12日撮影
2023.02.12
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先日、鳥類の構造色の話題を提供したところ、野外で観察できる野鳥を見ながら教えてほしいと有志から要請があったので松戸市の21世紀の森と広場を探索しながら個人セミナーを開きました。千駄堀池には、4日に姿が見られなかったオカヨシガモ、ホシハジロの姿がありました。このほか、マガモ、カルガモ、コガモ、カイツブリ、オオバン、ノスリが斜面林の枝と止まっている姿を発見しました。さらに、林縁の一角ではルリビタキ成鳥雄ともう一羽が移動していました。さて、構造色をテーマに観察した鳥類はカワセミとしました。これまでは、レイリー散乱と呼ばれる光散乱現象で言われ、光散乱が青さを生み出していると記されてきました。とこが千駄堀池には、青色と緑色のニ種類の羽色のカワセミが登場。光散乱で青色を生み出しているならば、緑色は?と参加メンバーからの声。先日、吉岡(2007)が指摘している光の干渉が関係して反射光がもつ偏光の性質など未解決な発色が存在することを紹介しましたが、その後、岡﨑(2021)がカワセミなどの鳥類の羽毛にたくさんの空洞を有するスポンジ層が確認され、この部分に反射することで青色に見えることが判明したと報告しています。また、カワセミの羽が緑色に見えるのは、スポンジ層の青色構造色と羽毛の皮質の黄色色素色の融合で羽毛の緑色が形成されていることによると述べています。要は、単純に角度や光の条件で緑色に見えるわけではないということです。(引用文献)吉岡伸也.2007.鳥の羽根の構造色とその分類.Bird Research News Vol.4 No.2.p2-3.岡﨑登志夫.2021.鳥の進化に伴う構造色発現部と羽毛断面の形の変化形の科学会誌 第36 巻 第2号.p67-73.(写真)2023年2月11日撮影
2023.02.11
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今冬、茨城県波崎港でオオホシハジロが渡来しているがホシハジロとの識別はどんなことを留意したらよいかと鳥友から質問をもらいました。(オオホシハジロの特徴)嘴基部が分厚くがっしりとした印象があるのに対し、先端部は扁平で細長く伸びているので低いアングルで観察した場合は嘴全体の印象は三角形で先端が細くて尖っているように見えます。一枚目と二枚目は2016年2月に埼玉県彩湖に飛来した個体です。また、三枚目と四枚目は2016年2月に都内浮間公園で観察した個体です。上面が灰色で褐色の羽がまじり、体下面は白っぽく褐色の部分も見受けられたことから成鳥雌と思われました。なお、彩湖と浮間公園の観察個体は同一のものが往来していたものと思います。(ホシハジロで嘴が黒一色の個体)五枚目と六枚目の写真は2021年11月23日都内水元公園で観察した個体です。嘴が黒一色なのでオオホシハジロではないかとされる可能性がありますが、嘴先端部が細くなく尖っては見えませんでした。このことからホシハジロです。(ホシハジロ)七枚目の写真は2021年11月23日都内水元公園で観察したホシハジロです。嘴に青灰色の帯、脇に褐色の幼羽が見えたので雌第一回冬羽と思われました。
2023.02.10
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中村(2005)は、カシラダカの分布、生息環境、脂肪と渡りについての知見と渡りを引き起こす要因について実験結果を報告しています。渡りは、衝動が現れることで引き起こされることがわかったと報告しています。実験で春の渡りは12時間以上日照を与えた時に引き起こされ、秋の渡りは12時間より短い日照時間で引き起こされることが実証されたと述べています。あわせて、気象要因として湿度が考えられたので、気象器を用意して日照時間を増加されたところ、日照時間が13時間を超えるころ50%の湿度で飼育したカシラダカのグループは渡りの衝動が起きたが、湿度80%と100%で飼育したグループには渡りの衝動は見られなかったと記しています。これらの結果から渡り鳥が野外においては気象に敏感で天気の悪い時にはじっと待ち、天候の回復を確かめてから渡りを開始するという行動が証明されたと報告しています。これから日照時間が13時間を超える時期は、春分以降となると思いますが、その頃のカシラダカは渡りの衝動にかられるとどんな仕草を示すのか、注視していきたいと思います。(引用文献)中村 司.2005.カシラダカ.渡りを引き起こす要因について.Bird Research News Vol.2 No.3.p5.(写真)2枚とも2022年2月8日茨城県菅生沼で撮影
2023.02.09
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真冬の茨城県坂東市菅生の水鳥観察スポットを訪ねました。コハクチョウ、オオハクチョウ、タシギの群れが比較的近い距離で観察できるので大好きなフィールドです。コハクチョウ73羽のうち1羽は亜種アメリカコハクチョウと亜種コハクチョウの交雑個体(眼先の黄色部がコハクチョウとアメリカコハクチョウの中間ぐらい)でした。このほか、オオハクチョウの姿、タシギは21羽の群れが水面に降りたち餌を物色している光景を見かけたり、個体数が少ないと聞いているカシラダカの姿を250羽以上見かけました。このほか、葦原にジョウビタキ、ツグミの姿やカワセミが餌の魚をゲットしようと葦原でスタンバイしている姿を目撃。(写真)2023年2月8日撮影
2023.02.08
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四ヶ月ぶりに柏の葉キャンパス駅近くにある調整池を訪ねました。葦の手入れのため水位が下げられているのでカモのほか、イカルチドリ、クサシギ、タシギといった水鳥が餌探しに余念がない姿を目撃しました。このほか、コガモ、ヒドリガモ、カワセミ、近くにはツグミの姿を観察し、楽しい時間を過ごしました。(イカルチドリ夏羽、冬羽)額と頭は白く、頭の黒い夏羽と額の黒い部分と羽色も淡い冬羽が各1羽調整池で餌を過ごしました物色していました。(クサシギ)額から後頸が灰褐色で、上面が暗灰褐色、羽縁に淡色の斑がある冬羽が観察できました。(写真)2023年2月7日撮影
2023.02.07
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朝から暖かな日差しが差し込む日、柏市内の小さな谷津田を散策しました。到着し、水路沿いをルリビタキが鳴きもせず移動したり、シロハラが斜面の落ち葉をひっくり返して餌探しに余念がありません。そのあと、上空をカラスを追尾してツミが登場。何度も谷津田上空でバトルを繰り返し、結局はツミの勝ち。そろそろ帰路につこうと思ったら、今度は柿の木の枝にタカの鳥影。双眼鏡でみると、虹彩は黄色、脇腹と下腹部に褐色のの横斑、足は黄色でツミ若鳥でした。30分ほど日光浴をした後、今度は地面に降り立ち再び餌を探す素振りを披露。(写真)2023年2月6日撮影
2023.02.06
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冬鳥が勢ぞろいしている印旛沼を訪ねました。印西市側の遊歩道をすすみ、水面に休んでいるヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、オナガガモ、トモエガモ、コガモ、ホシハジロ、ミコアイサを観察しました。このうち、トモエガモは大半が成田市側の水面に休んでいてその数3万をこえていました。このほか、遊歩道下の葦原にはベニマシコ、オオジュリン、アオジが活発に餌を物色している姿を発見しました。この後、成田市側の広大な水田地帯を探索すると、タゲリ、ハイイロチュウヒといった姿がありました。さらにその後、白鳥の郷に移動し、アメリカコハクチョウ、オオハクチョウ、コハクチョウと出会いました。(写真)2023年2月5日撮影
2023.02.05
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2月に入ってはじめて松戸市の21世紀の森と広場に出かけました。出会えずにいたルリビタキ、ようやく出会えました。雄成鳥と雌と思われる個体が林縁を移動していました。このほか、千駄堀池でカワセミ、林縁でシロハラ、ウグイス、ミソサザイらしき個体を見かけました。千駄堀池では、コガモで次列風切が緑色の個体と藍色の個体を発見しました。コガモのこの部分について、横から見た場合は緑色、斜めから見ると青色(藍色)に見えると解説している方もいらっしゃいますが、真横から見た場合にも色が違って見えます。したがって、後述するような波長の光を強める仕組みや偏光の関係が関与しているのではと思います。(ルリビタキの構造色について)森本(2018)は、構造色による青色発光している種類としてルリビタキ、イソヒヨドリをあげ、電子顕微鏡を使って羽毛の断面を観察した結果などについて報告しています。それによると、羽毛内部にスポンジ層があり特定の波長の光を強める仕組みがあると述べています。(カワセミの構造色について)これまでは、レイリー散乱と呼ばれる光散乱現象であるとされ、文献などでも光散乱が青さを生み出していると記されてきました。しかし、吉岡(2007)が指摘しているように、光の干渉が関係していることが研究者により明らかにされ、反射光がもつ偏光の性質など未解決な発色の仕組みを解明する研究が続けられています。(コガモの次列風切の構造色について)微細な構造による干渉などで現れるのではないかと思われますが、まだコガモの構造色についての仕組みを報告している文献は見かけません。(引用文献)吉岡伸也.2007.鳥の羽根の構造色とその分類.Bird Research News Vol.4 No.2.p2-3.森本 元.2018.構造色由来の色彩個体差の発生機構.科学研究費助成事業研究成果報告書.(写真)2023年2月4日撮影
2023.02.04
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鳥友からぜひアカガシラサギを見てみたいと連絡をもらったので現地に出向きました。手賀沼遊歩道を探索しその一角にその姿を発見。昨年と比べると嘴から目先が黄色に変化していること、上面の色が濃く変化してきています。このほか、遊歩道脇の葦原にヒクイナの姿を発見しました。顔から喉にかけて赤色で、黒くてがっしりした嘴を観察。このほか、白い淡色帯、脇との境にある水平な白い線が見えたコガモ雄、水面を移動していたミコアイサ第一回冬羽、頭の斑が目立つセグロカモメ冬鳥、沿岸の住宅のテレビアンテナに止まっていたノスリ、葦原で餌探しに余念がないオオジュリン、小魚を何度も捕獲していたカワセミと短時間にもかかわらず、楽しい時間でした。(写真)2023年2月3日撮影観察場所については、撮影者が集中する可能性が高いので非公開とします。
2023.02.03
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近年、冬季にヒクイナが観察されブログに報告されているのを見かけます。私共がホームグランドとしている千葉県手賀沼や近郊の松戸市千駄堀、印西市印旛沼、都内水元公園といったフィールドでその姿を見かけています。ノートを見返すと、手賀沼で冬季に姿を見かけるようになったのは2011年1月から、ほぼ通年で姿を見かけるようになったのが2017年からのことです。かつて、環境省の自然環境保全基礎調査(繁殖地図調査)で1970年代後半、1990年後半の調査結果を比較すると生息していると報告されたメッシュ数が減少し、2007年改訂された環境省いわゆるレッドリストでは絶滅危惧2類に選定されました。しかし,2010 年代には,特に東日本で分布の確認が増加していたこともあり、レッドリスト2014 では準絶滅危惧に区分が変更されています。ヒクイナは、水辺の湿地、水田で繁殖し本州以北では夏鳥とされていましたが、2006年以降近畿地方を中心に1980年代と比べて拡大傾向となったことは研究者から報告されているところです。冬季、ヒクイナの行動は、湿地を歩行しながら採食する習性を持っている関係で凍結しない環境が必須とされています。近年の地球温暖化の影響で冬季にも観察できるようになったのではと推測できます。(写真)2022年2月4日手賀沼沿岸、2022年2月9日手賀沼沿岸、2022年3月9日松戸市で撮影(参考文献)バードリサーチ.2008.日本における2000年代後半のヒクイナの生息状況.pp11.環境省.1988.第3回基礎調査動植物分布調査報告(鳥類).環境省生物多様性センター.2004.第6回自然環境保全基礎調査(鳥類分布調査報告).環境省生物多様性センター他.2021.全国鳥類繁殖分布調査報告.日本の鳥の今を描こう. 2016-2021年.pp175.
2023.02.02
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植田(2011)は、モズの環境利用と雌雄調査結果を整理し報告しています。その中に、春になるとモズのメスはオスのなわばりに「嫁入り」することが知られています。メスを引きつけられるよう、オスは良い環境になわばりをかまえると記されています。しかし、私が通っている柏市内の谷津田では、今冬モズの雌が縄張りを確保し昨年秋以降雄の姿は確認できなかったのですが、今朝雄の姿を見つけました。雄は雌を引きつけられるようになわばりを構えるとの点とは真逆でした。植田(2011)がモズの雌雄別の環境利用について調査結果を報告しています。内容をみるとモズの雄が利用する環境は、農地、河川の環境に依存しており、モズ雌に比べて住宅地での環境利用は少ないとの結果です。つまりモズの雄は環境変化に対応できず、以前のように雄が良いなわばりを確保し雌を引き付けることができなくなっているのかと思いました。単年度での観察結果なので結論めいたことは申し上げられませんが、興味のあるところです。(引用文献)植田睦之.2011.モズとジョウビタキの環境利用雄雌調査中間報告.バードリサーチニュース.2011年11月号.p1.(写真)雌:2023年2月1日撮影、雄:2012年12月撮影
2023.02.01
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