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さて今日は、2022~23主力株概況シリーズで紹介してきたポートフォリオTOP10銘柄をまとめておきます。 1位 2726 パルグループホールディングス 雑貨店「3コインズ」の戦闘力の高さ に賭けての戦いですね。 2位 1605 INPEX 日本市場唯一の「黄金株」✨企業ですね。 3位 7605 フジ・コーポレーション 専門とするタイヤ・ホイール販売に関しては、日本一の総合戦闘力を誇っていますね。 4位 9831 ヤマダホールディングス 業界首位の割に指標的に安い気がしますね。 5位 3003 ヒューリック 「物件を高く買って、更に高く売る。」昭和的な価値観の超イケイケ企業で、個人的には大好きなタイプですね。 6位 9057 遠州トラック 成長力・指標的な割安感・優待力の「3種の神器」を併せ持った銘柄ですね。 7位 2792 ハニーズホールディングス 「バランスの取れた圧縮陳列手法で抜群の店舗戦闘力」を誇る、「アパレル界のドーミーイン」的な銘柄ですね。 8位 9027 ロジネットジャパン 激渋&激レアな札証銘柄なのが実にいいですね。 9位 2790 ナフコ 超低PBR、かなりの低PER、堅牢な財務状態、嬉しい年2回優待の4拍子が揃った、小粋な銘柄ですね。 10位 8281 ゼビオホールディングス 、、、 グレアム的なシケモク銘柄 ですね。 以上、2022~23ポートフォリオTOP10銘柄のまとめ でした。2022~23主力株概況シリーズ 免責事項2022~23主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上の頑健な銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに絶対に必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこい独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.0%御自身の判断と責任の元で行って頂きますよう、伏してお願い申しげます。
Sep 17, 2022
いやあ秋の気配が近づく9月になりましたね。 さて9月と言うと、市場では「苦月」と評されるくらいで、投資パフォーマンスが優れない時期であることが知られています。 実際、マーケットでは昔から 9月は1年で最悪の月と言われていて、評判はかんばしくない。(出典 アノマリー投資、ジェフリー・A・ハーシュ著、パンローリング、2013年 P140) と言われています。 ただ、自分の経験では、「実りの秋」に向けてパフォーマンスがじりじりと向上していく「反転の1か月」になることも多く、個人的にはそんなに悪いイメージはないです。ま、いずれにせよ、今月も楽しく頑張ります。 それでは皆様、今月もよろしくお願い致します。
Sep 1, 2022
さて2022年8月のまとめです。 今月は「主力株概況シリーズ」の下書きを書いている中で色々気付くことがあり、それに従ってポートフォリオ上位銘柄のリバランスを細かく行いました。「書いている中で見えてくる。」ことって沢山あるんですよね。 さて次に今月の成績ですが、対2021年末比で+3.7%となりました。先月の+3.0%からはやや前進する結果となりました。 これからも「市場の発する声」に耳を澄ませながら、虚心坦懐にポートフォリオ上位銘柄を1つ1つ見つめ直し、少しでも全体が良い形になるように絶え間ない努力を続けていきます。 それでは皆様、来月もよろしくお願い致します。
Aug 31, 2022
現在全国の書店で絶賛発売中の、日経マネー2022年10月号。 そんな日経マネー本誌に、今月から「株式投資のレジェンドに学ぶ必勝テク」を連載させていただくことになりました。 さて今回の連載は、株式投資の歴史に残る大投資家たちの投資法を説明し、代表的な著作を紹介し、更に具体的に日本株市場に当てはめるとどのような銘柄が該当するのかなどを日経マネー編集部との対話形式で、分かりやすく歯切れよく面白く解説するものです。 初回の原稿のゲラを読んだ時に最初に感じたのは、「なんだこれ、面白いな。」というものでした。今回担当してくれることになった編集者の方の高い力量と、私の投資家としてのカジュアルでおちゃらけた部分が、良い意味で奇跡的に上手く嚙み合っているな、と思いました。 「毎回このクオリティの記事になれば、これは読者の方に喜んで貰えるだろうな。」と感じましたし、そうしなくてはならないとも決意しました。ちなみに昨日、編集の方とは第3回と第4回の原稿の打ち合わせをしたのですが、次も面白くなりそうな気がしています。 さて今回の連載ですが、2018年の「優待バリュー株投資入門」 に続いての、2回目となります。 このような再びの大きなチャンスを与えて下さった日経マネー中野目純一編集長及び編集部の方々に深く感謝を申し上げます。期待に応えられるように頑張ります。 皆様も是非本屋さんでご覧下さい。
Aug 25, 2022
さて今日は 2022~23主力株概況シリーズ です。 3位 7605 フジ・コーポレーション (東P、非優待株) ◎◎◎ PF時価総額3位の超主力株は、宮城県地盤でタイヤ専門店「タイヤ&ホイール館フジ」を東北、関東中心に直営展開しているフジ・コーポレーションです。 前回の2021シーズンでは4位で登場していましたが、優待廃止のアナウンスで株価が大きく下がったタイミングで、「これは絶対にチャンスだろう。」と考えて逆に大きく買い乗せしたために、今シーズンは更に順位を上げてここで出てきました。 現在の株価は1240円、時価総額248億円、PBR1.09、自己資本比率は71.8%、今期予想PER7.35、配当利回り1.6%(20~22.5円)で、優待は廃止されてしまい今はありません。 さてフジ・コーポは、専門とするタイヤ・ホイール販売に関して日本一の総合戦闘力を誇っています。社長さんも、 「勿論タイヤ・ホイールに関する品揃えは同業他社の追随を許さないでしょう。」 と絶対の自信を持っていらっしゃいます。 そしてこの戦闘力の源泉は、以下の通りです。 1. フジ・コーポレーションは全店舗が直営であり、本部マージンが不要なこと、迅速な経営判断が出来ること、通信販売が可能等の点でフランチャイズの多いオートバックスやイエローハットなどのライバルに対して圧倒的な価格優位に立っていること。 2. タイヤ販売はブリジストンのタイヤ館などのメーカー直営店が圧倒的なシェアを握っている世界だが、それらはメーカーの都合のみで存在していて客の方を全く1ミリも向いていないので品揃えが劣る。そのためほぼ全てのメーカーのタイヤを扱っていて「客の欲しい商品が何かを考えて仕入れている」フジ・コーポには敵わないこと。 3. フジコーポは、「タイヤとホイールのセット売り」をビジネスの基本としている。実際のお店を見ても、明らかにホイールメインの展示になっている。そして、ホイールの高い利益率を使ってタイヤを安く売っている。これはある意味で、ドラッグの高い利益率を使って生鮮を安く売っている 9267ゲンキー のやり方と同じであり、しっかりと利益を確保しながら同時にお客さんにも喜んでもらえる、という秀逸なビジネスモデルになっていること。 そして過去の「一貫して伸び続けている」実際の業績推移が証明している通り、タイヤ販売業界においてはフジ・コーポに勝てる総合戦闘力を持った強いライバルは存在しません。(上記データはかぶたんプレミアムより引用) 今期の業績推移も確認しておきましょう。既存店売上高は2021年11月~2022年7月までで対前年比で+5%、本部売上高(通販)は同+17%、全売上高は+10%と着実な成長が続いています。 ちなみにIRによると、「 カーポートマルゼン(2021年7月期の売上高174億円) さんが、当社と同じようなビジネスを展開してはいるが、(財務状態なども含めて)負けないと思っている。」ということでした。 そしてフジ・コーポは利益率の高い美味しいビジネスであるタイヤ&ホイール販売のみに特化しているという利点があるだけでなく、現在の店舗数は東日本中心に僅かに47に過ぎず、西日本には巨大な空白地帯が広がっており、これからまだいくらでも日本全国に出店余地があります。 ただ、実際の店舗展開を見ると「西日本を埋める」というよりは、「東日本のまだ出店余地のある隙間を深耕する」感じで出店しているようです。寒い地域の方がタイヤが売れやすくてビジネスに有利なのでしょう。 ま、いずれにせよまだまだいくらでも出店はできるだろうと思いますし、この数年新規出店を抑えていて、「じっくりとエネルギーを貯めている」感じがするのもとても良いと個人的には感じています。 ちなみにIRによると、「今のところ兵庫県の芦屋市が西の端のお店なのだが、これからどんどんと西日本にも店舗を広げていきたいと考えている。」という、力強い返答でした。 クレヨンでお子様にも簡単に説明できる分かりやすい業態、タイヤ業界の構造的な歪みに乗じた今後もずっと続きそうな恒常的な成長力、業績をチェックしやすい親切で詳細な月次発表、「もしも、 ピーター・リンチ が今でも現役のファンドマネージャーだったらきっとこういう銘柄を買うんだろうな。」と感じる、「隣の綺麗なお姉さん」的なフジ・コーポの気さくでフレンドリーな魅力は未だに色褪せていないと考えています。 そして実際、ピーター・リンチの後継者で愛弟子の、 ジョエル・ティリングハスト (上記データは手持ちの日経マネーより引用) が運営しているファンドが、ここの株式の6.7%を保有し第2位株主(BBHフィデリティ・イントリンシック・オポチュニティズ)で現在登場してもいます。(上記データはかぶたんプレミアムより引用) 以上、大きな魅力に溢れたフジ・コーポを、PF最上位の一角として引き続き楽しくホールドして応援していく予定です。2022~23主力株概況シリーズ 免責事項2022~23主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次の「無重力のステージ」に連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上の銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに必要な「銘柄としての鮮度」が落ちてはいないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこくて執念深い、オラオラの独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。私には未来を予見する力は一切ありません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.0%御自身の判断と責任の元で行って頂きます様、伏してお願い申し上げます。
Aug 7, 2022
いやあ、今年も早くも8月になりました。毎日とても暑いですし、スイカが美味しいですね。 さてマーケットでは昔から 8月はひどく売り込まれがちなので、この月に株取引をした人は挫折を味わってきた。8月は休暇を取る人が多く、取引所も閑散としているので、この月の災難は長く続くかもしれない。 大統領選挙の翌年には典型的な8月となり、損失をもたらして、ダウ平均のパフォーマンスで最下位の月となる。S&P500、ナスダック、ラッセル1000では下から2番目、ラッセル2000では下から3番目の月だ。(出典 アノマリー投資 、ジェフリー・A・ハーシュ著、パンローリング、2013年 P139) と言われています。「8月は全体としてロクでもない、1年で最悪の1か月」ということです。現実問題として、良く「地獄の失神天国サマーラリー」が来ますからね。(滝汗) 実際私も以前8月にイタリアに旅行に出かけて、久々に戻る日本で真っ先にうどんを食べようと思ってウキウキした気分で関空に降り立ち、音速ダッシュで飛び込んだうどん屋さんで大惨事に見舞われたことがありました。 ようやく携帯電話(当時はまだスマホが今の様に一般化しておらず、自分は持っていなかった)でチェックしたところ、持ち株が激下げしてポートフォリオが真っ赤っ赤で大崩壊しているのを目の当たりにし、激烈な精神的ショックであんなに楽しみにしていたおうどんが1本も喉を通らず、味が全く分からなかったのです。 ただ逆に言うと、8月は力のない夏枯れ相場が続く関係で「中期的な株の仕込み時」としては非常に良い時期であるともいえます。特に出来高減少で閑散相場となるお盆時期に毎年チャンスが頻繁にある印象です。 また自らの経験上、8月にどこまで安値で良い銘柄を買えるかによって結構年間のパフォーマンスが違ってくることが多いので、そういう意味でも「正念場」の大切な1か月です。 それでは皆様、今月もよろしくお願い致します。
Aug 1, 2022
さて2022年7月のまとめです。 今月は個人的にはいつも以上に大量の投資本を読んでいました。自分はこれまでにも数百冊は読んでいるのですが、それでも本を読むたびに得られる新しい知識があったり、後何よりも「あっ、前に読んだ本に書いてあったこと、こういう意味だったのか。!」と知識が有機的に繋がっていく感覚があって、いつまで経っても「もうこれで読まなくていいな。」と感じる日が来ません。 次に今月の成績ですが、対2021年末比で+3.0%となりました。先月の-0.8%からはやや改善する結果となりました。 さて今月も準主力級の銘柄を中心としていくつかを売却しました。「長い間我慢して引っ張りに引っ張ってきたけど、総合的に考えてもうこのあたりが株価的な限界かな。」と感じたところを売りました。私のポートフォリオには久々に「変革の時期」が来ているのだろうと考えています。 いずれにせよ、これからも「市場の発する声」に耳を澄ませながら、虚心坦懐にポートフォリオ上位銘柄を1つ1つ見つめ直し、少しでも全体が良い形になるように絶え間ない努力を続けていきます。 それでは皆様、来月もよろしくお願い致します。
Jul 29, 2022
さて私がライフワークとして取り組み、足掛け6年の期間と「みきまる史上、最大の情熱」をかけてお送りしてきた、遠大な「2017~2022PF概況シリーズ」ですが、ようやく最後までやり遂げることが出来ました。 今は正直ちょっとホッとしていますし、その全体がほぼ優待株で構成された自分の「2022年最終完成型ポートフォリオ」を改めて俯瞰しながら、リラックスして「束の間の休息」を楽しんでいます。 さて今回の「ポートフォリオ概況シリーズ」は、2017年1月に始まりました。 ちなみに当時の「PFトップ10銘柄」と、それぞれの勝負の帰結は以下の通りでした。 1位 6425 ユニバーサルエンターテインメント 結論としては、私はここで全く結果を出せずに終わりました。リスク・リワード・レシオの劣ったギャンブル銘柄でしたし、こういう帰結は十分にあり得たな、と時が流れて思います。 今から考えると、当時の私は、「最速で資産○○億を目指す。リスクは取れば取るだけそれに比例してパフォーマンスは向上する。ワイはいつまでもこんなちんたらしたアンゴラウサギステージに留まりはしない。爆速でS級投資家に成り上がる。」とあまりにもアグレッシブ過ぎて、それで目の前の現実がきちんと見えていなかったと感じています。2位 9035 第一交通産業 ここは決して悪い銘柄ではないですが、その後世界は新型コロナの猛威に襲われ、それがアゲインストとなるここは株価が低迷しています。それでも2022年7月の最新ランキングでは時価総額30位前後と、依然としてポートフォリオ上位に留まっています。3位 6670 MCJ ここは結果としては私の「買値の7倍」まで上昇し、びっくりするくらいの大きな利益を得ることが出来ました。自分にとって「大ヒット銘柄」になってくれて本当に嬉しかったです。今は激戦の形見の恩株が1000株、ポートフォリオの片隅に眠るのみです。4位 8167 リテールパートナーズ ここでは実に手堅い利益が出ました。自分はここの様な「地方スーパー」銘柄での戦いを以前から非常に得意としているのですが、やっぱり投資家ってそれぞれに得手不得手ってあるんだな、と改めて思いましたね。同級4位 非公開 ここは当時「ブログ非公開」銘柄としてプレッシャーのかからない状況下で秘密で激アツで戦ったのですが、結果としては「トントン」に近いちょいプラスでした。様々な新しい経験をすることが出来てとても面白かったです。 後、詳しくは書けないのですが、企業IRが「本当に知られたくない超ヤバい話。」は、「証拠が残らないようにポンといきなり携帯に電話をかけてきて伝えてくることがあるんだな、凄いことをこんなにサラリと穏やかなテンションで言うんだな。大人の世界って、深いんだな。」ということがとても印象に残っています。 5位 3097 物語コーポレーション ここはガチの大成功で終わりました。「焼肉きんぐ」の活気が凄い、「丸源ラーメン」の肉そばが滅茶旨い、そういう消費者としての観察が巨大な利益につながったという点で、ピーター・リンチど真ん中の王道銘柄であったと感じています。ちなみに今は、恩株として1000株のみを感謝を込めて保有継続しています。 6位 1916 日成ビルド(その後スペースバリューHDへ改名) ここはその後社長さんに不祥事が発覚するなどいろいろありましたが、株価上昇により、私は実はトータルではかなりの利益を上げることが出来ました。懐かしいですね。7位 7520 エコス ここはその後も「万年不人気」でしたが、結局のところジワジワとその良さが評価されて株価は当時から2倍になりました。私は売ったり買ったりを繰り返しながら、まずまずの利益を積み上げることが出来ました。そういえばここもワイの得意な「地方スーパー」でした。今は恩株として3000株のみを保有継続しています。8位 3297 東武住販 ここは依然としてとても良い銘柄と思います。私はある程度の含み益がある状態で、ポートフォリオ35位前後でのバトルを継続しています。9位 3299 ムゲンエステート ここは全然からっきしダメでした。当時からリスクの高い銘柄であることは認識していたのですが、大敗しました。自分のリスク・リワード・レシオの見積もりが完全に間違っていたと思います。 後、社名にムゲンとかグローバルとかユニバーサルとかフェニックスとか、「過大なイメージ」を想起させる単語が入っている会社って、何故かパフォーマンスが非常に悪いと思います。今後気を付けます。10位 8119 三栄コーポレーション 売ったり買ったりしましたが、トータルでは「ちょい負け」くらいだったかな。ここは今期も業績不振が予想されており、1ファンとしてちょっと心配しています。 こうしてみると、6年前のPFトップ10銘柄の中で、今でもトップ10入りしているのはなんと1銘柄もありませんでした。これは、 「相対的に良い銘柄」というのは常に変化している、株価変動と業績変動によって各銘柄の「リスク・リワード比」はダイナミックに変動していく、という厳然たる事実を反映している ということだと思います。 また同時に、「有効な投資戦略」が猫の目のように変化し続ける変幻自在の株式市場で継続して生き残り続けるにはそうあるべき なのだろうとも感じています。 ま、いずれにせよ、これからもライフワークの「ポートフォリオ概況シリーズ」を書き続けることを通して、少しでも総合戦闘力が高くて生きの良い銘柄をPF最上位に集結させることが出来るように、継続して努力を続けて行きます。 私の投資家としての冒険はこれからも続きます。目標とする「S級投資家」になれるように、「優待ヘッドギア&パンパース完全装着」で挑み続けます。 それでは引き続き、2021~2027年の超ロングスパンでお送りする予定の、「4代目ポートフォリオ概況シリーズ」をよろしくお願いします。
Jul 24, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト131位ヘッジファンド (セバスチャン・マラビー著、楽工社、2012年) の最終回第8弾です。 今日は第12章 イェールの男たち から。 相場に勝つことができるのは、一種異常なまでの熱意にとりつかれた人間だけだ。「偉大な投資家はどこかいかれたところがある。利益のためではなく、楽しむためにやっている」と、スウェンセンはのちに書いている。 私はここまでの21年間の総合成績が他のS級・A級投資家に較べると非常に平凡なB~C級の投資家であり、正直に言って「上手な凄腕」では全くありませんが、株式投資に対しての「一種異常なまでの熱意」を持っていることと、「楽しむためにやっている」の2点は間違いなくあると思っており、それこそが自分が持っている才能であるとも認識しています。 これからも「自らの内なる炎」を大切にしながら、少しでも半歩でも良い投資家になれるように精進していく所存です。 さてこれでこの本の紹介は終わりです。「マーケットの魔術師 外伝」と言っても過言ではないくらいの新鮮で高彩度な知的興奮に満ちた傑作です。未読の方は是非。(終わり)
Jul 22, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト131位ヘッジファンド (セバスチャン・マラビー著、楽工社、2012年) の第7弾です。 今日は下巻の第10章 敵は己自身 から。 LTCMの創業者ジョン・メリウェザーは、ウォール街で最初に金融工学のポテンシャルに気づいたエグゼクティブのひとりである。 1994年2月、メリウェザーはロングターム・キャピタル・マネジメントを設立した。 LTCMの短い生涯を描いたベストセラー書籍の中で、著者のロジャー・ローウェンスタインは、このファンドが崩壊したのは思い上がりに対する罰だと述べている。突き詰めればそうかもしれない。だが、LTCMがリスクテークにいい加減だったというわけではない。 メリウェザーとパートナーたちは他人のお金を無責任に賭けていたのではなかった。むしろ大半のパートナーは、毎年の様に、みずからの稼ぎのほぼ全額を投資した。1997年秋には外部資本27億ドルを手放し、残る資金のほぼ3分の1がみずからの蓄えで構成されるようにした。組織を破壊させる多くの金融家と違って、LTCMのパートナーは慎重にならざるを得ない理由が十分過ぎるほどあった。 LTCMは、1980年代に生み出された想定最大損失額(VAR)という手法を利用した。これはマクロトレーダーの「暗算」をきちんとした式で表したものである。 メリウェザーたちはこの流動性リスクを真剣に検討した。彼らのファンドがロングターム・キャピタル・マネジメントと呼ばれたのには理由がある。市場が効率性を取り戻すには長期間かかる - その意味のロングタームである。 LTCMの破綻後は、こうした予防策も簡単に忘れ去られてしまった。メリウェザーとそのパートナーは、みずからのモデルを盲信したがゆえの犠牲者と見なされ、そのせいで、もう少し用心すれば同じような不幸は防げるのだと思われるようになった。 だが、真実はもっととらえがたく、もっと受け入れがたい。 LTCMのリスク管理は評論家の想像以上に繊細かつ高度だったし、その破綻の教訓とされるものには、LTCM自身がすでに実行していた処方箋が含まれている。破綻から10年ほどの間には、VARをストレステストで補完すべしとの声が何度も聞かれた。LTCMはすでにやっていた。 金融機関は流動性リスクに注意すべしとの声も聞かれた。LTCMはすでにやっていた。 それでもLTCMは破綻した。それはリスクの計算法が単純すぎるからではなく、正しい計算がとてつもなく難しいからだ。ポートフォリオのストレステストのためには、想定不可能な衝撃をことごとく想定しなければならない。 LTCMの破綻から本当に学ぶべき教訓は、彼らのリスク管理が単純すぎたということではない。どれだけ正しくリスクを把握しようとしても無理があるということである。 あぁ、そうなのか。。。真実は、そんなに残酷なものだったのか。。。 これがこの第10章を読んでの感想でした。LTCMに関しては「天才集団である彼らはあまりにも自信過剰過ぎた。おごり過ぎだった。マル。」と言う様な文章しかそれまで読んだことが無かったので、その破綻の真実にとても衝撃を受けました。 そして同時に、我々投資家には「消せないリスク」というのはどうしてもある訳であり、ある意味では「腹を括って」戦い続けるしかないんだな、という思いも新たにしました。(続く)
Jul 21, 2022
さて今日は2021~22主力株概況シリーズです。105位 7372 デコルテ・ホールディングス (東G、非優待株) ◎~◎◎ PF105位は、自社スタジオによるフォトウェディングが主力で、家族向けも手掛けるデコルテ・ホールディングスです。 現在の株価は935円、時価総額53億円、PBR1.18、自己資本比率は34.3%、今期予想PER5.30、配当利回り0%(0円)で、優待はありません。 デコルテ・ホールディングスは、2021年6月新規上場の若い会社ですが、「いいところ」を突いている感じの会社で、ビジネスモデルが非常に魅力的です。 また同時に成長力があって指標的にも割安です。私はここがIPO後に暴落していくのをずっと横目で見ていたのですが、昨年末に、「デコルテHDは非優待株とはいえちょっと抗しがたい魅力がある。いい匂いがする。多めに買って目の届くところに置いておこう。」と考えて参戦しました。 今後の業績推移をしっかりと見ながら、会社の成長を見守っていく予定です。2021~22主力株概況シリーズ 免責事項2021~22主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上の銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこくて執念深い独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。私には未来を予見する力は一切ありません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.0%御自身の判断と責任の元で行って頂きます様、伏してお願い申し上げます。
Jul 20, 2022
さて「当ブログ有数の人気コンテンツ」に成長した ポートフォリオ含み損ランキングシリーズ ですが、今日は1年ぶりくらいになるのかな? 久々にその最新版の発表です。 ちなみにこのシリーズは2020年にレギュラー化されたのですが、どの記事もアクセス数が多く更に時間が経ってもそれがあんまり落ちないという傾向があります。「なんでかなあ。」と考えたのですが、多分、人が損をしている話って、純粋にエンターテインメントとして滅法面白いからではないか?と現時点では思っています。(汗) さて前置きが長くなりました。それでは早速、私の「過ちの一覧表」ともいえる2022年7月19日現在の「ブリザード吹き荒れる寒々しい」最新のポートフォリオ含み損ランキングを見ておきましょう。 次にランキング内で目についたところを自分用のメモ書きとして思い付くままにざっくばらんにコメントしていきます。尚、以下の内容はすべて「今後自分がより良い投資家になるための、個人的な反省と内省」のためのものであり、一切誰にも投げていません。 本来であれば人様にはお見せしない、裏の「非公開日記」で書くべき明け透けでフランクな内容 ではあるのですが、このシリーズでは敢えて表ブログで書くこととしています。 その理由は、ブログでガラス張り&衆人環視の下で内省的な反省文を提出することが、自分のポートフォリオをより客観的に見るために、そしてポートフォリオ最上位群を「より精鋭揃いで総合殺傷力の高い布陣」にするために、極めて有意義で効果的であると考えているからです。それでは始めます。 まず最初に目につくのが、含み損ランキング2位で、かつて2013~19年頃に超主力株として戦った6425ユニバーサルエンターテインメントです。フィリピンの巨大カジノであり会社の命運を握っている「オカダマニラ」を、会社の創業者で今は追放された岡田和生前会長が私設軍隊を使って武装占拠するなど混沌とした状況が続いています。 私は今はNISAを入れて5000株を保有するのみなのですが、ここは超主力としていた頃からとにかく「変数」が多くて分析が難しい銘柄だったな、と時が流れてしみじみと痛感しています。 自分はここを超主力に立てていなければ多分今頃総資産が億単位で全然違っていただろうとは思うのですが、「一刻も早くmonster級の投資家に成り上がりたい。」という焦り、また「投資でスリルを味わいたい。」という無意識のリスクジャンキーなギャンブル欲、この2つから深みに嵌ってしまったな、と総括しています。 そしてこの「ユニバーサルの陣」での痛切な反省をもとに、「命を懸けたガチンコバトルの場であるマーケットにおいては、常にリスク・リワード比を基にして冷静に冷徹に、自らに有利な形を維持して戦わなくてはならない。また同時に自らのギャンブル欲を満たすような取引は決してしてはならない。WBO世界スーパーフライ級王者である井岡一翔チャンピオンの様に、華は無くても的確にポイントを積み重ねて確実に判定勝ちできるような、堅実なアウトボクシングに徹しなくてはならない。」と決意しています。 後はそうですね、2019~20年に超主力の一角で戦った 2193クックパッドが問題児です。ここはレシピサイト界の巨人であり、新サービスのクックパッドマートにも抜群のポテンシャルがあるとは思うのですが、IR資料はポエム大連発、利益を出す気はゼロゼロワンダフル、質問があってIRに電話をしても留守番電話100%、仕方なくメールをしてもサイレント100%という状態で、「ツルツルのプラスチックの断崖絶壁を登っている感じでどうしようもない。爪がかからない。これは戦えない。」と判断しました。 ちなみに、ここクックパッドでは売ったり買ったりをしながら、全体としては満遍なくかつ着実に損失を出しており、これまでに節税クロスを4回噛ましてトータルで楽勝で1000万オーバーの実現損を確定済みという状況です。本当にたくさん勉強させてもらっています。有難う御座います。(滝汗) あと、多分クックパッドは株価が下がりきったところでMBOをしてきそうに個人的には思うのですが、それがいつになるのかは全く分からないですし、もしかすると耐久戦がここから更に数年続くかもしれないですし、ちょっと以前のようなポートフォリオ最上位の一角では戦えないと判断してポジションを大きく落としました。大好きな会社ですが、仕方ないです。投資家は「夢見る少年の心と、厳しい現実に対応する壮年の実行力」の両方が必要なんですね。(滝汗) 以上、「ポートフォリオ含み損ランキング 2022年7月編」でした。
Jul 19, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト131位ヘッジファンド (セバスチャン・マラビー著、楽工社、2012年) の第6弾です。 今日は第7章 ホワイトウェンズデー - ソロス+S.ドラッケンミラー対イングランド銀行 から。 実質的に、 ドラッケンミラー がクォンタムの資金の大部分を支配していた。 ドラッケンミラーは、チャンスがあれば両手でこれをつかみにいった。弟子が師匠から学んだことがひとつあるとすれば、それはしかるべきタイミングがきたら、持てるものすべてをつぎ込めということである。 、、、ソロスは困惑した表情を浮かべた。「理屈に合わないな。」 「どういうことですか?」とドラッケンミラー。 「いいかね、もしそのニュースが正しくて、リスクがほとんどないのなら、なんで着実に積み重ねるんだ? なぜ一気に150億ドルまで行かない?」とソロス。 「急所を突け」と彼はアドバイスした。 ドラッケンミラーはソロスが正しいと思った。これがこの人の天才たるゆえんだろう。。。ここが攻めどころだと気づいたのはソロスである。 自分が正しいと分かっていたら、「賭けすぎ」なんていうことはありえない。可能な限りチップを置くことだ。 私が毎日毎日このブログで記事を量産しているのも、究極的にはソロスの言う「急所を突ける」絶好のチャンスを、そして求め得る限り最上で最高の銘柄を見つけるためです。その「稲妻の輝く瞬間」を常に求め続けているからこそ、私はいつもこんなに元気でいられるんですね。(笑)
Jul 16, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト131位ヘッジファンド (セバスチャン・マラビー著、楽工社、2012年) の第5弾です。 今日は、第5章 番長 から。 ヘッジファンドの物語は、、、ハイパフォーマーたちの物語であり、なかでも最も有名な一派をつくったのは、ノースカロライナ州出身のやり手-その名をジュリアン・ロバートソンという。 ロバートソンがタイガーを立ち上げたのは1980年。48歳と比較的遅い時期だった。 1980年5月の創業から1998年8月の最盛期まで、タイガーは手数料控除後で平均31.7%の利益を上げた。S&P500指数の年間上昇率12.7%を上回っている。 この期間に銘柄選択が成功したというのは、効率的市場仮説にとって屈辱的な事実だった。。。ロバートソンは、市場の制度的弱みや、一流のクオンツ戦略や、何かしら哲学的なビジョンを発見したと主張したわけではない。彼はかつてタイガーの東京駐在員、ロバート・カーに充てた手紙で自分の投資アプローチを概観しているが、その内容があまりに平凡なため、彼の成功がますます謎めいて見える。 いわく、タイガー・マネジメントの人間は、優良企業を排してもっと優良な企業を加えることで、アグレッシブにポートフォリオを運営しなければならない。ひとつの投資に資本の5%以上をつぎ込む危険を冒してはならない。調子が悪くても運が再び向くまで攻め続けなければならない。 必ずといってよいほど、彼は相場に勝った。あるタイガー出身者によると、これは小さな会社に目をつけたせいだという。いわく、ユナイテッド航空など大企業の市場価格は、ウォール街のアナリストがデータを隅々まで調べるから効率的になりやすい。ところが小さな会社は監視の目を逃れやすい。 ジュリアン・ロバートソンも、 小型株効果 を存分に利用したということです。そして彼よりも遥かに資金力が劣るがゆえに小回りと機動力を発揮しやすい我々市井の個人投資家にとって、このやり方がより効果的であるのは言うまでもありませんね。♬ (続く)
Jul 13, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト131位 ヘッジファンド (セバスチャン・マラビー著、楽工社、2012年) の第4弾です。 今日は、第4章 錬金術師 から。 情勢の変化を感じ取ると、ソロスは躊躇なく投資した。 自分が正しいという確証がなくても、彼は思い切って行動した。ある投資案件がざっと検討して魅力的だったら、ほかの投資家もそれに魅力を感じるはずである。それに、完璧な認識力などありえないから、細かい点を気にしても意味がない。 細かな点は専門家にまかせておけばよい。「投資が先、調査はあと」が彼のモットーだった。1981年が始まる頃には、ソロスは想像を絶するほどの成功を収めていた。 私は投資と言うのは、 いい加減がちょうどいい と考えています。運用は文字通り「運を用いる」ものですし、未来を正確に見通せる「魔法の水晶玉」を持ち合わせた投資家は世界のどこにも存在しないからです。 私が長年飽きもせず「ポートフォリオ概況シリーズ」を書き続けているのも、「ざっくりと簡単に見て良い銘柄」を少しでも多く抽出するためです。自分が「大まかに見て大体正しければ、それで良い。」と割り切って考えているんですね。(続く)
Jul 12, 2022
さて今日は、2021~22主力株概況シリーズで紹介してきたポートフォリオTOP100銘柄をまとめておきます。 1~10位 11~20位 21~30位 31~40位 41~50位 51~60位 61~70位 71~80位 81~90位 91位 8544 京葉銀行 理念がなんだかふわっとしている銀行ですね。 92位 2882 イートアンド 大阪王将って値付けがちょっと大雑把というか全体に適当な感じがします。かなり高いなと感じるメニューと逆に安いなと思うメニューがモザイク状に混在しています。面白いですね。 93位 7593 VTホールディングス 地元の中部圏の一部のバリュー系投資家の方々の間ではカルト的な人気を誇る銘柄です。そして総合利回りも十分に出ていますし、私も実に悪くない銘柄であると思っています。 94位 9201 日本航空 JALは優待族的には超鉄板銘柄ですし、久々に買い戻せて良かったです。 95位 3397 トリドールホールディングス 指標的な割安さは皆無ですが、優待内容は極めて強力です。優待券をもらった時・そして優待券を使って実際におうどんを食べたときの脳内麻薬の大量放出のされ方にはマックに匹敵するものがありますね。 96位 8098 稲畑産業 「稲畑にはポートフォリオ上位で戦えるだけの十分な実力がある。」と考えて少し買い増ししたため、今回上位に初登場してきました。 97位 7475 アルビス 指標的にもまずまず割安ですし、更に優待内容が強力で力があり、優待族的には優待MAXを保有していくのには何の不満もない良い銘柄であると考えています。 98位 2685 アダストリア 巨大ショッピングセンターにマルチブランドで出店していますが、正直に言って同業他社に較べて頭一つ抜けていると思います。今後もしもチャンスがあれば、大きく買いたいですね。 99位 3050 DCMホールディングス 業界首位級の銘柄で指標的にかなり割安、かつ優待内容にも一定の力があり、今の株価位置は魅力的と思います。 100位 9418 USEN-NEXT HOLDINGS 指標的にはかなり高いですが、事業内容も成長力も優待も、その全てが魅力的な素敵な優待クオリティ株です。 以上、2021~22ポートフォリオTOP100銘柄のまとめ でした。2021~22主力株概況シリーズ 免責事項2021~22主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上の頑健な銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに絶対に必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこい独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.0%御自身の判断と責任の元で行って頂きますよう、伏してお願い申しげます。
Jul 10, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト131位ヘッジファンド (セバスチャン・マラビー著、楽工社、2012年) の第3弾です。 今日も、 第3章 ポール・サミュエルソンの秘宝 から。 コモディティズ・コーポレーションのトレーダは投資家心理についても一家言あった。人間はそれぞれのベース、それぞれの方法で意見を形成する。新しい情報がすぐに処理できるというのは現実離れした考え方である。投資家は少しずつ情報を吸収する。だから、それにともなって市場の動きにはトレンドが生じるのである。 トレンド追随で大きな利益が出る以上は、計量経済モデリングにばかりこだわるのは意味がない。 何よりも重要だったのは、同社がトレンド・フォローに転じたことである。フランク・ヴァナーソンがテクニカル・コンピュータ・システム(TCS)を開発し、ランダムウォーカーの誤りを実証したおかげで、コモディティズ・コーポレーションは自信をもってマイケル・マーカスのようなトレンドフォロワーを採用し、ファンダメンタルズ分析とチャートの組み合わせという彼のノウハウを一種の社是にすることができた。 金融分野の学問がヴァナーソンの発見に追いつくのは、それから何年もたってからのことである。 今でこそ、モメンタム/トレンドフォロー投資手法 が極めて有効性が高いやり方であることは多くのデータから実証されていますが、それに早くも1970年代に気付いたコモディティズ・コーポレーションは本当に凄かったと思います。 こういう、他の投資本ではなかなか言及されていないディープな投資業界の裏話が満載なのが、この本の大きな魅力なんですね。(続く)
Jul 8, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト131位ヘッジファンド (セバスチャン・マラビー著、楽工社、2012年) の第2弾です。 今日から数回は、まず上巻を見ていきましょう。 今回は第3章 ポール・サミュエルソンの秘宝 から。 1967年の有名な議会証言で、かの偉大なる経済学者ポール・サミュエルソン(ノーベル賞受賞)は、資産運用業について意見を述べた。 たいていのファンド・マネジャーは配管工になったほうが社会に貢献するだろうが、本当に新しい洞察力をそなえた優秀な人間は相場に勝つことが出来る、とサミュエルソンは考えていた。 「人によって背も違えば容姿も違う。辛辣さもちがう」と彼は書く。「ならばパフォーマンス指数(PQ)もちがうはずだ。」もちろん、こうした例外的な投資家は「フォード基金や地方銀行の信託部門」に自分を安売りしたりしない。「そうするにはIQが高すぎる」からだ。 自信家だったサミュエルソンは、配管工予備軍のなかから数少ない例外を選抜できるはずだと、当然の様に信じていた。1970年、彼はコモディティズ・コーポレーションという新興投資会社の創業支援者となり、あわせてウォーレン・バフェットにも投資してポートフォリオを分散した。 コモディティズ・コーポレーションは、筋金入りの「クオンツ」-「ロケットサイエンティスト」としても知られる金融工学モデルの信奉者-が最初につくった投資会社のひとつである。 サミュエルソンは基本的に、この会社の少しばかり誇大妄想の気がある社長、F・ヘルムート・ワイマールに賭けていた。 ワイマールは、、、こう述べている。「ランダムウォークなんてクソ食らえだと思いました。市場の他のプレーヤーを出し抜いて大儲けすることはできない、なんて考え方は大バカです。」 この ランダムウォークなんてクソ食らえ というのは、筋金入りのアクティブ投資家である私が、普段口外はしませんが心の内に熱く秘め続けている哲学そのものです。 市場は効率的だと私に言ったことがある人は、例外なく貧しい。(ラリー・ハイト) んですね。(続く)
Jul 7, 2022
さて今日も 2021~22主力株概況シリーズ です。 99位 3050 DCMホールディングス (東P、2月優待) ◎~◎◎ PF時価総額99位の上位銘柄は、ホームセンター業界2位のDCMホールディングスです。 グループ傘下の会社がいつの間にかジワジワと増えていますね。。。 現在の株価は1016円、時価総額1595億円、PBR0.63、自己資本比率は53.6%、今期予想PER7.80、配当利回り3.4%(34円)、総合利回り3.8%(34+5=39円)で、優待は100株保有で500円相当の買い物優待券などです。 DCMホールディングスは、業界首位級の銘柄で指標的にかなり割安、かつ優待内容にも一定の力があり、今の株価位置は魅力的と思います。 (上記データはかぶたんプレミアムより引用) ちなみにホームセンター業界には他にも 2790ナフコ 、 7516コーナン商事 、 8218コメリ など指標的に安い優待株が多いと感じています。いずれにせよ、これからも現行の優待制度が続く限り楽しくホールドして応援していく予定です。2021~22主力株概況シリーズ 免責事項2021~22主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上の銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこくて執念深い独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。私には未来を予見する力は一切ありません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.0%御自身の判断と責任の元で行って頂きます様、伏してお願い申し上げます。
Jul 6, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベストです。第131位は、ヘッジファンド (セバスチャン・マラビー著、楽工社、2012年) です。 この本は、アルフレッド・ウィンスロー・ジョーンズが世界初のヘッジファンドを「発明」して以来のその歴史と興亡を解説した壮大な力作です。著者のマラビーがこの本の完成のために使った取材や執筆などの時間はとてつもなく膨大な物であっただろうと思います。本当に素晴らしい1冊です。 ある意味では、「マーケットの魔術師 外伝」と言っても過言ではないくらいの、新鮮で高彩度な知的興奮に満ちた傑作です。 そしてこの本の長所は更にあります。他の投資本では滅多にお目に掛かれない著名投資家の写真がたくさん掲載されていることです。 内容が非常に濃く、上下巻で600ページを超える大作の全容をお伝えするのは不可能なので、次回からはこの本のベストオブベストの大トロの部分だけをコンパクトに一緒に見ていくことと致しましょう。(続く)
Jul 5, 2022
さて大変なご好評を戴いている 「株式投資本オールタイムベストシリーズ」 ですが、今日はその ベスト125 をまとめておきます。 また当シリーズからのスピンアウト企画で、パンローリング社の書籍の扱いがある全国の大きな本屋さんで発売中&好評に付き重版出来(じゅうばんしゅったい)となっている みきまるの「書籍版」株式投資本オールタイムベスト 及び、その続編で同じく好評を頂いている みきまるの続「書籍版」株式投資本オールタイムベスト 更に最新刊となるシリーズ第3弾 みきまるの「名著」に学ぶ株式投資 も改めてよろしくお願い申し上げます。 シリーズ三作、そろい踏み。 さて私が投資家としての生を受けて20年以上が経ちました。今日紹介するのは、今までに数千時間以上をかけて読み倒してきた数百冊の投資本の中のまさに至高の「ベスト・オブ・ベスト」です。 今この日記を書いている机から12.5秒以内に手が届くところに全てがある、投資家として「全幅の信頼を寄せている」本たちです。私は資産を失っても、家を失っても、投資家として何度でもやり直せるという絶対の自信があります。でもその時にもしも、この子達が自らの傍にいなかったらそれはもう全然ダメです。つまり この記事は、私の投資家としての頭の中の全て ものの見方・考え方の全て ということです。 そして同時にこの記事は、私の投資家としての 「ある意味での集大成」 とも言える内容でもあります。このベスト125には私がどのような投資家であり、何を大切にしているのか、そしてどういうことを考えて毎日を戦っているのか、の全てが表出していると思っています。 全部読めば実力UP間違いなし、まさに「永久保存版」 絶対の自信を持って皆様に贈る渾身の日記となります。 前置きが長くなりました。 それでは早速始めましょう。 1~100位 101~105位 105~110位 111~115位 116~120位 なお未読の方は「持てる筆力の全てを尽くした」完全燃焼の上記のベスト120を先に御覧下さい。。。 121位 利食いと損切りのテクニック(アレキサンダー・エルダー著、パンローリング、2012年) 「手仕舞いの売り」と「信用の新規売り」のやり方に焦点を当て、そこに特化した1冊です。投資本と言うのは膨大にありますが、そのほとんどは「買い」に関してのものです。そして「売り」に関しての本と言うのはあまりありません。 では何故「売り」に関する本が少ないかと言うと、「売り」と言うのは「買い」に較べて非常に難しく、手法を言語化することが極めて困難だからです。 そんな中で、今回のエルダー本は、その難解極まる「売り」のやり方を懇切丁寧に説明してくれる最高の1冊です。買って一通り読み、その後本棚に置いておくと抜群に役立ちますね。 1. 総論2. 売りは、最後には必ず向き合う現実3. 気分が悪ければトレードは控える4. 買い候補のリスク・リワード・レシオを考えることが大切5. マーケットは「平均回帰の法則」が強く働くところ6. 株式市場のインサイダー取引の量は、一般に考えられているよりもずっと多い7. FX8. センチメント指標は先行する122位 ラリー・ウィリアムズの株式必勝法(ラリー・ウィリアムズ著、パンローリング社、2004年) ラリー・ウィリアムズは世界的に有名なスーパートレーダーです。そしてこの本は彼の「実践家」としての長所が遺憾なく発揮された、投資のヒントに溢れた良書です。1. 総論2. 長期投資への誤信3. われわれの目標は、株価平均のパフォーマンスを上回ること4. 無知な投資家や大勢の考えは、たいていの場合は間違っている5. 一番大切なのは資金管理6. 株式市場は一貫して上昇基調をたどっている7. ダイバージェンス(乖離)のある株価推移の銘柄を買う123位 ラリー・ウィリアムズの短期売買法 第2版 (ラリー・R・ウィリアムズ著、パンローリング、2012年) ラリー・ウィリアムズの言葉には、「神なる市場への敬虔さ」が溢れかえっています。私達投資家は頻繁に間違えますが、全知全能の神である市場は決して間違えることはありません。何の制限もなく自由にどこへでも進んでいきます。市場を50年以上生き抜いてきた彼の言葉の1つ1つには「純金以上」の珠玉の価値がありますね。1. 総論2. 市場は、「倍返し」しがち3. 「落ちるナイフは床に突き刺さって、振れが収まるまで待つ」のが大切4. 天井と底の「2つの法則」5. 短期トレーディングの真実6. 正しくトレーディングするためのルール7. 一番大切なのは、資金管理≒損失の管理8. 恐怖心を金に換えろ9. パーティーがいつ終わるかは、実際に終わるまで分からない10. なぜ負けるのか?124位 トレーダーのメンタルエッジ(ジェイソン・ウィリアムズ著、パンローリング、2013年) 中上級の投資家の方々にとっては「これはたまらん。」というずば抜けた知的興奮に溢れた本ですし、精神科医でかつ同時にラリー・ウィリアムズの息子であるジェイソン・ウィリアムズにしか書けない、逆に言うと彼だからこそかけた傑作ですね。1. 総論2. 脳の構造に関する基礎知識3. なぜ日本人は投資が下手なのか?4. ダン・ザンガー5. 野菜畑の手法125位 決算書「3分速読」からの10倍株の探し方(はっしゃん著、KADOKAWA、2021年) ベストセラーになるのも納得の、理論的で切れ味抜群の1冊です。グロース投資家の方はもちろん私の様なバリュー投資家にとっても得るところの多い良書ですね。1.総論2. 売上が2倍になれば利益は2倍になり株価も2倍になる3. PERが意味すること 以上、みきまるの優待バリュー株日誌特別編、株式投資本オールタイムベスト125のまとめでした。
Jul 3, 2022
いやあ、今年も早くも7月になりました。今年は気温の上がり方が半端無いですし、株式市場ももう少し温まって欲しいですね。 さてマーケットでは昔から ナスダックの最悪の4か月は7月に始まる。また、店頭指数は1971年以降、特別に良かった数年を除いて、7月はひどい下げに見舞われ、平均でわずか0.02%の上昇しかしなかった。(出典 アノマリー投資 、ジェフリー・A・ハーシュ著、パンローリング、2013年 P189) とされています。 「セルインメイ」の5月、「体調を崩しやすい長雨の季節」である6月に続いて、まだ無理は禁物の1か月という事ですね。(汗) それでは皆様、今月もよろしくお願い致します。
Jul 1, 2022
さて2022年6月のまとめです。それにしても今年の梅雨は全然雨が降りませんでしたね。「大渇水&猛暑の地獄の夏」にならないか、ちょっと心配です。 最初に今月の成績ですが、対2021年末比で-0.8%となりました。先月の-2.2%からはやや改善する結果となりましたが、未だに水面に浮上できない不甲斐ない日々が続いています。 1年の半分が経過し、この半年間ずっと全力で戦って来たのにも関わらず「年初来マイナス暮らしのアリエッティ」状態から抜け出せないことに自分の投資家としての力量不足を痛感し、情けなさと歯がゆさを感じています。 それにしても投資の世界と言うのは皮肉なところで、一番欲しい「成績」だけは絶対に何があってもコントロールできません。自分で出来ることは、少しでも良い銘柄をポートフォリオ上位に集結させること、期待値の高い売買を冷静に積み重ねること、良い精神状態を保ち続けること、学び続けることあたりなので、「自分でコントロールできるところ」だけに引き続きフォーカスして後半戦を戦っていきます。 さて今月は主力・準主力級の銘柄のいくつかを売却しました。株価上昇でまずまず仕上がってきたと判断して売った所、既存店月次推移の悪さを重く見てスパッと切った所、理由は様々ですが、意図的に少しポートフォリオ上位の顔ぶれを入れ替えました。 代わりに買ったのは、元々は自分のポートフォリオの時価総額100~150位あたりの相対上位にいた子達で、最上位の1位から虱潰しに調べていってピンと来た所、後は親友のぷよさんとのディスカッションの中で偶然浮上してきた所、あたりです。 これからも「市場の発する声」に耳を澄ませながら、虚心坦懐に主力株を1つ1つ見つめ直し、少しでもポートフォリオが良い形になるように絶え間ない努力を続けていきます。 それでは皆様、来月もよろしくお願い致します。
Jun 30, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト130位間違いだらけの投資法選び(ラリー・E・スウェドロー著、パンローリング、2002年) の最終回第10弾です。 今日は、付録A ミューチュアルファンド会社がおそらく絶対に表示しない免責事項 から。 ここでのスウェドローの文章の切れ味はちょっと異常なくらいに素晴らしいです。付録部分ではあるのですが、言及しないのはあまりにももったいないと思うので最後に見ておきます。滅茶苦茶面白いですよー。 SEC(米国証券取引委員会)はアクティブ運用の目論見書すべてに次のような免責事項を義務付けるべきである。そうすれば賢い投資家でも犯す間違いが、少しは減るかもしれない。 ●当ファンドはアクティブ運用ファンドです。購入される前に、アクティブファンドの過去の実績が非常に低く、ベンチマークを上回る可能性が低い反面、下回る可能性はかなり高いことをご了承ください。 ●当ファンドの手数料は同様のインデックスファンドよりかなり高額になっております。また、アクティブ運用なので、明記されていない高額な売買経費もかかってきます。このなかにはビッドとオファーのスプレッド、手数料、マーケット・インパクト・コストなどが含まれており、これらは個別に請求されるのでなく運用経費とともに、リターンから差し引かれることになっております。この数々の経費によってファンドに課されたハードルはかなり高くなり、これまでの実績から見てそれを超える成功率はかなり低くなっております。インデックスファンドはお客様にとってメリットがある反面、当社にとって儲かる商品ではないため、取り扱いはしておりません。 ●ファンドの高額な経費は、ファンドマネジャーにマーケットリターンを負かす力があるという自信の表れではなく、単にこの高い経費を支払ってくださるお客様がいらっしゃるという当社の見通しを示しています。 ●当ファンドの資産は劇的に増加しました。通常、運用資産が増えるとベンチマークを上回るのが難しくなると言われています。理由のひとつは資産が増えるとさらに分散する必要が生じるため、ベンチマークであるインデックスファンドに近づいていくためです。つまり投資家は高い手数料を払って、ベンチマークとあまり変わらない投資を行っていることになります。ベンチマークと差別化できる部分を運用資産全体でならすと、その割合はかなり小さくなるため結局はクローゼット・インデックスファンド(実際にはインデックスファンドに極めて近い内容のアクティブ運用ファンドだが、投資家はそれを知らずに高額の手数料を支払っている)に近づいていきます。さらに、ファンドの規模が大きくなると、売買に伴うマーケット・インパクト・コストも大きくなるため、これが高パフォーマンスを上げる妨げになっています。 ●当ファンドのパフォーマンスは、ベンチマークを下回っております。当社としても目標を達成できなかったことには失望しており、さらに優秀なファンドマネジャーをスカウトすることにいたしました。つきましては手数料を値上げさせていただきます。 ●当ファンドはインデックスファンドを強化したものですが、これは同じ部屋で加湿器と除湿器を同時にかけて競わせるような矛盾した行為です。もしわれわれに本当に高パフォーマンスを上げる数少ない銘柄を当てることができる自信があれば、それだけを保有すればよいわけで、インデックスファンドに銘柄を足したりタイミングを計ったりするのは、投資家からさらなる手数料を搾り取る手段に過ぎないのです。 いやあ、スウェドロー、最後の最後でキレキレですね。いや、むしろ、切れ過ぎていてヤバいので、それで目立たないように巻末の付録にしたのかもしれないです。(笑) だって、こんなの読んだら、アクティブファンドに投資しようなんて言う「ドSの奇特な方」がさらに激減してしまって、業界からクレームがつくかもしれないですからね。 さてこれでこの本の紹介は終わりです。20年前の出版ですが2022年の今の相場でも通用する話ばかりで古い感じは全然しませんし、むしろ20年前の指摘かと思うとその鋭さにドキッとするくらいです。なので、正に「時の試練」を超えた名著と言っていいと思います。未読の方は是非。(終わり)
Jun 24, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト130位間違いだらけの投資法選び(ラリー・E・スウェドロー著、パンローリング、2002年) の第9弾です。 今日は、間違い その51 IPOで大儲けできると思っていないか? から。 投資家が犯す間違いのひとつで、大きなコストを伴うのがIPO(新規公開株)を買うことである。前の項で述べた変額年金と同様に、IPOも売るためのもので、買うためのものではない。 投資家はIPOに投資するとき宝くじでも買うように興奮するが、それらは間もなくEローン、プライスライン、モーゲージ・ドット・コムと同じ道をたどることのほうが多い。実際のケースを見てみよう。 1970~1990年にかけてすべてのIPOを公開初日の終値で買い、5年間保有したらどうなるかを試算した調査があるが、この戦略の平均リターンは年率わずか5%だった。この数字は同程度の時価総額の企業をベンチマークにすると年率7%も下回っていた。 フロリダ大学の金融学の教授、ジェイ・リッターは1988~1993年にかけて2000万ドル以上を調達した1006のIPOについて調べたところ、中心的な銘柄のパフォーマンスは公開後3年でラッセル3000を30%も下回っていたことを発見した。また、46%のIPOがマイナスリターンだったこともつきとめている。 IPOに投資するという間違いを避けるためには、IPOで大儲けするのは、それを販売するウォール街の企業であり、個人投資家は損をしているということを覚えておくとよい。IPOは避けたほうがよい。 もちろん次のマイクロソフトに当たる銘柄を買い当てるチャンスがないわけではないが、惨憺たるパフォーマンスに終わる可能性のほうがはるかに高いからである。 この章でスウェドローはIPOに投資することの危険性を強い言葉で警告しています。そしてIPOが全体としてみるとパフォーマンスが劣悪で「最悪の投資対象」であることはこれまでにも、ジェレミー・シーゲル、ジェイソン・ツバイク、ガイ・スピア など多くの賢人が警告してくれてもいます。 ちなみに、IPOの危険性については、ジェイソン・ツバイクが実にうまいことを言っています。ちょっと彼の著書、悪魔の辞典 から引用してみましょう。 IPO 新規公開株式 正確に言えば、「インサイダーの個人的なチャンス(Insiders’ Private Opportunity)」、「 想像上の利益のみ (Imaginary Profits Only)」、「それはおそらく割高 (Its’ Probably Overpriced)」などとなる。 皆様も、この「IPOの裏の意味」を是非覚えておいてくださいね。(笑)
Jun 21, 2022
さて今日は、2021~22主力株概況シリーズで紹介してきたポートフォリオTOP90銘柄をまとめておきます。 1~10位 11~20位 21~30位 31~40位 41~50位 51~60位 61~70位 71~80位 81位 8341 七十七銀行 私の優待地銀株バルクプロジェクトの首領クラスの銘柄ですね。 82位 7463 アドヴァングループ とても力のある銘柄であり、株価4桁に評価されても全く不思議ではないと考えています。 83位 8714 池田泉州ホールディングス ここは優待地銀株の中でも特に魅力的ですね。 84位 8473 SBIホールディングス 北尾社長の「獰猛すぎる生命力」を高く評価して買い増しし、今回は上位に進出してきました。 85位 7581 サイゼリヤ 2017シーズンからワイのポートフォリオ上位でずっとのんびりと長期滞在していらっしゃいます。 86位 5902 ホッカンホールディングス 自分は「缶詰優待株」が超大好物で、それでホッカンHDの総合戦闘力を過大評価してしまいました。缶詰パワーに幻惑されてちょっと目が曇ってしまっていたんですね。とても反省しています。 87位 2780 コメ兵ホールディングス 、、、 私はポートフォリオのリスク管理の観点から主力撤退を決断し、結局ここで利益を上げることは出来ませんでした。無念ですね。 88位 7987 ナカバヤシ ここは指標的にも安いですし、総合利回りもたっぷり出ていますし、ポートフォリオ上位で戦うに足る確かな実力があると考えています。 89位 1928 積水ハウス 今年ようやくここを買うことが出来て本当に嬉しかったです。末永くホールドして応援していきたいと考えています。 90位 2730 エディオン エディオンは業績の最悪期は脱していて今はとても安定している印象で、優待族的には非常に良い銘柄と評価しています。総合利回りも十分すぎるくらいに出ていますしね。 以上、2021~22ポートフォリオTOP90銘柄のまとめ でした。2021~22主力株概況シリーズ 免責事項2021~22主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上の頑健な銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに絶対に必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこい独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.0%御自身の判断と責任の元で行って頂きますよう、伏してお願い申しげます。
Jun 18, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト130位間違いだらけの投資法選び(ラリー・E・スウェドロー著、パンローリング、2002年) の第8弾です。今回がシリーズ屈指の重要回となります。それでは始めましょう。 今日は、間違い その47 インデックス運用とS&P500ファンドのみの運用を混同していないか? から。 インデックス運用で最もよく使われるS&P500ファンドやETFのSPDR(スパイダーと発音する)だけを運用することが、インデックス運用だと勘違いしている投資家は多い。また、S&P500インデックスファンドを買えば、500社に広がる分散度の高い資産が保有できると誤解しているケースもままある。 しかし、S&P500のみのポートフォリオが効果的に分散されているとは言いがたい。理由はスタンダート&プアーズがどのようにインデックスに組み込む銘柄を選び、どのように時価総額を加重しているかということを考えればわかる。 S&P500インデックスは500社を平均して保有してないだけでなく、その割合は驚くほど大きく超大型株に偏っている。1999年末の比率は次のようになっている。 ●時価総額トップ 50銘柄 60% ●時価総額トップ 100銘柄 75% ●時価総額トップ 200銘柄 88% ●時価総額トップ 300銘柄 95% もうひとつ面白い数字がある。2000年第2四半期の初めにS&P500の加重平均は1430億ドルだったが、実際にこれより時価総額の大きい銘柄は16しかなかったのである。もし500銘柄を平均して組み入れてあれば、平均時価総額はわずか240億ドルで加重平均の6分の1にしかならない。 時価総額の加重平均が1430億ドルということは、S&P500はランク1(最大のサイズ)のファンドということになる。また、2001年初めのBtM(みきまる注: 純資産株価倍率 1/PBR。つまりPBRの逆数)は0.21で、ランク2に分類されていたため、S&P500インデックスファンドはかなりの大型グロース株ファンドだということになり、結局500もの銘柄を保有しても効果的な分散はされていないことになる。 この「S&P500が大型グロース株ファンド」というスウェドローの20年前の指摘は今でも丸々そのまま当てはまります。ちなみに2022年3月時点のS&P500の構成銘柄TOP10は以下の通りです。(上記データはエイチ・エス証券ホームページより引用) いずれも超大型株であり、またPBR・PERなどの指標面からは極めて割高なグロース株揃いであることが分かります。尚、このS&P500の「構成銘柄の秘密」については以前に、 インデックス投資VSアクティブ投資ではどちらが優れているのか? という人気記事をアップしているので、是非合わせてご覧下さい。 さて本題に戻ります。このスウェドローの「S&P500が大型グロース株ファンド」という話ですが、もちろんこれは「いい悪い」という話ではありません。実際、過去の10年間のS&P500のパフォーマンスは素晴らしい物でしたしね。ただ逆に言うと、「この10年間は大型グロース株にトレンドフォローの力強い追い風が吹いていて、だからこそS&P500は輝いていた。」という言い方は出来ると思います。 そして、S&P500に限りませんが、インデックスファンドと言うのは基本的に「時価総額加重型」です。そしてここに我々個人投資家がつけ込む大きな隙があります。何故かというと、時価総額に縛られない「ファンダメンタルズ加重型」や、その資金量の少なさを逆に生かした「小型株加重型」などの、自分の性格や能力に合った自由闊達なポートフォリオを作り上げて、思う存分に市場で暴れまわることが出来るからですね。。。 さて今日は更に近年のS&P500に上記でも触れた、強い「モメンタム効果」が出現している点を指摘しておきたいと思います。 下記は、米国株式市場における12か月前から2か月前までの騰落率上位30%vs.下位30%の比較ですが、「過去1年間の騰落率上位銘柄群が相対優位」になっている傾向が見て取れます。これは「過去1年間強かった株はより強い」というシンプルなモメンタム効果が出現していることを示しています。(上記データはフィデリティ投信HPより引用) 「S&P500は無敵だ。」、「超長期で見ればS&P500は永遠に上昇し続ける」と言うような言説が多くの投資家の心を捉え、絶え間ない資金流入が続いたことにより、グロース株揃いのS&P500に「強いモメンタム効果」が出ていることが近年のS&P500指数の好調に拍車をかけている側面があると個人的には考えています。 つまり、 S&P500は、大型グロース株ファンドであり、同時に一種の遅効性のモメンタム指数 である、という言い方が出来るのではないか?と思いますし、ここに「無敵のS&P500」の弱点が隠れているのではないかとも感じています。
Jun 12, 2022
さて今日は当ブログ一番人気の 2021~22主力株概況シリーズ です。87位 2780 コメ兵ホールディングス (東S、非優待株) ◎◎ PF時価総額87位の上位銘柄は、名古屋・大須が本拠地で中古品販売がメインのコメ兵ホールディングスです。(写真はコメ兵の旗艦店舗である、名古屋本店 本館) 現在の株価は2676円、時価総額301億円、PBR1.43、自己資本比率は51.5%、今期予想PER12.00、配当利回り1.6%(44円)で、優待はありません。 コメ兵は私の専門外の非優待株ですが、自分は幼少の頃からもう何十年も「コメ兵ファン」であり、いつかチャンスがあるならば主力で勝負したい、大好きなコメ兵を大きく買って思う存分に戦いたい、と強く願ってきました。 そして 2018年についに主力参戦した のですが、その後、世界には新型コロナウイルス感染症の蔓延と言う「ブラックスワン」が襲い掛かり、コメ兵は業績が急降下&株価も暴落しました。 私はポートフォリオのリスク管理の観点から主力撤退を決断し、結局ここで利益を上げることは出来ませんでした。 、、、時が流れ、2022年現在のコメ兵はコロナ禍のダメージから抜け出し再び輝きを取り戻しています。私は「偵察用」として手元に残っている僅かな持ち株を抱きながら、「コメ兵のポテンシャルが高いことは十分に分かっていたのに、自分は持ち切れなかったな。専門外の非優待株だったことも握力が持たずに手放してしまう要因の1つだったかもしれないけど、いずれにせよ、負けたな。」と苦い思いを嚙み締めています。この記事を書くのもとても辛かったです。すべて自分の責任ですが、本当に情けないですね。2021~22主力株概況シリーズ 免責事項2021~22主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上の銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこくて執念深い独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。私には未来を予見する力は一切ありません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.0%御自身の判断と責任の元で行って頂きます様、伏してお願い申し上げます。
Jun 9, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト130位間違いだらけの投資法選び(ラリー・E・スウェドロー著、パンローリング、2002年) の第7弾です。 今日は、間違いその41 コミッション制のアドバイザーを使っていないか? から。 投資をするとき、自分ですべての処理ができる投資家以外は、何らかの形でプロのアドバイスを受けている。 コミッション制のアドバイザーはインデックスファンドを避け、手数料も税率も高いアクティブ運用ファンドを勧める可能性が高い。しかしそれはおそらくアクティブ運用がよりよいパフォーマンスを上げると信じているからではなく、アクティブ運用ファンドを売れば販売手数料か保有期間に応じたトレーリング・フィーを得ることができるからなのである。 ブローカーがインデックスファンドを売らないのは、パフォーマンスが悪いからではなく、よそでもっと安く売っているからである。 インデックスファンドが投資家にとっての必勝戦略だと分かっていても、ファンド会社は儲からなければ売りはしない。ブローカーやファンド会社にしてみれば、インデックス運用はビジネスをなくすための戦略になってしまい、これこそ利害が完全に衝突している。 ここ日本だと、投資アドバイザーを使っている人は少数派と思うのですが、代わりに資産内容と残高を把握されてしまっていて金玉を握られているメインバンクに、手数料と毎年の信託報酬が激高のアクティブファンドや、お化け屋敷みたいに複雑な仕組みになっていて見えないコストが嵩む仕組債を強引に勧められて買わされているという事例が結構あるのではないか?と思います。 実際私も過去に、取引している銀行から何度もしつこくアクティブファンドへの投資を勧められてきました。何が勧誘のきっかけになったのかは良く分からないのですが、おそらく株の売却代金をたまたま銀行に出金してそれがちょっと大きめの金額だったので、それで目を付けられてしまったのかな?と感じています。 でもお勧めされたアクティブファンドのそれぞれの内容を精査して、「ちょっと信託報酬が高すぎるし、ファンドの構成銘柄が割高で人気化しているホットなグロース株に偏っていてきついです。それにこのTOP10銘柄見ただけでファンドの行く末が心配で貧血になります。ガチで自分にとって買うメリットが1ミリもないので無理です。」などと言ってずっとのらりくらりと断ってきました。 そうこうしている内に今度は「何故か毎年の信託報酬が非常に高い」インデックスファンドを勧めてきました。銀行が儲かるようにそういう設定・用途のやつがどうやらあるんですね。これも、「こんなの買うんだったら、自分でネット証券でほぼ同じ内容のETF買います。もう勘弁してください。」と言うと、「じゃあ、一体なんだったら買ってくれるんですか!!」と怒られてしまいました。 ちなみにこの時には支店長さんに「じゃあ、ウチのエースを出すので(買える商品がないかどうか)彼女と良くお話をしてみてください。」と言われ、その最終面談のバトルの末に私はようやく無罪放免で自由の身となり、その後は勧誘されなくなりました。(汗) 支店長が望んでいるのは、自分の祖母の金歯でも抜いてくるような社員だ。そこでわれわれはおまえたち(販売担当者)に銃口をつきつけて自由に操る。言われたとおりにしろ。言われたものを言われたときに売れ。もしできなければクビだ。代わりはいくらでもいる。 このスウェドローの文章を読むと、アクティブファンドを売る方にもそれなりの事情はあり、追い込まれて切羽詰まっているという事が分かります。ただ、我々は命の次に大切なお金を賭けて投資をしているわけであり、「致命的に不利な投資商品」を勧められてホイホイと買うわけにはいきません。「メインバンクには気を付けろ!」ということですね。(続く)
Jun 8, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト130位間違いだらけの投資法選び(ラリー・E・スウェドロー著、パンローリング、2002年) の第6弾です。 今日は、間違いその38 売買するタイミングを計っていないか? から。 実際には、マーケット・タイミングがポートフォリオのリターンにほとんど影響を与えていないことは、多くの研究で明らかになっている。伝説の投資家と言われているバナード・バルクもこれについて「マーケットがよくないときは離れ、よいときだけ投資することができるなどというのは嘘つきだけだ。」と言っている。 私の観察では、ツイッターの株クラを見ていると「自分だけはマーケットタイミングを計れる」と思っている方で溢れています。ただ、ノーベル賞経済学者であるウィリアム・F・シャープは以下のように言っています。 答えは明快である。 「マーケット・タイミング」戦略を用いても、長期的には、年率4%以上の追加リターンを得ることは難しい。しかも、その各年の相場の方向についてかなり正確に予測出来なければ(10回のうち7回以上正解と言う程度)、「マーケット・タイミング」戦略はそもそも採用しない方がよい。 10回に7回も必ず正解できるのであれば、その投資家はすぐに資産2桁億・3桁億に上り詰めることが出来るはずですが、そういうランクに進んでいる方は私が見る限りごく少数派です。なので、個人的には「マーケットタイミング戦略」は採用しない方が良いと考えています。 伝説になっている投資家でさえ、タイミングを計ることでむしろマイナスの影響がでると強く信じているのは、自らの経験を踏まえているばかりでなく、過去の例からもそれがはっきりしているからである。 私の観察でも、「あぁ、この方はマーケットタイミングを計るやり方に嵌らずに、普通に資産の大部分を株式投資に振り向け続けていれば、元々の高い実力から考えて今頃楽に数億円クラスの投資家にはなっていただろうになあ。」と感じる方と言うのは複数います。「マーケットタイミングを計る投資」というのは、麻薬・劇薬のように危険な側面があるんですね。 次はマーケットのタイミングを見る「エキスパート」の成果を見てみよう。フルバート・ファイナンシャル・ダイジェストの発行人、マーク・フルバートの調査結果は、1997年までの10年間にわたり、マーケットタイミングを主なテーマとするニュースレターが運用する32のポートフォリオについて調べている。ちなみにこの期間のS&P500は、年率18%以上上がっている。結果は次のようになった。 ●タイミングで勝負した平均年率リターンは、5.84~16.9%だった。 ●全体の平均リターンは10.09%。 ●タイミング戦略でマーケットリターンを超えたケースはなかった。 モニリサーチでは総額100億ドルを運用する85人のファンドマネジャーについて調査した結果を、次のようにまとめている。 ●タイミング戦略の平均リターンは、年率4.4~16.9%だった。 ●すべてのリターンを平均すると11.04%だった。 ●タイミング戦略は、マーケットリターンを一度も越えなかった。 はい、このようにマーケットタイミング戦略の結果は惨憺たるものです。ただ、これは別に驚くことではありません。ノーベル賞経済学者ウィリアム・F・シャープが指摘したとおり、この戦略がワークするためには「勝率70%」が必要なわけですが、「究極の複雑系であるマーケット」ではそもそもそんなに高い勝率は達成出来っこないからです。 ちなみにこの勝率の問題についてですが、名著 マーケットの魔術師 株式編 の中で、世界最高のトレーダーの1人として知られている スティーブ・コーエン は、 最高のトレーダーでさえ、利益を上げるトレードは63%に過ぎない。ほとんどのトレーダーの勝ちトレード比率は50~55%。つまり、間違いを犯す確率は非常に高い。 と述べています。 当時のコーエンは、業界最高峰と称されたヘッジファンド「SACキャピタル」を率い、お金に糸目をつけずに世界最高のトレーダーたちを集めていました。そんな彼らの勝率がやっとこさ50~55%なわけですから、70%という勝率がいかに無謀なものかが分かるのではないでしょうか? マーケット・タイミングについて最後のポイントは、ほかのアクティブ運用と同様にコストが余計にかかることである。 はい、これもマーケット・タイミング戦略の大きな問題の1つです。本当に難しくて危険な戦略と思いますね。(続く)
Jun 4, 2022
いやあ今年も6月になりました。梅雨の季節ですね。☔ さてマーケットでは昔から ダウ平均で見ると、6月は1950年以降での最下位に近く、9月よりもわずかに良いだけだ。(出典 アノマリー投資 、ジェフリー・A・ハーシュ著、パンローリング、2013年 P186) とされています。体調を崩しやすい長雨の季節ですし、「セルインメイ」の5月に続いて無理は禁物の1か月という事ですね。(汗) さて先月も書きましたが、5月から8月というのは過去データでは成績が上がりにくい「投資家に不利な季節」です。そのため自分はフルインベストメントはいつも通り貫くものの、極力ポートフォリオを 資産バリュー ・収益バリュー 側に寄せて、大きなダメージを受けないように、手堅く保守的に 「敗者のゲーム」 を戦うようにいつも心がけています。 それでは皆様、今月もよろしくお願い致します。
Jun 1, 2022
さて2022年5月のまとめです。 最初に今月の成績ですが、対2021年末比で-2.2%となりました。先月の-4.2%からはやや改善する結果となりましたが、未だに水面に浮上できない不甲斐ない日々が続いています。 今月は最新の戦闘力に応じて少し銘柄入れ替えを行いました。ただあくまで微調整程度で今のところ骨格はいじっていません。 それにしても、超主力の 1605INPEX がこんなに頑張ってくれているのに未だに「年初来マイナス暮らしのアリエッティ」の私のポートフォリオ。 これはどこかが何かが完全にイカレている、アライメントが狂っていると感じています。 多分、ちょっとマニアックで趣味的で独りよがりな中小型株に資金をつぎ込み過ぎなのかもしれませんし、 明らかに修正が必要と考えています。 「市場の発する声」に耳を澄ませながら、虚心坦懐に主力株を1つ1つ見つめ直し、少しでもポートフォリオが良い形になるように努力を続けていきます。 それでは皆様、来月もよろしくお願い致します。
May 31, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト130位間違いだらけの投資法選び(ラリー・E・スウェドロー著、パンローリング、2002年) の第5弾です。 今日は、間違い その35 ポートフォリオの税金対策は年末に行えばよいと思っていないか? から。 この指摘は自分にとってはちょっと盲点になっていたので、ありがたかったです。 税に関する知識が豊富な投資家でも、税金対策を年間を通して行わない場合があるが、これは間違いである。 含み損を年末まであたためておくのは間違いで、損の「刈り入れ」はフルタイムの仕事なのである。ずっと含み損を抱えていたファンドが年末に急回復することもあり、そうなるとせっかくの損を利用するチャンスは消えてしまう。 ポートフォリオの税金対策は、必勝戦略の重要な一部である。また、年末になるまで対策を講じなかったために、節税のチャンスが失われていたということもあり得る。税金対策はフルタイムの仕事なのである。 私自身、昔は「そろそろ年末だから、出来の悪い子を切って節税するか。」という感覚でした。ただ節税は投資成績に与える影響が極めて大きい大切なことであり、そういう重要なことを年末にしかやらない、考えないというのは実にナンセンスだとこの本を読んで気づかされました。見逃しがちですが、実に良い指摘ですね。(続く)
May 28, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト130位間違いだらけの投資法選び(ラリー・E・スウェドロー著、パンローリング、2002年) の第4弾です。 今日はまずは、間違いその28 から。 投資家が犯す最大の過ちのひとつに、投資リスクを本当のリスクとしてとらえないということがある。 筆者の会社では、投資アドバイザーが新規顧客と一緒に投資方針を作成するときに必ず用いる表がある。これは投資家が自分のリスク許容度、あるいは許容力を見極めるためにデザインされたものである。 これを見ると、許容できる最大損失が50%ないと株式配分の限度を100%に出来ないことが分かります。これは多くの投資家にとっては思っていたよりも「厳しい数字」ではないでしょうか? 次にもう一つ、間違いその33 を合わせてみていきましょう。 投資期間によって、株と債券の配分は変わってくる。投資期間が長いほど、株が債券のパフォーマンスを上回る可能性や、ベア相場が過ぎ去る可能性は高くなるからである。このことと次ページの表は、株と債券の配分を決めるときの目安になるだろう。 投資期間が20年以上ないと最大株式比率を100%にはできないという事ですね。投資家によって「戦う期間」は様々だと思いますが、これもいいところを突いていると思います。 さて私自身は投資家21年生ですが、ピカピカの1年生の頃から「常に全財産のほぼ100%を株式に配分」し続けて戦ってきました。その理由は、過去データから見て「それが一番理に適っている。」と考えたからですが、世界最弱市場の日本でその方針を貫き通すのは決して楽ではなかったですし、眠れぬ夜もたくさんありました。(滝汗) なので、どこまで株式に資金を配分するかは、結局個々人が自分で決めるしかないんでしょうね。(続く)
May 26, 2022
さて今日は、2021~22主力株概況シリーズで紹介してきたポートフォリオTOP80銘柄をまとめておきます。 1~10位 11~20位 21~30位 31~40位 41~50位 51~60位 61~70位 71位 7167 めぶきフィナンシャルグループ ここは指標的にも極めて割安ですし、優待内容も抜群ですし、ポートフォリオ上位に足る魅力的な銘柄であると評価しています。 72位 9404 日本テレビホールディングス 、、、とりあえず本当に隠れ優待が頂けるのか、今は楽しみにしています。 73位 7614 オーエムツーネットワーク 私はアウトバックでこれまで色々と食べたのですが、今までのところではハンバーグ・ステーキが一番美味しいと思いました。結局、自分はとても「安く出来ている人間」なんですね。 74位 9202 ANAホールディングス 一般論として、航空会社というのは、バリュー投資家としての観点からは、ポートフォリオ上位でホールドするなど「言語道断&完全にクレイジー」な鬼畜の所業なのですが、優待族的な見地からは優待券の実用性の高さから逆に超鉄板銘柄でもあり、非常に悩ましいところですね。 75位 7925 前澤化成工業 我々ジャンキー系のバリュー投資家の間ではいわゆる「前澤3兄弟(6485前澤給装工業、6489前澤工業、7925前澤化成工業)」として知られていますね。 76位 9882 イエローハット 4代目絶対基準優待バリュー株 だった 8591オリックス が倒れた今、ここイエローハットは次の5代目の王座を担えるポテンシャルがありそうにも感じています。 77位 1518 三井松島ホールディングス シクリカル銘柄の爆発力を見ましたね。。。 78位 9824 泉州電業 、、、銘柄選択と言うのは常にとても難しいものなんですね。(汗) 79位 4732 ユー・エス・エス ここは株式上場以来、今期で23期連続の増配予想なんですね。まるで、日本の「ジョンソン&ジョンソン」状態です。 80位 7128 フルサト・マルカホールディングス 私は元々 8087フルサト工業 も 7594マルカ も保有していたので、そのままスライドして新会社のホルダーとなりました。 以上、2021~22ポートフォリオTOP80銘柄のまとめ でした。2021~22主力株概況シリーズ 免責事項2021~22主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上の頑健な銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに絶対に必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこい独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.0%御自身の判断と責任の元で行って頂きますよう、伏してお願い申しげます。
May 24, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト130位間違いだらけの投資法選び(ラリー・E・スウェドロー著、パンローリング、2002年) の第3弾です。 今日は、間違いその9 投資判断の過ちを認めることを避けていないか? から。 行動ファイナンスでは、平均的な人はリスクを非常に嫌うことが分かっている。例えばこれまでの調査で平均的な人をコイン投げのような公平な賭けに誘おうとしても、少なくとも2対1くらいの勝率にしなければ乗ってこないことが分かっている。 また、損失の痛みは、同額の利益がもたらす喜びの倍以上に感じられることも分かっている。人間のこういった行動上の特性は、「後悔回避」と呼ばれている。 個人投資家は、自分の投資判断の過ちをなかなか認めたがらない。 ラスベガスでクラップス(サイコロの目を当てるゲーム)をするギャンブラーと同じで、投資家も収支がトントンになるまで勝負を続けようとする。これまでに「買値まで戻したら売る」と自分で言ったり、人が言うのを何度も聞いたことがあるだろう。 しかし、避けていても事実は変わらない。それどころか、後悔回避は2つの過ちにつながる。まず、ある資産を保有するかどうかは、ポートフォリオ全体の資産配分を考えて決めるべきで、その証券を買うために支払った金額は保有し続けるかどうかの指針にはならない(税金対策以外)。 それよりも、もしその株を持っていなかったとしたら、自分のポートフォリオに適した銘柄として今の価格で買うかどうかを考えなくてはいけない。もし、答えが「ノー」なら、今すぐ売るべきなのである。資産を保有しているということは、毎日その日の価格でその資産を買う決断をしているのと同じことになる。 このスウェドローの、「もしその株を持っていなかったとしたら、自分のポートフォリオに適した銘柄として今の価格で買うかどうかを考えなくてはいけない。もし、答えが「ノー」なら、今すぐ売るべきなのである。」と言うのは、シンプルですが非常に役立つ考え方です。 皆様もこの視点で一度自分のポートフォリオを見直してみてください。「あれ、自分はなんでこんなの持ってるんだろう。?」と感じる銘柄が続出すること請け合いですし、一気にポートフォリオの戦闘力を改善できる魔法のやり方でもあります。(笑) 後悔回避がもたらす2つ目の過ちは、もし課税対象の口座に大きな含み損を抱えているのに売らない場合で、税金面から見てもすぐに損切りすべきである。 後悔回避心理が引き起こす投資活動の停滞は、ポートフォリオの税金対策も必勝戦略の非常に大きな部分であることを思い起こすことで防ぐことができる。ポートフォリオに儲かる資産だけを入れておくことができればそれが一番だが、現実には損切りして税金面の優遇措置を利用することも必勝戦略の一部なのである。 持ち株が上がればそれを逃さないために迅速に利益を確定し、下げればトントンに戻るまで必死に我慢するというのは投資初心者に非常によくある行動です。その結果として、投資初心者のポートフォリオと言うのは往々にして「含み損だらけの危機的な状態」に陥りがちです。 こうならないための初心者脱出のきっかけとして、「損切りをすれば税金が戻ってくる。つまり得をするのでやった方がいいのだ。」という考え方はとても実践的で有用と思いますね。(続く)
May 23, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト130位間違いだらけの投資法選び(ラリー・E・スウェドロー著、パンローリング、2002年) の第2弾です。 今日は、間違いその1 自分の投資手腕を過信していないか? から。 平均的な投資家がマーケットを上回ることにはそもそも無理がある。なぜなら集団としての彼らこそがマーケットを形成しているからである。必然的に平均的な投資家のパフォーマンスはその名のとおりマーケット・リターンそのもので、実際の利益はそこから経費を差し引いたものになる。 はい、あなたが「何も特別なものを持っていない平均的な投資家」であれば、継続してマーケットを上回り続けることは決して出来ません。インデックス投資をしているのが一番幸せでしょうね。 将来を予測する能力の限界を認識することは必勝戦略の重要な要素のひとつである。 カルフォルニア州にあるサンタクララ大学のメイア・スタットマン教授は自信過剰に陥らないために次のような提案をしている。「マーケットがこれから上がる。または下がると確信したら、必ずそれを日記に書きとめておくとよい。2~3年もすれば自分のカンなど何の価値もないことが分かるだろう。一度そのことが分かれば、われわれがマーケットと呼んでいる海にそれまでよりずっと楽に浮かんでいられるだろう。」 いい表現ですね。私はコテコテのアクティブ投資家ですが、普段は自分が良いと考える銘柄をその総合戦闘力順にポートフォリオにぎっしりと並べて、「マーケットの海」にリラックスしてぷかぷか浮いているだけです。ほとんど売買もしません。そして年に数回くらい「ビッグウェーブを見つけた!」時にだけ、大波に乗るために行動を起こす感じです。 全知全能の神であるマーケットの前では我々個人投資家などほんのちっぽけな存在に過ぎませんし、うぬぼれて力み過ぎたら手数料と税金でベンチマークを下回るだけです。私たちは常に「謙虚過ぎるほどに謙虚」なくらいがちょうどいいんですね。(続く)
May 19, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベストです。第130位は、間違いだらけの投資法選び(ラリー・E・スウェドロー著、パンローリング、2002年) です。 ちなみにこの本の題名を見ると私は、大好きで凄く尊敬していた自動車評論家の徳大寺有恒(とくだいじありつね)先生の事を思い出します。私の文体には徳大寺先生の影響が少し出ているんじゃないかな?と自分では思っています。それが何故かというと、徳大寺先生のベストセラーである「間違いだらけの車選び」シリーズが大好きで学生時代の頃から何度も何度も繰り返し読んでいたからです。(笑) さて著者のスウェドローは、ホームラン級の名著である、 ファクター投資入門 の共著者ですが、これは今から20年前に彼が放った快作です。 この本は、「投資家がして良いこととしてはいけないこと。」を多くの論文やデータを基にしてクリアカットに歯切れよく解説してくれている名著です。今回書評を書くにあたって久方ぶりに読み返したのですが、「全然古くなっていないな。そのまま丸っと今の2020年代の相場でも通用するな。」と感じました。それだけ普遍的で王道的な内容という事ですね。 さてこの本の印象をサクッと簡潔に言うと、インデックス投資家のバイブルとして知られる チャールズ・エリス の 「敗者のゲーム」 をより専門的に、かつマニアックにした感じです。 また全体的に辛辣で毒舌が多く、その点ではあの ウォーレン・バフェット が激賞した名著、 投資家のヨットはどこにある? に近いフレーバーもあります。 さて最初にこの本の注意点を述べると、前半の第1部・第2部は、出版から20年経った今では、「かなりありきたりだな。」と感じる部分が多く、投資初心者の方以外にはちょっと眠くなると思います。 なので、中級者以上の方は、後半の第3部・第4部から読んだのでもいいと思います。このあたりから一気に面白くなりますし、現代でも120%通用する素晴らしいクオリティです。 それでは次回からは、この本のベストオブベストの所だけをこれまたサクッと見ていきましょう。(続く)
May 16, 2022
今日で決算シーズンも終わりました。今日はちょっと自分の備忘録を兼ねて、思い付いたことを心のままに書き殴っておきます。誰にも投げていない内省的かつ率直な記事なのでご了承ください。 何しろ今日は開示情報が3600件!もあり、まだ完全には目を通せていませんが、自分のポートフォリオ上位の銘柄については見終わり、全体としては無問題でした。 さて株式投資をしていれば、「全く不安のない状態」というのは宿命的にあり得ないものですが、今回は特に 9027ロジネットジャパン と 9057遠州トラック の原油高が逆風になる「物流コンビ」の前期業績と今期予想数字がどうなるかに懸念を持っていました。 特に、両社とも非常に流動性が低いので緊急事態があっても持ち株を簡単には売却できないということもあり、「悪い数字が出たらかなり困ったことになるな。」という思いがありました。 5月10日に先にロジネットジャパンの発表があり、今期予想が増益&増配だった ので多分遠州も大丈夫だろうとは思っていたのですが、 今日の発表で問題なかった のでかなりホッとしました。 後、細かい所を言うと、「8119三栄コーポレーションの今期予想、引くほど悪いやんけ。どうなっとるんや。」 とか、逆に、「1518三井松島HDの今期予想、とんでもなくいいな。井村さんて本当に凄い人なんだな。」 とか、いくつかサプライズはありましたが、全体としてはほぼ想定線でした。 「そうか、ということは、ポートフォリオ最上位はおおむね今の布陣でいいだろうな。このまま2022年相場を戦っていくことになるな。」と感じた1日でした。今年は今のところ年初来マイナス圏から全く浮上出来ない冴えない日々が続いているのですが、気持ちを切らさずにこれからも頑張っていきます。
May 13, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト129位 知られざるマーケットの魔術師(ジャック・D・シュワッガー著、パンローリング、2021年) の第8弾です。 今日は、第5章 ダルジット・ダリワル から。 トレードであなたが従っているルールは何でしょうか。 ●トレードのリターン・リスク比は極めて不安定で、ポジションを維持している間に劇的に変わることがあります。そのため、含み益が出たら、一部を利食いする必要があります。そうしないのならば、自分は百パーセント正しいと思い込んでいることになります。このルールは、トレードで大きな含み益が得られたあと、ポジションをすべて維持している間に相場が急に逆行するという経験を何度もして、学んだことです。 相場というのは、「平均回帰の法則」が強く働くところですから、大きな含み益が出た場合には少なくともその一部を実際にポッケにねじ込んで、利益を確定させておくことはとても大切です。 そして、「そうしないのならば、自分は百パーセント正しいと思い込んでいることになる。」というダリワルの指摘にはハッとさせられました。実際にその通りですし、「マーケットでは完璧主義では通用しない」ということを改めて認識しました。 さてこれでこの本の紹介は終わりです。このシュワッガー本の第5弾の中には、「第1弾の青本を読んで相場の世界に入った。」というウィザードが複数登場しており、改めてマーケットの魔術師シリーズの偉大さを思い知りました。これからも命の続く限り、何度もシリーズを読み返しながら市場で戦い続ける所存です。(終わり)
May 9, 2022
よく、「株式投資では平均して年に7%のリターンが得られる。なので、S&P500などのインデックスで長期投資をすれば誰でも資産を築ける。」という言説を見ることがあります。いわゆる「投資インフルエンサー」の方々が厳かに良く言っていらっしゃいますね。 ところが実際には「長期投資で資産を作り上げる」のは大変に難しいのです。それはどうしてでしょうか? まず前提として、「株式投資では平均して年に7%のリターンが得られる。」のが真実なのかを検証してみましょう。 殿堂入りの超名著である株式投資の未来(ジェレミー・シーゲル、日経BP、2005年) の中で、著者のシーゲルは以下のように述べています。少し長くなりますが引用してみましょう。 資産の長期的リターン 図12-1は、わたしが金融市場のリターンを調査する中で作成してきたどの図より重要だ。過去200年間を期間として、株式、長期米国債、短期米国債、金、ドルを対象に、インフレ調整後のトータルリターン(キャピタルゲイン、配当、利息を含む)の推移を累積ベースで示した。 株式の推移を見ると、1802年に投資した1ドルが、2003年末、購買力にして59万7485ドルになっている。長期国債では1ドルから1072ドル、短期国債では1ドルから301ドルなので、株式の成績は債券をはるかに上回っている。地金は、一部の投資家の間で人気が高い資産だが、インフレの影響を調整すると、1ドルの200年後の価値は1.39ドルにしかならない。 株式は他の資産に対して、圧倒的な優位を示している。 この図12-1は、非常に印象的かつ有名なものですが、200年間と言う超長期で見た場合の株式投資の優位性を明白に示しており、極めて重要です。 そして私が、「常に全資産の99%を株に突っ込んで、万年フルインベストメント」を貫き通しているのも、このシーゲルの図表が頭に完全に焼き付いているからです。 「あらゆる金融商品の中で最も有利なのが株であると過去200年間の検証で既にはっきりと証明されているんだから、シンプルにそこに全資産をぶち込んで、腰を据えてゆったりと戦い続けるのが一番理に適っている。」と考えているんですね。改めて見てみましょう。 図12-1 実質トータルリターン指数(1802年~2003年) うーん、マンダム。何度見てもいいですね。 シーゲルの一貫性ー株式の実質リターンは6.5~7% こうしたデータから抽出した統計値の中で、とくに注目に値するのは、株式リターンのインフレ調整後の長期的な平均だ。期間を長期的にとれば、株式の平均リターンは、どの時期にも一貫して年率6.5~7%のレンジを維持している。 この「シーゲルの一貫性」も非常に有名ですね。つまり、「株式投資では平均して年に7%のリターンが得られる。」というのは過去200年間の検証からガチの真実であるという事です。 では次の疑問で今回の記事の本題である「なぜ多くの投資家が長期投資で資産を作り上げることが出来ないのか?」にいよいよ迫っていきましょう。 実は、答えはとてもシンプルではっきりしています。分かりやすい図表でお示ししましょう。 まずは「長期投資の理想」から。 長期投資をすれば、こんな風に「波のない凪(なぎ)の海でクルージング」しながら、資産が年に6.5~7%右肩上がりにゆっくりと着実に増えていく。多くの方はぼんやりとこんな感じをイメージしていると思います。だからこそ、「長期投資は簡単で確実だ。」と思ってしまうんですね。 それでは次に、「長期投資の現実」をお示ししましょう。 年にー20%~-30%の成績を叩き出し、大荒れのベーリング海でカニ漁をするような過酷な年が何度もあります。株式市場と言うのは、「万に一つ」のはずのブラックスワンが何故か毎年頻繁に訪れる、「世界で最も過酷な戦場」なのです。 「損失は利益の2倍の精神的なダメージがある。」のが相場心理学の教えなので、常識的で普通の感受性を持った投資家の方は「船酔いでゲロゲロになり、戦意を喪失して船から降りてしまう。」のです。ずっと平然として船に乗り続けられるのは歴戦のサイコパス投資家や肝の据わったインデックス投資家のみというのが実情です。 つまり、「年に7%の平均リターン」と言うのは「遊覧船で海の上を観光する」ことによって手に入る訳ではなく、実際には「荒海で全身ずぶ濡れになり、込み上げる吐き気に耐えながらカニ🦀を採る。」ことによってようやく手に入る果実であり、全く簡単なことではないのです。 また実際投資家21年生の私の過去の成績を見ても、1年間のトータルの戦績が+7%前後で着地したことなどほとんどありません。+30%だったり、-20%だったり、全く安定せず完全にランダムなのです。改めて「過酷な真実」を御覧下さい。 これが「長期投資の理想と現実」なんですね。
May 7, 2022
いやあ青葉薫る5月になりました。ゴールデンウイークも終わりますし(まだ続いている人もいるかな?)我々もそろそろ再始動ですね。 さてマーケットでは昔から 5月は長年にわたって、油断のならない月だった。それは私たちが「5~6月の被災期間」と呼んでいたものの一部だった。S&P500は5月に、1965~1984年の20年のうち15年で下げた。 ダウ平均とS&P500にとって、5月は最悪の6か月の始まりだ。だから、「5月に売って、相場から離れなさい」と言われるのだ。(出典 アノマリー投資 、ジェフリー・A・ハーシュ著、パンローリング、2013年 P184) とされています。投資家にとっては1年で最も「極悪な季節の始まり」という事ですね。(滝汗) そのため、この「投資家にとって不利な季節」である5月から8月までは、自分はフルインベストメントはいつも通り貫くものの、極力ポートフォリオを資産バリュー・収益バリュー側に寄せて、大きなダメージを避けるように、手堅く保守的に戦うようにいつも心がけています。特に今年は世界情勢が非常に不安定なので猶更ですね。 それでは皆様、今月もよろしくお願い致します。
May 5, 2022
さてちょっと遅くなりましたが、2022年4月のまとめです。 最初に先月の成績ですが、対2021年末比で-4.2%となりました。先月の-2.2%からは一歩後退と言う結果となりました。 今月は、ポートフォリオ最上位の銘柄群を徹底的に多角度から見直し、総合戦闘力が劣化してきた一部の子を切って、代わりに優待株いけすから超フレッシュな新顔を昇格させました。私のポートフォリオは「変革の時」を迎えています。 それでは皆様、今月もよろしくお願い致します。
May 4, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト129位 知られざるマーケットの魔術師(ジャック・D・シュワッガー著、パンローリング、2021年) の第7弾です。 今日も第4章 アムリット・ソール から。 トレードの機会を最大限に活用して、まずいトレードを最小限に抑えようとすれば、結局は自分の精神状態に行き着きます。いったん自分の手法をものにしたら、おそらくこの精神状態がトレードで成功するための最も重要な要素になるでしょう。 私は心が安らかな領域ー物事が自分のなかを流れ去っていくゾーンーにとどまりたいのです。ミリ秒単位で決断を下して大金を稼ぐ唯一の方法は、その状態に入ることです。 深く集中しているときには、すべてが簡単だと感じます。。。私は新しい情報を受け入れて、それに応じてポジションを変えます。トレードは簡単だと感じ、何も無理にやろうとはしません。自分のポジションや結果に執着しなくなります。ためらわずに損切りができますし、衝動的に素早く利食いしようとは考えずに利益を伸ばせます。 経験から、何かおかしいと直感的に感じたときは、自分のリサーチで何が示されていても、たいていは直感のほうが正しいと分かりました。直感を信頼できるようになったことが、成功にとって極めて重要でした。直感は、そのトレードがユニコーンで満玉を張るべきときや、見えない危険があるのでトレードすべきでないときを教えてくれます。 ソールがここで教えてくれているのは、「恐怖心も悩みもない、明鏡止水の無心の境地=ゾーン」で戦うことの重要さです。マーケットで学びそして戦い続けてきた「一定レベル以上の投資家」にとっては、自らの精神状態を「ゾーン」に入れその状態を長く保ち続けることが致命的に大切であり、同時に投資成績に直結するということです。 この考え方は、相場心理学の金字塔的名著 ゾーン で著者のマーク・ダグラスが発表した概念ですが、ソールの説明は非常に分かりやすくて説得力があります。いいインタビューでしたね。(続く)
May 3, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト129位 知られざるマーケットの魔術師(ジャック・D・シュワッガー著、パンローリング、2021年) の第6弾です。 今日は第4章 アムリット・ソール から。これが本書中でナンバーワンのインタビューと思います。 大打撃を受けたら、私はできるだけ早く穏やかでバランスの取れた状態に戻って、心理的資本への影響を最小限に抑えるようにしています。トレードの事後分析を行って教訓を学んだら、頭を切り替えて次の機会を探します。 投資を長年していれば、誰でもいつかは必ず負けます。常に100%正しい投資家などどこにもいないからです。そして私たちに大切なことは、「負けた後にどうするか?」です。ソールの言葉の続きを見ていきましょう。 ネガティブでストレスがかかった状態から、落ち着いて合理的に考えられる状態に戻した方がいい、、、扁桃体ではなく、前頭前野で判断を下すほうがいいのです。ひどい経験をしていると気づいたら、冷静さを取り戻して、その経験に感謝します。それから、どこかへ出かけて自分をねぎらうのです。 海は良い例えになります。海面は波や風雨にさらされていますが、潜れば穏やかです。そうした穏やかな領域に潜る能力はだれにでもあります。 トレーダーは絶えず自分の感情の限界と向き合います。だから、トレードで成功する人はほとんどいないのです。 大打撃を受けたら、暴風雨が吹き荒れる海面から離れて海中に潜って逃れればいい、その能力はだれにでもある、というソールの表現は身に沁みました。私たち投資家は、市場で生き残り、そして勝つために「自らの心の健康=心理的資本」を守り抜くことが大切なんですね。(続く)
May 2, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト129位 知られざるマーケットの魔術師(ジャック・D・シュワッガー著、パンローリング、2021年) の第5弾です。 今日も、第2章 ジェイソン・シャピロ から。 彼のトレードでの成功は基本的に、ほかの市場参加者の感情に基づく判断の欠陥をうまく利用するところにある。彼は市場で強気の高揚感が支配的になったときに売り、弱気の感情が支配的になったときに買うことを目指す。 彼はこの手法を二〇年間使い続けた。その間にあらゆる重要な変化が起きたにもかかわらず、彼の手法の効力がまったく落ちていないことは注目に値する。市場の構造、参加者の性質、利用できる取引ツールは、どれも劇的に変化してきた。 そうしたなかで、変化していないものがある。それは人間の感情だ。そして、さまざまな変化にもかかわらず、トレード機会が豊富にあり続けるのは、人間の感情が変わらないからだ。 AIが進化し、過去に有効だった投資手法の多くが効力を失ったり、その効果が薄れる結果となりました。ただどれほど投資ツールが進化しようとも、最終的にそれを使うのは我々人間です。そして私たちは様々な感情、特に根源的な本能に根差している「恐怖」に勝つことはできません。 ちなみに、「恐怖効果」 の実際については、「恐怖で買って、強欲で売る」 短期売買法 (ローレンス・A・コナーズ著、パンローリング社 2019年) を是非ご覧下さい。 すいません、話が少し逸れました。さてシャピロは「20年間で年平均34%のリターン」を上げたことが証明されているわけですが、彼がこれほどの長期間に渡って驚異的かつ安定的なリターンを叩き出したという事実が、何よりもこの「恐怖効果」の凄さを示しています。なので、私を含めすべての投資家はこのやり方について学ぶべきだと感じています。(続く)
May 1, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト129位 知られざるマーケットの魔術師(ジャック・D・シュワッガー著、パンローリング、2021年) の第4弾です。 今日は、第2章 ジェイソン・シャピロ から。 あなたは人と異なる言動を摂る性格のおかげで、成功したと思いますか。 それは間違いないですね。。。私はみんなが同じことをしているときを見つけて、逆のことをします。当然ながら、みんなが並外れたリターンを得ることはできません。ですから、だれもが何か同じことをしているときに、並外れたリターンを得る唯一の方法はみんなと反対のことをすることです。相場の素晴らしいところは、確認が取れるまで待ってから、反対のポジションを取れることです。 シャピロは典型的なコントラリアン(逆張り投資家)ですが、投資家にはこの資質を持っている人が多い気がしています。そして私自身も明白にそうです。ただ「常に人の逆をやる」性質は、社会生活上はマイナスに働くことも多いです。特に同調圧力が異常に強いここ日本では猶更です。なので、「自らのコントラリアンな部分を日常生活では出し過ぎない。」様に私は非常に気を付けています。(滝汗) あなたの手法は、それを最初に使い始めた二〇年前と同じくらい効果的ですか、それともその後に市場で起きたあらゆる構造変化の影響を受けていますか。 昔も今も違いはないと思います。だれもがショートポジションを取っているときに悪いニュースが出たのに、相場は下げない。それどころか、上げ始める。そこが底です。相場は良いニュースで底を打つのではありません。悪いニュースで底を打つのです。 私はこのシャピロのインタビューを読んでいて、2020年12月に紳士服最大手の 8219青山商事 に参戦して結果として大きな利益を上げたトレードのことを思い出しました。 私は当時、「新型コロナで一番ダメージを受けた業界、銘柄はどこかな? コロナが本当に終わるなら、逆にそこが一番狙い目になるんじゃないかな?」と考えて、様々な銘柄を虱潰しに見ていました。 そんな中で、「5年で株価10分の1」に転落し、華麗なる「逆10バガー」をキメた紳士服業界首位の青山商事を何度も舐める様に多角度から調べているうちに、「ここは非常にハイリスクだけど、まだ財務も傷み切ってはいないし、何しろ超低PBRだし、挑む価値があるんじゃないかな?」と思うようになりました。 (上記データはSBI証券より引用) 赤字転落で業績はボロボロ、更に月次推移も最悪で回復の見込みは未だ0、手元流動性の確保に必死でついに無配に転落、長年忠誠を誓ってきた社員は大幅にリストラ予定、不採算店舗もテンコ盛りに多過ぎで同じく大リストラ予定 と「いいところが一つもない」ワーストオブワーストの惨状でしたが、青山商事が「排水溝に堕ちた、ヘドロ塗れのドブネズミ」の様な状況に陥っていることは、投資家はもちろん、その辺のマックにいる女子高生にすら知れ渡っている状態でした。ある意味で「これ以上悪くなりようがない」という、第2次世界大戦直後の日本の様な、焼け野原の逆に清々しいシチュエーションにいるのではないか?と考えたのです。 更にその時点で、「青山商事を買っている投資家がほとんど見当たらない。」のも良いと思いました。実際、「ウルトラ逆張りで、青山商事、勇気を出してどうかな?」と親友で投資家であるぷよさんに聞いてみたところ、「いーーー、ぜーーーったい、買わない。とんでもない。」というリアクションでした。 またヤフーファイナンスの「低PBRランキング」を見ても、青山商事の当時の0.15と言うのは、超不人気銘柄だらけの地銀株を除くと既に第2位に輝く水準であり、「日本市場でトップオブトップの極限低PBR」にまで売り込まれているのもとても素敵だな、と感じました。(上記データはヤフーファイナンスより引用) そして「悪材料特大てんこ盛り」だった当時の青山商事は、「悪いニュースしかないのに何故か株価が底を打って反転」した状態でもありました。(上記データはSBI証券より引用) そしてその後、株価は底値から一旦100%以上の上昇を見せ、私はまずまずのリターンを得ることが出来たのでした。 シャピロの言うとおり、まさに「相場は悪いニュースで底を打った。」んですね。(続く)
Apr 30, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト129位 知られざるマーケットの魔術師(ジャック・D・シュワッガー著、パンローリング、2021年) の第3弾です。 今日も、第1章 ピーター・ブラント から。 ブラントは「ポップコーントレード」と彼が呼んでいるものをなくして、パフォーマンスを改善した。これは、かなりの含み益になったのに損益ゼロか、さらに悪いことに含み損になるまで持ち続けるトレードのことを指している。彼はトレーダーになって早い段階でこれを経験し、そうしたトレードを避けるためにルールを作った。 振り返ってみると、私はブラントの言うこの「ポップコーントレード」を良くやってしまっています。この数年でも、ある銘柄で9桁を超える含み益を持っていたのに全く利益確定をせずにのほほんとホールドしていて、結局そのほとんどを失ってしまったということも実際にありました。 一・ 自分の総資産の一%に等しい含み益が出たら、一部を利食いする。 二・ 利益目標の七〇%以上に達したら、逆指値をそれまでよりもずっと近くに置く。 その意味で、上記のブラントの「ポップコーントレードを避けるためのルール」は実践的で素晴らしいと思います。特に、「自分の総資産の一%に等しい含み益が出たら、一部を利食いする。」というのは分かりやすいですし、パフォーマンスを安定させるうえでも有益なやり方だと感じました。今後実際の自分の投資手法に取り入れようと考えています。(続く)
Apr 29, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベスト129位 知られざるマーケットの魔術師(ジャック・D・シュワッガー著、パンローリング、2021年) の第2弾です。 今日は、第1章 ピーター・ブラント から。ジャック・D・シュワッガーによるこのシリーズでは、巻頭のトップバッターのインタビューの出来が悪かったことは一度もありません。そして今回も充実の内容でした。 多くのトレーダーには安心できるポジションサイズというものがある。 ここでの教訓は、トレーダーはトレードサイズを突然、大幅に増やさないように気をつける必要があるということだ。トレーダーは資金を徐々に増やして、それで安心してトレードができるかどうか確かめる必要がある。 これはその通りだと思います。私は数年前にフィリピンで巨大カジノリゾートを手掛ける 6425ユニバーサルエンターテインメント を超主力に立てて爆益を目指して戦ったことがあったのですが、自分の中の期待が大き過ぎて過大なポジションサイズとなっており、また値動きがトリッキーかつ株価変動が非常に激しい銘柄だったこともあり、精神的に落ち着いた状態で戦い抜くことが出来ませんでした。 会社が私の見込み通りに成長できなかった(カジノの収益化が見えてきた「よし、これから!」と言う瞬間に、新型コロナの世界的流行が襲ったという不運があった。)ということもあるのですが、それ以前に既に「自分との内なる戦い」に負けていて、それで結局全く利益を出すことが出来なかったのだ、と今では総括しています。(続く)
Apr 28, 2022
さて今日は株式投資本オールタイムベストです。第129位は、 知られざるマーケットの魔術師(ジャック・D・シュワッガー著、パンローリング、2021年) です。 ジャック・D・シュワッガーによる「マーケットの魔術師シリーズ」はどれも傑作ですが、今回の第5弾も期待を裏切らない素晴らしい出来栄えです。表紙に「シリーズ中、もっとも個人トレーダーの手本となるウィザード11人!」と書いてありましたが、非常にフレンドリーな仕上がりでその表現にも納得できます。 ちなみにマーケットの魔術師シリーズは、本家シュワッガーによるものが今回の本を含めて5冊、別著者によるものが3冊の合計8冊出ています。そしてその全てが「名著」と言えるレベルに達しています。 そして私は以前に、 マーケットの魔術師シリーズの全てを見てみよう 2021年編 という「シリーズのいい所、特盛で全部入り」の大人気総括記事を書いていますので、未読の方はぜひこの機会に合わせてご覧下さい。 それでは次回からは、ジャック・D・シュワッガーによる「奇跡の第5弾」の大トロのところだけを一緒に見ていきましょう。(続く)
Apr 27, 2022
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