仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2015.11.08
XML
カテゴリ: 仙台
北根というと今では大動脈の県道(旧国道4号)が走り、東に黒松団地、西には藤松や双葉ヶ丘団地などを従える、一大開発ゾーンだ。しかし、かつての北根村は、常住する村民の居ない特殊な無人村だった。

北根村は、仙台領の宮城郡国分33か村のひとつ。旧仙台領時代の北根村は、古い黒松林と農耕地のある地域だったが、常住人口はゼロだった。人はいなくても歴とした公村であった。(公村は、領内限りの私村や端郷の場合(村は禁字で邑の字を代用した)と異なり、対外的に公式の村である。仙台領に1,011あったという。)

このような無人村としては、登米郡に日野渡、小島邑、遠田郡に小塚、成沢、上郡、南高木邑などがあった。

無人の北根村に人が定住しはじめたのは明治に入ってから。明治8年調べで戸数7、人口22人とされる(宮城郡誌)。明治22年の町村制施行の際に、北根村は、七北田村、市名坂村、松森村、古内村、上谷刈村、荒巻村、野村と合併して、七北田村となる。昭和6年には、荒巻とともに仙台市に編入されて現在に至る。

旧国道4号の基礎となった交通路は、堤町-北根-市名坂-富谷-吉岡に至る道で、伊達政宗がはじめて開通させたのが元和9年(1623)。それ以前の道中は、北山-荒巻-丸田沢-長命-野村(元七北田)-朴沢-根白石-宮床-黒川と山根を辿っていた。北根の丘陵を開削した新道は、在来の中山道(古街道、野村道、秀衡街道)に取って代わって、仙台以北への幹線となった。松前、八戸、南部、一関の諸侯が参勤交代に上下したのもこの道である。

■参考 仙台市民図書館/種部金蔵編『要説宮城の郷土誌』宝文堂、1980年
■関連する過去の記事(北根、中山道(なかやまみち)など)
北根と七北田街道 (2011年10月24日)
近世までの東山道と中山古街道、七北田街道 (2011年10月23日)
中山峠の狼 (2011年10月6日)
中山道と狼石 (2011年1月13日)
飛び地の多い上谷刈 (2010年11月15日)
中山道を考える(再び) (09年11月23日)
忘れられた宿場町 根白石 (09年11月4日)
朴沢の話 (09年5月13日)
朴沢をめぐる(続・画像) (09年5月2日)
朴沢をめぐる (09年5月2日)
中山(なかやま)道を考える (09年3月25日)
中山道のむかし (09年3月23日)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2015.11.08 21:05:33
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

コメント新着

おだずまジャーナル @ Re:仙台「6時ジャスコ前」の今むかし(11/14) 仙台フォーラスは来月3月から長期休業。再…
クルック@ Re:黒石寺蘇民祭を考える(02/18) ん~とても担い手不足には見えませんけどネ…
おだずまジャーナル @ Re:小僧街道踏切(大崎市岩出山)(12/11) 1月15日のOH!バンデスで、不動水神社の小…

プロフィール

おだずまジャーナル

おだずまジャーナル

サイド自由欄

071001ずっぱり特派員証

画像をクリックして下さい (ずっぱり岩手にリンク!)。

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: