『ラ・フィネス』『ミチノ・ル・トゥールビヨン』勉強会議事録 48
ジェームズオオクボ的視点で選んだ心に残るあの店のあの料理(名物料理百選) 21
全290件 (290件中 1-50件目)
岡山の『鮮寿』の福瀬さんとの会話から 今、コラムを書いていますが、本文には脱線部分なので載せないので、サイドリーディングに参考投稿します。福: 本で読んだんですが、開業した飲食店の生存率は1割をきっている。一方、FCは閉店率が3割くらいでと。大: まず、まったく新しい飲食店を開業した場合、資金繰り、増客で経営が成り立つパッケージの確立、オペレーションの確立の三つの要素があるので、どれかができなくても資金繰りが悪化して閉店・廃業となります。一方、フランチャイズはお金のある人が、増客で経営が成り立つパッケージの確立、オペレーションの確立が終わったものをやるから失敗しにくいです。FCにもよりますが。新規開業の場合は、どこかの店を真似するにして、その店なりに細かくネジをしめていかないといけません。それができる人はとても少なく、センスがない人がやると、肝心な部分をやめてしまったりします。飲食店のおいしさは、お客様個々人の「好みの違い」だからややこしいです。大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2023.07.05
家賃の大小がそっくり利益の差になる 飲食店が日々の運営にかかるコストは材料費(食材の原価)、人件費、家賃が大きいです。この三つをどう抑えるかが重要です。 まず、材料費ですが、食材は高騰の一途ですので、最初に空気を売るということを頭に入れる必要があります。例えば、蕎麦屋なら古民家を物件取得すれば高めの売価をつけられるからです。作りものでない雰囲気はとても代えがたい価値があります。 人件費は、なるべく人を雇わないことで解決できます。例えば蕎麦店の場合ですと券売機を設置してセルフの形式にすると、調理スタッフするスタッフですみます。 また、わざわざ来るような場所に店を出すことが、お客様が安定したときに利益の差を生み出します。家賃の大小がそっくり利益の差になるのです。ですので、辺鄙でも家賃の低いところをいかに探すかが重要となります。大久保一彦の本【中古】 飲食店の「見える化」経営 “見える化ツール”が成功店に変える! /タルイタケシ【著】,大久保一彦【監修】 【中古】afb
2023.07.03
スタートダッシュを狙わない目的来店の店は家賃はないほうが良い 飲食店は多くの場合、胃袋や利用動機のニーズに依存するため、立地は重要となります。確かに、ビックチェーンは立地が重要です。そのため家賃は高くなります。 一方、インターネットや普及やスマートフォンの普及で、立地はさほど重要でなくなっています。私の場合は(「怪人」と称していますが)個性的な料理人の開業をお手伝いすることが多いために、わざわざ来店する店をつくるケースが多いです。その地域の食材や文化をテロワールとしてお皿の上に表現して、その地にお客様を呼び込むレストランをつくるような感じです。ミシュランに格付けされたり、中にはディスティネーションレストランに選ばれるた店もあります。 そういうお店は、地元のお客様を入れながら、目的意識が高いお客様を増やしていくことが重要になるので、家賃は低いほうが良いです。半年くらい、ノーゲストの日も出ますから。開店時売上爆発、行列もやり方ですが、私は売上のない期間に自身と問答して、お客様をつけていくことが長く商売を続ける上で大切だと思うのです。 辺鄙な場所でも駐車場がある。自分、ないし親族が所有する物件で出世払いができる。開業資金で物件を取得してしまう。こんなパターンですので、家賃は限りなくゼロが良いです。家賃がある場合は、当初は固定費をまかなうため、ある程度は本当のお客様でない人に喜んでいただき、日銭を稼ぐプロセスが必要になります。大久保一彦の本【中古】 誰も教えてくれないカフェの始め方・儲け方 簡単にできる!利益率が高い! /大久保一彦(著者),工藤昌幸(著者) 【中古】afb
2023.07.02
開放度、透視度、深度 開放度とはお店の入口がどれだけ開放されているかを表します。間口が広くて開放度が高ければお客様は「入りやすい」です。惣菜屋や食事需要の店には需要です。一方、わざわざくる店や、隠れ家のような店にはマイナスな面もあります。 透視度とは店内がどれだけ見えるかを表します。やはり中が見えると入りやすいです。 深度は店がどれくらい奥まっているかです。奥まっていると入りにくいです。 店の業種・業態を考えて、入りやすい店、入りにくい店をつくります。大久保一彦の本【中古】 成功する小さな飲食店の始め方/西東社/大久保一彦 / 大久保 一彦, 小山 雅明 / 西東社 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】
2023.06.03
③日々、進捗状況をフィードバックする 入社して一週間はしっかりと、マニュアルを使って「今日はどの仕事ができるようになったか」を確認します。その後は一カ月に一度、「あなたの仕事が経営理念の追求にどう理解を深め、貢献しているか」を個別面談を実施して確認しあいます。今のスタッフの状況を見える化して、将来を見える化してゆきます。大久保一彦の本【中古】 成功する小さな飲食店の始め方/大久保一彦,小山雅明【共著】 【中古】afb
2023.05.30
②マニュアルをトレーニングツールとして使いながらトレーニングを実施する 新人スタッフが初めて現場に入ったときはひじょうに不安です。些細なことでも「これでいいのかな」と思うものです。新人スタッフにとっては、これから行う業務の詳細を書いたマニュアルはひじょうに重要です。このマニュアルをトレーニングツールとして使用しながら、マニュアルに書いてあることを共有しながら、お互いの距離を縮めていきます。マニュアルをツールは道具であり、使いながら説明してからトレーニングをはじめることは、入社したスタッフがやめない環境をつくるので、運営水準アップにひじょうに重要な役割を果たしているといえます。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】 「行列のできるダントツ飲食店」の秘密 1000店を蘇らせたプロが教える/日本実業出版社/大久保一彦 / 大久保 一彦 / 日本実業出 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】
2023.05.30
①オリエンテーションを実施して仕事への意識を高める 社員やパート・アルバイトを問わず、新人スタッが入社するとき入社日、二日目はオリエンテーションを行う必要があります。 オリエンテーションとは、店の経営方針、経営理念やビジョンあるいは社内のルールなどを入社するスタッフに伝え、共有するための面談です。それによって、どんな仕事でも当店の理念の実現のために意味があり、「あなたはたいへん重要な役割を担当しているんですよ」という意識を浸透させます。逆にオリエンテーションをしないと作業にばかり焦点がいき、結果、良い人がやめていく人手不足の現場になります。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】 この「気づき」で売上げがガンガン上がった! / 大久保 一彦 / 三笠書房 [文庫]【宅配便出荷】
2023.05.29
新人スタッフの教育は入社日から 新人スタッフの教育は入社日から始まります。もし、いきなり現場に入れてしまって、「作業することがあなたの役割ですよ」「作業ができるかどうかで時給が決まりますよ」と認識させてしまうと、入社してから時間が経過して作業がひととおりできるようになると、そのスタッフの成長は止まります。場合によっては、仕事ができるようになったのに「給料が増えない」と不満すら口にするようになります。そうならないためには、次の基本ステップに則り新人スタッフの研修をはじめるべきです。新人スタッフの教育の基本ステップ①オリエンテーションを実施して経営理念を理解し、仕事の意味を理解させて、店のビジョンやミッションに対する意識を持たせる。②ツール(マニュアル)を実施する③日々、進捗状況をフィードバックする それでは、次回各項目を詳しくみていきましょう。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】 行列ができる店はどこが違うのか 飲食店の心理学 ちくま新書/大久保一彦【著】 【中古】afb
2023.05.29
サービスの段階 サービスの段階は店によって異なり、「不満がない」「一歩先を行く」「感動」の三段階があります。店の選択肢がない段階はお客様が黙っていてもやってくるので、特別なサービスをしなくても、お客様に無事、不満なく帰っていただければ、お客様はその店に来店するしかないでしょう。この場合、サービスをシンプルにして誰にでもできるようにして、マニュアル化します。その上で、マニュアルによる教育・訓練を行い、他店との差別化をはかります。「不満がないサービス」はシステム構築と教育・訓練に重きをおいています。 しかし、店が多くなり、お客様が好きなように店選びができるようになると状況がかわります。お客様に気にいられて、お客様の顔や名前を憶えていただけるようなことができなければ、リピーターを獲得することはできなくなるのです。お客様に気にいっていただくために、お客様に密着しお客様に密着してお客様の関心に関心を持ち、一歩先に接客をします。そうなると、従来のマニュアルを用いて実現してきた「不満がない」を目指してきたでは対応できなくなります。方法の転換が迫られるわけです。 多くの高級店では一歩先に接客をするために、お客様との接触シーンを想定した接客台本を作成して、仮想設定で宴劇のリハーサルのように練習します。ロールプレイングです。接客台本とは、店を劇に見立てて、最高のサービスマンとお客様のシチュエーションごとの舞台進行を書いた脚本です。その脚本をもとに、訓練やディスカッションを繰り返し、サービスの引出しを増やし、一歩先をゆく接客を目指すのです。そうなると、個人の力が向上します。多くのスタッフを巻きこみ、いいサービスと感じていただくことができます。ロールプレイングを定期的に繰り返し、日々、当たり前のサービスを積み重ね営業していると、お客様に突発的なできごとがあったときに素晴らしい対応をすることができます。もちろん、サービスをするスタッフが瞬時に自己判断をして思わぬ対応をするのですが、これがお客様の感動をよぶのです。 感動を生むにはチーム力が必要になります。チーム力とは個々人が与えられた役割を丁寧に確実に行うことです。つまり、感動は心、技、チームワークがバランス良くなった時のサービスの極みです。感動とは、ロールプレイングとチームワークと丁寧な日々の営業の積み重ねで実った果実です。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】 繁盛の天才2時間の教え/三笠書房/大久保一彦 / 大久保 一彦 / 三笠書房 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】
2023.05.23
来店前、来店時に予想していたよりサービスを超える 新規客の場合、失敗しないことが重視されて来店します。新規客が二度目の来店をするときは、来店前に予想していた商品やサービスを上回るか人間関係が構築できばお客様は再来店します。事前期待<実際のサービス =事後評価の関係です。 サービスは、何か突発的なことが起こったときに機転が利くとそうなりやすいです。例えば、カウンターサービスのコーヒー店でコーヒーを倒してみてください。火傷がないか確認して新しいコーヒーが出てきたらだいたいそのお客さんはその店に繰り返し来店します。 以前、『新宿さぼてん』で「胡麻のすり方ご存知ですか」と聞いて新規客を見分ける話をしましたが、常連のようなサービスをしていない新規客に経営資源を集中してキャベツのおかわりを行うことで、次号評価を上げることを狙っています。 でも、一番大切なのは、期待されないことです。期待していなければ、多少のことでお客様の印象は変わりますので。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】 繁盛の天才2時間の教え/三笠書房/大久保一彦 / 大久保 一彦 / 三笠書房 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】
2023.05.21
専門店の強み 商売というのは見せ方が重要だと気づいた読者の方も多いと思います。見せ方の妙に「専門店」という表現があります。 それしかないという潔さが、自身がこだわっていると思っている人、そして、もっとおいしいものがあるのではと思っている人の心に刺さります。 私は都内などで行列ができるハンバーグ店の店をお手伝いをしてきました。アイテムというか調理法を絞ることで、さらに深く掘り下げることができます。そうするといろいろ品揃えている人に見た目も、食べたときに伝わり方も変わるのです。おいしさというのは好みなので、全員がおいしいものなどなく、だからこそ、うちのおいしさはこれだと見せるのです。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】 行列ができる店はどこが違うのか 飲食店の心理学 ちくま新書/大久保一彦【著】 【中古】afb
2023.05.20
客単価1万円以上のレストランを開業する場合はおいしさの落としどころを決める 単価の低いレストランはそこまでの食材は使えないので、食感+タレでおいしさを設計します。一方、客単価1万円を超える店の場合はその店のターゲットにあわせたおいしさの設計が必要になります。来店したターゲットにどんなところをおいしく感じていただくのか、つまりおいしさの落としどころを決める。そして、時間をかけてその落としどころがわかるように教育してゆきます。 客単価が高くなればなるほど、店側(料理人)の(おいしさの)既知や経験とお客様の(おいしさの)既知や経験にずれが生じます。算数しかわからないのに、微分積分をやれというようなものです。したがって、常連になって来店を重ねて経験を積んでいくことで既知を増やしていくことが必要です。最初はわかりやく、間口は広く、時間をかけて段々、微差の違いに追い込んでいきます。 高級レストランは教育産業であり、餌ビジネスではないのです。また、教育というのは説明することとは違います。教育できないと、「なんでわかってくれないんだ」という悩みに直面することになります。まずは入口の間口を増やして多くの人を受け入れて、人間関係を築いて顧客を教育してゆきます。詳細は次の次の会報『四方よし通信』でレクチャーしたいと思います。開業コラム目次はこちらです。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本〔予約〕文豪ナツメは料理人が嫌い 2 /松本渚/久部緑郎/大久保一彦【1000円以上送料無料】監修ているアニメの新刊が発売になります!!
2023.05.19
高級飲食店は得てして偏差値が高い人が相手になるので教育産業となる おいしさにふたつのタイプがあると申しました。日常的なおいしさの食欲を満たすおいしさ、満腹中枢の刺激です。こちらはナトリウムや糖で電気信号を送り、あるいは咀嚼を通して電気信号を送り、同時に胃袋に食材を送り込みこみ、満腹中枢を刺激しておいしいと感じさせます。 お客様の支払い額が1,000円を超えるとそこに「生物的なおいしさ」の感じ方だけでなく、時間、空間、サービスなど違う欲求を満たす要素が加わります。 高級飲食店は、さらに材料にコストをかけてゆきます。しかし、コストをかけておいしいはずの食材だとしても、それがおいしいということが腑に落ちないといけません。そこで教育が重要となります。教育ですから信頼のおける講師からであるべきだし、教えるほうもただ暗記させるのではなく「なるほど」と理解して、何かに気づいて、興味を引き出さないといけません。しかし、日本の教育は暗記教育ですので、これが苦手な人が多いです。 暗記教育の典型は説明をルール化、マニュアル化することです。しかし、違うと言われても違いを認知しないといけません。 私が高級レストランの人気店を回った結果、同じお皿に同じ食材を二種類調理で提供している店がありました。(参考)佐世保の『新心花梨』違いというのは同時に食べ比べれば腑に落ちるのです。私の経営本で言う「二種同時対比」という手法です。説明しただけでは過去の既知や経験(がない人すらいますが)と比べることになります。そうなると腑に落ちません。収入の多い富裕層は学歴が高く偏差値が高いことが多いです。高級レストランは学習の欲求を満たすことでも成立するのです。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】いつも予約でいっぱいの「評価の高い飲食店」は何をしているのか / 大久保一彦開業コラム目次はこちらです。
2023.05.17
メニューブックのつくり方は一品完結型と多品種チョイス型で大きく異なる 一品完結型とは、一品を注文すると他の商品を注文しないタイプの営業スタイルで、定食屋やランチ、セット売り主体で食事需要に対応する洋食店やパスタ店などのメニュータイプです。多品種チョイス型とは、居酒屋などのアルコール主体の業種や焼肉店や回転寿司など皿数をある程度注文することを前提にメニューが組まれる店です。 一品完結型は一つの商品を注文すると他の商品を注文しないことから、何を売り儲けるのか、何を魅(見)せるのかを明確にする必要があり、プライスゾーンの下から売りたい商品、上のプライスゾーンの商品まで、全体のバランスをとる必要があります。 多品種チョイス型は、買い上げ点数の予測とメニューカテゴリーの選定がものをいいます。その上で、商品階層を設定して看板商品やリピーター向けなど明確な役割付けに応じたアイテム設計が大切です。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本非常識に稼いでいる飲食店だけがやっている儲けのルール [ 大久保一彦 ]
2023.05.16
メニューブックの作り方 メニューはお客様にお店の価値を伝える重要なメディアであり、戦略的なツールである。しかしながら、戦略的にメニューを作り、お客様にうまく伝えてない場合を多く見かける。今回は、メニューブックの作り方と題し、戦略的なメニューブックの作り方を伝授していきたい。今回は、メニューブックの作り方についてふれましょう。 よくお店をお手伝いしていて、「このメニュー売れませんでした」という声を聞きます。当然、せっかく苦心して考案したメニューにもかかわらず、「売れない」という理由から、最初は在庫切れを起こしたり、管理不行き届きのために評判を落としたりして、最終的に販売縮小となり、その商品の命は終わります。残念なのは、これらの商品は、ちょっとした工夫で売れるようになるにも関わらず、廃盤商品のリストに収まってしまうケースが多いことです。実際、多くの飲食店の場合、開発した商品が売れるか、売れないかをお客様の気まぐれななりゆきの選択に依存し、コントロールできていないのが現状です。 しかし、戦略的なメニューブックを作ると、自分の売りたい商品を思うようにお客様に選んでいただけるようになり、店の特徴として、お客様に印象付けをすることができるようになるのです。では、実際にどのメニューブックを作っていくのかを実例を見ながら説明していきましょう。 まず、以前、私が、コンサルティングしていたラーメン屋さんの例を見てください。この店は、店の活性化をはかるために、店舗の外装や内装をリニュアルし、今までと違った店にしようとなりました。そして、食材原価も高く、あまりお客様の評判が良くないとんこつラーメンをリニュアルすることが課題となったのです。そんな折、若手社員が「マヨネーズとんこつラーメン」なるものを考案してきました。最初、「マヨネーズを入れるんじゃ、しつこいんじゃないか・・」という印象がありましたが、実際食べてみると意外とおいしく、食べているとさっぱり感すらあるのです。「これは売れそうだ」そんな思いが私の心の中を駆け抜けました。 ここで、普通の店だったら、メニューブックの中に挟みこむ「おすすめメニュー」(差込メミュー)にのせたり、とんこつラーメンのバリエーションとして、グランド・メニュー(定番メニュー)に加えたりするところでしょう。しかし、このやり方が、せっかく開発したメニューを育てない原因であり、あまり評判が良くないメニューを売り続けることによる、印象度の改善をはかれない理由となるのです。 リニュアルは新規オープンも同じです。その時に大切なことは、「捨てる」ことです。メニューブックを作る上で、「捨てる」こと以上に大切なことはないのです。そして、何を捨てるかがポイントです。捨てるものは今まで、評判にならなかった原因、すなわち、売れていたものを捨てることなのです。「売れ筋を切る」は売れていない店が、売れていないという事実を断ち切る場合、メニューブックを考える上で、一番大切なことになるのです。 こう言いますと、必ず、次のような質問がされます。「もし、ふつうのとんこつラーメンを食べたい」とお客様がおっしゃったらどうするのか?」答えは簡単です。お作りすればいいのです。店がお客様の要望に応え、お客様というのはその労に感謝するとお客様との絆は固いものとなります。メニューブックで、「あえておすすめはしないけど、普通のとんこつラーメンを食べられること」を表示すれば、お客様のご要望にあえて応えることになり、普通のとんこつラーメンでもお客様に喜んでいただくことができるのです。 メニューブックを作る上での二番目のポイントが、売りたい商品、この商品なら絶対ファンになる個性ある売るべき商品などを主役としてメニューブック上で表現をすることです。映画のパンフレットなどでは、主役や準主役、悪役などの写真は載りますが、脇役の人は名前が書いてあるだけですよね、メニューブックは店の良さをお客様に伝えるものなので、商品上での主役、準主役、悪役などメリハリをつけて表現しておくべきなのです。 例えば、売りたい商品、売るべき商品にのみ写真をつけておけば、その商品が主役だというのがぱっとみてわかるわけです。この時、食べているシーンを想起できれば尚いいです。例えば、最近デジタルカメラが発達したせいもあり、プロのカメラマンに依頼せず、自分自身で写真をとって、メニューをお作りになられた場合をみかけます。男性が写真を撮影した場合に多いのですが、真上から全体をとった写真を多く見かけます。しかし、こう撮ると、商品のスペックの説明のように見えてしまって、臨場感が湧かず商品の売れ行きに影響がでている場合が多々あります。逆に、撮影するときに、斜め45度くらいの、自分が食べる視線と同じ角度にすれば、食事しているシーンと同じ環境の構図になり、「食べてみたい」と思っていただくことができるのです。ウリの商品なんですから、力いっぱい演出してください。 同時に商品名の書体もメリハリをつけるといいです。大衆的なイメージやカジュアルなイメージを演出したい場合は、字のフォントサイズを大きくしたり、太くしたり、下線をひいたりしてデフォルメをし、一目でわかるようにします。雰囲気で売りたい場合は、目では明確にわかるかわからない範囲でメリハリをつけます。フォントサイズでいうと+1くらいで十分です。 次にレイアウトです。一般的に写真や図版がある場合は、横書きならZになるように図版をレイアウトし、縦書きならNになるようにレイアウトします。横書きの場合、売りたいものはなるべく、右下のほうに配置します。左上は、印象付けができるものがいいでしょう。印象付けができる商品というのは、事前期待に比べて事後評価が上がりやすいもの、すなわち、「意外とおいしかった・・」と印象を残せるものがいいでしょう。最初にお話をしました、マヨネーズとんこつラーメンや、納豆ソースのハンバーグのように、一見、合わなそうで、スタンダードなものの組み合わせが、お客様の好印象を残すようです。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本誰も言わなかった!飲食店成功の秘密 [ 大久保一彦 ]
2023.05.16
ひとまず食の店をやるなら ひとまず食の店をやるなら、近隣に居住者がままあり家賃の低い場所で利用頻度(購買頻度)の高い商品を扱うのが良いです。ちなみに、利用頻度が高いという見地では物販のほうが有利です。 家賃が低いほうがよいは売価設定をより低く設定できるからです。基本、立ち上げるオーナーが店に入り、店舗パッケージを確立します。 最初目の前のお客様、訪宅してチラシを配り、近くのお客様を取り込みます。続いて、「!」という何か目的来店がするしかけを入れて、やや遠くからのお客様を集めていきます。そして自然に口コミさせてゆき、名店になってゆきます。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】 誰も教えてくれないカフェの始め方・儲け方 簡単にできる!利益率が高い! /大久保一彦(著者),工藤昌幸(著者) 【中古】afb
2023.05.11
メニューの見直しのポイント 定番メニューをブラッシュ・アップ 今回はメニューの見直しのポイントについてお話していきたいと思います。ここの二回にわたってヘルシーメニューの基礎知識と展開方法をお話しした。メニューと言うのは全体のコンセプトがあって、その中に客層や利用シーンなどをふまえて枝葉を設けなくてならない。今回はこれらをふまえて、メニュー全体のブラッシュの方法を伝授する。 コックさんがメニュー作りを考えると商品そのものをそれぞれ発想します。「こんな、メニューがあったらいいんじゃないか?」「こういうソースがあったらいいんじゃないか?」「ヘルシーな野菜を使ったメニューがあったらいいんじゃないか?」「ボリュームのあるメニューがあったらいいんじゃないか?」と商品そのものを、それぞれバラバラに考えつのです。商品自体をそれぞれ考えていると実に“必要だと思しき”商品がいっぱいあり、その必要と思しき商品をメニューブックにのせていると大変なメニューの数となるわけです。売上が悪い店がメニューが増えて収集がつかなくなってしますのは、個別に必要だと思うメニューを次々と増やしていくからにほかありません。 でも、実際、お客様が来店した時にお選びになり食べられる商品は定食屋のような店ならひとつですし、居酒屋でもごくごく限られた商品です。ですので、幅広い品揃えは、結構、無駄な面も多いのです。 メニューを考える上で大切なことは、このあと説明しますが、食事をされてお客様と自分自身との関係です。お客様との関係は概ねふたつに分けることができ、これがメニュー・ブラッシュ・アップの最初のポイントとなります。 そのふたつのタイプの一つ目は、お客様より常に下の立場になって、執事のようにお客様をアシストする方法です。これをアシスト型メニュー展開といいます。もうひとつが、お客様の上位に立って、お客様に観劇や競技を見たときのような、驚きや感動を与えるタイプです。こちらを、劇場型メニュー展開といいます。劇場型メニューは次回説明いたしますが、演劇の演出家と聴衆のような関係にあります。 さて、今回はアシスト型のメニューについてみてまいります。 アシスト型メニュー展開は概ね競争が激しくなく、お客様がある特定の場面で、その店を選ばなくてはいけない場面に最適です。つまり、競争が激しくない場面がいいわけです。例えば、競争が少なかった時代の地方の飲食店、JRなどの駅構内、そして、ゴルフ場などの競技施設、演劇施設など閉鎖された施設内でのランチです。 この場合のメニュー展開は、幅広い品揃えをし、お客様の不満を極力減らすようにします。採算面を考えなければ、お客様の不満が一番少なくなる方法は、ある程度、調理の最終行程を残した、ビュッフェです。ビュッフェ自体、自分の好きなタイミングに、好きな料理を好きなだけ食べられるので、価格設定さえ高すぎなければ、不満になりにくいのです。会計などの心配がなく、自分が自分の利用シーンにあわせて好きな商品を選べるという点で日常の商圏においては非常にすぐれています。ビュッフェと言ってもいろいろなスタイルがあり、効果を発揮するもの、発揮しないものがあります。どれを選んだいいのかわかりづらい商材のように、商品自体に決め手がなく、一品を選びづらい場合に、いろいろな種類を用意して、好きなものを好きなだけ選べるようにすると効果がでる出る場合があります。 私のお客様にスコーンと紅茶の専門店があります。スコーンを10種類、紅茶を常時30種類くらい品揃えし人気がある店があります。スコーンも、紅茶も地方都市で馴染みが無いものであります。つまり、お客様にとっては選びにくいカテゴリーの商品群なのです。ところが、ビュッフェ形式にしてあげつと、“お客様が良く知らないカテゴリーの商品を選ばなくてはいけない”という行程を省き、“スコーンと紅茶を楽しむ”という価値観に変えてくれます。このスコーンの例のようにビュッフェは効果的に取り入れると市場導入期に力を発揮します。 次に、不満が少ないのが、好きな小鉢や料理などを自分で選ぶ、大阪によくある“めし屋”形式です。地方都市や住宅地など商圏の力が小さい立地になるこのタイプの店が多くなります。 アシスト型のメニューのメニュー・ブラッシュ・アップをする場合、第一印象はメニューそのものに特徴を出しにくいので、ビュッフェやカフェテリヤ方式を取り入れ売り方に特徴を出すようにします。 そして、次に、商品自体に個性を入れます。個性を入れる場合、狙う客層をよく考えて、特徴を商品自体に落とし込んでいきます。商品に特徴を落とし込む場合、まず、売れ筋になる商品10品目をピック・アップしてブラッシュ・アップするのがいいでしょう。というのは多くの人がその商品を食され、“印象”をさりげなくインプットするからです。もし、ビュッフェの場合でしたら、消費が多い品目をチョイスしてください。 例えば、ヘルシー感を求める女性だったとしましょう。その場合は、トマトソースを使ったものに生のトマトを用いてフレッシュ感を出すとか、いろいろな野菜と煮込むとかいろいろな野菜をグリルしてのせるとかして、野菜がいっぱいであると印象を受けるるようにブラッシュ・アップするといいでしょう。ランチタイムの女性はオムライスが好きなようで、オムライスのソースと具材を野菜たっぷりに工夫するだけで印象が大きくかわります。一般的に女性向けにブラッシュ・アップを展開する場合は、肉料理ではなく軽めの印象を受けるメニューがいいです。逆に、男性を意識してヘルシーな印象を与えようとするならば、ハンバーグなど男性が好むメニューに玉葱のソティを多く入れ、少しやさしい印象を与える上に、ソースにも野菜を使ったものにするなどが考えられます。玉葱をふんだんに使ったトマトソースで煮込んだカレーなら、男性も女性もファンにすることができるでしょう。玉葱は原価も周年安定し、特徴をつけるには最適な食材と言えます。原価の低い食材を有効に使い、特徴を出すかがポイントです。そして、今、消費者が食品に興味を持ち始めています。私の友人の阿部司氏がダイヤモンドから出版した「食品の裏側」が60万部以上売れました。自らのメニューを見直すとき、できあいや、化学調味料などに依存せず、自然な味からインパクトを出せるようにがんばってください。 最後に、まとめです。アシスト型のメニューのブラッシュ・アップ場合、見た目売り方、特徴、主力と覚えておいてください。この二段構えでメニュー・ブラッシュ・アップの効果はじりじりと出てきます。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】 非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式 /大久保一彦(著者) 【中古】afb
2023.05.08
水打ち 笑う人がいるかもしれませんが、中国地方にある、とある居酒屋では水打ちを励行して、売上が20%上がったこともあります。 そればかりか、私が以前所属していた「新宿さぼてん」でもこんなことがありました。ショッピングセンターに出店していた、不振店を任されることがよくありました。売上が悪く暇ですから、従業員全員でショーケース前を雑巾がけしました。もちろん、私も率先してモップを使わず、汗だくになって雑巾がけを励行したのです。 すると、不思議なことに、売上が奇跡的にあがったことがありました。それも一度や二度ではありません。おかげで、担当の三十数店舗、全店、前年比クリア、目標売上、目標利益クリアという離れ業を達成できたのです。掃除で売上があがるとはいいませんが、不思議な力があるようです。 では、ここで水打ちのポイントをお話ししておいましょう。 用意するものは、箒、ちりとり、ゴミ袋、軍手、バケツです。 まず、自分の店の周囲一〇メーターのごみを軍手で拾います。歩道や植え込みなど、ひとつもごみがないようにします。そのときに、ごみのないすがすがしい気持ちになると思います。 次に、雑草を抜きます。続いて箒で掃きます。 最後が、水打ちです。「気持ちよく来店して欲しい」そんな気持ちで水を丁寧に打っていきます。とくに、人の通る場所は入念に行います。 このようなことをしていると、人が声をかけてきます。そのときは、気持ちよく言葉を返しましょう。すれ違う人にも、「こんにちは」「こんばんは」と声をかけましょう。挨拶したりお声かけをする後ほどいらっしゃる方もままいます。水打ちはお客様の思い出すきっかけになるです。 もし、余裕があったら、町内中まで掃除の箇所を広げましょう。 この店前の掃除をくりかえしていると、風が強い、木枯らしが吹き荒れる日にあなたは気づくはずです。店前の手入れをしていない店がなんと寒々しく見えるか。その店が死んでいるように見えるか。 繁盛店のオーナーは、この差に、当たり前のように気づいているのです。大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の繁盛ノート 売れるお店の採用教育・シフト編成・会話術 /大久保一彦(著者),加藤雅彦(著者) 【中古】afb
2023.05.08
新規客か見分ける お客様の再来店率は、初回来店から二回目の来店が20~30%、二回目から三回目が50~60%、以降70~90%のようです。お客様は知っているスタッフがいる店を選ぼうとする傾向があり、初回来店は減点法でみるのでシビアな評価になりがちだということが大きいでしょう。 もし、初回来店のお客様の再来店率を70%以上にできたらどうなるでしょう。店の客数は自然増になり、いつしか繁盛店になります。商品で「!」をつくるという方法があります。『東京苑』のように看板商品だけでなく、品揃えの商品まで、いやそのほうがすばらしいという方法もあります。 商品力がなくて、新規客かどうかを見分けて、この店は違うと思っていただくことも効果的です。「ごまのすり方ご存知ですか」この奇妙な質問を私は有効に活用しました。知らないという方は新規客なので、昼の忙しい時間にそのお客様をよく注意して、ご飯やキャベツのおかわりのケアをしました。なぜ、新規客にそうるかと言うとリピーターの人は慣れていて遠慮ありませんが、新規客はおかわりを言いにくいのです。しかし、ホールスタッフは有限です。何度も来ている常連さんのようだと思っていただくには、新規客かどうかを見分けて経営資源を新規客のお客さんに集中して、喜んでいただくのです。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】 繁盛力 女性リピーターが収益を運び込む! / 大久保一彦 / WAVE出版 [単行本(ソフトカバー)]【メール便送料無料】【あす楽対応】
2023.05.07
おいしさの設計 飲食店はターゲットとなる見込客のニーズに応じておいしさを設計する必要があります。まず、限られた時間のランチ需要では満腹中枢への急速な刺激が求められるます。おいしさで表現するならば、「まずくない」でしょう。 一方、同じ店であったとしても、夜にゆっくり食事をしたい人が見込客となるとかわってきます。ご馳走感ある商品設計にして、食事の時間を楽しんでいるようなおいしさにする必要があります。お客様の店への移動時間、単価設定などで時間を過ごし、食事を楽しむ要素が増えてきます。 求めるおいしさは、TPOで変わります。また、それぞれの既知や経験でも変わります。見込客の求めるおいしさを少し超えると良いです。一方、おいしすぎると苦労するかもしれません。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本非常識に稼いでいる飲食店だけがやっている儲けのルール [ 大久保一彦 ]
2023.05.06
食事需要の店のメニュー選定 食事需要のメニュー選定は幅と深さです。競争が少なく、利用頻度が高くできる店は商品の幅を広げます。競争が激しければ、訴求力が高い専門店のほうがお客様の店舗選択時に有利に働きます。 幅を狭めて深掘りすれば、家庭でできる味との差別化ができるので店を選択する決め手となる魅力を与えます。選択する料理は日常の食卓への出現頻度が高いものが良いです。寿司、とんかつ、ハンバーグ、うどん、カレー、ラーメンなどです。 幅が広いと利用動機は広くなりますが、調理オペレーション(仕入、仕込み、注文が入ってからの調理)が複雑となり管理も大変になります。また、幅を狭めて深掘りした専門店に比べると家庭でできる味になりやすいということで、店を選択する決め手にかけます。 個人飲食店をはじめるなら20席くらいで専門店がおすすめです。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】 行列ができる店はどこが違うのか 飲食店の心理学 ちくま新書/大久保一彦【著】 【中古】afb
2023.05.06
汚くて高い店=うまい店 おいしさを追求するときに空間(雰囲気)が良すぎると出すお料理もその空間にあう料理にしないといけません。一般的にお皿の上の装飾が多くなり、多くのスタッフをかかえて厨房もチームプレイになります。一方、いかにも居抜きで決しておしゃれでない空間というのは「うまい!」を演出するのに良いです。こういう場合は「(ぱっと見)汚くて高い店」にわざとつくると良いでしょう。※汚いと言ってもクレンリネスはばっちりやってくださいね。お料理が特別においしいけどお金のない料理人の店を開業するのに良いパターンです。 ボストンに『Daily-catch(ディリーキャッチ)』という店を現地のドライバーが紹介してくれました。新鮮な魚介のパスタの店です。シチリア料理の店でHPを見ると1973年~と書いてあります。これぞ、汚いくて高い店!!でも、フライパンで提供で量も見た目も迫力満点です。その上、うまいのです。まずはカラマリフライ、を白とともに!!だーんこれが本場のプッタネスカだそうです。オリーブのペーストとアンチョビががつんときます。濃厚なクリームのクワトロフロマッジョもうまいっす。マリナーラの塩味はすこし塩分が薄めなりね。サービスはぶっきだが、下町食堂のおばちゃんともいえる。フライパンで提供で迫力満点なのはわかりやしのではないかにゃ。The Daily Catch North End323 Hanover StreetBoston, MA 02113電話 (617) 523-8567開業コラム目次はこちらです。
2023.05.05
接客台本 接客台本には立ち居振る舞い、セリフ、仕草、表情、声の大きさやトーンを詳細に書いてあります。惣菜店やラーメン店のクライアントが多い私は、実はこれまでロールプレイングをするときに接客台本を作ったことがありませんでした。とある客単価1万円以上ののお店の現場を預かることがあり、ロールプレイングをする機会が訪れました。そして、これまでのルール化したマニュアルを使ったロールプレイングの限界に気づきました。「これは台本がないとうまくいかないな」 そこで、アンドワークスの加藤さんに電話をして、「グローバルダイニングのロールプレイングには接客台本はありますか」と聞きました。加藤さんはあっさり、「もちろん、(接客の練習は)台本ありきです」というお答えが返ってきました。「やっぱり、演劇の世界の練習と同じなんだ」と私は思いました。それから接客台本について注目しまして、加藤さんと接客台本の本を作ろうという事で動いています。しかし、なかなか出版社の方がマニュアルと勘違いされて理解されません。これは課題として、ぜひ実現させたいと考えています。加藤さんと打合せしていて接客台本にどんなことを書くべきかを打ち合わせしています。重要なことは、表情・仕草・声のトーンだそうです。 例えば、マニュアルに「いらっしゃいませ」と書かれていたとして、それがすごく元気のいい「いらっしゃいませ」なのか、丁寧で落ち着いたトーンの「いらっしゃいませ」なのか、スタンスによって全く異なってしまいます。 間の悪いサービスは、間の悪い声のトーンで接客しますし、間の悪い表情でサービスをします。なぜ、そういうことができないかというと、そういう練習をしていないからです。このような場面は、いい時間帯でいい雰囲気のお店が、居酒屋のような「いらっしゃいませ~!」なんていうのはおかしいです。アイコンタクトで近づいて、落ち着いた声のトーンで「いらっしゃいませ」と言われたほうがスマートです。店はかっこよさやスマートを求めていたら「喜んで~」という声のトーンはなくなります。 そういう場面ではこういうことをするというのを台本があって、理解して、演技して、練習を繰り返し、量稽古をして、自然に出るようにしなければなりません。みなさんの店は自然にそれができるでしょうか?皆さんのお店の人が高校生だからといってたどたどしい接客をしていないでしょうか?それは練習不足です。お客様が入っていない時間に練習をしていないからです。それでは、できません。その子達も真面目なのかもしれませんが練習はしませんよね。必要だから勉強するという域の世界になってしまいます。勉強できる人は、必要以上に勉強をしているので、勉強をしなくて済むという人が多いのです。勉強に対してプロフェッショナルということなんです。 サービスも同じです。練習なんていくらでもできます。よく暇だからと、レーバーカットで早く帰している店を見ますが、必要以上に人を揃えないというのは経費削減にはよい方法かもしれませんが、その時間を有効に使いお客様を増やす攻めのお金として使う方法があります。 お金をいただくのですから、なぜサービス力で「(この店は)違うな」と思わせようとしないのかなと、わたしは思ってしまいます。一人で店が回るなら3人で個室があるお店で練習したら接客が大きく変わると思います。大きく変わると、お客様は「店を間違っちゃったんじゃないか?」と思うぐらい驚きます。だいたい売上の伸びない店は普通だったり、最悪なサービスだったりします。 接客台本はお客様と接触するところに必要なわけですから、予約から始まり、入口でのグリーティング、お出迎え、注文、中間サービス、お会計、お見送り、お客様と接触する際の台本としてしっかり設計をして、台本精度を上げて、量稽古をして、すばらしい店に変えていただきたいのです。そのためには、一日中営業するのもいいですが、練習してはどうでしょうか?素振りもしないでホームランは打てません。やはり練習です。それが実は一番の早道です。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の繁盛ノート 売れるお店の採用教育・シフト編成・会話術 /大久保一彦(著者),加藤雅彦(著者) 【中古】afb
2023.05.05
自然な接触 お客様の店選びの選択肢に入るために大切なのが接触です。ただし、「売れていないオーラ」があるとお客様は来店してくれません。売上が悪くなって接触してもお客様はやってこないです。 そこで大切なのが「自然な接触」です。「自然な接触」というのはお客様自身に忘年会や行事などの潜在的なニーズがあるタイミングに接触をすることです。 例えば、12月の声をききますと、多くの人は何らかの形で忘年会や宴会をやろうかなと思っています。もしかしたら、忘年会をやらねばならないとすら思っているかもしれません。そういう時期に店からハガキが来ても、お客様は自然に感じます。この場合、ハガキに魅力的なオファー(魅力的な宴会プランやクリスマスメニューなど)があると、「あぁクリスマスここでいいかな」と自然に思えるわけです。 逆に言うと、店が一般的に暇な時期に無理やり「半額フェア」のハガキがきたらどうしょう?お金を使うことが自然な時期でない場合、お客様は接触に対して、なんらかの不自然さを感じ、警戒します。つまり、お客様に潜在的なニーズがない時期に接触をすると違和感を覚えます。売ろうとする作為を強く感じます。これが不自然な接触です。 思い出しハガキを出すときは、さらっと受け流せるようなものにしておかなくてはなりません。例えば、「何周年」というような必然性を感じる要素が必要です。そのため、自然な接触をするためになるべく秋だったら秋らしい限定のメニューを考えたり、その時期の2週間しか出さないきのこのメニューを考えたり、なんらかの形で自然さを演出しなくてはなりません。自然な接触の大切さは接客でも同じです。お皿を一度下げたり、灰皿を交換したり、接触を自然にしてから「お代わりをいかがですか?」すれば、追加オーダーを思わずしてしまいます。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本非常識に稼いでいる飲食店だけがやっている儲けのルール [ 大久保一彦 ]
2023.05.05
会員制のレストラン 最近、高級店で会員制のレストランが増えています。有名店で修行するなりしてすでに手持ちの見込客がたくさんいるなど条件は必要ですが、これは食べ歩きがレジャーとして確立されたからかもしれません。食べ歩く人はガイドブックや格付けなどを見て「店に行ってみたい」わけで、そのリストにスタンプを押して行ければよいのです。 人気が出た店は新しいお客様が入る余地はありませんから店を始めてくれたころから贔屓にしてくれたお客様に手厚くしたいというはあるでしょう。一方、新規で開店する店であってもそうするのは、人間関係のない店に対しては減点法で評価し、その人の投稿が辛辣であったり、既知や経験不足であり、心を痛める場合があるからだと思います。ミシュランのガイドブックでは、会員制、紹介制のレストランは掲載しないことになっていますが、ある程度、見込客の見当が付く場合、10席以内の小さな店で、家賃も安いのであれば、選択肢のひとつになると思います。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】 この「気づき」で売上げがガンガン上がった! / 大久保 一彦 / 三笠書房 [文庫]【宅配便出荷】
2023.05.04
事務的な接触 たまにしか来ない薄く繋がっているお客様に「最近来ていませんね」といった熱い手書きのハガキを出しますとお客様はズシーン!と重く受け止めます。 逆に、宛名ソフトを使って印刷したラベル貼って送ると、送り手の強い作為を感じません。理由は、流れ作業でやったように見えるからです。これを「事務的な接触」呼んでいます。そうすれば、もういい人は来ないですし、ただ単に忘れて、選択肢に上らないだけの顧客は首の皮一枚でつながっていたことを感じ、積極的に店と接触してきます。 事務的な接触は接触を通して、思い出してもらうために行います。そのときに、楽しかった思い出をしっかり思い出すといいですね。名古屋の焼肉店『じろうや介』の「牛タンの昆布〆」のような名物料理の写真の葉書が届くと、行きたいと思うでしょう。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】 文豪ナツメは料理人が嫌い(1) ヒューC/松本渚(著者),久部緑郎(原作),大久保一彦 【中古】afb
2023.05.03
端折るか、深掘りするか 飲食店のメニューを決めるとき、品揃えをよくしていろいろなアイテムを品揃えするか、品揃えを絞ってで深掘りするか、私は悩みます。前者はお客様のニーズにあわせた発想で、多くの店がそうなると思います。 一方、後者は手間はかかりますが、その店、その会社の文化として定着したら、お客様を魅了する強みとなります。ただし、深掘りには既知と技術の蓄積が必要なので、人の定着が必要であり、半年か1年ほどの立ち上がりの我慢が必要なので成功体験がものを言います。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】行列ができる店はどこが違うのか / 大久保一彦
2023.05.02
食事需要の店のメニュー 食事需要の店はお客様の利用頻度と来店範囲によって品揃えや価格設定を変えます。移動時間5分以内の多頻度利用(昼週2回以上、夜月1度以上)の場合は、お客様の食費のご予算を斟酌して売価設定をします。勤労者のお小遣いは月3万円~4万円くらいでしょうから、ランチなら1,000円以内抑えるべきでしょう。利用頻度が高い場合は、看板商品と利用頻度程度のサイクルメニューがあると良いです。夜及び週末は、より移動時間をかけて来店するので、店のコンセプトとその目的意識に応じて、2,000円以内、4,000円以内、7,000円以内、10,000円以内など考えられます。価格が高いほどご馳走感がある主力アイテムが必要になります。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式 [ 大久保一彦 ]
2023.05.02
スペシャリテは模倣厳禁 流行っている料理を真似する料理人がいます。その料理人はパクリ王にはなれますが、名人にはなれません。 もちろん、完全オリジナルなどはないと思いますが、すでに流行っている店が提供している料理はお客様にある程度受けるでしょうが、ナンバーワンにはなれません。 ただ、スペシャリテを考案するには、それだけの経験が必要です。いろいろな店を食べ歩いてみましょう。 そして、あなたが出会った想いとリンクするアイデアを見つければ良いのです。そう、突然、ひらめきます。真似ではなく、ひらめきが大切です。開業コラム目次はこちらです。大久保一彦の本【中古】 行列ができる店はどこが違うのか 飲食店の心理学 ちくま新書/大久保一彦【著】 【中古】afb
2023.05.02
お客様の既知とおいしさの印象(おいしさ感) お客様は既知をベースに、自身の既知や経験でもわかる“未知”との遭遇の驚きを求めています。お客様にどれくらいの既知があるかを良く把握して、どんなことが加点するのを把握しておく必要があります。私は会員様に「ごちそう感がある食材とおいしさの印象の加点」という表を配布しています。そこには、どのような食材や提供方法がおいしく感じるかをわかりやすくまとめて書いてあります。点数については私の経験則で仮に入れてありますが、概ね方向性は間違っていないと思います。 お客様との接触には強い加点要素があります。超有名料理人が目の前で仕上げると+40、予約のとれない店の料理人でさらに+40、一般の料理人が目の前で仕上げると+10、サービスマンが目の前で仕上げると+5となります。そのため、有名料理人のカウンターの店はおいしさの印象が強く上がりやすいのです。したがって、カウンターの人気店に人気がかたよります。 「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」大久保一彦の本善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2023.05.01
お客様は既知と経験から評価する よく、「うちの店で使っている素材は他の店と違うけど、大した材料を使っていないのにあの店のほうが、評価が高い」と嘆く方がいます。例えば、蕎麦屋で丸岡在来種のすばらしい蕎麦粉を使っているとしましょう。実際のところ多くの客人はそばをつゆ(タレ)にドボヅケして食べますので、そういう食べ方をすると蕎麦粉の良さはそんなにわからないかもしれません。つまり、現状の既知から習慣化された食べ方を変更しないとその店主が目指す価値観――良い蕎麦粉を使っている意味はなくなります。大手チェーンの回転寿司では醤油(タレ)のバリエーションは多いですが、これはネタの良さよりも、ドボヅケする醤油のほうが重要なのです。したがって、上記『はま寿司』の画像のように「だし醤油」「日髙昆布醤油」「濃口醤油」「さしみ醤油」「ゆずポン酢」のようにおいしそうなネーミングの醤油を用意して、それぞれの嗜好性合うように味のバリエーションを用意したほうが、おいしく感じるのです。 一方で、その蕎麦屋の職人がマスコミに良く出て、蕎麦粉のすごさを大げさに伝えて印象を操作しておけば、(別に使わなくても効果があると思いますが)すばらしい蕎麦粉だからおいしいと評価されます。「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」
2023.05.01
思いだしツール 顧客に向けた「季節の顔のメニュー」と、常連さんのための「裏メニュー」をつくります。DMなどにのせる「思いだしツール」です。まずは、「季節の顔のメニュー」というのは瞬間を感じるメニューです。春の山菜、夏の鱧天そば、秋のきのこそば、冬の鴨そばなどです。顧客になっていただいたお客様にこれらの料理を案内するはがきDMなどを送り、瞬間を感じていただき、店に来店いただくのが狙いです。その場合、値引きクーポンなどは不要です。お店との関係を築いていれば、思い出せば十分だからです。 それよりは記念品のほうが良いです。「裏メニュー」というのは、『浅草じゅうろく』の己野忠促さんのやり方にヒントを得まして、最近、この思いだしツールのところにに加えました。『浅草じゅうろく』では、春には「花山椒そば」、秋には「松茸そば」を常連さんに出しています。これが大変おいしくて、お得だと、本誌のよく登場する常連のTOMITさんが絶賛しておりました。ただし、「松茸そば」は良いですが、「花山椒そば」は無造作に新規客を含めた全員に提供すると好き嫌いある食材でありますので注意が必要です。常連さんの好みを把握して出すべきでしょう。 「季節の顔のメニュー」と、常連さんのための「裏メニュー」は繰り返し効果があります。繰り返すとその時期に思い出し集客ができ、お客様を連れてくれば、手持ちの顧客も年年増えるはずです。「花山椒そば」花山椒は仕入れ値が高騰していますが、好き嫌いがあるので、気の利いた山菜のほうが無難です。「松茸そば」「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」
2023.05.01
蕎麦屋は古民家が良い 蕎麦屋の開店のお手伝いをして「蕎麦好きだから」という理由で求人の応募する人がいます。しかし、蕎麦好きと言っても、本当においしい蕎麦を食べたことがある人は少ないなと思いました。もちろん、好みがありますけどね。でも、極端な話をすると田舎蕎麦で太麺にすればうまいと言う人いるのではないでしょうか。蕎麦粉の仕入価格は安いチェーン店の1kgあたり100円台から、丸岡在来種の最高クラスの1kgあたり2,000円するものまでいろいろあります。でも、ある程度すると蕎麦を打つ技術のあるので、仕入れ値がそのままおいしいと思ってくれるわけではありません。 しかし、ひとつだけおいしく感じ去られる方法があります。それは古民家を探すことです。 以前、蕎麦店を5件ほどつくり、良かったらチェーン展開するというご依頼がありました。最初の二件は物件の有効活用をしました。いろいろ難があり、うまくいかなかったです。 異業種で店舗展開して成功しているオーナーは私に聞きました。大久保くんはどんなところに出したいか。私はこう言いました「札幌で評価が高い蕎麦店をリサーチしたことがありますが、古民家の店が食べログで評価が高くて繁盛してました。なので、古民家を探してください」一ヶ月もしないうちに、酒蔵の別邸だった古民家を探してきていただきました。 オープンして店は見事に成功しました。その後、寺の居抜きが出てきたんですけどどうだろうと、聞かれました。事例はないですが、多分、売れますよと答えました。そして、実際オープンして、古民家の物件より繁盛したのです。 味はわからないけど、雰囲気はわかるんですね。そしておいしいと感じていただける。繁盛蕎麦屋は古民家にあり!参考 『ちきた』「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」
2023.05.01
そば屋の外観と看板 そば店を作る場合、入りやすい店を作るのか、入りにくい店を作るをするのかで、店作りは大きく変わります。入りやすい店とは、下記の開放度、透視度、深度の三要素が良いことです。来店しやすさを決める三要素① 開放度開放度とは、間口の広さ、ロードサイドであれば敷地の道路面での間口が広いか、看板などで店が何屋かわかることです。② 透視度透視度とは、店舗の中が見える度合いで、行列も人気があることがひと目でわかりますから透視度の要素を良くしていると思います。③ 深度深度とは、店舗が道路面にどれだけ前側にあるか、セットバックしていないかを表し、奥まった店舗は入りにくいです。 上記のそれぞれの要素を良くすれば入りやすい店、それぞれの要素を悪くすれば入りにくい店になります。 ただし、入りにくい店というのが決して悪いことばかりでなく、古民家でそば屋を作った場合、低価格しか利用していない見込み客の来店の意思を篩いにかけますので、「うまそうなそば屋ができた」とお金をあまり気にせず好奇心あるお客様から入れることができます。「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」大久保一彦の本【中古】 行列ができる店はどこが違うのか 飲食店の心理学 ちくま新書/大久保一彦【著】 【中古】afb
2023.04.30
コース料理で最初に出す料理のポイント お宿や高級レストランに非日常の店にレジャーで訪れるお客様は多いでしょう。よくいらっしゃいます常連のお客様にはそこまで重要ではありませんが、久々にご来店のお客様、新規客の印象にとって大切なのが、最初に提供する料理です。それは店を減点法を見るからです。 では、早速、最初に出す料理のポイントについてお話しましょう。 まず、好き嫌いが出にくい料理を選ぶこと。最初に好き嫌いが出やすい王道の料理を提供すると評価につながりません。一品目はわかりやすく、無難でかつ特徴付けやすいものが良いでしょう。また、頑張りすぎて既知や経験がない料理を出しても評価につながりません。 品数が多い店は温度感が伝わる料理を提供する。夏は冷たく、冬は暖かい料理を最初に提供すると料理のできたて感が伝わります。 王道の料理だけど食べた後に意外性がある。見た目は普通なのですが、食べた後に意外性があるのも一品目に提供する料理としては良いです。 自愛を捨てよ。料理人の承認欲求でなく、顧客目線で料理をつくりましょう。 なお、常連客には好みに応じて個性的なアレンジを加えても良いです。「あなたの好みはわかっていますよ」という帰属の欲求を満たすメッセージです。かつて話題だった『東京和食五十嵐』では最初に「一番だし」を提供しました。食前酒代わりでもありませんが、出汁のインパクトって多くの人にうけるんだなと思いました。「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」
2023.04.30
コース料理のつかみの料理 一見客にとって記憶に残るインパクトある見た目の料理は記憶に残り再来店につながります。「寿司屋で鮑を最初に出せ」でお話しましたように、特に最初に提供される料理は大切です。フランスのライヨールにある三ツ星レストラン『ミッシェル・ブラス』に行った時に、サロンでメインダイニングに入る前に提供された料理はとても印象に残っています。非日常の空間での最初の料理はとても大切です。そして、こちらのメインダイニングで提供された「ガルグイユ」という料理は10年経っても記憶に残っています。その後、『ミッシェル・ブラス』を出たシェフたちの店で提供されましたが、既視感というか感動はなかったです。 「ガルグイユ」を福岡の森さんのカジュアルライン店でアレンジしてターンテーブルで出しましたが、あれはうけました。旭屋書店の「近代食堂」の表紙になったくらいです。「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」
2023.04.30
接触して密着 接触して密着したサービスをすることによってお客様とつながった関係を作って、顧客としてのお付き合いを試みる。これも、最近人気店にあるパターンです。人間関係を築いたら、気が利く、地元にあるお店というポジショニングで存続を続けるというお店です。 飲食店の多くは美味しさを追求する店が多いでしょう。どの業種に求める醍醐味というのを追求し、どう楽しむかを追求します。当然、商品の味付けにはインパクトをつけます。そうすると、飽きやすいとおっしゃる方もいます。確かに味自体は飽きやすいのですけれども、そこにいるある程度定着したメンバーとの接触を意図的に作り、かなり密着した関係を作ります。いずれにしろ食べ物は味が濃くても薄くても飽きるので、人間という繋がりの部分で飽きさせないようにしています。 もうひとつ、自分の生活環境に比べてインパクトがある環境にいると飽きやすいです。お店の内装を良すぎないようにすることも大切です。例えば、チープな雰囲気(日常的な雰囲気)を漂わせています。雰囲気を削った気軽な空間を作ることによって若者や豪華なマンションに住んでいない人にとってみると安心感をしっかり醸し出していると思います。 我々飲食業界の人間は、まだつい最近の外食市場成長期の幻影が残っていますから、QSCという過去の概念をつねに追求する習慣があり、店は綺麗でないといけないという既成概念を持ってしまっています。確かに、昔は飲食店がハレの利用でしたから綺麗である必要性は高かったです。しかし、普通の人の生活水準というところを落としていくと、日常の中の日常で使う場合は汚くてもその人の生活環境にフィットしているほうが違和感ないともみることができます。地べたを這うような雰囲気があったほうがいいと思う人が世の中には多いのです。まして今のような就職ができない時代、一人暮らしの人が増えている時代というは、なつかしき良き時代とは価値観が変わってきます。 したがって、たまにみなさんも綺麗好きじゃないバイトの家に行ってみてください。多分汚いと思うのです。彼らにとっては、掃除を毎日するのは大変だし、時間もないでしょうから、あまり掃除をやらないと思います。やれば人間関係も職場関係も変わってくると思いますが、そういうところで生きている人はいっぱいいます。だから、一概に自分の価値観が他の人にもいいかというと、そうではないということは頭にいれておかなくてはなりません。これも価値の多様性です。だから、多様な価値観という部分が受け入れられるかどうか、ここが重要で、そのような見地でマーケットを見ていくとまだまだ我々飲食業が切り込んでなかったマーケットは沢山あるように感じます。大久保一彦の本【中古】 なぜか行列のできる飲食店の法則 味・値段・立地は関係ない! /大久保一彦(著者) 【中古】afb
2023.04.29
居抜きかスケルトンか 物件を探すときに居抜きを探すのか、スケルトンを探すのかは悩みます。スケルトンとは、最低限の設備の引き込みはあるものの、引き渡し状態が内装がされていない状態で引き渡されることです。 引き渡しのそのまま使える物件があれば、営業も早く始められカラ家賃が発生しませんし、工事費もかかりませんので、投資が少なくてすみます。スケルトンで引き渡しだと工事が高騰していますので、小さな物件でも2千万円以上かかってしまうことも多いです。 しかし、そのまま使えると思って、結局、解体してスケルトンに戻して工事を始めないといけないこともあります。そうなると解体費が余分にかかり工事費は高くなってしまいます。私は長年の経験で物件を見るとどれくらいかかるかの見当がつきますので、開業をお手伝いするときは物件を一緒に見ることからお手伝いしますが、それでも十分ではありません。 まず、どれくらい投資するのかを頭に入れて物件を探しましょう。「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」大久保一彦の本【中古】 成功する小さな飲食店の始め方 / 大久保 一彦, 小山 雅明 / 西東社 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】
2023.04.29
お客様の評価改善 おいしさというのはそれぞれの既知や経験の積み重ねからできた無意識(暗黙知)の好みに照らして評価します。したがって、既知や経験の積み重ねはそれぞれ異なりますので、全員がおいしいとなることはないです。だから、まず、不満や評価が下がってしまう事象を排除すること(減点材料をなくすこと)が大切です。 不満や評価が下がってしまう事象を排除できたら、「加点する」という見地から要素を増やします。私はこの加点のイメージをうまく伝えようと考えてきました。その時に、冬のスポーツとして人気のフィギュアスケートを見ていて、フィギュアスケートの演技の設計の考えを引用すると、とてもわかりやすいということに気づきました。フィギュアスケートは技が難易度によって点数化されていて、その総得点で順位が決まります。それに応じて、どこでどの技を入れるか決めて、ノーミスでパーフェクトに演技が終われば何点というのが最初から決まっています。これがコース料理の設計に似ています。実はコース料理も、加点要素をどれくらい組み込んだかによって、最初からどれくらい評価されるか決まるということに気づきました。 コース料理(おまかせ)全盛の時代ですがコース料理は最大の不満材料であるお客様の総支払い額が決められること、コース全体で加点要素を組み込めることがあると思います。「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」大久保一彦の本【中古】 いつも予約でいっぱいの「評価の高い飲食店」は何をしているのか/大久保一彦(著者) 【中古】afb
2023.04.29
カフェをやるなら内装はしっかりとした質感で 開業してうまくいかなくて潰れることが多いのがカフェです。基本、滞留時間が長くて、単価はいくらでも低くできますので。 滞留が長い店であることを活用するなら、逆に行列ができる店にしてウォークインの店で名物料理を持ち帰ることができる店が良いですね。ひたちなか市にある『ラ・ターブル・ドゥ・イズミ』はスコーンと紅茶の専門店で「スコーンと紅茶をお好きなだけ召し上がれ」というコンセプトにして、改装前単価の低かったお客様から脱却しました。そして、主力商品をテイクアウトできると良いです。物販ができれば無限の拡張性があります。 また、内装をしっかりすることが大切です。私は開業時内装屋さんを紹介しますが、紹介した小暮さんから床板が厚すぎると思いますがいいんですか、と電話がかかってきたことがあります。私は、お金を払えるならいいじゃないですかと即答しました。板の厚みに代表する質感の追求って、意外と経年すると差になるんですね。それに人材難の時代ですカフェで格好良ければテイストにあうアルバイトさんがやってきます。参考『ラ・ターブル・ドゥ・イズミ』「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の儲けを生み出す「集客」の秘密 /大久保一彦(著者) 【中古】afb
2023.04.28
おししさとは(ふたつのおいしさ) 「おいしい」というのは個々人の個別的な感覚で、人それぞれ、利用シーンで異なります。それぞれの人の育った環境、それぞれの生活環境、食事に使える時間とお金、食にかかわる既知や経験で大きく変わるのです。料理人は毎日に「食」にふれているためにお客様との既知や経験のずれが大きく、「なんでわかってくれないんだ」となりますので「おいしさ」を理解しておくことは大切です。 まず、日々の食生活においての「おいしさ」。食事にかける時間(移動時間や食事時間)がなければ、満腹中枢への刺激による「おいしさ」が重視されます。満腹中枢への刺激は、Naの電気的刺激(食塩+アミノ酸)、糖(血糖値上昇)、胃袋の急速な充足、食感(三叉神経から刺激)が基調になります。したがって、B級グルメは食感のある食材をアミノ酸で舌感塩度を下げて大量にNaを組み込んだあまじょっぱいタレで食べさせるパターンが多くなります。 もうひとつのおいしさは既知や経験によるおいしさです。店との接触や自身の興味から食品に興味を持ち、既知や微差を体感する経験を積み重ねると違う「おいしい」という感覚がめざめます。高次の承認欲求でありあます「学習の欲求」を満たす「おいしさ」です。 一般論として、前者の満腹中枢への刺激の「おいしさ」は「こだわっているように見せる」プレゼンテーションが大切ですが、「学習の欲求」を満たす「おいしさ」はさりげない接触を通した教育が大切です。飲食店は教育産業ですから。「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」本日のおすすめ冒険の書 AI時代のアンラーニング [ 孫 泰蔵 ]
2023.04.28
家賃の設定 物件探しするときの家賃ですが、一日の予想売上の3日分が理想です。この条件を満たせば30日営業すれば家賃比率が10%となります。これより少なければ利益が出て、資金的な余力ができやすくなります。 居抜きでそのまま使える良い物件があれば、投資した分にかかる借入れの支払いや帳簿上は減価償却が少なくなるのでよいでしょう。この場合は予想売上比18%におさまれば良いです。ただし、居抜きは見えない老朽化がままあり、かえってお金がかかることがあるので、ご注意ください。 初めての開業の場合、その条件にあう物件を見つけるのはなかなか難しいでしょう。まして繁華街、市街地であれば難しいです。あせらず、物件を探しましょう。「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」大久保一彦の本【中古】 誰も教えてくれないカフェの始め方・儲け方 簡単にできる!利益率が高い! /大久保一彦(著者),工藤昌幸(著者) 【中古】afb
2023.04.27
物件探し 物件探しは、ターゲットを決めることから始めます。移動時間5分にそのターゲットがいること。それがどこであるかをまず考えます。「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」大久保一彦の本【中古】 成功する小さな飲食店の始め方/大久保一彦,小山雅明【共著】 【中古】afb
2023.04.27
専門店経営のポイント 例えば、とんかつ専門店をやるとしましょう。その時に、どんなとんかつ店をやるか――主にターゲットとその利用シーンを決めることが大切です。とんかつ店を例に専門店経営のポイントをみてゆきましょう。 まず、単価設定です。単価設定でターゲットがかわります。 チェーン店の『かつや』、『松のや』のようにプライスゾーンの下限価格を500円台くらいから基本1,000円以内で展開する廉価版とんかつ店の場合、気軽な食事需要の見込み客を取り込むことができます。ですので潜在的な見込客は多いです。立地に恵まれば売上も700万円~1,000万円くらいを狙うことができます。ただし、単価設定とQSCが重要になり、早い(早く提供できる)、安い(税込500円台~できれば900円以内)、まずくない(ソースでたべる)、こだわっているように見せる、に徹することが大切です。 一方、2,000円以内の豚かつ店の場合は、廉価版との差別化をはかる必要があります。ただし、2,000円以内であるならば、日常的な食事需要の延長線上で集客できるし、集客されるので、ソースで食べる食習慣がある人がくるので、そこまでも肉を使う必要はないでしょう。 それ以上の売価設定は名店経営をめざすことでしょう。名店経営とはある程度の利用頻度のファン層をつかみ、オピニオンリーダーに名店と意識付けをされた店を目指すことです。とんかつは身近な食品であり、ソースで食べる習慣がある人が多くてそこまでの差を出しにくいのでマーケットの各貯性はありません。また、素材にこだわれば塩で提供することになりますが、多回数経験の飽きを起こすからです。日本人の多くは高塩分とアミノ酸の組み合わせのうまさになれているので、真新しさも長続きしないかもしれません。「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」大久保一彦の本【中古】 「行列のできるダントツ飲食店」の秘密 1000店を蘇らせたプロが教える / 大久保 一彦 / 日本実業出版社 [単行本]【宅配便出荷】
2023.04.27
顧客情報は把握するがポイントカードはやらない お客様づくりは人間関係づくりです。人間関係の肝は信頼関係で損得で考えないことです。お得意様にとって大切なのは損得で定着するのではなく、信頼感で結ばれることです。お客様づくりにはお金がかかりますから、来れば来るほど出血するサービスはやめるべきでしょう。大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の儲けを生み出す「集客」の秘密 /大久保一彦(著者) 【中古】afb
2023.04.26
劇場型の店は人気商売 劇場型の店は人気商売です。多くの料理人がそのベクトル目指してきます。そして、人気を支える記者やインフルエンサーも鮮度を重視します。自身が発信する情報が誰よりも鮮度がないといけないのです。 たまたま、青田買いに成功した発信者はすり切れるまでその情報を発信します。何か(真新しいもの)はないかと。 このような人気商売は権威ある格付けで最高ランクになれば方向は変わります。そのカテゴリーの長として違うポジションに立つことができます。 しかし、一般論としては人気商売は10年くらいまでがピークです。真新しさで初めても王道を歩み初めて、真のお客様をつかまないといけません。「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」大久保一彦の本【中古】いつも予約でいっぱいの「評価の高い飲食店」は何をしているのか / 大久保一彦
2023.04.26
お客様の種類 お客様づくりの話をする前に、客とつく言葉を見てゆきましょう。 見込客 お客様になってくれる可能性のある人。見込客は客という言葉がつくがお客様ではありません。 新規客(一見客) 初めて来店されたお客様。飲食店の場合、基本的に来店したら冷やかしということはないので、この段階でお客様と言えます。 顧客 繰り返し来店され、来店が習慣化されたお客様。お客様のお名前などの顧客情報を入手していると相手にしているお客様は特定少数となります。お客様情報を入手していなければ、不特定多数を相手にしていることになります。 得意客 お得意さんと呼ばれる、気に入ってよく利用していただけるお客様。贔屓客 新しいお客様を連れてきてくれたり、紹介してくれるお客様。それぞれのお客様を把握して、その性質に合う接触をするのが良いです。大久保一彦の本【中古】 ダントツ飲食店の儲けを生み出す「集客」の秘密 /大久保一彦(著者) 【中古】afb
2023.04.26
インパクトから微差へ 初回来店のお客様にはわかりやすくという原則あります。見た目のインパクトなどは代表でしょう。私はこのことをフォレスト出版から2002年にリリースした「飲食店儲かるメニューの作り方」(フォレスト出版)で書きました。「Oh!ポイント」です。 しかし、インパクトはつかみとしてh良いのですが、インパクトある見た目などはを真似るのはたやすいので、すぐ真似されます。この著書には私が教え子である塾生にメニュー化をすすめた階段の器を使った料理が書いてあります。刺身の階段、焼肉屋の階段です。まあ、私もシカゴの『TRU』というレストランで提供されました「キャビアの階段」にヒントを得たのでまた真似した人間ではあります。その後、レビュア友達のTOMITさんがこの『TRU』をプロデュースしたローラン・グレ氏と友達だということで世の中の狭さを感じたわけです。 さて、新規客につかみとしてインパクトある見た目で喜んでいただいた、人的な距離を縮めて、どのレストランもやらない微差という楽しさを提供しないといけません。おいしいカラクリを体感して勉強していただき、高次の承認の欲求であります学習の欲求へ以降させていくのです。富裕層は知的水準が高いことが多いですから、喜んでいただけると思います。 廃業した『第三春美鮨』の勉強会では握っていない酢飯と握ったシャリの食べ比べをしていただきました。「シャリに六分の味があり」と言いますが、握りという技術をこの微差を体験することでわかっていだいたと思います。 シャリと言っても、いろいろな要素があります。米選びはもちろん、合わせ酢、炊き方、どれくらいの単位で炊くか、温度、固さや大きさのような握り加減などなど。 実際、握る前の酢飯とシャリでは味が驚くべきほど異なります。酢飯シャリ最高のネタをおいしく感じさせるシャリづくり、これこそが高級店を支える技術なのです。参考「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」本日のおすすめ非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式 [ 大久保一彦 ]
2023.04.26
行列ができる店の料理 「よく行列ができる○○店」をプロデュースして欲しいという依頼があります。今日はこちらについてお話しましょう。 まず、取り扱いのアイテムの選定が重要です。より多くの人が食べる好き嫌いがなく馴染みのある料理が良いです。例えば、ラーメン、うどん、ハンバーグ、スパゲティ、鰻、とんかつなどのようなどこにでもある料理です。 次にこれらの商品の個性をつけます。個性のつけかたは下記の通りです。・そのものの品質をとことんまで追求する・ソースなどの使用食材であまり使わない食材を組み合わせる 『シャーロックホームズ』の納豆ソース、豚骨ラーメンにマヨネーズやレモン・食べた後に意外性がある 臭いと思っていたが臭くない、しつこいと思っていたがすっきりする・基本、お客様の目の前で仕上げる行程がある・提供の調理時間は15分~20分以内 もうひとつポイントをあげるとお客様の意見を聞かない。お客様を洗脳するまでやり続ける、ことが大切ですね。この世の中、言ったもん勝ち、やったもん勝ちですからね。「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」
2023.04.25
無名の高級寿司店なら一見客(新規客)に高いと思わせないためにはいきなり鮑を出せ 新規客は減点法で店を評価します。食後にお会計して「高い」と思うと再来店はありません。 そして、残念なのは材料の善し悪しを見極められる人はほとんどいません。 そこで、高級寿司店で一見客(新規客)が来たら、高いと思わせないためにはいきなり鮑を出すことが効果的です。煮鮑をいきなり出せば、お客様は「これは高そうだな」と思うはずです。そして、途中でその店のロケーションにあう個性のある料理を出しながら、ポイントで雲丹を出します。 そして、会計して「思ったより安かった」となるように組み立てます。その後の組み立てで店の個性があれば、かならず、高評価になります。参考店熱海の『美旨』「飲食店の開業をめざす人向けコラム 開業ガイド 目次」
2023.04.24
全290件 (290件中 1-50件目)