ハイネの森

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2009.06.17
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カテゴリ: ピアノ♪音楽
ジャン=マルク・ルイサダ ピアノリサイタル
(いずみホール)

ショパン    3つのノクターン Op.9
ショパン    2つのノクターン Op.27
ショパン    ノクターン Op.48-1
ショパン    ノクターン Op.62-1
バッハ     フランス組曲 第5番 BWV.816
シューマン   子供の情景 Op.15
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 第23番 Op.57 「熱情」


昨年10月にマズルカ全曲演奏会で聴いたルイサダさんの演奏会に行ってきた。

まず超有名なショパンのノクターンOp.9-2(2番)から。
しょっぱなからルイサダワールド全開のクネクネ~っていう演奏。
以前アンコールとして聴いたユンディ・リのOp.9-2もクネクネ感が強烈だったが、
それに優るとも劣らない陶酔感。
でもルイサダの2番は甘いだけでなく威風堂々とした部分もあり、ポピュラー化しているこの曲をクラシックの世界に引き戻しているようにも感じた。

ノクターンは大人の曲。
こまっしゃくれた子供の自己陶酔プレイのノクターンを聴かされたら、どんなにテクニックがあっても気持ち悪くて席を立ちたくなるが、人生酸いも甘いも噛み分けたムッシュウのノクターンは、ちょっとイタいほどのクネクネでも「ルイサダの美学」ということで納得できる。

男性ピアニストがノクターンをプログラムに入れるときにはよく選ばれる2曲、
Op.27-1(7番)とOp.48-1(13番)などは曲調のこともありクネクネは少し薄れるが、
さすがノクターンは手の内のようで、彼の美意識が隅々まで感じ取れる演奏だった。

バッハは、こんなのもアリかなぁ~と。
なにしろペダルを多用していて、固定概念にあるバッハとは違っていた。
バッハ=バロック 
だからロマン派の香りを微塵もさせてはいけない。そしてテンポを揺らさず構成崩さずと教え込まれてきた身には新鮮なバッハで、テーマの再現部の変化のつけ方などは独特だった。
演奏後のルイサダさんの笑顔はバッハの後が一番だった。
終曲のジーグの出来にとても満足だったのかもしれない。

シューマンは彼のリリカルでメランコリックな音が生かされ、でも甘いだけでなくシューマンの理屈っぽさが垣間見えるいい演奏だった。

「熱情」を最後にもってくるのは彼の体力としては少々キツかったのか、第1楽章は少々息切れしているような雰囲気。一度15分休憩をとってるものの「熱情」で開演から1時間50分経過していたものね。
彼はエネルギッシュという言葉とは対極に位置するイメージのある人なので、そう感じてしまっただけかもしれない。
彼の歌っている声が席(真ん中より後ろ)まで届くほど、針が振り切れるぐらいのテンションで弾いていたが、やはり第2楽章がいいように感じたのは、音と音の間にニュアンスをつけられる彼の奏法が生かされるのはリリカルな曲が一番だからだろう。

でも得意な曲ばっかりを聞かされるよりも、「へぇ~」と思える曲を入れてくれるプログラムのほうが好きなので、これはこれでOKだ。
元々の予定だった「ノクターン全曲演奏会」だったら、翌日までショパンに酔っぱらっていたかもしれない。(悪酔いのほう)

使用ピアノはYAMAHA。
昨年はスタインウェイを使っていたが、今回は協賛がYAMAHAだから・・



ルイサダ先生、本当はどのピアノを弾きたいですか??







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Last updated  2009.06.17 15:25:03
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