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昔の治政に関する諺に「よらしむべし、知らしむべからず」とある。民は従わせれば良い。なぜ、そのような政策をとるかを民には知らせる必要はないとの意味だ。徳川幕府の三猿主義と同根の思想だ。民は幕府の政治に異議を唱えてはいけない。幕府の政策がたとえ悪政であっても民は「見ざる、言わざる、聞かざる」の掟を守れというのと同じ思想だ。日本国民の多くはお上は偉いと思い込まされている。「泣く子と地頭には勝てない」とか、「長いもには巻かれろ」と言って、弱い者の発言を封殺する傾向が強いのが日本だ。 日本人は欧米の人に比べて批判精神が乏しい。丸暗記万能の知識詰め込み教育が当たり前だ。自分の頭で考える習慣がない人も多い。ましてや、お上や上長のやることに異論を唱えると除け者扱いされる。 諺の「民には知らせる必要はない」の一例を、犬の食べ物に関する日本の行政面から拾ってみた。アメリカのFDA(食品医薬品局)と日本の農林水産省のそれぞれの国民に対する対応を見ると、日本の省庁は一般の国民のためにあるのではなく、既得権益の業界の利益を守る為にあるのだと言うことがわかる。 日本は格差社会だ。大企業や大金持ちには住み良い国だが、低所得者には住みにくい国だ。日本の一般国民は幸せに暮らしているかどうかを国際的な観点から見ると、日本の国民幸福度指数のランキングは毎年50位前後だ。先進国の中では最低の部類に属するランクだ。 たとえば、日本の児童は6人に一人の割合で貧困家庭の児童だ。三度の食事さえ満足にとれない児童もいる。保育園の待機児童問題は何十年たっても解決されないまま放置されている。女性なら誰もが子供を産み、経済的な心配をしないで暮らしていける環境ではない。「保育園落ちた日本死ね!!!」というネット記事の裏に秘められた職に就けない女性の深刻な生活苦を理解してない政治家や小役人が多すぎる。少子化対策も掛け声だけで無策のままだ。日本は生まれる子供が少なく、人口が減少して、国力が沈没しつつある。 66才以上の高齢者も5人に一人の割合で貧困だ。資産のある高齢者も多いので、二極化して格差が広がっている。 日本の自殺率は世界の172国の中でワースト9位だ。1位の北朝鮮よりは日本の方が住みよいと言うことなので、喜ぶべきことか。 米軍基地問題に目を転ずると、日本の政治は何かが狂っていることがわかる。日本の米軍基地の74%は沖縄にある。その基地面積は沖縄の面積の10%以上を占める。基地収入は沖縄全経済の4,9%と微少だ。米軍基地は沖縄の経済発展の阻害要因になっている。 沖縄の面積は日本全面積の0.6%だ。なのに、安倍政権は辺野古に新基地を作ろうとしている。弱いものいじめの悪政だ。狭く小さな沖縄に米軍の新基地を作ろうとしている輩は、政治家失格というよりも人間失格だ。公平の意識が欠如している。自分さえ良ければ、弱い者の生活はどうでもいいと思っている卑劣卑怯な輩だ。 日本は平穏な国のように見えるが、それは日本国民が歴史上三猿主義の思想によってマインドコントロールされてきたからだ。企業団体献金という合法的な悪制度で政治が大企業優遇になり、公務員には賄賂接待付け届けが当たり前のように慣例化していることに国民のほとんどが異議を唱えない。すなわち、日本では大企業や金持ちは優遇されている。その反面、それができない一般家庭にはそのしわ寄せをしている。つまり、日本は弱いものには暮らし難い国だ。 犬は日本で最も弱い愛玩動物だ。その食べ物にさえ正しい政治や行政が行われてない。つまり、愛犬たちは獣医界の五大詐欺商法の犠牲だけでなく、ドッグフード業者の儲けの犠牲にされている。今回の随想では、ドッグフードの中のジャーキーに焦点を絞って記述する。 FDAは犬の食べもに関する苦情を一般の愛犬家からも受け付けて、その対策と解決に全力投球をしている。一方、ペットフードを管轄している日本の農林水産省は一般愛犬家の苦情は受け付けてない。その省は業界擁護の行政しかしてない。つまり、ペットフード業界が困るような一般家庭からの苦情は受け付ける窓口さえ作ってない。一般国民を無視した悪政だ。農林水産省には一般国民の幸せを守ろうする姿勢が全くない。日本の各省庁の官僚という小役人にとっては業界の賄賂接待付け届けと天下り先の確保が最も大切な関心事だ。一般国民の生活などはどうでもいいことなのだ。二の次、三の次だ。 その具体例を挙げる。農林水産省は、アメリカで起こっているジャーキー問題をペットフード業者には文章で通知して注意を喚起しているが、一般国民の愛犬家に対しては何のお知らせも注意喚起もしてない。言い換えると、ジャーキーを食べた犬がたくさん死んでいるというおぞましい事件があることを一般の愛犬家には隠蔽している。 アメリカだけでなく、当然、日本にも中国製ジャーキーやその原料が輸入されている。アメリカで起こって、未だに解決されてないジャーキーによる犬の死亡問題は、日本でも多発していると容易に推測できる。日本では、ジャーキーで死亡した犬の数は闇から闇に葬られている。その実態は隠蔽されている。日本の獣医は、犬が肝臓疾患や胃腸疾患で死亡しても、それがジャーキーに起因しているとは決して言わないだろう。日本の犬は、業者の金儲けの対象と見なされ、よからぬ物も売りつけられ、食べさせられているのが実情だ。 一言でまとめると、愛犬の健康と長寿を願うには、飼い主がご自分の頭で考え、愛犬を守ることが肝要だ。つまり、知識武装が必要だ。ブログ「愛犬問題」はそのお手伝いを無料でしているだけだ。ハイ。 アメリカのジャーキーによる犬の死亡問題のうち、FDA(米国食品医薬品局)がネット上に公表している記事を翻訳してご紹介する。原文はものすごい長文なので、その主要部だけを意訳した。 原文 FDA Progress Report on Ongoing Investigation into Jerky Pet Treats FDAは犬用ジャーキーによる死亡事故問題の解決に邁進中! 2015.02.19 FDA(食品医薬品局)は、2014年9月30日までに犬用ジャーキーに関する苦情を約5,000件受け付けた。そのジャーキーは、ほとんどが中国からの輸入品である。5,800匹の犬、25匹の猫、3人の人に関する苦情がある。そのうち、1,000匹以上の犬が死亡している。そのすべての件が中国製ジャーキーに起因しているとは現時点では結論づけることはできないが、FDAは犬がジャーキーを食べたことと、その報告との間には関係があるものと信じている。 その苦情は、犬のいろんな大きさと年齢、いろんな犬種にまたがっている。その60%は胃腸疾患、30%が肝臓疾患または尿疾患に関するものである。残りの10%は痙攣、震え、じんましん、皮膚の疾患に関するものである。 その症状は、軽微なものもあれば、重症のものもある。それらの症状は、獣医師の治療で軽減したり、ジャーキーを食べさせないようにして治っている。しかしながら、尿検査では数週間後も陽性のことがある。 FDAは、これらの疾患と死亡については中国製ジャーキーが関与しているものと理解している。犬の飼い主は次のことに注意を払う必要がある。「犬の食べ物の製造業者は、その製品の原料に使用している各成分について原産国を表示する義務がない。」つまり、アメリカ製ジャーキーの原料の一部に中国製ジャーキーの原料を使っていることもある。 FDAは、犬用ジャーキーによる疾病と死亡の原因を究明するために学会や工業界、外国の政府、各州の研究所の仲間と協力して一緒にその仕事を進めている。 その調査の一環として、FDAは中国のジャーキーの製造設備を調査した。ペットフードに責任のある中国政府の監督機関の役人とも会った。その役人たちは、ペットフードに関するアメリカの要求を理解していることを確認した。さらに、中国政府は、アメリカの調査に協力して、その情報を共有することになった。 FDAは、アメリカ国内の獣医師の協力を得て、72匹の犬の検死を行う機会を得た。FDAは、犬の死因が犬用ジャーキーに関係がない場合の事例も含め、できるだけ多くの検死を行った。72匹のうち、54%の39匹が特定の病気で死亡したことが分かった。例えば、癌、バルボウイルス腸炎、細菌性髄膜炎、膿しょう、肺炎、心臓病変などである。 残りの33匹の犬の死因は特定できなかった。換言すると、ジャーキーが死因であるという疑念を払拭することはできなかった。33匹のうち、26匹には腎臓疾患の兆候があった。また、2匹には胃腸疾患の兆候があった。 (2015.02.19付きのFDAの報告書) (翻訳者:ブログ「愛犬問題」の開設者 Paroowner) 原文 Caution to Dog Owners About Chicken Jerky Products 2011.12.13 犬用ジャーキーに関する飼い主への注意喚起 食品医薬品局(FDA)は、犬用ジャーキーによる病気の発生に関して飼い主に注意を喚起し続けている。そのジャーキーは中国から輸入された物である。FDAは、犬の飼い主や獣医師から、犬がジャーキーを食べて病気になったとの苦情を受け続けている。FDAは2007年9月に消費者の愛犬家に対し、ジャーキーによる犬の死亡問題について初めて警告的な注意喚起をした。オーストラリアの報道機関もオーストラリアでも犬用ジャーキー問題が発生していると報道している。オーストラリアでのその問題についてシドニー大学が原因調査である。オーストラリアの少なくとも1つの会社はそれらのジャーキーをリコールしている。そのリコール書にはそのジャーキーは中国製だと明記してある。FDAは、何をしているか?FDAは、米国のいくつかの獣医学診断検査所と共同研究すると共に、独自に、これらの製品がなぜ犬の疾患と関係しているかを調査研究している。残念ながら、現在まで、その科学者たちはその原因を特定するまでには至ってない。FDAは、広範囲の化学的試験や微生物試験を行ったが、汚染物質の特定はできていない。FDAは、今後も積極的にこの問題を調査し続ける。すでにFDAに報告されている犬の疾患の多くが、ジャーキーを食べたことによる結果ではないこともある得る。 犬の飼い主への役に立つ助言情報ジャーキーを他の栄養バランスの良い食べ物と入れ替えてはいけない。ジャーキーは時折食べさせるものであり、しかも、少量であることが前提で作られている物である。小型犬の飼い主は、特にジャーキーを食べさせる時は、その量を制限するように注意しなければならない。もし、愛犬にジャーキーを食べさせるときは、食べさせた後に愛犬の様子を綿密に観察しなさい。 次のような症状が愛犬に見られた時は、直ちにジャーキーを食べさせることを止めなさい。これらの症状は、ジャーキーを食べて数時間から数日以内に起こる。・ 食欲減退 他の食べ物は食べないで、ジャーキーだけは食べる場合も食欲減退として理解すること。・ 元気喪失・ 嘔吐・ 下痢 時々血液が混ざっていることがある。・ 飲む水の量が増えたり、排尿量が増える その徴候が激しいか、24時間以上の続く場合、獣医師に見てもらう。血液検査では、腎不全(尿素窒素とクレアチニンが増加)を示すことがある。尿検査では、ファンコーニ症候群(ブドウ糖の増加)を示すことがある。大部分の犬は回復しているようだが、FDAには、犬が死亡したとの何通かの報告もある。犬の飼い主と獣医師は、ペットフードやおやつを食べて犬が病気になった場合は、その地域のFDAの消費者苦情センター(Consumer Complaint Coordinator)に載せるように報告すべきである。 (翻訳者:ブログ「愛犬問題」の開設者 Paroowner) 翻訳者の感想 FDAのこの文章を読むと、アメリカの行政と日本の行政がどこを向いて仕事をしているかがわかる。アメリカの行政は一般国民に向き合って仕事をしている。この文章の場合は、消費者の愛犬家向けにジャーキーの危険性について注意喚起をしている。 一方、日本の行政は既得権益団体の業者に向かって仕事をしている。ジャーキーの危険性についてはペットフード業者にだけに文章で通知している。一般の国民には何のお知らせも注意喚起もしてない。つまり、官僚という小役人にとっては業者からの賄賂接待付け届けや天下り先の確保が最優先事項なのだ。日本の省庁が小役人天国と揶揄されている所以だ。 犬用ジャーキーは危険きわまる不良商品だ。昔から、そう言われてきた。しかし、未だに大量に販売されつづけている。飼い主が無知だと、その愛犬が健康被害を受ける。嘔吐や下痢で済めば良い方だが、肝臓や腎臓の機能障害を起こし、やがて死に至ることもあり得る。危険なジャーキーよりも犬が大好きな手羽先などの鶏の骨を食べさせた方が良い。獣医は鶏の骨は犬には危険な食べ物だと言っているが、真っ赤なウソだ。鶏の骨は栄養満点なので、免疫力も向上して健康体になる。毛並みや艶が目に見えて良くなる。犬も人と同じように衣食足りて礼節を知る。美味しいものを食べさせると聞き分けの良いお利口さんになる。詳細は鶏の骨は百薬の長 愛犬の主食鶏の骨に関する随想集!にある。 関連随想集 1 ジャーキーは危険! その随想集 2 ドッグフードの原料等の偽装表示 その随想集 ← トップページへ ボクの頭をなでてワン! 初めて会った幼女 愛犬の正しい飼い方! 自然流で健康長寿! 獣医のワクチンや薬剤、避妊去勢は無用!
2016.03.20
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