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車いすユーザーの母、知的障害のある弟、急逝した父――SNSで思わずシェアしてしまった、笑いと涙の“あのエッセイ”が刊行仕事が大変、育児が大変、介護が大変、家計が大変…。人生とは“大変”の一里塚で構成されているものなのかもしれない。ツイッターに流れてくる誰かの“大変”に触れては、“あー、これ、つらいよなぁ”と共感してみたり、“私の方が全然大変じゃん!”と毒づいたり、落ち込んでみたり。コロナ禍でみんな揃って巣ごもりしていたときは、その“大変”合戦がヒートアップしていたように思う。そんななか、ツイッターのなかを流れてきたブログサービス「note」のエッセイに思わず引きこまれ、シェアしてしまった人も多かったのではないだろうか。“赤べこ”“ブラジャー”、そしてタイトルともなった“家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった”というワードに、“あ、あのときの!”と、もう1度会いたかった人と偶然、再会したみたいにうれしくなってしまう人も多いのではないだろうか。あのエッセイが、『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(小学館)として、ついに1冊の本になった。 車いすユーザーの母、知的障害のある弟、急逝した父――。著者・岸田奈美さんの家族のプロフィールだけを取り出してみれば、世間一般的には、“大変だなぁ”ということになってしまうのだろう。だがそんな目線で読んでいくとしっぺ返しをくらう。笑いと涙と、予測不可能なオチに。そして岸田家の人々のことが大好きになってしまうのだ。会ったこともないのに。“●●とわたし”と、並びゆく各章で、最初に出てくるのは「弟とわたし」。4歳下の弟、良太くんはダウン症で知的障害がある。最初のお話はnote投稿直後から話題となり、SNSであっと言う間にシェアされていった“赤べこ”こと「弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった」である。お金はビタ一文、持たせていなかった良太が好物のコーラを抱えていたことから岸田家に始まる騒動。慌てて、“万引き”の現場となったコンビニへと謝罪に走る母と姉・奈美であったが…。そこから語られるものは、あったことをそのまま話せば、街の人々の温かさと障害者が教えてくれる可能性というような“いい話”になってしまうだろう。だが岸田さんの視点と筆を通ると、“いい話”とは、ちょっと違う着地点へと落ちていく。落語みたいな、あるいはドラえもんのような泣き笑いの普遍性みたいなところへ。「母とわたし」の章は、「『母に死んでもいいよ』といった日」という話から始まる。母・ひろ実さんは、岸田さんが高校1年生のときに自宅で倒れ、6時間の大手術の後、一命をとりとめ、下半身の感覚をすべて失った。“「車いす生活になるけど、命が助かってよかったわ」 母は笑っていた。あのときホッとしたわたしを、わたしはなぐってやりたいといまでも思う” そこからパスタを食べつつ放った、「死んでもいいよ」に行き着くまで、娘・奈美の頭を巡っていたのは岸田家の辿ってきた日々。その言葉は、ずっと見て来た家族の姿から導き出されてきたものだ。そこにある切実な“愛”が、全編を通し、ここかしこに息づいている。中2のときに突然死した、めちゃくちゃ唐突におもしろいことをいう才能を娘に残してくれた「父とわたし」の物語にも。「日常とわたし」の初っ端には、その“めちゃくちゃおもしろいことをいう”才能爆発の“ブラジャーの話”こと、「黄泉の国から戦士たちが帰ってきた」が収められている。初のブラジャー試着体験。ただそれだけの話なのに、奈美の言葉は爆走していく。後に残るのは、笑いをかみころしている読者だけ。“基本的にわたしの発する言葉は情報過多であることにも気付いた”と、岸田さんは記している。きっと頭のなかもそうなのだろう。それゆえ、人間関係でも仕事でもうまくいかないことが少なくはない。「仕事とわたし」「だれかとわたし」――ここにあるのは、岸田さんの物語だ。だが情報過多ゆえに、読む人それぞれのシナプスとも絶妙な具合でつながってくる。 本のなかには、岸田さんの大きな存在として登場してくるカメラマン・幡野広志さんが撮影した家族写真が挟まっている。表題作となった、母と弟が、奈美の暮らす東京へと来た際のことを綴った1編のときの。“奈美さんと良太さんみたいな姉弟のあり方って、めずらしいと思うんです。いつからそうなんですか?”“障害のある兄弟や姉妹をもつ人って、我慢したり、憎んだり、不仲になってしまう人も多いように思うから”――そのとき、幡野さんの口から出た問いの答え、悲しくて悲しくて、しょうがないときにしていたこと、なぜ家族のことを“書く”ようになったのか…。なぜだか大きくうなずいてしまうその答えを、岸田さんの繰り出す、まろやかでエッジの効いた文章を堪能しつつ、じっくりゆっくり見つけてほしい。文=河村道子◆岸田奈美さんの読書会開催!みんなで同じ時間、同じ場所、同じ本を読み読書感想文を書いて作家さんや出版社に届ける大人の読書感想文イベント「キナリ読書フェス」を開催予定!日時:11月22日(日) 10:00〜23日(月・祝)19:00まで場所:note(note.com)▼詳細はこちらhttps://readingfes.kishidanami.com/[ダ・ヴィンチニュース]家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった [ 岸田 奈美 ]思い悩んだ時の交わし方のヒントが得られそうな一冊ですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.30
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保険金目的で知的障害のある息子を海に突き落とした父親、逮捕後も保険金の心配―中国2020年9月29日、中国メディアの紅星新聞は、保険金目的で知的障害のある息子を殺害したとして、父親が警察に逮捕されたと伝えた。記事によると、逮捕された父親は保険金をだまし取る目的で親戚の1人と共謀し、知的障害のある息子を海南省海口市の港で海に突き落として行方不明を装った。警察が29日午後に紅星新聞に語ったところによると、遺体は午後3時ごろに発見されたが、海上での収容は難しく、まだ作業が進められているところだという。警察によると、事件を届け出た際、父親に悲痛な様子はなく、その後逮捕された時には保険金を受け取れるかどうかを気にしていた。父親は警察に対し、「息子は知的障害があって自分で身の回りのことを行う能力が欠如しており、家計は苦しく、借金もあったのでやってしまった」と述べている。また、警察の調べでは、父親は19年に関係する保険を購入していた。今のところ故意殺人の容疑がかけられており、法律によると有期刑か終身刑、または死刑になる可能性があると記事は伝えた。[excite.ニュース]何とも残念極まりない事件ですね。罪悪感や悲壮感が全く窺えないのは違和感を覚えますね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.29
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警察官が知的障害者への配慮学ぶ警察官が知的障害のある人に捜査協力を求める際にどのような配慮が必要かを学ぶ研修会が開かれました。 警察によりますと、障害者の社会参加が進むなか、聞き込み捜査や関係者への職務質問などで知的障害のある人から話を聴く機会が増えているということです。こうした中、5日、尼崎南警察署で警察官を対象に知的障害者への対応を学ぶ研修会が開かれました。この中では障害者団体の代表が講師を務め、突然話しかけると動揺してことばが出なくなってしまうケースもあるため、ゆっくりと身振り手振りを付けて話しかけることや、「あれ」や「そこ」ではなく、具体的なことばを使ってコミュニケーションをすることが重要だと強調しました。 参加した警察官は「職務の中で障害のある方と接することはあると思うので勉強になった。今後そういう場面では一対一でゆっくり話を聞くよう心がけたいです」と話していました。尼崎南警察署の藤井義典警務課長は「警察官が声をかけると怖がられて心を開いてもらえない時があるが、恐怖心を与えないようにゆっくりとわかりやすく話すなど今後も署員に徹底させていきたい」と話していました。兵庫 NEWS WEB[NHK NEWS WEB]それもそれぞれ障害にも個人差があり、必ずしも質問に応じられない場合もあること、理解して頂きたいですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.28
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都立高校、2021年より発達障害のある生徒向け通級指導開始 東京都教育委員会は、2021年度(令和3年度)からどの都立高校に進学しても発達障害等のある生徒が特別な指導を受けられる環境を整備し、発達障害教育の充実を図ると発表した。都内公立小・中学校の特別支援教室で行なっている「通級による指導」を都立高校でも開始する。 発達障害教育の充実は、「東京都特別支援教育推進計画(第二期)・第一次実施計画」および「都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)」に基づき実施されるもの。対象となる生徒は、都立高校または都立中等教育学校後期課程に在籍する生徒で、知的障害がなく発達障害など(自閉症、情緒障害、学習障害、注意欠陥多動性障害)があり、通常の授業におおむね参加でき、一部障害に応じた特別な指導を必要とする生徒。生徒本人と保護者が通級による指導を希望し、学校および都教育委員会に指導が必要であると認められた場合に、高校における「通級による指導」が受けられるようになる。 「通級による指導」では、将来の自立や社会参加を目指し、「コミュニケーション」「感情のコントロール」「自己理解」などが苦手な生徒に対し、その実態に応じて指導を行う。たとえば、クラスメイトに自分の思っていることを上手に伝えられない生徒に対しては、気持ちの伝え方や自分に合った表現の方法を身に付けられるようにする。各生徒の実態や障害に応じて、一部の時間、通常の授業とは別に特別な指導を受けることができるようになる。 指導は在籍校の先生と専門的な知識やノウハウ、発達障害のある生徒への指導経験のある支援員が、ティームティーチング形式で実施。あくまで障害による学習上または生活上の困難を改善・克服することを目的とした指導であり、教科の補習といった学習の遅れを取り戻すことを目的とした指導は行わない。 各学校で通級による指導の目標を定め、十分にその目標が達成できたと校長が判断した場合には単位認定を行う。通級による指導を通して、進学先や就職先で必要なスキルを身に付けるとともに、必要な支援や配慮を依頼する力を身に付けることも期待される。 なお、都立高校の生徒を対象に学校以外の会場で実施している「コミュニケーション アシスト講座」については、引き続き実施していくという。詳細は東京都のWebサイトに掲載。指導については、在籍校の先生または、入学予定高校の先生に相談のこと。 [ReseMom.]これでやっと小・中までの通級指導が高校へと繋がれていくんですね。コロナ禍の中でも、教育現場にはひとつの大きな節目を迎えていますね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.27
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交流サロンで防災ワークショップ地域住民が防災について学ぶワークショップが、胆振の安平町で行われました。ワークショップは自閉症の子どもを持つ安平町の青木明子さんが災害時に障害者が避難できるよう開設したコミュニティーサロン「みんなの家」で行われました。 4日は地域の住民20人ほどが参加し、はじめに停電を想定して施設に備えてある発電機の使い方を確認しながら実際に使ってみました。また、講師として招かれた東北大学災害科学国際研究所の定池祐季助教から室内の動線が確保されているかなどをふだんの生活のなかで見直していくことも大切だと教わりました。このほか断水していても調理できる野菜ジュースを使ったリゾットや切り干し大根のあえ物などを作って全員で試食しました。 参加した住民は「発電機を動かすのは初めてでした。万一のときはこの施設に来るので心強いです」と話していました。コミュニティーサロンを開設した青木さんは「こうしたワークショップを冬場も行うなどして、防災についてより広く知ってもらいたい」と話していました。 北海道 NEWS WEB[NHK NEWS WEB]貴重な体験が行われましたね。実際に、こうしたワークショップが冬場も実現できるといいですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.26
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スペシャルオリンピックスで成長スペシャルオリンピックスは知的障害のある人たちが、トレーニングや大会を通じて社会参加することを応援しようと1960年代にアメリカで始まりました。 夏と冬、それぞれ4年に一度、世界大会が開かれていて、予選を兼ねる日本国内の全国大会も開かれています。ことし2月には冬の全国大会が北海道で行われる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で大会は中止に。その後、感染予防として日々のトレーニングも中止していましたが、先日、北海道では一部が再開されました。この中止の期間も自分自身の成長につなげたアスリートが16歳の松実夏李選手です。 【松実夏李選手 スペシャルオリンピックスに出会って】 松実選手は夏はボウリングや陸上、冬はアルペンスキーやクロスカントリースキーに取り組みます。 2年前の夏の全国大会では、ボウリング競技に北海道代表で出場し、銀メダルを獲得した実力を持っています。 松実選手は支援の行き届かない大勢の中で行動することが苦手だったため、習い事としてスポーツに取り組めませんでした。そんな中、6年前に出会ったのがスペシャルオリンピッックスでした。スペシャルオリンピックスは、ボランティアがアスリートを手厚く支えます。 松実選手も、トレーニングで「優しいです」というボランティアの皆さんに会えるのを楽しみにしています。 母親の陽子さんも、「気持ちの問題で落ち着かなかったりやり方がわからなかったりしたときに学生さんとかボランティアさんがマンツーマンでそばで支援してくれるのが、夏李にとっては心強いと思いますね」と、支えてくれるボランティアの存在が大きさを感じています。ボランティアに支えられながら楽しんでスポーツに取り組むようになった松実選手。ことし2月の冬の全国大会にアルペンスキーで出場する予定でした。 「吹雪でもやってました」と話すようにメダル獲得の目標をたて、放課後や休みの日に、自主練習も重ねていました。しかし、新型コロナウイルスの影響で大会は中止になりました。 1度は気落ちしましたが、しだいに気持ちを切り替えました。 【コロナ禍でも挑戦を】 苦手だった絵に挑戦。 完成した絵はスペシャルオリンピックスの事務局が”コロナ禍のアスリートの力になりたい”として開設した特設サイトに、全国のアスリートなどから集まった300枚以上の絵をとりまとめたモザイクアートに取り入れられました。このサイトには、アスリート自身のメッセージも公開されています。 松実選手も「今は我慢のとき、みんなで頑張ろう!ココロつないで」とメッセージを寄せました。 「自粛中で、自分は我慢したので、みんなも同じ」という気持ちをこめたといいます。 母親の陽子さんは「私が手伝っても、『最後は自分が仕上げる!』と言って、自分が納得いくまで頑張っていました」と、「内面の成長」も感じられたと話します。スペシャルオリンピックスに出会って、「できるようになりたい」「上手になりたい」という気持ちが芽生えた松実選手。 「ボウリングでは、自分のとったことのない最高スコアをとったら嬉しいし、アルペンスキーだったら、最初は滑れなかったけど、だんだん滑れるれるようになっていってそこでコツをつかみました」と、努力を重ねていくことに喜びを感じています。 【理事長・有森裕子さんは】スペシャルオリンピックス日本の理事長・有森裕子さんは、松実選手の挑戦について、「嬉しいです。ほかのアスリートのいいモデルケースになります。苦手なことに挑戦した、できたということを、さらに発信してほしいと思います」と話しています。そして、すべてのアスリートに向けて「今しかできないこと、今生み出せるものがたくさんあります。自分は一人という思いにならないで、多くの仲間の思いに寄り添いながら、信じながら、今の時間を元気に過ごしていきましょう」と話していました。スペシャルオリンピックス日本の事務局は、1日から12月10日まで、「オンラインマラソン2020」というイベントを行っています。 走った距離、歩いた距離をインターネット上で自己申告し、みんなで日本1周およそ12000キロを目指します。 誰でも参加できます。 詳しくはインターネットで「SONオンラインマラソン2020」を調べて下さい。北海道 NEWS WEB[NHK NEWS WEB]誰でも参加できる、オンラインマラソン2020.魅力的ですね。436万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.25
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発達障害の息子と父描く「靴ひも」10月17日から公開お皿の上の食べ物の配置や寝る前のルーチンなど、独自のこだわりがある発達障害の息子と、かつて妻子を捨てた父親。約30年ぶりに共に暮らすことになった親子を描いた映画「靴ひも」(イスラエル)が、10月17日から全国で順次公開される。監督のヤコブ・ゴールドヴァッサー氏自身も、発達障害を持つ息子の父親。9月29日に東京都内であった試写会にオンラインで登場し、「スペシャルニーズ(特別な支援が必要な人)へのイメージを改善する責務があると感じた」と、制作への思いを語った。 物語は、発達障害を持つ主人公・ガディが母親を交通事故で亡くし、自動車の整備工場を営む父親のルーベンに引き取られるところから始まる。工場の仕事を手伝うも、急ぎの作業より自分のスケジュールを優先して怒られるガディ。子育てから逃げた負い目もあり、息子への接し方が分からず悩む不器用なルーベン。互いに戸惑いながらも新しく親子関係を築き始めた頃、ルーベンが末期の腎不全と診断される。 映画では、ガディが靴ひもを結ぶシーンが3度ある。手先が不器用な発達障害の人にとって靴ひもを結ぶことは苦手な行為であり、親子関係の変化やガディの成長の象徴として描かれている。 ゴールドヴァッサー氏はこれまで、「公私を分け、作品はあくまでも他人の問題を扱う」と障害をテーマにしてこなかったが、「父親の責務として、当事者が成長し続ける姿を描こう」と決意したという。「悲しい出来事でも『ハート&ソウル』を感じられるものを」と考えたといい、「この映画は父と息子のラブストーリー」と語った。 「発達障害」(文春新書)の著者で昭和大の岩波明教授は映画に対し、「発達障害をテーマにした作品の中で、『レインマン』以来の傑作。多くの人に見ていただきたい」とのコメントを寄せている。[産経新聞]発達障害をテーマにした作品の中で、『レインマン』以来の傑作との前触れ。以前にも既にご紹介している作品ですが、いよいよ公開ですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.24
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発達障害の精神科医が主人公 漫画『リエゾン』が描かれるまで厚生労働省が行った「平成28年生活のしづらさなどに関する調査」の結果では、2018年4月時点で、医師から発達障害と診断された人は推計48万1千人。実に子どもの10人に1人は何らかの障害を持ち、 “生きづらさ”を抱えたまま生活しているという。 ところが、発達障害の子どもを診療する「児童精神科医(児精医)」は圧倒的に少ない。日本児童青年精神医学会によると、2020年7月29日時点での認定医は、全国に401名。均等に割っても、児精医1人あたりの患者数は1200人にもなる。子どもの預け先や教育機関から受診を勧められても、実際に診察が受けられるのは数ヵ月先。さらに医療機関が必ずしも近場にあるわけではなく、遠方の医療機関に出向かなければならないというのが実状だ。 発達障害を取り巻く現状を、もっと多くの人に知って欲しいーーそんな想いから生まれたのが、発達障害と児童精神科医を正面から描いた漫画『リエゾンーこどものこころ診療所ー』。自身も生きづらさを抱えて生きる主人公・志保が、精神科医として成長していく物語だ。そこで、漫画担当・ヨンチャン氏と原作者・竹村優作氏、担当編集の田ノ上博規氏に、制作の心意気と取り組みを取材した。◆「子どもの発達障害」との出会い 『リエゾンーこどものこころ診療所ー』の企画は、2児の父親でもある担当編集・田ノ上氏が、子育ての中で「発達障害」という言葉を身近に感じるようになったことがきっかけでスタートした。 「正直私自身も発達障害がどんなものかよく解っておらず、児童精神科医(以下 児精医)の一般向けエンタメ作品も世に出ていませんでした。そこで、自分が学びながら面白くてためになるものを伝えていきたいと企画し、プロットをまとめてモーニングの前編集長から読み切り掲載の了承を得たのです」(『リエゾン』担当編集・田ノ上博規氏) 漫画を担当するヨンチャン氏はデビュー作『ベストエイト』の連載が終了したタイミングで声をかけられた。障害に関する知識は薄かったが、「ただ面白い作品ではなく、世の中に貢献できるような、感動させるような作品を描いてみたい」とオファーを受け、積極的に勉強や取材を行った。さらに、今のリアルな子どもの様子を描くために、身近で子どもに接したいと考え、アフタースクールでアルバイトもしたという。 「僕自身はまだ子育ての経験がないので、アルバイトを通して初めて、今の子どもたちが自分の子ども時代とはまったく違うことがよくわかりました。スマホのおかげで世代差による情報の境界がなく、みんなすごく賢くて、大人っぽい。そこで抱いた『身体が小さい大人みたい』という印象をそのまま描いたことで、よりリアルになったと思います」(『リエゾン』漫画担当・ヨンチャン氏)◆児童精神科医は「謎解き探偵」!? 「企画立案の際、いろいろと学ぶ中で出会ったのが、子どもの発達障害の権威である児童精神科医の杉山登志郎先生の著書『子育てで一番大切なこと 愛着障害と発達障害』(講談社現代新書刊)でした」(田ノ上氏)WEBサイト『ベビモフ』を通じて、杉山医師に取材をした田ノ上氏。杉山医師によると、児精医の仕事は“謎解き探偵”にイメージが近いという。子どもや家族にとって、深刻で時にはド派手なトラブルが日常的に繰り広げられているという事実や背景を淡々と明らかにし、それを診療や治療に持ち込み、子どもたちが“何に困っているのか”を見つけて、謎を解いていくというのだ。 「児精医の仕事は、そこで明らかになった問題に障害のラベルを貼るのではなく、子ども自身と親に、彼らが抱えている現状を納得させることで、解決方法を見い出していくこと」そう説く杉山医師の弁はとてもわかりやすく、児精医への理解が深まったという。 取材の中で杉山医師は、発達障害者はできることもできないこともある=発達の道筋が乱れているという意味で「発達の凸凹」と呼んだ。そして漫画をつくる際に、発達障害者の多くは特性に合った生活や教育をしていれば、成長に伴って良くなっていくことを、きちんと押さえなければ現実を捉えられないと訴えた。また、虐待を受けた子どもの心のケアを続ける中で、子どもだけでなく親も一緒に治療する場の必要性を強く感じており、世間への理解を促すためにも、漫画での啓蒙が必要だという認識を共有したという。 当初は杉山医師の協力を得た1、2話を読み切りとして発表する予定だったが、幸運にも『リエゾン』は連載漫画としてスタートを切ることに。 連載となると、資料の読み込みや脚本づくりを担う人間が必要になる。そこで3話目以降のシナリオライターとして、当時デビューを模索していた竹村優作氏に声がかかった。 「主人公が、発達障害の当事者であり精神科医でもあるという切り口はあまりなかったので、面白いテーマだなと思いました。その反面、学生時代にボランティアサークルで知的障害や発達障害のある子どもをいろいろ見てきたため、どこまで漫画で深く切り込めるかという不安もありました。障害をどこまでリアルに描けるのか、扱える症状やテーマが多い分、怖さも感じていましたね」(『リエゾン』原作者・竹村氏) 竹村氏は3年間、ボランティアサークルの活動に身を捧げた。その中で、できなかったことができるようになった子、逆に今までできていたのにできなくなってしまった子など、ある程度長い期間接していないと見ることができない変化を目の当たりにすることができた。 最初に書いた通り、数少ない児精医は、少しでも多くの子どもや家族を診察するため、まともに食事もとれないほど時間に追われている。その合間をぬっての取材では、子どもたちの日々の変化までを聞き出すことは不可能に近いため、ボランティアの経験がシナリオ制作の良い糧になっているという。 ◆取材で得たことすべてを漫画に落としこむこだわり 医療をテーマとする漫画には、正しい知識と表現が求められるだけでなく、読み物としての面白さ、エンターテイメント性との両立が求められる。竹村氏は悩んだ末に、『リエゾン』の見せ場を「病気や障害があることでマイナスになっていた人生の流れが、プラスに変換する瞬間」と位置づけた。 「精神科の治療は、基本的に静かな日常の中で起こっていきます。正しい知見、知識を押さえつつ、読み手が登場人物のだれかに感情移入できること、読者それぞれの立場から、少しでも想像力が働かせることができるような話づくりを心がけています。 例えば第1巻に登場する鬱病を患う父親は、なかなか病気そのものに共感するのが難しい。そこで、父親が娘を手放したくない気持ちや、自分がいることで娘を傷つけてしまう気持ちを、愛情や苦しみといった読者が共感できる気持ちに変換することで、発達障害の子を持つ親特有の苦しさのようなものが伝えられるのではと思って。そういう風に感情を変換する作業を大切にしています。もう1つ、取材でいろいろな症例を知ることになりますが、やはり当事者の苦しみは当事者にしかわかりません。ですから、病気を極端に過小評価したり、相対的に重い軽い、楽か大変かという描き方をしたりしないように意識していますね」(竹村氏) 医学的な間違いを犯さぬよう、シナリオは二重三重のチェックを経ている。最初は、あらすじの段階で原作協力医と質問のやり取り。細かな部分を相談しつつ脚本をあげ、そこで別の監修医による2回目のチェック。その修正を終えた脚本をヨンチャン氏に渡すのだ。ヨンチャン氏が受け取る脚本には、「身体的な症状の特徴として、絶対に描かなければならない仕草、表情」や「なぜ修正を加えたのか」「見せたいこと、伝えたいことはこうである」という、編集と監修医のやりとりの過程が、細かく残されている。取材に同行しているヨンチャン氏は、脚本修正の過程を丁寧に読み、自分なりに現場で得た情報と併せて絵で表現すべきことを的確に把握した上で、漫画ならではの演出を加えたネームを描く。 「第1話の冒頭で、主人公の志保がいたずらをして逃げる子どもをダイビングキャッチするシーンがあります。ちょっと滑稽かもしれませんが、テーマが重い分、漫画でしかできない演出を取り入れることで、読者の気持ちも少し軽くなったらと思って。 僕は、取材で印象に残ったことは、全部作品に落としこんでいます。例えば第2話で、父親から虐待を受けていた女の子が、他の話にはまったく無反応なのに、父親の話題にだけ反応するという行動は、取材で診察に陪席させていただいたときに起こったことです」(ヨンチャン氏) 特筆すべきは、飛んできた虫に驚いたり、指を傷つけたり、無意識に足をばたつかせたりという子どもたちの何気ない行動が、実に活き活きと描かれていることだ。 「取材中に、子どもや周囲の大人たちがどんな表情をして、どんな行動をしているのか、じっくり観察して反映させています。さらに、脚本を読んで思い浮かぶイメージやディティールも入れています。作品のおもしろさだけでなく、温度や手触り、音など、五感で感じるような作品にしたいと思っていて。 喜怒哀楽を含む4種の表情だけではなく無数の感情の表現を、雨が降るシーンだったら、降っている雰囲気や匂いも読者に感じてもらえるような空気感を描くことにこだわっています」(ヨンチャン氏) ◆発達障害は子どもだけでなく大人の問題でもある 6月23日に第1巻が発売されると、すぐにTwitterやSNS上で反響があった。賛否両論だったが、なによりも反響があったということに、編集の田ノ上氏はじめ全員が手応えを感じたという。原作者の竹村氏は、ストーリーに共感したという意見がうれしかったという。 「今はネットでいろんな情報を得られる時代なので、昔ほど問題を自分だけで抱え込むという状況は少ないかと思います。でも漫画という形で出会い、ストーリーに共感することで救われることもあるのかなと。だから、自分もこうだったという反応をいただけるのはとてもうれしく、書いてよかったなと思います」(竹村氏) 第1巻では「発達障害」がメインテーマになっているが、第2巻以降は、児精医の仕事に今一歩迫りつつ、ADHD(注意欠陥多動性障害)を抱える主人公・志保自身の成長に焦点が移っていく。取材を重ねる中で、子ども時代に自分の特性に合った診断と教育を受けられぬまま成長し、ずっと”生きづらさ“を抱えている大人が、存外多いことを実感したからだ。大人の発達障害で困りごとを抱えている友だちがいるというヨンチャン氏は、問題に向き合う志保の様子を、卓越した表現で描き出す。 「取材中や漫画を描きながら、自分の家庭環境や家族のこと、育ってきた環境、子ども時代に感じていた不満や不安がフラッシュバックすることが、多々ありました。蓋が開くように感情が吹き出して辛い時もありますが、やっぱり自分の感情にちゃんと向き合わなければ描けない。 志保も『子どもと向き合うために自分にも向き合う』と言っていますが、同じように、昔の自分に向き合いながら、けっこう感情移入して描いています。大人になり、そしてこの作品を描いている今、自分の過去を振り返ってみると、子ども時代の環境がいかに重要かを改めて感じました。愛されて愛する、それが当たり前ではない人もいることを、漫画を通じてたくさんの人に知ってもらえたらと思います」(ヨンチャン氏) 竹村氏も気持ちは同じだ。 「医療系のニュースや発達障害に関心がなかった人にも届けられるのが、漫画というメディアの力だと思いますので、できるだけ幅広く、いろんな人に読んでもらいたいです」(竹村氏) 静かに、だが確実に生まれる微細な変化を、豊かな表現力で作品に昇華した『リエゾン』は、派手な手術シーンや劇的な症状の変化を“見せ場”としてきた医療漫画に、新たな機軸を作りつつある。現代にマッチするテーマ性と、医療漫画の可能性を拡げる作品として、今後も注目を集めそうだ。 FRIDAY Digital[YAHOO ニュース]リエゾン ーこどものこころ診療所ー(1)【電子書籍】[ ヨンチャン ]医療漫画は監修が難しいだけにとても興味深いですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.23
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発達障害者 全国48万人 特性は様々 個人差大きく 厚生労働省によると、発達障害には自閉症やアスペルガー症候群などの自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、限局性学習症(学習障害、SLD)などがある。感覚が敏感、集中できない、こだわりが強い、読み書き計算が難しいなど、特性は様々で個人差も大きい。2018年に厚労省が公表した調査によると、医師から発達障害と診断された人は推計で約48万1千人。12年の文部…[有料会員限定] この記事は会員限定です。[日本経済新聞]発達障害者が急増したというよりは年齢を問わず、診断を仰ぐ方が増えたのが現状でしょうね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.22
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2020年度 明治学院大学心理学部付属研究所 公開セミナー 「心とことばが通じるしくみ-自閉症の人との係わりなどを通して-」 10月10日(土) オンライン開催 ※無料明治学院大学心理学部付属研究所では、毎年、地域貢献の一環として、日頃の学術的研究の成果をもとに、地域に向けて最先端の心理学のテーマを扱った公開セミナーを実施しております。今年度は、「心とことばが通じるしくみ-自閉症の人との係わりなどを通して-」というテーマでオンライン開催します。心が通じる、ことばが通じるとは、どういうことでしょうか?思っていることが全く同じだったら、通じるための努力もことばもいりません。違うからこそ、わかり合おうとします。しかし、心の働きに大きな違いがあると、通じることがむずかしくなります。講演者の熊谷高幸先生は、自閉症の人や、言語のしくみが大きく異なる英語圏の人と通じ合おうとして、そのような困難にぶつかってこられました。特に自閉症の人は感覚過敏を持つことが多いので通じ合いがむずかしくなります。しかし、このような場合でも、同じ人間なので、わかり合うための基礎となるしくみは同じように持っています。この講演では、共同注意というコミュニケーションの基本的なしくみから出発して、通じにくい理由や通じるための方法について考えてゆきます。「心とことばが通じるしくみ-自閉症の人との係わりなどを通して-」日時:2020年10月10日(土) 13:00~15:30会場:オンライン(ZOOM)入場:無料予約:要(先着順 100名)講師:熊谷高幸(福井大学教育地域科学部名誉教授)司会:宮崎眞(明治学院大学心理学部教授)タイムスケジュール:13:00~13:10 (10分) あいさつ、ZOOM設定など13:10~14:20 (70分) 講演14:20~14:35 (15分) 休憩14:35~15:10 (35分) まとめとご意見ご質問への回答15:10~15:30 (20分) あいさつ申込み:下記URLの申込みフォームに必要事項を記入の上、お申込みください。https://ssl.form-mailer.jp/fms/570015e0671330申込みQRコード受付完了後、セミナーのZOOM URLをメールにてお送りいたします。■主催・問合せ先明治学院大学心理学部付属研究所E-mail : ipr@psy.meijigakuin.ac.jpTEL : 03-5421-5445(受付時間:平日10:00-16:00)プレスリリース添付資料 「心とことばが通じるしくみ-自閉症の人との係わりなどを通して-」チラシ(PDF)[@Press]QRコードは、リンク先からご覧になれます。とても興味深い内容ですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.21
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静岡県障害者スポーツ大会 7競技に1200人が出場約1200人が出場する障害者のスポーツ大会「わかふじスポーツ大会」が19日、草薙総合運動公園で開幕した。5カ月間にわたり、陸上競技やサッカーなど7競技が実施される。 「障害のある人に対する社会の理解と認識を深めること」を目的に毎年開催され、今年で21回目。コロナ禍での今大会は競技日程を増やし、選手を分散して開催する。 19、20日には、プラスチック製の円盤「フライングディスク」を投げる競技があった。元々はアメリカで知的障害者向けに始まった競技で、100グラムの円盤を丸枠に投げ込む「アキュラシー」と遠投を競う「ディスタンス」の2種目で選手が腕を競った。軽い円盤は、手から放すのが1センチずれると、飛距離が10メートル変わるほど繊細な競技だという。 競技歴6年で、海外で競技の普及活動にも取り組む繁田一紀さん(61)は、コロナで練習場所が減り、「手首のスナップや投げる時の集中力に課題を感じた。スポーツに取り組むことが毎日のモチベーションになる。練習を続けて、来年も出場したい」と話した。[朝日デジタル]コロナ禍でも、今年も開催できて良かったですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.20
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「福祉避難所」模索続く 台風10号で佐賀県内7市町開設佐賀県内で2万人以上が避難した今月初めの台風10号に関し、高齢者や障害者らを対象にした「福祉避難所」が県内7市町で開設された。1人1人の障害の特性が違う中で、よりきめ細かい配慮が必要なケースも多い。当事者からは設備の充実や備品の確保だけでなく、避難所内の静かな環境といったさまざまな改善を求める声も上がった。 佐賀新聞社の取材で、台風10号の接近に伴い福祉避難所を開設した自治体は、佐賀市、武雄市、三養基郡の基山町、みやき町、杵島郡の大町町、江北町、白石町。開設していない市町でも、配慮が必要な人に対して指定避難所内にスペースを設けた自治体もあった。 福祉避難所は高齢者や障害者、妊産婦といった配慮が必要な人を受け入れる避難所で、市町が指定する。県内では7月末時点で、高齢者福祉施設や保健センターなど147施設あり、市町が必要と判断した場合に、施設の管理者に開設を要請する。 このうち佐賀市は今回初めて、4カ所で福祉避難所を開設し、介助者を含む77世帯186人が避難した。 避難者の中には、バッテリーの充電が必要な人工呼吸器を使用する人が4人いたという。医療機器の利用者には安定した電源の確保が課題になる。開設した福祉避難所のうち非常用電源がある施設は1カ所しかなく、全員を案内した。市の担当者は「停電で不測の事態が起きないように対応した」と当時を振り返った。 障害のある人や家族は、福祉避難所の開設を「万が一に備えて安心した」と評価する一方、障害の特性はさまざまで、設備や運営面に関しては、さらなる改善を求める声も上がる。 車いすを利用する船津正弘さん(64)=佐賀市=は今回、市に問い合わせて福祉避難所でのベッドの利用を希望したが「足りるかどうか分からない」という回答があり、避難を諦めたという。車いすで寝ることになる可能性があったためで「同じ体勢が長く続くと生じる『床ずれ』は大きな問題。死に至るケースもある」と配慮を求めた。 全盲と知的障害がある息子がいる佐賀市の世戸亜希さん(46)は「いろんな音が聞こえるとストレスになる」と静かな環境を求める。また「手で触ることが目の代わり」と周囲に触れながら移動するため、「施設内が清潔であることも重要」と訴える。 世戸さんは、そうした配慮の有無を懸念し、避難しなかったという。「高齢者と障害者では配慮する側面が異なる。障害のある子の中には、声を上げたり、夜寝られなかったりする特性もある。同じ福祉避難所でもスペースを分けるなどの配慮があれば」と述べた。佐賀新聞LIVE[YAHOO ニュース]福祉避難所も模索を重ねながらより良い環境を整えてゆくのでしょうね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.19
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知的障害者は、日本の○教育という「粗食」すら貰えない佐賀県武雄市で、母親がトイレで産んだ胎児を遺棄する事件がありました。母親(24)は軽度の知的障害があり、審理前の知能検査では精神年齢が8歳9か月程度と明らかになっています。判決は8月27日に言い渡され、懲役1年2ヶ月・執行猶予3年の有罪判決となりました。「周囲から適切な支援は受けられなかった」という事情を考慮されての温情判決ですが、裁判官の言う「支援不足」こそが今回の事件を引き起こした原因と言っていいでしょう。支援とは事が起こってから行うものに限りません。取り返しのつかない失敗をする前に生活や福祉などの必要な知識を授けるのもまた支援のあり方です。今回の場合は避妊を含めた適切な○教育さえ受けていれば防げていたケースとなります。しかし、知的障害者へ必要な知識を授けるのは「信頼・努力・工夫」が求められ非常に難儀です。健常者相手ですら有耶無耶に済まされる日本の性教育であれば猶更難しく、しかも「障害者に教えても仕方がない」とばかりに支援学校では○教育を十分に行っていないところが多数派です。自分なりに頑張っている支援学校もありますが、空回りしているところも多いのではないでしょうか。その極致が「ここから裁判(注)」となります。(注)授業名からとった「こころとからだの学習裁判」と呼ばれるそれは、2003年に東京の支援学校で行われた○教育の内容が不適切とダメ出しを喰らったことに端を発する裁判です。その内容はひたすら下品な歌や人形劇に終始していたといわれています。障害者と○教育が隔てられるそもそも両親となり得た二人(父親側も軽度知的障害)が「避妊」について把握していればこうはならなかったでしょうし、避妊に失敗しても相談先があれば何か手は打てたはずです。それがないまま時間だけ過ぎ、汲み取り式トイレに産み落とすという最悪の結末を迎えました。避妊について知るには若い頃に性教育を受けるのが定石となります。ところが、特別支援学校がそうした○教育を行っているケースは少数派に過ぎません。「被告は子どもを産むまでベビー用品を揃えておらず、育児の心構えが出来ていなかった。支援学校にもカップルの合意や育児を含めた○教育を整える必要があり、知的障害者には猶更繰り返していかねばならない。無論男性側にも妊娠についての知識理解を深めることが求められる。」(原千恵子・東京福祉大心理学部教授)「障害者は性に関する情報から遠ざけられる傾向にある。障害者差別解消法には『意思の表明があった場合、合理的な配慮を』とあるが、性の情報から遠ざけられた障害者だとそもそも意思表示すら難しい。」(西村愛・新潟県立大人間生活学部准教授)性教育プログラムを確立している支援学校も存在しますが、大部分の支援学校が「○教育の必要性を理解しているが、どうしたらいいか分からない」と棒立ちになっているのが実情です。もっとも25年ほど前は必要性すら理解しておらず、その認識だけは進んでいるようですが。(猫を被っているだけかもしれませんが)そもそも日本の○教育が…日本は○教育そのものが大幅に遅れているとされており、○教育の不十分さは健常者も障害者もある意味同じといえます。しかも話はもっぱら生殖のことばかりで狭く、始まるのも中学生からと遅く、扱う言葉も「○的接触」など有耶無耶にされています。外国の進度を挙げれば相対的に日本の○教育レベルが分かります。例えばドイツは小学校高学年で既に○ンドームやピルといった避妊具の使い方を学びますし、フランスでは保育園から「○犯罪者から身を守る方法」「水着で隠れる部分を守れ」と教えられます。性犯罪からの自衛もまた○教育に含まれることすら日本ではマイナー知識でしかありません。また、○犯罪や○暴力が男性から女性へ向けられるという固定観念から脱していないのも重い遅滞です。女性が加害者になることも同性間で起こることも微かに理解されつつありますが、日本の遅れに遅れた○教育には未だに載っておらず、予想外の妊娠で彼氏が逃げる話しか語れない有様です。実は日本の○教育も90年代までは真剣に進化を重ねていました。しかし、先述した「ここから裁判」により大きな遅滞が起こったと言われています。都教委は「ここから裁判」を機に性教育の方針を転換し、有耶無耶な内容の「○教育ごっこ」へ終始するようになりました。それが全国へ広がり、日本の○教育は大きく後退したわけです。性教育を受ける子ども達の態度も問題です。「○器の名前が出たら大騒ぎ」「真面目に受ける子を茶化す」「まともに聞かないのがカッコいい」など、真面目に授業を受ける子どものほうが少ないため、○教育の無意味さに拍車をかけています。現時点でまともな○教育を施すには、外部から講師を招いて体育館で時間を取って講演してもらう以外にありません。教師に性教育を教える能力が無い以上、「餅は餅屋」として外部を頼るほかないのです。誤った知識やイメージが先回り昔、鼻炎薬のCMで「レセプターブロック」という仕組みが紹介されました。これは鼻炎の原因物質であるヒスタミンに“先回り”してレセプター(受容体)を塞ぎ鼻炎を抑えるというものです。日本の○教育をこれで例えると、性への誤った知識やイメージが先回りして正しい○知識が弾かれるという笑えない状況となります。実際、学校の○教育で初めて性について知ったという日本人はごくごく少数でしょう。かつて○教育を有耶無耶にした人間は揃って「○教育が早いと、子どもが早く性に興味を持ってしまう。寝た子を起こすな!」と口にします。直接「○交」の話をしなければ○犯罪や○トラブルを起こさないだろうという甘々で楽観的で見当違いな見通しです。インターネットや口コミでは性に関する様々な誤情報が蔓延しており、大多数の子どもは先に誤情報やデマを吸収してしまい○教育が後手後手になりがちです。「教えなければ純潔なまま」という逃避の姿勢は○教育に対して全く通用しません。古今東西、中高生は「18禁」の○的コンテンツへありつくために努力をするものです。正しい○知識で武装していれば詐欺やマルウェアにかからない限り問題ないのですが、日本の空虚な○教育事情では努力して辿り着いた○的コンテンツの誤った知識が先についてしまい、「レセプターブロック」してしまう訳です。○ダルトビデオや○的コミックなどから誤った知識を仕入れてしまうことは十分あり得ます。停滞していた○教育を進化させ先回りさせれば情報を選別する余地は生まれますが、現実は性教育のママゴトぶりを棚に上げて「○的コンテンツのせいだ!」と癇癪を起こしているだけです。正しい知識を早くから周知させる教育を怠りながら、誤情報やデマの蔓延にはいっちょまえに文句を垂れている様は、率直に言ってみっともないです。難波特別支援学校の取り組みそれはそれとして、暗中模索しながら○教育に取り組んでいる支援学校が存在します。大阪市立難波特別支援学校(以下、難波校)です。難波校では90年代から性教育に力を入れており、授業計画にも関わる委員会まで生徒から選出のもと運営しています。難波校では学年ごとに性教育のスケジュールを立て、段階的に進めるようにしています。例えば中等部ではパーソナルスペース(他人に入られても許せる境界)の勉強に始まり、清潔にすること・身体を知ること・他人との接し方を経て、男女の身体の違いや自分の身体の把握へ繋げます。高等部になると本格的に○教育がスタートし、○教育の意義・異性間のマナー・○衝動や○トラブル・○犯罪からの自衛・子供が産まれるまで・親になること・自らの将来と3年間かけて時折復習しながら丁寧に行います。単元ごとに教材を取り揃えたり女子生徒に月経中の体調を記せる「月経カード」を配布したりと、力の入れようは疑いないものです。しかし、独自かつ真剣に取り組む難波校でも「学習指導要領」から逸脱することは出来ません。つまり、遅くて有耶無耶で及び腰の基準に合わせた○教育を強いられている訳です。障害者を○教育から遠ざけないことも大事ですが、○教育そのものが20年分の遅れを必死に取り返さねばならないことも忘れてはなりません。[障害者.com](一部、入力できない部分は○にしています)既に掲載した内容の事件ですが、とても貴重な指摘のコラムなので、ピンアップします。435万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.18
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83.0% 特別支援学校教員の免許保有率文部科学省によると、昨年5月1日時点で全国の特別支援学校に勤務する教員6万9508人のうち、指導する子どもの障害種の教員免許を保有している教員は5万7719人だった。保有率は前年度比3.2ポイント増の83.0%となり、特別支援教育が始まった2007年度以降で最高となった。都道府県などの教育委員会が… (この記事は有料記事です。)[毎日新聞]入学してくる子供に合わせての障害種教員を割り振りできたら現場での受け入れ態勢も充実してくるでしょうね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.17
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自閉スペクトラム症は異種の疾患の集合体 東北大学がクラスター分析で解明 東北大学の研究グループは、人工知能の一つである機械学習の手法を活用することで、自閉スペクトラム症(ASD)が異種の疾患の集合体である可能性があることを世界で初めて突き止めた。 ASDの主な特徴は、常同行動とコミュニケーション障害であるが、音への過敏や統合運動傷害など、他にも多くの症状を示す場合がある。ASDのリスク増加には遺伝的要因が強く寄与していることが示唆されているが、現在のところ1,000を超える候補遺伝子が報告されており、遺伝的感受性因子の特定には至っていない。 こうした中、本研究では、人工知能技術である機械学習を用いて、ASDが示す多様な症状からクラスター分析を行い、ゲノムワイド関連解析(GWAS)と組み合わせることで、遺伝的感受性因子を特定するチャンスが増えるのではないかと仮説を立てた。 実際に、ASDという疾患名でまとめられた「患者群全員」と対象群を用いたGWAS手法では、有意な関連が観察されなかった一方で、ASD患者をグループ化(クラスタリング)し、「クラスターごとの患者群」と対象群とで実施されたGWASでは、65個の有意な遺伝子座が特定されたという。つまり、ASDは異種の疾患の集合体である可能性があり、症例をより均質な集団にクラスタリングすることで、それぞれの集団の特徴に応じた個別化医療の実現が期待できる。 本成果は、ASDの遺伝的構造と病因を解明し、ASDの精密医療の開発を促進する手がかりを提供したとともに、機械学習の手法を用いて疾患群をクラスターに分けて分析した方が関連する遺伝子を見つけやすいという知見も得たことで、今後、多くの疾患の個別化医療の進展に貢献すると考えられる。論文情報:【Translational Psychiatry】Clustering by phenotype and genome-wide association study in autism[大学ジャーナルonline]研究が進むにつれて、医学的にも自閉症は奥深い障害のようですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.16
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ADHD(注意欠如多動性障害)、自閉症スペクトラムの発達障害の子が少しの勇気で友達と関われた実話が元の絵本。南相馬の画家と佐世保の作家のコラボレーション『こわいきもちと ちょっとのゆうき』9/24発売みらいパブリッシング(所在地:東京都杉並区高円寺、代表取締役:松崎義行)は『こわいきもちと ちょっとのゆうき』 を2020年9月24日に刊行します。 著者:B5判 上製 32ページ 本体 1500円+税 ISBN:978-4-434-27998-0うまく話せなくてもいい ゆっくりでもいいーー みんな ひとりぼっちじゃないしんやくんは、みんなと話すこと、遊ぶことがにがてです。でもひとりぼっちはとてもつらく、友だちに声をかけようとしますが、言葉がでてきません。心が「いっぱいいっぱい」になってしまったしんやくんを おばあちゃんが 見守っています……。発達障害の子を持った著者が、その切実な体験をもとに紡ぎ出したお話に、子どもの目線から みた景色を、叙情性豊かに描いた絵を添えた感動の一冊。著者「あとがき」よりこの絵本は、私のこどものことをもとに書いています。こどもはこの絵本の主人公のしんやくんと一緒のところが、たくさんあります。「ADHD」や「自閉症スペクトラム」は、 少しずつ知られてきましたが、そのこどもやおとなが何を思っているのか、感じているのか、みなさんに知ってほしいのです。みんな得意なことがあります。だけど、苦手なこともあります。それは私たちみんな一緒です。おとなもこどもも誰もが一緒。誰もが認め合えるような優しいきもちになってもらえたら嬉しいです。たかみやかなえこどもには、その子の時間、その子の世界があって、こどもたちには、こどもたち同士の世界があるのだなぁと感じる毎日です。この絵本のページをめくってくれたあなたが笑顔だったら嬉しいな。おばらふうこ■出版社からのコメント著者はこの絵本の主人公と同じように「発達障害」と呼ばれている子供を育ててきました。その体験をもとに、「誰もが認め合えるような優しいきもちになってもらえたら」(著者のあいさつ文より引用)と、願いを込めて綴りました。絵は『ぼくと2まい葉』、『ももいろのアルパカ』などの作品で、透明感のある光と色の優しい画風で定評のある小原風子が。「障害」のあるなしを超えて、人と人のつながりの大切さを描き上げた奇跡のような一冊。「読み聞かせ、SNS拡散歓迎」無償でご利用いただけます(非営利の場合)詳しくは書籍に表示してある内容をご確認ください■著者について作 たかみやかなえ長崎県佐世保で昼間は働きながら、夜はフリーのシナリオライター、絵本作家(ストーリー制作)として活動中。発達障害、「ADHD」の子供と一緒に楽しい日々を送っている。絵 小原風子(おばらふうこ)福島県生まれ。東京藝術大学で日本画を学ぶ。チルドレンズミュージアムや学童保育など、こどもたちとかかわる仕事を続けながら、南相馬の海のそばで絵や 絵本の制作をしている。著書に「僕らの海」「もこもこ雲のテラドラゴン」「ももいろのアルパカ」(木戸多美子氏との共著・ポエムピース)「ぼくと2まい葉」(水田宗子氏との共著・ポエムピース)がある。[Dream News]こわいきもちとちょっとのゆうき [ たかみやかなえ ]すてきな画風の絵本に、素朴な心の葛藤の様子が伺われますね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.15
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3歳弟を踏みつけ死なせた知的障害の姉に猶予判決 大阪地裁大阪市平野区の自宅で2019年4月、当時3歳の弟の腹部を踏みつけて死なせたとして、傷害致死罪に問われた金城ゆり被告(24)の裁判員裁判で、大阪地裁は18日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役5年)を言い渡した。被告には軽度の知的障害があり、長瀬敬昭裁判長は「劣悪な家庭環境におかれる中、障害の影響で自力でそこから逃れることができず、相応にくむべき事情がある」と述べた。 判決などによると、被告は6人きょうだいの長女として、両親と計8人で生活。弟らの育児を母から押しつけられて不満を募らせていた19年4月2日、弟の腹を踏みつけ、腹部圧迫による失血で死亡させた。 判決は、被告が9~10歳程度の知能で、暴行の危険性を十分に認識していなかったと指摘。幼少時などに父から暴力を受け、母からは弟や妹への暴力を指示されるなど、「暴力に肯定的な家庭で育った」と言及した。弟らの世話が過度な負担になったが、両親に逆らえなかったと認定した。 また、今後は両親と別居して障害者向けのグループホームに入居する準備があり、成年後見人が選任されているなどの点を考慮し、執行猶予付きの判決が相当だと結論付けた。 金城被告は判決が言い渡された後、長瀬裁判長から「これまで通り、朝晩弟に手を合わせてください」と言われ、小さな声で「はい」と答えた。[毎日新聞]避けられたはずの事故だっただけに、失ったものの大きさに、実に悲しい事件でしたね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.14
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発達障害を抱える著者が試行錯誤の末に手に入れた「人生を生きやすくするための生活術」を徹底紹介「大人の発達障害」という言葉がよく聞かれるようになった昨今。脳内の情報処理や制御に偏りが生じることから、日常生活に支障をきたしたり生きづらさを感じたりする人が多くいるのです。 もしそうした状況に陥り、「みんなが当たり前にできていることがうまくできない」と思い悩んだときに読んでみてほしいのが『発達障害サバイバルガイド 「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』です。本書では、日々の習慣、お金、仕事、人間関係、衣食住など発達障害者の困りごとを回避するためのハックが紹介されています。 著者の「借金玉」さんは30代半ばの男性で、実は自身も発達障害を抱えているそうです。幼少期から社会に適応できず、小学校、中学校では不登校になりました。早稲田大学卒業後は大手金融機関に就職しますが、仕事ができずに2年で退職。今度は自分で起業したものの事業破綻を迎え、多額の借金を抱えてしまいました。それを機にTwitterで「借金玉」と名乗るようになったといいます。現在は、たまにうつで働けなくなりながらも、不動産営業とライター・作家をしながらなんとか生活できているそうです。 そんな「やらかし経験の数とバラエティには自信がある」という著者が、「一人の発達障害者としての僕が、少しでもまともな生活を手に入れるために重ねてきた工夫をみなさんと分かち合いたい」(本書より)との思いをもとに執筆したのが本書です。「発達障害という問題を抱えた僕らがどうにか働き、食っていくための『生活術』」(本書より)がこの一冊にまとめられています。 たとえばCHAPTER1のテーマは、発達障害者にとってたいへん重要な「生活環境」。ここでは、食洗機や寝具、机とイスなど、著者の人生を飛躍的によくしてくれたという5つのアイテムが紹介されています。人生をよくするのは「努力」ではなく「設備投資」であり、具体的なモノこそが生活の苦痛を取り除いてくれると著者は記します。 このほか、お金については「乏しい収入で生活を維持する」、日々の生活習慣については「やるべきことに取り掛かるためのハードルを下げる」、料理については「レシピを覚えるのではなく料理の基本ルールを理解する」などが大原則として出てきます。どれもけっして高い目標設定はされておらず、無理なく労力や時間を削減することで、少しでも毎日を快適に過ごせるような知恵や工夫ばかりです。 著者は「発達障害を『治す』のはあまり現実的ではありません」(本書より)と言います。そして、「となれば、障害を抱えたまま人生をうまくやっていくためのノウハウをつくりだしていく以外に、結局のところ選べる道はない」(本書より)と続けます。 その言葉のとおり、自分を変えて無理に社会に適応するのではなく、やり方や道具、環境を変えることで社会と折り合いをつけていこうというのが本書のスタイルです。自身も発達障害を抱え、何度もどん底に陥りながら体得してきた生活術の数々は、同じ特性を持つ人たちにとって非常に役立つ知識でしょう。日々生きづらさを感じている人のための実践書として、多くの人におすすめしたい一冊です。[YAHOO ニュース]発達障害サバイバルガイド 「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47 [ 借金玉 ]生きてゆく上での参考になる文献となりそうですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.13
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兵庫の小学生が描いた首里城 沖縄の人気手帳に採用 「明るく前向きになって」昨年10月に焼失した首里城。再建への願いを込めて描かれた絵がSNSを中心に話題を読んでいる。描いたのは兵庫県に住む柳生千裕(やぎゅう ちひろ)さん(11)=小学6年生。絵は今年10月から沖縄を中心に発売される2021年版の「沖縄手帳」の挿絵にも採用されている。自閉症スペクトラム(ASD)を抱える千裕さんが首里城を描くことになったきっかけや手帳を手がける発行人の真栄城徳七さん(69)にオファーまでのいきさつを聞いた。千裕さんが絵を描き始めたのは保育園の頃。最初は鉛筆やマジックで「棒人間」を描くことが多かったというが9歳の時に、父の尚央(ひさお)さん(40)からカラーマーカーの「コピック」をプレゼントしてもらったことで、カラフルな世界を表現することに夢中になった。<燃えてしまって悲しい気持ちに> 沖縄からの声に背中押され生き物や想像上の「オッサン」を描くことが多かった千裕さんが首里城を描き始めたのは昨年11月。きっかけは、作品を発表しているTwitterアカウントに沖縄のフォロワーから届いたDMだった。 <首里城が燃えてしまって悲しい気持ちになっている。ぜひ描いてほしい> その言葉に背中を押された千裕さん。これまで沖縄を訪れたことはなかったが、すぐに描くことを決めた。 自分でインターネットで首里城や沖縄の花や生き物を調べ、絵の構想を練った。 「一番難しかった」と振り返るのは首里城の色。鮮やかな色をどう表現するのかに頭を悩ませながら1カ月かけて自分が思い描く首里城を完成させた。 作品のタイトルは「いつかその日まで」。再建への願いを込めた。 絵には首里城の正殿だけでなく、ハイビスカスやデイゴ、石畳など沖縄のさまざまな要素も表現。よく見ると絵には漢字もちりばめられている。 努、心、支、笑、彩 これもすべて千裕さんが考えた言葉だ。 今年1月に開いた個展では「いつかその日まで」も展示。開催期間中に「首里城を描いてほしい」と頼んだ沖縄のフォロワーも訪れ、「元気づけられた」と直接声をかけてもらったという。 千裕さんは沖縄手帳への採用に「絵を多くの人に届けられてうれしい」とにっこり。「絵を見た沖縄の人たちが明るく、前向きになってもらえたら」と話した。「沖縄の人に見てもらいたい」 アール・ブリュット支援する真栄城さん千裕さんの絵を「沖縄手帳」に採用したのは手帳の発行人の真栄城徳七さんだ。今年1月、インターネットで検索しているときに作品が目に留まった。 「沖縄手帳」は旧暦行事や各地の催事など沖縄の暮らしに役立つ情報を集めた手帳。県内の書店を中心に販売されている。県外や海外に住む沖縄にゆかりのある人たちにも人気の手帳だ。 作者の内奥から湧き上がったままの芸術を意味する「アール・ブリュット」の支援に力を入れてきた真栄城さんは、沖縄手帳の挿絵には毎年必ず沖縄の障がい者たちの作品を採用。作品を世の中に発信するサポート役を担ってきた。 首里城の焼失を受けて、「来年は首里城の作品を掲載したい。何かいい絵はないだろうか」と考えながらインターネットで探していた真栄城さん。千裕さんの「いつかその日まで」を見つけ、迷わずすぐにオファー。県外アーティストの作品を起用するのは初めてだ。 千裕さん側からの提案もあり、収益は今後首里城再建のためのチャリティーにも充てていくという。 手帳の発売を前に「沖縄の多くの人に千裕さんの絵を見てもらいたい」と話す真栄城さん。今後、千裕さんの作品を沖縄で展示する機会も考えている。 手帳は10月から販売開始。県内書店を中心に販売される。沖縄タイムズ[YAHOO ニュース](素敵な絵は、リンク先からご覧になれます。)今年も、来年の手帳が並ぶ季節になりましたね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.12
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「発達障害と一緒に大人になった私たち」9人の体験談から受け取る生きるヒント モンズースーの単行本「発達障害と一緒に大人になった私たち」が、本日9月17日に竹書房から発売された。「発達障害と一緒に大人になった私たち」は、自分と息子の親子で発達障害を抱えるモンズースーが「他の当事者の方の話を聞きたい」と思い立ち、同じく発達障害を抱える人々から募った体験談をマンガ化したもの。人間らしい感情がわからず人付き合いへの不安や疲れからうつ病の二次障害を患った男性の思いや、「ストラテラ」を飲んで驚くほどの効果を体感した女性の薬に出会うまでの苦労など、作者自身のエピソードを含む9人の話が収録された。発達障害を持った人々が、どのように困難を乗り越え大人になったのかを描くことで、同じ悩みを抱える人々に「今を生き、未来につなげるためのヒント」を伝える一冊になっている。[マイナビニュース]発達障害と一緒に大人になった私たち (バンブーエッセイセレクション) [ モンズースー ]今を生き、未来につなげるためのヒント、覆いに参考になりそうですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.11
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自傷行為や他害…強度行動障害、支援のポイントは 専門家に聞く自傷行為や他害などを起こす強度行動障害。もともと自閉症や重い知的障害がある人に多く、早期に適切な支援や配慮を受ければ予防できるとされ、学校現場でもノウハウが蓄積されている。福岡県内で、その研究事業に取り組んだ福岡教育大・教職大学院教授の納富恵子さん(62)に支援のポイントを聞いた。精神科医として発達障害のある子どもの診療に携わってきた納富さん。1990年に福教大に移り、本格的に教育的支援を研究してきた。「特性を理解し、一人一人に合った環境を整え、意思疎通できるよう工夫して支援すれば行動面での課題は十分解決できると、一般の人たちにも理解してほしい」と語る。 学校でも適切な配慮を行うため、福岡県教育委員会と2004~07年度、県内の小中6校、特別支援学校2校と協力しながら調査研究に取り組み、計2冊の手引書もまとめている。絵や図で具体的に 自閉症の子どもは、周りの情報を自ら選んで取り入れ、整理することが苦手で、あいまいな状況に混乱しがちとされる。基本的な支援としては、いつ、何を、どのようにするのか、具体的に示すことが必要だ。納富さんはキーワードとして「シンプル(簡潔)、クリア(明確)、ビジュアル(視覚的)」を挙げる。 例えば、教室には不必要な物を置かない▽黒板の板書が際立つよう、本棚などはカーテンで覆う(シンプル)。指示は「廊下は走ってはだめ」ではなく「廊下は歩きます」と具体的にする▽事前に活動の順序を黒板などに示す(クリア)。教室内でもパソコンを使うスペースを仕切るなどし、一つの場所では一つの活動しか行わない▽スケジュールや予定も色分けするなど文字や絵、図を使って提示する(ビジュアル)。 「自分で見て、考え、主体的に活動できるように支援する。やり遂げた経験によって学び続けようと勇気づけることが大切です」嫌な経験思い出し 中には、感覚が過敏なため、ほかの人は気にならない音などの刺激に極端に驚いたり、同じような場面で過去の嫌な経験を思い出し、パニックになったりする子どももいる。自傷行為や物を壊すなど、周囲から問題行動と受け取られがちだが「特定な苦手なことから逃れたい、あるいは物や周囲の人の注目などが欲しくて繰り返しているのかもしれない」と納富さん。困った状況を発信するコミュニケーションの意味を持つ場合もあるという。 こうした際は原因をじっくり見極め、その背景に応じた対応が不可欠。音楽がかかると教室を飛び出す時は耳栓を活用したり、大きな音がきっかけになる場合には運動会のピストルの音を旗の合図に変えたりする。「いつどこでどんな行動をしたか、どう対処したか記録を取り、状況を整理して原因を推測していく」作業も必要になってくる。 いずれにしろ「単に部屋を仕切ったり、手順を示したり、環境を形式的に整えればうまくいくわけではなく、一人一人と丁寧に向き合い、個別に配慮を考えること」(納富さん)が支援の成否の鍵を握る。意思疎通法も進化 言葉では自分の気持ちを伝えられないもどかしさが問題行動の原因にもなることから、近年は「欲しいもの、したいことを絵カードを使って意思疎通し、コミュニケーション能力を伸ばすトレーニング」も知られる。情報通信技術(ICT)の進歩に伴い、iPad(アイパッド)などを活用し、手軽に視覚的に意思表示することも可能だ。 「押しつけではなく、自らこうしてほしいと発信できて初めて、相互に分かり合える」と納富さん。ここ10年、さまざまな企業などがコミュニケーションの支援や環境を整える教材などの作成に参画しているという。「学齢期であれば比較的容易に、社会に適応していく力やコミュニケーション能力を伸ばせる。さまざまなノウハウを今後も引き継ぎ、学校現場と保護者が連携しながら、生きづらさを抱える子どもたちを支えていってほしい」 福岡県教委が納富さんらとまとめた手引書(報告書)「はじめよう!自閉症の子どもへの支援」「すすめよう!自閉症の子どもへの支援」は、同県教育センターのホームページ(HP)でダウンロードが可能(ページ内「研究成果物」の「平成17年、19年度」から)。[西日本新聞]育児には近道はなく、いかに丁寧に本人と向き合うかなんでしょうね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.10
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重度の知的障害者が、仕事をしながら地域に貢献! 障害者も役に立てる仕組みを作った支援施設に 入所希望者が急増株式会社ベストサポートが運営する障害者向けの生活介護事業所ITSUMO(千葉県千葉市、代表:竹嶋 信洋)は、最重度の知的障害者が地域の困りごとを解決しながら仕事として賃金を得る仕組みを作りました。その結果、入所希望者が急増しています。【障害者への差別、雇用問題、まだまだ難しい現状】4年前の相模原での殺傷事件では「意思疎通できない重度障害者は不要だ」「生産性のない人間は生きる価値がない」と理不尽にも45人もの人が被害者となりました。それは極端なことですが、重度の障害者に対し多くの人は「何もできない」「できれば関わりたくない」と思っているのではないかと、生活介護事業所ITSUMOの代表は感じています。そして以前から社会問題となっている障害者の雇用に関し、民間企業では法定雇用率を達成するのが難しい状況です。事実、重度の知的障害者は食事をとる・排泄・衣服の着脱の介助が必要なので、仕事場では障害者のことを理解し、気長に指導できる人や介助する人が必要になるなど雇用が難しい現実があります。厚生労働省は知的機能や適応機能に基づいて、重症度により軽度、中等度、重度、最重度に分類しています。千葉県千葉市にある生活介護事業所ITSUMOの利用者は最重度の知的障害者ですが、代表は利用者に大人の当たり前である「働く」ことが経験できるよう、地域の中で出来る仕事はないかと模索してきました。【地域の困りごとも解決!障害者の活躍の場】障害者の雇用については昔からの社会問題です。そんな中ITSUMOでは障害者の中でもさらに難しい「最重度の障害者が働く」ことに取り組んでいます。ITSUMO利用者が手伝えそうな地域の困りごとを探して、仕事としてできるよう交渉し、SNS・チラシでも認知してもらい受注できるようにしました。コロナの緊急事態宣言時は、客足が減り困っていた飲食店に弁当の宅配を請け負うことを提案しました。身体を動かすことが得意なITSUMO利用者は介護職員の補助のもと宅配しました。民間の宅配代行サービスは手数料が負担だったりしますが、ITSUMOに頼めば一食につき20円の負担ですむという事もあり喜ばれました。また「御用聞き」として高齢者宅の庭掃除、重いものを運ぶなど、多動ぎみの障害者が得意とすることを活かしています。仕事中は障害を感じさせない働きぶりで独居の高齢者はその様子を笑顔で見守り、人が訪ねてくることも嬉しいようで、お菓子をたくさん用意して待ってくれています。有機野菜を作る農家からは天然の肥料になる牡蠣の殻を粉末にしたものがほしい。という要望があり、飲食店で廃棄する牡蠣の殻を譲ってもらい、その殻を粉末にして届けています。ピーナッツバターの原料を出荷している農家からは、ピーナッツの殻割りを手伝ってほしという要望でした。この2つの仕事は、ひたすら貝殻を粉になるまですり潰す、ピーナッツの殻を割って豆を取り出すといった作業です。自閉症の重度知的障害者は単純作業に黙々と取り組める強みがあり、単純作業は精度やスピードが健常者よりも勝ることがあるため、両者にとって良い仕組みをつくることができました。【最重度の知的障害者も「支える側」になれた、障害者のあらたな一歩!】働くことは障害者にとって良いことで、以前通っていた事業所ではやる事がないためひたすら寝ていた人が、もともと人好きという事もあり今は駄菓子屋で積極的な接客をするようになりました。遊びにきた子ども達は「あのお兄ちゃんには売りつけられる」と警戒しながらもやり取りしている姿は微笑ましいです。また、前の施設で人に手を出し辞めさせられた人は、その行動で職員が集まってくることを学習しそれが面白いようで繰り返していました。しかし、今は地域の人の手助けとなる仕事ができ、更に人に手を出すことも全く無くなり落ち着いて過ごすことができています。障害者が得意とする仕事を探して働く取り組みにより、利用者の母親は「我が子が働いてお金を稼ぐということを諦めていたけど、一歩前に進めました」と、初めて得たお金を神棚に飾って喜んでいました。障害がある子どもの両親は、共通して我が子の将来を心配しています。神奈川に住む知的障害の中学生を持つ両親が、自分達で施設を作りたいという事でITSUMOを訪問しました。帰り際「今までこんな施設は見たこと無い。近未来を見た」と話されました。この方が感じられたようにITSUMO利用者が働く取り組みは重度の知的障害者の新たな一歩になっています。最重度の知的障害者は「永遠支援され続ける」と思われがちですが、障害者が得意とする作業と地域の困りごとを組み合わせることで「支える側」にもなることが実現しました。生活介護事業所ITSUMOは定員に達していますが、「通わせたい」という要望が急増し、その要望に応えるため来年4月に千葉市で新事業所の開所を予定しています。【会社概要】会社名 : 株式会社ベストサポート所在地 : 〒264-0026 千葉県千葉市若葉区西都賀4-1-10事業内容: 生活介護事業、児童発達支援、放課後等デイサービス、 短期入所、訪問介護URL : http://itsumo-f.jp/[@Press]地道な努力が大きな理解へと繋がりますね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.09
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2020年度兵庫県障害者水泳記録会が開催されます。日頃から練習している選手の成果を発表する機会として、兵庫県障害者水泳記録会が開催されます。記録会に参加することにより、水泳競技の競技力向上及び参加者間の交流、健康、体力の維持増進を図ることを目的に開催されます。日時:令和2年10月25日(日曜日) 9:30~15:00予定会場:県立西播磨総合リハビリテーションセンター ふれあいスポーツ交流館 25mプール主催:兵庫県知的障害者水泳連盟後援:公益財団法人 兵庫県障害者スポーツ協会 兵庫県身体障害者水泳連盟対象者:兵庫県に在住または在勤され、療育手帳または身体障害者手帳を所持されている方競技方法:自由形 25m 50m 100m 200m 400m 背泳ぎ 25m 50m 100m 200m 平泳ぎ 25m 50m 100m 200m バタフライ 25m 50m 100m 200m 個人メドレー 100m 200m ※1人2種目以内参加費:1人/500円(スポーツドリンク代含む)申込方法:参加申込書に必要書類を記入の上、ふれあいスポーツ交流館内の兵庫県知的障害者水泳連盟まで 持参または郵送、FAXで申し込みください 〒679-5165 たつの市新宮町光都1丁目7番1号 県立西播磨総合リハビリテーションセンター ふれあいスポーツ交流館内 兵庫県知的障害者水泳連盟まで TEL 0791-58-1313 FAX 0791-58-1323申込締め切り:令和2年10月4日(日曜日)詳細は2020年度兵庫県障害者水泳記録会実施要領をご確認ください。2020年度兵庫県障害者水泳記録会実施要項(PDF:31KB)競技順序(PDF:13KB)参加申込書(PDF:20KB)会場アクセス(PDF:33KB)新型コロナウイルス感染症予防に伴う来館制限のお知らせ(PDF:27KB)[西宮市]より多くの方希望者が参加できるといいですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.08
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子育て世代から大反響! 『発達障害で生まれてくれてありがとう』が発売即重版決定8月19日(水)に光文社より発売された、『発達障害で生まれてくれてありがとう シングルマザーがわが子を東大に入れるまで』(著・菊地ユキ)。発達障害の息子を育てた母親による手記として子育て世代からの注目度が高く、特にネット書店での売れ行きが好調で、このたび発売即重版が決定いたしました。【書籍内容】 子どものありのままを、抱きしめよう。わが子をそのまま受け入れることの大切さを問う、 地域初の発達障害児を育て上げた母による感動の手記。 「子どもというのは大夢に限らず皆、ダイヤモンドの原石なんだと、私は思います。 私を悩ませ続けたあの日々は、きっとあの子のゴツゴツ、ザラザラな原石の時代だったんだと。そして、わが子を信じて、諦めることなく、そのゴツゴツ、ザラザラを磨き続けたら、どんな子でもいつかはキラキラと眩い光を放つに違いないと確信しています」(「はじめに」より)【目次】Chapter1 大夢が生まれてシングルマザーにChapter2 グニャグニャだった小学校低学年Chapter3 失敗ばかりだった小学校中学年Chapter4 予行演習で乗り越えた小学校高学年Chapter5 数式の美しさに目覚めた中学校時代Chapter6 優等生になっていた高校時代Chapter7 大学を首席で卒業し東大大学院に【著者紹介】 菊地ユキ(きくち ゆき)1969年、秋田県生まれ。秋田県立金足農業高等学校、秋田美容専門学校卒業。2005年、美容室「フェールネージュ」開業。1996年に発達障害の男児を出産。幼少期よりひどい癇癪、言葉の獲得の遅れ、多動があり、6歳の時にADHDと診断される。地域初の発達障害児であったが、紆余曲折の後、才能がひらかれ、北海道大学理学部数学科卒業、現在は東京大学大学院に通学中。「どんな特性をもっていても、子供はみんなダイヤモンドキッズ! 磨いてあげないとただの石ころのまま」が子育てのテーマ。シングルマザー専門の芸能プロダクション「オフィスANRI」所属。【書籍詳細】 書名:『発達障害で生まれてくれてありがとう シングルマザーがわが子を東大に入れるまで』 著者:菊地ユキ発売:光文社 発売日:2020年8月19日 定価:本体1,500円+税 判型:四六判ソフトカバー[JIJI.COM]発達障害で生まれてくれてありがとう シングルマザーがわが子を東大に入れるまで [ 菊地ユキ ]紆余屈折の人生でも、導かれる先はあるものですね。以前にもご紹介した図書ですが、反響の大きさからも、学びの多い一冊だと分かりますね。434万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.07
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「障害ある子に働く場を」 母親らレストラン創業 中国に残る偏見を払しょく、夢はチェーン展開 中国山東省済南市のレストラン「華美百味」では、自閉症やダウン症などの障害者やその父母らが働く。障害者の就業機会が乏しい中国では珍しい存在だ。「チェーン展開して多くの障害者が働ける場所をつくりたい」。知的障害の娘(18)を持つ創業者、呂新景さん(48)の夢は大きい。 北京から高速鉄道で2時間、済南市中心部の駅からさらに車に1時間半以上揺られて同市郊外の店へ。日曜の昼すぎに訪れると、バイキング方式の店内は家族連れでにぎわっていた。 人20元(約300円)、子ども10元を先払いし、食器を受け取る方式。自閉症という男性が皿とわんをそろえて渡してくれた。カウンターに並ぶ70種類の料理はすぐに足りなくなり、2階の調理室から宋富麗さん(22)が大皿料理を次々に運ぶ。知的障害があり、昨年から働く。「ここで働くのは楽しい」とはにかむ。月給は1500元だ。 店は2017年12月に開いた。同年の夏に呂さんの娘、英書さんは特殊学校を卒業した。中国では多くの障害者が義務教育の9年を終えると家に閉じこもり、社会との接点を失う。呂さんは「卒業したらどうなるのか、娘の小学校入学から悩んでいた」と振り返る。その悩みが現実となる中、呂さんら7人の母親は「子どもたちが生きていく道をつくろう」と決めた。 障害者はテーブルの片付けや掃除などをできる範囲でこなす。家族も一緒に働くことにより、障害者を近くで見守りつつ、家族の収入も確保できる。呂さんが目指すのは、そんな店のモデルをつくることだ。 しかし障害者への偏見は根強い。当初は「なぜこんな人を働かせているのか」と声を荒らげる客もいたという。現在は店の存在が広く知られ、客と障害のある従業員がやりとりする姿も自然になった。呂さんは「子どもたちの変化も大きい。明るくなり、人との交流を怖がらなくなった」と手応えを感じる。 もちろん苦労も絶えない。100万元に上る開店資金は7人の母親らが貯金をはたき、親戚や友人からかき集め、さらに借金を重ねた。180席の店内に対し、「1日300人が来店しないと利益が出ない」(呂さん)。昨年は目標を達成する日も多かったが、今年はコロナ禍に襲われた。 2カ月も店を閉め、再開後も客足は完全に戻らない。最近は来客数が平均200人前後といい、借金の完済にはほど遠い。一方で中国全体の経済発展は追い風だ。開店時はゼロだった政府の補助は増え、慈善団体からの寄付も少なくない。 呂さんは「なんとしても利益を出し、店を継続させたい」と話す。既に出前専用の配達センターと支店も設立した。夢は、100店でチェーン展開し、1000人の障害者が働く場所をつくることだ。障害者は家族の恥―。夢が実現すれば、中国社会に残るこんな偏見も変えられるかもしれない。呂さんは「借金で大変です。でも心は満たされていますよ」と笑った。 [東京新聞]しあわせは決してお金ばかりではない。でもお金の為に、家族で働く、中国人さながらの、もの凄いエネルギーを感じますね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.06
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新型コロナウイルス感染症の新たな感染発生に備えた障害児者への支援体制について新型コロナウイルス感染症に係る障害児者への対応について、県では、施設等でクラスターが発生した場合の応援職員の派遣や、家族等の支援者が入院で不在となり在宅での生活が困難となった場合の短期入所での受け入れ等、新たな感染発生に備えた支援体制を構築することとしました。今後、県と千葉県知的障害者福祉協会及び千葉県身体障害者施設協議会との間で締結した協定により、三者で連携して障害児者の新型コロナウイルスの感染に対応してまいります。[千葉県]コロナ以外でも、災害時の支援等も同様、対応して頂きたいですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.05
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「マスク練習中」マーク考案 母親「発達障害児の特性を理解して」 携行し意思表示覚が過敏だったり環境の変化に対応することが苦手だったりして、マスクをつけられない発達障害の子供らに利用してもらおうと、和歌山市の前田香さん(36)が「マスク練習中」と意思表示するマークを作った。インターネットから無料でダウンロードでき、印刷してパスケースなどに入れて表示してもらう。 新型コロナウイルス対策でマスク着用が求められるなか、つけない人へのバッシングも起きており、マークを身に着けることで周囲に理解を促す狙いだ。自身も発達障害の長男を育てる前田さんは「さまざまな理由でつけられない人がいることを知ってほしい」と話している。 前田さんは2019年9月に起業し、発達障害や感覚過敏の人向けの服作りに取り組んでいる。新型コロナの感染が広まった4月以降、マスクひもが耳に当たるのを嫌がる子供たちのために、耳にかけないマスクの作り方などをウェブサイトで紹介してきた。 小学5年の長男凛太朗さん(10)もマスクが苦手。新型コロナの感染拡大前、大好きな給食の準備時間だけつけることから練習を始めて、徐々に長い時間でもつけられるようになっていた。 しかし、感染の拡大で学校が休校になるなど環境が変化すると、ストレスでマスクをつけることができなくなったという。 「全くつけられないわけではないし、練習したらできる子も多いが、人より少し時間がかかってしまう」と前田さん。そんな発達障害児の特性を理解してほしいと、「練習中」マークを作ることにした。 肌触り良いケースも販売 マークは子供のイラストに「マスクをつけるれんしゅうちゅう」と書かれたもの。名刺サイズで、ウェブサイト「fukufuku312」からダウンロードできる。感覚過敏の人も身に着けられるよう、肌触りの良い素材で作ったパスケースも販売している。 前田さんは「マスクをつけられない理由は人それぞれ。発達障害児に限らず、必要な人に使ってほしい」と話している。[毎日新聞]色々な人がマスクと苦戦していること、もっともっと広く報道する必要がありますね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.04
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聴覚が敏感すぎる自閉症の13歳少女、命の危機に瀕した隣人のかすかな声を聴き救助。名誉勲章が授与される(アメリカ)自閉症の人の中には、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚といった感覚が過敏で、生きづらさを感じている人がいる。このような状態は「感覚過敏」と呼ばれている そんな中、人より聴覚に敏感な1人の少女が起こした、奇跡の救出劇に感動の声が集まっている。暗くて寒い冬の日に隣人に起きた悪夢米国イリノイ州のハーウッド・ハイツに暮らすケイシー・ブリスレーンさん(13歳)は自閉症で、生まれつきの人より聴力が敏感だった。『Chicago Tribune』によると、ケイシーさんは蛍光灯の電球の音すら聴くことの出来たという。赤ん坊の頃は誰がトイレを流す音を聞くだけで泣き出し、彼女が家にいる時は掃除機もかけられない程だった。学校では、いつも耳を塞いでいないと耐えられず、耳栓をしていた。 そんなケイシーさんと同じアパートに住むスージー・シューベルトさん(69歳)は今年1月の暗くて寒いある日、家の近くを歩いていた。すると、凍結した路面で滑って転び、駐車していた車の下に入り込んでしまった。なんとか抜け出そうとしたが、転倒のはずみでスージーさんの腕の骨は折れており、脚も捻って身動きが取れない状態だった。スージーさんは、必死の思いで「誰か助けて!」と叫び、救助を待っていた。 ちょうどその時、部屋でテレビを見ていたケイシーさんは、外から聞こえるかすかなその叫び声に気づいた。すぐに家を飛び出すと、車の下にいるスージーさんを発見。救急隊員が到着するまで、ずっとスージーさんのそばに寄り添っていた。 「スージーさんに『あなたは私の守護天使だ』と伝えたの」「ケイシーがいなかったら、私は凍死するまで外にいたでしょう」と語るスージーさん。事故の後、スージーさんは別の隣人に聞いてみたが、「あの夜は何も聞こえなかった」と言っていたそうだ。自閉症は『レインマン』ではない先月30日、ガールスカウトに所属しているケイシーさんは、人命を救った人に与えられる名誉勲章を授与された。「私が亡くなった時、『自閉症のおかげで人の命を救った少女』だとみんなの記憶に残るようなことができたと思います。そして、自閉症は単に『レインマン』(一人の青年と自閉症である兄との交流を描いた映画)ではないことを、みんなに知ってほしいです」と、ケイシーは語った。 自閉症の人たちが持つ敏感な感覚。苦しんでいた自分の特性で人命を救えたこの出来事は、人との違いに悩む多くマイノリティに希望を与えてくれただろう。[YAHOO ニュース]以前、中国の映画の作品でも似たような内容のものがありましたね。優れた感覚が意外にも命を救うケースが増え、難易度の高い事件の解決にも貢献できたらそれこそ素晴らしいことですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.03
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自閉症の13歳少年、警官に撃たれ重傷 米ソルトレークシティー(CNN) 米ユタ州ソルトレークシティーで、自閉症の症状がある13歳の男の子が、警官に発砲されて重傷を負ったと母親が訴えている。 母親のゴルダ・バートンさんによると、息子のリンデン・キャメロン君はアスペルガー症候群で、4日、精神的に不安定な状態になった。バートンさんはこの日、ほぼ1年ぶりに仕事に復帰していたが、リンデン君はそのことにうまく対応できなかったとバートンさんは説明している。 バートンさんは警察に電話して、息子に治療を受けさせるため、緊急援助チームを派遣して状況への対応を助けてほしいと要請した。CNN系列局のKUTVによると、バートンさんはこの通報の中で警察に対し、「息子は武器を持っていない。ただ興奮して叫んだり奇声を上げたりしている」と伝えたという。 警察が到着すると、息子は逃走した。バートンさんは、「地面にかがめ」と誰かが叫ぶ声が3回聞こえ、続いて複数の銃声が聞こえたと話している。 「なぜテーザーを使わなかったのか。なぜゴム弾で撃たなかったのか」「息子は小さな子どもなのに、なぜ体当たりしなかったのか」とバートンさんは問いかけている。 ソルトレークシティー警察は5日の記者会見で、「精神症状のある男の子が武器で人を脅している」という通報を受けて警察が出動したと説明。警官が男の子に向けて発砲し、男の子が救急搬送されたことを確認した。 バートンさんによると、リンデン君は肩、足首、腸、膀胱(ぼうこう)、結腸に傷を負い、神経も損傷しているという。武器は持っていなかったと話している。[YAHOO ニュース]命が助かって良かったですね。警察に救いを求めるのもためらってしまいますね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.02
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通所型知的障害者施設で40人が新型コロナに感染 横浜 旭区 横浜市は4日、市内にある通所型の知的障害者施設で利用者や職員、合わせて40人が新たに新型コロナウイルスに感染したことが分かったと発表しました。施設を運営する社会福祉法人は、当面の間、通所施設の利用を休止することにしています。横浜市によりますと、集団感染が明らかになったのは、横浜市旭区にある通所型の知的障害者施設「光の丘『蛍』」です。この施設では、3日までに職員1人と利用者の男性2人の合わせて3人の感染が相次いで判明しました。このため、市が2日から専門のチームを派遣し、利用者と職員、合わせて160人を対象に一斉検査を進め4日、利用者や職員合わせて40人の感染が明らかになったということです。軽症や無症状の人が多いということで、市では引き続き、健康状態を観察していくことにしています。市によりますと、知的障害のある利用者の中にはマスクの着用が難しい人もいるほか、日常的に職員が密接して介助をしていることから、感染が広がったとみられるということです。市は感染者の集団=クラスターが起きたとして、さらに感染が広がっていないか調べることにしています。また、施設を運営する社会福祉法人「白根学園」は、入所施設などは運営を続ける一方、当面の間、通所施設の利用を休止することにしています。[NHK NEWSWEB]感染が広がった原因が分かったことで、改善方法が模索できるといいですね。☄にほんブログ村にほんブログ村
2020.09.01
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