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内田先生は、合気道7段で、自らの道場を持つ。 そして、武道に関する著書も多数ある。 しかし、私は、先生の武道関係の著作を読むのは、本著が初めて。 感想はと言うと、結構難しかった。 記述されている内容は、禅問答のごときである。 いや、さすがに思想家、哲学者らしいと言った方が良いかもしれない。 映画に関する著作を読んだとき、「自分とはちょっと距離があるな」と感じたが、 それ以上の距離を、今回は感じてしまった。 *** 「天下に敵なし」とは、 敵を「存在してはならないもの」ととらえないということである。 そういうものは日常的風景として、「あって当たり前」なので、 特段気にしないという心的態度のことである。(p.41)この一文だけでも、奥がとても深い。「なるほど」と、唸るしかない。 「そんなこと」が人間にできるとは思ってもいなかったことを、 自分ができるようになるというのが、修業の順道なのである。 だから、稽古に先立って「到達目標」として措定されたものは、 修業の途中で必ず放棄されることになる。 そもそも修業とは 「そんなところに出るとは思ってもいなかった所に出てしまう」ことなのである。(p.174)これは、先生の教育関係における書物にも、しばしば登場する内容であり、私としても、馴染みのあるものだった。また、「修業論-合気道私見」や「身体と瞑想」「現代における信仰と修業」と比べれば、「武道家としての坂本龍馬」は理解しやすかった。
2013.09.29
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この10年程、キャリア教育が急速に普及してきた。 が、今、学校や大学を卒業した後の世界は、予測不可能性に満ちている。 現在行われているキャリア教育は、果たしてそれに対応したものだろうか。 著者は、疑問を投げかける。 キャリア教育は、将来の目標が立てられず、 目標実現のための実行力が不足する若年者を鍛え直し、テコ入れすることで、 若年者雇用問題の深刻化に対処することを目標として始まった。 また、大学では、生き残り競争の中、就職実績維持いう目的もあった。そのため、現在行われているキャリア教育の焦点は、職業や就労だけに当たってしまっている。また、その取り組みは、学校教育全体のものになっておらず、外付けの実践、取り立て指導に終わってしまっている。「夢」「やりたいこと」「就きたい職業」の探究。しかし、まだ働いた経験がなく、職業(仕事)をよく知らないい若者に、その回答を求めても、その根拠は随分と底の浅いものになる可能性が強い。まずは、職業や仕事についての理解を深める学習に力を入れるべきであろう。 日本の職業世界では、専門職や専門的職種などを除くと、 そもそも雇用は、ジョブ(仕事)によって切り分けられていない。 文系のホワイトカラーなどでは、その枠内であれば、 どんな仕事でにも対応できることが求められる。 職業世界の「現実」がこうであるのに、キャリア教育においては、 「やりたいこと(仕事)」を明確にすることが求められる。 - こうした対応関係には、もともと無理があるのではないか。 僕が、「やりたいこと」重視のキャリア教育に、“危うさ”を感じてしまう理由には、 この問題が根っこの部分に横たわっている。(p.67)「俗流キャリア教育」においては、「やりたいこと」だけが上滑りしており、現実との折り合いをつける役割を果たせていない。また、「やりたいこと」だけに注目するのではなく、自分の「やれること」、「やるべきこと」を意識して欲しい。さらに、職場体験については、それをイベント的思い出に風化させぬため、そして、キャリアプラン作成においては、将来の生き方をじっくりと考えさせるため、学校教育全体としての取り組みが必要である。さらに、正社員モデルを脱却し、非正規雇用を見据えたキャリア教育も。本著は、今、定番となってしまっている「俗流キャリア教育」を脱し、真に有益な、現実に即した「キャリア教育」が実現されるための、貴重な提言書である。
2013.09.29
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謎の韓国人美女、ミン・ミヨン。 彼女はラテラル・シンキングと卓越した身体能力を駆使し、 無銭乗船、無銭乗車、無銭飲食に無銭宿泊を繰り返す。 今巻は、そんな彼女に、絢奈と那沖のコンビが挑む。 それにしても、今回登場する瑠華は、恋のライバルの典型。 プライドが高く、図々しく、意中の男性を、何が何でも手に入れようとする。 まさに、『花より団子』の大河原 滋そのもの。 クライマックスシーン直前まで、ミン・ミヨンより相当目立っている。そして、もう一人(一つ?)目立っているのが、キカイダー。7月25日に発売された『人造人間キカイダー The Novel』の前宣伝?それにしても、藍岐眞悟と壱条家との関係、その後どうなったんだろう?やはり、支援打ち切りかな……
2013.09.23
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小鷹は「星奈が好きだ」と宣言するも、付き合いはしないと言う。 隣人部を、これまで通りの居場所として維持するために。 しかし間違いなく、隣人部内における人間関係には変化が。 特に、夜空は完膚無きまでに叩きのめされ、凹んでしまったまま。 そして、小鷹の新たなる別の居場所・生徒会。 彼は、こちらとの繋がりも断つことなく、逆に隣人部とドッキング。 幸村などは男装を捨て去り、生徒会・会計の葵と仲の良い友達に。 そして、生徒会長・日向が、夜空の姉であることまでもが判明。それにしても、巻頭のカラーページといい、途中に挟み込まれる白黒のイラストページといい、電車やバスの中等、公共の場では、決して開くことが出来ない代物。間違って、隣の人に覗き込まれたら、こちらが思わず赤面してしまいそうだ。もちろん、、それはイラストだけでなく、お話しの文章そのものも。まぁ、これがこの作品の売りの一つにもなっているのだろうから、今さら、どうのこうの言ってもしかたがないが、かなり下品。夜空が、これからどうなるのかは気になるが、もう続きは読まないかも。
2013.09.23
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飯島氏は、この国を動かしている中枢部の一員である。 それ故、他者は知り得ない、数多の情報をしっかりと握っている。 それらの中には、表に出ても構わないものも、表に出てはまずいものもある。 勿論、本著に記されているのは、表に出ても構わないものばかりのはず。 まず、首相官邸の構造についての記述が面白い。 裏導線の意味合いを理解せず、変更してしまった民主党の元副総理。 デモの声に、思わず「大きな音だね」と漏らしてしまった民主党の元総理。 これらのエピソードは、誰でもが書けるものではない。また、プーチン氏についての記述も、たいへん興味深い。北朝鮮拉致問題や北方領土問題において、彼がキーマンとなることが、よく伝わってくる。そして、その人物とこの国を繋ぐ重要なパイプ役となるのが、飯島氏である。孫氏や橋下氏には、これまでの経緯から、特別な思いを抱いているようだ。特に、橋下氏についての記述には、かなりの量の紙幅を費やしている。期待していると持ち上げつつも、基本的には、その政治について批判している。脱原発、道州制、大阪府の財政、首長の国会議員兼務、公募校長・区長等々。ただ、喫煙についての記述に関しては、映画やドラマに喫煙シーンがあるだけで、大騒ぎになる社会もどうかと思うが、タバコ部屋に組織の最高機密が集まると言われても、やはりどうかと思う。また、喫煙率と肺がん死亡率のグラフは、なぜ男性のデータだけによるものなのか?さらに、ももクロとの対談における発言にも、ちょっと引っ掛かるところが。いくらかわいい孫娘のためとは言え、そんな内容の電話をかけたうえで、チケットを手に入れたとしたら、職権乱用ではなかろうか?まぁ、そういうのもアリという世界で生きておられるということは、本著を通じてよく分かった。
2013.09.23
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いよいよ作品完結の「ローマ世界の終焉」シリーズ全3巻の始まり。 その第一部は「最後のローマ人」。 その主役を務めるのは、将軍スティリコ。 半蛮族の彼を、著者は「最後のローマ人」と呼ぶ。 紀元395年、皇帝テオドシウスが、激務の果てに48歳で病死した。 後を継いだのは、長男・アルカディウス(18)と次男・ホノリウス(10)。 先帝は、死の床で軍総司令官・スティリコ(35)に息子二人を託し、 長男が帝国東方を、次男が西方を担当することになった。それから3か月を経ずして、アラリック率いる西ゴート族が大挙して南下。スティリコはこれを撃破し追い詰めるが、突然アルカディウスから退去命令。宰相ルフィヌスの差し金だったが、彼は帰還兵閲兵式中に兵士たちに殺される。そして、危機を脱したアラリックは、翌年に再び行動を開始したのだった。スティリコは今回も勝利するが、コンスタンティノープルでは、彼に対する非難が湧き起こる。彼が蛮族出身であることが、その理由であった。その後、アラリックは、公式のローマ帝国軍司令官に任命された。そして5年後、アラリックは、西ゴート族を率いてイタリア北部に侵攻。スティリコはこれも勝利し、404年には凱旋式がローマで挙行された。以後、スティリコは、ゲルマン系蛮族の侵入を、奴隷の徴兵で撃破。ブリタニア駐屯ローマ兵進入に際しては、アラリックとの同盟交渉を開始。ここに至って、スティリコに対し、元老院が敵意を剥き出しにする。妻までもが背を向け、配下の兵士の半ばからも売国奴扱いされるように。そして最後には、皇帝・ホノリウスに、反逆罪で死刑宣告を下される。その後、アラリックがイタリアに侵攻し、ローマを封鎖する。多額の賠償金や物品の支払いで、封鎖は解除されたものの、410年には、ローマ劫掠(ごうりゃく)に至るのである。
2013.09.22
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TVドラマは一度も見ることなく、『麒麟の翼』をDVDで見ただけ。 東野さんの作品は、これまで結構読んできていたが、 「加賀恭一郎シリーズ」は、まだ一冊も読んでいなかった。 そんな私にとって、本作が既読東野作品のベストに躍り出た。 最初、読み始めたとき、短編集なのだと思った。 ところが、第3章、第4章と読み進めていくと、 それまで別の場所、別の人たちの話だと思っていたものが、 一つの殺人事件に、見事に集約されていくのだった。 彼の話は、人形町にある煎餅屋のエピソードから始まった。 そこに出入りしていた保険の外交員に嫌疑がかかったが、 なぜ彼がアリバイを正直に述べなかったのかという話だ。 次は料亭にまつわることで、 三井峯子の部屋にあったワサビ入りの人形焼きに繋がる。 さらには三井峯子が通っていた瀬戸物屋、顔見知りだった時計屋、 友人だった翻訳家の話と続いた。 いずれも事件と直接関わるような内容ではない。(p.388)これは、加賀が上杉に、洋菓子屋で事件の真相を伝えるシーンである。ここに記されているとおり、一つ一つの話は、全く独立した内容であり、事件に直接繋がるようなことは、ほぼ皆無なのである。 だが上杉は聞きながら、内心舌を巻いていた。 この所轄の刑事は、誰もが見向きもしないような些細なことに拘り、 例え事件に無関係だとわかっていても、 決して手を抜かずに真相を突き止めようとしてきたのだ。そう、本作が素晴らしいのは、この記述内容に尽きる。事件とは直接繋がりがない各エピソードを、実に丁寧に描きあげ、また、その各エピソードの完成度が、素晴らしくハイレベルなのである。 そして加賀の話は、ついにこの洋菓子屋に及んだ。 意外なことにその話には、さっき会ったばかりの清瀬弘毅が関わっていた。 三井峯子は、この店で働いている妊娠中の女性のことを、 息子の恋人だと誤解していたのだという。そして、バラバラだった話が、一つにまとまっていく。その様は、見事というしかない。東野圭吾の面目躍如である。ネットで調べると、TVドラマは本作をベースに作られたもののようだ。機会があれば、DVDで見てみようと思う。
2013.09.22
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『聞く力』を読んで、阿川さんの他の作品を読みたくなり、本著を購入。 やはり、とてもリズム、テンポが良く、スイスイと読み進めることが出来る。 前にも書いたが、読んでいると言うより、お話しを聞いている感じ。 親しい者同士でやりとりする手紙の文章のようでもある。 本著は2006年5月から2007年12月にかけ、 『クロワッサン』誌上に連載された 食にまつわるエッセイをまとめたもの。 そのため、一つのテーマが5ページ分。 コンパクトで、ちょっとした空き時間に、ササッと一つ二つ読んでしまえる。さて、本著で紹介されている食べ物や飲み物、或いは、阿川さんのクッキング講座は、どれもこれも美味しそうだったり、興味深かったりするのだが、私が、一番記憶に残ったのは、次のような一文である。 本来、パーティーでの心構えはなるべく見知らぬ人との交流を広げることであり、 親しい者同士がかたまって長く内輪話を続けるものではない。(p.71)反省しきりである。
2013.09.15
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神奈川県の公立中学校(23校)の2年生(2874名)を対象にしたアンケート、 首都圏の大学に通う大学1年生(男女各5名)を対象にしたインタビュー、 首都圏の公立小中高に勤務する教員(20代男性4名)にしたインタビュー。 これらを元に書かれた修士論文を、かなり大幅に加筆修正したのが本著。 アンケートの数は2874名分といえば、かなりの数のようにも思えるが、 それでも、あくまでも神奈川県公立中の2年生だけ。 インタビューした首都圏の大学生は、一見バラエティに富んでいそうだが、 それでも男女各5名に留まり、その語っている内容もかなり個人的見解。ましてや、教員でインタビューを受けた者については、著者の知人で、しかも20代の男性ばかりの、わずか4名。その語り口や話している内容から、まだまだ若葉マーク感が拭えず、とても、全国の教員を代表し、その現状や思いを語れるメンバーとは言い難い。これらを資料に一冊の新書を書き上げたのだから、それはそれで、スゴイ力量だとは思うのだが、しかし、内容としては、週刊誌や月刊誌の記事レベルの信頼度のものであり、その辺りのことは、本人も指導教官も、よく分かっている。だからこそ、第6章に書かれている内容については、あくまでも今回の研究から導き出されたものであり、決してスタンダードな結論、処方箋ではないということを、読者は、よくよく承知した上でページを閉じる必要がある。教室内に厳然として存在する「序列」をどう扱うか。それが「いじめ」や生徒たちのストレスに繋がっていることは間違いない。そして、教室は社会全体の縮図でもある。今後の更なる研究と、理論の構築を大いに期待したい。
2013.09.15
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『ロスジェネの逆襲』の半沢直樹と同様、 銀行から出向中の会社員・倉田太一が本作の主人公。 しかし、どんなに強い相手に対しても、決して屈することなく、 自分の意志を貫き通す半沢と違って、真面目で小心者の倉田。 どちらかと言うと、同じ出向社員でも、 『オレたち花のバブル組』の近藤の方が、より倉田に近いが、 それでも、近藤の方が数倍力強さを感じる。 そう、倉田は『ドラえもん』ののび太の如く、徹底的に貧弱キャラ。そんな彼が、駅のホームで割り込みをした男を注意したことから、妻・長男・長女と4人暮らしの家庭が、ストーカーに襲われることに。さらに職場でも、取引企業が不渡りによって、2400万円の損失が発生するが、その背景に、自社営業部長の怪しげな動きがあることに気付く。家庭と職場の双方で、同時に起こった二つの事件、ヘタレキャラの倉田だが、立場上、彼が頑張って何とかするしかない。そこで、彼を支えたのが、家庭においては妻や子どもたち、職場では、部下の西沢節子や倉庫係の江口、銀行関係者だった。職場における事件については、半沢直樹シリーズ同様、足と人脈を使って、一つ一つ事実を解明しながら相手を追い込んでいき、最後に決定的な証拠をつかんで、とどめを刺す。ヘタレキャラの倉田が勝ち取った勝利だけに、その味は格別。そして、家庭における事件は、半沢直樹シリーズには見られないもので、そこで描写される家族の絆の強さは、本作の目玉商品。さらに、ふとした瞬間に、自分の父や母について、幼い頃の記憶が蘇るシーンは、親や子、配偶者というものについて、考えさせられるものだった。ただ、結局、倉田は出向先の企業を去ることになり、さらに、ストーカーを追う中、息子の健太は残念な行動をとっていた。気分スッキリ、すべてがハッピーエンドとは、とても言えないが、こういう締めくくりも、倉田には相応しいのかも知れない。
2013.09.15
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『日本をダメにしたB層の研究』より一段と過激になっている。 終盤は、ハラハラしてしまう程。 それでも、読んでしまうのは、 やはり、私の中に著者に共感する部分が、多々あるからであろう。 著者は、プロの仕事が尊重されず、素人が暴走していると言う。 専門家の意見より、素人の意見が尊重されるのはおかしいと言う。 そして、素人が意見を表明し、世の中を動かしていることを愁う。 この点については、私も「本当に、これでいいのか?」と思う。 *** 弱い人間は責任をとろうとしない。 自分が苦しんでいるのはどこかに存在する「悪」のせいだと考える。 それを倒さない限り、理想社会はやってこないというわけです。 革命は文化のもっとも未熟な部分、 人間のもっとも下劣な部分に結びつきます。(p.78) 歴史を個人の資質の問題に還元するのは、わかりやすい一方危険です。 鳩山、菅、小沢といった政治家個人にすべての責任を押しつけるのは、 むしろ問題を矮小化することになる。 民主党を生み出したのはわれわれの社会であり、われわれの隣人なのです。 世界で一番民主的だといわれたヴァイマル体制がナチスを生み出したように、 われわれの社会の病が民主党を生み出したのです。(p.92) 正しい選択がよい結果を生み出すとは限りません。 にもかかわらず、政治家は信念を持って判断を下さなければならない。 こうしたジレンマをどう乗り越えればいいのか? それは判断の結果に全責任を負うことです。(p.159) ***著者は、政治家やニュースキャスター、その他諸々の人々たちを激しく叩く。それらの多くの人たちについて、私もあまり快く思っていない。それは、著者が述べているように、胡散臭さを感じるような人物であったり、危うさを感じざるを得ない人物であったりする。もちろん、彼が叩く全ての人やものについて、私も好ましく思っていないわけでは、決してない。そして、書名からすると、本著の核となるはずの第4章に入った途端、「……」と、言葉を失ってしまうのである。
2013.09.14
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本著(文庫版)が出版されたのが、今年の7月。 単行本が刊行されたのが、平成22年の3月。 伊坂さんによる、比較的新しい作品だと思って読んでいたのですが、 あとがきによると、新聞連載されていたのは平成18年とのこと。 つまり、『ゴールデンスランバー』よりも前に書かれた作品であり、 本作は、伊坂さんの第一期を締めくくるという位置付けになるとのこと。 なるほど、それで『チルドレン』と似た空気を感じたわけか。 私は、個人的には、伊坂さんが書き始めた頃の作品が大好きです。4人の父を持つ高校生という、突拍子もない設定。それでも、登場人物一人一人のキャラがよく立っていて、一つ一つの出来事が、見事に繋がっていくミステリー性も十分。また、テンポが良くて、読みやすい文章と、流石、伊坂さん!「監禁状態から見事脱出!」は多くの伊坂作品に見られますが、本作の脱出劇も、実に見事。それにしても、最もミステリアスなのは、登場機会のほとんどなかった母・知代。彼女を軸に、もう一作書けそうな気がするのですが。伊坂さん、『死神の精度』も続編書いたんだから、これもお願いします。ついでに『チルドレン』の続編も!
2013.09.14
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2009年10月1日、大阪市中央公会堂で 「ナカノシマ大学キックオフ記念セミナー」が行われた。 これは、オーディエンスを前にしたオフィシャルなセッションであり、 本著の前半部は、その座談会の様子を再現したものである。 そして、2010年1月18日、その座談会のメンバーが、 大阪・西梅田のフレンチレストランの一室に集まって、 アフターアワーズ的リラックスムードの中で、教育論セッションを行った。 後半部は、その様子を再現したものである。座談会のメンバーは、大阪大学総長・鷲田清一さん、神戸女学院大学教授・内田樹さん、浄土真宗本願寺派住職・釈徹宗さん、大阪市長・平松邦夫さんの4名。肩書きは、もちろん当時のものであるが、ナカノシマ大学のHPを見ると、この取り組み自体は継続されているようである。しかしながら、その後、大阪市長が平松さんから橋下さんへと替わったことで、この座談会で語られた教育論に基づく教育は、実現・実行されることはなく、全く違った観点に基づく教育論に従って、現場は動いている。時の流れのあまりの激しさに、大いに戸惑ってしまう。 *** 学力って、定義を間違っている人が多いと思うんですけど、 「学ぶ力」のことなんですよ。成績や点数じゃなくて。 それは「消化力」とか「睡眠力」とかと同じで、 生きるための基本的な力なんです。 ご飯をぱくぱく美味しく食べられて、どこでもぐっすり眠れる力って、 人間が生きてゆく上で必須の能力でしょ。 でも、それを他人と比較したり、格付けしたりする人はいない。 それを使って「何をするか」が問題なのであって、 その力自体は考量したり、数値化するものじゃない。 学力も同じだと思うんですよ。 「学ぶ力」なんだから、その力を使って何を学ぶのか、 学んだことをどんなふうに生かすのかが問題なのであって、 「学ぶ力」自体は人と比べるものじゃない。 それより、どうすれば「学ぶ力」は活性化するのか、 それを考えた方がいい。(p.119)これは、対談の中での内田さんの発言。次は、締めくくりに書かれた、内田さんによる一文の中の記述。 「教育危機」は教員の努力不足や、子どもたちの無能力・怠惰化や、 親たちのクレーマー化といった個別的な原因によって起きているのではない。 そうではなくて、「どうやって人間の潜在能力を開花させるか、 どうすればパフォーマンスは向上するか」という課題に対して、 「上の言うことに従わないものには罰を与える」という 恫喝の方法しか思いつかないという、 私たち全員が罹患しているある種の「思考停止」の帰結なのである。(p.208)もちろん、この発言や記述に見られる考え方と、現在、教育現場に求められている考え方との間には、大きな隔たりがある。
2013.09.14
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副題は「北海道日本ハムファイターズのチーム戦略」。 確かに、ファイターズは強い(今年は現状5位だが、CS進出の可能性あり)。 監督経験はもちろん、コーチ経験すらない栗山さんが監督になっても、 ダルビッシュが抜けても、糸井が抜けても、勝てる。 ここまで来ると、本当の意味でのチーム力があると言うしかない。 そんなチーム力の根源の一端を知ろうと、本著を手にした。 以前読んだ『マネー・ボール』のような一冊を期待して。 しかし、本著は『マネーボール』とは違っていた。本著において、野球そのものについての記述は、ほんのごく僅か。第6章で、10ページ程の紙幅を割いているに過ぎない。どんな観点で、どんな選手を、どんな風に集めてチームを強くするかについては、『マネーボールと』比べるなんて、烏滸がましいレベル。だからといって、本著が読むに値しない一冊というわけでは決してない。野球というスポーツを「ビジネスとして捉える」という観点からすると、本著は『マネーボール』を遙かに凌いでいる。スポーツビジネスというものを知る上では、素晴らしい入門書だ。今年の初夏、私はファームの試合(ウエスタンリーグ)を観戦する機会があった。その時、かなり驚かされたのである。まず、以前は入場無料だったのに、きっちり入場料を払うということに。そして、マスコットキャラクターやチアガールが登場するということに。おまけに、入場券に刻印された番号で、抽選会まで行っている。これって、一軍の試合と、何ら変わるところがないではないか!これほどまでに、ファンサービスが、劇的に向上しているとは……そして、その理由は、本著にきちんと記述されていた。日本ハムは、ファイターズだけでなく、サッカーのセレッソ大阪でも、素晴らしい成果を上げている。香川、乾、清武を発掘し、扇原、山口、柿谷、杉本を育成したチーム力は「スゴイ!」の一言。そして、このチームづくりには、ファイターズと同じ人物が関わっている。その人物こそ、この二つのチームで代表取締役を務めた藤井さんであり、本著の著者なのである。
2013.09.14
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巨人化したエレンと鎧の巨人が対決。 鎧の巨人の攻撃の前に、防戦一方だったエレンですが、 アニから教えてもらった技とミカサの一撃で、逆に鎧の巨人を追い詰めます。 しかし、上空からの超大型巨人による攻撃で……万事休す。 ベルベルトとライナーは、エレンとユミルを連れ去ることに成功。 巨大樹の森の中に身を潜め、他の巨人たちが動かなくなる夜を待ちます。 巨人の秘密、猿という「獣」の巨人、そしてユミルが話しかけた敵の正体。 4人の間で交わされる会話の内容に、戸惑うばかりのエレン。そして、その頃、エレンを失ったショックから立ち直ったミカサとアルミンは、調査兵団と共に、巨大樹の森を目指していました。一方、ピクシス司令は、憲兵団について、何か秘密を知っている様子。謎が謎を呼ぶ、第11巻でした。
2013.09.08
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ウトガルド城を取り囲む巨人たち。 そこで、ライナーの危機を救ったのはベルトルト。 しかし、ナナバとゲルガーは倒れてしまいます。 そして、追い詰められた104期兵たちを救ったのは、ユミル。 巨人となって戦い、クリスタたちを守りました。 けれど、とうとう力尽き、巨人たちに食い尽くされて…… その寸前、ミカサ参上。 ハンジ分隊が合流し、巨人たちをなぎ倒します。クリスタは、ユミルについてハンジに報告します。そして、自分の本名がヒストリアであることも。一方、壁に開いたはずの穴は見つかりません。では、何故壁の内側に巨人たちがいるのでしょう?その頃、ライナーは、エレンに自分たちの秘密を打ち明けます。自分は鎧の巨人、ベルベルトは超大型巨人であり、自分たちの目的は、この人類全てに消えてもらうことだと。けれど、その必要がなくなったので、自分たちと一緒に故郷に来て欲しいと。しかし、この二人が怪しいことに、ハンジは既に気付いていました。エレンはハンジから、こちらの疑いを悟られぬよう振る舞うことを指示されていたのです。エレンはライナーの誘いをはぐらかそうとしますが、ライナーの決意は固く、エレンに対し行動を起こします。そこへ、ミカサが現れ、ライナーの行動を阻止。すると、ライナーとベルトルトの二人は、巨人になったのです。鎧の巨人となったライナーはエレンを捕らえますが、エレンも、また自ら巨人となったのでした。
2013.09.01
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アニの共謀者がいるのではないかと疑われた調査兵団104期兵たちは、 ウォール・ローゼの南区で、足止めされていました。 そこに、巨人たちがウォール・ローゼを突破し、北上しているとの知らせ。 分隊長ミケ・ザカリアスは、隊を4班に分け迎え撃ちます。 そして、そこでミケが見たのは、獣のような体毛で覆われている巨人。 しかも、その巨人は知性を持ち、言葉を喋り、他の巨人に命令します。 一方、自分の村に戻ったサシャは、父との再会を果たすのですが、 ここは回想シーンを織り込みながらの、なかなか感動的なお話し。その頃、分隊長・ハンジは、女型の巨人が残した硬い皮膚の破片から、巨人化したエレンの能力で、壁の穴を塞げるのではないかと考えていました。ハンジの分隊は、夜間にウォール・ローゼを目指します。そこで、ニック司祭の口から新たな情報が。それは、壁の秘密を知り、公に話すことを選べる権利を持つ存在が、今年、調査兵団に入団した104期の兵の中にいるということ。それは、ユミルといつも一緒にいるクリスタのことのようです。彼女は、3年前から血族争いに巻き込まれ、偽名を使い身を隠しているらしい。一方、コニーが自分の村に戻ると、生存者も死体も見つかりません。ただ、そこに残された横たわる巨人の口から「オ…アエリ…」の言葉が。彼は、その巨人が母親に似ていると感じます。そして、壁の穴を発見できないまま、分隊はウトガルド城へ。ユミルの怪しげな行動、それを問い詰めるライナー。ところが、気付くと、城は巨人たちに取り囲まれていました。そして、あの獣のような体毛で覆われている巨人が……その頃、ハンジの分隊もウトガルド城を目指していました。
2013.09.01
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現在は憲兵団に所属しているアニ・レオンハート。 アルミンはエレンを脱走させるため、彼女に検問突破の協力を要請します。 そして、アニが先導する一行は、難なく検問を通り抜けたのですが、 地下都市へと続く階段手前で、アニは突然その歩を止めました。 周囲の様子に違和感を感じたアニは、アルミンに問いかけます。 「一体いつから、あんたは私をそんな目で見るようになったの?」 アニに対しこれまでに感じた疑問を、次々に投げかけるアルミン。 そして、遂に女型巨人の正体が判明したのでした。最初は躊躇したエレンでしたが、アルミンとミカサの行動に促され、巨人となって、再び女型巨人との格闘を開始します。そして、女型巨人は壁をよじ登り、逃走しようとしますが、ミカサの一撃で地上に落下、そこに水晶体に覆われたアニが現れました。一方、女型巨人がよじ登ったことで、壁の一部が破片となって落下。そして、そこから見えたのは、壁の中にいる生きた巨人。「壁の中すべてに巨人が……?」疑問を抱くハンジに、ニック司祭が語りかけます。「あの巨人に…日光を当てるな…… 何…でもいい 光を遮るものを…被せろ…急げ……!巨人を隠すための、取り敢えずの補修を終えた後、ハンジは、ニック司祭に、壁の中の巨人の秘密について詰問します。しかし、その口からは、何も語られることはありませんでした。そしてその頃、南から巨人が多数襲来し、ウォール・ローゼは突破されたのです。
2013.09.01
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