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海へ身を投げた女性詩人の物語(前編) タニア・リベルター(Tania Libertad)は、かなり前にアルバム『アマール・アマンド』や、フィル・マンザネラとの共演盤で紹介したとおり、メキシコを舞台に活躍しているペルー出身の女性歌手。今回はそのタニアが歌う超名曲を取り上げてみようと思います。 「アルフォンシーナと海(Alfonsina y el mar)」というのがその曲で、もともとは1969年にアルゼンチンの作曲家(アリエル・ラミーレス)と作詞家(フェリックス・ルナ)がつくり、メルセデス・ソーサが最初に歌ったことで有名になりました。その結果、スペイン語圏では様々な歌い手がカヴァー・ヴァージョンを発表しているのですが、中でもとりわけ評価の高いのが、タニア・リベルターによる「アルフォンシーナと海」です。 さて、タニア・リベルターによる「アルフォンシーナと海」ですが、複数の異なるヴァージョンがあります。ライヴのものを別にしても、スタジオ録音のものだけでも筆者の手元には異なるものがあります。メジャーには安易に乗っからずに、マイナーレーベルでアルバムを出し続けているアーティストだけに、どれがいつ出たものでどこに収められているのかはっきりわからないのですが、個人的に気に入ったものからピックアップということでご覧ください。 一つめがギター伴奏ヴァージョン、下はピアノ伴奏ヴァージョンです。 でもって、“海へ身を投げた~”という表題が何なのか、と疑問の方もいらっしゃるかもしれませんが、1回の記事にするには長くなってしまいそうです。話の続きは、次回更新まで少々お待ちください。(後編へ続く)[収録アルバム]Tania Libertad / Alfonsina y el mar(1989年)その他、ベスト盤・ライヴ盤等にも収録。 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2014年11月30日
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ビクトル・マヌエルの名曲・名唱選(その1) 前回、アナ・ベレン(Ana Belén)とビクトル・マヌエル(Víctor Manuel)によるヒット曲(過去記事)を取り上げましたが、その後、2人のライヴ盤を聴き返したり、いろんな動画を見たりしていました。結局、個人的にはビクトル・マヌエルについつい注目が行ってしまうのですが、折角ですので、不定期に少しずつということで、彼の曲の中からお気に入りをいくつか取り上げてみようということにしてみます。 とりあえず、初回となる今回は「ソロ・ピエンソ・エン・ティ(Sólo pienso en ti)」というナンバーです。多くのファンから彼のベスト・ソングと言われている曲で、表題は日本語訳すると、「あなたのことだけを想う」といった意味になります。 タイトルからだけではわかりにくいのですが、この曲はいわゆる知的障害を持った実在のカップルの話を元にしたそうで、1978年にビクトル・マヌエルが曲を書き、翌79年に発表されました(アルバム『ソイ・ウン・コラソン・テンディード・アル・ソル』に収録)。 上のビデオは1997年のライヴ映像ですが、この曲は発表後も長らく愛され続け、発表から25年後の2004年にはスペイン国営テレビの番組『私たちのベスト・ソング』ではスペイン語人気曲の6位に選ばれています。[収録アルバム]Víctor Manuel /Soy un corazón tendido al sol (1979年)下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2014年11月28日
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スペインの女優&女性シンガーのヒット曲 昨日、急に聴きたくなったのが、この曲。このブログでは何度か同じような話を書いているわけですが、音楽というものは、突然、特定の曲が聴きたくなってたまらなくなったりするもので、そうなるといてもたってもいられなくなります。今回はアナ・ベレン(Ana Belén)の「コンタミナメ(Contamíname)」という、90年代の曲がそれでした。 この曲は、スペイン領カナリア諸島出身のシンガーソングライター、ペドロ・ゲラ(Pedro Guerra)のペンによるものです。アナ・ベレンのパートナーであるビクトル・マヌエル(Víctor Manuel)とのデュエットで、シングルとしてヒットしました。 ちなみに、このヴァージョンが収録されたライヴ・アルバム(『ムチョ・マス・ケ・ドス』、1994年)のほかに、アナ・ベレンは、その2年後の1996年にも優れたライヴ盤(『エル・グスト・エス・ヌエストロ』)を発表しています。そちらの方は、V・マヌエルのほか、ミゲル・リオス、ジョアン・マヌエル・セラーとの共演盤です。4人で共演しているそのヴァージョンもどうぞ。 この2つのビデオをご覧になって分かるように、アナ・ベレンというのは、美貌とシンガーとしての才能(さらには女優としての才能)を持ち合わせた人で、“天は一人にいくつもの才能を与えることがある”こともあるというのを示す典型のような人(?)です。個人的にこのタイプの美人は別に好みではありませんが(笑)、でも、いつか一度は直に見てみたい人です。余談ながら、とある友人はアナ・ベレンとビクトル・マヌエルに会ったことがあるそうで、何ともうらやましい話です…。下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2014年11月26日
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代表盤というよりは病みつき盤、飄々としたコルトレーンの調べ ジョン・コルトレーン(John Coltrane)の名盤の一つとして取り上げられることも多いのだけれども、個人的には少し特異な、つまりは代表盤と呼ぶには憚れるのかなと思うのが、本盤『マイ・フェイバリット・シングス(My Favorite Things)』である。 この盤の特徴は何かと訊かれると、中毒性の強い盤、あるいは“病みつき盤”と呼びたいように思う。40歳で没したという、残念ながら決して長くはない彼のキャリア全体を振り返ってみれば、やはりコルトレーンは第一にテナーの人だと言えると思う。つまり、コルトレーンが本来のテナー・サックスではなく、ソプラノ・サックスを演奏(1.と2.でソプラノを演奏)している点で、“代表盤”とは言い難いように思う(もちろん、代表盤と名盤は同義ではない)。 そのようなわけで、まずもって第一の聴きどころは、表題曲の1.「マイ・フェイヴァリット・シングス」。そもそものソプラノ・サックスの音色というのもあるのだろうけれど、何よりも飄々としたコルトレーンの演奏が聴き手には刻み込まれる。言葉にするのは難しいのだけれど、“抑揚をつけようとしない風に見えて抑揚がついている”といった感じ、とでも言えば、少しはニュアンスが伝わるだろうか。よくコルトレーンは“シーツ・オブ・サウンド”という用語とともに、“たくさんの音”に溢れてるというイメージで語られることもあるけれど、この曲を聴けば、音はただ敷き詰められるだけでなく、必要に応じて空白が設けられていて、演奏者(コルトレーン自身)が必要と感じた時に一気に溢れ出てたたみかけるということ、そして逆に“空白部分”はみごとに空白なのだということも見てとられるように思う。 この傾向はテナーを吹いている3.と4.でも同様で、1.がいちばんの聴きどころであることは別にしても、これら2曲だけでもコルトレーンの真髄がよくわかるような気になる。ちなみに、本盤のセッションでアルバムに収録されなかったものは、後の『夜は千の眼を持つ』にも収録されている。[収録曲]1. My Favorite Things2. Everytime We Say Goodbye3. Summertime4. But Not For Me[パーソネル、録音]John Coltrane (ts, ss)MacCoy Turner (p)Steve Davies (b)Elvin Jones (ds)1960年10月21,24,26日録音。 [枚数限定][限定盤]マイ・フェイヴァリット・シングス(モノラル・ヴァージョン)/ジョン・コルトレーン[CD]【返品種別A】 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2014年11月23日
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少々タイミングを逸してしまいましたが、本ブログのアクセス数が560000HITを超えました。 ご覧いただいている皆様にあらためて感謝いたします。 今後とも引き続きご愛顧ください。 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2014年11月20日
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英語とスペイン語で歌うスティング、その曲のスタンダード化 先日、80年代シリーズでスティングの「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」を取り上げましたが、ソロに転向してからのスティングは一気にアーティスト性を強め、派手ではないものの名曲が次々に生まれていたという印象があります。 そんな中で急に聴きたくなったのが「フラジャイル(Fragile)」のスペイン語ヴァージョン。というわけで、今回はこれに関連したものを動画とともにいくつかご紹介します。 元の英語ヴァージョンは「イングリッシュマン~」と同じ『ナッシング・ライク・ザ・サン』(1987年)に収録されています。同盤は母の死、ジャズ系ミュージシャン(ギル・エヴァンス、ブランフォード・マルサリス、ケニー・カークランド)の参加、当時としては珍しかったフル・デジタル録音など、静かなトーンでアーティスティックな完成度の高さが全体の特徴になっていて、「フラジャイル」はその全体の傾向を代表する曲の一つです。 まずは英語版とスペイン語版を聴き比べでどうぞ。 このスペイン語ヴァージョン(およびポルトガル語ヴァージョンもあり)は、アルバム発表の翌1988年に5曲入りの企画盤『ナーダ・コモ・エル・ソル』に収録されました。 さて、とりわけこの曲は、名曲として他のアーティストにもよく取り上げられることとなりました。様々なアーティストに取り上げられますが、まずはスペイン語のものがスペイン語圏の大物によってカバーされたケースです。 南米の超大物女性歌手、メルセデス・ソーサ(アルゼンチン出身のフォルクローレ・シンガーで2009年死去)によるスペイン語ヴァージョン「フラヒリダー」のカバーをお聴きください。 ジャズの世界でもこの曲は取り上げられています。何と言ってもこれがベストと言えそうなのが、ケニー・バロンのピアノトリオによる演奏。タイトルの“フラジャイル” (壊れやすい、の意)そのままに繊細な演奏が秀逸です。この演奏については、実は以前に過去記事でも取り上げていますが、スティング、メルセデス・ソーサのものと並べて再掲したいと思います。 [収録アルバム]Sting / Nothing Like the Sun(1987年)Sting / Nada como el sol(1988年)Mercedes Sosa / Gestos de amor(1994年)Kenny Barron Trio / The Moment(1991年) 【メール便送料無料】スティングSting / Nothing Like The Sun (輸入盤CD) (スティング) 【メール便送料無料】ケニー・バロン・トリオ / ザ・モーメント[CD]下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2014年11月19日
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気がついてみたら、しばらくINDEXページを更新していませんでした。 ちょうど1か月ぶりになりますが、INDEX(ジャンル別、アーティストのアルファベット順)を更新しました。ここ最近の記事を追加しています。 INDEXページへは、下のリンク、もしくは本ブログのトップページ右欄(フリーページ欄)からお入りください。 アーティスト別INDEX~ジャズ編(A-G)へ → つづき(H-L)・つづき(M-Z) アーティスト別INDEX~ロック・ポップス編(A-E)へ → つづき(F-N)・つづき(O-Z) アーティスト別INDEX~ラテン系(ロック・ポップス)編へ アーティスト別INDEX~邦ロック・ポップス編へ下記ランキングに参加しています。応援くださる方は、各バナー(1つでもありがたいです)をクリックお願いします! ↓ ↓ にほんブログ村 : 人気ブログランキング:
2014年11月16日
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気まぐれ80s~5thシーズン(その10) 80年代後半のスティング(Sting)のこの曲で、第5シーズンの締めとしたいと思います。スティングは、80年代前半まではポリス(The Police)での活動で知られますが、1985年にソロ活動を開始して以降、急速にメッセージ性と芸術性を高めていったような気がします。1987年リリースの『ナッシング・ライク・ザ・サン』所収のこの曲、「イングリッシュ・マン・イン・ニューヨーク」(シングルとしては1988年発売)は、そうした側面を如実に示す1曲だったのではないかと思ったりするわけです。 ブランフォード・マルサリス(ジャズ・サックス奏者で、ウィントン・マルサリスの実兄)がサックスで参加していることでも有名な曲ですが、ロックという枠には特に拘らず、ジャズ系のミュージシャンとも交流しながら、それを吸収するというよりは、元からそれがバックグラウンドの一部であるかのように自然に演じていたという印象があります。 そんなわけで、そうした方向性の先に位置づけられそうな別の動画をご覧ください。2010年、ベルリンでのライヴの様子で、王立交響楽団との共演の模様です。 何とも板についているというか、こういうことを自然な感じにやってのけるスティングは素晴らしいと再認識できる映像ではないかと思ったりします。[収録アルバム]Sting / Nothing Like the Sun(1987年) 【メール便送料無料】スティング / ナッシング・ライク・ザ・サン[CD] 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2014年11月14日
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気まぐれ80s~5thシーズン(その9) 大物アーティストの共演企画というのはたまにありますが、これほど見事なまでの大物たちが“覆面バンド”(といっても正体ばればれだったわけですが)というのは、珍しい例だったと言えるかもしれません。トラヴェリング・ウィルベリーズ(The Traveling Wilburys)が1988年にリリースしたシングル、「ハンドル・ウィズ・ケア(Handle With Care)」です。 メンバーは、ボブ・ディラン、ジョージ・ハリスン、ジェフ・リン、ロイ・オービソン、トム・ペティの5人。体裁は、所属や権利関係を超えたあくまで“覆面バンド”ですので、メンバー名はこれと同じ順に並べると、ラッキー・ウィルベリー、ネルソン・ウィルベリー、オーティス・ウィルベリー、レフティ・ウィルベリー、チャーリー・T・ウィルベリー・Jr.。まあ、いい加減な名前の付け方です(次作の『Vol. 3』ではこの名前すら変わっていたりしますし)。 メンバーのうち、ロイ・オービソン(1988年没)、ジョージ・ハリスン(2001年没)は既に鬼籍に入ってしまいました。以下は、ジョージの追悼コンサートの模様です。トム・ペティと彼のバンド(ハートブレイカーズ)を中心に、ジェフ・リン、さらにはジョージの息子ダーニ・ハリスンも参加したライヴの映像です。 息子のダーニ・ハリスン、面影がありますね。[収録アルバム]The Traveling Wilburys / Volume One (1988年リリース)↓元のアルバム単体はこちら↓ 【メール便送料無料】トラヴェリング・ウィルベリーズTraveling Wilburys / Traveling Wilburys, Vol. 1 (輸入盤CD)(トラヴェリング・ウィルベリーズ)↓オリジナル・アルバム2枚セット+DVDのお得盤↓ トラヴェリング・ウィルベリーズTraveling Wilburys / Traveling Wilburys Collection (w/DVD) (輸入盤CD) (トラヴェリング・ウィルベリーズ) 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーを“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2014年11月12日
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気まぐれ80s~5thシーズン(その8) またも少し間が空いてしまいましたが、80年代ナンバーを紹介するシリーズを続けたいと思います。 ティーアズ・フォー・フィアーズ(Tears For Fears,略してTFT)は、1981年にデビューし、その後10年ほどの間に様々なヒットを生んだイギリスのデュオでした。デビュー盤からは何曲かが全英でヒットし、その次のセカンド盤からは全米でもチャート上位を記録するヒット・シングルが生まれました。その時期の一曲、「ルール・ザ・ワールド(Everybody Wants To Rule The World)」です。9枚目のシングルとして1985年に発売され、全米・全英共に1位の記録を残しています。 ローランド・オーザバルとカート・スミスの2人組がサポート・メンバーを加えるというスタイルで、バンドとしては常に2人という構成でした。そのせいか、第二次ブリティッシュ・インヴェイジョンの時期に重なったものの、英国的バンド・サウンドの典型と言うよりは、シンセを用いたポップな中に柔らかいアコースティックな雰囲気を保つという独特のサウンドを得意としていました。 彼らは80年代末までヒットを飛ばしますが、90年代に入ってカートが脱退し、TFT自体はローランドのソロ・プロジェクト的な性格を持っていきます。けれども、2000年代に入ってから両者は再び合流、現在も活動を続けているもようです。 そんなわけで、今回は1985年当時のライヴ映像と、再結成後の2006年の映像とを聴き比べ、というわけで、2つ続けてご覧ください。 [収録アルバム]Tears For Fears / Songs from the Big Chair(シャウト)(1985年) 【メール便送料無料】ティアーズ・フォー・フィアーズ / シャウト[+7][CD] 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2014年11月10日
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1980年代前半、ジョー・ジャクソンの代表盤 1954年英国出身のミュージシャン、ジョー・ジャクソン(Joe Jackson)は、70年代末から現在まで活躍しているミュージシャンだけれど、その代表作はと訊かれるとなかなか一筋縄ではいかない。初期にはジャイヴやラテン音楽への系統を示したかと思えば、その後もジャズやクラシックの影響(極めつけはオーケストラ演奏盤の『ウィル・パワー』というアルバムもあった)、またその後にはうつ病で休止期間を経てからのシンプルなロック編成バンドへの復帰と、長いキャリアで音楽性を次々に変化させてきたという側面があるからだ。 とはいえ、代表作の一つ(上述の経緯のため、確かに“これぞ代表作”は難しいかもしれないが)と言えそうなのが、1982年の5th作『ナイト・アンド・デイ(Night and Day)』である。アルバムのチャート・アクション、シングルのヒットと売り上げや大衆的人気の面から代表盤であるというのは、あながち間違ってはいない。 アルバムのチャート順位としては、全英3位、全米4位、さらにはオランダで2位を記録した。シングル曲としては、5.「夜の街へ(ステッピン・アウト)」がイギリスとアメリカで6位(カナダでは4位)、グラミーにもノミネートされた。さらには、6.「危険な関係(ブレーキング・アス・イン・トゥー)」も全米18位(イギリスでは59位)を記録した。 これら2曲は本作のハイライトの一部ではあるけれども、別項で書いたように、9.「スローな曲をかけてくれ(ア・スロウ・ソング)」は聴き逃せない最大のハイライトである。さらに本盤の秀逸な点をもう一つ付け加えると、その緩急(もしくは全体としての流れのよさ)にある。6.や9.のようなきれいなメロディばかり聴かされては、聴き手は飽きそうなものである。けれども、実際に本盤を聴けば分かるように、もう少しアップテンポな曲と、じっくり聴かせる曲がうまく織り交ぜられている。しかもそれらをつなぐ共通項は、“都会的”という表現になるように感じる。アルバム表題はコール・ポーターから採ったとのことだが、アメリカ、都会、ニューヨーク(実際、ニューヨーク録音だったりする)といったキーワードが緩急ある楽曲群を一括りにしているという感じがする。 そのようなわけで、ほとんど文句のつけようのないアルバムなのだが、唯一、LP時代から気になっていることがある。手持ちのCD(だいぶ古い米盤)もそうなのだけれど、妙に音圧が低い。現行のCDでは改善されているのだろうか…。ちなみに、LP時代のA面(1.~5.)は“Night Side”、B面(6.~9.)は“Day Side”と名付けられていて、アルバム表題の“夜”と“昼間”に対応した曲の並びになっている。[収録曲]1. Another World2. Chinatown3. T.V. Age4. Target5. Steppin’ Out6. Breaking Us In Two7. Cancer8. Real Men9. A Slow Song 1982年リリース。 【輸入盤CD】Joe Jackson / Night And Day (ジョー・ジャクソン) 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2014年11月07日
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2014年11月03日
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少し趣向を変えた編成でありながら、実はドナルドソンらしさに溢れた一枚 ルー・ドナルドソン(Lou Donaldson)は1952年の初リーダーセッション(参考過去記事)以降、多くの作品をブルーノートに吹き込んだわけだけれど、60年代半ばに数年間、アーゴに移籍し、ブルーノートから距離を置いた時期がある。そして4年ぶりにブルーノートでの復帰作となり、しかもシングルとして表題曲もヒットしたというのが、本盤『アリゲイター・ブーガルー(Alligator Bogaloo)』である。 ヒットしたからといって、これがルー・ドナルドソンの代表盤になるかというと、そこは少し留保が必要だろう。いかにも彼らしいのは、やはりそれ以前のものだという気がする。ちょうど1958~61年あたり(例えばこれもその時期に該当)の作品群の方が、彼の代表作を選ぶにはいいように思う。 他方、本盤の方はと言うと、はオルガンおよびギター入りのメンバー構成。ギター(ジョージ・ベンソン)、オルガン(ロニー・スミス)、ドラム(レオ・モリス=後に改名してアイドリスもしくはイードリス・ムハマド)を土台に、ルー・ドナルドソンのサックス、さらにはメルヴィン・ラスティーのコルネット(6.を除いて全曲に参加)という編成になっている。 そのようなわけで、3.や4.のようにオルガン色の濃い演奏も含まれるが、それ以外に随所でいい味を出しているのが若き日のジョージ・ベンソン。このギタリストがマイルスの作品(『マイルス・イン・ザ・スカイ』)の吹き込みに参加するちょうど前年の演奏が本盤ということになる。 そして、何よりもルー・ドナルドソンの演奏。上記の顔ぶれによって、一聴した感じはそれ以前の諸作と大きく違う印象なのだけれど、落ち着いて彼のプレイを聴くと、実は彼らしいアルトを吹いている。特に表題曲の1.「アリゲイター・ブーガルー」、3.「ザ・サング」、5.「レヴ・モーゼス」あたりが個人的にはお気に入り。軽快でいて、ブルース、R&Bといった背景のある粘り気がうまく同居しているように思う。全体の統一感がやや不十分な気がしないでもないけれど、結論としては、これもまた実は“彼らしい”作品なんだろうと思う。[収録曲]1. Alligator Bogaloo2. One Cylinder3. The Thang4. Aw Shucks!5. Rev. Moses6. I Want a Little Girl[パーソネル、録音]Lou Donaldson (as)Melvin Lastie (cor)Lonnie Smith (org)George Benson (g)Leo Morris (ds)1967年4月7日録音。 【RCP】【Joshinはネット通販部門1位(アフターサービスランキング)日経ビジネス誌2013年版】アリゲイター・ブーガルー/ルー・ドナルドソン[CD]【返品種別A】下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2014年11月01日
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