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2309 真昼の死闘※ジャケット(オモテ面)【 スタッフ 】監 督 ドン・シーゲル製 作 マーティン・ラキン キャロル・ケイス脚 本 アルバート・マルツ撮 影 ゲイブリエル・フィゲロア音 楽 エンニオ・モリコーネ【 キャスト 】ホーガン………クリント・イーストウッドサラ……………シャーリー・マクレーンベルトラン……マニュエル・ファブレガスルクレア将軍…アルベルト・モラン※ジャケット(ウラ面)【 仕 様 】型 番 UJRD-34952製作年度 1969年製 作 国 アメリカ原 題 TWO MULES FOR SISTER SARA発 売 元 ユニバーサル・ピクチャーズ・ ジャバン株式会社販 売 ----提 供 ----価 格 ----字幕翻訳 木原たけし吹替翻訳 ----吹替演出 ----制作協力 ----日本公開 ----リリース 2003.収 録 本編 約 114分サ イ ズ 16: 9 LB シネスコサイズ音 声 1.英語 2.0ch モノラル字 幕 1.英語字幕 2.日本語字幕 3.中国語字幕(3言語) 4.タイ語字幕 5.韓国語字幕 6.インドネシア語そ の 他 片面2層、MPEG-2、COLOR、複製不能、 2 NTSC 日本市場向、 DVD VIDEO、レンタル専用映像特典 ----※ディスク【 ジャケット 】オモテ面:----ウラ面 :クリント・イーストウッド主演の 凄絶痛快ウエスタン・アクション! 烈風吹きすさぶ荒野の 不死身のガンマンの死闘!ホーガン(クリント・イーストウッド)とラバにまたがるシスター・サラ(シャーリー・マクレーン)。どうと言うことのないジャケットだけど、原題が『TWO MULES FOR SISTER SARA』であることを考えると、なかなかウィットに富んでいる。「MULE」は「ラバ」のことだけど、「頑固なヤツ」とか「運び屋」とかを意味する。つまり、ホーガンのことだ。原題がそのままジャケットになっているところが面白い。【 感 想 】「なんか可愛いシャーリー・マクレーン」肩肘張らずに観られるウエスタン・コメディ。その上、舞台がメキシコなのでマカロニ風。然も、ヒロインがシャーリー・マクレーンときた。ハードな描写とライトなコメディ演出が奇妙な雰囲気をかもし出している。監督は、ドン・シーゲル。『マンハッタン無宿(69)』に続いてクリント・イーストウッドとタッグを組んだ2本目。冒頭のタランチュラを馬が踏み潰すシーンが象徴するように残酷描写や爆発シーンに力が入っている一方、シャーリー・マクレーンのコミカルな演技が観客を惹き付ける。原案は、バッド・ベティカー。オスカーを受賞した闘牛士映画の名作『美女と闘牛士(51)』や西部劇の『七人の無頼漢(56)』を撮った監督さん。脚本は『ブーベの恋人(63)』のアルバート・マルツ。やはり、オスカーを受賞している名脚本家である。本作品の後、C.イーストウッド主演の『白い肌の異常な夜(71)』を書いている。撮影は、ガブリエル・フィゲロア。ルイス・ブニュエル監督の諸作品だけでなく、ジョン・フォード監督の『逃亡者(47)』や戦争コメディの佳作『戦略大作戦(70)』、ジョン・ヒューストン監督の『火山のもとで(84)』を撮った方。オスカーやゴールデングローブ、カンヌでもヴェネチア国際映画祭でも撮影賞を受賞している。音楽は、名匠エンニオ・モリコーネ。この方の説明は必要あるまい。製作のマーティン・ラッキンはジョン・フォード監督の『騎兵隊(59)』や『アラスカ魂(60)』等の脚本を書いた方。キャロル・ケイスは『ビリー・ザ・キッド対ドラキュラ(65)』や『ジェシー・ジェームズ対フランケンシュタインの娘(65)』を製作した方。(うーん、この2本は是非観たい)主だったスタッフを眺めるだけで楽しい布陣だ。豪華だなぁ。然も、主役はクリント・イーストウッドとオスカー女優のシャーリー・マクレーンだ。これで面白くないワケがない。なのでオススメ!【 クリント・イーストウッド出演作品 】『0877 ダーティハリー [THE DIRTY HARRY COLLECTION/ブルーレイ]』『0878 ダーティハリー2 [THE DIRTY HARRY COLLECTION/ブルーレイ]』『0879 ダーティハリー3 [THE DIRTY HARRY COLLECTION/ブルーレイ]』『0880 ダーティハリー4 [THE DIRTY HARRY COLLECTION/ブルーレイ]』『0881 ダーティハリー5 [THE DIRTY HARRY COLLECTION/ブルーレイ]』『0977 ザ・シークレット・サービス [ブルーレイ]』『0175 スペースカウボーイ』『1484 ブロンコ・ビリー [CLINT EASTWOOD COLLECTION]』『1875 ルーキー [ブルーレイ]』『1995 夕陽のガンマン』
2024.03.21
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1995 夕陽のガンマン※ジャケット(オモテ面)【スタッフ(参考)】・監 督 セルジオ・レオーネ・脚 本 セルジオ・レオーネ ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ・製 作 アルトゥーロ・ゴンザレス アルベルト・グリマルディ・音 楽 エンニオ・モリコーネ・撮 影 マッシモ・ダラマーノ・編 集 ユージェニオ・アラビソ ジョルジョ・セッラロンガ【キャスト(参考)】・クリント・イーストウッド・リー・ヴァン・クリーフ・ジャン・マリア・ヴォロンテ※ジャケット(ウラ面)【仕 様】・型 番 GXBR-16170・製作年度 1965年・製 作 国 イタリア・西ドイツ・スペイン・原 題 FOR A FEW DOLLARS MORE・発 売 元 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社・販 売 ----・提 供 ----・価 格 ----・字幕翻訳 ----・吹替翻訳 ----・吹替監修 ----・監 修 ----・日本公開 ----・リリース 2000.・収 録 132分(本編)・サ イ ズ LB シネマスコープ・サイズ・音 声 1.オリジナル (モノラル)・字 幕 1.日本語字幕 2.英 語字幕・そ の 他 片面1層、COLOR、MPEG-2、複製不能、 DOLBY DIGITAL、2 NTSC 日本市場向、 DVD、レンタル専用・映像特典 オリジナル劇場予告編※ピクチャディスク【ジャケット】・オモテ面:----・ウラ面 :マカロニ・ウエスタンの傑作。 “名なし”の早撃ちが策謀を撃ち砕く。このDVDがリリースされたのが、2000年なので、仕様が古臭い。レターボックスのシネマスコープ・サイズでの収録とのことだが、私のプレイヤーとモニターでは、 4: 3で左右に帯が入ってしまう。それに、故・山田康雄さんの素晴らしい吹替えも収録されていない。まぁ、ジャケットはこんなモンかなぁと思うけど、ウラ面の情報不足はいかんともし難い。日本語の[クレジット(スタッフ&キャスト]もない。(英文はある) [ストーリー]の記載もないし、[本編画像]も物足りない。カッコイイ場面がいくらでもあるのだから、もっと充実させて欲しいなぁ。(溜息)【感 想】「不朽の名作」何で邦題が『夕陽のガンマン』なんだろうと、ずっと思っていた。「夕陽なんて出て来ないじゃん!」と。でも、今回久しぶりに鑑賞して見つけました。最後の最後、リー・ヴァン・クリーフが去って行く1カットだけ、夕景だった。「よくこのカットだけ拾ってタイトルに反映させたなぁ」と、ちょっと感心してしまった。(笑)言わずと知れたセルジオ・レオーネ監督の名作である。『荒野の用心棒』に続く《ドル箱3部作》の2作品目。(3作品目は『続・夕陽のガンマン』) インパクトとしては『荒野の用心棒』に劣るが、個人的にはユーモラスなシーンと切ないシーンのバランスが絶妙な本作品の方が好きだ。とは言っても、S.レオーネ監督は、作品数が圧倒的に少ないので、振り返ると、どれもこれも名作ばかり。優劣は付け難い。――賞金稼ぎのモーティマーは或る日のこと、もう一人の賞金稼ぎ《モンコ(名無し)》と出会う。二人ともインディゴ一味を追っていた。何しろ、インディゴだけで賞金額は 1万ドル、手下を入れれば 2万ドル以上になる。モーティマーとモンコは、協力してインディゴ一味を一網打尽にして賞金を山分けすることで合意する。まずは、モンコが一味に潜入することになる。インディゴの友人を牢屋から助け出して信頼を得たモンコは、彼らがエルパソの銀行を襲う計画を立てていることを知る。モンコは陽動作戦のために、仲間数名と小さな銀行を襲うように命じられる。一方、モーティマーは、ごく私的な理由でインディゴに近づこうとしていた。……というお話し。実のところ、主人公は、モーティマー(リー・ヴァン・クリーフ)である。彼がインディゴを狙う理由は賞金ではなく、妹夫婦を殺された復讐であることに泣かされる。クールでニヤけた伊達男に見えて、実は情に従う熱い男。それは、名無し(クリント・イーストウッド)とは対照的だ。インディゴもまた、モーティマーの妹を愛していた。インディゴの愛は受け入れられず、彼に夫を殺されたモーティマーの妹は自殺し、モーティマーは復讐を誓い、インディゴは深い喪失感に苛まされる。モーティマーとインディゴが持っていたオルゴールの音色が切ない。髭面の暑苦しい男たちが銃で殺し会う映画のように見せておいて、メインのストーリーは、ドロドロした愛憎劇である。その狭間でユーモラスに立ち振舞う名無しは、ホッとする清涼剤のよう。このイメージは、イーストウッドのキャラクタとシンクロして行く。それを、見事に表現したエンニオ・モリコーネの音楽もまた、素晴らしい。メインテーマが鑑賞後も、いつまでも耳に残っている。劇伴も楽しい。今年、亡くなってしまったことが、惜しまれる。飄々としたイーストウッドも楽しいが、渋いリー・ヴァン・クリーフが滅法カッコイイ作品だった。超オススメ!【 セルジオ・レオーネ監督作品 】『1021 ロード島の要塞 HDマスター版』『0868 ミスター・ノーボディ』【 クリント・イーストウッド出演作品 】『0877 ダーティ・ハリー』『0878 ダーティ・ハリー2』『0879 ダーティ・ハリー3』『0880 ダーティ・ハリー4』『0881 ダーティ・ハリー5』『0977 シークレット・サービス』『0175 スペースカウボーイ』『1484 ブロンコ・ビリー』『1875 ルーキー [ブルーレイ]』【 エンニオ・モリコーネ音楽作品 】『0757 72M』『1022 ソドムとゴモラ』
2020.09.19
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1484 ブロンコ・ビリー [CLINT EASTWOOD COLLECTION]※オモテ面【スタッフ】・監 督 クリント・イーストウッド・製作・脚本 デニス・ハッキン・撮 影 デビッド・ワース【キャスト】・ブロンコ・ビリー……………クリント・イーストウッド・アントワネット・リリー……ソンドラ・ロック・ジョン・アートリン…………ジェフリー・ルイス※ウラ面【仕 様】・型 番 DLR-11104・製作年度 1980年・製 作 国 アメリカ・原 題 BRONCO BILLY・発 売 元 ワーナー・ホーム・ビデオ・販 売 ----・提 供 ----・価 格 ----・字幕翻訳 高瀬鎮夫・吹替翻訳 ----・吹替版制作 ----・吹替演出 ----・日本公開 ----・リリース 2001.・収 録 117分・サ イ ズ 16: 9 LB ビスタサイズ・音 声 1.オリジナル (ドルビーサラウンド)・字 幕 1.日本語字幕 2.英語字幕・そ の 他 片面 1層、COLOR、MPEG-2、 DOLBY DIGITAL、 2 NTSC 日本市場向 輸出禁止商品、 DVD VIDEO、レンタル専用商品・映像特典 ----※ディスク【ジャケット】・オモテ面:----・ウラ面 :曲撃ち、荒馬乗り、ナイフ投げ……。 イーストウッド監督・主演、 ウエスタン・コメディ。昔の映画ポスターのような雰囲気のジャケットだ。テントの前に立つ看板には、“CLINT EASTWOOD”“BRONCO BILLY”と記されている。主要な登場人物が揃い踏みのイラストってのも、何だか微笑ましい。やっぱり西部劇には、こういうテイストが似合うよなぁ。(苦笑)ウラ面は、ワーナーらしいシンプルなデザイン。本編画像3枚ともクリント・イーストウッドだ。キャッチコピーもクレジットも最小限しか記載されていない。作品に対する自信の現れが、そうさせるんだろう。この辺りは、弱小プロダクションが製作し、弱小配給会社からリリースされるC級ホラー映画なんかとは一線を画している。いいジャケットだ。(♪)【感 想】「西部への郷愁とロマンス」西部への郷愁をこめたロマンス映画。いつ観ても楽しい。(笑)何しろ、オープニングのタイトルバックと主題歌にしびれてしまう。本編中、随所で流れるカントリーミュージックも素晴らしい。――曲乗りや早撃ちで観客を古き善き西部の世界に誘う《ワイルド・ウェスト・ショー》。団員を連れて全米を巡業して回る“ブロンコ”・ビリー・マッコイには夢があった。牧場を買って、団員たち皆で暮らすのだ。けれど、現実はそんなに甘くはない。ビリーの女性アシスタントは直ぐに辞めてしまうし、観客は日ごと減って行く。団員に給与すらまともに支払うことが出来ない。そんな或る日、ビリーは、リリーと出会う。彼女は資産家の一人娘だった。父親の財産を相続するために嫌な男と結婚をしたものの、ワガママが祟って身の回りの物を全て持ち逃げされてしまう。無一文のリリーは仕方なく、ビリーの一座に厄介になるが、生来の性格が災いしてトラブルばかり。さすがのビリーも辟易し始めた頃、思いも掛けないトラブルに見舞われてしまう。……というお話し。基本的なストーリーは、『或る夜の出来事』とか『ローマの休日』なんかと同じ。生まれも育ちも違う男と女が、出会い、喧嘩し、惹かれ合って行く姿を、雄大な大地を背景に描き出す。クリント・イーストウッドらしい作品だった。1930年生まれのクリント・イーストウッドは、撮影当時は50歳くらい。まだ若さの残る風貌がロマンス映画を成立させていると言える。いくら何でも、今は無理だもんね。(90歳で監督・主演で新作をリリースするなんて、それだけで凄いことだと思う)正直、ソンドラ・ロックは、あまり好きじゃない。ふとした表情が「ジュリア・ロバーツに似ているな」と思う時もあるが、決定的に愛嬌が足りない。もう少し可愛らしいところを見せてくれていたら、興行的にも成功したかも知れない。ちょっと残念に思っている。ウエスタン・サーカスは、明らかに時代遅れだ。設備は古い、愛馬も脚を故障している。団員たちの中には若い人もいるが、一般社会からドロップアウトした人ばかり。テントが燃えてしまうのも終焉を象徴している。ヤケクソ気味に行う列車強盗の滑稽さにも涙が出る。時代は、決して戻らないのだ。(溜息)本作品を観ると、サム・ペキンパー監督作品の『ジュニア・ボナー』を思い出す。主演はスティーブ・マックィーン、撮影は名手ルシエン・バラード。あの名作にも匹敵する郷愁は、もっと評価されても良いと思う。いい作品だ。オススメ!
2019.04.27
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0868 ミスター・ノーボディ※オモテ面【スタッフ】----【キャスト】----※ウラ面【仕 様】・型 番 AWD-210・製作年度 1974年・製 作 国 イタリア・フランス・ドイツ・アメリカ・原 題 MY NAME IS NOBODY・提 供 ----・発 売 元 ----・販 売 元 ----・価 格 ----・字幕翻訳 ----・吹替翻訳 ----・脚 色 ----・公 開 ----・リリース ----・収 録 115分・サ イ ズ 16: 9・音 声 1.2.0ch Surround・字 幕 1.日本語字幕 2.韓国語字幕 3.字幕なし・そ の 他 片面1層、COLOR、MPEG-2、DOLBY DIGITAL、 NTSC、DVD、セル専用・映像特典 ----※ピクチャディスク【ジャケット】・オモテ面:----・ウラ面 :伝説のガンマンにヘンリー・フォンダ、 風来坊にテレンス・ヒルを起用した 名匠ヴァレリのコメディ風味の 本格派ウエスタン! ほのぼのした巨匠モリコーネの音楽が 耳に残る!好きな作品なので勇んで買ったら、どうやら韓国製らしい。日本の発売・販売元の表記もない。ジャケットには“MADE IN KOREA”と記載されているし、ディスクにはハングル文字も見られる。これって、海賊版ってことか? でも、それだったら“MADE IN KOREA”とはうたわないだろう。何ともみょうちきりんなDVDだ。ジャケットのオモテ面とウラ面に使われている画像も、あまり良くない。この辺からも怪しい雰囲気が漂っている。ホームセンターやコンビニで売られている商品は、過剰在庫の整理くらいの認識しかなかったが、もっと別な販路の末端なのかも知れない。【感 想】「金田一耕助の冒険」公開当時、このヘンテコな作品は、“映画スズメ”たちの間で賛否両論だった。チラシのイラストをみてコメディだと思った人は、意外とセンチメンタルで真面目な展開に少し怯んだようだ。セルジオ・レオーネが製作する限り、正統派のマカロニ・ウエスタンだと思った人は、テレンス・ヒルのキャラクタに面食らったらしい。私のように何も考えていない人は、壮大なパロディ映画だと思った。(笑)どれも正しくあり、どれも正しくない。何ともフトコロの深い作品だ。(笑)思えば、70年代は、西部劇が衰退し、組織の腐敗だのオカルトだの不条理殺人だの、やりきれない映画が流行っていた。血と砂にまみれたマカロニ・ウエスタン特有の殺伐さとは、ちょっと違う。熱い血ではなく、冷たい血が流される映画が主流になりつつあった。そんな最中に公開された本作品は、西部劇を代表する大御所ヘンリー・フォンダを担ぎ出して、引退しようとする“伝説のガンマン”ジャック・ボレガードを演じさせた。実に興味深い。このキャスティングだけで、何かを物語っている。「西部劇の時代は終わったのだよ」と言っているようだし、「ヒーローは要らない。これからは、名もなき市民が主人公だ」と言っているようでもある。如何ようにも解釈できるだろう。いずれにしたところで、本作品が、失われゆくものへの挽歌であることに間違いはない。セルジオ・レオーネに関する研究は、主に欧州で盛んだが、この日本でも解説書は読むことが出来る。実に皆さん、よく観ていらっしゃる。(笑) ビデオが普及する前の書籍もある。どうやったら、あんな風に細部まで記憶できるのか、驚嘆に値する。看板には何が書いてあったとか、実に喧しい。それだけ、S.レオーネの作品は、魅力にあふれているってことだろう。(『ウエスタン』の途中で寝てしまった私には何も言う権利はないが……)そうした本でも、本作品に言及している。扱い方も、さまざまだ。確かに、レオーネの原案のようだし、監督のトニーノ・ヴァレリに代わりレオーネが第2班監督を引き受けて一部のシーンを撮影したことは確からしい。そういう意味では、妙ちきりんなコメディ調のマカロニ・ウエスタンとは、ひと味違う。だいたい、セットの作りからしてA級だ。エンディングの港町のセットの見事なこと!それに、床屋! 床屋が2回出て来る。場末の町と栄えた港町。この違いだけでも、細やかに神経が使われていることがよく分かる。他愛のないシーンにも手を抜くことなく作り込んでいるのだ。そこに、他の作品にはない矜持をうかがい知ることが出来る。言ってみれば、“レオーネ”印だ。だから、本作品をセルジオ・レオーネ監督作品だと言う人がいるのかも知れない。私は、本作品を観ると、大林宣彦監督の『金田一耕助の冒険』を思い出す。この2つは、よく似ていると思うのだ。あの作品も、探偵推理小説への挽歌だった。個人的には、劇場公開版よりTV放映版の方が好きだ。大林監督が編集し、クライマックスに等々力警部を思う金田一耕助のモノローグをかぶせ、よりテーマが明確に伝わって来る仕上がりになっていた。優しくステキな作品だった。本作品も、クライマックスの後、ジャック・ボレガードのモノローグがかぶる。ボレガードから“ノーボディ”に向けた手紙の体裁だった。退いた者が、これから闘う者への手向けの言葉で綴られていた。――国も違えば、時代も違う。けれど、世代交代に寄せる思いは、洋の東西を問わず同じらしい。胸をうつコメディは、滅多にお目にかかれない。そのひとつが、ここにあることを幸せに思う。オススメ!
2017.08.19
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