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2024.09.17
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カテゴリ: ビーズログ文庫


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2024年8月刊
ビーズログ文庫
著者:もよりやさん

義姉たちから虐げられているひきこもり令嬢リリーベルは、辺境伯エリアスが花嫁を選ぶパーティーに侍女として同行することに。ところがこっそり育てているゴランちゃんが会場に飛び込んでしまい、慌てて追いかけるとー「これが『花嫁候補』です」冷たく不愛想なエリアスから適当に指名され、『1カ月のお試し婚(強制)』をすることになり…!?



登場人物
 リリーベル=継母と義姉たちに虐げられていた子爵令嬢。
  エリアス=辺境伯家当主。花嫁候補としてリリーベルを領地に連れ帰る。
   ゴラン=リリーベルが育てた伝説の魔草・マンドラゴラ
シャルロッテ=エリアスの花嫁の座を狙う侯爵令嬢。


魔獣を従え、国境を守護するスターリング辺境伯家。
現当主であるエリアスは王族ながら人嫌いで滅多に​社交の場に出ない事で有名だった。しかし、魔獣を扱えるのは代々スターリング家の者のみ。
厭世家とはいえ、跡継ぎを残してもらわねば困ると国王がエリアスのためにと花嫁候補を決めるためのパーティーを開くことに。
その日、王宮には貴族令嬢がひしめいていた。
義姉二人の世話係として一緒に王宮へとやって来たリリーベルは、無理矢理くっついて来たマンドラゴラのゴランちゃんが人に姿が見えないのをいいことに会場を走り回ったり悪戯しているのを見て冷や汗を掻いていた。
いい加減止めないと怪異現象と勘違いされて大騒動になりそう。
会場に潜り込みビチビチと跳ね回るゴランちゃんの捕獲に漸く成功した彼女は、突然腕を掴まれて引き起こされていた。
見ると礼装姿の頗る美形の青年。彼はリリーベルを真横に立たせると、私の花嫁候補はこの方ですと高らかに宣言。周囲の令嬢達は口々にあれってメイドですわよね?と声を上げている。居た堪れない気分を味わっているとその中で憎々し気に睨んでいる継母と義姉たちの姿が。
自分でもどういうことなのか訳が分からないんですけど~。
そんな彼女の腕をガッシリを掴み、じゃあ帰るかとエリアスは馬車にリリーベルを押し込み自らも乗り込むと遠い辺境の地へと連れ帰ったのだった。

王都から馬車で三日ほどかかってようやくたどり着いたスターリング領は、自然豊かな美しい地であった。事情も分からないままこんな遠い所まで、魔草たちのお世話もあるのに。
リリーベルは子爵邸の離れの納屋を住処とし、そこで様々な魔草を育てていた。ゴランちゃんもそのうちの一つ。まさか小鳥が落として行った不思議な種が伝説のマンドラゴラになるとは思いもよらなかったが。ゴランは意思を持ち自在に動き回ったり魔法まで使える特別な存在で、父まで亡くなって継母たちに虐げられるリリーベルのたった一人の友人となった。
ゴランのおかげで絶滅危惧種の魔草の種を入手できたし、元々土いじりが好きな彼女にとってその時間は究極の癒しだった。だが、暫くは帰れそうもない。
エリアスは屋敷に着くなり彼女に詫びた。
国王が自分を心配してくれているのは嬉しいけれど、正直人となりも知らない令嬢たちを並べてこの中から花嫁を選べと言われても、と困り果てていたらしい。
そこで彼はゴランを追いかけていたメイド姿のリリーベルに目を止め、使用人なら後で主人に事情を話して1ヶ月借り受ければいい。そう考えたのだそうだ。
花嫁候補とは互いの相性を知るために1ヶ月間お試し婚として共に過ごさねばならない。だから、期間が過ぎれば合わなかったとして解消するからその間付き合って欲しい。
報酬は払うからと頭を下げられ、その切実な様子にリリーベルはその頼みを引き受けたのだった。

その間、魔草の世話はゴランがハヤブサを魔法で操って子爵邸まで飛ぶというので、一先ずは安心だ。スターリング邸は規模の割に使用人の数は少なかったが、皆気の好い者ばかり。メイド姿の彼女のこともエリアスの花嫁候補として丁重に扱ってくれた。
寧ろ、タダ飯食って服まで誂えてもらい恐縮しきり。
せめて何か手伝いをと散策していると魔獣の厩舎が見えて来た。卵から生まれるが、見かけは狼に似ており額に一本角を持つ魔獣は気性が荒い。
どういうシステムなのかスターリング家の血筋の者にしか懐かず、その命で国境を守る生き物。興味が湧いて厩舎に近づけば一頭の魔獣が苦しそうに息を吐いて寝そべっている。
一緒にいたゴランが、リリーベルが先日収穫してそのままポッケに入れっぱなしだった魔草の実を与えろと指示するので、半信半疑で与えてみると魔獣が大量の毛の塊を吐き出した。
毛づくろいをする動物は球毛症になりやすい。見れば年寄りの個体の様でうまく吐き出せずに苦しんでいたようだ。お礼のつもりかさっきまで唸っていた魔獣に舐められていると、エリアスが慌てたように寄って来てリリーベルを𠮟りつけた。
どうやら、現状エリアス以外に懐かない魔獣は危険だからと言いたかったらしい。その場は素直に謝り、部屋に戻った彼女の後姿を見送った彼はその後、書斎でリリーベルの身上調査書を読んでいた。

報告書を読んで彼女が子爵家の正当な娘と知って驚愕。
しかも、幼少時に実母を亡くし彼女の為と後妻を受け入れた父は数年後に事故死していた。継母とその連れ子二人はリリーベルを虐げ成長した彼女をメイドのようにこき使っていたと聞いて怒りが湧いた。そしてメイドなら仕事として引き受けてくれるだろうと考えていた自分の考えを恥じた。しかも、あの魔獣・ジエラはリリーベルが何らかの方法で手玉を吐き出させてくれたと知った。エリアスは球毛症とも気づかなかったのにだ。
彼女には借りが出来た。せめてここにいる間は快適に過ごしてほしい。

その後、エリアスに謝罪され、ジエラに懐かれたのを切欠に魔獣の世話を買って出たリリーベルは充実した日々を送っていた。
楽しい時は過ぎるのが早い。ここに来てもう20日ほど経っていた。エリアスとも大分親しくなったのに後10日で去らねばならないのだ。
一方、エリアスもまた彼女を返したくないと思い、正式に婚約者として迎える決意を固めていた。そんなある日のこと、隣接する領地の主・クラウディア侯爵家の令嬢シャルロッテからお茶会に招待されたリリーベル。子爵令嬢として呼ばれたことに不信感を抱きながらもこれも花嫁候補のお務めと恐々参加すれば、シャルロッテを始め令嬢達から非難の嵐。
エリアスが買ってくれた訪問着まで嫌がらせで汚されてついにリリーベルがキレた時、ゴランちゃんから子爵家の納屋が火事だと報告を受け・・・。


リリーベルの継母に唆されたシャルロッテは、彼女を徹底的に虐めるため、納屋の中を荒らすよう手の者に命じていました。しかし、魔草の中には扱いを間違うと火花を出す危険なものもあってそれが元で火事に。薬草効果で加速したジエナの背に乗り、実家に着いた彼女は何とか魔草を火から救いますが、自らも危機に陥りかけた時、追いかけて来たエリアスに助けられます。
この一件で彼は激怒し、悪びれないシャルロッテの証言に侯爵夫妻も真っ青。王族の花嫁候補へのやらかしに国王も厳罰を下すのでした。
まさかシャルロッテは投獄、侯爵家もお取り潰しになるとまでは思いませんでしたが、それだけエリアスとその子を産む予定のリリーベルに害をなしたと言うのは重罪なんですね。
勿論、継母たちも厳罰にと予想していたんですけど、アリバイがあったので罪には問えず。でも、あの火を出す魔草が残っており、それが飛んで屋敷はまる焼け。
継母たちはリリーベルから奪った財産全てを失うのでした。
最後に最後でとんでもないザマァ展開来たなーって感じでスッキリ。
エリアスからのプロポーズを受け、二人の婚約が決まって物語は幕。
お話自体は結構シンプルな展開なんですが、魔獣やゴランちゃんなど不思議な存在が二人の恋を後押しした感じで良いです。


評価:★★★★☆





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最終更新日  2024.09.17 12:48:54
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