inti-solのブログ

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2024.03.30
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テーマ: ニュース(100210)
「静岡県に損害賠償請求を!」リニア2027年開業断念報道であふれる憤激…ホリエモンは「国もガツンとやれ」怒り心頭
「残念ながら、2027年の名古屋までの開業は実現できる状況にはありません」
3月29日、国のモニタリング会議で、JR東海の丹羽俊介社長は、リニア中央新幹線の品川・名古屋間の開業延期を苦渋の表情で述べた。丹羽社長は開業の遅れを「静岡工区の遅れ」と指摘している。
「JR東海はこれまで『開業延期は絶対に認めない』という立場でしたから、完全な方針転換です。背景には静岡県の川勝平太知事が、リニア工事にともなう、大井川の水資源や南アルプスの生態系への影響、さらに工事で出る土砂の問題などを危惧して、工事の着工を認めていないことにあります。
」(経済担当記者)
SNSでは、多くは
《静岡県知事1人のゴネで国家的プロジェクトがここまで遅れてしまうという民主主義のバグ》
《さすがに静岡県民はそろそろ「うちの県のわがままが過ぎた」と気付いてくれないと困る》
《マジで静岡県に対して損害賠償請求して欲しいくらい》
など批判的な声だ。
実業家の堀江貴文氏は
「日本の大動脈である東海道新幹線が止まると、日本経済にも大きな影響が出る。そのバックアップ手段にもなる」などとしたうえで、
「リニア中央新幹線に使われている超電導磁石の技術は世界をリードしている。それで、人材も確保され、各企業も超電導技術に投資してサプライチェーンを形作りつつあるが、静岡県知事のおかげでもうすべて台無し。静岡県が儲からないという話じゃなく、日本の国益の話なんだよ」
と怒りをあらわにした。(以下略)

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正直、川勝知事がここまで頑張るとは思っていませんでした。
私は静岡県民ではありませんが、リニアモーターカーという乗り物そのものに対して特段の賛否はないものの、それを南アルプスの地下に通すこと、および建設に国費を投入することには反対です。
東海道新幹線が建設された当時、世界的には鉄道は斜陽産業とみられており、新しい鉄道に莫大な国家予算を投入することには批判もありました。しかし結果として新幹線は大成功を収めました。
リニアモーターカー推進派には、おそらくその時のことが念頭にあるのではないかと思います。
ただ、東海道新幹線建設当時、日本は高度経済成長期であり、大都市間の交通需要は急激に拡大していました。もちろん新幹線は優れた交通機関ではありますが、その成功は高度経済成長期の時代背景抜きには考えられません。
現在、経済成長どころか経済衰退期であり、東京大阪間の交通需要が今後急拡大する、などという将来図は、いかに考えても現実性がありません。
結局、パイは増えない中でリニアモーターカーが開業すれば、その乗客は他の交通手段から奪ってくるしかない、ということになります。他の交通手段と言っても、東京大阪間の旅客輸送のシェアは新幹線が圧倒的に高く、したがって、JR東海が運行する東海道新幹線から、同じくJR東海が運行するリニア中央新幹線に乗客が移動するだけ、ということになります。
当然、現在はドル箱である東海道新幹線は採算が悪化し、本数は減り使い勝手が悪くなることか目に見えています。

「日本の大動脈である東海道新幹線が止まると、日本経済にも大きな影響が出る。」とのことですが、そのような事態が起こるとすれば、原因は何でしょうか?
十中八九地震とそれに起因する津波でしょう。
しかし、予想される巨大地震つまり東海・東南海・南海地震は、名古屋は想定震源域に近く、そこを通過する(当面の間は終着駅)リニア中央新幹線も大被害を受け、不通となることはほぼ確実です。
また、東海道新幹線もリニア中央新幹線も、貨物輸送はありません。どちらも人の輸送しかしないので、地震発生時の物流対策としては特に意味はありません。

それらのことを総合して考えると、リニア中央新幹線の建設に、莫大な建設経費に見合うほどの大きなメリットがあるようには思えません。したがって、リニアモーターカーの建設を「絶対善」とする立場からの様々な主張には、なんら正当性を感じないのです。





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最終更新日  2024.03.30 22:08:56
コメント(8) | コメントを書く
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Re:リニアモーターカーができなくて、そんなに困るだろうか(03/30)  
アンドリュー・バルトフェルド さん
賛成派は「ああ言えばこう言う」という屁理屈しか言いませんね(呆)。
川勝を非難している連中は、自分の投票行動を省みていないと見なされても文句は言えません。
自分と国を一体化しても「気分が良くなる」、「考えることを止められる」程度しか効果がないのですが。
静岡に限らず工事自体相当遅れ気味と聞いていますが「もう止めるんだ」という気持ちに前からなっています。

堀江は、超電導技術を鼻高々(てめえの手柄じゃない癖に)に言っていますが「じゃあ、輸出しなさいよ」と返されれば「中国ガー」なのでしょうが。

リニアは上海で乗ったことがありましたが、せいぜいああいう環境じゃないと無理かなと思います。ほぼ直線でかつ途中駅を作らないという前提で。
(2024.04.01 21:26:25)

Re:リニアモーターカーができなくて、そんなに困るだろうか(03/30)  
nordhausen さん
以前もコメントしましたが、日本が経済衰退期に入っているのは自然現象ではなく自民党政権の失政による人災(例:度重なる消費税増税)によってもたらされたものですから決して避けがたい必然ではないと思いますが。ここでは日本の経済状況についての議論はしませんが、リニア中央新幹線よりもまず現在存続している鉄道の維持管理(特にローカル線)に重点を置くべきですし、そこに国費を用いた方が遙かに良いと思いますね。先日も、根室本線富良野~新得間が廃止となってしまいましたから、尚更の事だと思います。

それに、東海道新幹線のバイパス路線が必要だと言うのなら、北陸新幹線を全通させた方がまだ現実的でしょうね(敦賀~新大阪間が着工すらされていませんから、開業するのがいつになるのか未定ですが)。

どうしてもリニア中央新幹線を建設すると言うのなら、建設ルートを長野県諏訪地方経由に変更した上で、国費に頼らずJR東海と財界が建設費を全額負担すべきでしょう。なお、高速道路の中央自動車道も当初南アルプスを貫通する予定でしたが、建設費膨張や南アルプス貫通による自然環境への懸念などで長野県諏訪地方経由のルートに変更された経緯があります。 (2024.04.02 20:33:23)

Re[1]:リニアモーターカーができなくて、そんなに困るだろうか(03/30)  
inti-sol  さん
アンドリュー・バルトフェルドさん

まさに、推進派の言い分は屁理屈と思います。
鉄輪式鉄道が全世界に普及し、新幹線に端を発する高速鉄道も多くの国に普及したのに比べて、リニアモーターカーは到底その地位に変わることができるとは思えません。
あえて言えば、カセットテープに対するMDみたいなものかな。MDの方が高性能たけどあまり普及しませんでした。むしろ、今もカセットは残っているけど、MDは消えました。

nordhausen さん

経済とは人間の行うことですから、そりゃ、経済における異常現象はすべて自然現象のはずがなく、人為的に決まっています。問題は、それが人間の力でコントロール可能か、というところであろうと思います。すべての元凶はバブル崩壊であり、確かに消費税アップが経済悪化に拍車をかけたのは確かですが、では消費税アップがなければ、今も日本経済は絶好調でバブルの続きを謳歌していたかというと、それもまた無理であろうと思います。

リニア中央新幹線に、今や民間企業であるJR東海がお金をつぎ込むのは、あえて言えばJR東海の勝手ですが、そこに国がお金を突っ込むのは、国の勝手ではすみません。
経緯としては、JR東海が国費投入を望んだのではなく、JR東海は自己資金でやりたかったのに、国が国費投入をねじ込んだ、ということであったと思います。そんなことはやめるべきであると私は思いますね。

実のところ、東海・東南海・南海連動地震が起これば、名古屋も大阪も大被害を受けることは確実です。名古屋と大阪という目的地が大被害を受ければ、どんなバイパスルートだろうが、結局は機能停止せざるを得ないものと思います。 (2024.04.02 21:02:56)

Re:リニアモーターカーができなくて、そんなに困るだろうか(03/30)  
inti-sol  さん
コメントを書いた直後、川勝知事が辞意表明というニュースが飛び込んできました。(私が気付くのが遅かっただけでしょうが)
なんだかなあ。後継者にだれが当選するか、にもよりますが、リニア中央新幹線に対して無批判な人物が当選しないことを願うばかりです。 (2024.04.02 21:31:36)

Re:リニアモーターカーができなくて、そんなに困るだろうか(03/30)  
nordhausen さん
>では消費税アップがなければ、今も日本経済は絶好調でバブルの続きを謳歌していたかというと、それもまた無理であろうと思います。

別に私はバブル景気の再来を望んでいる訳ではありませんが。ただ消費税増税が無ければ日本経済がバブル景気までは行かなくても今よりは幾分か経済成長していた可能性があると思いますし、消費税増税と引き換えに大企業や富裕層への減税が進行していったのも紛れもない事実でしょう。今後日本が経済衰退期を脱するかはともかく、消費税減税などの国民負担を軽減して、大企業や富裕層への課税強化を進めていけば(と言うより30年以上前の税制に戻す)、幾分か日本経済が好転していく可能性はあると思いますね。

>川勝知事

本記事の趣旨とはややずれますが、職業差別発言などの批判で辞意の意向表明をしましたね(2024年4月2日のNHKニュースから)。後任知事がリニア建設に積極的な立場になるのかは大いに疑問ですが、果たしてどうなるのか気になるところですね。

//www3.nhk.or.jp/news/html/20240402/k10014410721000.html (2024.04.02 21:43:15)

Re[1]:リニアモーターカーができなくて、そんなに困るだろうか(03/30)  
inti-sol  さん
nordhausenさん

あのタイミングでの消費税増税が愚策であったのは間違いないところですが、増税前に好景気だったわけではありません。コロナは消費税増税があってもなくてもその経済への影響は変わらなかったでしょうし。
したがって、消費税増税がなければ「今より多少マシだった」という以上のものとは考えられません。
(2024.04.08 06:46:34)

Re:リニアモーターカーができなくて、そんなに困るだろうか(03/30)  
nordhausen さん
既にご存じでしょうが、静岡県知事選挙で立憲民主党、国民民主党推薦候補が当選しましたね。ただ、自民党推薦候補だけでは無く新知事もリニア新幹線推進の立場ですから(共産党候補はリニア、浜岡原発再稼働反対を明言)、自民党候補が敗れたとは言えリニア推進の立憲民主党候補が当選した事は果たして良かったのだろうか、という気はしますね。 (2024.05.30 20:07:48)

Re[1]:リニアモーターカーができなくて、そんなに困るだろうか(03/30)  
inti-sol  さん
nordhausenさん

良かったのかどうかは、まだ分かりません。

第一に、自民党推薦候補が勝っていたら、いろいろな意味で「最悪だった」ことはことだけははっきりしています。そして、共産党森候補に勝ち目がまったくなかったこともはっきりしています。
現実的可能性としては、鈴木、大村のどちらが勝つか、以外の可能性はありませんでした。鈴木候補が負けるが森候補が勝つを意味するのであれば、その方が良いでしょう。しかし実際には、鈴木候補が負けるは、大村候補が勝つとイコールなので、その方が良かったとは、私は思いません。

第二に、口でリニア推進と言っている、という限りにおいては川勝知事だってリニア推進派でした。川勝知事は初当選時にはリニア推進と言っていました。それ以降も度々「自分はリニア賛成」「リニア推進派」と自称していましたが、実際にやっていたことはその正反対であったことは周知のとおりです。
したがって、鈴木知事も、本当にリニア推進なのかどうか、簡単には判断できません。今後の動向を見守る必要があります。

第三に、知事が賛成であろうが反対であろうが、実のところリニア建設工事は、静岡県以外の部分でも遅れており、開業の大幅な遅延は、どう転んでも確定的です。 (2024.05.30 22:45:17)

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