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函館に住む高校三年生の真乃。東京の大学に進学が決まり、新しい一歩を踏み出そうとする彼女の前に小学生の時に死んでしまった幼馴染・速人に良く似た青年が現れた。速人は生きていたのか、それとも―速人と同じく幼馴染で、他の女子からも人気がある享の気持ちを受け入れた矢先の出来事。でも、受け入れたと言っても享への道は、速人が亡くなった時に途切れていたもので・・・揺れながらも速人の足取りを追う真乃の辿り着く真相とは?紹介文に書かれていたように「青春」ミステリである。甘酸っぱく、心温まる感じもあり、若さゆえのもどかさいっぱい。~ネタバレメモ~速人は一家心中で一人遺体が見つからなかったため、真乃は翻弄された。だが、心を病んだ男に速人は引き上げられており、その代わり果てた姿を小学生の時の享は目撃していた。速人に似た男は、速人のいとこで真乃に思いを寄せており、真乃が速人を忘れるような発言をしたことから彼女に執着、周囲に出没するように。彼もまた、速人の一家心中について自責の念に囚われていた。享は真乃が好きなのはずっと速人だと思っていたが、速人は性同一障害の兆候があり、その当時の真乃の"(心は)同性の友達"であり、真乃がずっと好きだったのは享だった。真乃は速人のことを"同性の友達として"好きということを、速人の秘密を、速人が亡くなってしまったため誰にも打ち明けることが出来ず、ずっと板ばさみだったのだった。
October 28, 2009
俳優の堺雅人の・・・エッセー集になるのかな?連載中などに関わった仕事の話、役作りの話、そこから発展して思うことなどが素朴な文体によって語られている。「南極料理人」のころの話があればと思って借りたのだが、それは連載後のことだったようで、残念ながら映画「ジェネラルルージュの凱旋」のころまででした。
October 28, 2009
追い詰められる人を描く時の有川浩の設定は容赦ない。もっと(内容が)重くてページが進まないかと思ったが、そこは突きつけながらもさらりと描き、目線は優しく、救いはある。~ネタバレメモ~酒癖の悪い父親の一回の過ちがもとで、母親は近所中からいじめられ続けていた。そんなことも知らず、怪しい新人研修に不審を持ち、3ヶ月持たずに会社を辞め、その後も好き勝手にバイトをしては辞めて引きこもりを繰り返し、再就職活動も真面目に取り組まなかった武誠治。母親が重度の鬱病と全般姓不安障害など、複合した精神病に罹ってしまったのを知ったのも、母親と同じに疎外されていたことに気付いて耐え、母を支えていた地方に嫁いだ姉からだった。母親の現実を目の当たりにし、愕然とし、プライドは高いが子供っぽく、母の病に目をむけない父に落胆しつつ、生活を改めようと決心する誠治は、就活と夜の工事現場のバイトに精を出すことに。理解のない父親に苛立ち、母の病に対する勘違いでさらに追い詰めたりもしてしまうが、就活の、今までサボってきたことに対する現実の厳しさに向き合い、母を追い詰めた近所の目とも対抗し、自分を励まし、相談に乗ってくれた工事現場のおっさんたちがいて、自分を一番高く評価して買ってくれた土木会社に就職を決める。就職した途端、とんとん拍子に話は進み、誠治の仕事を認めた社長(作業長)・大悦から誠治のような社員を増やしたいとのお達しが。自らの経験(駄目だったころの素質を見抜くなど)を生かした募集要項、選考を経てゆくゆくは現場監督希望という異色の女性・千葉とお調子者だが、真面目な豊川を採用。母親に負い目があるため、自分を優先に考えられなくなったという誠治に千葉も、豊川もまだ間に合っていると告げる。そして、就活、仕事を通して父親との距離も縮め、お金も貯まった誠治は、この環境から離れることが、母の一番の薬になることから姉の渡してくれたお金もあわせて、引越、家を買うことを父に提案する。父もその金は受け取るが、ローンは自分が払いきれるところを買うことを条件に引越を受け入れる。タイトル通り、フリーターだった男が一人で家を買うわけではないのだが、崩壊寸前の家族が寸前でとどまり、復活、再生していく姿が優しく描かれている。誠治の就職、就社からの話はサクセスストーリーといってもいいか、も。仕事の評価は高いが、プライドも高く、酒癖悪くて子供っぽい一面も持ち、自分の妻の病状を「弱い人間がなる」となかなか認めない父親・誠一の姿は現実、多いのかもしれない。だが、そんな彼にも救い?作者の優しい目は注がれている。真面目に、真摯な言葉を交わす誠治と千葉を見つめる豊川目線の書き下ろしが可愛い。
October 13, 2009
弱小地方球団・仙醍キングスの熱烈なファンである両親のもとに生まれた王求(おうく)。生まれは日は、仙醍キングスの監督がファールボールを受け、亡くなった日。王求を野球選手に育てるのは使命とばかりに、異常ともいえる情熱を注ぐ両親。王求も天性の才能を発揮、努力を惜しまず、その能力を開花させすぎるほどに開花させ成長する。だが―マクベスの三人の魔女のような存在も出てくるなか、王求の誕生から死までが描かれる。・・・だからといってなんとも・・・という話、ではある。王求の才能を支えるため、時には賄賂を使い、有名巨大球団を敵視し、時には自らの手を汚すことも厭わない両親の、どこか狂った愛情が恐ろしい。その中で、迷いもあるが淡々と王の道を歩む王求の姿もどこかいびつに感じて恐ろしい。行き過ぎた才能は周囲の嫉妬、反感、誤解をうけ、若くして散る。そして、また―・・・輪廻は回る、とでも言っておくべきか?
October 13, 2009
・照葉ノ露酒乱で妻に暴力を振るう主君を諌めた拍子に殺してしまった佐江は、同郷で主の妻・お彩と共に姿を消す。お家存続のためには父を殺した剣の師と母を討たねばならなくなった設楽小太郎貞綱(13歳)。速水の力添えもあり、設楽家に出入りしていた同心・木下と小太郎に助太刀することになった磐音。追手が小太郎だと知ったお彩は、佐江と共に姿をあらわし、討たれる。小太郎は尚武館に入門することに。利次郎が父の共で重富家の祖先の地、土佐高知に行くことに。天神髭の百助が預かる刀を売ろうと画策した不埒な直参旗元を退ける。武士を辞める決心をした武左衛門は、品川柳次郎のつてと磐音が身元引受人となることを条件に陸奥磐城平藩五万石安藤対馬守の下屋敷の門番に。一家で引越。西の丸様、近習衆に剣術指南をすることになった磐音。刺客が呼び戻され、磐音の前に姿を見せる。薩摩示現流愛甲次大夫一派。撃退。木下は想い人・菊乃と尚武館を訪れる。・冬桜ノ雀冬桜見物に行った磐音らは、千宗易(利休)ゆかりの茶碗を巡った諍いに首を突っ込む。佐渡の金銀山の人足として送られた入れ墨者が逃走した。江戸でひと仕事を計画しているとにらむ笹塚は、磐音に協力を要請。豊後関前藩の新造船と瓦版を操り、罠を張り、捕縛・成敗する。罠を知らず、おこぼれを期待した武左衛門は門番の仕事をさぼり、苦言を呈される。尚武館を訪ねてきた盲目の剣術家は、伝説、神格化されたタイ舎流丸目喜左衛門高継と孫娘だった。孫娘・歌女を退ける磐音だったが、丸目は家基を夢の中で苦しめ、玲圓にも幻(夢)を見せる。これまた退ける磐音だったが、仕留めきれず、遺恨は続く。
October 13, 2009
幻想的な短編集。それぞれの冒頭に引用したフランス文学者・杉本秀太郎による詩、俳句、短歌をモチーフに(?)イメージを膨らませて書いたのかもしれないが、それと話とのつながりは良く分からないものが多い。色々な画家の絵とのコラボ、ともいえるのか?・恋はみずいろさまざまなところから聞こえてくるあの人の声―・唐草模様絡みつく、コスモスが、ツタが・・・私は徐々に動けなくなる・Y字路の事件Y字路、どしゃ降り、衝撃音、過去と現代が交差する―映像的。時空が絡まるY字路って、ドラマでなんかあったような・・・?・約束の地同じ時の中で、人はそれぞれまどろみ、死に、夢を見る。・酒肆ローレライ流れが逆行し、白濁した川の流れが呼び寄せる、ローレライのように。男らは毎回訪れ、毎回記憶を無くす。・窯変・田久保順子最後の切り札になる人物も、才能を見出す周囲の目がなければ無駄死にする。・夜を遡るグレメが来る前に、紅蓮の目が、来る―ちょっとだけ、光の帝国の匂いが。不思議な力のある子供が出てくるからかな?文体?・翳りゆく部屋皆、あたしの部屋に入った途端、自分の話を、呪詛を、愚痴を、文句を吐き出す。それがうちのベランダ菜園の肥やしになっている。その中を、進む。何だか分かる気がする。・コンパートメントにてボールペンを忘れてきてしまった。大事な、計画を遂行するための。独白。一瞬の交差。・interchange深夜に仕事をする。気配を感じ、目を凝らす。
October 5, 2009
「背の眼」 「骸の爪」のシリーズ短編集。死んだ妻に会いたくて、霊視現象探求所を構える真備庄介。助手で妻の妹・北見凛、ちょくちょく遊びに来る友人で小説家の道尾。探求所を訪れるのは傷行いた心を持った人たち。~ネタバレメモ~・流れ星の作り方旅先で飲み物を買いに出た凛は、ラジオを聞いている少年から流れ星の作り方(明るい星を凝視し、頭を振る)と両親が殺害された友人の話を聞く。友人がいた部屋の開いたドアの前を、犯人はどうやって通ったのだろうか?道尾秀介が書いていると思えば、すぐ分かる。両親を殺されたのは少年自身で、少年の目は見えないということが。・モルグ街の奇術心霊主義と対立し、偽霊媒師達による詐欺行為を糾弾したフーディーニの曾孫を名乗るマジシャンの男が、霊現象を公言する小説を書いた道尾に挑戦。真備が受ける。男は道尾と真備の手首を賭け、自身の消えた手首のトリック解明を迫る。あっさり解けたかと思えば、もしかして?という余韻を残している。・オディ&デコ風邪を引いた真備の代わりに、拾ったが親に許されず、また捨てることになり、死んだ仔猫の霊が取り憑いているという少女・莉子の話を聞く凛。結局解決したのは真備。莉子に嫉妬した友人・真子が偶然写メに写った裏返った鬼の面(節分)を仔猫だと偽っていた。仔猫は生きていた。・箱の中の隼忙しい真備の代わりに、真備の振りして新興宗教団体の施設を見学することになった道尾。怪しい動きをする人々に恐怖する道尾。見学を誘った相談者・野枝ひかりは、教祖の父と対立し、病院を拒否する信者を助けたいと以前、別の宗教団体をつぶしたことがあるという真備を利用し、脱出、解体を願っていた。真備が道尾を迎えに来て、起こった事件をあっさり解説(ひかりの行動は、看護師としてのものだった)して終了。・花と氷友人の結婚披露宴に出席した凛。孫娘が、自分の発明する製作所で亡くなり、死を望んでいた老人・薪岡が、孫娘の霊に殺して欲しいと真備の元を訪れる。真備は探求所はそういう依頼を受けるところでは無いと説明して帰すが、公園にいた子供達を製作所に誘い、彼らの手を使って死のうとした薪岡の計画に気付き阻止する。「同じ年頃の女の子を見るのが辛い」という薪岡の言葉は、姉の、妻の死がまだ重く心の奥底に氷のようにある凛と真備の感情を浮かび上がらせる。
October 5, 2009
The mysterious underworld with the treasure of castleミステリーランド第15回配本装画・挿絵は鈴木康士柔道と影夢流古武道に鍛えられ、売られた喧嘩を片っ端からこなしている中学三年生が主人公。ある日、金で雇われたプロの喧嘩屋から戦略的撤退を決めたおれは次々に同級生に会う。女泣かせの・丹野、美少女・安藤冬美、文学少年・能登だ。能登が言う「城に眠っている宝」を一緒に探すことにしたおれ達だったが、宝を狙う男らに能登と母親が襲われ、かつて若君・鞭丸の作ったからくりを駆使した城の中には獰猛な大蛇が!襲撃をかわし、大蛇と死闘を繰り広げ、丹野を思うあまり暴挙に出た女子に驚きながらも、ついに宝を自分たちのものに。再びプロの喧嘩屋に襲われたおれを助けたのは、武道に長けた祖母だった。
October 5, 2009
・読本おこんと由蔵の出会い、今津屋へ奉公するきっかけが描かれた番外編「跡継ぎ」あり。近々、父から吉右衛門の名を継ぐ今津屋の跡継ぎ・総太郎に隠し子が!?由蔵はこの頃、筆頭支配人の立場。総太郎のために密かに奔走。(でっち上げのゆすりたかりのたぐいと判明)木下一郎太もまだ父親の代。由蔵との出会いをきっかけに今津屋に奉公することが決まったおこんも由蔵のために走る。磐音のいた時代の色々な地図、部屋などの図が分かりやすい。登場人物一覧、年表、コラム、作者への質問、ミニ辞典など、読みやすくわかりやすい。・紅花ノ邨鶴吉から約束の三味線を渡されたおえいは、おこんとともに三味線の手習いをすることに。吉原会所の若い衆とともに、奇禍が降りかかった紅花大尽前田屋に嫁いだ奈緒のため、山形に向かう磐音。紅花を藩で一手に担おうとする山形藩にひきたてられた元商人の陰謀をくぐりぬけ、奈緒の、前田屋の、この先の山形藩のために奔走。後ろ姿の奈緒と再会。・・・それにしても、話が早いからといって、すぐ奈緒と磐音の過去が話に登ってしまい、関係者ほとんどが知ってしまっているのでは・・・それを知ったら奈緒は複雑な気持ちになるのでは・・・と、絶対描かれないであろうことを心配してみたり。
October 5, 2009
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