2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
全11件 (11件中 1-11件目)
1
高校卒業後はフリーターでもして適当に食べていこうと思っていた勇気は担任と母親の策略によって林業の見習いに放り出されてしまう。神去村では傍若無人、林業という天職が無かったら駄目な男であっただろうヨキの家に身を寄せることに。勇気を育てる一緒の班には中村林業株式会社のおやかたさん・清一、巌さん、三郎さん、ヨキがいる。初めて触れる林業、人が管理することで生きる山、神隠しや神おろしなどの神秘があたり前のように起こるこの場所で、最初の内は自信を喪失したり、脱出を試みたりしながらも仕事を覚え、山火事の恐ろしさを知り、一緒に働く犬も仕事に誇りをもっていることを知り、徐々に林業の魅力に目覚め、恋もする勇気。一部の村人からの疎外感にもめげず、偉大なる神域であり、村の巨大(隠し)資金源の神去山の祭りに参加し、まさに命がけでの神秘を体験する―こんなに読みやすくてポップでありながら、さっくりとだが林業の一年を垣間見れる小説があっただろうか?三浦しをんは知っているが実態は余りわからないもの(箱根駅伝に向けての選手の生活とか)をわかりやすくて面白く描くのが本当に上手いと思う。ヤマダニやヒル、花粉や命の危険が伴う割りに、国民の理解や利益が少なく(計画しつつも一部は博打的に高額材木を狙うことも出来るが、山火事など予測不可の惨事もありうる)後継者不足に悩まされるのも頷ける林業の実体もこんなにも描かれているのに、それを読んで尚、「お、林業も魅力的かも?」(決して自分がその職に就きたいとまでは思えないが)と思わせてしまうエンターテイメントぶりはさすが、かも。
August 29, 2009
・驟雨ノ町豊後関前藩藩主が世話になっている今津屋、若狭屋を下屋敷に招く。由蔵が磐音の父・正睦に町娘おこんと、今は浪々の身でも国家老の息子である磐音は一緒になれるか問う。後日、おこん、金兵衛を歓待した正睦は、金兵衛におこんと磐音とのことを承諾させる。・・・というように、なんだか当事者よりも周囲の力で一気に話は進む。遊びが過ぎた江戸家老が正睦・磐音を狙い、返り討ちにあう。(殿承諾済み)宮戸川に方向に出た幸吉が姿を消す。幸吉が密かに金をためていた場所に、過去の事件に関わった大金があったため、彼が事件に巻き込まれたかと磐音をはじめ多くの人間が彼を探し、心配する。だが、幸吉は腕が上がるように暑念仏に出ていたことが判明。その後、戻ってきた幸吉は幼馴染のおそめに怒られる。大物の盗人が捕まり、その護送の仕事を笹塚に引き受けさせられた磐音ら。盗人の命を狙う彼の手下らと駆け引きしつつ、丸く(?)おさめる。今津屋を狙う押し込み強盗を佐々木一門で懲らしめる。・蛍火ノ宿今津屋吉右衛門の妻・お艶の三回忌の法会が近づき、吉右衛門の後妻に入るお佐紀ら一行が江戸に。彼女に厄介ごとに巻き込まれている駆け落ちした姉のことを頼まれた磐音は奔走する。磐音の元許嫁で吉原の大夫となった奈緒(白鶴)が身請けされることが決まる。だが、命を狙われていると知った磐音は陰から彼女を守り通し、最後の別れをし、送り出す。・紅椿ノ谷今津屋の祝言が無事行なわれる。佐々木道場拡張計画の為の資金を巡って、他道場から剣客にあるまじき嫌がらせを受ける。今津屋に健康的な後妻が入ったこともあり、病弱な前妻に代わり、今まで奥を取り仕切っていたおこんが変調をきたす。彼女の身を案じた周囲の助け(勧め)もあり、おこんは磐音と湯治(の旅)に出る。
August 29, 2009
「失われた町」とはおそらく別の、”失われた町”のその後、が舞台の短編集。三崎氏の小説は、架空の仕事が当たり前のように存在するので惑う。それが自然に入ってくるので、こんな部署あるのかな?と。すぐに架空だと分かるけれど。最後まで読んで、また読み返すと、それぞれの人物がそれぞれの章に姿を見せていたりすることが確認できる。また、街の作りも段々理解できる仕組み。失われた町で新たな一歩を踏み出す人々の物語でもある。~ネタバレメモ~消えた街を抱えて生きる人々が、その記憶を残しながら乗り越え、新たな一歩を踏み出す。人の記憶が、消えた街の概念が薄くなる度に消える、飛び立つ青い蝶(の絵)が幻想的。・序章 歩く人沙弓は記憶を無くしたかつての街に滞在することを決めた。そこで、国土保全省 道路局 道路維持係 主任歩行技師(道路の「概念の維持」が仕事)の男と出会う。そして、彼に頼んで一緒に街を歩かせてもらうことに。異邦郭の住人には「道守」と呼ばれ、認められている存在の彼も、その仕事の重要性を知らない上司らには軽んじられている。沙弓は10年前に街の一部の三千九十五人が消え去った事件のただ一人の消え残りであり、恐怖を押さえ込む為に事件の記憶を封じ込めてしまっていた。彼は「歩行技師」の仕事を理解してくれた沙弓の変わる姿がみたいと記憶がぶり返して周りが見えなくなった沙弓を守り、怪我を負いながらも最後まで同行させてくれる。仕事をまっとうした彼は仕事で別の街に。ここに残り、彼とは別の場所で、違う方法で、彼と一緒に歩き続けることを誓った沙弓は再会を誓う。・第一章 第五分館だより不倫の果て、誰も知らぬこの街にやってきた藤森さんは図書館で働いている。大学の友人・沙弓が偶然にもこの街にいると知り、再会。今は無いはずの、消えた街にあった図書館・第五分館は今でも貸出記録がデータ排出されている。それをまとめ、消えた街で貸し借りしている住人のデータを第五分館だよりと一緒にそれぞれの家族に配る"担当者"・西山係長の仕事を知るうちに彼に惹かれる。彼の恋人は同じ図書館員で、第五分館と一緒に消えたのだった。そして、沙弓の仕事も消えた街から届くリクエストによって成り立つラジオ局だとわかる。第五分館の閉館が決まり、担当者としての仕事を終えた係長は図書館を辞める。不倫を精算し、藤森は係長に向かって一歩を踏み出す。・第二章 隔ての鐘消えた街の鐘の音が聞こえていた駿(16歳)。彼の父も消えた一人だ。ある日、異邦郭の少女・鈴と出会い、音を統べ、司る「共鳴士」の修行中で、消えた街の鐘の音が一部の人に聞こえるという"音の歪み"を正す為に来た彼女に協力することに。消えた街の鐘も最後の日が来ることが、沙弓のラジオへのハガキから判明し、街の人に伝える為に儀式に参加し、この街に新たな鐘を響かせようと消えた街の鐘を作った谷本に交渉。鐘の制作を駿は手伝うことに。*駿の母と谷本は距離を縮める。・第三章 紙ひこうき自身の患う病気の為、他人に深入りしないようにしていた坂口さんはマンションの屋上から紙ひこうきを飛ばす女性・持田と出会う。バスの運転士だった彼女は、離れたところからだけ見える、消えた街の終点に到着しないバスを、そのバスを運転しているはずのご主人のことを思っていた。消えた街へのバスの廃止決定があのラジオから流れる。最終バスを運転したのは持田だった。バスは幻の道を走り終点に辿り着く。一緒にいた坂口は病と彼女に思いを告げ、転勤先である居留地に旅立つ。*坂口は転勤前、異邦郭相手の仕事をしており、そこで居留地に帰った鈴に会おうと勉強する駿に会う。・第四章 飛蝶青い蝶を描き、宏至に歌と奏琴を教えてくれた女性と同じ年になった。喉に傷を負い、歌を失った宏至に沙弓がラジオのリクエストに答えてほしいと頼んできたのは彼女が教えてくれた「蝶」だった。宏至が失った歌は、彼の曲を聴きに来た若菜が同じ女性から聞いて知っていた―沙弓のラジオ局も来春で終わることが決定し、最後のリスナーへのプレゼントに二人の「蝶」が流れる。*居留地から船便で届いた荷物を預かる倉庫番をする宏至の新たな同僚は西山本係長。藤森さんとの関係は良好。*若菜は駿の先輩。消えた街にあった小学校を休んでいた為、残っていた。 そのことが原因でいじめがあり、不登校になっていた。・第五章 光のしるべ「失われた町」を調査・研究する国家機関に勤める黒田。あの事件は異質化した思念が暴走(漏出)しておきていた。被害を最小限に留めた黒田は、その反動で周囲の人に顔の記憶を残さなくなっていた。思念の極秘貯蔵プラントは事件後、閉鎖されていた。が、再安定化するごとに少しずつ解放されていた。だが、再び暴走しそうになり、それを止めようとした黒田を助けたのは、彼に思いを寄せていた梨田。彼女は黒田と同じ状態(顔を記憶してもらえなく)なるが、同じ状態の黒田は認識できるように。黒田の”消えた”妻の葉書が、沙弓のラジオの最後の葉書。―そして、黒田も梨田と新たな一歩を踏み出す。*黒田の同僚に泉川瞬の母(谷本と再婚決定)がいる。*この町の思念の再安定化には、唯一の消え残りの沙弓の思念が使われていた。(本人にも極秘。そのため、記憶も封じられていた。)*西山と藤森は結婚。・新たな序章 つながる道二年ぶりに帰ってきた幡谷(歩行技師)は街を歩き、様々な人に出会い、沙弓の元へ―それぞれの一歩を踏み出した人々のその後が爽やかに描かれる。喪失感を乗り越えた後に希望がある、と書いたら安易か・・・な?それにしても、心に残るからこそ上手くまとめるのが難しい一冊でありました。
August 28, 2009
フォー・ディア・ライフ フォー・ユア・プレジャー シーセッド・ヒーセッド ア・ソング・フォーユー などの花咲慎一郎シリーズ。慎一郎の「(本業が保育園長、収入源だが探偵は副業だが、)稼ぐ金の額で主副が決まる訳じゃない。どっちにより多く、人生を捧げたいかって気持ちの問題。」という言葉はかっこつけすぎな気もするが、至極名言。~ネタバレメモ~5歳ながらにふてぶてしく、妙に利口で、いつも悠然と構えている、あなどりがたい保育園児・並木浩太郎。彼の悪戯に手を焼く慎一郎だが、家を出た妻の借金を返しながら不調の体をおして仕事を探し、最近はぱったり売れなくなったが、小説も書いていきたいという彼の父・俊太郎との生活を垣間見、何とか力になれたらと思う。その反面、どんなに生活が苦しくなっても親戚に頼らず、(肝炎の後遺症持ちだったが、生活保護支給対象にはならなかった)自己破産や浩太郎を児童福祉施設に一時預けることは頑なに拒否する俊太郎をもどかしく思う。その俊太郎が金属バットを持った男に襲われ意識不明に。浩太郎を長期保育園で預かることは出来ない為、彼の母親を探すことに。城島からの仕事は経費使い放題の身元調査。対象はパリで修行し、賞もとったことのあるケーキ職人・内野真哉。有名店からも引く手あまたらしいが、何故か昔ながらの洋菓子店「若草」で働いているらしい。あまりの条件の良さをいぶかしく思いながらも依頼を受ける慎一郎。だが、調査してすぐに内野には殺人の疑いがあることが判明し、しかも、娘を殺されたと疑う、服役中の男の依頼で命を狙われているらしいことも分かる。並行して調査を進める中、俊太郎、妻・久美、久美を事情を聞かずに匿った杉坂夫婦、内野らが同じ児童福祉施設で育ったこと、その施設は火事で全焼し、施設を潰そうと考えていた園長と事務長が焼死したことがわかる。そして、並木は今は政治家となった同じ施設出身の水沢裕也が火事に関わっていると調べるライターとも接触。そこから浮かび上がる真実とは―火事による死者は偶然と二人をちょっとだけ懲らしめたいと思う少女たち(ほとんど影響なし)と、彼らと距離を置きたいとした保育士の行動が不幸にも重なってしまった結果。俊太郎は今は自分たちと距離を置く裕也を驚かせてやろうと久美と内野に計画を提案していた。その実、保険金で借金を清算しようと自分を殺させる計画をたてていた。―結果として、俊太郎が依頼した人物は実行に移さず、偶然にも、彼のストーカーの犯行だったという・・・温情判決?みたいな結末。並木襲撃事件がきっかけになり、彼のストップしていた本の出版も決まり、借金返済の目処がたつ。裕也が施設の仲間と距離を置いていたのは、再婚する女性が火事で逃げ送れた二人の死を気にやみ、入退院を繰り返す元保育士の娘だったから。義母となる元保育士の先生が、施設のことを出したり、仲間と会うことでさらに苦しむことを減らしたいと思ったから。内野と三件の女性の不審死は(パリの内縁の妻はスパイで殺されたと、あまりにとっぴなものも含まれるが)無関係。彼はこだわりのケーキを作る店主の為、お金が必要だったこともあり、借金申し込みのきっかけにと(普通に頼んで並木が断られているから)計画に参加した。内野を調べさせたのは、「若草」を守ろうとする山内練。「若草」店主が春日組(元?)幹部の血縁であり、前組長の妻・風間の好きなケーキである(店主はカタギだが、組としても陰ながら見守っている店)為。無認可医師・奈美が大学病院勤務の男と再婚するらしい?慎一郎に麻生の存在を教えたり、情報を教えたり、助けたりと山内の秘書・環がちょこちょこ登場。タイトルは"踊り続ける"=それがたぶん、生きるってこと、の意。
August 20, 2009
・残花ノ庭おそめに奉公の話が出、問題も巻き起こるが磐音が対処し、おこんの協力で奉公先が仮決定。身体ができるまでは今津屋で奉公することに。磐音に思いを寄せていた桜子は掛川国端とうまくいったよう。同じく磐音を想うおこんは父親の仕組んだ見合いを蹴る。日光社参の資金提供を命じられた今津屋の後見として、表向き身分は勘定奉行の家臣(幕臣の家来と言うこと)として日光行き決定。将軍の養女が罹った麻疹の診察を外国人医師にみせるため、掛川に協力。日光社参で藩主に随行する父・正睦に再会。かすかにおこんとの距離を縮める雰囲気を漂わせる。・夏燕ノ道おこんに見合い話を画策する金兵衛。日光社参に随行する磐音。今津屋からは由蔵らが。資金を巡り、武家と商人がぶつかる問題解消もするが、上様の御側衆速水左近と師匠・佐々木玲圓、奈緒を追った旅でであった・弥助(御庭番だったか?)らと協力し、社会勉強をかね、身分を隠し、密かに日光社参することになった次期将軍・家基の身を守ることに。家基の命を狙う老中・田沼意次の放った刺客、雜賀衆を退けるも、恨みを買いまくった模様。
August 19, 2009
「学我者死」-我を学ぶ者は死す時がなく、名を持たない無名僧のいる禁忌の「無名の地」で「あれ」が獄を破った―その忌まわしき命の名を「英雄」という。時に「黄衣の王」を名乗る者である。そして、戦いが始まる。「ブレイブ・ストーリー」とはまた違ったファンタジー。児童書としても可。何をして「英雄」というのか、その定義は深くあやふやで危うい。その点を興味深く使った設定。作家を「紡ぐ人」として咎人に組み入れるのも面白い。"本"というものを使った物語である。~ネタバレメモ~設定などはまあいいが、というか、物語の本質が途中からそれた気もする(英雄封印からなりそこないの無名僧を浄化し、無名僧にすること)が、それも狙いだろう。でも、犯した罪は英雄の書があったから、というのは基本的に好きではない。それを求めてしまったこと自体が罪だという表現はあるのだけれど、それがなかったらそんなこと(人を刺したり)しなかった、というのは、どこかその本人の持つ罪の言い訳になっているような。まぁ、そんな所に目くじら立てていたら物語は成立しないのだけれども。あとがきによれば、この物語の底本は北村薫編のアンソロジー「緑のギャラリー」<最後の部屋>。「黄衣の王」と「英雄」に触れた人間が出てくるらしい。読むものを破滅に導く恐るべき戯曲「黄衣の王」は<クトゥルフ神話>の中の呪物(アイテム)で、『図解 クトゥルフ神話』(森瀬繚 編著 新紀元社)の中には「黄衣の王」の図が掲載されているとか。・・・ちょっと気になる。森崎友理子:小学5年生。中学生の兄・大樹が学校で傷害事件を起こし姿を消した。 兄が姿を消す直前に何があったか、話す本"アジュ"とともに兄を探すことに。 血の繋がらない大叔父が遺した膨大な図書の中の"賢者"らによって無名の地に飛び、 英雄を封印するために追うオルキャスト(印を戴く者)ユーリとなる。 アッシュ、アジュ、ソラと「エルムの書」の領域・ヘイトランドへ。 オルキャストの力はなりそこないの無名僧・ソラを浄めることに使われ終了。 経緯を知った他の狼から"狼"を継ぎ、英雄を追う決意をするラスト。森崎大樹 :中学2年生。1年生の時にいじめられていた同級生のみちるを助け、 2年の担任から生意気だと目をつけられいじめの対象者に。 守るために「英雄」を求め、「黄衣の王」を解き放つ器・召喚者になってしまう。アジュ :友理子と一緒に旅に出るバビロニアの赤い本。呪術書だがいい加減らしい。ソラ :なりそこないの無名僧。友理子の従者となり名を得る。 記憶も何もないが、実は大樹だった。 このままでは黄衣の王の力を現出させる"門"となってしまうため、 黄衣の王に再び身を捧げ、無名僧に。アッシュ:"灰の男"と呼ばれる”狼”。「エルムの書」の登場人物。 書の中では特殊な葬儀屋ディミトリという名がある。 ヒロキが解放したのが「エルムの書」の英雄で乳兄弟のキリクだったこともあり、 ユーリに協力。ミノチ :友理コラの血の繋がらない大叔父。死んだものを生き返らせたいと膨大な本を集め、 死者を蘇らせ、死なない兵士を生み出した物語「エルムの書」に魅せられる。 その力を使おうとするもリバウンドで変体、書の中に逃げ込む。物語 ~全ての物語は輪廻転生のように巡る。無名僧~時のない無名の地で、ただひたすら物語をめぐらすための「咎の大輪」をまわすことによって 「英雄」を封印している。個性を持たず、みな同じ容姿。 皆、英雄を解放してしまった最後の器。英雄 ~輝かしい光の部分を人は見がちだが、”正義”の力は表裏一体。 闇が濃く、凝縮されたものは世界を滅ぼす「黄衣の王」となる。 無名の地に本体は封印されているが、数多ある「英雄」の本から次々に解放され、 再び封印されたり戦ったりしている。 最後の器~実体を無くし、無名僧になる。狼 ~本を研究し、英雄の真実を知ろうとしている者。 知識を砦に黄衣の王を狩る為に捜索と研究を続けている。 現実世界の者も、物語の登場人物もいる。
August 19, 2009
恩田氏がNHKに誘われて、南米の遺跡巡りをした紀行文…エッセイ?「覆された宝石」~西脇順三郎の「天気」という詩のワンフレーズらしい「メガロマニア」~誇大妄想と古代妄想を引っ掛けたもの(造語)慌しく、あまりにも多くの遺跡を巡るのでなんだか気持ちが付いていきづらかった。写真(恩田氏撮影)も個人的に見たい!と思わせる描写に限ってなかったり。・・・焼けてしまってお蔵入りとなったフィルム写真の方にあったのだろうか?(生き残っている写真はデジカメ撮影分らしいので)一緒にNHKの撮影役(本の企画の)にプロデューサーも同行していたことだし、もっと写真を増やして二冊組みとか・・・!もしかしてNHKスペシャルを観ながら読まねばならなかったのか!?どちらにせよ、これを参考に個人旅行は難しいということが分かる。(まぁ、NHKスペシャル番組連動の企画本であるからそこは特別なのだが。ちなみに、今回の企画が恩田氏になったのは「上と外」がきっかけらしい)恩田氏は旅に出ていても思考があちこちに行っていろいろなことを思い出すこと、想像すること、昔読んだ本、漫画、紀行文などが出てきたり、SF・ミステリ好きの作者ならではの視点がある所は面白い。貴重な遺跡にも行っていることが羨ましく、楽しい。が、いかんせん写真が足りない(あくまで個人的希望だが)。恩田氏らしい素直な旅行記ではあるのだろう。旅中に浮かび上がった短編?、いつかの物語のためのモノローグ?が気になる。いつか長編小説となるのだろうか?
August 15, 2009
短編集。忍び寄る気配が不気味。~ネタバレメモ~・鈴虫昔死んだSの死体が見つかった。現場を見ていたのは鈴虫だけ―全ての罪をかぶる私だが、Sを本当に殺したのは、当時彼と付き合っていた私の妻だった・・・・(ケモノ)家で落ちこぼれの僕。ある日、刑務所作業製品の椅子にあるメッセージに気付き、そのメッセージを残したSの事件を調べると・・・不自由な身体になった父、祖母のため、義母と子をなしたSはそれを知られることの内容に家族を殺し、刑務所内で自殺していた。妹と処理された実の子は脳に障害があり、それをSは罪だと感じ、自分の中のケモノを解き放ち、犯行に及んでしまった。事件の真相に辿り着いた僕だが、その中で気付いた"やり直すべき、家族と話し合うべき"という結論それは、ケモノを解き放ち、家族を殺してしまった僕には遅すぎる結論だった。・よいぎつね20年前の祭りの日、狐の面を持った私はSの提案に逆らえず、罪を犯した。そして、それと同じ光景が目前に―あの日殺したのは誰だったか、埋めたのは誰だったか、埋められている私をを見るあの顔は―・箱詰めの文字妻子を事故で亡くしたSの書いた小説を盗作し、小説家になった僕。Sのメッセージが入った箱を僕の家に盗みに入った青年が返しに来る。実は、青年はSの弟で、Sの部屋に僕の小説と同じ内容の原稿用紙があったことから不審に思ってきたのだった。…と思わせておいて、実は青年はSの家に盗みに入り、そこで自殺死体と原稿用紙を見つけ、Sの弟になりきり僕の前に現れ、僕に言いくるめられたまま、口封じに殺されたのだった。結局、青年は何がしたかったのか、面白さを求めて―?細かいどんでん返しの連続。僕は連続通り魔殺人事件の犯人でもあった。・冬の鬼春琴抄のような話。ひどい火傷を追い、身寄りを亡くした私に献身的に尽くしてくれるS。彼を思いながらも不安の尽きない私の願いをSは叶えてくれた。一生私の顔を見ないでという私の願いを―・悪意の顔夫も赤ん坊も、うるさい鴉も、片足もキャンバスに入ってしまったという女性。僕の不安もキャンバスは吸い取ってくれるという。女性の思い込みで、ただどうにかはしてくれると感じた僕は、僕に嫌がらせするSを彼女に会わせる。だが、キャンバスにSの悪意は吸い取られ、女性はキャンバスの中へ。・・・女性の荒唐無稽な話は本当かと思わせながらも、お約束のどんでん返し(床下から死体が?)を匂わせるラスト。僕が転校しなければ、もっと恐ろしいラストが待っていたようにも思う。
August 9, 2009
恨みをもって死んだ姫は龍になったという。雨の日―実の母がなくなり、家庭内暴力をしていた義父は仕事を辞め、閉じこもったり出て行ったり、大学進学を諦め、酒店で働く蓮は中学生の妹・楓を守るため、義父を殺そうと決意する。一方、同じく母親が亡くなり、再婚した義母に馴染む間もなく実父が亡くなり、義母と一緒に住む中学生の辰也と小学生の圭介の兄弟では兄は義母から嫌われるような行動を繰り返していた。雨のせいで彼らは罪を犯し、龍が生まれ、すれ違った感情の中で生まれた誤解が解けた時、彼らの中に残ったものとは―~ネタバレメモ~どんでん返し上等の道尾作品。楓を襲ったかに見えた義父は、亡き母を思い、墓参りを欠かさない男だった。合い鍵を作り、義父の仕業に見せかけて楓を狙っていたのは蓮の店の店長だった。楓を手に入れるために義父を殺し、それが楓の犯行だと思った蓮は妹を守るためにその死体を遺棄。楓に心を寄せていた辰也は店長から脅迫者に仕立て上げられてしまう。だが、真相に気付いた蓮と兄を心配する圭介により、捕まっていた楓と辰也は助かる。実母を殺したかと疑われた義母・里江とも、彼女に懐かないように頑なになっていた辰也の心がほぐれたことでこれからに光が見える。辰也、圭介兄弟はまだしも、どちらに転んでも蓮と楓に救いはほとんどないラストだが、それでも、楓が無事だったことはかろうじての作者の優しさかな。店長が蓮の家の合い鍵を持っていたことなどはかなりの御都合主義で、無理があり。
August 9, 2009
・無月ノ橋鵜飼百助に出していた刀の研ぎが終わり、品川家母子と墓参り。百助が研ぎを断った刀をめぐって御小普請支配の不正の陰が。探索とともに解決の道を探る笹塚が襲われる。熱海の一件が速水を通して上様の耳に入り、褒美の脇差が磐音に。騙りにあった女郎屋を助けるために一肌脱ぎ、以前、助けた鳥取藩重臣の姫・桜子は磐音の周りをうろちょろ。おかげで鳥取藩の一派に狙われ、磐音を想うおこんの気持ちは溢れる。髭の意休と吉原の外に出た白鶴を守るために暗躍した磐音、白鶴は感謝の打掛を贈る。・探梅ノ家火付盗賊の一件の解決に一役買い、今津屋の老分由蔵の頼みで今津屋主人の後妻候補に一緒に会い、候補の姉は駆け落ちしてしまうが、それを見逃し、一緒に対応した妹が今津屋を支えられると進言。仕事で悪事に巻き込まれた品川を助け、佐々木道場の若き弟子の愚行を諌め、助ける。おこんには本人の知らぬところで縁談の話があるらしい。若くして上様の奥医師になる蘭学医でもある掛川国端が命を狙われ、助けるために奔走。
August 9, 2009
高校三年になった理穂、美咲、如月。高校生活最後の夏、理穂に心を寄せる如月の兄・睦月からの告白、決まらぬ進路。もやもやとする理穂、理穂だけではなく、ままならない進路に悩むスウちゃん、相変わらず倒れて心配させてくれる美咲、美咲に心を寄せる如月、それぞれの恋や進路、事情の先に答えはあるのだろうか―倒れた美咲に会うことでネイリストの道をみつける理穂、少しずつ、一歩ずつ、進みながら生きていく姿が描かれる。
August 9, 2009
全11件 (11件中 1-11件目)
1