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マンゴーに目のないMizumizu。この時期になると楽しみにしているのが、京橋千疋屋のマンゴーを使った季節のデザート。今年はクレームダンジュと合わせたプレートが出現。これがウマイのなんの。Mizumizuには、今年最大のヒットデザートになった。フロマージュ・ブランから作るクレームダンジュには恋してるといってもいいくらいのMizumizuだが、だいたいはカシスとかラズベリーなど酸っぱいベリー系のソースと合わせていただくのが定番だと思っていた。濃厚でねっとりとした食感のマンゴーとクレームダンジュの組み合わせには、食べるまで懐疑的だったのだが、一口ですっかり魅了されてしまった。クレームダンジュの生っぽさにココナッツミルクの風味が重なり、生の上質のマンゴーの中心にはマンゴーのソルベが隠れている。大粒のタピオカも素晴らしいアクセントになっていて、何度でもリピートしたいハーモニーが醸し出されていた。マンゴー使ったデザートには、この季節の定番になったマンゴーパフェとマンゴーヨーグルトパフェもある。こちらはマンゴーヨーグルトパフェ。鋭くカットされたマンゴーの切り口まで美味しい。ヨーグルトだけあって、酸っぱさが際立っている。組み合わせとしては、やや微妙かもしれない。個人的には生クリーム中心のマンゴーパフェのほうが、「普通」で好みかもしれないが、ヨーグルトパフェのほうも3回に1回はオーダーしたくなる・・・といったところか。飲み物付きのお得なセットもある。もちろんフルーツを使ったドリンクも。案外「お1人様」の女性客も多い京橋千疋屋のフルーツパーラー。決して安くはないのに、いつも賑わっている。最高のマンゴーを使った独創的なデザートの登場で、また初夏の楽しみが増えた。OCY2703訳あり わけあり ワケあり【アウトレット】在庫処分 数量限定 天使のクリームふわふわ「クレーム・ダンジュ」(6個)(lf)あす楽対応淡雪のようにふわふわに仕上げた2種類の北海道チーズ。2層に入ったラズベリーソース。やさしい口どけ、フルーティな酸味、北海道の淡雪を丸めたようなまん丸チーズケーキまる雪ちーず【お中元ギフト送料無料】【早期割引で525円お得】銀座千疋屋 銀座プレミアムソルベ [PGS-037]内祝い・快気祝い お返しギフトにも!【お中元ギフトにも!】銀座千疋屋(せんびきや)マンゴードリンク【送料無料】【smtb-T】内祝い・快気祝い お返しギフトにも!【お中元ギフトにも!】銀座千疋屋(せんびきや)銀座フルーツフラッペ(イチゴフラッペ・マンゴ-フラッペ・ブルーベリーフラッヘ:各2個)【送料無料】【楽ギフ_のし宛書】【内祝い・出産内祝い・結婚内祝い・快気祝い お返し にも!スイーツ】【smtb-T】
2011.06.28
荻窪で一番、それもダントツの人気を誇るPizzaの店がLa voglia mattaだ。駅ビル(ルミネ)の中という立地のよさがあるにせよ、ここほど行列のできる店は珍しい。すいているのは、午後の中途半端な時間。夕食どきになると、この行例だ。奥に見えるのが店の入り口で、そのすぐ前から横に並べた椅子が3列になっている。それでも座りきれずに、立ちっぱなしの行列が店の横に伸びていっている。どんな絶品のPizzaを食べさせてくれるのか? と思うかもしれないが、実際にはPizzaの基本――いい材料を使い、窯火ですばやくアツアツに仕上げる――に非常に忠実、という印象だ。荻窪には他にも石窯の直火で焼くPizzaを出す店があるのだが、クリスピーなミラノ風(ローマ風ともいう)Pizzaを出すこの店が、ほんのちょっと頭ひとつ分だけ、個性と味で抜けている。それともうひとつ特筆すべき点――La voglia mattaには、「割安感」があるのだ。この「ほんのちょっとの違い」を出すのが難しいし、維持していくのはもっと難しい。そして、食べたあとの支払いで感じる微妙なお得感とそれに比例して上がってくる満足度。その「ちょっとの差」が客足の違いとしてハッキリ出てくる。パスタ類は日本的な味付けで、あまり突出しているとも思わなかったのだが、この「イタリア風野菜スープ」には、ちょっとばかり唸った。見かけはあまりよくないが、イタリアのミネストローネはこんなもの。もっとゲ○っぽいのも多い(苦笑)。メニューにはZuppa di Minestraとあったが、要はMinestrone(ミネストローネ)だと思う。ミネストローネは野菜やベーコン、ときには豆など入れて、その旨みがスープに滲み出てくるのが美味しいのだが、やはりスープの基本になるのは、イタリア語でブロードと呼ばれるダシなのだ。La voglia mattaの野菜スープは、このブロードがタダモノではないと見た。Mizumizuがミネストローネを作るときは、そこらの固形のチキンブイヨンを使うのだが、そうした既製品では出せない、まろやかなダシの味がする。ブロードがダメだと、トマトソースの風味を強くしてごまかす。イタリアでもミネストローネはたいていこのパターンになっている。La voglia mattaはブロードの味がいい。ダシが飛び切りの味噌汁のようなもの。これはありそうでなかなかないのだ。こういう隠れた小さなところの違いが、人気のヒミツかもしれない。以前のエントリーではスペシャリテのPizzaをご紹介したが、シンプルなPizzaもとても美味しい。あまりいろいろな具がのっているPizzaを、基本的には好まないMizumizu。この日は、辛いモノ好き、サラミ大好き人間のMizumizu連れ合いの趣味に合わせて、辛いサラミののったシンプルなPizza。クリスピーな生地には、しっかり小麦粉の美味しさが詰まっている。外側はカリカリで歯ごたえがよく、真ん中は溶けたチーズと一緒になって少しねっとり。サラミは本当に辛く、チーズとの相性バッチリ。もちろんワインではなく、ビールと合わせる。荻窪でダントツの人気を誇る理由も、通ってみて頷ける、リーズナブルでシンプルで、気取りのない美味しい店。次は「4つのチーズ」にしてみようかな。あ、そういえば、基本中の基本であるマルゲリータも、ここではまだ食べたことがなかった。遠くから来る方は、夜はこの行例なので予約は必須。
2010.01.15
日本人のマネッコの上手さにはいつも驚くが、ピッツァに関してもそれが言える。昔はイタリアに行くと、石釜で焼いた本場のピッツァを食べるのが楽しみだった。それがいつの間にか、石釜ピッツァは日本でも珍しいものでなくなり、味も本場にひけを取らないものがどんどん登場してきた。「モッツァレッラ・ブファッラ(水牛のモッツァレッラ)」なんてものも、幻の素材だと思っていたら、あらあら、Mizumizuにとって日本の田舎を代表してる(←失礼!)山口県山口市のレストランでも空輸のモッツァレッラ・ブファッラが食べられるではないか。ただし、さすがにいかな空輸とはいえ、味はかなり抜けてしまったシロモノだが。まだ石釜ピッツァが珍しいころは、ビールを併せて注文し、フォークとナイフでピッツァを食べてるだけで、「あ、イタリア帰りですか?」と言われたものだ。そう、イタリアのピッツェリアでは、普通ピッツァを手でつまんで食べることはない。ナイフで切ってフォークで口に運ぶ。そして、ワインではなくビールと楽しむ。・・・と言い切りたいところだが、実はちょっと自信がない。ピッツァ=ビールというのは、イタリアにいる間になんとなく「そういうもの」だと刷り込まれただけで、ピッツェリアのイタリア人客誰も彼もを注意して観察したわけではないからだ。よくイタリアで日本人が食事のあとにカプチーノを飲んでる姿も、相当変な気がする(普通はエスプレッソで締める)のだが、日本で日本人がピッツァにワインを合わせてるのも、なんだかちょっと変に見える。どうして、と聞かれると、「うッ・・・」と詰まるのだが、やっぱりピッツァには水っぽいビールだと思うのだ。荻窪には、石釜ピッツァの店が複数ある。クリスピーな生地で有名なのは、「ラ・ヴォーリア・マッタ」だが、ナポリ風のふわふわ生地で美味しいピッツァを出すのが、Pizzeria da Giovanni (ピッツェリア・ダ・ジョヴァンニ)。マルゲリータ、クワトロフロマッジなど、シンプルなピッツァを好むMizumizuは、マルゲリータ・フレスカを注文。「フレスカ」とはフレッシュのことで、普通のピッツァ・マルゲリータがトマトソースを使うところを、生のトマトの薄切りを使っている。フレスカのほうが多少値段が張る。普通のトマトソースのものも食べたがどちらも十分に美味しかった。少し焦げているのが、いかにも石釜直火ピッツァらしい。イタリアだともっと全面焦げ焦げのものを平気で出してくる店もある。もちろん、抗議すれば焼き直してくれるが、黙っていればそれでOKだということになる。合わせたビールはやはりイタリアの「ナストロ・アズッロ」。イタリアでは多分、一番飲まれている、クセのない軽いビールだ。隣りの客も向こうの客も、やっぱりピッツァと一緒にワインを飲んでいる。地元客相手にやっているイタリアの夜のピッツェリアは、日本のピッツェリアよりずっと開放的な雰囲気で、たいてい若い男の子がビール片手に大騒ぎしているのが、日本のピッツェリアは大人しいカップルや家族連れ。味はイタリアのピッツァそのものだが、そこに広がっている風景がなんとなく違う。
2009.12.16
名店パスティッチェリア アベのあとを引き継ぐようにして開店した、パティスリー ヴォワザン(Voisin 〒167-0043 東京都杉並区上荻2-17-10. Tel 03-6279-9513)。黄色い背景色に白抜きのエッフェル塔のシルエットが目印。店内にもエッフェル塔グッズがたくさん。オーナーはフランソワ・トリュフォーか?(笑)Mizumizuの家からもっとも近いケーキ屋さんで、ときどきお世話になっている。まだ若い職人さんが奥に2人、売り子の女性が1人。12月の繁忙期にはアシスタントさんを何人も従えて、せっせとケーキを作っていたアベ時代の賑わいに比べると、まだ少し寂しいが、上質の材料を使った丁寧なスイーツを出す店だと言っていいと思う。Mizumizuのお気に入りは、フロマージュ。ふわりとした軽い口当たりではなく、濃厚かつクリーミーな味を追求した逸品。かなり酸味が強いのは、中にはさまれたパッションフルーツの量が多いから。これが効きすぎてクリームチーズの風味が少し犠牲になっているかもしれないが、Mizumizuはクリーム層と分けて口に運んで、風味の違いを楽しんでいる。底に敷かれた、粗く砕いたクッキーもしっかりした歯ごたえ。繊細というより、むしろ昔ながらの素朴な味のレアチーズケーキの系統。モンブランは、なんと注文をしてから作る。底のメレンゲのふんわり感がクリームで湿ってしまわないようにとの配慮からだと思う。メレンゲの量がかなり多く、糸状に巻かれたマロンクリームの中は、上質な生クリームがたっぷり。いくらローソンが頑張っても、やはりホンモノのケーキ屋の選ぶ上質な生クリームにはかなわない(笑)。上に飾ったマロンの砂糖漬けには、手をかけているそうな。なのだが・・・このモンブラン、肝心のマロン風味が少し弱い気がする。モンブランなのに、生クリームとメレンゲの印象が強いのは・・・生クリームが美味しいから、それでよいと言えばよいのかもしれないが、隠しマロンを生クリームの中に入れたらもっとインパクトの強いモンブランになるのでは・・・と思わないでもない。ただ、そうすると、材料費が上がっちゃって難しいのかな。アベも生クリームは、非常によいものを使っていた。ヴォアザンの生クリームも同じ味がするのは、仕入先が同じせいだろうか? 生クリームが美味しいから、当然フレジュも美味しい。ただ・・・上にトッピングされた苺、見た目は文句ないのだが、ちょっと味が抜けていた。生地のしっとり感は、完璧。マカロンもあり。モナコ公国から運ばれてくるラデュレのマカロンもいいが、近所に本格的なマカロンを作ってくれる店があるというのも贅沢なこと。フィナンシェ・オ・ヴェルジョワーズ。ヴェルジョワーズとは、ビートから作る褐色の砂糖。日本人が作るフィナンシェらしく、繊細で優しい味だが、噛むと独特の風味が口いっぱいに広がる。何気なく、クセになりそう。シナモン風味の生クリームを戴いたタルトタタンは秋の味。しかし、日本のタルトタタンって、タルトタタンに見えない。フランスの地方の小さな町が発祥のこのリンゴのスイーツ、本当はパイにひっくり返ったリンゴがのってる、もっとぐちゃっとした、素朴な見ためだと思うのだが・・・ こういう深いボルドーカラーで、きれいにまとまったタルトタタンを始めたのは、誰なんだろう? 日本人?こちらはカシス味のメレンゲ菓子。カシスの酸っぱさと苦味が個人的にはかなり気に入っている。どれも上質なのだが、お客の入りが・・・まだ新しい店で、住宅街の不便な場所にあるせいかもしれないが、それを言ったら、アテスウェイだって便利な場所とはいえないが、物凄く流行っている。流行る店とそうでもない店――その違いは、ほんのわずかな「何か」なのだろう。ヴォアザンもここで、材料を落としたりせず、頑張って固定客を1人、また1人と増やして息の長い人気店になってほしいもの。
2009.12.15
かねがね一度行ってみたいと思っていた、フランス家庭料理の店「ブランドミュゲ」(荻窪・南口)。フランス料理があまり好きでない連れ合いを何とか説き伏せ、ランチに出かけた。この店、オーナーはフランス人なのだという。ウエイター役にも1人、日本語の達者なフランス人の青年がいた。シェフもフランス人、とホームページには書いてあったのだが、テーブルから見える厨房で働いてるのは日本人2人だった。ホームページから印刷した飲み物クーポンでサービスしてもらった、グラスワインとくるみワイン。グラスワインはごくごく普通。くるみワインというのは、赤ワインにくるみその他を漬け込ませたもの・・・のよう(説明を聞いたのだが、よくわからず自信なし)。味は・・・確かに山の味がする。独特の甘さと渋さのあるサングリアのようだった。かなり、イケます。ランチセットは、1200円(本日のスープもしくは野菜+メイン+コーヒー・紅茶・エスプレッソ)と1800円(前菜+メイン+デザート+コーヒー・紅茶・エスプレッソ)があったので、甘いものが苦手なMizumizu連れ合いは1200円のコースに、Mizumizuは1800円のデザート付きに。メインはどちらもホワイトボードの手書きメニューから選べる。種類はかなり豊富で、どれも食欲をそそるような書き方になっている。連れ合いは、「350円増しでデザート付きにもできますよ」というウエイターのお誘いを断る。甘いものが苦手なんですってば。1800円になると前菜も各種選べるのだが(選択肢は多い)、Mizumizuは、「さつま芋のクリームスープ」にしてみることに。連れ合いも、「本日のスープ」に。ところが・・・!出てきたスープは、同じ「さつま芋のクリームスープ」だった。味は・・・いいです。確かに家庭的な味で、さほど深みはないが、ちゃんと大地から掘った芋類の味と香りがするし、ボリュームもあり、美味しくいただいた。スープのウマイ店は、料理もちゃんとしている。しかし・・・「350円増しでデザート付きにできますよ」というウエイターのお兄ちゃんの声がよみがえる。だって・・・1800円のコースで前菜をスープにしたら、本日のスープと同じ・・・ってことはよ・・・1200円のコースでスープを選び、350円でデザート付けたら1550円。250円安く同じメニューが食べれるってことじゃないの!?変だ 変だ 変だ 変だ 変だ、それ。オーナーや従業員は、気にならんの? 気にならんの? 気にならんの? 気にならんの?Mizumizuはとっても気になった。自分が店のオーナーだったら、こういう変な矛盾は起こらないように、まず絶対気を使うだろうと思う。ま、つまり・・・1800円のコースを頼んだら、前菜にスープ(もしかしてサラダも?)を選んではダメだということ、かな。あるいは、コースを決める前に、「本日のスープって何ですか?」と聞いたほうがいい。それはともかく、バゲットもちゃんと皮がパリパリ、中身しっとりの正調・フランスパンだったし、バターもミルクの味がするような、軽くてとても質の高いもの。パンの「おかわり」もタダだった。メインは・・・アワビみたいに見えるが、鶏の胸肉。風味付けはエストラゴン。適度に和風で、とっつきのいい一品。確かに、盛り付けをちょっと上品にした家庭の味といったふう。青鯛のポワレ。魚が寝ているのは、サフラン風味のリゾット。連れ合いも合格点を出したよう。デザートには、「ラム酒のプディング」と「自家製プリン」があったので、違いを聞いたら、「プディングは、スポンジにお酒をしみ込ませたもので・・・」フムフム。「・・・プリンは、ふつうの・・・プッチンプリンみたいなヤツです」プッチンプリン!?な、なんつー説明でしょうか。しかし、言いたいことはわかった。こちらが、プッチンプリンみたいな「自家製プリン」。いや、しっかりした自家製のクレームカラメルです。味も、なかなか。しかし、くどいようだが、たとえば、Mizumizu連れ合いがここで同じプリンをデザートに頼んだらどうなっちゃうわけよ。1200円+350円で1550円。250円安く同じコース(メインは違うが、それは1200円コースでも1800円コースでも同じこと)が食べれちゃうことになるじゃないの。ドリンク券を持っていったら、「あ、それはディナーだけ」とも言わず、ちゃんと2人分サービスしてくれたし、値段のわりには味もよくボリュームもあったので、文句はないが・・・オーナーや従業員は、気にならんの? 気にならんの? 気にならんの? 気にならんの?とチョット思う。さてさて。気を取り直して、コースの最後を締めくくるのは・・・青と黄色が南フランス風のソーサーにのったコーヒー。牛さんシェイプのミルクボトルがカワイイ。隣りの席との距離は人差し指1本ぐらいの隙間しかない、キチキチにテーブルを置いた店なのだが、平日の昼からほぼ満席になった。1200円(サービス料・税込み)からという安さ、ボリューム、味の満足度がかなり高い店。さすがに、この材料、この料理、この値段は、都心では無理だろうと思う。実力派のシェフが揃う荻窪でも出色の店。フレンチと言って気取らずに、家庭料理を前面に出したお手ごろ感が人気の理由だと思う。昼は、その日(来る直前)でもいいから電話して、予約したほうが無難かもしれない。定休日は月曜(月曜が祝日の場合は営業、かわりに水曜日が休みになる)。
2009.11.17
国産の安全・安心食品にこだわる店「グルッペ」(荻窪)。主力商品は減農薬野菜・果物で、駅近という立地のよさはあるにしろ、値段は高めなのに、いつもお客でごった返しているのには目を見張る。お客が来るから活気がある。従業員もキビキビ働いている。やはり、お店はモノが売れてこそ。Mizumizuはあまり減農薬作物には関心がない――というより、あまりにいい加減な「有機野菜」が一時世にはびこったことがあるので、単純に信用する気にはなれない――のだが、味には関心がある。グルッペが人気があるのは、なんといってもその味のよさにあると思う。と、言いつつ、減農薬野菜の味のよさというのは、いまいちピンときていない。なので、ここではもっぱら果物を中心に買うようにしている。果物はたいがいどれを食べても非常に美味しい。いつだったか、白桃のあまりのウマさにたまげたことがある。まさに場外ホームランだった。常に場外ホームランというわけにはいかないが、たいがいは「ヒット」と言えるものが買える。この日買ったのは熊本の減農薬みかん。一種の肥料として、海から採ったミネラル豊富な塩を使っているのだとか。ほ~~~ォと、一応感心してみたものの・・・すいません。それがどういう意味をもつのか、さっぱりわかりません。大きさもまちまち、色合いもさまざまなのかカワイイ。皮を剥くと、ぱあっとさわやかな香りが広がる。「街を行き子どものそばをとおるとき、 蜜柑の香せり冬がまたくる(木下利玄)」昔学校で習った和歌が浮かんだ。食べてみて、味の濃さ、しっかりした酸味、ほのかな甘みにうなる。普通のみかんとは、ひと味もふた味も違います!栽培ノウハウは理解できない(まあ、一度筋道立てて説明されればわかるだろうけど。店頭の説明というのは、いつも中途半端なのだ)が、とにかく味がよいのはよくわかる。これだから、多少高くても売れるのね、「グルッペ」に置いてある果物。しかし、今回のホームランは、これ↓「○○さんが作った栗」と書いて売っていた。そ~言われても、○○さんとは一面識もない。というか、「グルッペ」では、基本的に生産農家を明記して売るという方法もとっているのだ。どこの誰が作った栗なのか忘れてしまったけれど(失礼!)、見かけは明らかにパッとしない(再度、失礼!)。もっとパーンと張って、つやつやしてる、大粒の栗が高級スーパーには売られているし、この○○さんの栗は見かけのわりには高いし、どうかな、とは思ったが、そこは「グルッペ」が売ってるものだからと試したみた。栗おこわにしたのだが、剥いているときの印象はイマイチ・・・痩せているし、ちょっと傷んだ部分もある。「ハズレかな~」と思いつつ、もち米と一緒に炊いたところ・・・炊飯器のふたをあけたとたん、ふわりと栗の甘い香りが漂ってくる。むむっ・・・こっ、これは・・・ 香りの立ちかたが、明らかに普通の「高級」栗と違う。で、食べてみて二度びっくり。う、う、う、ウマイ~!!栗の甘さが凝縮されているようなのだ。美味しさが「ギュッ」と詰まっている。もちろん甘露煮の砂糖の甘さとは全然違う、自然な、やさしく深い甘み。栗おこわ大好き星人のMizumizu連れ合いも大絶賛。場外ホームランですね、これは・・・恐るべし、グルッペの選択眼。「栗は魚と同じ。すぐ食べないと味落ちが激しい」とは栗生産農家のおじさんから聞いた台詞。1度で使いきれなかった激ウマの栗、さっそく続けて栗おこわにして、新鮮なうちに食べてしまおう。ホクホク♪
2009.10.28
Mizumizu母の書籍購入希望者の中に、最寄り駅が同じだという方がいた。ふつう書籍販売は前払いでお願いしている。だが、さすがにそこまでご近所なら、「お届けします」とメールした。住所をお聞きしたところ、拍子抜けするほど近い。「最寄り駅が同じ」とは言っても、最寄り駅である荻窪は1日の平均乗降客数が17万人にも及ぶ。駅からバスで自宅まで・・・ という人も多く、距離によってはクルマを出そうと思ったのだ。それが、クルマを出すまでもない。徒歩でも10分ほど。自転車で5分。Mizumizuブログをそんな「ご近所さん」が読んでくださっているとは・・・ 地理的な距離を無意味にするインターネット。日本全国はもちろんのこと、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、タイ、韓国からも「いつも読んでいます」とメールが届く――そうした遠方からのメールにも驚かされるが、逆にごくごく近い場所に住んでいる人とも、「共通の興味」を通じて、普通ならできない縁ができる。負の側面も多いインターネットだが、こうした縁をもらうと、やはり有益な道具だと実感。ナイフは他人を傷つける道具にもなるが、料理に使えば自分の世界も広がり、訪問客にも喜んでもらえる。それに似ている。近所とわかると、「じゃあ、どこかでお茶でも」ということになり、お互いによく知っているパティスリーのイートインコーナーで午後のお茶をした。ご本人はフランスに留学経験があり、ご主人はベルナションの「パレドオールこそ世界一」と贔屓にされているとか。素材のカカオにもっともこだわるのが「リヨン派」の特徴。チョコレートに関しては、「パリ派」「ブリュッセル派」は多いが、「リヨン派」は少ないので、我が意を得たりと膝を打ちたくなった。荻窪という街が気に入っているのも共通している。交通の便がよく、美味しい店が多く、だが駅からちょっと離れれば、「東の鎌倉、西の荻窪」と呼ばれた別荘地だったころの残り香漂う、瀟洒なたたずまいの邸宅群。荻窪の美味しい店情報も、ついでにいろいろいただく(笑)。口コミというのは、とても頼りになる情報だ。嗜好がかなり違えばどうにもならない――たとえば、お会いした読者の方もMizumizuも「肉は好きだが、内臓はダメ」。そうした人に「美味しいモツ鍋の店」「ホルモン焼き食べるならココという店」を紹介しても、役には立たない――が、たいていの人が「合格点」と思う店は、誰が行ってもさほどまずくはない。程度の差があるのは、いたしかたのないことだ。いただいたお店情報の中に、「キーマオキッチン」というタイ料理の店があった。Mizumizuがよくスパークリングウォーターやエスプレッソ粉を買いに行く、「カルディ」という店の向かいの2階にあり、ソムタムもあるようで、前々から気になっていたのだが、Mizumizu「大ハズレしたらどうしよう」連れ合い「じゃ、今度ランチで試すか」といいつつ、なんとなくまだ行っていなかった店だ。そこが、なかなかなのだという。そう聞いたら急に背中を押された気分になり、ついにランチに出かけた。駅の南。「通り」ではなく、1本入った「路地」にある店。この路地のワイワイとした雰囲気が好き。ひしめきあうように、小さな店舗が軒を並べている。荻窪は実力派の店が多い。美味しければ、贔屓にしてくれる常連が来るからやっていける。美味しくなければ、都心の街ほどは一見さんに頼れない分、厳しい。値段ではない。荻窪は安い店も多いが、とても高いモノを売る店も多い。値段に見合った品質を提供できれば、大丈夫。そのせいか、あまり商売っ気はない。飲食業で大きく儲けるのは無理な土地柄だが、堅実にやっていくのには、住人の目が高いだけ向いている。またもやグリーンカレー・・・というより、この「キーマオキッチン」、ランチには日替わりでカレーやヌードルを出す。行った日の日替わりカレーがたまたまグリーンカレーだったということ。オシャレな器・・・(苦笑)。トムヤムクン(日替わりスープ)、ハート型の皿に春雨サラダ、デザートにグレープフルーツ。これで900円とは、満足度高し。春雨のサラダはかなり唐辛子の辛さがきいている。グリーンカレーのほうは、微妙に和風。12時ちょっと過ぎに行ったのだが、店内は満席だった。ちょうど満席のときに来て、諦めて出て行った人も。午後1時になるとガタンと減って、店が静かになった。ビジネス街というわけでもないのだが、ヒューレット・パッカード、アメリカン・エクスプレスといった大きな会社も近くにあるし、ランチにはそれなりの需要があるのだろう。こちらはMizumizu連れ合いの定番、タイのヌードル。ひき肉ののったスープに米麺がタップリ入っている。ヤッパリ、微妙に和風。やや日本人向けの味付けだが、その分客層が広い。遠くからわざわざ来るほどの名レストランではないが、気軽に通える地元民のための店。Oさん、いい店をご紹介いただき、ありがとうございます。次は夜行って、ソムタム食べますね♪♪
2009.10.27
以前ご紹介した南荻窪の実力派イタリアン、ドラマティコ。ここのレモンクリームソースのキタッラが好きで、よく通っている。だいたいいつもパスタランチを頼むのだが、たまに、もうちょっと品数を増やしてみることもある。アンティパスト(前菜)。カナッペ、魚介のマリネとカポナータのせ、コーンポタージュスープ。すべて素材が新鮮で、しっかり作っている。しかし、1つ1つの量が少ないね~、日本のレストランって。こうした幕の内弁当スタイルはイタリアの高級リストランテ、主に北イタリアのヌォーバ・クッチーナ系の系譜に属するのだが、それにしても日本の場合は、とにかく、際立って、量があまりにお上品。スープなんてせっかく手をかけて作っているんだから、もうちょっとサーブしてもいいのでは? これじゃ、まるでエスプレッソ(苦笑)。プリモピアット(第一の皿)。レモンクリームのパスタがMizumizuの定番。無類のレモン好きなので、いつの間にやら、こればかり注文するようになった。麺は乾麺も指定できるが、生の自家製キタッラのほうがおススメ。ときどきちょっと茹ですぎるのか、ほとんど「うどん?」というときもあり。イタリア料理はプリモでスパゲッティなどのパスタ料理を食べる。おそろし~ことに、かの国の人々は、パスタ料理を食べたあとに、楽々とセコンドピアット(第二の皿)に移行し、肉や魚を食べるのだ。あくまでセコンドがメイン。しかも、プリモの量も「スパゲッティ山盛り」だったりすることも多々あり。老人とか、若い美女とか、あまり大食漢でなさそうな人も、しっかり山盛りのパスタ料理の後に、でっかい塊の肉を食べている。そのあとにドルチェ(直訳すればスイーツ。デザートのことで、これまたデッカイ)も平気でペロリ。費やす時間は日本人の平均お食事時間の2倍から3倍だと見積もっている。ドラマティコのドルチェは、日本風に複数(といってもだいたい2種類)の種類のスイーツが一皿に上品にのっている。メニューを見ると選択肢も多い。しかし…改めて写真で見ると、「こんなに細くカットしなくても…」1つ1つ、もう少し量が多くてもいいのでは? 禅の精神ですかね? このサッパリとした盛り付け。でも、現実にはセコンドなしのこのコース(アンティパスト+プリモ+ドルチェ)でもうお腹はいっぱい。値段も都心の店に比べると、かなり良心的だと思う。「生パスタ」というくくりで考えると、よく行く店ベスト3は以下になる。通っている回数順に並べると…1位 「ぷあん」のカオソイカオソイは北タイの郷土料理。ココナッツミルクラーメンとぷあんでは紹介しているが、個人的にここの生麺はフェットチーネに同じだと考えている。週末限定の西荻名物。正午スタートの店で、午後2時にはもう売り切れていることもしばしば。レモンと高菜がついてくる。最近はちょっとスープの量が減りました(苦笑)。2位 「ドラマティコ」の生ハムとブロッコリーのレモンクリームソース、麺は自家製キタッラで。(上の写真参照)3位 「スパ吉」の明太子とイカのスパゲッティ吉祥寺・ハモニカ横丁の人気店。桜の季節の週末は激混みに。通常の週末も、ときどき行列ができてます。平日ならまずOK。連れ合いはもっぱらトマトソース、Mizumizuはもっぱら明太子。やはりレモンがついてくる。…と贔屓にしてるパスタ料理は全部、レモンがらみ。どの店も数十回は行っている。だいぶ売り上げに貢献したなあ。
2009.05.22
コロッケ、である。どこからどう見ても、まごうことなき、普通のコロッケ。荻窪駅の北、教会通りという、細く、情緒のある路地の奥にある家族経営の「さとうコロッケ店」。レトロな文字の黄色い看板が目印。超絶品、とは言わないが、一度食べるとまた食べたくなり、何度も買いに行くようになり、だんだん「コロッケ買うなら、あそこだよね」と常連になってしまう。ここのコロッケは1つ100円。1つ40円で売るスーパーが出てきている昨今の風潮からすると、決して安くはないのだが、なぜだか、いつの間にか離れられなくなっている。最初食べたときは、正直、それほどとは思わなかった。特徴といえば、衣のパン粉の目の細かさ、それと中身にもしっかり味がついていることだろうか。なんというか、「やっぱりおフクロの味が一番だよな」的やみつき状態になるのだ。家庭的でどこか懐かしく、しかも飽きのこない味。ネットの評判を見ると、カツの人気も高いようだが、Mizumizuはもっぱらコロッケ派。午後になるとできてくる焼売もたまに買っている。焼売のほうも、お昼ぐらいから、1つ1つお兄さんが手でくるみ始める。4人で働いている店だが、間違いなく家族だと思う。和気藹々として仲がよさそう。そして、いかにもコロッケ屋さんという家族――なんて言葉で聞いてもピンと来ないかもしれないが、実際にお店に行って、売ってくれるおばさんを見れば納得できるはず。路地の奥まった場所に、こういうほのぼのと家庭的で、かつ美味しいお店があるのが、この街のいいところ。午後2時から3時すぎまで、一時休みが入るので、注意のこと。基本的にあくまで「近所の美味しいコロッケ屋」なので、ミシュランの3つ星のごとく、「遠くからでも買いに来る価値がある」とは言わないが、近所の方、何かのついでに近くまで来た方なら、試してみる価値は大の大。Mizumizuはいまや、他の店ではコロッケを買わなくなっている。さとうコロッケ店 杉並区天沼3-29-13 Tel:03-3398-0276 営業時間:11:30~14:00、15:00~18:30
2009.05.17
ブログの私書箱に今日、読者の方から届いた1通のメール。「パスティッチェリア アベさんに昨日行ってみました。お店の前には行列が出来ていて、『閉店につき全品30%引き』の張り紙が。午前中だったにも拘らず、抹茶ロールもおぎくぼのチーズケーキも売り切れ…」へ、閉店!?晴天の霹靂とは、まさにこのこと。GWに寄ったとき、「都合によりしばらく休みます」の張り紙があり、シャッターが下りていたのだが、これまでも定休日以外に休むことはたまにあったし、GWにまとまった休暇でも取っているのかな? と思っていた。実はMizumizuも昨日も通りかかったのだが(なにせ、自宅から2つ角を曲がるだけ。徒歩2分、いや1分かな)、人だかりができていて、「あれま、今日はヤケに混んでる」と思ってそのまま通り過ぎた。閉店など、ありえない話だ。一時的なものか、店舗の移転だろうか?さっそく店に行ってみると、シャッターは半分以上下りていたが、中にはいつも応対してくれる女性の姿が。こちらに気づくと、出てきて応対してくださった。お話を聞いて、さらに目の前が真っ暗に…なんとオーナー・パティシエ、つまりお店のご主人が、4月末に急逝されたというのだ。まだ57歳。仕事を終えたあと、突然倒れ、そのまま亡くなったのだとか。死因はくも膜下出血。救急車が来たときは、すでに心肺停止状態で、まったく手の施しようもなかったそうだ。多忙で疲れ気味だったとはいえ、亡くなる前に、特に前兆のような体調不良もなかったという。できたての「おぎくぼのチーズケーキ」を、店のショーケースの上において粗熱を取っていた、アットホームな情景がきのうのことのように思い浮かぶ。奥を見ると、いつもオーナーが、数人のお弟子さんと一緒に働いている姿があった。抹茶ロールは稀有な絶品スイーツだったし、ショートケーキも好きだった。そして、隠れた名品、リモーネ。リモーネとは、イタリア語でレモンのこと。厚手のクッキーにレモンクリームをタップリのせたシンプルな焼き菓子なのだが、作るのには数日かかるというお話だった。手間のかかったクッキーは、甘みも酸味も上品でしつこさがなく、食べるとなるとあっという間。気がつくと、もう1枚口に運んでいる、ある意味おそろし~いお菓子だった。買うとすぐに食べきってしまうので、買うのを控えていたくらいだ。すぐ近くの店なので、いつまでも、いつでも、買えると思っていた。いや、閉店と聞いた今でも、もう「アベの抹茶ロール」は食べられなくなったという現実が、どうにもうまくのみこめない。読者の方からのメールの通り、抹茶ロールもおぎくぼのチーズケーキもなかったが、他のケーキはまだ何種類か売られていて、Mizumizuのためにシャッターを上げてたら、さっそく数人のお客さんが入ってきて、また閉店できなくなっていた。あらためて、アベ人気の根強さを感じた瞬間。身体を使って表現する芸術、たとえばバレエだとかオペラだとかは、パフォーマーが亡くなれば、そこで終わる。録画することはできるが、生で見ることはできなくなる。すぐれた味を作り出す職人も同じことなのだ。レシピがあれば、抹茶ロールもリモーネも作れるだろうけれど、それはしょせんはコピー、録画された身体芸術と同じ。結局のところ、もうあの味は帰ってこない。同じように、ご主人個人の職人としての腕だけで、お客を集めている店が荻窪には何軒かある。ご近所なので、当たり前のように、その味を堪能させてもらっているが、それがいかに有り難いことか、身にしみた。
2009.05.16
フィギュアの合い間に軽く食べ物ネタを。荻窪の有名蕎麦店といえば、「本村庵」と「高はし」。駅近で、駐車場も完備されている老舗――いつ見ても高級車がズラリ――の「本村庵」と違い、駅から遠く、駐車場もなく、店も小さい「高はし」は家族経営のこじんまりとした店で、通好みという印象の強い店。荻窪に住んでいて、どちらの店にも徒歩で行ける(「本村庵」にいたっては、ほんの少し坂をくだるだけ)のだが、あまり頻繁に行くというほどでもない。「本村庵」はあまりに店員が多すぎて、蕎麦の茹で上がりにムラがあるし、「高はし」のほうは逆に人手が足りなさ過ぎて、週末の混んだ時間に当たってしまうとえらく待たされる。もっとも味のほうは、「高はし」のほうが安定しているとは思う。「高はし」のご主人は「本村庵」で修業したというだけあって、サイドオーダーも「本村庵」なみに充実している。こちらは、行くとよく頼む「揚げだし豆腐」。和食っていいなぁ、日本人でよかったなぁ…としみじみ実感できる繊細な味。そして、こちらが評判の(?)せいろ。頼りないくらい細く切った蕎麦。量も少ない(苦笑)。もちろん不味いわけではなく、美味しいと思うのだが、なんといってもあまりに量が少ないので、よくわからないうちに終わってしまうモダン・スパニッシュ料理のコースの1品の如し。おまけにこの店では、「大盛り」はないそうな。2枚頼むほどではないし、どうにも中途半端。蕎麦以外のものも食え、ということだと思う。週末に行くと、皆さん、蕎麦以外のものを本当によく頼んでいる。サイドオーダー平均3品と見た(笑)。そして、最後に蕎麦をたしなむのが「高はし」での過ごし方のよう。明らかに「蕎麦マニア」とおぼしき男性が1人で来てるのも目撃したことがある。案外遠くから来るお客もいるんだろうな、有名店だから。こうした「通」の評価は知らないが、近所にせっかくあるのに、どうにも足しげく通う気になれないのが不思議なところ。理由はやはり、割高感があること。といって超高級店でもなく、場所も悪い。こじんまりとした「通」の店なんだろうけど、あまり明るい雰囲気がない。給仕役は奥さんなのかもしれないが、客商売に向いているとは思えない内気なタイプ。サービスが悪いわけではない。冬はみかんを最後に出してくれたり、それなりなのだが、ちょっと会話をしようとしても、とまどったような返事しか返って来ない。「打てば響く」タイプでないのだ。どちらかというと週末に混むタイプの店で、平日の夜はすいている。他にお客がいないときなど、店はし~んとして、墓場のよう。こちらの会話を筒抜けで聞かれているようで、バツの悪さを感じる。「ウチは味で勝負だから、愛想なくてもい~んです」と思っているとしたら(まあ、そこまで傲慢ではないと思うが)……そういうタイプの「プロ」はMizumizuは嫌いだ。どんなに味にポリシーがあっても、お客を不快にさせるサービスをしてはいけないし、そういう店――は、たいていは個人経営だが――でお金を払ってまで「食べさせていただきたい」とは思わない。蕎麦は上にも書いたように、量がお上品すぎる。決して安い値段ではないのだから、蕎麦屋は蕎麦でおなか一杯になるぐらいの量を出すべきじゃないのかな。確かにサイドオーダー品は美味しいけどね、あまりいろいろ食べると蕎麦の印象がそれだけで薄くなってしまう。蕎麦の量を少なくして、ほかのものも食べさせよう――こういう「商売」の仕方もあまり好きではない。というワケで、あまり合わないのだろう、こちらの嗜好に。ただ、繰り返すけれど、味は決して悪くない。一度は行ってみる価値はある。ただ、何度も行こうと思うかどうかは「?」だけれど。週末は混むし、混むと出てくるのが、ものすご~~~く遅くなるので注意。行くなら平日がオススメ。「小さなお子様はお断り」だそうなのでご注意を。自分には子供はいないから、関係ないのだが、こういうことをデカデカと書く神経もちょっとねぇ…… もちろん、自分の店なのだから、お客を選ぶのは自由なのだが、こちらにも、「こういうのを見るのは不快」と発言する自由はあるだろう。小さな子供がいて、預けるアテはない、でも美味しいお蕎麦が食べたいね、あの店有名みたいよ……と思ってやって来た若夫婦がいたとしよう。そういうお客さんが、「犬と小さな子供はお断り」という文字を見たら、さぞやガッカリするだろうな、と思うのだ。お店の情報は以下でどうぞ。http://r.tabelog.com/tokyo/A1319/A131906/13004378/
2008.11.13
今やミシュランの3ツ星レストランとして全国的な知名度を得た感のある銀座の「ロオジエ」。かつてここのパティシエとして腕をふるっていた鈴木氏が自身の店を開くのに選んだ街も荻窪だった。ケーキとパンのほかに、奥にちょっとしたレストランもあって、ランチどきには若い女性を中心に行列ができるほど。南口にある「ル・クール・ピュー」だ。Mizumizuのイチオシはケーキではなくて、ここの合鴨サンド。ヨーロッパ仕込みの重めのパンに、スモークした合鴨とたっぷりの野菜、それにピクルスがはさんである。パン生地にしこまれたひまわりの種もアクセントになっている。カヌレと季節もののアップルパイ。ここのカヌレはちょっとクセが強く、個性的なので、好き嫌いが分かれるかもしれない。個人的にはかなり好きな味。カヌレは焼きたてがめちゃ美味しいのだが、残念ながらここで焼きたて感のあるカヌレにはお目にかかったことがない。行く時間が悪いのか、あるいは遠くで焼いてもってきているのか、実態は不明。アップルパイも酸味がきいていて、シナモンの風味がふんだん。
2008.01.09
最近「値段の高い蜂蜜」を置く店が増えた。自然食品を扱う店、高級食材を置く店、あるいはケーキ屋でも主にフランス産の蜂蜜を置いているのを見かける。Mizumizuの住む荻窪近辺でも、あくまで「ついでに」高級(?)蜂蜜を置いている店は多いが、専門店となるとまだまだ珍しい。蜂蜜だけを扱う店舗をかまえた「ラベイユ」はそういう意味でも貴重な店だ。本店は荻窪だが、渋谷や丸の内にも店舗を出している。名古屋、大阪、京都、福岡にもある。本店といってもごくごくこじんまりとした店。荻窪駅を出て、北の「教会通り」という、とても狭く、とても風情のある古い商店街を5分ほど歩いたところにある。ディスプレイは南仏の雰囲気にあふれた、かわいらしい演出。だが、店舗自体は小さいし、あまりにさりげなさすぎるので、うっかりしていると通りすぎてしまうかもしれない。店内の蜂蜜の品揃えはさすがに充実。量り売りもある。フランス産ならラベンダーやラズベリー、イタリア産ならひまわりやオレンジといった蜂蜜を、瓶を持参すればその場で入れてもらえる。もちろん量り売り以外の蜂蜜も充実している。たとえば菩提樹(シナの木)の蜂蜜なら、北海道産、フランス産、イタリア産があった。お願いすれば試食もできる。季節によって品揃えも変わる。便利な場所にあるとはいえない店だが、お客さんはそれなりに入って、それなりに売れている。Mizumizuもすっかりリピーターに。意外だったのは北海道産のシナの木の蜂蜜が、名寄の養蜂農家から直売で買ったものとは味がまったく違ったこと。名寄のものは色も濃く、ワイルドで力強い味だった。ラベイユで試食させてもらった道産のシナの木の蜂蜜は色も薄く、上品で淡白な味わい。同じ木の花から採ったものとは思えないほど。実は、他の東京の店で買った「北海道のシナの木の蜂蜜」もほぼ同様な印象。理由はよくわからない。フランスとイタリアの菩提樹の蜂蜜もまったく味が違った。ことに個性的だったのが、フランスのプロバンス地方の養蜂家のもの。ひたすら滑らかな口当たりとハーブのような個性的なフレーバーと香りがある。ここまで独特だと、普通の食パンには合わないのだが、ハード系のチーズや小麦の風味の高いバゲットとマリアージュさせると最高だった。これまでさっぱりとさわやかなレモンやら、花粉をふくんだ濃厚な舌触りのひまわりやら、いろいろと試したが、どれひとつとしてハズレがない。もちろんどれもこれも味はまったく違う。蜂蜜の奥深さを改めて知らされる。しかも、ここの蜂蜜は養蜂家の名前まで入っている。もっとも名前を書かれたって誰だか全然知らないワケだが(笑)。ヨーロッパのどこかの養蜂家の採った、多種多彩な蜂蜜を極東の島国でも味わえるのだから、ありがたい話だと思う。
2008.01.08
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