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毎年秋に、東京の宝生能楽堂で行われる秋の別会。鴨くん(仮名)「今年は面白そうですよ。『実盛』『葛城』『烏帽子折』。 『葛城』は近藤乾之助ですし、『烏帽子折』は宝生宗家! これは必見です」鴨くんが目をキラッキラさせながら教えてくれた。確かに、番組を見ても豪華な面々である。私「へー。チケットいくらなの」鴨くん「正面は12000円。脇正面なら10000円です」チキチキチキーン(¥v¥;)えーと。新幹線代と併せて・・・よ、4・・・鴨くん「何をためらってるんですか!乾之助の能は、 もう機会がないかもしれないんですよ。 しかも『葛城』ですよ葛城! 更に序の舞じゃなく“大和舞”! これを観ないでどうするんですか」む・・・ それは確かに・・・齢80を超える乾之助師の能(しかも葛城)・・・序の舞とは違う舞も入るし・・・・・・私「うん。そうだね。よし、行こう!」今しか観れないものは、観ておかねば。そして、久々の宝生能楽堂。師匠に脇正面のチケットをお願いした。鴨くん「かなり前ですね」前から2列目、橋掛かりの真横。面も型もくっきり見える席だ。まずは『実盛』から。「老武者の悲しさ」が表れる名作だと解説には書いてあるけれど。おおっ、と思ったのは地「鞍の前輪に押しつけて」かなり後半なんだけれど(ていうかキリか)、老いた実盛(シテ)が地「首」相手方の首をとらえて地「かき切って」かき切るところの型。老いてもなお強い武士の、凄みが感じられた。それ以外のところは・・・私の目がまだまだなのでありましょう、型が綺麗な方だとは思ったけれどこう、強くぐっとくるものはなかったような。続いて狂言、仕舞が挟まって(狂言は『鶏聟(にわとりむこ)』、 お舅さんの芸がお上手! 愛情が感じられた)能『葛城』。ワキ「神の昔の跡とめて・・・」懐かしいワキの謡で物語が始まる。山伏たち(ワキ)が、雪山で吹雪に遭い岩陰で難を逃れようとする。そこへシテ「のうのう」幕の向こうから、シテの声。私が座っている位置からでは、180度振り向かねばならずぎゅっと体を返して、幕向こうのシテを見るとシテ「あれなる山伏は何方へ」(゜□゜;)悪寒がした。シテ「御通り候ぞ」凄い、何だこの存在感。凄い。やばい!(←語彙貧乏)橋掛かりを、ゆっくりと通るその姿にも辺りを包む吹雪、雪を踏み分ける音、それらがそこに存在するかのようなハコビ。見所全体の意識が、シテに引きつけられている。私もその1人として、一体感に似た空気を肌で感じる。これが名人の芸・・・(何だか既に満足感)。そしてシテにとって、なくてはならないワキも今回の方は、ワキ方では名人のお一人なのでシテの圧倒的な存在感にも負けてはいない。いや、それを包む優しさを兼ね備えているというか「この山伏になら任せられる」という安心感を覚える。確か、以前拝見した三川泉の『葛城』も、ワキはこの方だったはず。素晴らしいなぁ。凄いなぁ・・・その後も、色んな箇所で色々感じたのだけれど特筆すべきは、後の「大和舞」からキリまで。地「高天の原はこれなれや・・・」葛城山の神として出てきたシテが扇ではなく、御幣(巫女さんが持つ、白い紙がシャラシャラついた棒)を手にシテ「神楽歌はじめて」え、そこ地謡では、というところを謡いシテ「大和舞いざや奏でん」大和舞を舞い始めた。神に捧げる舞だからかシテが神様というより、人間味の方が強く感じられた。キリも、普通なら踏む止め拍子を踏むことなく白く照らされた自分の顔に地「恥ずかしや あさましや」急いで帰っていき、地「岩戸のうちにぞ入り給う・・・」幕の向こうに吸い込まれていった。こんなんアリなんかー、と思いながらめったに見られないものを見られた、という感覚が五感に満ちみちて、来て良かったなぁと思った。で、最後は若き宝生宗家の『烏帽子折』!山ほどの役者が出そろう、豪華で賑やかな舞台だ。やはり後半、橋掛かりに「「「「寄せかけて~~~」」」」10人以上がずら~~っと立ち並ぶ御姿は壮観!(この席近い!ちかいよ!)年長けた武者たちが、かわいい子方に向かっていってばったばったとやられていく。その切り組も、それぞれ違っていて面白い。その立衆のお一人である師匠は舞台から橋掛かりまで、勢いよくジャンプ&平臥!(あっ、落ち方が痛そう)そして、一人残った熊坂長範(シテ@宗家)だが・・・地「熊坂長範ろくじゅうさん~」『熊坂長範(63)』!( ̄□ ̄;)に・・・ニュースみたいな地の出!(←注:突っ込むところでは全くない)そんな良い大人の熊坂長範(63)は、牛若丸(12~17?)に真っ向から斬られ地「二つになってぞ」どうやらまっぷたつになって、地「失せにける~」めでたく牛若の勝利で終わるのだった。やんややんや。私「おもしろかった~~」鴨くん「来て良かったでしょう」ちょいと値ははったけれどずいぶん楽しませていただいたのは確か。鴨くん「でも別会だというのに・・・空席が目立ちましたね。 悲しいことです」敷居が高いと思われがちなのは、理解できるけれどどんなに稽古して、どんなに良い芸をしたとしても見る人がいなければ意味がない。かくいう私自身も、話を聞くまで行こうとは思わなかったしどこかでちゃんと、「この演目・この舞台は面白い」とプッシュ&宣伝してくれる人がいるんだろうな。演目名や能楽師名だけ見たところで、稽古をしている私でも判断つかないことが多いし。私「次のオススメの舞台は何なの」鴨くん「春の別会ですね。『隅田川』に『道成寺』」ふむ。確かに面白そう(やっぱりチェックしてるんだね・・・)。ともあれ、観に行ってよかった。稽古に何かしら生かせたらいいな。
2010年11月28日
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9月の舞台以来2ヶ月ぶりの師匠稽古。師匠「次は何の仕舞するか決めた?」いや、まだ・・・師匠「じゃ他の人を稽古してる間考えといて」舞台と共に、稽古も一区切りついて次の曲に移る時期。『鶴亀』は、ゆったりの王道みたいな曲だったので「次は荒い仕舞をやろう」という、方向性だけは決まっているのだが。。。私「何がいいでしょう」鴨くん(仮名)「そうですね」師匠にお借りした、仕舞集の本を見ながら稽古に来ていた鴨くんにアレコレ聞く。鴨くん「どっしりやるなら『是界』とか『車僧』じゃないですか。 あとは・・・『昭君』とか、あ、この『草薙』とか珍しいですよ」ど、どれも馴染みがない曲でイメージがわかん・・・鴨くん「それと『箙』でしょうか」・・・えびら。過去、数え上げればキリがないほど何人もの人が習ってきている、超メジャーな修羅物の一曲・えびら。えびら・・・師匠「決まった?」私「『是界』とか『草薙』とか『箙』とかが候補にあるんですが」師匠「何か色々あるね(笑)。どれやりたい」私「えーと。『箙』をお願いします」ということでゆったりの王道の次は、修羅の王道を行ってみることに。師匠「ほんとは扇2本だけど 今日は使うところまで行かないから」思えば、2年前の舞囃子『清経』以来の二本差しだ。師匠「山も振動 海も鳴り・・・」過去に多くの先輩がされているということは私自身も、何度もこの仕舞を見てきている(能もあったし)。だから、私の中にも大体のイメージはあって非常にとっつきやすい。師匠「波を立て、で立てるんだけど 扇をまっすぐ上げるんじゃなくて、ちょっと横にはずす。 烏帽子をかぶっているからね」成程。師匠「水を返し、で下をサス。で、角トラズで左回り・・・」そうして、全体の1/3を習って1回目の稽古は終了。次の舞台は松本かも、とは聞いているけれどそんなにすぐではないはずで・・・師匠「松本の舞台ね、3月ぐらいにやるかも」なぬ。師匠「ほんとは5月にしようと思ってたけど 熊くん(仮名)から『だらけるんで早めに舞台やりましょう』って」とすると、大体4ヶ月か。以前お邪魔した松本の稽古場の、広い畳の間でやる予定らしい。目標が、適度に近くにあった方が焦点を定めやすいのは確かだ。よし。また、じわじわ少しずつ合間をみて進めていこう。
2010年11月21日
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今日は年に一度の現役による自演会の日。今年は、私が宝生会4回生だったときに当時1回生だった子が、4回生になる年。そして、4回生地頭・3回生シテの能『経政』が出るのだ。今日に至るまで、紆余曲折あったと聞いているしこれは仕事を抜けて、観に行かねばなるまいて!・・・と、決めたはいいものの会社を抜けられるのは17時前で始曲も17時予定。私「番組、遅れてたりしませんか?」様子を伺いに、信州松本より観にきているという柴さん(仮名)にメール。柴さん「17時5分開始です」おってことは・・・ワキ「役者を集め候」会館に滑り込んだときにはシテが出てくる前、地が謡い出す前の絶妙なタイミングになっていた。いそいそと舞台正面の席に座る。ワキ「げにや一樹の陰に宿り・・・」『経政』は確か、しばらくワキの謡いがあって地が謡い出すと、シテが出てくるはず。だったような。すると、地もシテも、同じタイミングで同じように緊張しているんだろうか。ワキ「恵みを深くかけまくも・・・」な、何かこっちまで緊張してきた(オイ)。稽古段階は、ほぼ見てないからどういう仕上がりで、どんな感じかも分からない。どんな経政になるのだろう。この日のために、頑張ってきたんだもの。地もシテも頑張れ。ワキ「弔い給ふ」地が一斉に扇を取る。ワキ「有り難さよ」地「殊にまた かの青山と」混声地の、女性地頭。その地頭の声が聞こえる。地「いう琵琶を・・・」おー。さすが4回生、地頭が中心になってる感じがする。今回の地謡は、4回生が1人で、前列は2回生以下、あとはOBが2人という、けっこう力量差がある布陣。その中で、一本の筋が通った感じがするのは聞いていて安心する。地頭、稽古頑張ったんだなぁ。地「日々夜々の法の道・・・」そして、シテが幕の中から出てきて舞台へ。・・・柱とかお囃子にぶつかりませんように、等と余計な心配がハラハラと頭をよぎりつつもシテ「風枯木を吹けば晴天の雨・・・」シテの一声。面をつけていても、声はしっかり聞こえる。若々しい感じ。3回生でシテをするのは近年では珍しい。けれど彼は、凄くよく稽古をするし実際に上手いのでこうして様になっている。・・・最初はどきどきしたけれどシテ謡や、地謡が進んでいくにつれ次第に落ち着きを取り戻す。何て言うのかな、この舞台シテの気持ちと、地の気持ちが伝わってきてあと全然、稽古は見ていないのだけれどまるで稽古が見えるような気がする、そんな舞台だ。それは単に、普通の舞台を見るよりも色んな要素が層になって見えて何だかとても、感慨深い。私が4回生のときも随分迷いつつ、色んな要素が絡み合って最終的には『葛城』という能として、ひとつの形になった。迷った末に、能を出さないという選択肢を選ばざるを得なかったこともあるし色んな立場、色んな人の想いがある中でそれを全部ひっくるめて、こうしてひとつの舞台として集結することはやっぱり凄いことだ。だからシテ「いや雨にてはなかりけり!」多少荒くても地「おもしろや折柄なりけり」ちょっとざくざく振り回してる感があってもまぁ、良いのだ! いいよいいよわかるよ、想像つく多分キリはね地「灯火をそむけては~~!」そうだよね、思いっきり謡ったらいいんだよ!(↑多分思いっきり謡えとか言われたんじゃないか)最後の部分だしね、ツヨギンだしね、大きな声で謡うのが良いんだよ。いやはや、大変だったと思うけど凄いな。「魄霊は失せにけり」よく頑張った。うん。素晴らしいっす。「魄霊の影は失せにけり・・・」猫さん(仮名)「良かったですねぇ」私「ええ。良かったと思います」リスちゃん(仮名)「お久しぶりです五月さん!」ロビーに出ると、たくさんのOB・OGにお会いした。みんな平日だけど、観に来ているのだ。柴さん「五月さん、この後の御席は・・・」私「いや、会社に戻らないと・・・」打ち上げ行って、色んな話を聞きたいけれど行かねばならぬ悲しさよ。この会が終わっても1ヶ月後には、今年度最後の舞台が待っていて現役はゆっくりもしていられない。それでも今夜ぐらいは、食べて飲んで、ぱーっと騒いでほしい!皆様、ほんとにお疲れ様でした!
2010年11月16日
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仕事において失敗ではないけれど、後からじわじわしんどくなるのが私の場合、多くは人とのやり取りがあまりうまくいかなかったときである。ああ言うべきじゃなかった、とかあのときこうきちんと言うべきだった、とかタイミングと言い方を逸してしまうともう一度言い直したり、付け加えたりするというちょっとみっともないことになってしまう。(・・・今日もそういうことがあったので 頭の中で、1人反省会をしているワケである)でも、たとえみっともないとしても言わないと絶対に後からほころびが出ると思うのでみっともないのを承知で、後から言い直したり、付け加えたりする。大きな失敗を招くくらいなら自分が恥をかくだけの方が、何百倍もマシだから。でもそんな何回も言い直してるわけにもいかんので何とか回数を減らすために前もって、会話の場合分けをシミュレーションするようにしている。もし昔から、例えば友達との会話でもちゃんとシミュレーションしたうえで会話するクセがついてたらそんなこと余裕で出来るんだろうけど、なまじやってこなかったのでまだ結構時間がかかる。まぁ用意しても、うまくいかないことも多いのでいわゆる「臨機応変な対応」って難しいなぁとつくづく思う。でも、これが出来るようになれば仕事は随分楽になるはずなのだ。人の想いを汲み取る仕事だからいつかは超えなければならない、私のハードルである。・・・うまくいかないと、ついぐだぐだ・ウジウジ考えてしまうけど仕事は、要は結果を出せるかどうかなのだ。実にシンプルである。明日の自分は、まだ失敗してない。今日の自分に勝るようにひとつひとつ、がんばるのだ!
2010年11月11日
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社長「今日は魚パーティーをやるぞ!」社長の気まぐれで開催される○○パーティ-。今夜は魚。営業室の打ち合わせデスクにカセットコンロに大きな鍋、そしていくつものお皿の上に豪快に切られたお刺身たち。社長「今朝水揚げされたばかりの魚だからな! うまいぞ~~~」やわらかく甘みがあるアオリイカ。鮮度が良くないと出せないというさわらの刺身。ハタハタの素焼き、ぷりりと蓋が開いたサザエ。大葉と食べるカワハギの刺身。鯨ベーコン、大トロしめ鯖 etc。たっぷりふっくら炊いた白米と(人によっては月曜から日本酒で)おいしいという言葉しか知らないんじゃないかという風に「うまい」「うまいです!」「うま~~」「マジヤバイっす」社長の包丁から繰り出される、海の魔法をみんなでがっつく。いやもう、うますぎる。。。ここはどこ、天国かしらん。社長「・・・ワタリィ」私「はい」社長「泣かせてやろう」そして出てきたのはカワハギの肝。さっと湯通ししてかき醤油をたらした淡いピンク色の、美しい肝。社長「食べてみ」食べた瞬間私「・・・・!」コンマ一秒で消えてなくなる。社長「海のフォアグラじゃ!」・・・泣けるうまさだ。私「生きてて良かったです!」社長「そだろ! また仕入れとく!」夜が遅くなったとしてもやっぱりこういうの、幸せ過ぎる!!
2010年11月08日
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