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無限級数の「和」が考えられるのは、級数が収束するとき(ある一つの値にどんどん近づいていくとき)でした。無限級数が収束するかどうかは、どうわかるのでしょう。
等比級数の場合は特別に、公比が-1<r<1のときだけ収束することがわかっています。
1+1/2+1/4+1/8+1/16+…という等比数列は、公比が1/2なので収束します。前に見てきたように2が極限値になります。どんなに小さな数でも無限に足していけば、無限に大きくなりそうな気もしますが、どうがんばっても2よりは大きくなりません。
一般に、無限級数の部分和が収束して極限値を持つとき、無限級数も収束して、部分和の極限値を級数の和であると定義します。
数列の第n項のnが大きくなるにつれて、各項が0に収束しないと、無限級数は収束しません。各項が0に近づいていかなかったら、項の和はどんどん増えていってしまいますから、一定の値には近づかないことになります。
数列の各項が0に近づいても、無限級数は必ずしも収束しません。
1+1/2+1/3+1/4+1/5+…という無限級数は発散してしまいます。項が進むにつれ、伸びはものすごく緩慢になりますが、確実に大きくはなっていくんですね。
1+1/2+1/4+1/8+…の等比数列は伸びが緩慢になって、頭打ちになります。2より上には出られません。
かと思うと、
1-1/2+1/3-1/4+1/5+…と、符号が変わった数列は収束します。+と-方向に振れながら中央の極限値を目指して進むイメージです。
ややこしいですが、面白い。
そして、収束する無限級数のひとつが、(1+1/n)のn乗。ネイピア数eに結びつく無限級数の登場です。複利計算から生まれたこの級数は、収束します。
利息計算の期間をどんどん短くしていくと、(1年複利→半年複利→1ヶ月複利→1日複利→…)確かに元金+利息は増えていきますが、無限に増え続けることはありません。増え方が緩慢になって頭打ちになります。
オイラーが捜していた、微分しても変わらない指数関数の底と、(1+1/n)のn乗が結びついた先に、オイラーの等式があります。
参照元:吉田武『新装版 オイラーの贈り物』東海教育研究所
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