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私たちは学校の歴史の授業で「天皇機関説事件」ということを学習しました。現代ではごく常識的な学説であるが、戦前は「天皇は神さまの子孫である」という右翼思想に凝り固まった軍人や学者が、理路整然と天皇機関説を発表した憲法学者・美濃部達吉を強く批判し、美濃部は貴族院議員を辞任することとなり、その後は右翼と軍人が世の中を支配するようになり、日本は侵略戦争への道を進むこととなったものです。その当時の世相を研究した本が、最近講談社から出版されて、7日の朝日新聞は次のような書評を掲載しました; 歴史の隙間に消えてしまいそうな言葉を丁寧に紹介する。そのためにもこの分厚さが必要だったのだろう。とりわけ以下の言葉は印象的だ。「戦争を起こして日本をこんなにしたのは軍人ばかりが悪いのではなく、日本中の男という男がみな卑怯(ひきょう)だったからです。わたくしはそう思います」 発言の主は美濃部民子。夫の憲法学者・美濃部達吉は戦前、天皇を「国家の最高機関」とする説に立っていたが、「不敬」だとして右翼や軍部から攻撃された。学界や官界の常識だった天皇機関説はいとも簡単に葬られ、神がかり的な天皇主権説の天下になる。「卑怯」の2字が重いのは、そのとき声をあげるべき人たちがほとんどあげなかったからだ。 その一人が憲法学の弟子にあたる宮沢俊義だ。宮沢が戦後に語った弁がある。「わたしは事情の許すかぎり、小さくなっていようと決心しました」。下手に抵抗しても効果がないだけでなく、大学に災いが及ぶと考えた。周りの空気を一切読まずに自説を訴えた美濃部の人間が「大きい」とすれば、周囲を気遣う宮沢は「小さい」。そしてその小ささは、学者だけでなく当時の政治家や官僚などに共有されていたと著者は言う。 読んでいて苦しいのは、美濃部ではなく、口を閉じた人たちに近さを感じてしまうことだ。メディアも「慎重な取り扱い」を言い訳にして、身を守った。そうやって常識や良識がいつのまにか押しつぶされる。1930年代に限った話ではないだろう。 関係する人物を網羅した本書は、機関説を排撃する側にも光をあてた。なかでも「原理日本」誌上で美濃部を執拗(しつよう)に攻撃した蓑田胸喜(むねき)は深く掘り下げられている。名前をもじって「狂気」とも言われた人だが、実は「気の小さな、どっちかといえば臆病な善人」という同僚の評価が興味深い。「小さい」人物はあちこちにいて、戦争への道ができていった。<評・有田哲文(本社文化部記者)> * 『天皇機関説タイフーン』 平山周吉〈著〉 講談社 3080円 *<ひらやま・しゅうきち> 52年生まれ。雑文家。『江藤淳は甦(よみが)える』で小林秀雄賞、『小津安二郎』で大佛次郎賞。2026年2月7日 朝日新聞朝刊 13版S 20ページ 「読書-『小さい』人物が導いた戦争への道」 この記事はなかなか示唆に富んでいるというか、日本人とはどういう民族なのかという問いに、明快に回答しているように思われます。天皇機関説は当時の学会や官界では常識であったが、国内の一部に狂信的な「天皇は神さまの子孫」説の信者が、大声どころか暴力まで使って威張り散らすと、有識者は「大学に災いが及ばないように」と黙り込んで、その結果、大学は守ったが国はほろんだ、というのでは本末転倒というものではないかと思います。現代もまた、憲法とは民主主義を守るために国家権力を縛るものである、という「常識」を、高市首相は否定し、「憲法は、国家の理想的なあり方を言い表したもの」と主張し、小選挙区制を利用して5割に満たない得票率でも議会の3分の2以上の議席を占めて、高市個人の「理想」を書き込んだ文章を「憲法」にしようとしている。そのような首相の言動に対し、メディアは世界の常識である憲法観を示し、「個人的な理想像の誤り」をしっかり主張しないことには、この国は再び「破滅への道」を歩みだすのではないかと危惧する次第です。
2026年02月28日
昨日の欄に引用した東京新聞の記事の続きでは、上智大学教授の中野晃一氏が野党敗北の原因について、次のように述べている;――中道が惨敗した理由をどう考えるか。 「結党までの過程に大きな問題があった。立憲民主党出身の野田佳彦共同代表は『大きな塊をつくる』と言って新党を立ち上げたが、それ以外のビジョンを打ち出せなかった。(2015年に成立した)安全保障関連法に対抗した野党共闘では、政党と市民運動との間に幅広い協力関係があった。今回の新党では、永田町の論理を超えたものを示せなかったのが失敗の要因だろう」 「党名も良くなかった。なじみのない『中道』と、日本維新の会のイメージが強い『改革』という言葉を、急場しのぎの『連合』で接着させた。立民が持っていたブランドイメージを自ら壊してしまった」――政策面でも立民は軌道修正を図った。 「公明と接近するために安保法や原発再稼働を容認したが、こうしたテーマは本来、立民支持層が重要視してきたものだ。高市早苗首相の奇襲のような衆院解散を受けた新党結成で、コアな支持者は政策面での急な方針転換について行けず、フワツとした支持層も行き場を失ってしまった」――野田氏と公明出身の斉藤鉄夫共同代表が前面に立ったが、党のイメージ戦略はどうだったか。 「党の中心におじさんたちが集まっているようにしか見えず、ジェンダー感覚が欠けていた。自分たちで(通信規格の5Gにかけて)『5爺』と呼んでいたが、結果として初の女性首相である高市氏の存在を際立たせてしまった」――「1強多弱」の政治状況になった。野党第1党としてどうあるべきか。 「参院には立民と公明がそれぞれ残っているが、今回の惨敗ですぐに合流することは難しくなったのではないか。ただ、衆院の立民系は21人に過ぎず、別々の党に戻ればいいとも思わない。高市政権は今後、改憲など保守的な政策を進めてくる可能性かあり、それに対抗する勢力は必要だ。中道は、高市政権を支持しない有権者が政治に何を求めているかに向き合うことから再建を始めてほしい」(聞き手・木谷孝洋)<なかの・こういち> 1970年生まれ。上智大国際教養学部教授。専門は比較政治学、日本政治、政治思想。2015年に結成された「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の呼びかけ人。2026年2月11日 東京新聞朝刊 12版 2ページ 「中道 自民 勝敗分けた背景は」から「急な政策転換『5爺』で自壊」を引用 与党が軽く3分の2を超えてしまった今となっては、「野党第一党」といってもあまり意味がないような気がします。衆議院の解散が突然だったところに、新党の結成も「寝耳に水」で、よく見てみると今まで選挙のたびに協力していた「野党間の結束」は投げ捨てて、前回までは与党だった公明党と合流すれば、それでもこれまでの「立憲民主党支持者はついて来る」と見込んだのが、とんだ見当違いであったわけで、今後は、次の選挙まではしばらく時間もあることだから、中道改革連合として、安保法制反対、原発再稼働反対、平和外交の推進等々の「方針」を党の方針とする作業に取り組んで、野党側のリーダーシップを確率する努力をしてほしいと思います。
2026年02月27日
衆議院選挙の結果、それまで少数与党だった自民党が単独で議席の3分の2以上を独占するという巨大与党になったことについて、11日の東京新聞は2人の有識者の見解を掲載している。そのうちの一人、松本正生名誉教授は記者の質問に、次のように応えている; 衆院選では自民党が圧勝し、新党「中道改革連合」が惨敗した。背景にはどんな民意の変化があったのか。有権者の政治意識に詳しい埼玉大の松本正生名誉教授と、日本政治を研究テーマとする上智大の中野晃一教授に読み解いてもらった。◆「サナ活」トレンド化が奏功――自民が追加公認を含め、戦後最多となる316議席を獲得した。 「小泉純一郎政権での郵政解散のように、首相個人への支持を背景にした大勝利は過去にもあった。近年は組織票が弱くなり、地域や年齢による投票行動の違いが少なくなった。均質化が進み、どこの選挙区でも同じような投票傾向になった。以前より地滑り的な結果が生まれやすくなっている」――選挙戦を通じ高市早苗首相の人気が高まり、首相をアイドルのように応援する「サナエ推し」「サナ活」という言葉も生まれた。 「選挙で勝つ方に投票することを『正解』と考える若い世代が増えた。そうすると、勝つ方にみんな入れる。『今回はこっちかトレントだよ』と言って。その傾向は上の世代にもシフトしている。首相が『高市早苗が首相で良いのか』という争点設定に成功し、世論調査をするたびに自民への支持が広がって、トレンドとなった」――「トレンド」ということは、支持層として固定しているわけではない。 「もちろんそうだ。昨年の参院選では参政党がトレンドになったと言える。今回はそれが高市首相になったが、今後もそうなるとは限らない。ライフスタイルの変化によって、選挙はスマホでカタログを見て商品を選ぶような一過性のイベントになった。政党側も有権者を『消費者』に見立てて、マーケティング戦略のように選挙戦を戦う流れになっている。――トレンドが広がる上で、交流サイト(SNS)が重要な役割を果たした。 「影響力がとても大きくなり、政治家もこぞって参入している。有権者も世代交代の過渡期にある。高齢者の方が数は多くても、トレンドをつくるのは若い世代だ。『サナ活』もその一つになったのだろう」――そうした投票行動に課題はないのか。 「選挙が短期的なイベントになると政策議論は深まりようがない。有権者は、自分が投票した選挙の結果がどういう意味を持つことになるか考えてほしい」(聞き手・井上峻輔)<まつもと・まさお> 1955年生まれ。埼玉大名誉教授。専門は政治意識論。現在は埼玉大発のベンチャー企業「社会調査研究センター」社長を務め、世論調査や選挙調査の新たな手法開発などに取り組む。2026年2月11日 東京新聞朝刊 12版 2ページ 「中道 自民 勝敗分けた背景は」から「『サナ活』トレンド化が奏功」を引用 この記事にみられる松本氏の見解は、日本人社会のからくりを見抜いているように思われます。戦後80年も経ったわりには、私たちの社会の「民主主義」はいまだ未発達で、その根幹を支える「選挙」も、有権者の間に「選挙の大切さ」が理解されておらず、「同じ考えを持つ候補者を自分たちの代表にする」意義の大切さが見失われ、自分が投票した候補者が落選するのは残念だから、どうせ投票するなら当選する候補者に入れるべきだという「意識」を持つ有権者が大勢を占めているのが現状ということのようです。そこへもって来て高市早苗首相は、憲法の条文を都合よく読み替えて、理由もないのに衆議院を解散し、議論を始めるとボロが出るとうので、党首討論の場は徹底的に逃げ回り、ケガなどしてはいないのに手首に包帯を巻いて同情を買うなどして演技をしまくり、「勝ち馬」はこっちだという意識を盛り上げた結果が、この度の選挙であったわけです。このようにして誘導される有権者では、この国はもう一度戦争で国を滅ぼすことになる可能性は、実に大きいと見るべきではないでしょうか。
2026年02月26日
高市政権の政治姿勢をどう評価するか、弁護士で市民団体「戦争をさせない1000人委員会」事務局長を務める内田雅敏氏は、8日の「しんぶん赤旗」のインタビューに応えて、次のように述べている; アメリカに物言えぬ自民党政治をどう見るか。日本の加害責任を問い続け、「戦争をさせない1000人委員会」事務局長を務める内田雅敏弁護士に聞きました。<本吉真希記者>◆歴史という"縦軸"なき政権 物事を考える際、「現在」という横軸と「歴史」という縦軸を総合的に考える必要があります。高市政権には、この歴史という縦軸がまったくない。高市政権の後ろ盾である自民党の麻生太郎副総裁も、高市早苗首相が師と仰ぐ安倍晋三元首相もまさにそうです。 とにかく私が驚いたのは昨年11月、高市首相が「台湾有事」は「存立危機事態」になり得ると、軍事介入が当然とも言わんばかりの発言をしたことです。 日中間には日中共同声明(1972年)など四つの基本文書(注1)があります。これらは先人たちによってつくられた。"平和資源"です。台湾問題について日中共同声明は、中国側は「台湾が中国の領土の不可分の一部」であることを主張し、日本はこの中国の立場を「十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第8項(注2)を堅持する」としました。 98年の日中共同宣言では、日本側は先の日中共同声明で表明した立場を引き続き遵守することを表明しました。高市発言はこうした歴史的経過への理解が皆無です。 日本の近現代における過ちの出発点について意見はいろいろあります。しかし、少なくとも保守の側においても、日本が中華民国に突きつけた対華二十一ヵ条要求(1915年)が、日本のアジア政策の間違いであったと共通の認識があります。 中曽根康弘元首相は2015年、産経新聞のインタビューで「中国に対しては、『対華二十一ヵ条要求』以降の日本軍による戦火拡大は、侵略行為であったと言わざるを得ない」と答えています。<注1;四つの基本文書>1972年 9月 日中共同声明1978年 8月 日中平和友好条約1998年11月 平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言2008年 5月 「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明<注2;ポツダム宣言第8項> 日本が奪った台湾の中国への返還を盛り込んだカイロ宣言の履行を明記◆「互いに武力によらない」を確認 現在という横軸で考えると、日本政府は習近平政権による南シナ海での覇権主義的行動をきちんと批判すべきです。日中共同声明は、互いに武力によって物事を決しないことを確認しています。74年の国連特別総会では中国代表団長の鄭小平が、中国は覇権国家にならないと演説しています。中国側を律する材料はあるのです。 ところが日本の自衛艦がわざわざ台湾海峡を通過したり、周辺で米軍と一緒に軍事演習をする。それに対して中国も軍事演習をする。このくり返しで自民党政治はアメリカが言うままに武器の爆買いをし、南西諸島にミサイル網をめぐらせ中国に対峙(たいじ)しようとしています。今日の日中関係は互いに不信感をぶつけ合うなかで、敵対的相互依存関係に陥っています。互いに「加油(ジャヨウ)」し合っているのです。◆関係修復に民間の力が重要 関係を修復するには民間の力が重要です。日中国交正常化を果たした日中共同声明発出の際、北京で初めて周恩来総理に会った田中角栄首相は「私は長い民間交流のレールの上に乗って、今日ようやくここに来ることができました」とあいさつしたといいます。非常にいい言葉です。 日本と中国には先人たちが築いてきた友好の歴史があります。「飲水思源」、つまり水を飲むとき、井戸を掘った先人の苦労を思うことです。戦時中の中国人強制連行・強制労働の問題では50年代、日本で亡くなった犠牲者の遺骨の発掘・送還運動がありました。 政権同士に制約があったとしても、民衆同士は決して争いを望みません。文化・経済の交流によって互いにパートナーとなることが大事です。◆軍事最優先の背景に対米従属 いま日本は北朝鮮のように軍事最優先の「先軍政治」になりつつあります。背景には自民党の長年の対米従属があります。トランプ政権によるベネズエラ侵略は、法の支配を無視したむちやくちゃな行為です。高市政権はEU(欧州連合)と連携して、アメリカに言うべきことを言わなければいけないのに、それができない。戦争しないのが政治の役割です。 ここまで日本の政治を破壊した諸悪の根源は、小選挙区制と政党助成金です。小選挙区制は多様な民意をくみとれない。しかもわずかな得票で勝ち上がってきたところに税金を原資とする政党助成金が注ぎ込まれる。日本維新の会は「身を切る改革」と言いながら、そこにメスを入れません。 公明党と立憲民主党が新党「中道改革連合」を立ち上げました。立憲民主党は15年以降、集団的自衛権の行使を容認した安保法制に反対する理念を共通にする共産党などと一緒に闘ってきました。その政治的立場を失ってはいけない。数合わせで離合集散していたら、最終的には国民に見放されると思います。<うちだ・まさとし>1945年生まれ。中国人強制連行・強制労働や韓国人の靖国神社無断合祀(ごうし)の問題にとりくむ。『元徴用工 和解への道』(ちくま新書)、『靖国神社と聖戦史観』(藤田印刷エクセレントブックス)など著書多数2026年2月8日 「しんぶん赤旗」 日曜版 18ページ 「『先軍政治』の道を進む高市政権」から引用 高市早苗氏の言動には「歴史」という縦軸が存在しないという指摘は、まったくその通りだと思います。いやしくも一国の政府を代表する立場の者であれば、もう少し自覚して、今までの歴代政府がどのような外交をしてきたのかを勉強して、もし本人が「これまでの政策から転換したい」と言うのであれば、それを先に国会に提案して必要な議論の末に結論を得るべきであって、この度の選挙のような、独自の「方針」を開示することもなく、都合の悪い討論会からは逃げ回って、「とにかく、自分を支持してほしい」とだけ言って投票日を迎えるというやり方は、民主主義に基づいた選挙とは言い難いものであり、民主主義の社会の正当な選挙であったとは言えないと思います。また、高市氏はこれまで複数回の国政選挙を戦って勝ち抜き、数回の閣僚経験もありながら、国の安全保障に関わる政務を担当した経験はないことを考えれば、「台湾有事は日本の有事」と発言はしたものの、その目的は「己の政権をなるべく長く維持する目的」で、アメリカの気に入る発言を先取しただけのことで、「有事」に日本がどのように行動するのが最も「安全」なのかという視点はまったく欠落しているのが実態なのではないか、との疑念は否定できません。
2026年02月25日
衆議院の選挙戦が後半戦に入った4日の東京新聞に、文芸評論家の斎藤美奈子氏は「自民単独過半数」を予想する記事について、次のように書いている; 選挙戦も後半戦。自民党は単独過半数を狙う勢い。与党で300議席超という報道もある。 半面、低調なのが中道改革連合で、公示前の議席を大きく下回る可能性があるという。新党の立ち上げに際して従来の政策を大転換した旧立憲民主党の判断が裏目に出た格好だ。まだ不確定な要素があるとはいえ、野党を応援したい私としてはガッカリである。 日本では10年に1度くらいの割合で「熱狂型の選挙」と呼ぶべき現象が起きる。2005年、小泉政権下での郵政選挙がそれだった。この時は自公が圧勝した。2度目の安倍時代の自民は国政選挙で6連勝したが、旧民主党から政権を奪取した12年の衆院選、やはり自公が圧勝した14年の衆院選が思い出される。そして今度は高市政権下での大義なき解散総選挙だ。 これら熱狂型選挙の特徴は首相個人の人気が勝敗を决していることだろう。政策も不祥事も無関係な人気投票型の推し活選挙。小泉劇場、安倍1強といった言葉が象徴的だ。逆にいうと、24年の衆院選と25年の参院選で与党が大敗したのは、裏金問題以上に、石破前首相の不人気が敗因だったのかもしれない。 「高市早苗が総理大臣でよいかどうかを問う選挙」だと豪語した高市首相は自ら推し活選挙だと宣言したも同然だ。小泉時代、安倍時代に何が起きたか思い出すとゾッとする。(文芸評論家)2026年2月4日 東京新聞朝刊 11版 19ページ 「本音のコラム-熱狂型の選挙」から引用 投票日の数日前に「自民、過半数の勢い」という報道に接してがっかりしたのは私も同じであるが、あの選挙が「熱狂型の選挙」だったという表現は、私はちょっと違うのではないかと思います。小泉純一郎氏が勝利したときの選挙の場合は、街角で演説する小泉氏の様子をテレビが昼のワイドショーなどで取り上げて、家庭の主婦が「小泉さんに頑張ってほしいです」などと言う様子を中継したりして「熱狂型の選挙」を演出していたのを記憶してますが、今回の選挙では、高市氏は自らの「ぼろ」をメディアの前で暴露されるのを恐れて逃げ回ってばかりいて、テレビの討論番組も当日朝にドタキャンして、不利が予測される場面を避ける「作戦」が奏功したものと思われます。そして、この記事では、25年の参院選で与党が大敗したのは石破前首相の不人気が敗因だったかも、と書いているが、もっと正確に言えば、石破氏の選挙の戦い方は「政治家としての正道」を歩んだもので、まじめな性格を反映した選挙運動であったにもかかわらず、残念なことに日本の有権者の大半は、まじめな政治家のまっとうな政策論議を、聞き取った上で、それが現状を改善する上で有効な政策なのかどうか、という判断を下すなどということは、自分とは何の関係もないこと、としか思えない、そういうレベルの有権者ばかりなので、選挙で投票といっても、結局は「面白いことを言ったから」とか「ルックスが好印象だから」とか「いじめられて可哀そうだから」といった理由で、変な政治家ばかり勝たせているようでは、国際社会で日本が「G7」の座から転落する日も、あまり遠くはないと思います。
2026年02月24日
自民党と維新の会が連立政権を組むための合意事項に「スパイ防止法の制定」を挙げたり、国民民主党や参政党が独自に法案を提出している状況の危険性について、弁護士の海渡雄一氏は市民団体が主催する会合で、講演を行いました。その様子を、2月1日付け神奈川新聞は、次のように報道しています; 戦争法の問題に詳しい海渡雄一弁護士は高市早苗政権が制定を目指すスパイ防止法を衆院選の争点にしなければならないと訴える。強調するのは、1985年廃案の「国家秘密法」の当時から推進しているのは旧統一教会系の政治団体「勝共連合」であることと、隣人を疑うことを強いて「世界を敵と味方に二分する」スパイ防止法の先には戦争が待つという重大な危機だ。(構成・石橋 学)◆平和築く努力を敵視 スパイ防止法の目的は間もなく戦争が始まるという雰囲気に社会全体を変えていくことにあります。戦争に反対すると「スパイじゃないか」と思われるようになり、戦争反対と言えなくするのです。勝共連合が全国でまいてるビラには「スパイ防止法に反対してる人はスパイだ」とある。だから私は「お前が検挙第一号だ」とSNS(交流サイト)のX(旧ツイッター)に書き込まれています。そうした攻撃が既に始まっています。 スパイ防止法の制定は自民党、日本維新の会の連立合意事項で、野党の国民民主党と参政党も独自法案を提出済みです。外国勢力活動登録法、外国代理人規制法といった耳慣れないものも盛り込まれています。これは、国に登録しないで外国人と交流することを犯罪化するものです。スパイ防止法とは、日本の市民が世界の市民と手をつなぎ、平和な社会を築いていこうとする努力を敵視して、できなくする。そこに本質があります。 国民民主案では外国から資金援助を受けているNGOなどが全てスパイ組織とみなされかねません。市民を黙らせる法律であるのに、「民主的統制」「政治的中立性」「透明化」といった耳当たりの良い言葉を使い、法制定の露払いを務めようとしているようです。 一方、参政の神谷宗幣代表は昨年の参院選の演説で「極端な思想の人たちは公務員を辞めてもらわないといけない。これを洗い出すのがスパイ防止法だ」との考えを示しており、治安維持法とそっくりな言い方です。 実際、参政の衆院選のキャッチコピー「アイ・アム・ジャパン」は治安維持法における「国体」の概念とつながっているようです。治安維持法では天皇を中心にした国体概念が野放図に広がり、天皇制廃止を求める日本共産党から社会主義者、天皇制を信奉しない仏教徒、キリスト教徒へと「国体に反するもの」が拡大されていき、あらゆるものが弾圧されました。 参政の法案ではセキュリティークリアランス(適格性評価)の項目に外国渡航歴や日本国籍取得者の元の国籍が入っています。信じられないことに「帰化した人は純粋な日本人ではない」とみているのです。そうして外国とのつながりから思想信条まで調べていく。その「日本人」も日本に反するようなことを言う者、日本語をきちんと話すことができない者、日本を愛する心がない者と、次々に広がっていく。そうして、治安維持法に勝るとも劣らない猛威を振るうことになるのではないかと危惧します。 高市早苗首相は解散に際して「国論を二分する政策、改革に挑戦するには国民の信任も必要だ」と言いました。衆院選後にはスパイ防止法を必ず出してくる。憲法改正も、核保有も出してくるかもしれない。政府が戦争を進める方針を決めたら反対することが取り締まられる。そんな世の中になってしまう。スパイ防止法に反対しなければいけません。自民、維新、国民民主、参政に投票してはいけません。<28日、第4回スパイ防止法を考える市民と超党派議員の勉強会>【用語解説】◆スパイ防止法◆ 自民党と日本維新の会の連立合意では、インテリジェンス・スパイ防止関連法制(基本法、外国代理人登録法、ロビー活動公開法など)を速やかに成立させ、併せて国家情報局を新設するとしている。国民民主党も外国勢力活動透明化法案に加え、独立したインテリジェンス機関の創設を盛り込み、諜報活動関係者に仮想身分を与えて身分を保障するとしている。参政党の法案は外国への情報漏えいに罰則を設けるほか、対外情報庁の設置を政府に義務づけた。情報機関を巡っては、米国の中央情報局(CIA)のように戦争を仕掛ける謀略機関として機能しており、憲法で戦争を放棄した日本にはそぐわないとの批判がある。2026年2月1日 神奈川新聞朝刊 18ページ 「時代の正体・差別に投票しない-スパイ防止法に反対を」から引用 戦後80年の間、わが国は平和憲法を守って来ました。私たちはこの伝統をこれからの若い世代に継承していくべきだと思います。しかし、平和を守ってきた80年の間に、自民党政権は経済政策を誤ったために、欧米や韓国のような発展の道を踏み外してしまい、生産性が低下し、労働者はいくら働いても利益は資本家が独占する体制となり、経済発展の道は閉ざされてしまいました。これを改善し、労働者の所得を増やせば、消費も増えて、経済活動は活性化するのですが、そのような「改善」は、自民党にはできません。そのわけは、自民党議員の選挙資金は違法な企業献金でまかなわれている関係で、議員は企業に対して「労働者の処遇を改善しろ」とは言えないからです。そこで、高市政権が考え出した「打開策」は、軍需産業を縛っている「武器輸出三原則」を取り払って、軍需産業をもっと利益率のよい産業に育てあげれば、少しは労働者に還元できるのではないかという案と思われます。しかし、そのためには、イザというときには戦争も辞さない、というのが高市首相の魂胆のようです。そのような政策を推し進めるには、とにかく反対意見を封じ込める必要がある、というので、スパイ防止法が出てくるという状況です。海渡雄一氏のこのような訴えを、衆議院選挙の間に多くのメディアが取り上げて、訴えるべきでしたが、まともに反応したのは神奈川新聞だけだったというのは、実に残念なことでした。
2026年02月23日
衆議院選挙投票日を一週間後に控えた2月1日付け「しんぶん赤旗」日曜版は、市民運動家の高田健氏の次のようなコメントを掲載した; 今回の衆院解散は、台湾有事・存立危機事態発言、トランプいいなりの大軍拡を正当化するために、支持率が高いうちに解散に打って出るという、大義も政策もないめちやくちゃな「私利私欲」解散です。本当に危機感を感じています。 野党がしっかりと結束して、高市・自民維新政治に対峙すべき時です。ところが立憲民主党は公明党と「中道改革連合」という新党をつくりました。政策を見て驚きました。安保法制、原発、憲法にたいする態度は大きく後退した。この10年間の市民と野党の共闘のための努力はいったい何だったのか、と私は大きな怒りを感じました。 憲法では、「自衛隊の憲法上の位置付けなどの国会での議論を踏まえ、責任ある憲法改正論議を深化」(基本政策)という。私たちが何十年と積み重ねてきた憲法運動からみても、絶対容認できません。 安保法制の廃止は野党共闘の一丁目一番地です。立憲民主党も結党時には安保法制は「違憲」(政策パンフレット)としていました。途中からどんどん曖昧になりました。かろうじて「違憲」をいうので共同してきましたが、ついにこれまでと百八十度違う「合憲」としました。 この10年、市民と野党の共闘による政権交代の可能性を、一番恐れてきたのが自民党と公明党です。彼らはこの共闘を壊すことに全力を挙げてきました。今回の「中道改革連合」の結成は、公明党の政策案を立憲が「丸のみ」し、共闘を破壊することが最大のねらいなのではないかと思っています。 私が参画する市民連合は選挙のたびに立憲野党各党に政策要望書を持って行って、一致する政策で支援してきました。共産党はいつも合意や政策をけん引してくれました。高市政権の暴走を許さないために、しっかりした立憲野党の前進に期待します。なかでも共闘のけん引者の共産党にはがんばってほしいと思います。2026年2月1日 「しんぶん赤旗」 日曜版 5ページ 「共産党を私は推す-安保法制容認はあり得ない」から引用 この記事でいう「安保法制」とは、安倍政権がでたらめな理屈を並べて「自衛隊が集団的自衛権を行使して戦闘行動をするのは合憲である」ということにしてしまった法制であり、憲法9条の立場からは明らかな「憲法違反の条文」です。したがって、市民団体が裁判に訴えて、裁判官がまじめな人物で自民党の手先として憲法を曲げることを潔しとしないまともな人物であれば、直ちに「憲法違反」の裁定が下るはずの事案なのですが、残念なことに日本の裁判所も検察庁も自民党長期政権の下で腐敗し、自民党の「飼い犬」のような精神構造の人物で占められているため、市民団体や野党議員の訴えが認められることは先ず無いというのが「現状」です。このような社会で、憲法の精神をまもっていくためには、政治思想の多少の違いを乗り越えて、各野党が政策レベルの一致点で合意を形成して団結する必要があるのですが、今回の立憲民主党は功を焦って、これまでの「野党間の大同団結」を捨てて、公明党と合併するという、自分たちとしては「世間をあっと言わせる」つもりだったのかも知れませんが、そういう政治イッシューからはかなりレベルが下がった「サナエちゃん、いじめられて可哀そう」という、幼稚園児並みの人々の票が「与党単独3分の2」を実現するという、呆れた結果となったのは残念なことでした。
2026年02月22日
個人的にいろいろと不都合な情報が韓国から漏れ伝わって、このまま国会で予算委員会などを開けば、とんでもない不利な状態に追い込まれると察知した高市首相は、年明けの国会冒頭でいきなり衆議院を解散して総選挙を行うことになったのでしたが、選挙を実施したその先はどのような展開になるのか、神戸女学院大学名誉教授で凱風館館長の内田達樹氏は、1日付けの東京新聞コラムに、次のように書いている; 選挙が始まった。大義のない解散だと多くが指摘している。その通りだと思う。高市首相が公約に掲げた政策の多くは、消費税減税をはじめ、もともと野党が求めてきたものである。国会で審議すれば、すぐに多数の賛同を得て実現できる。今実現できることを先送りして、選挙公約に掲げることは無意味である。だとすれば、この解散総選挙には公約に掲げてある政策を実現すること以外の政治的意味があるということになる。 首相はもし選挙で信任を得たら、「国論を二分するような大胆な政策」に「批判を恐れることなく果敢に挑戦」すると述べた。首相が「民意を得た」と判断した時、いかなる政策を提示するつもりかは予測がつく。核武装である。 先日、安全保障担当の官邸筋が記者団にオフレコで「私は核を持つべきだと思う」と語った。この人物がこの時用いたのが「国論を二分する課題」という表現である。言葉づかいが同じことに気づいた人がどれほどいたか知らないが、選挙に勝てば首相はおそらく核武装に「挑戦」する気だと思う。 日本の政局だけ見ているといかにも唐突に思えるだろうが、米国の外交専門誌を読んでいると「日本核武装」は別に珍しい論件ではない。Foreign Affairs Reportの1月号には「同盟国の核武装で戦後秩序の再建を」という論文が掲載されていた。カナダ、ドイツ、日本に核武装させる「選択的核拡散」の有効性を論じていた。「日本と韓国に核武装させる」プランを論じた論文も少し前に掲載されていた。 アイデアの枠組みはいずれも同じである。米国は西半球に軍事力を集中させるために東アジアからは撤収したいと思っている。在韓・在日米軍は縮減して、東アジアにおける偶発的な軍事衝突に米軍が巻き込まれるリスクを最小化する。しかし、中国の西太平洋進出は何とかして抑正したい。東アジアで米国が使える「駒」は日本、韓国、合湾、フィリピンである。フィリピンは憲法を改定して外国軍の駐留を原則禁じたので今は米軍基地がない。在韓米軍基地は縮小が検討されている。戦時作戦統制権が韓国軍に返還されれば、それは「米軍は朝鮮半島有事にコミットする気がない」という意思表示である。「日本核武装」はその文脈で出てきたプランである。 日本が核武装すれば、東アジアには核保有国がひしめくことになり、偶発的な核戦争リスクが一気に高まる。中国は戦争を回避するために西太平洋進出について抑制的になるかもしれない。また仮に核戦争が起きたとしても、戦場になるのは中国大陸と朝鮮半島と日本列島である。太平洋の彼方の米軍は無傷のまま残る。焦土となり、国民の多くが死傷した中国はもう米国のライバルではない。米国にとって悪い話ではない。 官邸が「核武装」を言い出したのは、米国のこの戦略的文脈の中の話である。まず国内に「中国は敵だ」という感情を醸成する。「一戦も辞さず」「戦うなら核が要る」という方向に世論を誘導する。それによって中国の戦狼外交が抑制的になれば結構な話だし、仮に核戦争が起きて日本がこの世から消えても、中国と刺し違えてくれるならありかたい話である。 今度の選挙の隠された争点は「日本核武装」である。でも、メディアはそれを報じない。たぶん気づいていないのだろう。2026年2月1日 東京新聞朝刊 11版 4ページ 「時代を読む-選挙の先に来るもの」から引用 この記事が解説するように、日本がアメリカから核兵器その他の武器を購入して軍備を強化すれば、それはアメリカにとって実に都合の良い状況が出来上がり、もしそれが偶発的な核戦争となり、日本と中国の双方に甚大な被害が出れば、それはアメリカにとってまたとない「好都合」になる、という説明は実にもっともな話である。日本が莫大な赤字国債を発行してアメリカから核ミサイルを購入して、それで戦争をしても、広大な国土と数知れない核ミサイルを保有する中国を打ち負かすことはできず、反対に狭い国土に50基もの原発を建ててしまった日本は、その半分も相手側から撃ち込まれたミサイルが命中すれば、日本中のどこも人が住める環境ではなくなることは目に見えています。したがって、日本がこれからも子々孫々まで国家を継承していくためには、戦争を回避して平和外交に徹することが条件になるのであって、一時的にトランプ政権のご機嫌をうかがうために核兵器を購入するというのは、亡国の道であることを、メディアは国民に周知して警鐘を鳴らす必要があると思います。高市首相に任せておいて、国が栄える可能性はゼロなのであって、平和外交こそが唯一の生き延びる道です。
2026年02月21日
韓国では旧統一教会のトップである韓鶴子氏が警察に逮捕され、証拠として押収された内部文書には韓国と日本の有力政治家との密接な関係を示す内容が一部公表されたり、韓国の報道機関の努力で得られた情報なども報道されているが、日本のメディアは、取りざたされている政治家が現職の総理大臣のためか、一切触れようとはせず、かろうじて東京新聞が漏れ伝わる情報を細々と伝えるだけであるが、その東京新聞は1日付け紙面で、次のように報道している; 衆院解散前、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が国政選で自民党を組織的に支援したとする内部文書の存在が、韓国メディアの報道で明らかになった。両者の蜜月ぶりを示す「新証拠」が出た形で、献金被害者らは「癒着の実態を改めて検証すべきだ」と訴える。一方、教団側は文書の信ぴょう性を否定。自民は全容解明に向けた再調査に後ろ向きだ。 「韓国では『日本は政教癒着』『民主主義の危機』などと大騒ぎなのに、なぜ自民はスルーするのか」。両親が教団に1億円を献金した田村一朗さん=仮名=が憤る。ハングルを読めるため、昨年末の初報から韓国報道を追いかけてきた。 内部文書は、韓国の政治家と教団の不適切な関係に切り込んだ捜査当局が押収したとされる。教団内で「真のお母さま」(True Mother)と称される韓鶴子総裁への報告をまとめたもので「TM特別報告」と呼ばれる。 田村さんの目を引いたのは、2021年衆院選後に教団の徳野英治元会長が「私たちが応援した国会議員は自民党だけで290人に上る」と伝えたとされる記事だ。19年参院選を前に当時の安倍晉三首相との面談が実現したとの記述もあった。 特別報告には中道改革連合の野田佳彦共同代表と関連団体側との面会に関する記載もあり、田村さんは「国会に調査委員会を置くなど超党派による真相解明が必要だ」と話す。 教団は「特別報告には誤った事実も書かれ、信ぴょう性が低い」との見解を公表。徳野氏はX(旧ツイッター)で、特別報告には自分が韓国側に伝達した内容が含まれていると認めた上で「290人応援」は「誇張があった」と説明している。 自民の鈴木俊一幹事長は衆院解散前「真偽が定かではない。教団については既に党内で調査した」と突き放した。さらに、高市早苗首相側か販売した政治資金パ―ティー券を教団関連団体が購入したとの疑惑が衆院選期間中に報じられ、野党などが説明を求めている。 長年、教団を取材するジャーナリストの鈴木エイト氏は、特別報告は韓氏が相手であるとの性質上「誇張表現はあるかもしれないが、事実関係は大きく間違っていないだろう」とみる。「自民が教団との接点を徹底して調査していないので、疑惑が後から浮上し尾を引いている。衆院選でも追及が必要だ」と指摘した。【用語解説】TM特別報告 韓国メディアなどによると、韓国の教団幹部だった尹瑛鎬(ユン・ヨンホ)氏が、教団トップの韓鶴子総裁に活動実績を報告するため作成した内部文書。日本の教団幹部からの報告などをまとめた形で韓国語で記載され、約3200ページに及ぶ。尹瑛鎬氏は韓国で尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権への政界工作疑惑などを巡って起訴されており、捜査の過程で押収され、流出したとされる。ただ、教団側は流布されている報告書は「検察が押収した証拠そのものではない」と主張している。(ソウル・共同)2026年2月1日 東京新聞朝刊 12版 2ページ 「自民、調査後ろ向き」から引用 公開された統一教会の資料を見て、韓国では「日本は政教密着」「民主主義の危機」などと大騒ぎしているというのに、当の日本では統一教会信者が多くの自民党議員の事務所で事務員として働いている関係からか、新聞なども遠慮して、当該議員や事務所を訪ねて当該事務員に「あなたは統一教会の信者ですか?」というような取材をしようとはしない。60年代に統一教会が各地の大学キャンパスで布教活動を始めたころは、日本の公安警察はオウム真理教と同様に統一教会も要注意団体との認識で監視の対象としていたのであったが、安倍政権になると首相権限で公安委員会に圧力をかけ、要注意団体の指定からはずすということが実行され、当時の安倍首相は堂々と統一教会の集会にビデオ・メッセージを送るなどして親密な関係を構築し、その関係で高市早苗氏などもパーティ券をまとめ買いしてもらうなどして、お世話になったのであったが、私でも知っているそういう情報を、なぜ朝日や読売が報道しないのか。政治家が宗教団体と違法な関係を結んでいることを是正できない社会が、公正な国家を築いていけるとは到底考えられません。
2026年02月20日
衆議院選挙の投票日が一週間後に迫った1月31日の東京新聞コラムに、文筆家の師岡カリーマ氏はラーメンの価格が高騰している例を上げて、次のように書いている; 博物館など観光資源の入場料が、地元民とそのほかとで異なる二重価格制度は、一考の価値があると思う。公立の施設なら多少なりとも税金が支えているだろうし、納税者が優遇されても妥当だ。「納税者」には、外国籍の住民も含まれる。 では飲食店でのインバウンド価格は? 最近、食券機で英語を選択すると、同じ料理が日本語で発券した場合の倍近い値段になるラーメン店が話題になった。「この料理の価値は千円だけどあなたは金持ちだから倍もらいます」と言うようなものなので、なるほど不評だ。「先進国にそぐわない」「物乞い戦略」「これがおもてなし?」と厳しいコメントも。一方、日本人の私も「本当は2千円の料理だけど、多分あなたは貧乏なので半額でいいです」と言われているようで、切ない。 先日、都内で「ビーガン・ラーメン」の看板を発見。肉を食さぬ私は早速メニューをチェツクーなんと1杯3千円台後半だ。普通なら4杯食べられる値段を見て踵を返すも、「ビーガン・ラーメンの需要は主に外国人」と割り切った画一価格の方が、まだ潔くていい。 どちらも、いかに日本人が相対的に貧しくなったかを物語る。背景にある円安や格差拡大は、さすがに外国人労働者のせいではあるまい。では誰の政策(失策?)の結果か。それを問う選挙にならなそうな雰囲気が、また切ない。(文筆家)2026年1月31日 東京新聞朝刊 11版 21ページ 「本音のコラム-ラーメンと選挙」から引用 投票日の一週間前に、既に師岡氏は「有権者には、物価高で生活が苦しいのは政治のせいだという認識がない」ことに気づいている点が、私には興味深く思われました。日本人向けの価格の倍の価格を外国人観光客に請求するラーメン屋と、はなから日本人を相手にせず外国人専門の高価ラーメン店と、どちらも新自由主義の経済政策を取り入れ、安倍政権では日銀の独立性を無視して、首相言いなりの人物を日銀総裁に据えて強引に「アベノミクス」を実行したために、日本の経済力が極端に疲弊してしまった結果、起きてしまった事態です。本来であれば、そのような「からくり」を国民の前に明らかにし、このような結果になった与党の責任を追及する論陣を張るべきメディアの責任は棚上げし、コラム記事でさえ「円安や格差拡大」の責任を追及しようとはせず、「それを問う選挙にならなそうな雰囲気が、また切ない」などと表現をしているのでは、この国の国民は、己の生活苦が自民党政治の結果であるとの自覚を持てずに、選挙と言えば「人気投票だ」といったレベルの「政治参加」しかできない、そういう「民度」では、この先はただ落ちぶれていくだけだと思います。
2026年02月19日
日本の国家財政がどのような状態にあるのか、経済のことは何も知らない高市早苗氏は、誰に吹き込まれたのか「今の日本は行き過ぎた緊縮財政のために、世の中全体が元気をなくしている。高市内閣では積極的な財政に転換していく」などと発言して、経済界からは首相の経済認識を疑問視する声が上がっているとのことで、1月31日の毎日新聞は次のような批判記事を掲載した; 高市早苗政権の財政拡張路線に懸念が強まっている。高市氏が衆院解散を表明した19日の記者会見は「消費減税発言」に注目しがちだが、市場関係者に衝撃を与えた別の発言があった。日本は「行き過ぎた緊縮財政」であり、その「大転換」を主張したことだ。数十年にわたって借金が増え続けた先進国最悪の日本の財政状態を、高市氏は本気で緊縮と認識しているのだろうか。 「これまでの経済・財政政策を大きく転換する。行き過ぎた緊縮志向、未来への投資不足。この流れを終わらせる」。19日の会見で高市氏は、これまで財政政策が「行き過ぎた緊縮財政の呪縛」に影響を受けていたと指摘。持論とする「責任ある積極財政」に転換することが改革の本丸だと強調した。 だが、大きな疑問が残る。日本は本当に緊縮財政だったのか。多くの市場関係者の答えは「NO」だ。歳出増の要因の一つは高齢化に伴う社会保障費の増加だ。さらに防衛費増額や子育て支援の強化に加え、金利上昇に伴う利払い費の膨張ものしかかる。老朽インフラの修繕費などもかさみ「緊縮どころか拡大の一途をたどっている」(経済官庁幹部)のが実態だ。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美チーフ債券ストラテジストも「市場関係者で、これまでの財政政策を緊縮財政だと思っている人はいるのだろうか」と疑問視する。「仮に、これまでの財政が高市氏の目から見て『行き過ぎた緊縮』だとすると、高市氏が考える財政はかなり反対側にあるのかと思ってしまう」 日本の放漫ぶりは新型コロナウイルス禍で一層、加速した。巨額の補正予算を編成し、2020年度の歳出規模は過去最大の147・6兆円にまで膨張した。その後も踏み込んだ予算の削減策は示せず、歳出が歳入を大幅に上回る財政運営が常態化している。 歳出と歳入の差を埋めるのが赤字国債だ。第2次安倍晋三政権以降、年数十兆円規模の巨額発行を続けた結果、国債発行残高は25年度末に1129兆円に積み上がる見通し。国の経済規模を示す国内総生産(GDP)の約0・3倍にもなる。これは主要7カ国(G7)ではイタリア(約1・3倍の規模)をも大きく引き離し最悪の水準だ。◆「発言内容、無責任」 財務省内でも「『緊縮』なら、こんな借金だらけの財政になっていない。首相は国民受けが良いから『責任ある積極財政』と言っているだけで、発言内容は無責任なものばかりだ」(幹部)との声が漏れる。 財政拡張・金融緩和路線は国内の「リフレ派」の賛同は得られても、日本国債の売買の是非を判断する海外の機関投資家を中心に警戒感が膨らんでいる。高市氏の会見翌日の20日、東京債券市場では日本国債が売られ、国債の利回りが急上昇した。財政悪化リスクを反映しやすい40年物国債の利回りは07年の発行開始以来、初めて4%の大台を突破。長期金利の指標となる10年物国債の利回りは一時2・380%と27年ぶりの高水準になった。 「債券自警団(国債を売却して財政規律に警鐘を鳴らす投資家)が東京へ/長期金利の急騰は日本により優れた経済政策が必要と警告」。こう題したコラム記事を掲載したのは米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)だ。 コラムでは高市氏の唱える消費減税について「実施する価値があるかもしれないが、明らかに実施に値しない支出が山積している上にさらに追加されるものだ。それには昨年11月に決まった18・3兆円の景気刺激策も含まれる」と指摘。財政の大盤振る舞いと低成長を続けてきた1990年代以降の日本の経済・財政政策を振り返り「日本はあちこちに現金をばらまく習慣を身につけてしまったが、その効果は債務を積み上げる以外に何もない」と切り捨てた。 世界の投資家はWSJも参考に日本の財政状況を判断する。高市氏がいくら国内向けに「積極財政」とバラ色のシナリオを語っても、海外の市場関係者の理解をとりつけなければ今後も日本国債が売り浴びせられる恐れがある。 安倍元首相は2回にわたって消費税率を引き上げるなど、財政規律にこだわる財務省を煙たがりつつ耳も傾けてきた。財政悪化を防ぎつつ政治的に財政出動を大きく見せかける手段として、歳出を伴わない財政投融資を活用する「裏技」も使った。 だが、その安倍氏を師と仰ぐ高市氏は、25年度補正予算で一般会計総額14兆円程度だった財務省原案の大幅拡大を主導し、コロナ禍後で最大の18・3兆円を編成するなど財務省の考えをものともせず、市場の警告も無視して財政拡張を進めようとしている。◆原理、分かってる? メガバンク幹部は「高市首相は『円安とインフレは関係ない』『長期金利が上がったのは(放漫財政ではなく)日銀が利上げしたせい』と思い込んでいる節があるのでは」と嘆く。日銀幹部も「高市氏は極めて基本的な市場の原理すら分かっていない恐れがある。誰かレクチャーする側近はいないのか」と危機感をあらわにしている。 衆院選が27日公示されたが、自民党以外の各党の経済・財政政策にも、実現可能性や現状認識に照らせば疑問符が浮かぶ公約が並んでいる。市場が懸念を深める状況は当面、続きそうだ。【大久保渉、加藤結花、山口智】2026年1月31日 毎日新聞朝刊 13版 6ページ 「(高市首相発言に)市場、衝撃」から引用 小泉純一郎や安倍信三内閣までは、赤字国債を発行することに対する「本当は良いことではないのだ」という「認識」がありながら、しかし、当面はこれで切り抜けられるからという安易な判断で、歴代内閣は不足する税収を赤字国債発行で切り抜けてきたのでしたが、そんなことを代々続けているうちに、高市早苗のように、とんでもない勘違いからか、財源もないの「積極財政」で世の中を景気よくしようなどと、素人受けする発言で、それに騙された有権者が自民党の議席を全体の3分の2以上にしてしまうという、実に「危ない国」になってしまったと、経済界で働く人たちは事の成り行きを深刻に受け止めているようですが、一般国民にも「事の深刻さ」が理解できるように報道して警鐘を鳴らすのがメディアの役目だと思います。首相批判を「高市さんがいじめられて、かわいそうだ」と受け止めるレベルの有権者を、もう少しレベルアップする努力をしないと、この先ろくなことにはならないと思います。
2026年02月18日
ニューヨーク市民が市長選挙で民主的社会主義を標榜する人物を選出したことについて、横浜国立大学名誉教授の萩原伸次郎氏は、1月18日付「しんぶん赤旗」日曜版に、次のように書いている; 「民主的社会主義者」のゾーラン・マムダニ氏が、米国の経済中枢であるニューヨーク市の市長選で当選し、話題になっています。 トランプ大統領が「共産主義者を市長にしてはならない」と必死に訴えたにもかかわらず、有権者は、民主的社会主義を実践することを公約に掲げたインド系ムスリム(イスラム教徒)である34歳の政治家マムダニ氏を選びました。彼は、無料の公共バスサービス、公共の子どもケア、市が経営する食料雑貨店、高騰する家賃の凍結、手ごろな住宅の供給、2030年までに最低賃金を時給30ドル(4650円、1ドル=155円換算)に引き上げるなどを訴え、年収100万ドル(約1・5億円、同)を超える富裕層への増税などを選挙公約に掲げました。 西部ワシントン州シアトル市でも、民主的社会主義者、ケイティ・ウィルソン氏が当選し、ホームレスの解消や市民の生活苦の問題に取り組むとしています。 ◇ ◆ ◇ これら民主的社会主義者を名乗る革新的政治家たちは、いずれも「米国社会主義者」(DSA)のメンバーです。この組織は、米国に民主的社会主義を実現しようと1982年に創設され、2025年現在8万人以上のメンバーがいます。 DSAが注目され始めたのは、16年大統領選の民主党予備選で、民主的社会主義を政治の前線に打ち出したバーニー・サンダース氏の功績によるところが大きいでしょう。同氏の政策は、1933年に誕生したフランクリン・ルーズベルト民主党政権の政策を踏襲したものでした。公的年金や最低賃金の大幅アップ、金融規制を実施したルーズベルトの政策は、当時「社会主義的」だと批判されたのですが、サンダース氏は、それらの「社会主義的」政策こそ今日米国の中間層の基盤になったのであり、それを壊そうとしているのが、富裕層優遇政策の新自由主義だと訴えました。 ◇ ◆ ◇ 2018年11月の中間選挙では、サンダース氏の提唱する「メディケア・フォー・オール」(すべての人に健康保険を!)というキャッチフレーズで、多くの進歩派民主党議員が誕生しました。この力が、民主的社会主義者、マムダニ氏をニューヨーク市長に押し上げる基盤になったことは重要な点です。連邦議会には、サンダース氏を中心として進歩派議員連盟の議員が多数存在し、革新的な政策を掲げて、米国の政治変革に立ちあがっています。その底流には「99%の普通の国民が政治・経済の主役になる」という「民主的社会主義」思想への共感の広がりがあるといえます。 政治評論家ビル・プレス氏は、議会専門誌ヒル(電子版)へ寄稿(25年11月)し、26年の中間選挙で民主党が連邦議会の多数派奪還を目指すなら「マムダニ氏への支持を拒んだシューマー民主党上院院内総務のような、古くて覇気のない退屈な政治を踏襲すれば敗北する。マムダニ氏のような大胆で新しく活気ある政治から学べば、勝利を手にすることができる」と主張しました。今後の米国の政治情勢が注目されます。<はぎわら・しんじろう 横浜国立大学名誉教授>2026年1月18日 「しんぶん赤旗」 日曜版 24ページ 「経済これって何?-『国民が主役』掲げる社会主義に共感」から引用 ニューヨーク市民は「無料の公共バスサービスや公共の子どもケア、高騰する家賃の凍結など」市民生活を支援する政策を主張したマムダニ氏を市長に選出するという賢明な投票行動をとったことは、さすがは民主主義の国アメリカだと、賞賛に値すると思います。一年前の大統領選挙では、それまでの民主党所属の大統領への不満から、ついトランプ氏に投票したというアメリカ国民が多数でしたが、就任後のトランプ氏の言動では、さすがに「これはダメなんじゃないか」と気が付いた点は、優れた政治判断をしたと言えます。その点、少し前までは「解散なんて、考えてるヒマはありません」とか言っていたのに、裏金問題とか統一協会問題とか、自分自身の不祥事が取りざたされ始めると、いきなり「解散」を宣言し、NHKが準備した「テレビ討論」に出演すれば個人的な問題を追及されるのは分かっているからドタキャンするなどと恥知らずな行動をしても、それでも選挙では自民党に入れるという日本人の「民度」の低さは呆れかえるしかありません。
2026年02月17日
衆議院選挙が公示される前日の神奈川新聞は、石破政権では公認が認められなかった裏金議員が高市政権では一斉に公認が得られることになった状況を、1月26日付け紙面で次のように報道している; 自民党は27日公示の衆院選で、派閥裏金事件に関与した候補らの公認を決めた。前回選で落選し、今回再挑戦する裏金候補の中には「既に片付いた問題」と言い張る元議員も。一部は「裏金」という表現に改めて不快感を示した。立憲民主党と公明党による新党「中道改革連合」は争点化を狙い、対決姿勢を強める。 「この問題が消えることは永久にないと思う。時間をかけ信頼を勝ち得ていくしかない」。愛知12区の青山周平氏は19日の記者会見で事件への対応を問われ、こう語った。前回選は比例代表への重複立候補が認められず、議席を失った。 政治資金収支報告書を丁寧にチェックできていなかったと認め、浪人中に政治資金規正法を学び直したと説明。「絶対に間違いの起こらない政治資金の使い方を学び、できるようになったと思う」と胸を張った。 自民は世論の批判を踏まえ、前回選では裏金議員の公認を見送ったり、公認した場合も比例重複を認めなかったりしたが、今回は対応を一変させた。中道の野田佳彦共同代表は「反省がない」と指摘。北海道5区で裏金候補と対峙する池田真紀氏も高市早苗首相を「(事件を)問題と思っていない」と批判する。 愛知7区から出馬する鈴木淳司元総務相は交流サイト(SNS)への投稿などを通じて説明責任を果たしてきたとし、最近は「説明を求められることがなくなり、むしろ『大変だな』とねぎらわれる」とした。「大きな事件だ」と認めつつも、裏金議員と呼ばれることには「お金をつくろうという発想すらなかった」と悔しさをにじませた。 福岡11区の武田良太元総務相は裏金と報じられたことに不満を漏らし、東京の選挙区から出馬するある候補は「裏金という言葉を使うと新聞の発行部数が増えたり視聴率が上がったりするのだろう」と皮肉った。 前回選で議席を守り、昨年、幹事長代行に起用された萩生田光一氏=東京24区=は「私腹を肥やそうと思ってやったわけではない。いつまでも『裏金』と言われるのは非常に心外だ」と述べた。 事件発覚から2年以上がたったが、裏金づくりの起源などは今も未解明のままだ。中道の斉藤鉄夫共同代表は「改革の姿勢を示さないのは誠実さに欠けるのではないか」と批判している。2026年1月26日 神奈川新聞朝刊 2ページ 「裏金『片付いた問題』」から引用 裏金問題は片付いた問題ではありません。議員事務所に給金されたカネが、どこから、どのような名目で支払われたものか、その後どこへ支出したのか、正直に記録をして年度末に税務署に届ける、このような作業は一般市民なら誰でもやることであって、これを怠ると脱税容疑で警察の捜査を受けることになるのであって、国会議員が自分の事務所に、どこからいくらの現金が入金したか「知らなかった」わけがありません。明らかに脱税であり、政治資金規正法に抵触しているのですから、検察は厳しく裏金の使途を追及するべきであったし、一人や二人ではなく、自民党全体の問題なのだから、いつ頃誰が言い出して始めたことなのか、という事件の全容を明らかにするのが、公僕としての検察の仕事のはずです。それを、あまり厳しくやり過ぎると自分の定年後の処遇が不利になる恐れがあるからと手心を加えるのでは、この国は土台から腐敗しているとしか考えられません。荻生田議員などは「私腹を肥やそうと思ってやったわけではない」などと、故意に問題を矮小化した上で言い訳をしてますが、私服を肥やすなどというケチな発想でないことは国民もよく分かっているのであって、決して人前では言えないような、安倍晋三がやっていたような、有権者を超一流ホテルに招いて酒食の宴を提供したとか、そういう「事実」を明らかにして、政治資金規正法を強化し、企業献金は全面禁止にしなければ、この国の政治を浄化することは出来ないと思います。
2026年02月16日

昨年の市長選挙で勝利したゾーラン・マムダニ氏が担当するニューヨーク市政がいよいよスタートし、多くの市民が期待を寄せている様子を、1月25日の「しんぶん赤旗」日曜版は、次のように報道している; 米国最大の都市ニューヨークで1日、民主党進歩派で民主的社会主義を掲げるゾーラン・マムダニ氏(34)が市長に就任しました。氷点下の寒さのなか市庁舍で行われた就任式には多くの市民が集まりました。マムダニ氏は就任後、「生活できるニューヨーク」をつくる公約の実現へ動き出しています。(ニューヨークで柴田菜央記者) イスラム教徒として初のニューヨーク市長となったマムダニ氏。1日未明、現在は使われていない地下鉄の市庁舎駅で、家族らの同席のもと、イスラム教の聖典コーランを使って就任宣誓しました。その後、市庁舎で市民を迎えて行った就任式では、同じく民主的社会主義を掲げるサンダース連邦上院議員の立ち会いで改めて宣誓しました。 マムダニ氏は演説で「今日から新しい時代が始まる」「市民の暮らしを良くするために力を使うことをためらわない」と訴えました。過去のニューヨーク市政は「難なく権力者の歓心を買うことのできる富裕層やコネのある人たちだけのものになっていた」と批判。新市政は「民主主義を買収できると思い込む億万長者や一握りの権力者ではなく、すべての市民に応える」と語りました。 また「私は民主的社会主義者として選ばれた。民主的社会主義者として市政を担う」と表明。ごく一部の富裕層や大企業への課税で財源を生み出し、物価高や家賃高騰などの対策に取り組む意欲を示しました。◆「政治に希望」 市庁舎前の広場は「新たな時代」に期待を寄せる市民であふれました。 マムダニ氏の就任に「初めて政治に希望を感じた」と話すクイーンズ区在住のサキナさん(23)。昨年春に大学を卒業したばかりです。アパートで1人暮らしをするつもりでしたが、そうすると家賃が給料の半分以上を占めるため、両親と暮らしています。住宅を含め「手頃な価格(アフォーダブル)」を掲げるマムダニ氏の政策に期待しています。 マムダニ氏が財源として掲げる富裕層への課税についてサキナさんは「すごく期待している」「応分の負担をすべきだ」と強調。「資本主義はいつでも、上位1%の人たちをもっと裕福にするために『より低い』地位の労働者を搾取してきた。システムが崩壊している」と語りました。 「これまでの政治家とは違い、マムダニ氏は私たち労働者の最高の代表者だ」。就任式後に市庁舎前を通りかかったフォトグラファーのサンティアゴ・バネガスさん(25)は、こう話します。 マムダニ氏はイスラエルによるガザ侵略をジェノサイド(集団殺害)だと批判。国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ている「イスラエルのネタニヤフ首相がニューヨークを訪れたら、ICCの逮捕状請求に従い同氏を逮捕する」と述べています。 バネガスさんはこの点も支持。「今まで誰も、こういうことは言わなかった。米国は明らかにジェノサイドの共犯者で、私たちの税金が(軍事支援に)使われている」と憤りました。 集まった市民のなかには、パレスチナ連帯の象徴となったアラブの伝統頭巾クーフィーヤをまとう人が多数いました。 マムダニ氏は就任後、直ちに公約実現へ動き出し、就任1週間で▽住宅▽消費者保護▽市民の市政参加-などで12の市長令を出しました(表)。8日には「今秋から2歳児の保育無償化を開始する」と表明しました。 トランプ政権が3日に南米ベネズエラを攻撃するとトランプ大統領に直接電話。他国の政権転覆の追求や国際法違反の行爲に反対する立場を伝えました。 マムダニ氏も所属する政治団体「米国民主的社会主義者」(DSA)は公式ウェブサイトで、資本主義について、「所有階級によって、自らの利益を求めて自分たち以外の者を搾取するために設計された制度」だと批判。資本主義を「普通の人々が職場、地域、社会で本当に声をあげることのできる」民主的社会主義に置き換えようと訴えています。2026年1月25日 「しんぶん赤旗」 日曜版 11ページ 「生活できるNYへ始動-マムダニ市長就任」から引用 過去のニューヨーク市政は、極一部の富裕層や権力者にコネがある者だけが優遇される偏った政治で、一般市民は暮らしにくい環境だったが、これからは民主的社会主義を奉ずる人物が市政を担い、富裕層に応分の税負担を負わせて、すべての市民が快適な行政サービスを受けられる社会になるわけで、そのような「変革」に期待する市民の明るい「希望」が伝わるような、良い記事だと思いました。マムダニ氏が当選した直後には、富裕層がニューヨーク市から逃げ出すだろうというような「デマ」も流れた時期がありましたが、おそらく、トランプ級の「富裕層」の一部にはそういう反応をした者もいたかも知れませんが、ニューヨーク市には風光明媚な場所に広大な豪邸を構える富裕層にしてみれば、大して高くもない税金を払ったところでビクともしない大富豪ですから、今さら引っ越しなどするほどのことでもない、といったところだと思います。一部の富裕層だけが豊かに暮らし、一般労働者層は厳しい生活を余儀なくさせられるというのは、日本にも共通の問題ですが、日本人の場合は政治に対する意識がまだまだ未熟で、「課税は富める者に」という要求をしても良いのだという点が、なかなか理解されずに「低い収入の割に高い消費税」という「矛盾」を解決できずにいるのは残念なことです。
2026年02月15日
約80か国の国連加盟国代表が参加して昨年12月に開催された国連安全保障理事会において、どのような議論がなされたのか、中央大学教授の目加田説子氏は、1月25日付け東京新聞コラムに、次のように書いている; 今年は国連の次期事務総長(2027年1月就任)が選ばれる。国連の機能を高めるために、どのような事務総長が混迷を深めるこの時代にふさわしいのか。どのような国連改革が必要なのか。昨年12月15日に国連安全保障理事会(安保理)で「平和のためのリーダーシップ」と題した会合が開催され、約80力国が参加して加盟国の代表や外部の有識者らが次々に考えを表明した。 参考意見を求められた前事務総長の潘基文氏は「国連は加盟国が望む強さにしかなり得ない」との現実的な認識を示し、安保理の機能不全が国連危機の最大要因になっていると強い言葉で指摘した。同時に、安保理で常任理事国(英米仏ロ中)が持つ拒否権の恣意(しい)的・濫用(らんよう)的運用の抑制などの改革の必要性を訴えた。 ◇ ◆ ◇ 第1次大戦後に設立された国際連盟は米国の不参加が大きな痛手となって、期待された機能をほとんど発揮できないまま時間が過ぎ、第2次大戦を防ぐ力にもなれなかった。その反省もあり、第2次大戦後に誕生した国際連合(国連)は戦勝国である大国を安保理の常任理事国に据え、平和への新たな統治に期待をかけた。 だが現実には常任理事国の利害は錯綜し、米国やロシア(旧ソ連)などが拒否権行使を繰り返して国際社会での国連への失望感が膨らむ主な要因となってきた。潘基文発言はそこを突いたものだった。 会合で米国国連代表部のロケッタ特別政冶問題担当次席代表は、異なる見解を披露した。国連事務総長職がその権限を逸脱して「道徳的権威」を行使していると批判。中絶やジェンダー、気候変動等の課題について国連の立場がリベラル過ぎることへの不満の表明であった。トランプ大統領に象徴される米国保守派の考えを代弁した格好だ。 年が明けて1月7日、トランプ氏は、66の国際機関や条約等における米国の関与停止・低下を指示する大統領覚書に署名した。ホワイトハウスが発表した文書によると、31の国連関連機関、35の国連以外の国際機関が「米国の利益・主権・経済的繁栄に反しているか、米国の優先事項より"グローバリスト的議題"を推進している」と判断された。 こうした選択は、ドナルド・トランプの名前を借りて「ドンロー主義」とも評されている。米国内にあるモンロー主義(米国の勢力圏を西半球に限定する独自主義)と、トランプ流の「取引主義・内向き主義・一国主義」を重ね合わせた造語だ。 ◇ ◆ ◇ 多くの論評が懸念するのは、実際に次々と覚書が実行されれば、個別の政策の変更ではなく国際協力の枠組み全体からの撤退に近い事態に発展しかねないという点だ。国際協力システムへの打撃であり、米国の影響力(ルール形成力)を自ら削(そ)ぐとの批判も出ている。米国の空白をロシア・中国が埋めるリスクや、欧州が協調枠組みを維持・再設計する必要性まで議論されている。 国連と米国の問の深くて広い溝。「国連は加盟国が望む強さにしかなり得ない」とするならば、「国連を中核とした多国間外交」を重視する日本自身も、次期事務総長を誰にするかという問いにとどまらず、どのような国連をどのように生かしていくのか。厳しい現実を踏まえた多国間外交を新たに構想する必要があるだろう。2026年1月25日 東京新聞朝刊 11版 5ページ 「時代を読む-国連どうなる?どうする?」から引用 トランプ氏はこれまでのアメリカ政府が行なってきた様々な政策の中に、諸外国のためにアメリカの予算を支出する事例が多く存在することが承知出来ず、手当たり次第に「執行停止」を命ずる書面にサインしているとのことであるが、彼がそんなことをするのもあと3年のことで、再選される可能性はないのであり、トランプ氏の支持率が低下しているのは、トランプ流が国民生活を改善するものではないらしいことに、アメリカ国民が少しずつ気付いてきたからであり、賢明なアメリカ国民は、次期大統領にトランプ氏と同じ路線を主張する人物を再び大統領に選らぶということはあり得ないと思います。従って、3年経って4年後にはアメリカは元の常識的な路線に戻ると想定して、今後のことを考えるべきではないかと思います。しかし、日本政府の場合は、アメリカ大統領がリベラルでも保守でも、とにかくへりくだってゴマする以外に対応の方法を知らない政治家ばかりなので、大したことは期待出来ないように思います。
2026年02月14日
アメリカが世界秩序の屋台骨を支える時代が終わりを告げて、いきなり武力に訴えてベネズエラの石油利権を我が物にしようと試みたり、カネを払うからグリーンランドをアメリカ領にしたいなどと言い出すようになった時代を、我々はどうするべきなのかという問題について、カナダのカーニー首相は理にかなった演説をしたと、元文科官僚の前川喜平氏が1月25日の東京新聞に、次のように書いている; 世界経済フォーラム(ダボス会議)でカナダのマーク・カーニー首相が「原則と現実主義~カナダの進む道」と題した注目すべき演説をした。 カーニー氏は、大国間競争による「世界秩序の断絶」という現実を直視し、「価値に基づく現実主義」に立って、人権、主権、持続可能な開発といった価値を体現する新たな秩序を、ミドルパワー(中堅国家)が連携して築こうと呼びかけた。 同盟が繁栄と安全をもたらすという心地よい前提はもはや成り立たない。強者への迎合、摩擦の回避、従順さで安全を買うことはできない。 米国の覇権下で提供されてきた世界秩序の有用性が失われ、国連、世界貿易機関(WTO)、国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)などの多国間制度が弱体化する中、各国はエネルギー、食料、重要鉱物などで戦略的自律性を確保しようとしている。その自律性を共有し、強靭性へ共同投資を行うことは可能だ。課題ごとに機能する連合を築き、共通基盤を共有して行動するのだ。 大国の歓心を買おうとするのではなく、ミドルパワーが結束して新たな秩序を創る。カナダはその道をとる。この道は共に歩む意思のあるすべての国に開かれている。 日米同盟に依存し続けることが現実主義だと思い込む日本の政治家たちに、カーニー氏の呼びかけは届くだろうか?(現代教育行政研究会代表)2026年1月25日 東京新聞朝刊 11版 19ページ 「本音のコラム-カーニー首相の演説」から引用 この記事が言うように、カーニー氏が主張するのは「民主主義と法の支配の復活」であり、それはアメリカには期待出来ないので、今までは大国であるアメリカに頼ってきたけれど、もうそれは当てに出来ないので、アメリカ抜きのミドルパワーの国々が寄り集まって「法の支配」を実現しようという訴えは、理にかなった正常な人間の主張だと思います。裏金問題などとは縁の無い「真面目な」政治家の国柄だから、そういうまともな議論が出てくるのだと思いますが、日本の場合は表向きだけ「民主主義」と言っても、裏では「カネ」がものを言う世界ですから、トランプ氏の要求なども通りやすい「土壌」になってしまっており、戦後民主主義で80年間やってきたとは言え、それは「建て前」に過ぎないというのが「現実」であり、落ち目になったアメリカとは手を切って、ミドルパワーの国々と手を携えて「法の支配」を再建しようと言っても、なかなかそのような勇気ある行動を、自民党の政治家に期待するのは無理な相談というものでしょう。
2026年02月13日
先月、衆議院が解散されて総選挙の日程が決まってから、テレビの党首討論で高市首相は台湾有事が発生したときは自衛隊が米軍に協力して参戦し、日本人やアメリカの民間人を救出しなければならないなどと発言しましたが、それは高市氏の個人的な思い込みに過ぎず、アメリカでは国防総省と国務省の間で「米国政府が第三国の市民救出に関する協定を交わせば、それは米軍と米市民を重大な危険にさらす」との認識で一致しているという「事実」について、1月29日の「しんぶん赤旗」は、次のように論評している; 高市早苗首相が26日夜放送のテレビ朝日系「報道ステーション」の各党党首討論での発言が波紋を広げています。首相は中国による台湾への軍事侵攻(台湾有事)を巡り、「私たちは台湾にいる日本人やアメリカ人を救いに行かなければならない。そこで共同行動を取っている米軍が攻撃を受けた時に、日本が何にもせず逃げ帰ると日米同盟がつぶれる」と述べました。 高市首相は昨年11月の国会質疑で、「台湾有事」は日本が集団的自衛権を行使し、自衛隊が米軍の戦争に参戦する「存立危機事態になりうる」と答弁。これに中国が強く反発し、日中関係が極度に悪化しました。 同番組の党首討論では、日本共産党の田村智子委員長がこの首相答弁を巡り、「台湾海峡で米中が武力衝突したら、日本はどこも攻撃されていなくとも、自衛隊が出かけていって、中国と戦争することがありうるという発言だ」として撤回を要求。これに対し、首相は撤回を表明せず、冒頭の発言で自らの答弁を正当化しました。 そもそも、米国が自国民と共に、日本人を救出するための共同行動をとる想定自体、ありえないことです。安倍晋三首相(当時)が2014年7月、朝鮮半島有事で日本の民間人を乗せた米軍船舶が攻撃された際、「何もしなくていいのか」と訴えて、集団的自衛権の行使容認を正当化しました。 しかし、米国務省はその直後、米国民の救出に関する米国防総省と国務省との合意メモ(1998年7月)を公表。メモは「海外有事で、米政府の第一義的な事項は米市民の保護である」と明記し、第三国の市民救出に関する協定を交わせば「米軍と米市民を重大な危険にさらす」と述べています。 高市首相の発言は、安倍氏が言及した「朝鮮半島有事」を「台湾有事」に置き替えただけの、破綻済みの言い訳です。 中国外務省の報道官は27日の記者会見で、番組での首相発言を問題視し、「歴史的にも、法的にも、日本には台湾問題に口を出す資格は一切ない」と強く反発。日中関係のさらなる悪化を招いています。2026年1月29日 「しんぶん赤旗」 2ページ 「台湾有事 高市発言が波紋」から引用 台湾有事が日本の有事になるというのは虚構です。台湾は国連に独自に参加している主権国家ではないのであって、国連の認識としては中華人民共和国の広大な領土の一部であるというのが公の認識です。したがって、台湾海峡で武力衝突があっても、それは中国の国内問題であり、そこに介入することは直ちに「内政干渉」となるのですから、アメリカといえども集団的自衛権を行使することは認められない、というのが「世界の常識」なのですから、そういう「常識」が欠落している人物を一国の首相にするというのは、「○○に刃物」を持たせているような、大変危険な事態なのだということを、メディアはしっかり警告するべきだと思います。
2026年02月12日
昨日の欄に引用した東京新聞の記事の続きは、解散・総選挙前の自民党高市政権がどのような問題を抱えているのか、次のように論評している; 大阪女子大女性学研究センターの元教授の船橋邦子氏は「『初の女性首相』というイメージだけにだまされず、ジェンダーに関する政策の中身をよく見ていく必要がある。彼女に家父長制的な考えがあったからこそ、自民党の総裁に選ばれたということを忘れてはいけない」と指摘する。 例えば、選択的夫婦別姓導入について、高市首相は慎重な姿勢を続けている。自民党の衆院選の公約では「旧氏の通称使用の法制化を目指す」としている。 船橋氏は「選択的夫婦別姓を望んでいるのは、現状の夫婦同姓に不便があるからだ。結局は二つの姓を併用することになる旧姓の通称使用では問題の根本は解決しない。むしろ、夫婦別姓の議論が停滞するだろう」と懸念を示す。 船橋氏は、立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」にも疑問を投げかける。新党の結成や党幹部が男性議員中心で「女性の顔が見えない」と残念がる。「女性首相を擁する自民党と比べてどう見られるのか、中道改革は考えるべきだ」と注文をつけた。 京都大の高山佳奈子教授(刑法)は「旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題は終わっていない。教団からどんな支援を受けてきたかなど、あまりにも解明できていない点が多すぎる」と語る。 自民党は、安倍晋三氏の銃撃事件後、党内の議員を対象に教団との接点を調査し、公表した。ただ、高山氏は調査が自己申告であることの不十分さを指摘した上で、高市首相自身の教団との関係を問題視する。 高市氏は過去に複数回、教団と関わりが深い日刊紙「世界日報」に登場しているが教団との関係については明言を避けている。 高山氏は「通常国会が始まれば、過去の教団との協力関係について追及されるのは必至だ。国会での追及を逃れるために衆院を解散し、支持率が高いうちに選挙をしたいという意図ではないか」と指摘する。 裏金問題にも目を向ける。自民党は今月21日、裏金問題に関わったとして、前回選挙で非公認などの処分を受けた現職と元職ら計37人に公認を出すと発表。今回は比例代表との重複立候補を認める方針だ。 高山氏は「全く疑惑は払拭できていないのに、裏金議員に党として公認を出すのを有権者として許していいのかが問われている。うやむやなまま終わらせれば、旧統一教会問題も裏金問題もまた同じようなことが起きるだろう」とくぎを刺す。◆国会審議経ず決定、安倍元首相の国葬 安倍晋三元首相の国葬は、憲法が保障する思想・良心の自由に反するなどとして、国家賠償を求めた訴訟の判決は3月2日、東京地裁で言い渡される。 原告は、市民団体「安倍元首相の国葬を許さない会」の呼びかけで集まった市民をはじめ、大学教授や弁護士ら計827人(訴訟の結審時点)。 国葬は2022年9月27日、東京都千代田区の日本武道館で行われた。当時の岸田文雄政権は、国会を無視し、その審議を経ず、閣議決定で実施を決めた。 原告らは憲法の規定からして、安倍元首相の国葬といった政治的に評価の分かれる重要な問題について、時の政権が国会での単純多数決で意思決定をしてはならず、国民と少数派への配慮が求められる-などと主張している。 訴訟で主任を務める大口昭彦弁護士は「この訴訟は、国民主権という憲法の理念を否定し、政権が一方的に国葬実施を決めて強行したことに対する怒り、抗議と位置付けている。今後も同じことが繰り返されるかもしれない。最高裁まで争いたい」と話している。(加藤文)◆デスクメモ 衆院解散の日、安倍元首相の国葬に反対する大学教授らを取材したのは、賛否あった国葬実施を閣議決定だけで決めた当時の政権の判断に疑義があり、防衛力の強化といった国論を二分する重要政策が時の政権の都合で決まっていくことへの危機感からだ。慎重に投票先を見極めたい。(ぶ)2026年1月24日 東京新聞朝刊 11版 20ページ 「こちら特報部-少数配慮ないがしろ続く」から引用 この記事に登場する京都大学・高山教授も指摘しているように、高市首相とその他の自民党議員の、裏金疑惑と統一協会関連の疑惑など、色々な問題が未解決でうやむやになっているのに、そういう議員に今後も国政を任せて良いのかが問われている選挙であったのだが、選挙の結果を見ると、そのような問題が問われている選挙だという認識を持った有権者は、共産党やれいわ新選組に投票した極わずかの有権者だけで、他の大部分の有権者は、テレビの討論番組でれいわ新選組の大石議員(当時)が首相に関する数々の疑惑について告発する場面を見ても、高市首相が隠そうとする問題の大きさを理解することは出来ず、ただ「高市さんが嫌な顔をしてるのに、大石議員はまったく手加減しないで、これじゃあ高市さんが可哀相」と思うだけで、高市氏が首相にあるまじき問題を隠しているのはいけない、などという認識は全く欠落している、それが日本人の平均的な政治意識であるという現実は、実に残念であり、これはかなり努力をしないと、日本は再び国がほろぶような時代を迎えることになると思います。
2026年02月11日
通常国会の冒頭で、自分の裏金問題や統一協会との不適切な関係を追求されることを避けるために衆議院を解散した高市内閣について、1月24日の東京新聞は、その問題点を次のように報道している; 23日の通常国会の冒頭で、衆院が解散された。突如決まった今回の衆院選に大義はあるのか。高市早苗首相は、故・安倍晋三元首相の政策路線を引き継ぎ、よりいっそう保守色を強めているように映る。賛否両論が渦巻く中で行われた安倍元首相の国葬は憲法違反だとして、国家賠償請求訴訟に関わる大学教授らに聞いた。(太田理英子、松島京太) 「昨年10月開会時 解散するのが筋」 日本体育大の清水雅彦教授(憲法学)は「政権の信任を問題にするなら、昨年10月の臨時国会開会時に解散するのが筋だ。本来、議院内閣制下で、行政の長が国民を代表する国会議員の任期を短期間のうちに失わせるのは、憲法上も政治的にも問題だ」と断じる。 昨年10月の党総裁選出時の演説では「働いて働いて働いて働いて働いて、まいります」と宣言し、物価高対策をはじめとした「経済最優先」を掲げてきた。だが、冒頭解散をしたことで、2026年度予算案の審議が遅れ、25年度内の成立は困難な見通しだ。清水氏は「内閣支持率が高いうちに政権基盤を安定化させようという自己中心的な解散。国民生活より、国家中心の考えだ」と批判する。 かつて、中曽根康弘元首相は「サッチャー英首相のような『大統領的首相』になって力強く政策を推進したい」と主張。その後、安倍元首相も、中曽根政権でできた「安全保障会議」を「国家安全保障会議(日本版NSC)」に格上げするなど、官邸主導路線を取ってきた。 その安倍氏を政治の師として仰ぐ高市氏は今月19日の記者会見で、今回の衆院選を「高市早苗に国家経営を託していただけるか、国民の皆さまに直接ご判断をいただきたい」と強調。清水氏は「自民党が過半数を占めることがあれば、政権が国会に配慮せずやりたいことをやって独走する可能性がある」と警鐘を鳴らす。 有権者にとっては物価高対策への関心と期待が高いとみられるが、衆院選で注目すべき論点はそれだけではない。 大西広・慶応大名誉教授(経済学)は、高市氏が台湾有事について集団的自衛権行使が可能な「存立危機事態」になりうるとした答弁を巡り、日中関係悪化を招いた影響を問題視。「そもそも、国家間の関係を安定させるのが首相の役割だが、逆行している」と非難する。中国側はレアアース(希土類)やレアメタル(希少金属)の対日輸出の規制に乗り出しており、「中国はレアアースの精錬で世界シェアの約9割を占め、日本の製造業への打撃は大きい」と、経済界の混乱を深刻に受けとめる。 自身は、安倍氏の国葬を巡る国家賠償請求訴訟の原告に名を連ねる。当時の岸田文雄首相が、安倍氏を支持する岩盤保守層へのアピールや政権の基盤強化に国葬を利用したとし、「首相としての責任より都合を優先している点で高市氏は同じ」と切り捨てる。 安全保障の問題も深刻だ。自民党は安保関連3文書の前倒し改訂に向け、防衛費のさらなる増額や、非核三原則の見直し、殺傷兵器の輸出拡大の議論を進める構えだ。高市氏は会見で、政権が進める政策を「決して右傾化などではなく、『普通の国になるだけ』と強調したが、先の清水氏は「『戦争する国』に着実に向かっている。国民より国家や企業、福祉・教育より軍事・公共事業が優先される政治でいいのか、有権者は考えるべきだ」と訴える。2026年1月24日 東京新聞朝刊 11版 20ページ 「こちら特報部-重要政策転換、強行突破再び?」から引用 高市氏自身が企業献金を受領している問題や統一協会との深い繋がりが報道されている問題などの追及を抑え込む目的で衆議院を解散したにも関わらず、選挙戦でそのことを批判する演説をする野党議員の様子を見て、「一方的に高市さんを批判してばかりでは、高市さんが可哀相だ」というのが普通の有権者の「反応」だったとのことで、違法な企業献金を受け取って黙り込んでいるような人物が総理大臣に相応しいのか、というような「問題意識」が皆無であるというのが、この国の有権者の一般的な認識のようで、高市氏を始めとする自民党の議員は、国民の政治に関する認識はその程度なのだということを熟知しているものだから、高市氏なども「文春砲」や「赤旗」が何を書こうと、弱音を吐かずにしらばっくれていればいいのだ、と腹をくくっているのが現実のようです。有権者がこういうレベルになってしまえば、後は右翼政治家のやりたい放題で、軍需産業に赤字国債を発行して出来た「カネ」をつぎ込んで軍備を増強し、何かきっかけがあればすぐに武力に訴えるとい「戦前の日本」が復活する準備が着々と進むことになるのだと思います。この国は、明らかに間違った道に進みつつあります。
2026年02月10日
高市早苗氏に関する違法な企業献金(裏金)や統一協会との知られざる関係が週刊誌で報道され始めて、自らの「危機」を関知した首相は、その報道が廣く国民の知るところとなる前に「解散・総選挙」に持ち込んで、あらゆる「疑惑」を「ご破算」にすることを目論んで、その前週までは「解散など考えるヒマは無い」などと言っていたことをサラリと捨てて、いきなり自己都合解散に踏み切ったのであったが、これは明らかに解散権の濫用であり違法であると、毎日新聞専門編集委員の伊藤智永氏が、1月24日付け同氏コラムに、次のように書いている; この衆院解散は憲法精神に照らし正当か。あえて疑問を呈す。 解散は、主権者国民の選んだ衆院議員全員を任期満了以前にクビにする強権発動だ。専制国家ならクーデターにも等しい。 解散規定は、憲法69条にある。「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、または信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない」 議院内閣制は、国民の選んだ国会議員が互選で首相を指名し、内閣が作られる。内閣が国会の信任を失えば、総辞職するか、衆院を解散して、国民に信を問う。 解散権は、立法(国会)・行政(内閣)・司法(裁判所)の三権が、相互に抑制し権力の均衡を図る仕組みの一つとしてある。 だが現実には多くの解散が憲法7条を根拠にしてきた。「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行う」の3番目に衆院解散がある。首相が決めれば国事行為として解散できるという理屈だ。 違憲訴訟も起きたが、最高裁は「極めて政治性の高い国家統治行為」として判断を回避。以来「首相の専権」「伝家の宝刀」と呼ばれ、首相の大権であるかのような決めつけがまかり通ってきた。 それでいいのか。保利茂元衆院議長が在職中の1978年7月、衆院法制局の意見も踏まえて作成した「解散権について」という原稿用紙16枚の手書き文書がある。前年、就任1年未満の福田赳夫首相周辺が、早期解散を探っていると知り、「議長見解」として公表するつもりでまとめた。 「内閣に解散権があるといっても、明治憲法下のように内閣の都合や判断で一方的に解散できると考えるのは現行憲法の精神を理解しておらず、適当でない」 7条解散は「内閣の恣意(しい)によるものではなく、あくまで国会が混乱し、国政に重大な支障を与えるような場合に、立法府と行政府の関係を正常化するためのもの」で、「69条解散の精神が流れていなければならない」とした。 保利氏は79年3月死去。後任の灘尾弘吉衆院議長が諮問機関で協議し、国会で決議しようと提案したが、自民党が渋った。 それでもかつての7条解散は、まだ謙抑的だった。「内閣の助言と承認」を得るため、首相が反対の閣僚を罷免したり、閣僚たちの反対で断念したりしたこともある。 何より「国民のために」の言葉は重い。安倍晋三元首相以来「自分のために」勝てそうなら解散するのが習い性になった。憲法精神に背いている。(専門編集委員)2026年1月24日 毎日新聞朝刊 13版 2ページ 「土記-この衆院解散は合憲か」から引用 上の記事が指摘するとおり、内閣が衆議院を解散出来るのは国会が内閣不信任案を議決したときであって、不信任案の決議もないのに解散するのは、憲法の条文を自分の都合のよいように読み替えているからであって、それは違法行為である。従って、恣意的な解散に対して、実際に「違法な解散は無効である」との訴訟が起きた場合に、裁判所は純粋に法理論の立場から裁定を下すべきであった。しかし、日本の司法は行政に対する如何なる弱みがあるのか、昔から行政権力に対して毅然たる態度を取ることが出来ず、「政治性の高い国家統治行為」だから裁判所の判断になじまない、などと変な理屈を並べて判断を回避したから、自民党の「腐敗政治」に温床を提供する事態となってしまっている。そのような状況の中で仕組まれた「自分勝手解散」で、与党は単独310議席となり、これを再び少数与党に追い込むにはしばらく時間が必要になるかも知れないが、やがては「自分勝手解散」を現に禁止する法律を制定しなければならないと思います。
2026年02月09日
ある日の週刊誌に、今年還暦を迎えるという男性読者の次のような「投書」が掲載された; 昨年末、横浜の息子夫妻の新居で、静岡に住む息子の妻のご両親を交えてお鍋を囲んだ。あちらのご両親とは年に数回しか会わないが、とても穏やかで優しいおふたりだ。 息子の妻の父親(息子の義父)は寡黙で巨人ファン、母親(同義母)は行動的でよく芝居や遊園地に出かける人だ。もケすぐ2歳になる孫の成長を皆で感心しながら、食後の団欒中、息子の義母が話しはしめた。「高市(早苗)さんが総理になって政治が身近になった。ネット動画などで彼女の主張を聞くとよくわかる。今まで政治のことなど考えたことはなかったけど、日本も周辺国に対抗するために核兵器をもったほうがいいと思う」 私は内心驚きながら、内閣発足後3ヵ月が過ぎ、なお70%を超える高支持率の理由がわかる気がした。息子の義母のように、今まで政治に関心のなかった層にも、初の女性首相が国のためにがんばるというメッセージを発信することで、わかりやすく響いているのだと。 私は次のように答えた。 「大切なことは三つあると思う。 一つは、物事は一面だけでみるべきではない。確かに彼女の主張はSNSで若者らにも人気があるようだが、偏った意見ではないか。高市さんとは異なる意見にも耳を傾けるべき。 二つめは、それぞれの意見をそのまま鵜呑みにするのではなく、自ら批判的に考えることが必要。周辺国の軍事力に対抗する手段は武力だけではない。真摯な対話の継続という方法はないのか。 最後に、一番重要なことを忘れてはいけない。絶対に戦争をしてはいけないということ。高市首相の発言により、日中関係が冷え込み、東アジアに緊張がもたらされた。戦後80年、昭和100年の今、戦争経験者が少なくなっている。イメージの戦争、美化された戦争では、現実の悲惨さはわからない。特に私の妻は広島出身で、小さい頃から原爆の恐ろしさを聞いて育った。その声を聞かずに、核保有や核抑止力などと安易にいうべきではない」 「そうですね、もう少しいろいろ勉強してみますね」とその場は終わり、次の話題に移った。 今年は丙午、ついに私も還暦だ。感慨深いが、まだまだがんばりたい。 高市首相、日本維新の会、参政党などの人気が高まり、日本が大きく右に傾いている現在、『週刊金曜日』には、息子の義母やこれから育つ孫のような新しく政治に関心をもつ人たちに届くメッセージを発信し続けてほしい。 どうすれば多様な意見に耳を傾ける人が増えるのか。簡単ではない。今年も厳しい"闘い"が続く。2026年1月30日 「週刊金曜日」 58ページ 「言葉の広場-還暦になっても『週刊金曜日』とともに闘う」から引用 投票日前日の新聞各紙は「自民、単独過半数の勢い」と、目を疑うような「情勢分析」を掲載しているが、一般的な日本人の政治認識が、上の投書に出てくる「息子の義母」のようなレベルであるとすれば、うなずける「結果」なのかもしれない。似たような現象は、私の身の回りでも散見され、高校生や大学生の娘や息子がいる中年のおばさんは、普段は政治の話など聞いたことないのに、急に高市首相の話題になって「いつもニコニコして感じが良いから」自民党に入れるんだというような会話が、町内会活動の中で聞こえてきたりします。しかし、せっかくの憲法が保障する「参政権」の行使に当たって、ニコニコしていて感じが良いから投票するというのは、まるでテレビの人気タレントや「推し」の歌舞伎役者の人気投票のような「のり」で、呆れてしまいます。高市早苗氏が、財源もないのに軍事予算を増額し、政府高官が「核武装は必要だと思ってる」と発言しても注意することもなく、このまま行けば軍事大国になり、憲法を改悪して徴兵制を復活させ、近隣国と武力衝突も辞さず、やがては二度目の「8月15日」を迎えることにもなりかねない。そういう「危険性」が濃厚であるにも関わらず、メディアは一切そのような危険性に触れることなく、ただただ傍観するのみでは、あまりにも無責任というものです。これからの日本は、高市早苗や維新の会、参政党ではダメなのだという「認識」を広げて、日本の進む「道」を正しい軌道に乗せる努力が必要です。
2026年02月08日
電力会社の不祥事と突然の違法な国会解散について、文芸評論家の斎藤美奈子氏は、1月21日の東京新聞コラムに、次のように書いている; 今週のニュースは解散総選挙一色になるのだろうけれど、しつこく原発の話。だって話題が尽きないんだもの。 14日、再稼働に向けた中部電力浜岡原発3・4号機の審査がデータの不正発覚で白紙に戻ったのに続き、まさかというか案の定というか20日に予定されていた東京電力柏崎刈羽原発6号機の再稼働が延期された。 17日、制御棒を引き抜く試験中に鳴るはずの警報が作動せず、19日、東電は会見で設定ミスが原因だったと発表した。この設定ミスは1996年の運転開始時からというから30年も放置されてきたことになる。 再稼働を前にした相次ぐトラブルは、日本の電力会社に原発の制御は無理なんじゃないかという疑いを抱かせる。 一方、永田町に目を転じれば、立憲民主党と公明党が合併してできる新党は、集団的自衛権の一部行使を含む安保法制は合憲、原発の再稼働は容認で合意したそうだ。中道勢力を結集して高市自民党に対抗したいという意図は理解できるが微妙にバカにされた感じ。一時は国論を二分したはずの案件が、こうしてなし崩しになっていく。 鳴るはずだった警報が作動しなかったという東電の設定ミスはどことなく暗示的である。警報を鳴らすべき局面なのに鳴らない、鳴らさない。大政翼賛的な方向に国が流れるのだけは勘弁してほしい。(文芸評論家)2026年1月21日 東京新聞朝刊 11版 19ページ 「本音のコラム-再稼働の裹で」から引用 中部電力の浜岡原発の安全性を示すデーターは捏造であったことが発覚した事件は、深刻な問題である。「黙っていれば、誰にも分からないことだから」という理由で、無難な数値だけを寄せ集めて「これを平均すると、こうなりますから安全です」という報告署を出して安全性の審査をパスしたことが発覚したもので、中部電力に勇気ある公益通報者がいたから、問題が明るみに出たもので、もしその通報がなかった場合には数十年以内にあると言われている「大地震」のときに、大事故を誘発して放射能に汚染されるところであった。東京電力の柏崎刈羽原発も、30年前に設定した数値が実は設定ミスであったことが今になってようやく発覚したもので、この30年の間特に事故もなかったのは稼働を停止していたからという「お粗末」。本格稼働が軌道に乗る前に、このような不祥事が続くのでは、実際に本格稼働を始めた日には何が起きるか、分かったものではありません。狭い国土に50数基もの原発を作ったのは国策として誤りであったと思い知る日が、やがて来るのは間違いないと思います。
2026年02月07日
女性を性搾取の被害から守る「女性人権センター」の設立を目指して、一般社団法人Colaboが活動を始めたことについて、法政大学名誉教授で前総長の田中優子氏は、1月23日の「週刊金曜日」に、次のように書いている; 昨年8月29日号の本誌に掲載した「これからどうする?」で私は、「『女性人権センター』の設立がどうしても必要だ」と書いた。その時は、性搾取をされている女性たちに対するマスメディアの扱い方がひどく、そのことを中心に書いた。自らの差別感を顧みず、実態を知ろうともせず、被害を受けている女性たちを自己責任論でしか語れない人々が多い。メディアもその観点で女性を見る。だからこそシェルターの整備と、ごく基本的な人の関わりを作っていく「女性人権センター」の設立が、どうしても必要なのである。 その運動が一般社団法人Colaboを核にして動き出した。政府は女性支援新法を作ったが、これは自治体と民間が動かすもので、案の定法律はあるが問題解決が進まない。これからの日本は軍事に資金と関心を傾ける政府や、深く理解しないまま形式的な対応(たとえば女性たちの個人情報を求めるなど)をする自治体にも頼れないのだ。助けてもらうことはあるかもしれないが、任せることはできない。今ほど市民運動が必要な時代はない。軍国主義を掲げ始めた日本だけでなく、植民地主義の王様が君臨する米国でもそうなのであろう。時代は18~19世紀に戻ってしまったのだ。 しかしその時代の市民運動は今よりはるかに難しく、危険を伴うものだった。人知れず逮捕、拷問、抹殺が行なわれた。20世紀になると天安門事件の時はFAXが駆使され、たちまち情報が世界に飛びかった。今はインターネットを使うことができる。18~19世紀とは異なる。両刃の剣ではあるが、私たちはデジタル社会を賢く冷静に使いこなさねばならないし、それは可能だ。 しかし市民運動で忘れがちなのが「安全に集まる場所」である。そこは搾取され暴力を受けている女性たちをかくまい、共に自立の道を探ることができる安全な場所であり、同時に活動者たちが人知れず逮捕、拷問、抹殺されることを回避するためにも、必要な場所なのである。心を打ち解けて話すことによって、多くの解決策が生まれる場所にもなる。 デジタルと対面の両方を使いつつ、関わり合うことを軸にして、搾取とは何かを知り、新たな社会を構想することができる場所。女性たちにとっては、相変わらず家父長的な家族にからめとられない場所。暴力にさらされる家に帰らなくてもよい場所。そういう「女性人権センター」を一緒に作りませんか。2026年1月23日 「週刊金曜日」 1553号 3ページ 「風速計-女性人権センター運動が始まった」から引用 政府は女性支援新法を作ったのに、その新法を運営する自治体や民間組織に女性の人権を守るという意識が希薄なため、相談に訪れた女性に、住所・氏名・年齢などと書かせて、それを後日問い合わせて来た家族や知人が閲覧したりするので、問題が解決するどころか益々悲惨な被害になったりする。そのような事態を解決するには、田中氏が提唱するような「女性人権センター」が必要とのことで、一般社団法人Colaboが、そのために活動を開始したというニュースは、久々に将来に明るい希望を感じさせる良いニュースだと思いました。
2026年02月06日
日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は、1月15日付け紙面で維新の会所属の議員が国民健康保険への加入を逃れるために低額の報酬で一般社団法人の理事に就任していた「問題」について、次のように批判してる; 高額な保険料に苦しみながら、まさに身を切るように保険料を納める多くの人を尻目に、脱税に等しい脱法的な手法で高い国保料の支払いを逃れていた―「身を切る改革」「社会保険料を下げる改革」を掲げる日本維新の会の議員たちです。悪質であり議員の資格はありません。 維新は、党員議員・首長らの実態調査の中間報告(7日)で、複数の所属議員が「国保逃れ」をしていたことを認めました。■党全体が問われる 党としての組織的なものではないと釈明しますが、調査に答えた803人中45%が、本来入るべき国民健康保険(国保)ではなく社会保険(社保)に加入していました。 自営業者や年金生活者、非正規の人などが入る国保の保険料は、会社員などが入る社保に比べ非常に高額です。また、保険料は収入に応じて決まる応能負担が原則なので、議員報酬に基づくと保険料が高くなります。 そこで、兵庫県の地方議員4人が「栄響連盟」という一般社団法人の理事となることで社保に加入し、理事の報酬を低額に設定して保険料を最低水準に抑えていました。 栄響連盟の代表理事は維新の衆院議員の元公設秘書。類似の法人に別の4人がかかわっていました。19人がこれらの法人から保険料削減目的で勧誘を受けたことがあり、13人は維新関係者から勧誘されました。東京維新の会のライングループでは、元区議が昨年7月、国保逃れの手法を提案していました。維新全体の問題というほかありません。 同党の中司宏幹事長は、維新内に「国保逃れ」の手法が広がっていたと認めます。しかし自浄作用はなく、党外から告発されて調査に追い込まれました。「改革」を語る資格はまったくありません。 「国保逃れ」は応能負担の原則に反し、制度の持続性を揺るがしかねない不正です。一方、維新は「公平な応能負担の実現」「社会保障制度を持続させるため」として医療費4兆円削減を要求し、高齢者や患者の負担増を迫っています。許されない二枚舌です。■率先して保険料増 国保には「均等割」「平等割」など社保にはない仕組みがあり、子どもが多いほど保険料が高くなり、低所得でも負担が課されるなど、社保の約2倍(4人世帯)の保険料です。こうした制度を改めることこそ首長や議員の役割です。日本共産党はこれらを廃止し、国費を増額して国保料を下げよと求めてきました。 ところが、維新が知事の大阪府と奈良県は、自民党政権の国保料負担増政策である「国保の都道府県化」「都道府県内統一保険料」を真っ先に実施し、市町村独自の国保財政への補助や低所得者への減免をやめさせました。2024年度、大阪府では統一保険料化で全自治体が値上げになりました。「身を切る改革」どころか、維新が切っているのは社会的弱者です。 維新は調査を続けるとしますが、党全体が問われており解散・総選挙の前に有権者に全容を明らかにすべきです。どさくさ紛れの大阪府・市ダブル首長選で、この問題をごまかすことは許されません。2026年1月15日 「しんぶん赤旗」 2ページ 「主張-維新の国保料逃れ」から引用 維新の議員が、議員報酬は隠して、維新の議員秘書をしていた者が設立した一般社団法人の理事に就任したと称して安い報酬を、その社団法人からもらっているからということで社会保険の健保に加入すれば、保険料もごく低額で済むという、世間の目を誤魔化すことを、選挙で選ばれた「選良」の立場を裏切る卑劣な仕業です。高市早苗を始めとする自民党議員は、法律の規定を超える法外な企業献金を報告書に記載せずに「裏金」にするし、自民党と維新の会の連立政権というのは、悪者同士の連立政権であることが、これほど明白なのに、何故、野党のハズの「中道改革連合」は、与党議員のそのような「不正」を追求しないのか、不思議です。そして、共産党やれいわ新選組が、そのような「不正」を厳しく追及すると、高市首相などは「手を怪我したので、NHKのテレビ討論は欠席します」などと言って、その日の午後は名古屋方面で街頭演説に立ち、怪我したハズの手を振り上げて、大演説をかますという有様、しかもそれを批判的に報じるメディアはないという、この国の政治が浄化されない理由が分かる気がします。
2026年02月05日
維新の会の地方議員が一般社団法人の理事に就任し、その理事報酬(低額)に応じた社会保険の健保に加入して、その代わりに議員報酬に応じて安くない保険料を支払うことになる国民健康保険には加入しないで済ませるという「脱法的行為」をしていたことが発覚して世間を驚かせましたが、これをメディアはどのように報道したか、弁護士の白神優理子氏は、1月18日の「しんぶん赤旗」に、次のように書いている; 「身を切る改革」を看仮にする「日本維新の会」で、所属議員の問題が相次いでいます。「赤旗」日曜版がスクープした公金還流疑惑に加え、新たに「国保逃れ」が発覚。同党の地方議員4人が、一般社団法人の理事に就任し、国民健康保険料の支払いを逃れていました。維新も「脱法的行為」と認めています。 「自分の身は切らぬ卑劣さ」との痛烈な見出しは「毎日」社説11日付)。「社会保障の持続性向上を公約に掲げながら、自らの負担は回避する。政治家にあるまじき卑劣な振る舞いと言うほかはない」「維新は・・・組織ぐるみの関りは否定する。ただ、不審な点も多い」「ガバナンス(組織統治)不全は深刻である」と厳しく指摘します。 「改革語る資格あるのか」というのは「朝日」社説(9日付)。「結党以来掲げる『身を切る改革』に逆行し、社会全体でリスクを分かち合う公的医療保険の意義を損なう・・・疑念を晴らせなければ、改革を語る資格はない」「維新を連立のパートナーに選んだ自民党にとつてもひとごとではいられない」と書きます。 「維新は厳正な処分を下せ」と書いたのは「産経」主張(10日付)。「読売」(9日付)も4段の記事で「維新 続く統治不全」「看板も損ないかねないだけに、対応が急務」と報じました。 テレビでは、8日の「ワイド! スクランブル」(テレビ朝日)でコメンテーターの柳澤秀夫さんが「国民に対する裏切り行為以外の何物でもない」と批判しました。 高額負担者が国保から抜けることで多額の保険料収入が失われ、残された国保加入者の保険料はつり上がります。維新議員が「国保逃れ」をしたツケは、現在の国保加入者全員が肩代わりさせられることになります。社会保障制度の根幹、政治家・政党の資格を問う問題です。厚みのある本格的な報道が求められます。(しらが・ゆりこ=弁護士)2026年1月18日 「しんぶん赤旗」 日曜版 31ページ 「メディアをよむ-自分の身は切らない卑劣」から引用 自民党と維新の会は「同じ穴のむじな」みたいなもので、口で言うことと腹で企んでることが正反対、つまり正直ではないという点が共通項として指摘出来ると思います。高市首相などは、首相になる以前は「小物議員」に過ぎない存在だったのに、麻生太郎議員の策略でいきなり首相になったため、「赤旗」記者がいろいろ調べて見ると、次々と「疑惑」の種が見つかり、不正な献金を裏金にしていたことが発覚したり、韓国の司法当局が押収した統一協会の資料に「高市早苗議員」の名が数十回も登場することが判明したため、こんな状態では予算審議どころではないから、というのでいきなり総選挙になったと思ったら、維新の会も「大阪府知事も大阪市長も選挙にしてしまえ」とばかりに便乗して同日選挙になってしまいました。都合の悪いことはなんでも「選挙」で誤魔化すという「手」に乗らずに、国民は「政治家の悪事」は徹底的に追求するべきです。選挙が済めば禊ぎは終わり、などというメディアの「宣伝」を鵜呑みにせずに、高市早苗の裏金問題、統一協会問題をとことん追求するべきだと思います。
2026年02月04日
先月訃報が報じられた元TBSアナウンサーの久米宏氏について、専修大学教授の山田健太氏は1月18日付け東京新聞コラムに、次のような思い出話を書いている; 「テレビって政治家を平等に扱わないといけないんですか」 「そんな法律はありません」 「ですよねえ」 2019年12月28日、フリーアナウンサーの久米宏さん(今年1月1日、81歳で死去)に呼んでいただいたラジオでの生トークの一節だ。 テレビが政治を動かし、自由に政治家を批判し、そして職場や学校で番組が話題となる時代があった。1980年代から90年代にかけてのテレビ朝日「ニュースステーション」とTBS「NEws23」だ。とりわけ「ニュースステーション」は、斬新な番組作りやスタジオのセットや小道具が興味深く、関係者に頼み込み六本木アークヒルズに通った。 そうした話をトイレで並びながらしたのは、久米さんと初めて直接言葉を交わした17年10月の番組開始直前だった。オンエアと同時に「昔、番組を観察してたって聞いたけど、ダメたったところは?」と全く想定外の質問が飛んできた。「政治を分かりやすくしたことです」と応じると、久米さんは「え?!」。 難しい話、結論が出ない問題を誰でも理解できるようにした功績は、その後の視聴者に「すっきり感」を与えるスタジオトークにつながった。誰もが政治を考え意見を言えるきっかけを作ったにもかかわらず、今は逆にきちんと考えなくても、わかったつもりにしてしまう番組が増えてませんかと、思いっきり攻めてみた。 ◇ ◆ ◇ その続きが、冒頭のやりとりだ。本当はテレビ論をする予定だったが、話は自然と政治とメディアの関係に移っていった。その時の、久米さんの政治、社会、そして放送への危機感の大きさ、さらに言えば怒りを間近でひしひしと感じ、あの優しい目が全く笑っていなかったことを思い出す。 この時すでにヘイトスピーチがまん延し、社会の分断が進みつつある中だったが、まだ放送ができることがいっぱいあるとの思いを、共有させてもらった時間でもあった。番組の中では、日本は全国津々浦々どこでも無料でラジオが聞け、テレビが見られる「マス」がきちんと実現している稀有な国だと話した。 終了後に「放送の未来は?」と聞かれ、「不滅です」と答えたところ、「根拠なき楽観論」とゲラゲラ笑われたが、目は本当にうれしそうだった。この笑いの何割かは、同じ広島カープファンのくせに、そこで巨人のフレーズを使うのはいかがかということでもあっただろう。 ◇ ◆ ◇ 今、放送はガバナンス不全を問われ、総務省ではチェックシステムの導入が議論されている。総務省・放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会の案では、官民が連携してフォローアップする仕組みとして、有識者・業界団体・NHK・行政機関から構成される円卓会議を設置することになるそうだ。そこでは繰り返し「放送の根幹は自主自律」とするものの、あわせてその前提は健全なガバナンスが実行されていることとし、そこへの行政の関与の必要性を認めたものになっている。 一方で、当事者の放送界自身もコンプライアンスにきゅうきゅうとしており、ちょっとしたきっかけで放送現場でも萎縮が起きることが危ぶまれている。だからこそ大切なのは、自由で面白い番組を作り続けるためにも、新しいことに挑戦し続けた久米さんの心意気だ。2026年1月18日 東京新聞朝刊 11版 5ページ 「時代を読む-自由で面白くて挑戦するテレビ」から引用 久米宏が司会をする「ニュースステーション」は面白い番組だった。歌番組の司会をするときはニコニコしていたのに、「ニュースステーション」になると急に鋭い目つきになって、「いい加減な誤魔化しは許しません」という姿勢が感じられて「そうだ、そうだ」と思いながら見ていたような気がします。「ニュースステーション」を降板した後はTBSラジオの昼の番組を担当していて、あるとき同じTBSラジオの吉永小百合氏の番組にゲスト出演して、敗戦直後の子ども時代の共通の話題などで盛り上がった後で、番組の「エンディング」で、多分二人は同じ年だからだと思うが、久米氏は吉永小百合氏に「(二人とも100歳になる)25年後に、またお会いしましょう」と冗談交じりに言ったのを思いだして、なぁんだ、久米さん、20年も早いじゃないか、と大変残念に思います。
2026年02月03日
中国を旅行した70代男性が、その感想を1月17日の東京新聞に投書して、次のように述べている; 少し前に中国・西安を旅した。かつて長安と呼ばれた古都である。文化財も豊富で、日本の京都にあたるような場所だ。実際、京都市とは姉妹都市である。 有名なのは、秦の時代の兵馬俑(へいばよう)だ。高度な文化と技術力に驚嘆する。続いて青龍寺へ。空海が遣唐使として仏教を学んだ地である。この寺からは仏教だけでなく、医薬、建築、書道、音楽などの文化を遣唐使が持ち帰ったとのこと。古(いにしえ)の時代から文化交流が行われていた中国と日本。稲作や漢字なども中国大陸から伝わった。戦後、国交が正常化すると、日本は中国の工業化を後押しした。 両国の政治体制は異なるが、決して争う相手ではない。存立危機事態の検討より、周辺国と協力し、台湾有事を防ぐための外交に注力すべきだ。2026年1月17日 東京新聞朝刊 11版 5ページ 「発言-有事を防ぐ努力こそ大事」から引用 古代の中国文化が日本に及ぼした影響は計り知れないと言っても過言ではないでしょう。もともと日本列島に住む者達は、文字を持たずに狩猟や稲作をしていたところに、朝鮮半島を経由して中国文化が流入して、漢字を覚え、重要な取り決めは文書にして残すという文化が浸透して、人々を統率する国家を樹立するという過程を、中国文化が強力な下支えとなったことは想像に難くありません。中世から近代へ歴史が切り替わる時期には、強大過ぎる帝国だった中国は近代化するのに時間が掛かりすぎて、早めに近代化した日本はその弱点を突いて軍隊を派遣し、多くの都市や住民の生活圏を破壊し、日本が敗戦した時点での中国側の被害額は天文学的な数字となったのでしたが、戦後20数年経って日中両国政府が国交正常化交渉を行なった結果、中国は日本に戦後の賠償請求をしないこと、その代わりに、日本は「台湾が中国の領土の一部である」ことを理解し、中国の内政には干渉しないこと等を約束して国交正常化が実現した、という経緯があるのですから、今さら高市政権がアメリカにゴマするつもりで「台湾有事は日本の有事」などと発言するのは大きな間違いであることを、国民はよく理解し、日本政府が国際信義を逸脱するような言動を慎むように、批判の声を上げ、絶えず政府の言動に注意を払っていく必要があると思います。
2026年02月02日
新年早々衆議院を解散した高市政権について、毎日新聞専門編集委員の伊藤智永氏は1月17日付け同紙朝刊コラムに、次のように書いている; 昨年12月20日の土記で「衆院解散へまっしぐら」と書いたが、予想したのは2026年度予算成立後。年明けすぐとは意外だ。 高市早苗首相も想定外だろう。でないと、予算の25年度内早期成立へ国民民主党の協力を約束させた合意書は、だますつもりで交わしていたことになる。年明け解散を狙っていたなら、国会召集日が遅すぎる。つまり、年末年始に思いついたに違いない。 なぜ。国会恐怖症である。国民民主が連立入りを渋り、予算以外の法案成立に自信がない。その前に予算委員会が怖いのだ。 周辺によると、高市氏は台湾有事の存立危機事態発言を「失敗した」と悔やんでいた。野党の衆院予算委員長が「自分にばかり答弁させる」と不満だった。率直な物言いは好評でも、中身はスキだらけ。自分でも不安らしい。 まして発足3カ月の政権はスキャンダルが目白押しだ。週刊誌報道で、高市氏や閣僚に政治とカネの疑惑が続々浮上。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の政界工作を赤裸々に記した内部文書が、韓国の同教団への捜査で発覚した。高市氏の名も登場する。 首相官邸の安全保障担当者による「核保有」発言、連立を組む日本維新の会で露見した国民健康保険料逃れも容易に収まる問題ではない。どれも予算委員会が紛糾するのは必至だった。 全部まとめて吹っ飛ばしてやれ。正月休みにつらつら考え、そう腹をくくっても不思議でない。 高い内閣支持率を背に与党の過半数回復を狙った解散と言えば勇ましいが、実情は早くも行き詰まった局面を打開する破れかぶれの一手だとすれば、これほど身勝手な権力乱用はない。 先例はある。高市氏が政治手法をことごとくまねる安倍晋三元首相だ。17年の通常国会は森友・加計学園問題で炎上。閉会後、野党は憲法53条に基づき臨時国会を要求したが、追及を恐れる安倍氏は無視。約3カ月後、やっと召集した国会冒頭で衆院を解散し、疑惑をチャラにしようとした。 その3日前、記者会見した安倍氏の取って付けた解散理由。「少子高齢化と北朝鮮の脅威、二つの国難を国民と突破するため信を問う」。意味が分からない。 小池百合子氏が新党「希望の党」を結成。民進党が合流し、一時は自民党下野の勢いだったが、小池氏の失言で失速。自民圧勝で安倍政権はさらに3年続いた。 今また野党の新党結成で既視感ある光景が再演されている。すると、自民勝利で高市長期政権へ? 勘弁してくれ。(専門編集委員)2026年1月17日 毎日新聞朝刊 13版 2ページ 「土記-行き詰まり開き直り解散」から引用 この記事によれば、高市首相が身勝手な職権濫用で国会を解散したことについては、安倍政権の時代に「前例」があるとのことだが、その「前例」のときに、安倍氏の身勝手な行動をその場で徹底的に叩いて、自民党の政治家の誰もが二度とそのような身勝手な解散はしないと思うようなレベルにまで、すべてのメディアが結束して闘っていれば、今ごろ高市氏が模倣しようなどとは考えなかったハズで、このような事態になってしまった責任の一端は、メディアで働く人たちにもあるのだと思います。かくなる上は、選挙で単独過半数になったとしても、裏金問題や統一協会問題は帳消しにはならないことを、今のうちから確認し、選挙後の予算委員会では、韓国の警察が調べて公表した統一協会関係資料を予算委員会に持ち込んで、32回も登場する「高市早苗」の名前が、どのような「活動」の結果として記述される羽目になったのか等々の事情を洗いざらい白日の下に晒すべく、しっかり追求するべきだと思います。
2026年02月01日
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