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大晦日、オフィス近くを散策していたら木のてっぺんに小鳥が飛来し、しばらく止まり周囲を見渡していました。頭が大きくずんぐりとして尾の先に白色があり、シメとわかりました。初列風切と次列風切の一部が独特の形をしています。高田・叶内(2008)に描かれている風切を見ると、P1~P5の先端が平らで内弁がえぐられたようになっていてトゲのように出っ張っている印象もあります。一般的な小鳥たちの場合は、羽根の先端はゆるい流線型となっているのと比べると独特です。初列風切は、羽軸の左と右で幅が違い、はばの狭せまい方が前、広い方が後ろになるようについています。羽ばたいて翼を下ろすと幅の広い方、つまり後ろに向かって風力が生まれ前に進むことができるようになっています。文献にも風切の独特の形についての解説はありませんが、頭の大きいずんぐりとした体で飛翔するためには、空気の流れを整える必要があるのかしらと想像をしています。(参照文献)高田勝・叶内拓哉.2008.野鳥の羽.p83.文一総合出版.(写真)2022年12月31日、2020年1月、2019年2月いずれも柏市内で撮影
2022.12.31
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(手賀沼とその沿岸で越冬期の分布が集中)近年、手賀沼で越冬するオオバンは沼本体の水面では姿はあまり見かけず、柏市と印西市の境界を流れる下手賀川に集中しています。これは、沼には浅瀬がになく陸上植物の植体や種子を食べることができないこと、沼では沈水植物・抽水植物・藻類等が豊富でないことと関連しているものと思います。全国的には橋本(2013)が1990年代、2000年代になるにつれ,西日本各地で越冬するだけでなく,越冬地が東北地方へと北上しており、各地でオオバンの越冬数が増加する湖沼がみられていると報告しています。にもかかわらず、手賀沼では顕著な増加傾向が見られないのは越冬個体を支えるだけの食物状況にないことが影響しているのではないかと推察されます。(繁殖期の深刻な食物状況との関係)北島(1994)は手賀沼におけるオオバンの繁殖について調査した結果を報告しています。その中に手賀沼に生息するオオバンの一腹卵数は,5.2±1.1卵でイギリスでは5.9卵、チェコスロバキアでは7.1卵、ラトビアでは7.6卵、西ドイツでは7.9卵の報告と比べると少ない状況となっており、その理由として冬季の食物状況の貧弱さを指摘しています。冬期も繁殖期いずれも食物状況が貧弱で深刻な状況となっています。(引用)北島信秋.1994.手賀沼におけるオオバンの繁殖生態.山階鳥研報.第26巻.p47-58.橋本啓史.2013.オオバン.Bird Research News Vol.10 No.2.p6-8.バードリサーチ.
2022.12.30
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舌状台地にある戦国時代後半の中世の城址公園から手賀沼に流入している大津川沿岸をハイキング気分で散策してみました。土塁、横堀が残っている城址をスタートし、かつて水田に利用したり、多くの人が汲みに訪れていたという湧水(現在は有害物質が検出されている為飲用不可)のそばを通り、大津川沿岸の野鳥たちを探索。大津川の浅瀬ではオオバンが浅瀬で水草を食べに群がっていました。かつては、浅瀬のあった手賀沼沿岸で採食していましたが、水質浄化対策の関係なのか水位が高くなり大津川や近郊の柏の葉公園周辺の池でしか浅瀬でしか水草をついばむことができなくなったので貴重な環境です。今日観察できたのは、ダイサギ、カイツブリ、バン、オオバン、カワセミ、コゲラ、シジュウカラ、ジョウビタキ、スズメ、カワラヒワ亜種オオカワラヒワ、ホオジロです。これから厳冬期に入ると、城址公園内にルリビタキの姿も目撃することがあります。(写真)ルリビタキ以外は2022年12月30日撮影(ルリビタキは2021年1月撮影)
2022.12.30
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ヒメハジロについては、外観上の特徴が図鑑に記されているのみでその行動などについて報告されたものはあまり見かけないのが現況です。かろじて清棲(1952)に生息環境、習性、繁殖、食性、国内観察記録などが記載されています。また、日本鳥学会誌短報に山本弘さんがその行動について寄稿しているものがありました。参考として提供します。(清棲図鑑の記載内容)(1)外観について多くの図鑑に記載のない上胸、脇、下腹が灰褐色を帯びるとあります。(2)一般習性について「主に昼間に餌を漁る。(中略)潜水時はキンクロハジロ等と同様に一度弧を書く(まるい曲線の形)ように跳ね上ってから潜り翼は體側につけて使用しないのが常である。陸地に休む時には直立した姿勢でいる。比較的水面から垂直に飛び立ち飛翔するときも不規則に低空を直飛する」と記しています。(3)食性について「動物質をとり、動物質ではない小魚、軟体動物の貝類、小エビ、蛙類、ゲンゴロウなどを好んで食物とする。植物質では水藻類、エビモ、キンギョモ、ミズハコベタヌキモ等を好んで食物とする」と報告しています。(4)国内の記録について1921年10月28日網走支所網走湖、1924年12月岩手県下閉伊郡宮古湾での観察記録を掲載しています。(日本鳥学会誌掲載内容)山本(1967)は、岩手県閉伊川河口に1963年3月19日および1963年12月14日、15日、17日、1964年1月2日、3日、5日、2月4日~24日、3月5、7、9、22日にヒメハジロ成鳥雄1羽が飛来した際の観察内容を整理し報告しています。それによると、ホオジロガモの群と共に行動していた点、ヒメハジロが飛ぶと頭部の白色が小さくなり,ホオジロガモと区別が困難になると指摘しています。さらに、ヒメハジロは2月初旬まではホオジロガモ♂群に混入を好むが、2月下旬以後はホオジロガモ♀群に追従するを好む傾向が見られることを述べています。(引用)清棲幸保.1952.日本鳥類大図鑑.Ⅱ.p589-590山本弘.1967.ヒメハジロ雄の二年連続渡来.日本鳥学会誌.鳥.第18巻.p51-54.
2022.12.29
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今月に入り多摩川にヒメハジロが飛来したと耳にしていたけれど、連日300人を超える撮影者が集まっているとのことでしばらく現地に出かけるのをためらっていました。多くの方が仕事納めとなった翌日の今朝なら落ち着いているのではないかと現地に向かいました。到着し、水面に目をやるとオオバンと一緒に水面を移動するヒメハジロ雄の姿がありました。よく潜ると聞いていたけれど最初のうちは水面を移動するのがメインで潜水は時折でした。丸く盛り上がった頭部、眼の後ろから後頭部にかけての幅広い白さ、素敵でした。前に出会えたのは1996年1月茨城県涸沼で、水面の遠いところを泳ぐ姿でした。今回のように比較的距離が近いのははじめてでした。おかげで羽毛を寝かせている状態とそいうでない状態の両方を観察できました。また、嘴爪部の黒斑、紫色と緑色の光沢のある頭部、褐色の虹彩、ピンク色の足、下面の大部分は白色ですが、足の付け根が褐色であること、水面を移動する際には水かきをフルに動かしている(エビの仲間の足の動きと似ている)も目撃できました。このほか、ホオジロガモ雌第一回冬羽、オオバンとヒメハジロが水面を移動する光景がレースをしているようで楽しい時間を過ごしました。(写真)2022年12月28日撮影
2022.12.28
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鳥友たちと共に時間をすごした折、2017年1月茨城県つくばみらい市にアネハヅルが飛来した件が話題となり、渡り高度との関係で過呼吸にならないのかとの話しになりました。森本 元 監訳(2021)が2012年にイギリスのバンガー大学の研究チームによる調査で追跡したうちのアネハヅル1羽が標高7290mの高度まで上昇してヒマラヤ山脈を越えたことを紹介しています。過呼吸に関しては、文献に報告が掲載されていましたので紹介します。(鳥が渡る高度について)フランク・B・ギル(2007)は、文献の報告されているものを整理し報告しています。鳥類の渡る高度については、夜間に渡るスズメ目の鳥は700-800以下の高度を飛ぶのが普通だが、乱流を回避する際には3000mより高く、ときには7000mの高度まで上昇する。水禽類ではエベレストを超えるエジプトガンは高度9000mにもなる。渡っているときのシギ・チドリは高度2000-4000mを飛ぶことが多いが、時にはもっと高いこともある。(鳥は過呼吸になるか)フランク・B・ギル(2007)は、呼吸器の気嚢内の空気圧や呼吸などについての文献に報告されている内容を整理し報告しています。その中に、鳥類は血液のphが上昇しても血流が低下することはなく、過呼吸にならず高い場所を飛ぶことができる特性を持っていると記しています。具体的には運動中や酸素濃度の低い高所では呼吸が早まり、多くの二酸化炭素が排出される。こうなると、二酸化炭素が多く失われ血液がアルカリ性になると(ph7.3-7.4)になり、血管が収縮し脳への血流が大幅に制限される。このため、哺乳類は過呼吸になると脳への血流が50-75%に低下するため気絶する。しかし、鳥類はph8まで血液のph値が上昇しても血流が低下することはない。このような特性を持つために高い場所を飛ぶことができる。(引用文献)フランク・B・ギル.2007.鳥類学.p161.p283.新樹社.監訳:森本 元 翻訳、渡邉 真里、定木 大介.世界の渡り鳥大図鑑.2021.(写真)2017年1月22日茨城県つくばみらい市で撮影
2022.12.27
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都市の一角にありながら谷津田、屋敷林、林が残っている環境にあるフィールドに猛禽類ツミが出現しました。シジュウカラ、エナガ、ジョウビタキなどの小鳥たちの姿が少ないので何が要因かとその一角で待機していたら柳の枝にハト大の猛禽が止まっていました。虹彩は黄色で脇腹と下腹部に褐色の褐色の横斑、足は黄色でツミ若鳥でした。枝で地表を凝視すること約10分、いきなり急降下したと思ったら小鳥を捕獲したようでした。下草を刈ったものが野積みされている茂みで餌をたいらげ、その後満腹になったりか屋敷林の中に入り羽繕いをしていました。近郊で今夏、近郊の木で繁殖し成長、巣立っていった若鳥とよく似ており、越冬をするか見守っていきたいと思います。(写真)2022年12月27日撮影
2022.12.27
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新浦安側から三番瀬の冬鳥を探索してきました。ただし、10時時点で西北西の風が4m強あり気温8℃よりも寒く感じました。風の影響なのかカモたちの姿はふなばし海浜公園側に大半がありました。それでも、オナガガモ、ススガモ、ホオジロガモ、ウミアイサ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、堤防下にトウネン、ハマシギの姿がありました。アップした写真は、ホオジロガモ、ウミアイサ、ハジロカイツブリ、ハマシギです。(観察した種類についてのメモ)ホオジロガモは、嘴先端に黄色い部分がある雌成鳥、嘴先端にうっすら黄色味がある雌第一回冬羽、眼先下に大きな白斑のある雄成鳥を観察しました。ただし、雄成鳥の眼先下の白斑が大きい個体と小さい個体両方を目撃。斑のサイズは観察した角度によるものか、個体によって差異があるのかは確認中です。ウミアイサは、虹彩が赤色で嘴が細い雌、目の周囲が黒く、背と翼に黒色のある雄第一回冬羽と出会えました。ハジロカイツブリは虹彩の赤い冬羽と虹彩がオレンジ色の第一回冬羽を観察しました。ハマシギ合計18羽、トウネンが1羽の群れが堤防したを移動しながら採餌していました。(写真)2022年12月26日撮影
2022.12.26
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西北西の風が5m前後吹き抜ける日となりました。冬鳥が勢ぞろいした印旛沼を訪ねました。到着した昼過ぎは、沼の水面は波立ち観察しずらさがありました。それでも水面にはトモエガモが1万羽を超える群れ、オナガガモ、マガモも所狭しと群れている光景、その中にミコアイサ、カンムリカイツブリの姿を見つけました。くわえて、マガモの群れの中に色合いとしてはアカハジロを思わせる個体を発見。しかし、アカハジロであれば緑色光沢が頭部にあるはずが認められず、虹彩は黄色で、アカハジロの雄の白色の虹彩とも異なっていました。このほか、遊歩道脇の田んぼにタゲリ18羽が飛来する姿を目撃できたり時間が立つのを忘れてしまう楽しい時間でした。帰路には、近郊のハクチョウの里に立ち寄りコハクチョウ、オオハクチョウたちの姿を観察しました。(写真)2022年12月25日撮影
2022.12.25
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観察会の折、ハジロカイツブリが長旅に備えて胃や腸などの消化器官を大きくし、渡り直前に消化器官を小さくすると耳にしたがどうしてかと質問をもらいました。文献を調べてみると、フランク・B・ギル(2007)が研究者の報告を整理して紹介している内容と思われました。参考までに以下に紹介します。「長距離を渡る鳥は旅に先立ち脂肪をつけるだけでなく体の器官も組み替える。カリフォルニア州モノ湖に渡りのため集まるハジロカイツブリの研究がこの現象を明らかにした。大部分が脂肪を蓄えることで体重を約260gから600g以上にまですばやく2倍以上に増やす。このとき、この変化に必要な大量の食物(アルテミヤ*)を処理するために消化器の大きさをほぼ2倍にする。逆に胸部の飛翔筋は半分になり主要な換羽で風切羽を脱落させる前でも飛べなくなる。そして、渡りに出発する前の2-3週間、絶食する。体重を減らし脚筋も縮小する。一方で心臓を肥大させ胸部の飛翔筋は大きさを倍増してもとに戻す。ハジロカイツブリは、脂肪蓄積のために移動運動器官と筋肉を落として消化器官を発達させその後で消化器官を委縮させ渡りに必要な筋肉と心臓の力を増やしている」(ハジロカイツブリが三番瀬で採食していると思われる生き物)ハジロカイツブリは小魚や水生昆虫、甲殻類を食すとされています。このうち、三番瀬には千葉県(2020)が報告しているように、甲虫類ではコノハエビ、ドロクダムシ、ドロソコエビなど、動物プランクトン14種などが生息しています浦安、市川塩浜沖、ふなばし海浜公園沖に飛来しているハジロカイツブリはこうした生き物を採食しているものと思います。(引用)フランク・B・ギル.2007.鳥類学.p292.新樹社.千葉県2020.三番瀬再生会議資料.三番瀬における食物連鎖からみた種間関係.https://www.pref.chiba.lg.jp/kansei/shingikai/sanbanse-hyouka(三番瀬の自然環境の定期的なモニタリング手法の検討や再生事業の実施に伴う周辺環境への影響予測など、専門的な視点から検討する組織:すでに解散)(写真)2017年3月、2016年1月三番瀬で撮影、2016年11月旭市飯岡で撮影
2022.12.24
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今朝は青空が広がったものの、西よりの風が5m前後吹き荒れていたので市川市にある大町自然公園内を探索してみました。緑豊かな空間が広がり、水の流れもあり冬から春まで小鳥たちとの出会いが楽しめます。大町駅方向から遊歩道にはいり、動物園方向に探索をしました。林縁にある小さな水路にはアオジ、斜面林にシロハラ、遊歩道上にミソサザイが登場。また、遊歩道脇の葦原にはシジュウカラ、エナガの姿も見つけました。(写真)2022年12月23日撮影(エナガ、アオジ雄は2021年1月のもの)
2022.12.23
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鳥友からハヤブサの飛翔スピードについて質問をもらいました。図鑑などにハヤブサは急降下は最高で時速300kmにも達するというような記載があるがそれはどのように測定したものかとのものでした。複数の文献を確認してみると、たしかに飛翔速度について数値が記載されていますが、計算上のものなのか、実測した結果かは不明でした。いくつかの文献を調べてみたら、フランク・B・ギル(2007)が研究者の報告を整理し報告している中につぎのように記されていました。パラシューターがハヤブサに同伴して降下した際に計測した際の報告で240kmの由。(ハヤブサの飛翔速度について)ハヤブサの降下は獲物にむかって急降下する時、30-60度の角度で獲物より1500m以上の高度から開始され450-1080mの高度差を急降下する。(*1)観察者たちが定位置で出した計算結果では時速160-440kmの変化があった。また、自由落下したパラシューターが訓練したハヤブサに同伴した3670mの降下した際に計測した事例があり、急襲するハヤブサは翼をたたみ時速240kmで肩を広げてダイヤモンド型に見える形になった。さらに速度を320kmに増すと翼を体に引き付け頭を伸ばすことで最大限細長い形にして降下したとの報告があると記しています。(*2)(*1)white他(2002):White C.M.NF.Clum.TJ.Cade.and WG.Hunt.2002.(*2)Franklin(1999):Franklin K.1999.Vertical flight.J.North Am.FalconersAssoc.(引用文献)フランク・B・ギル.2007.鳥類学.p138.新樹社.
2022.12.22
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日本各地のミツユビカモメは冬鳥として飛来しています。ところが、北海道で越夏するものがいると近年耳にしています。ひょっとして営巣している可能性があるのではとも思い、営巣環境について文献を調べていたらフランクリン・B・ギルの著書鳥類学(2007)に記事が掲載されていました。参考までに紹介します。フランクリン・B・ギル(2007)は、「ミツユビカモメは吹きさらしの海岸の崖の捕食者が近寄れない狭い岩棚に営巣する。巣での捕食圧が減少したことで警戒声やモビング、巣から孵化後の卵殻の除去などの他のカモメ類ならみんな持っている捕食者に対する行動が失われてしまった。また、長い鳴き声を使わずにむせぶような控えめの鳴き声でなわばりを主張する。(中略)求愛する雄は食べ物を雌の前の地面に吹き出すことなく、雌に直接与える」と述べています。(写真)成鳥冬羽:2018年3月銚子市川口町、2018年3月銚子市千人塚2015年2月銚子市第三漁港で撮影第一回冬羽:2015年2月銚子市第三漁港で撮影(引用文献)フランク・Bギル.2007.鳥類学.(財)山階鳥類研究所訳.p435.新樹社.
2022.12.21
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柏市の小さな谷津田の紅葉は、いつもの年だったら落葉するのに夏の終わりから秋口の気温が高かったせいでまだ少し残っています。紅葉を促進した寒波が明日以降の寒さで落葉に追いやるものと思います。谷津田で撮影した紅葉と小鳥たちの写真のいくつかをアップしました。写真として見れば枝が邪魔をしているし評価外かもしれませんが、この時期の季節の色の中に小鳥がいたという記録としてご笑覧ください。(写真)ジョウビタキ、シジュウカラ、ツグミ、カワセミ
2022.12.21
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鳥友から成鳥か若鳥かの質問をもらいました。雄成鳥は頭上から尾まで体と翼の上面にあざやかな青灰色、体下面がオレンジ色で黒と褐色の縦斑があります。これに対して雌成鳥は上面が灰褐色で淡いバフ色の斑があり体下面はクリーム色で太い黒色縦斑が並びます。(19日、10日に観察した個体について)上面が灰褐色で黒い軸線とバフ色の斑があり、下面に太い縦斑があります。肩羽の淡色斑は認められず、足の色がはっきり黄色に見えます。これらの特徴から成鳥雌と考えています。(幼鳥の場合は上面が灰褐色で黒い軸斑とバフ色の斑、肩羽の褐色斑が大きく、足の色は淡い黄色で成鳥との違いがあります)(雄の幼鳥の可能性がある個体)2020年2月に手賀沼沿岸で観察・撮影したコチョウゲンボウが三枚目の写真です。細長い眉斑、胸から腹にかけての縦斑が細い印象があり、雄の幼鳥の可能性がある個体です。(写真)雌個体:2022年12月10日、19日手賀沼沿岸で撮影雄個体2枚とも:2021年11月印旛沼沿岸で撮影雄の若鳥の可能性のある個体:2020年2月手賀沼沿岸で撮影(参考:雌成鳥と幼鳥の識別について)森岡ら(1995)は、野外で雌成鳥と幼鳥を識別するのは困難と記しています。しかし、第一年暦の幼鳥は初列風切の先の白い羽縁の幅が広い点に着目して見分けることが可能とし、幼鳥の下雨覆は暗色部が広く淡バフ色斑も小さいので暗褐色の中に淡バフ色が点在しているように見えるのに対して、成鳥の下雨覆は淡バフ色の地に暗色の網目があるように見える違いを示しています。また第一年暦の早い時期では幼鳥の蝋膜と目の周りの皮膚の裸出部が青っぽく識別可能とし、羽縁が擦り切れる第一回冬羽までは幼鳥の背、耳羽、雨覆(特に肩羽)に明瞭なバフ色羽縁があることで見分けられるとしています。さらに、雌成鳥とは上尾筒に灰色味が乏しい、後頸のバフ色部が広く明瞭なパッチが出る、下面の縦斑が太いなどの微妙な差異があることを指摘しています。(引用)森岡照明・叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995.日本のワシタカ類.p370-371.文一総合出版.
2022.12.20
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10日に柏市と印西市の境界でコチョウゲンボウ、チョウゲンボウ、トビ、ノスリが同じ水田エリアの姿があり獲物を捕獲する光景を目撃しましたがその後の様子はどうなったのかを見に現地を訪ねました。羽ばたきと滑空、ホバリングを使い獲物を探索する飛翔型の猛禽チョウゲンボウと見晴らしのよいポイントから獲物を狙うとまり型のコチョウゲンボウの関係はどうかと広大な水田を見渡しました。残念ながらチョウゲンボウの姿は今日はありませんでしたがコチョウゲンボウの獲物を発見するとすぐに捕獲に体勢に入るその姿を堪能しました。このほかは、地面を擦るように滑翔してその後電柱で一休みのノスリ、水田の真ん中の杭にとまり他の猛禽の獲物を横取りしようと待機していたトビの姿がありました。また、すぐそばにタゲリの小さな群れが餌を物色している姿も目撃。その後、印西市と柏市の境界を流れる河川の水面でコブハクチヨウと水面に一線に並んで休んでいたユリカモメ、沿岸の公園の小さい池でホシハジロ、林縁でホオジロ、カワラヒワの姿を観察しました。このうち、コブハクチョウの首に装着されていた標識、首にくい込んでおり圧迫されている感じがしました。(写真)2022年12月19日撮影
2022.12.19
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三週ぶりに柏の葉公園を訪ねました。朝から観察ができればよかったのですが、天気が急変し午前から昼過ぎに雨が降り出したので止んだ午後になって立ち寄りました。カルガモ64羽、マガモ20羽、コガモ25羽、オナガガモ30羽、オカヨシガモ38羽、ヨシガモ9羽が水面で羽をやすめていました。前回に比べてオカヨシガモ、ヨシガモがだいぶ減少していました。近郊の湖沼、河川などに移動していたものと思います。アップした画像は、ヨシガモ、オカヨシガモ、オナガガモです。なお、先週複数の方が目撃していたアトリですが、風が強いせいもあり、モミジバフウの木などに姿は見つからず、次回のお楽しみとなりました。(1)ヨシガモ雄はほとんどが生殖羽となっていて緑と赤紫の頭、鎌状の三列風切が垂れ下がる個体となっていました。雌は三列風切基部が淡色の個体がすべてで、基部までの全体が黒褐色の幼羽の姿はありませんでした。(2)オカヨシガモ頭部が褐色味のある灰色でごま塩状の黒い斑がある雄生殖羽、雨覆のえんじ色が多い雄エクリプスが生殖羽の換羽している個体、嘴がオレンジ色で脇の羽が先がV字に尖ってみえていた雌幼羽を見かけました。(3)オナガガモチョコレート色の頭に胸から伸びる白線が目立つ雄生殖羽、全体に褐色味が強くなっていた雌非生殖羽の姿がありました。(写真)2022年12月18日撮影
2022.12.18
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ホームグランド手賀沼をはじめ各地の探鳥地でミコアイサを見かけます。手賀沼では1970年代までは水面に50羽程度が横一線に並んで羽をやすめている光景や100羽前後が水面を行動している姿がありましたが、近年は10羽以内の姿を見かけるのみとなっています。手賀沼では餌としている魚、水棲昆虫が激減したこととの関係と聞いています。さて、観察会でミコアイサ雄エクリプスと雌の識別、雄の羽色について質問をもらうことがあり、過去の画像からその特徴を整理したものを提供します。(1)雄生殖羽一枚目は茨城県神栖市で観察した雄生殖羽です。ほぼ全身が白色で眼の周囲と上背が黒く、他の種類にはない独特の配色です。額から後頭部にかけて房状の冠羽があります。2枚とも2021年2月茨城県神栖市で撮影。三枚目も雄生殖羽ですが、内側大雨覆数枚が白く三列風切と雨覆の白色部が繋がっています。(肩羽と脇羽に隠れている場合もあります)写真は2020年1月印旛沼で撮影。(2)雄一年目冬の羽色頭部が赤褐色で頬から前頭が白く、上背は黒く、雌と比べると顔と嘴は長い印象があります。2019年12月茨城県菅生沼で撮影。(3)雄エクリプス眼先の黒色部はなく、上背は黒く、写真ではわかりにくいのですが三列風切は肩羽より青灰色に見えます。2013年12月茨城県神栖市で撮影。(4)雌冬羽眼先が黒く、中雨覆と小雨覆は白色です。嘴、顔、全体が短い感じがします。三列風切は暗めのグレーに見えます。2013年12月茨城県神栖市、2022年1月千葉県成田市で撮影。
2022.12.17
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二ヶ月ぶりに松戸市の21世紀の森と広場に出かけました。ようやくマガモ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモといったカモたちの数もふえてきました。このほか、林縁の水路ではキセキレイ、アオジが餌を物色して移動している姿がありました。また、水面を移動していたカワセミが岸近くの枝に飛来。よく見ると、上嘴の一部が破損していました。何かにぶつけたのでしょうか、気になります。さて、鳥友とマガモとオカヨシガモの雌を比較しながら観察したり、コガモの羽色のいろいろを観察しました。このうち、鳥友が葦の一角に休むカモをアメリカコガモではと声をあげました。見てみると体の中央の地面に平行な白線がなく、水面に対して垂直な白線がありました。白線の短さからするとアメリカコガモエクリプスの生殖羽へ換羽している個体の可能性も考えましたが、最外三列風切の黒条が確認できないこと、眼から後方に伸びる緑色帯の周囲の淡色線がはっきりしていることからコガモと識別しました。(参考として2021年1月茨城県神栖市で観察したアメリカコガモの画像をアップ)(写真)2022年12月16日撮影(備考)今朝、オオハクチヨウが6羽姿を見せたと地元の方から教えてもらいました。私共が訪ねた時点では姿がありませんでしたが、出会えるのが楽しみです。
2022.12.16
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本格的な冬到来となり、茨城県つくば市高崎自然の森に出かけました。お目当てはルリビタキをはじめとする冬鳥です。面積は16.5haで、地域の里山を開放しているところです。ルリビタキは、園内の四季の森、さくらの森周辺に姿がありました。ヒッヒッヒッと鳴き声がしたと思ったら木の枝に飛来したり、地面におりて昆虫を捕食したり植物の実をついばんだりを繰り返していました。近くにジョウビタキがヒッヒッ、カタカタを声を出しながら登場。ヒタキ2種の見事な共演でした。このほか、四季の森の一角にある木の股に複数のツグミが飛来。水が溜まっており水浴びに最適だった模様です。これから春までの間、楽しみなフィールド。(写真)2022年12月15日撮影(現地へのアクセス)園内に駐車場は整備されていますが、JR牛久駅からTXみどりの駅行き路線バスがあり、 高崎入口停留所下車徒歩5分(所要時間約20分)です。なお、日中は一時間に一本程度なので調べてからお出かけになることをおすすめします。
2022.12.15
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ホームグランド手賀沼沿岸などでは2010年春先頃からミヤマガラスの群れの中にコクマルガラスの姿があるのを目撃することがあります。ミヤマガラスの観察頻度は高いのですが、コクマルガラスは限られた観察記録のみで、手賀沼沿岸では2012年12月7羽、2013年11月に6羽、2014年11月5羽、流山市の水田地帯で2013年12月に60羽、、2015年11月に流山市で2羽と限らた観察記録のみです。ミヤマガラスが頻繁に観察されるエリアでは、コクマルガラスが増加傾向にあると言われていること、北海道の鳥友からはおおよそミヤマガラス100羽に対しコクマルガラス1羽の割合で観察されていると聞いており注視しているところです。アップした画像は、額から頭の前面と喉から胸まで黒く、頭頂から耳羽が白黒模様の淡色型成鳥、全体が黒く光沢があり白色や褐色味はどこにもない暗色型成鳥、眼の後方に灰色の斑がある幼鳥、成鳥に似ているが淡色部が不明瞭な中間羽タイプです。(写真)淡色型成鳥:2013年12月流山市、暗色型成鳥:2020年1月流山市、中間型:2017年11月流山市で撮影
2022.12.14
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今シーズン、柏市のオフィス周辺ではツグミの初認が12月5日とこれまでの年で最も遅いものでした。しかもその後もツグミの姿は見かけず。飛来が遅いのか、飛来が少ないのかと気をもんでいます。横浜で行われた市民調査の結果では、近年、ツグミやシメといった冬鳥の飛来の時期が遅くなり、飛去の時期が早くなっていると耳にしています。(気候変動いきもの大調査事務局)https://ccbio.jp/topics/t009バードリサーチ発信情報でも次の示すようにやや遅い感じとなっており、各地の様子が気になります。http://birdresearch.sblo.jp/2022/11/30報告:バードリサーチ事務所(東京都国立市)この週末からツグミが見られるようになってきました。事務所周辺の初認が去年は11/14、一昨年は10/31、その前は11/12だった(中略)。やや遅い感じです。(写真)2022年12月5日柏市で撮影
2022.12.13
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一昨日、手賀沼沿岸で複数の猛禽類を観察したことをリポートしましたら、鳥友から猛禽類はどんな環境を好んで選んでいるのかと質問をもらいました。いくつかの文献を見返してみると興味深い報告がありましたので情報提供します。橋本・長谷川(2014)は、印旛沼沿岸で冬期の猛禽類に関する調査結果を整理し報告しています。(1)トビとノスリ生息は水田の割合に影響されるこの2種の生息に影響を与えていたのは半径700メートル圏内の水田割合が影響を与えていることがわかったと報告しています。トビは水田地帯での分布が多く、水面上でも分布していたことが判明したと述べています。また、ノスリは、水田を餌場としており沼周囲の開けた土地で水田があり道路に沿って電柱が点在しているエリアで生息していたとしています。これは、ノスリが電柱に止って餌を探餌したり、空中でホバリングを行うために,開けた土地での生息の結果となったと考察しています。ただし、ノスリは採食場所が狭いと短期間に滞在場所を移動していくことを紹介しています。(2)ノスリ若様が短期間で越冬場所を移動する理由内田(2001)は、埼玉県の丘陵地帯でノスリ若鳥に発信機を装着し冬期の生活を記録した結果を整理し報告しています。報告によると、ノスリは越冬期には単独の採食なわばりを持つことが知られているが、若鳥は成鳥との競争に負けてしまう結果、良好な採食場所は占有できないと考えられることにくわえて、人や車の通行量が多いところや他個体との干渉を避けて短期間に越冬場所を移動していくと述べています。(3)手賀沼沿岸で猛禽を見かけやすい環境一昨日、複数の猛禽を見かけたエリアも前記文献が報告しているような水田地帯が広がり開けた土地のあり、比較的人や車の通行量が少ない環境でした。(引用文献)内田博.2001.ノスリ若齢個体の越冬期の行動.STRIX.VOL19.pp49-54.日本野鳥の会.橋本 大・長谷川雅美.2014.冬期の印旛沼流域における猛禽類の環境選好性と生息環境評価.千葉県生物多様性センター研究報告 7:65-78.
2022.12.12
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都市の一角にありながら谷津田、屋敷林、林が残っている環境にあるフィールドを訪ねました。モミジの実を食べにシジュウカラ、エナガが飛来し、上空を複数のヒヨドリが鳴きながら通過したと思ったら、ヒッヒッとカカッと同時に二羽の小鳥の鳴き声が聞こえました。その後、ルリビタキのヒーヒーヒョーと囀る声も聞こえました。待機していたら、ヒッヒッの主はルリビタキ、カカッの声はジョウビタキでした。しかし、ジョウビタキは施設のある敷地の柵がある場所、ルリビタキもの近くに後ろ姿を見せて渡去となりました。ルリビタキは尾以外に青い羽がなかったことから雌個体ではと思われました。(参考までに2019年1月に水元公園で観察したルリビタキ雄の後ろ姿も画像をアップしました)(写真)2022年12月12日撮影(ルリビタキの参考画像は2019年1月水元公園で撮影)
2022.12.12
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松戸駅から一番近い江戸川沿いに川の一里塚があります。トイレ、水飲み、あずまや、ベンチ、常夜燈が整備されている休憩施設です。この施設から江戸川の河川敷におりたところに冬鳥が飛来するスポットがあります。冬鳥の今シーズンの様子を見に探索しました。例年と比べると、まだ草が枯れていないところが多く丈が高いので鳥たちの姿を観察するには辛抱が必要ですが、ベニマシコ2羽以上が鳴きながら移動する姿を目撃しました。アオジ、シジュウカラと一緒に行動していました。このほか、ジョウビタキ、メジロ、トビ、江戸川の水面にはカンムリカイツブリの姿もありました。これから冬本番になると、さらに見やすくなりますから楽しみです。(写真)メジロ、トビのみ2022年12月11日撮影、その他は2021年1月、2月撮影のもの
2022.12.11
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手賀沼の水面を見て回った後、沿岸の水田エリアに猛禽とタゲリの姿を求めてポイントを見て回りました。柏市と印西市の境界では、コチョウゲンボウ、チョウゲンボウ、トビ、ノスリ、を目撃しました。キジバト程度の大きさで電柱にとまり周囲を見渡して獲物を見つけると急襲して捕獲していたコチョウゲンボウ、高圧線の電線にとまり獲物を見つけるとホバリングをしながら接近して急降下して獲物を襲っていたチョウゲンボウ、地面を擦るように滑翔して獲物を捕獲していたノスリ、カラスや他の猛禽類が捕獲した獲物を横取りしていたトビ。猛禽がそばにいるにもかかわらず、田んぼに降り立ったタゲリ40羽をこえる群れ。ここが手賀沼沿岸であることを忘れてしまう豊かな時間でした。(写真)2022年12月10日撮影
2022.12.10
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昨日、本日と野田市と流山市の境界に水田地帯でチドリ科ケリを観察しました。鳥友からケリの雌雄の識別について質問をもらいました。ケリは、雌雄で体の色に違いはなく、小翼羽と呼ばれる翼の一部(*)のサイズが違うだけの差しかありません。(*)人間の親指にあたる羽に翼爪(翼に爪がはえている)があり、標本の測定値で雄 5.08±1.35 mm、雌 3.69±0.54 mm で、それだけ着目すれば識別が可能のように感じます。ただし、野外で小翼羽に隠れている翼爪を観察することはまず不可能です。しかし、繁殖期だけに現れる嘴基部の黄色の肉塊の大きさに違いがあり、大きい個体が雄、そうでない個体が雌との指摘をしてくださっている方がおいでになります。https://bell3.blog.jp/archives/37958439.html(写真)2022年12月9日撮影
2022.12.09
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流山市と野田市の境界の水田地帯にケリの姿を探しに出かけました。秋以降、数度訪ねていますが、ケリの姿を発見できず今日に至りました。物流団地の建設はあいかわらず続き、水田地帯も今秋の収穫を最後に廃止となる模様で耕起もされずに放置されています。何箇所ものかつての観察ポイントを探索しても姿は確認できず、帰路につこうと思った時、田んぼの中から鳴き声が聞こえ、見ると7羽の姿を発見。近くにはコチドリの姿もありました。また、かつてケリが餌場としていたエリアの畑地では小動物を捕獲していたノスリ、チョウゲンボウの姿を目撃しました。(写真)2022年12月8日撮影
2022.12.08
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ミコアイサが比較的近く観察できる成田市大竹にある坂田ケ池を訪ねました。水面で羽を休めているのは大半がマガモですが、ハシビロガモ、コガモ、カルガモそしてお目当てのミコアイサが羽をやすめていました。ミコアイサは眼先が黒いので雌個体と思われました。また、ハシビロガモの群れが水面に平たい嘴をつけて進んでいく光景も目撃帰路に近くのハクチョウの里に立ち寄ったところ、コハクチョウ、オオハクチヨウにくわえてマガン若鳥の姿を発見しました。(写真)2022年12月7日撮影
2022.12.07
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11月から翌年3月頃まで千葉県北西部と埼玉県でヤマシギの姿を見かけます。眼が頭部後方についているため、ほぼ360度の視界を持つといわれています。頚と脚は短いのに嘴が長く先端だけ開くことが可能で、土の中のミミズや節足動物などの餌をつまみ取ることができる特徴があります。なお、小田谷(2014)が茨城県で拾得されたヤマシギ雄幼鳥の胃の中には湿地性のゴミ虫が含まれていたこと、植物質ではイネ科とタデ科の植物の種子を採食するみともあると報告しています。アップした画像は、一枚目が2017年1月に埼玉県、2枚目から5枚目は2022年2月に千葉県で撮影したものです。全身茶褐色で後頭部に4本の横斑がある点、尾羽下面先端がグレー(銀白色)、目から嘴に向かっている過眼線と目の下から嘴方向に向かって黒褐色の線が平行しておらず目に近い部分が広くなっている点が特徴です。形態として近似しているタシギは、タシギはヒヨドリ大で小さく、頭長に比べて頭部の幅2つ分をこえる長い嘴、肩から背にかけて黄白色の線がありヤマシギとの違いがあります。(引用文献)小田谷嘉弥.2014.ヤマシギ.Bird Research News Vol.11 No.11.p4-5.バードリサーチ.
2022.12.06
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千葉県柏市のオフィス近くにようやくツグミがやってきました。オフィス前の電線に2羽とまり、交互に元気に鳴き声をあげていました。過去40年のオフィスとその周辺でのツグミの初認記録を整理してみるとつぎの通りです。1978年から1999年までの間:最も早い初認10/31(1998)、最も遅い初認11/18(1978)2000年から2010年までの間:最も早い初認10/29(2001)、最も遅い初認11/20(2007)2011年から2022年までの間:最も早い初認11/12(2014)、最も遅い初認12/05(2022)記録を整理してみると、年によるばらつきが大きい印象です。バードリサーチ(2022)は、2012年以降の初認状況を整理し報告しています。ツグミの初認は、11月3日から20日まで大きくばらついていたと述べています。その要因は、木の実のある所に立ち寄りながら徐々に南下してくることが影響しているのではと指摘しています。https://db3.bird-research.jp/news/202211-no3/(写真)2022年12月5日撮影(観察メモ)・上面の赤褐色味が強く、下面には黒褐色の斑がありました。また尾羽は黒褐色でした。
2022.12.05
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茨城県南部の水田地帯に昨日オオヒシクイが飛来したとのニュースを耳にしたので現地に出かけました。昼過ぎに到着した時点では水田に5羽が田んぼで採餌。12月に入ってからの飛来ははじめてではないかと思います。昨年は12月3日時点で205羽が飛来していたので南下しない要因があるのかと思います。ヒシクイのほか、田んぼにはタゲリの姿、広大な水田の中央部にコチョウゲンボウ、ノスリ、上面が褐色で体下面に縦斑が密なハヤブサ若鳥、ミサゴの姿がありました。また、隣接する河川の水面にはカルガモ、オナガガモ、トモエガモ、ミコアイサ、カンムリカイツブリが羽を休めていました。(写真)2022年12月04日撮影
2022.12.04
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昨日、手賀沼沿岸でミヤマガラスの群れを観察しました。2010年以降、秋から冬の間、沿岸の我孫子市側、柏市側の水田地帯で採餌している姿を観察しています。塒をどこにとっているかは確認できていませんが、市街地と隣接しているエリアで群れが行動していますので市街地をねぐらとしている可能性もあります。過去、市街地を塒とするミヤマガラス、ハシボソガラス、コクマルガラスが愛媛県で観察されその行動に関して報告がありますので、紹介します。山本・小川・丹下・秋山(2005)は、2001年から2002年にかけての冬期に松山市市街地でアーケード上の電線に密集し眠っていたのを観察したことを報告しています。当初は300羽程度だったものが1000羽弱まで増加し、糞害が深刻となったため商店街関係者による追い出しが行われたことが紹介されています。市街地で夜を過ごしたミヤマガラスは夜が明けるまで電線に滞在した後,郊外へ向かって飛び去り、ねぐらから10km離れた伊予郡松前町や伊予市郊外の水田地帯へ移動していたと述べています。ねぐらの下に落とされた糞にはモミ殻が多く含まれ、日中は水田地帯で採餌していることが判明したと記しています。手賀沼沿岸でもミヤマガラスが同様にねぐらとしている可能性もあります。このため、動向を注視しています。(引用)山本貴仁・小川次郎・丹下一彦・秋山 勉.2005.ミヤマガラスの都市型ねぐら.Strix Vol. 23, p149-152.日本野鳥の会.(写真)2015年11月、2018年11月流山市で撮影のもの3枚、2016年1月手賀沼沿岸で撮影のもの2枚(コメント)ミヤマガラスは頭頂部は平らで、ハシボソガラスの平たくない頭頂部と違いがあります。また、ハシボソガラスは嘴が太く先端に丸みがあります。さらに、ミヤマガラスは鳴く前に尾羽を広げ、鳴き声をあげる際には尾羽を上下動させています。
2022.12.03
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師走に突入し、家事をすませてからの外出です。先月28日にコミミズクと出会ったので水田地帯を丹念に探索しました。電柱のてっぺんにノスリがとまり、眼下の水田をじっと凝視していました。その近くにカラスの群れ約70羽程度が電線にとまったり、水田に降り立ったりを繰り返していました。確認するとミヤマガラスで尾羽を広げグァーグァーと鳴き声を出したり、電線に一本足でつかまり羽づくろいをしたり、いろいろな動きを披露。手賀沼の水面に目をやると、マガモ、オナガガモ、ヒドリガモの群れの中にトモエガモ17羽の姿を発見。あわせて、手賀沼ではあまり見かけない頭の真っ白なカワウ成鳥の姿、葦原の中にはゴイサギの姿も発見。(写真)2022年12月2日撮影(ミヤマガラスのメモ)2010年以降、ミヤマガラスは秋口から真冬に見かけるようになっています。
2022.12.02
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いよいよ12月に入り冬本番を迎えます。海ガモの仲間で大好きなクロガモの羽色は、いろいろ。過去に撮影した画像を見ながら復習。(1)雄個体一枚目は2020年2月に千葉県飯岡漁港で観察した黄色い瘤状の嘴基部が目立つ雄個体です。二枚目は2014年3月に銚子市名洗で観察した個体です。嘴基部は黄色なのですが成鳥ほど盛り上がりはありません。上面は黒い羽と褐色の羽で継ぎはぎ模様に見えました。羽色が全体に一様な黒褐色であれば雌の可能性も考えましたがそうではないので雄個体と考えました。(2)雌個体三枚目は、2020年2月に旭市西足洗で観察した雌成鳥個体です。嘴は黒くお腹は一様に褐色で頬から喉が灰白色でした。上面は四枚目に比べて真っ黒に見えました。四枚目は2019年2月に銚子漁港で観察した雌成鳥個体です。嘴は黒く、全身黒褐色で頬から喉、前頚だけ灰白色でした。五枚目と六枚目は、2016年1月に旭市飯岡漁港で観察した個体です。嘴そのものは黒いのですが、嘴基部に黄色部が見受けられます。個体を横から見たところと正面から見た画像をアップしました。七枚目は2014年1月に旭市飯岡漁港で観察した個体です。嘴は黒く、頬は灰白色ですが、嘴基部近くに白く見える斑があった個体です。
2022.12.01
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