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小高(2014)は、北海道札幌市北大キャンパスで標識を装着して調査したアカゲラについて、自分のなわぼりと巣を持つ2羽のオスと1羽のメスがつがいとなり、メスはそれぞれのオスの巣に卵を産み子育てしていた(同時的一妻二夫)と報告しています。(2羽のオスと同時に2つの巣を構えることができたのか)その理由のひとつとして、オスとメスの子育てへの関わり方をあげています。通常の一夫一妻で繁殖する場合、雌雄交替で巣穴を掘り、抱卵、花雛を行い、雌雄ともに雛への給餌を行います。さらに、オスはメスよりも長い時間巣穴を掘り、日中の抱卵・抱雛は雌雄交替で行いますが、夜間巣穴に残って卵やヒナを抱くのはオスの役割です。北大の場合、2羽のオスが積極的に子育てに参加し、夜間巣穴をオスに任せることができるため、2羽のオスと同時につがいになれたことによるものと見解を示しています。くわえて、北大キャンパスでは森林が孤立化し不均質に分布し、狭い森に巣が集中するような環境のためオスのなわぼりの質にも差が生じています。発見後も北大キャンパスでは複数の一妻二夫のトリオによる繁殖が観察されたことから、都市緑地のような森林が極度に分断化した環境条件で一妻二夫のトリオが生じやすくなるのではないかと指摘しています。(引用)小高信彦.2014.北大キャンパスのアカゲラ研究.北海道野鳥だより.第175号.p6-7.北海道野鳥愛護会.(写真)私のライブラリーより2013年2月柏市で撮影、2016年7月栃木県で撮影
2023.06.30
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ヒナを確認してから29日目となりました。今朝は、営巣木を見下ろす木のてっぺんで成鳥雌が周囲を警戒していました。営巣木を見ていくと中に末っ子一羽の姿があり、幼鳥がカラスに襲撃されないよう見張っているのがわかりました。昨シーズン、一番子が餌を追って地面に降りたところを複数のカラスに襲撃され、巣に残っていた幼鳥すべても餌食となるという悲惨な光景があったことを成鳥ペアは忘れず今シーズンは同じ失敗を繰り返さないとばかりの行動なのでしょう。成鳥雌ばかりでなく、成鳥雄も幼鳥のそばに登場し、接近してきたキジバト、オナガを猛追し追い払っていました。友好関係にあるとされるオナガといえども、幼鳥のそばにいればカラスに幼鳥の居場所がわかってしまうからなのかもしれません。でも、幼鳥はそんなことはどこ吹く感じでマイペースで羽づくろい。(写真)2023年6月29日撮影
2023.06.29
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ヒナを確認してから28日目となりました。今朝は、いよいよ営巣木に残っていたのは末っ子と思われる一羽みでした。枝移りをしてバランスを保持するのを練習するそぶりを披露していたにはびっくり。その後、成鳥雌と林の中を飛翔した後、成鳥雌が足に獲物をぶらさげて帰還し幼鳥と連れ立って林の外に連れ出しました。幼鳥が自力で獲物を捕獲するトレーニングがスタートしたものと思われます。最初はセミが独力で捕獲できように、次のステップはスズメ、シジュウカラ、ムクドリの幼鳥の捕獲、その後小鳥の成鳥を捕獲するできるように付きっきりで教えていくものと思います。林の住宅造成工事が開始されるまで、一ヶ月弱となりましたが、幼鳥がそれまでには自立でき可能性が高くなってきました。(写真)2023年6月28日撮影
2023.06.28
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ヒナを確認してから27日目となりました。営巣木に姿があるのは、第三子、第四子のみとなっています。親鳥が獲物を持ち帰るまではそれぞれの好みの枝にとまり、羽づくろいをしたり居眠りをしたり実にマイペースです。それでも成鳥雌が鳴きながら林に帰還すると、そわそわする動きを見せています。先週までとは親の獲物の与え方に変化があり、今朝の様子を見ていると成鳥雌は獲物を丸ごと巣においてすぐに飛び去ってしまいます。母さんツミが巣に帰還すると、幼鳥は巣にかけつけて食べ始めます。羽をむしり、自分流に解体しむさぼって食べています。成鳥は巣の近くにカラスが接近してきたときだけ鋭い声をあげて追い払うものの、それ以外は林の一角に滞在している模様です。(写真)2023年6月27日撮影(巣はブラインドから撮影)
2023.06.27
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ササゴイの若様が誕生し水面に出てきていると鳥友からニュースをもらい、現地に出かけました。地元の方によると、成鳥5羽、若鳥10羽との由。額から後頸と頬線が青みがある黒色で後頭に長い冠羽のある成鳥、成鳥と同じ印象ですが、背や雨覆の羽縁に褐色味のある若鳥、頭に黒味があり、背は褐色味で下嘴がオレンジ色の幼鳥から第一回冬羽に換羽している個体、体下面が白と褐色の縦斑がある幼鳥とよく見ていくと、羽色は実にいろいろ。ササゴイの観察に没頭いていたら、オオタカが足に獲物をぶら下げて太い幹に飛来し食べ始めました。獲物がなにかは特定できずでしたが、その登場で周囲の気配が緊張感に包まれました。(写真)2023年6月26日撮影
2023.06.26
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久しぶりに埼玉県川越市の伊佐沼を訪ねました。距離が近くしその特徴を思う存分観察できるのがお気に入りです。6月2日の線状降水帯での大雨で水位が上昇し、ヨシゴイとて営巣中だったところがかなりの被害が出た模様で、再び営巣、産卵、抱卵となっているようです。抱卵中の雌に何度も小魚などの餌を運搬する雄の姿を何度も目撃。中には豪快に水中に首をダイブさせて捕獲するものも目撃。このほか、今ではなかなか見かけなくなった浮巣に座り込んでいるカイツブリ親鳥、水面をすいすいと移動するカイツブリのヒナ、水面の杭にとまり、舞を披露していたダイサギ、コサギなど、見どころの多い伊佐沼でした。(写真)2023年6月25日撮影
2023.06.25
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米田(2015)は、タマシギの繁殖生態を調査した結果や知見を整理し報告しています。その中で、興味深いのが、「メスが何回かオスを変えて繁殖することは一妻多夫を裏付ける証拠と言えるのですが、オスも何回かメスを変えて繁殖するため、私は一妻多夫とは言えないのではないかと思っています。むしろ産卵前3~4日から産卵中の4日間はずっと番いで過ごすことからこの期間は厳密な一夫一妻制の繁殖生態をしている」と述べている点です。多くのウォッチャーは、タマシギ雌は体が大きく、目立つな色彩で大きな声で鳴き、オスは目立た色合いで抱卵や育雛などの子育てを行い、オスとメスの形態と習性の特徴が普通の鳥と逆になっているために、一妻多夫の変わった生態を持った鳥と理解されています。(タマシギのペアが一緒にいるのは1週間)米田(2015)は、調査した結果から、番いのオスとメスがどれくらいの時間一緒にいるかを整理し述べています。それによると、合計200時間の観察で、産卵を始める3~4日前から産卵期の前半まではいつもオスとメスが一緒に行動し、巣から離れる時も必ず連れ立って飛んでいき、後半になるとオスは巣に留まって抱卵をしますが、メスはどこかに飛んでいくことが多くなり、4個の卵を産み終えるとメスはその巣から離れてしまい、その後巣に戻ってくることはなく、オスは1羽だけでヒナが孵化するまでずっと抱卵を続け、オスとメスが一緒にいる期間は約1週間だけで、その後はバラバラになって暮していたことが判明したと記しています。(多くの図鑑のタマシギについての記述)多くの図鑑では、タマシギの雄は営巣から抱卵、子育てまでを担当し、多くの鳥類と雌雄の役割が逆転していると述べています。しかし、米田(2015)のように観察と調査結果から導かれた結論によって記載しているものはとても少ないのが現況です。(引用)米田重玄.2015.タマシギの繁殖生態「一妻多夫?」.山階鳥研ニュース2015年7月号.第4面-第5面.(写真)私のライブラリーより2023年2月都内で撮影
2023.06.24
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ヒナを確認してから23日目となりました。4羽のヒナがすべて巣立ちとなりました。とはいっても第三子、第四子はまだ巣の隣りの枝に移動しただけで雌が獲物を運搬して巣に帰還すると真っ先にかけつけています。最初に巣立ちした第一子は営巣木とは別の木の枝にその姿があり、この個体だけ雄が獲物を運搬して食べさせています。第二子は、巣とは第三子、第四子とは反対側の一角にその姿があります。(幼鳥の姿の違い)これまでヒナとしていたものを幼鳥(孵化後第一回冬羽まで)と呼ぶこととします。第一子は、一枚目から三枚目の写真の個体です。虹彩が薄青色で胸に縦斑、腹にハート型の斑があり、下面は白っぽいです。第二子から第四子の個体は、虹彩が青色がかった暗色で、下面は第一子と比べると褐色がかり、胸に縦斑、腹にハート型の斑があります。第三子は、目先から喉にかけて褐色味が強い印象です。ただし、幼鳥の雌雄の識別は大きさ以外には判断できないとされています。(写真)2023年6月23日撮影(巣はブラインドから撮影)
2023.06.23
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鳥友から手賀沼沿岸ではかつてチュウサギが少ないと聞いていたが、その原因はどのようなところにあるのかと質問をもらいました。(明治時代から昭和初期のチュウサギがいなかった時代)我孫子市(1995)は、鳥類の観察記録などを整理し報告しています。その中でチュウサギは明治から昭和初期までは記録は認められなかったとし、1959年頃からまた記録されるようになったと報告しています。(手賀沼本体では観察されなくなった)手賀沼の鳥(2004)が報告しているように、手賀沼とその隣接する水田地帯でのチュウサギは通年姿が観察されるものの、年総個体数(1月から12月の個体数の合計)は1970年代5羽、1980年代6羽、1990年代10羽、2000年代7羽と非常に少ない状態が続ています。(チュウサギの減少の要因)益子(2014)は、文献に報告や知見、調査結果などを整理し報告しています。チュウサギの減少が著しいのは、「水田の圃場整備による餌生物の減少が一因と考えられている。(中略)水生の小動物を主食とするチュウサギは、整備済み水田で有意に少なかった」と報告しています。手賀沼沿岸には印西市と柏市の境界に広大な水田地帯存在していますが、整備済み水田(コンクリート製の用水路)であり、小動物の存在がほとんどないものと思われ、少なさの要因と考えられます。(引用)我孫子市.1995,我孫子市自然環境調査 鳥類調査報告.p61-62.手賀沼の鳥.2004.手賀沼の鳥Ⅱ.p190.我孫子野鳥を守る会.益子美由希.2014.チュウサギ.「準絶滅危惧種」の歴史といま.Bird Research News Vol.11 No.3.p4-5.(写真)私のライブラリーより2023年6月15日手賀沼沿岸で撮影
2023.06.22
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ヒナを確認してから22日目となりました。昨日と同じ巣立ちとなったヒナが枝をつたって巣のとなりにある枝にとまり、巣にと2羽が休んでいる状態でした。でも、母さんツミが獲物を運搬してくると4羽すべてが巣に戻り、親を中心に円陣を組み、餌を頬張ります。過去、最初の巣立ちから一週間程度ですべて巣立ちとなりますから、週末には枝移りした姿を目撃するようになるものと思います。ヒナが巣立ってから約2週間程度経過すると、親鳥は餌を与えなくなりますので、6月末頃からはいよいよ独力で飛翔し餌探しをするようになっていきます。もっとも巣から離れた枝には成鳥雄が見守りを続ける様子をみかけます。宅地造成工事開始の7月末までに無事に過ごせるように地元の皆さんと見守ります。(写真)2023年6月22日撮影(巣はブラインドから撮影)
2023.06.22
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ヒナを確認してから21日目となりました。今朝は巣とヒナたちの様子を観察していたら、2羽が巣立ちとなりました。(巣立ちは巣を最初に離れた日をそう呼んでいます)最初4羽が巣の中にいたものが、1羽ずつ計2羽が巣の隣りの枝にひょっいとばかりに移動する姿を目撃しました。巣立ち前に成鳥雌が獲物の小鳥を巣に運搬してちぎって与えている光景を観察。与え終わって成鳥雌がいつもの見張り台の枝に移動したと同時にヒナが翼をはばたかせ、ふらふらとしながら足をふんばり移動に成功しました。母さんツミは、その様子を見張り台からじっと凝視し、カラスが接近するとその方向を警戒したり、何度も追尾を繰り返していました。(写真)2023年6月21日撮影(巣はブラインドから撮影)
2023.06.21
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ヒメアマツバメが全壊となった巣をもう一度造巣しており、唾液で鳥の羽毛や草の穂などを壁面に嘴で貼り付けている光景を目撃したと先日リポートしました。そろそろ落ち着いた頃と思い立ち寄ってみると、今度は壊されることなくねぐらとして使っている模様です。何度もヒメアマツバメ、イワツバメ、ツバメが上空を飛翔する姿が目撃できるフィールドは貴重です。さて、ヒメアマツバメの造巣していたポイントも見てみると、イワツバメから強奪した巣を使って羽を土台に唾液で貼り付けて飾り付けをしているような巣が一箇所、さらに過去産卵・子育てで使っていたところはスズメあるいはイワツバメによって破壊されたものを修復しているような痕跡がありました。どんなことになるかは気長に付き合うった先でしかわからないところが魅力です。このほか、商業施設の一角で無事に成長しているツバメの若鳥、ヒメアマツバメり造巣している箇所を3羽で偵察するイワツバメ、隣接する荒地で子育てをしているコチドリが餌探しのために水辺近くで動き回っている姿、調整池の水面で見つけたカイツブリの親子など短時間でしたが楽しい時間でした。(写真)2023年6月20日撮影
2023.06.20
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ヒナを確認してから19日目となりました。林に到着直後は巣にはヒナのみで、成鳥雌雄の姿は認められませんでした。しかし、すぐに雄の鳴き声がすると足に獲物をぶら下げて帰還。雌の鳴き声がすると2羽で枝を移動し雌が獲物を受領。獲物を受け取った雌はまず自分で獲物にかぶりついた後、巣に移動。綿羽が認められる個体から餌を与えていました。巣には、第ニ綿羽が2羽、胸に縦斑、腹にハート型の斑が現れた幼鳥が2羽存在していました。ただし、後者の目の色は暗褐色に見え緑灰褐色とは確認できないので幼鳥の特徴をすべて備えてはいませんでした。(写真)2023年6月19日撮影(巣はブラインドから撮影)
2023.06.19
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朝から真夏のような気温で早めの買い物をと出掛た時のことです。柏オフィスのある駅前ロータリー内の樹木にセキレイがすーと飛んできて止まりました。幼鳥だということはわかるのですが、ハクセキレイなのかセグロセキレイなのかは撮影した画像を復習してみないと帰宅後も調べてみました。(観察個体の特徴)・眉斑があり、耳羽を囲む部分にはっきりとしない模様あり。・口角は黄色。・上面は灰色が主体ですが、バフ色がかっていました。・声はチッチッと聞こえました。前記の特徴から、ハクセキレイ若鳥と思われます。(セグロセキレイであれば眉斑はなく若鳥では黒頭巾状ですが、観察個体には眉斑があります。セグロセキレイでは鳴き声はジッジッで観察個体ものとは違いました。)(写真:いずれもハクセキレイ)一枚目から三枚目は2023年6月18日柏市内で撮影四枚目は2008年8月23日柏市柏の葉、五枚目は2008年7月5日茨城県神栖市で撮影
2023.06.18
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ヒナを確認してから13日目となりました。林に到着直後は巣にはヒナのみで、成鳥雌は見張り台の枝で巣を凝視していました。10分ほど経過した時、雄の鳴き声がしたと思ったら、餌を持参して帰還。雄が雌を呼ぶ声がした後、雌が角度のある木にとまり、鳴き声を出し、雄に餌を受けとるポイントを合図し餌をすぐさま受け取り、巣に入りました。ヒナたちの成長は眼を見張るものがあり、食べ盛りそのもの。その後、餌を与えた雌は見張り台の枝に移動し、翼や尾羽を広げて日光浴。(写真)2023年6月17日撮影(巣はブラインドから撮影)
2023.06.17
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鳥友からもともと高原の鳥だったカッコウがいつごろから託卵をはじめたのかなどの質問をもらいました。(カッコウの平地への進出)中村(1991)は、長野県でのカッコウの調査結果や知見を整理し報告しています。1960年代まではカッコウは高原の鳥だったが1974年に松本と佐久の地域でオナガへの託卵が発見されたと述べています。その後、1991年では長野県全域でオナガが分布するようになった記しています。調査をはじめた1981~1983年頃にはオナガへのカッコウの託卵率は29.6%だったが1985年には60.6%、1988年には79.6%と急激に増加したと報告しています。(カッコウの卵の擬態)田中(2012)は、託卵鳥に関する研究と最新の研究結果を整理し報告しています。卵の擬態、宿主が排除しない理由、カッコウが宿主の卵より小さい卵を産むとの報告が特に興味深いので紹介します。(宿主に対する卵の擬態)カッコウ1種が托卵する宿主は複数の種にわたるが、それぞれの種の巣に産み込まれるカッコウの卵は宿主の卵とよく似ていると記しています。(カッコウが小さい卵を産む理由)カッコウが産み付けた卵は、宿主の卵の大きさに近くなっていた小さいサイズのものとなること紹介し、カッコウが小さい卵を産むのは、孵化までの期間をできるだけ短くし、孵化したカッコウの雛が効率よく巣を独占するための適応と考えられていると報告しています。(宿主がカッコウを排除しない理由)宿主の雛よりも先に孵化し、その後すぐに宿主の卵や雛を排除する托卵鳥では、卵排除では効果をもつ刷り込み学習が雛排除に関しては対托卵戦略として効果を持たないこと生涯で最初の繁殖で托卵された場合、カッコウの雛を自身の子であると間違って刷り込み学習してしまうことになる。(中略)ただし、直接的に雛排除を行う認知メカニズムは現時点では未解明であると指摘しています。(引用)中村浩志1991.託卵をめぐる攻防.動物たちの地球.通巻828号.p300-303.朝日新聞社.田中啓太.2012.騙しを見破るテクニック:卵の基準,雛の基準─托卵鳥・宿主の軍拡競争の果てに─.日本鳥学会誌第61巻第1号p60–76.(写真)2018年6月2日、2017年7月19日戦場ヶ原で撮影
2023.06.16
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雨のやみ間にホームグランド手賀沼沿岸を訪ねました。今月2日の大雨の影響による沼と周辺の河川の水位はたいぶ下がっていました。谷津田で営巣・子育てをしているサシバの様子を見に立ち寄ると、草むらの中ですり足で餌を探すサシバ雄を発見。私の存在は眼中にないようで急ぎ足で前進したと思ったら今度はすり足でそーと接近したりを繰り返していました。電柱にとまり、水田を凝視し餌を見つけると急降下して捕獲のイメージが強いのですが、小動物を捕獲するために地面に降り立つ行動をするのだと再認識。このほか、沿岸の谷津田上空をホトトギスが何度も鳴きながら移動していく光景やチュウサギが水田の中で餌を探すもの、見事な羽づくろいをする姿、なわばりを主張しているホオジロの見事な囀り、ツバメの若鳥が集まっている桟橋での光景など見どころ満載でした。なお、ササゴイは巣が大雨の影響で水没した模様で、姿を見かけませんでした。(写真)2023年6月15日撮影
2023.06.15
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ヒナを確認してから10日目となりました。林に到着して巣を確認すると、雌の姿はなくヒナの頭部も見えず。小雨から本降りとなったと思ったら雄の鳴き声と共にいつもの見張り台の枝に獲物をぶらさげて帰還していました。何度も雌を呼ぶ声に呼応して雌とヒナは頭をあげ雄の方向を注視。雌雄ともにククッと声を出したと思ったら雌が雄のもとに移動し餌を受領し、素早く巣に帰還。ヒナたちに食いちぎって与えていました。お腹がいっぱいになったヒナたちは、羽ほひろげて羽づくろいをしたり活発に動き始めました。一瞬ですが4羽の姿を確認できました。(これまでの記事)3月9日に今シーズン初認のあと、姿を目撃できたのは19日、22日、24日、29日、4月8日。前回、4月13日に雌雄が林に揃い、ペアリング。16日は雄が餌を足にぶらさげて出現。19日は雌が巣材をくわえて入り補強する動きを観察。21日は雌は確認できず、雄のみ見張りの枝に止まっている姿。5月1日雌が長時間、巣に座り込んでいる姿を観察。3日雌は抱卵、雄は見張り台で監視中。6日は強風が抜きぬける中、雌は抱卵中、雄は見張り台で巣と雌を監視中。8日午後は前日の強風、強雨、明け方の低温の条件下ペアともに健在。12日は雄が獲物を捕獲し帰還後、半分程度餌を食べた後、雌への受け渡し場所の枝に餌を置いて自分は別の枝に移動。14日、雄が獲物をもって帰還後、雌に渡した後、抱卵を交代。19日雄が抱卵していたと思われました。21日産座の杉の生葉が新しいものが追加されていた。29日巣の雌の座っている位置が移動していた。6月1日雄から餌を受領し巣に帰還した雌が立ち姿でしばらく静止。腹の下方に雛が存在しているものと思われました。2日は台風2号と大雨で観察不能。3日は雄から餌を受領し巣に帰還した雌がしばらく立ち姿で静止していたので観察を終了。8日雌が巣に餌を運搬した際、2羽のヒナの頭部が見えた。9日ヒナ3羽を確認。14日ヒナ4羽を観察。(写真)2023年6月14日撮影(巣はブラインドから撮影)
2023.06.14
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ササゴイの羽色のいろいろを観察するため都内の公園に出かけました。先月12日には成鳥2羽を観察しましたが、今日は成鳥、第二回目夏羽と思われる個体を観察できました。羽色を観察するのも楽しいのですが、足の色のいろいろを観察できる種類でもあります。今日観察できたのは黄色の足の成鳥、薄いオリーブ色の若鳥で、朱色をした婚姻色の個体は出会えずじまいでした。(成鳥)1枚目から4枚目までは成鳥個体です。額から後頸と頬線が青みのある黒色で後頭には長い冠羽、胸には白線、大・中雨覆には白い羽縁のある羽が笹の葉のように見えていました。なお、翼の裏側から羽づくろいをしているのを目撃。(若鳥)5枚目と6枚目は、若鳥です。雨覆には褐色味があり笹の葉のような模様もまだ少しだけです。また、背には幼羽の名残が残っていました。(ほぼ成鳥)7枚目と8枚目は、ほぼ成鳥ですが、胸の白線がぼんやりで、背のケープ状の羽もまだ未発達でした。(参考:足が朱色の婚姻色個体)2019年5月22日同地で観察・撮影。この個体は、目先の皮膚が露出した部分も朱色に見えました。(写真)婚姻色個体以外は、2023年6月13日撮影
2023.06.13
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今月2日から3日にかけての大雨の影響で湿原・水田などの水位が急上昇し営巣している前記の鳥類に影響が出たのではないかと思っています。ホームグランド手賀沼でも水位が3m前後まで急上昇し、葦原で営巣していたセッカ、ヨシゴイなどに影響が及んだのではないかと思います。今日11時現在の水位は約2m程度で一時期に比べると、かなり水が引けた状態です。特に、セッカはチガヤやススキなどの地上20cmほどのところにクモの卵嚢から取った糸で,生の葉を縫い合わせて作った巣をつくりますから増水した沼沿岸の葦原のものは全滅した可能性が高いものと思います。しかし、水田にも生息しますから、水位が下がってからもう一度造巣するのではと期待しています。今朝11時現在の沼の水位は1.94mなのでもう少し下がってからヨシゴイとあわせて様子を確認したいと思っています。上田(2006)が「繁殖期のオスの頭部上面は一様な褐色であるのに対し、メスの頭部上面は淡い褐色の地に黒褐色の縦班が存在するため一見してザクザクした感じになる。セッカでは中央の2枚を除く10枚の尾羽の先端部に白色部があらわれるが、この白部分がオスでは鮮明であるのに対しメスではかすかに褐色がかっている」と記していることや永井(2014)が「雄の会合線は黒く、雌では会合線が黒くない」と述べていることを参考にして雌雄の動きに気を付けて観察してみたいと思います。(引用)上田恵介.2006.セッカ.分類と形態.Bird Research News Vol.3 No.5.p2-3.永井真人.2014.野鳥図鑑.670.p124.文一総合出版.(写真)1枚目は2020年5月3日茨城県浮島で撮影(頭部黒っぽく、尾羽先端部に現れた白色部が鮮やかに見えたので雄と思われます)2枚目は2016年7月10日茨城県浮島で撮影(頭部上面が褐色で尾羽先端部が褐色がかっているので雌と思われます)
2023.06.12
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昨日、柏の葉キャンパス駅近郊でヒメアマツバメの造巣を観察しました。昨日造巣を観察したものは、先月30日にスズメ、イワツバメに破壊されたものをペースに枯れ草や羽毛を唾液で固めて壁面にくっつけていたものてす。そうかと思うと、三枚目の写真のようにイワツバメの古巣をベースに羽毛、枯れ草でリノベーションしているものも目撃することがあります。また、四枚目の写真は真夏にもかかわらず羽毛と枯れ草で覆った巣に入っていた光景です。造巣についてのいくつかの文献を閲覧してみました。平田(2019)は、ヒメアマツバメについてつぎのように報告しています。「空中に飛んでいる枯れ草や羽毛を集め、それらを唾液固めて巣を作ります。このように巣を自作できるにもかかわらず、しばしばコシアカツバメやイワツバメの巣を利用します。家主を追い出して乗っ取ることもあれば、空いている古巣を使うこともあるようです。乗っ取った巣はそのまま使わず、巣の内壁に枯れ草や羽毛などの巣材を塗り固めて使います。言わば、ツバメ類の巣を外壁にして、その中に巣を自作するような感じです」と述べ、同様のことを記しています。(引用)平田和彦.2019.ヒメアマツバメ. 真冬の空を切り裂くツバメ?.房総の山のフィールドミュージアムニュースレターしいむじな.2019年冬.p2.千葉県立中央博物館房総の山のフィールド・ミュージアム.(写真)私のライブラリーより一枚目:2023年6月10日、二枚目:2023年5月30日、三枚目:2022年6月30日、四枚目:2018年8月22日撮影
2023.06.11
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先月末に造巣中の巣にヒメアマツバメが座り込んでいた光景を目撃しました。その後、スズメ、イワツバメに巣を破壊され今シーズンは営巣は無理かと思っていましたが、今日現地を訪ねたら全壊となった巣をもう一度造巣している光景を目撃しました。唾液で鳥の羽毛や草の穂などを壁面に嘴でひとつずつ貼り付けていました。多くの図鑑には筒状の巣を作ると記載がありますが、自分が座れるポジションの台座部分をまず完成させそれから巣の内側を羽を貼り付けてつくるのだと初めて観察しました。このほか、近くの商業施設に営巣しているツバメの巣では成長したツバメの姿、上空にはヒメアマツバメとはライバル関係のイワツバメが飛翔する姿もありました。(写真)2023年6月10日撮影
2023.06.10
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ヒナを確認してから二日目となりました。林に到着して巣を確認すると、雌の姿はなくヒナの頭部も見えずでした。しかし、背中に視線を感じ振り返ると、いつも雄が止まっている見張り台の枝に雌が止まっていました。上空から巣に接近する外敵がいないかと鋭い視線をむけていました。その後すぐ林の遠くから鳴き声がしてオナガ5羽に追尾されて林に帰還した雄から餌を受領し、雌が餌を早速受領していつも雄が獲物を解体する枝にとまり同様に解体をスタート。羽毛を取り除き、巣に持ち帰った時にすぐにヒナに与えやすいように整形する光景を目撃。その迫力に圧倒されました。その後、雌が巣に戻りヒナの獲物を与え始め、その時ヒナの頭部が3つ見えました。(これまでの記事)3月9日に今シーズン初認のあと、姿を目撃できたのは19日、22日、24日、29日、4月8日。前回、4月13日に雌雄が林に揃い、ペアリング。16日は雄が餌を足にぶらさげて出現。19日は雌が巣材をくわえて入り補強する動きを観察。21日は雌は確認できず、雄のみ見張りの枝に止まっている姿。5月1日雌が長時間、巣に座り込んでいる姿を観察。3日雌は抱卵、雄は見張り台で監視中。6日は強風が抜きぬける中、雌は抱卵中、雄は見張り台で巣と雌を監視中。8日午後は前日の強風、強雨、明け方の低温の条件下ペアともに健在。12日は雄が獲物を捕獲し帰還後、半分程度餌を食べた後、雌への受け渡し場所の枝に餌を置いて自分は別の枝に移動。14日、雄が獲物をもって帰還後、雌に渡した後、抱卵を交代。19日雄が抱卵していたと思われました。21日産座の杉の生葉が新しいものが追加されていた。29日巣の雌の座っている位置が移動していた。6月1日雄から餌を受領し巣に帰還した雌が立ち姿でしばらく静止。腹の下方に雛が存在しているものと思われました。2日は台風2号と大雨で観察不能。3日は雄から餌を受領し巣に帰還した雌がしばらく立ち姿で静止していたので観察を終了。8日雌が巣に餌を運搬した際、2羽のヒナの頭部が見えた。9日ヒナ3羽を確認。(写真)2023年6月9日撮影(巣はブラインドから撮影)
2023.06.09
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昨日、ツミが子育てをしている林でヒナが親鳥から餌をもらう光景を観察しました。林の所有者が逝去され相続税の関係で売却されることとなり、約5900㎡が35区画の住宅地となると掲示板が掲げらています。7月末工事着工とありますから、産卵、ヒナの誕生、成長、巣立ち、独り立ちといった成長のステージを観察できるのも今年が最後。昨日観察したヒナは、頭頂にバフ色が見られないので第一綿羽と思われます。第一綿羽の個体は一週間ほどで第ニ綿羽に生え変わり、頭頂、背、翼など上面がややバフ色を帯びるとされています。一枚目は昨日観察した個体、二枚目、三枚目は昨シーズン観察したヒナです。二枚目、三枚目の個体は上面にバフ色が見られたので第ニ綿羽となった個体と思われます。昨日観察した個体は同様と思われますから第ニ綿羽と思われます。(第ニ綿羽からの羽の変化)四枚目は昨シーズン観察した個体で二枚目、三枚目を観察した2日後です。胸に斑がみえはじめ、綿羽の下から幼羽が見え始めています。その翌日(第ニ綿羽を観察した3日後)にはさらに換羽が進行していました。五枚目の写真は、第ニ綿羽を観察してから8日後の様子です。上面、翼はほぼ幼羽となりました。胸と脇の軸斑もはっきりとしてきました。今シーズンはどんな成長ぶりとなるか楽しみです。(幼羽が揃う時期)幼鳥は、孵化後2週間ぐらいで幼羽が生え始め約4週齢で生え揃います。その後、第2暦年の3月ごろに換羽が始まる間、完全な幼鳥の羽衣となります。(写真)一枚目:2023年6月8日、二枚目:2022年6月29日三枚目2022年7月4日、四枚目:2022年7月6日、五枚目:2022年7月7日、六枚目2022年7月12日、七枚目:2022年7月14日撮影(いずれも巣立ちまではブラインドから撮影)
2023.06.09
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今朝はとうとうツミのヒナを確認できました。林に到着した直後は巣に雌の姿もなく、そのほかの動きもありませんでした。待機すること40分、林の遠くから甲高い雄の鳴き声が聞こえ、猛スピードで帰還しました。雄だけかと思いきや雌も帰還。ペアそろって狩りに出かけていたのでした。雄が解体した獲物をすばやく雌が受領し、巣に運搬。嘴でこまなくちぎったその時、むくむくした毛に包まれたヒナの頭部が見えました。同時に餌を受け取ろうとするヒナり頭部は2つ出現。このほか、まだ動く影がありましたのでそれ以上のヒナが存在している模様です。その後、満腹となったヒナは座り込んで眠ってしまった模様。その後、再び雄が林の外にでかけて狩りをし足にスズメをぶらさげて帰還しました。今度は雌と自分で食べる分を捕獲してきたものと思われました。なお、ツミは孵化後2週間程度で幼羽が生え始めるとされていますから、誕生は先月25日頃と思われます。このほか、5日に林でツミ雌若鳥を発見しました。ペアの子育てを手伝うヘルパーとして近郊の林から渡来したものと思われます。ヒナの成鳥過程でどんな役割を果たすのか観察テーマができました。(これまでの記事)3月9日に今シーズン初認のあと、姿を目撃できたのは19日、22日、24日、29日、4月8日。前回、4月13日に雌雄が林に揃い、ペアリング。16日は雄が餌を足にぶらさげて出現。19日は雌が巣材をくわえて入り補強する動きを観察。21日は雌は確認できず、雄のみ見張りの枝に止まっている姿。5月1日雌が長時間、巣に座り込んでいる姿を観察。3日雌は抱卵、雄は見張り台で監視中。6日は強風が抜きぬける中、雌は抱卵中、雄は見張り台で巣と雌を監視中。8日午後は前日の強風、強雨、明け方の低温の条件下ペアともに健在。12日は雄が獲物を捕獲し帰還後、半分程度餌を食べた後、雌への受け渡し場所の枝に餌を置いて自分は別の枝に移動。14日、雄が獲物をもって帰還後、雌に渡した後、抱卵を交代。19日雄が抱卵していたと思われました。21日産座の杉の生葉が新しいものが追加されていた。29日巣の雌の座っている位置が移動していた。6月1日雄から餌を受領し巣に帰還した雌が立ち姿でしばらく静止。腹の下方に雛が存在しているものと思われました。2日は台風2号と大雨で観察不能。3日は雄から餌を受領し巣に帰還した雌がしばらく立ち姿で静止していたので観察を終了。8日雌が巣に餌を運搬した際、2羽のヒナの頭部が見えた。(写真)2023年6月8日撮影(巣はブラインドから撮影)
2023.06.08
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先週の台風2号と線状降水帯の影響で首都圏あちこちで浸水したところがあり、探索できないフィールドが多いので、比較的被害の少なかった稲敷市浮島そのその周辺に出かけました。最初に立ち寄った干拓地では、お目当てのコジュリン、オオヨシキリ、オオセッカの声が盛んに聞こえました。しかし、風が吹き抜ける中で止まっている葦が大きく揺れて距離も遠いので思うように画像記録は思うようになりませんでした。アップした画像は、コジュリン、オオヨシキリ、浮島で出会ったスズメです。コジュリンは本日観察した個体、今年4月に観察した雌と思われる個体、昨シーズン観察した夏羽個体です。(雌は、頭から目先、耳羽にかけてと顎線が黒褐色で眉斑は汚白色でほかは成鳥雄夏羽とあまり変わりがありません)スズメは見た瞬間は別種とも思いましたが、嘴基部が黄色っぽく若鳥でした。広大な干拓地での小鳥のいろいろな囀り、鳴き声を聞きながら楽しい時間を過ごしました。(写真)コジュリン一枚目、オオヨシキリ、スズメは2023年6月7日撮影コジュリン二枚目は2023年4月20日撮影、三枚目は2022年6月19日撮影
2023.06.07
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昨日、栃木県の神社で巣立ちしたフクロウを観察できました。その折、巣立ちできたのはよかったけれどその後はどうやって暮らしていくのかと鳥友から質問をもらいました。しかし、巣立ち後のヒナの行動や移動、環境などを明らかにしたものは少ないのですが、樋口・青木(2000)が、山梨県と新潟県の傷病鳥保護記録と新潟県での調査をした結果から報告しています。(1)フクロウのヒナの巣立ち巣立ちから3ヶ月を巣のある営巣林に留まっていることがわかったと記しています。そして、巣立ち後約1ヶ月間は営巣木から200m以内に留まっており、巣立ち後30日をすぎる頃になるとヒナは日没とともに隣接する林を伝って営巣林から離れるようになり夜間の行動域を広げていったとしています。なお、夜間の行動域を広げる頃になっても夜明けとともに営巣林に戻ったと記しています。(2)ヒナは親に空腹のアピールヒナ同士は互いに樹上に留まり同じ枝上にいることが多く観察され、親への空腹の主張として絶えず大きな声で鳴き交わしていたことを紹介しています。(3)昼間の休憩時の隠れ場所周囲が開けた環境の場合、トビ、カラスといった天敵からの発見されることが多く、繁殖林が昼間の休憩時の休み場所として役割を果たしていると記しています。(4)文献報告から読み取れること樋口・青木(2000)に目を通して、樹洞をもつ大径木を残す社寺林、屋敷林などのいわゆる緑の回廊がフクロウ類の生息に大きな役割を果たしていることが理解できました。(引用)樋口亜紀・青木進.2000.緑の回廊に関する研究.フクロウを事例として.第9期プロ・ナトゥーラ・ファンド助成成果報告書.p7-13.公益財団法人自然保護助成基金.(写真)すべて2023年6月5日栃木県で撮影
2023.06.06
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毎年、観察を続けているフクロウ、アオバズクに会いに出かけました。栃木県内の神社で子育てをしているフクロウは、昨晩ヒナが巣立ちとなり今朝は単独で枝にとまったり近い距離を移動したりを繰り返していました。先月アオバズク雌雄のペアを観察できた茨城県の神社では、今日は単独で枝に止まり、眼下の人々の動きを注視していました。(写真)2023年6月5日撮影
2023.06.05
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ツミが抱卵してから34日目、南南西の風が3m程度林を吹き抜けていました。到着して巣を確認すると、雌が座り込んでいました。雄が見張り台の姿が見えないので小一時間、木陰で待機。待機していたら、遠くからカラスなどの捕食者を威嚇するピョーピョピョピョの声を上げて林に帰還しました。足にはムクドリと思われる獲物をぶらさげ、枝に止まり羽をむしり解体しすじめました。その後、ケッケッケッと甲高い声をあげ、クゥクゥと雌雄の間の合図をだしたと思ったら雌に餌を受け渡し。その素早さには感心してしまいました。その後、雌が獲物を持参し巣に帰還し、縁に静置し食べていました。時折、嘴で雛に餌を与えるようなスタイルをとっていました。今シーズンは、足にぶらさげて帰還した時に確認できた獲物は、平年のシジュウカラではなく、もっぱらスズメでした。ところが、昨日からはさらに体の大きいムクドリと思われる獲物を持参していました。ツミは、林縁で待ち伏せをして木に止まり、近くを通過する獲物を猛然とダッシュして捕らえますから、今シーズンはスズメが少ない可能性があります。(これまでの記事)3月9日に今シーズン初認、4月13日に雌雄が林に揃い、ペアリング。19日は雌が巣材をくわえて入り巣を補強。21日雄のみ見張りの枝に姿あり。5月1日雌が長時間、巣に座り込む。3日雌は抱卵、雄は見張り台で監視中。14日、雄が獲物をもって帰還後、雌に渡した後、抱卵を交代。21日産座の杉の生葉が新しいものが追加されていた。29日巣の雌の座っている位置が移動していた。6月1日雄から餌を受領し巣に帰還した雌が立ち姿でしばらく静止。雛が存在している印象あり。2日は台風2号と大雨で観察不能。3日は雄から餌を受領し巣に帰還した雌がしばらく立ち姿で静止していたので観察を終了。4日は雌が雄から受け取った餌を巣の縁で食す。(写真)2023年6月4日撮影(巣はブラインドから撮影)
2023.06.04
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ツミが抱卵してから33日目となりました。昨日から今朝にかけての台風2号と前線の影響での大雨でジュニアが孵化したと思われるツミのペアがどうしているかと朝から気をもむばかり。雨が上がった午後、林に出かけました。到着して巣の様子を確認すると、なんとツミ雌の視線がこちらを注視していました。このため、ブラインドから離れた場所から角度を変えて様子を見るにしました。なお、林では折れた枝があちこちに散見されましたが巣は損傷もなく無事でホッとしました。小一時間経過し、雄の鳴き声がしたと思ったらいつもよりサイズのや大きい小鳥を足にぶら下げて帰還。その解体ぶりはスピーディで羽毛をむしり取り、雌が食べやすいように整形していきました。そのうえで、鳴き声を出して雌を呼び、雌は素早く餌を受領し枝を移して自分で食べていました。その際、近くを移動してきたカラスの方に鋭い視線を向け警戒し素早く巣に帰還。巣に帰還した後は、座り込まず立ち姿のまま静止。おそらく、ブラインドのいる私の存在に気がついたと思われたので今日の観察と撮影はこれで中断としました。(これまでの記事)3月9日に今シーズン初認のあと、姿を目撃できたのは19日、22日、24日、29日、4月8日。前回、4月13日に雌雄が林に揃い、ペアリング。16日は雄が餌を足にぶらさげて出現。19日は雌が巣材をくわえて入り補強する動きを観察。21日は雌は確認できず、雄のみ見張りの枝に止まっている姿。5月1日雌が長時間、巣に座り込んでいる姿を観察。3日雌は抱卵、雄は見張り台で監視中。6日は強風が抜きぬける中、雌は抱卵中、雄は見張り台で巣と雌を監視中。8日午後は前日の強風、強雨、明け方の低温の条件下ペアともに健在。12日は雄が獲物を捕獲し帰還後、半分程度餌を食べた後、雌への受け渡し場所の枝に餌を置いて自分は別の枝に移動。14日、雄が獲物をもって帰還後、雌に渡した後、抱卵を交代。19日雄が抱卵していたと思われました。21日産座の杉の生葉が新しいものが追加されていた。29日巣の雌の座っている位置が移動していた。6月1日雄から餌を受領し巣に帰還した雌が立ち姿でしばらく静止。腹の下方に雛が存在しているものと思われました。2日は台風2号と大雨で観察不能。3日は雄から餌を受領し巣に帰還した雌がしばらく立ち姿で静止していたので観察を終了。(写真)2023年6月3日撮影(巣はブラインドから撮影)
2023.06.03
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複数の鳥友からホームグランド手賀沼沿岸のヨシゴイについて、昨日からの大雨の影響で巣は全滅していないだろうかと質問をもらいました。現地の確認できていないので確定的なことは申し上げられませんが、ヒメガマの群生地に営巣したヨシゴイの巣は全滅した可能性が高いものと思います。ただし、アシに営巣した単独巣は被害を免れた可能性があります。後日、現地を確認したいと思っています。(1)ヨシゴイが好む営巣環境上田(1996)が埼玉県でのヨシゴイの繁殖地を調査した結果を整理し報告しています。その中で「ヨシゴイはあきらかに巣をかける植生としてはアシよりヒメガマを選ぶ」と述べています。手賀沼沿岸でも同様でヒメガマの群落に集団で営巣する傾向があります。一方、アシの単独巣は捕食にはあいやすいが、高さが高いためにヨシゴイの繁殖時期である梅雨後期の大雨や台風時の増水によって冠水しない利点があると指摘しています。手賀沼沿岸でも単独でアシに営巣している個体も見受けられますのでほぼ同様と推察されます。(2)巣の水面の高さと繁殖成功上田(1996)は、単独巣の多いアシ原では巣は高い位置(*)につくられるがヘビなどの捕食率は高く、集団で巣がみつかるヒメガマの沼地では、巣の位置はアシ原とくらべて相対的に低い(*)が,捕食率も低いと述べています。(*)水面からの巣の高さ調査した結果では捕食されなかった巣の高さは76.5~67.7cm、捕食された巣の高さは99.9~68.8cm但し、巣下の水深が浅いと捕食されやすく、深いと捕食されにくいと述べています。(*)巣下の水深捕食されなかった巣下の水深は28.2~21.2cm、捕食された巣下の水深は20.8~9.0cm(3)なぜヒメガマを好むか上田(1996)は、巣下の水深が深いヒメガマは、捕食の被害を受けにくいことと葉がやわらかく、折り曲げやすい傾向があることを記しています。(引用)上田恵介.1996.ヨシゴイはなぜ集団で繁殖するのか:巣場所選びと繁殖成功.STRIX Vol. 14, pp. 55-63.日本野鳥の会.(写真)私のライブラリーより2020年7月12日手賀沼沿岸で撮影したヨシゴイの幼鳥と巣、2021年6月13日手賀沼沿岸で撮影した成鳥
2023.06.03
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昨日、手賀沼沿岸で複数のサシバを目にしました。3月下旬に姿を見かけた際には谷と水田が入り組んでいる谷津田の一角でカエルを採食していたのが昨日は親鳥2羽のうち1羽が捕獲してきたのがヘビで、もう一羽は巣近くの水田の電柱にとまって待ち伏せして捕獲していました。1977年からの手賀沼沿岸での観察ではネズミ、小鳥などを採食しているのも目撃しています。谷津田に生きる小動物がその採食対象となっていることを実感します。サシバの採食地点が季節で変化するという興味深い報告がありますので紹介します。東(2007)はサシバの分布、食性と採食行動、生態などについて調査結果と知見を整理して報告しています。採食対象としては、シマヘビやニホンカナヘビなどの爬虫類、トノサマガエルやニホンアカガエルなどの両生類、トノサマバッタやアブラゼミ、ヤママユガの幼虫などを見つけて飛びかかり、足で捕らえる。その他にはハタネズミやヒミズなどの小型哺乳類やスズメやホオジロなどの小鳥類、アメリカザリガニやサワガニなどの甲殻類などをあげています。つぎに、採食場所について「谷津田のある里山では、渡来直後から育雛期初期にかけて水田周辺で主にカエル類を採食するが、育雛期中期から後期にかけて採食場所がしだいに雑木林に移行し、それにともない昆虫類の採食割合が高まる。このように、季節の進行にともない採食場所を変えながらその時期に採食しやすい獲物を狩る」と興味深い内容を記しています。図示しているものを見ると、採食地点が5月上旬では畔・土手が約60%、5月下旬では畔・土手が約40%、雑木林が約40%、6月上旬では畔・水田が約80%、6月下旬では雑木林が約50%、7月上旬では雑木林が100%と結果となっています。(引用)東淳樹.2007.サシバ 食性と採食行動.Bird Research News Vol.4 No.5.p4-5.(写真)私のライブラリーよりモグラを採食している光景:2015年4月12日手賀沼沿岸、林のてっぺんに止まっていた光景:2018年7月8日手賀沼沿岸雑木林にとまっていた光景:2019年7月6日手賀沼沿岸
2023.06.02
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ホームグランド手賀沼沿岸のホトトギスを観察しに出かけました。複数の谷津田を探索すると、それぞれホトトギスが鳴きながら移動しているのが目撃できました。また、複数のサシバとも出会えました。ジュニアが誕生しすくすくと成長している模様で、雌雄ペアの両方で餌を捕獲に行き来していました。カエルを持って巣に帰還したかと思うとその次は蛇を足にぶら下げて巣に運搬していました。そのほか、谷津田の田んぼにはカルガモ、ダイサギの姿、河川ではマガモとヨシゴイの姿も発見しました。(写真)2023年6月1日撮影
2023.06.01
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ツミが抱卵してから32日目となりました。今朝、到着して巣の様子を確認すると、雌が巣の中で立ち上がっていました。その後、足元を気にする仕草をみせ、雛が存在しているのを教えてくれているようでした。その後、雄と連れ立って巣の外に出て約15分程度不在となりましたが、知らぬ間に巣に帰還し何事もなかったように深く座り込み、カラスなどが巣に周囲に接近するとその方向に顔をむけていました。もちろん、雄は獲物を捕獲して林に帰還後は、いつもの見張り台に姿がありました。(これまでの記事)3月9日に今シーズン初認のあと、姿を目撃できたのは19日、22日、24日、29日、4月8日。前回、4月13日に雌雄が林に揃い、ペアリング。16日は雄が餌を足にぶらさげて出現。19日は雌が巣材をくわえて入り補強する動きを観察。21日は雌は確認できず、雄のみ見張りの枝に止まっている姿。5月1日雌が長時間、巣に座り込んでいる姿を観察。3日雌は抱卵、雄は見張り台で監視中。6日は強風が抜きぬける中、雌は抱卵中、雄は見張り台で巣と雌を監視中。8日午後は前日の強風、強雨、明け方の低温の条件下ペアともに健在。12日は雄が獲物を捕獲し帰還後、半分程度餌を食べた後、雌への受け渡し場所の枝に餌を置いて自分は別の枝に移動。14日、雄が獲物をもって帰還後、雌に渡した後、抱卵を交代。19日雄が抱卵していたと思われました。21日産座の杉の生葉が新しいものが追加されていた。29日巣の雌の座っている位置が移動していた。31日も29日と同様の位置で座り込み、21日以前の位置からは移動。(写真)2023年6月1日撮影(巣はブラインドから撮影)
2023.06.01
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