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ここ10日くらいでしょうか、事実上、更新できていない状態で申し訳ありません。母の急な入院で滞っていたメールの対応も再開しておりますが、何分、返信ペースが落ちており、未だにお待たせメールが沢山ある状況でございます。ご迷惑をおかけして、本当に申し訳ないです。今回は、癌とは無関係で私事となります。月曜からの入院で本日で5日目ですが、僅か5日の間に3つの科にお世話になる状況に変化してしまいました。整形外科内科消化器内科という感じで病室の引越しが2回です。現在は、背骨の圧迫骨折で動けない中、肝臓に溜まった膿を出す為、ドレナージ処置を受けております。検査結果からなんでこんな数値がを探っていく中で、治療の優先順位が変わっていきましてねぇ。それでその都度、転科となったわけです。病院に行く都度、ベッドの頭に書かれている科名と、主治医が変わるって・・・そもそも事の発端は、ふらつきと倦怠感でした。それが原因で、自宅の階段からよろめき腰を打ち圧迫骨折。腰を打ち付けてから立ち上がれなくなるまで、5日以上ありましたねぇ。腰に力が入らないから何度も尻餅をつくうちに、トドメをさしてしまったようです。これは骨折ではと総合病院の整形外科を受診。痛がり方が酷いので、入院で検査となり圧迫骨折が判明。その際の血液検査で、意識があるのが不思議なほどの高い血糖値が判明して、急遽、内科に転科。骨折があるとは言え、CRPが高すぎるからと、CTを撮ってみると肝臓に大きな膿の塊が発見となり、今度は、消化器内科へ。結局、この肝臓の膿が酷い炎症を引き起こして、これまで服用していた糖尿病薬の効きがわるかったようです。本人の服用のサボりも重なり、血糖値が急上昇。故にふらつき、階段からよろめいて腰を打った・・・という筋書きのようです。最初の整形外科医は血糖値の数値を見て、病室にぶっ飛んで来ました。整形外科医にすれば、「骨折じゃ死なないけど、この血糖値で死んじゃう」 と思ったようです。その後にわかったのが、炎症を表すCRPの数値の高さ。18を越えていたので、こんどは敗血症で死ねそうな値です。もうここまでで検査上は、2度死んだ計算です。米村先生ですら、 その血糖値でよく意識があったなぁ。。。と言うておられましたから。まぁ、それからはもう毎日がドタバタですわ。連日、動けない母の元へ通っておりまして、病院っているだけで疲れる場所だと改めて痛感。本人は、倦怠感が酷くてかなり落ち込んでます。起き上がることも出来ない状態ですからねぇ。。。しばらくは私もドタバタです。あっ、また言われましたよ 「ナースですか」って。ただの医療オタクなんですけどねぇ次回から通常に戻ります
2012年11月30日
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私事で大変申し訳ないのですが、母が急に入院することになりまして、ここ数日、メールの対応が出来ておりません。昨日は朝から夜8時まで病院詰めでした。今日もこれから病院に出かけてしまいます。メールの対応は、通常でも3~5日程度のお待たせ状態ですが、現在はもう少し、お待たせ時間が長くなっております。今夜以降、少しずつお返事させて頂きますのでいま少し、お待ち下さいますようお願い申し上げます。ご迷惑をおかけしてすみません。ひろりん
2012年11月27日
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先日書いた、腹膜癌(60代・女性)の患者さんの娘さんから、 あれ、うちのことですよね 絶対そうですよね もう顔がにやけて仕方ないです 今思うと、あの大変だった頃が懐かしいくらいですってメールが届きました。明るくお元気になってきている患者さんの笑顔の写真が添付されてね。発熱が10日ほど続いていましたけど、今は下がってお元気です。とっても良いお顔をされてますこの患者さんとの交流が、早々にお役に立つこととなりました。同様の症状を訴える患者さん(スキルス胃癌・60代・女性)のご家族から、相談メールが届いたんです。 これって一体、なんでしょう・・・って。やはり、精神疾患を疑われ、精神科にもお世話になっていると書かれていました。書かれている内容から、実に、あの腹膜癌の患者さんの症状と似ています。この患者さんの場合は、不安感が酷くて、それこそ家族が千回くらい背中をさすってあげないと安心できず、眠れないのだと言います。違うかもしれませんが、似たような症状の患者さんを知っていますと、先日の患者さんのケースをお伝えしました。それからしばらくして、 お陰様で、症状が治まりました 今では、1人で多少は歩けるようにもなりましたというメールが届きました。私からのメールの後、処方されている薬、全てにおいて疑いを持ち、色々と調べたようです。この患者さんの場合も、吐き気止めを中止して改善がみられたとのこと。この娘さん、私より遥かに勉強家で、こういった症状について逆に私が教えて頂きました。こういった異常行動とも思える症状を、「アカシジア」 と言うそうです。(知らんかった)主だった症状は・座ったままでいられない・じっとしていられない・下肢のむずむず感・下肢を絶え間なく動かす・姿勢を頻繁に変える・意味の無い行動、徘徊をするまた、息切れや、不安、イライラ感、不眠症になる・・・というのもあります。今回、このお二人の原因は、たまたま 「吐き気止め」の薬でしたが、他にもこういった症状が出る薬剤は多々あります。抗癌剤の中にもあり、もしかしたら、このお二人は抗癌剤と併用したことで、薬剤増量ということになった為の症状だったかも?しれません。発症は投与後、間も無くであったり、休薬期間であったり、薬を止めてから3ヶ月以上経過してから起こることもあるようです。全ての薬に副作用はあって、特に抗癌剤なんてものは、副作用との戦いみたいなところもあって、我慢を強いられるもの。抗癌剤は重篤な症状でもないかぎり、簡単に止めることはできないけど、他の薬によって起こる我慢ならない副作用もあるので、あれって思ったら、見落とし勝ちな、他にも外処方されている薬の副作用を調べてみてください。
2012年11月21日
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9月に手術を終えた患者さん(60代・女性)の話です。原発不明ながら、腹水が多量に溜まった状態で癌が判明したのが、今年の2月。CA125 が450を越えていたことから、卵巣癌、子宮癌が疑われましたが、双方に問題が見つからず、原発が特定できないので、「腹膜癌」 との診断を受けました。腹水が多量に溜まった時点で、「癌性腹膜炎=腹膜播種」 なので、腹膜に癌があることは確か。だから、「腹膜癌」 との診断だったようです。その後、米村先生の元へ来られ、抗癌剤治療が開始されました。治療の効果は先ず先ずというよりも、かなり良い感じでしたので、早々に手術の提案がなされました。この時、患者さんもご家族も大喜びでした。ところが、体調は最悪。どうにも食べられないこれは、抗癌剤の副作用によくある話で、珍しくもないので、この点はさほど気になりませんでしたが、この患者さんの場合、異常行動を起こし始めたのです。動けない、だけどじっと座ってもいられない、寝てもいられない。光や音に過敏になり、僅かの音でも、光でもかんしゃくを起こすので、夜は家族が大変だったようです。全身全霊で患者さんの世話をしても、自分達が身動きもままならない状況です。早々に疲れ果ててしまったご家族は、 もう、緩和ケアを考えた方が良いのでしょうかと愚痴をこぼすようになりました。この時、私は お聞きする限り、癌の症状や進行とは思えません 治療も検査結果から、かなり良い成績を出していますし、 まだまだ、緩和ケアなんて考える時期じゃないと思います 大変でしょうけど、今しばらく様子を見守ってください ネを上げるのは、早すぎますよと発破をかけました。それにしても、一体、これは何なのだろうご家族の話によると、外来で米村先生の話を聞く時間さえもじっとしていられず、突然、立ち上がって、ウロウロしたりするのだとか。検査を受けるにも、じっとしていることが出来ないから、なだめるのが大変なのだとか。こうなると、やはり精神を病んでしまったのかもしれない。。。と思いましたねぇ。実際、癌告知を受けると誰もが、一度は軽い欝を経験するものです。中には、重篤な欝病になってしまう方もおられます。ですから、精神科医に相談してみてはどうでしょう?と提案し、心療内科に出向かれました。多少、マシになった気はするけれど、改善に至らず。。では、心臓や脳の異常を疑ってみては如何でしょう?と提案すると、(心臓の異常で脳に十分な酸素が行っていないのかも?)脳外科に行って調べて貰いましたが、異常なし。一体、全体、これは何癌が原因とは考えられないから、癌の手術をしてもこれは治らないと思われ・・・体調改善の為、栄養の点滴の為に入院していた自宅近くの病院が、原因を探ってくれました。これが実は、薬の副作用だったのです。抗癌剤の副作用ではありません。副作用って言うと抗癌剤ばかりを気にしますが、そうではなく、吐き気止めに服用を続けていた薬の副作用でした。この服用を止めたら、こういった異常行動がなくなり、以前の「普通」の状態を取り戻したのです。これでようやく手術に臨めるようになり、どの患者さんもそうですが まだまだ手術の日、まだという感じで手術の日を待つようになり、手術とあいなったのでした。癌ですか?腹膜にあったと思われる癌は、見当たらず、米村先生が推奨する抗癌剤治療が実に良く効いてました。癌は、全て取りきることが出来、現在は療養中です。
2012年11月20日
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このタイトルは、何ヶ月も前の話だけど、ある男性のスキルス胃癌患者さんご本人からの相談メールに書かれていた言葉です。自宅から少し離れた病院で、手術不能の状態のスキルス胃癌が見つかり、手術できなくて、抗癌剤治療に通院しなきゃならないのなら、交通の便を考えて自宅近くの病院を選んだそうです。最初は治療も上手くいっていて、仕事とも両立が出来ていたけれど、病状が進行し今は、入院を余儀なくされていますと書かれていました。医者から 「余命2ヶ月」 と言われ、慌てててセカンドオピニオン先を探している時だったようです。この余命、本人が言われました。そのセカンドオピニオン先に、米村先生を希望されました。正確に書くならば、既に、某がんセンターのセカンドオピニオン予約は入れてあって、その結果次第ではお願いします・・・という内容。この某がんセンターには、自分は行けないから家族が行って来ますとありました。この結果は聞いていないけど、恐らく、希望を持てる話が聞けなかったものと思われ、急いで米村先生を受診したいとありました。今度は、自分も行くと。移動には、介護タクシーを使ってでも自分で行きたいとありました。この言葉からも察するところ、かなり状態が良くないのだなぁ。。。と思いました。ご本人の希望は叶えて差し上げたいけれど、問題があります。先ず、主治医が外出なり外泊の許可をするか否か。とても、遠距離の移動は無理だと私には思えます。そして、ホントはもっと問題なのが、入院中であること。入院中に、他の病院を受診すると健康保険上の問題が出てくるんです。例えばA病院に入院中に、本人がB病院を受診するとします。この場合、B病院はA病院に費用を請求することになります。入院中に他の病院の受診は、基本、健康保険上NGなんです。ですから一旦、退院してから受診じゃないと基本、ダメなんです。この状態で退院許可なんかするだろうか・・・?こういった医療事情を説明して、ご本人ではなく、ご家族の代理受診で検討されては如何でしょうと提案しました。そんなやり取りの中 ここの医者は治す気なんてないみたいですとあったのです。これが言葉なら、「吐き捨てるように」 という表現でしょうか。病状が進み、深刻な状態であることは、書かれている状態からわかりました。ですが、どのような状況であれ、患者さんが医師に求めるものは 「治す」 「良くなるようにする」 と言った姿勢です。少なくても、「治す気がない」 なんて受け取られるような対応はねぇ。。。余命は、患者さんの置かれている社会的立場によっては、告知せねばならないコトもあります。だから、これは否定はしないけどその上で 「前向きな姿勢」 は必要だと思うんです。米村先生みたいに、「燃えてきた~」 ってトコまではなくてもね。あれからどうされたのか・・・メールは届いていません。
2012年11月18日
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先日の続きです。でも、よくよく考えてみるとですね、患者さんの家は北海道なワケですよ。この時、ご実家近くの病院で治療を受けるつもりでいたから、患者さんご自身は東北にいるワケですよ。お子さんは、生まれたばかりなワケですよ。いきなり 「関西来てくれ」 って提案したところで、「ハイ、わかりました直ぐ、行きます」 ってなるわけないな~と思いましたねぇ。。。ほら、以前も書いたけど私は医者じゃない。患者さんの体の事だけ考えて、あーだこーだと提案する医者とは違って、環境やらご事情やら加味して考えないかん立場なワケですよ。だから、どう話を持っていこうかなぁ。。。と思案しつつ、電話をかけました。 こんな提案を突然しても、お困りになるとは思うのですが・・・と前置きして、米村先生の提案を先ず伝えました。その後の対応は、問題を1つずつ解消していくしかないですからね。ところが、私の心配をよそに 実は、前回、米村先生を受診した時に、 11月に手術という提案を頂いて、そのつもりでおりました ですから、11月、12月と既にマンスリーマンションを 関西で確保しております もう、お金も支払って来ました だから、米村先生が治療をして下さるなら、 何時でも、行ける体制は整えてあるんです 子供のことも、妻の面倒をお願いする妻の両親にも 11月の手術に向けて、対応はつけてあるんです どうにもこちらの先生は、治療に消極的でどうしようかと 思っていたところなんですとの返事には、びっくりしましたじゃ、そういうコトで話を進めましょか、それにしてもいきなりの話ですから、ご本人やらご両親との最終調整も必要でしょう。では、今夜と明日の昼間までに、話をまとめてください。そしてその結果を、明日の晩、米村先生に直接、電話で伝えてください。先生、ずっと待っておられましたから。・・・と話をまとめて電話を切りました。次に、米村先生に直ぐに電話をかけ直して、この経緯を報告し・・・ そりゃええね じゃ、どうすればええですかねぇ 明日の晩、米村先生に電話を入れるように言いました じゃ、夕方かけるように言うて下さい 出れないこともあるから、5~6回はかけるように言うてください・・・で、ようやく、2ヶ月遅れながら本格的な治療のスタート地点の形ができたのでした。今、頑張って治療受けているはずです。この2ヶ月、米村先生、相当、やきもきされておられました。治療、上手くいきますように
2012年11月17日
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昨日の晩は、ボジョレーを堪能解禁日でしたからねフランスまで買い付けに行った方から頂きました~めちゃ美味しかったです色々とあって、リアルタイムで書けないし、敢えてタイムラグを作って書いておりますんで、時間は前後しちゃいますが。。。9月22日に書いた、「燃えてきた~」 の患者さんのその後です。米村先生のセカンドオピニオンを受けたのは9月上旬。患者さんを診た米村先生、今後の治療メニューを書いて、 これ、地元でやって貰ってください 11月には手術しましょうってコトだったんです。治療のメニューはDCS療法。TS-1 服用と併用して、静脈からタキソテール+シスプラチンを投与するものです。米村先生的には、11月には手術する気満々でしたが、いざ、地元の北海道に帰るとDCS療法を請け負っては貰えず・・・ならば、病気を見つけてくれた患者さんの実家である東北の病院でお願いすることになるまで、1ヶ月の時間が経過。予定は1ヶ月遅れです。これで、やっと治療が開始されるかと思いきや、いざ、東北の病院に行くと、体力の低下と、白血球減少を理由にメニュー変更を申し出られました。「話が違う」 ってなり、ご主人から電話がありました。どうしたら良いでしょうって。治療メニューに関しては量もありますから、やはり、文字で医師同士が確認しあうことが望ましいので、 そちらの先生には、お手数かけて申し訳ないのですが、 米村先生宛にFAXで問い合わせて頂いてください そうすれば、米村先生がそれに対してお返事しますからとアドバイスしたのです。その通りに話は進んだのですが、届いたFAXを見た米村先生、 もう任せるから、治療を早く始めてくれ 何もしない間に、手術できなくなると思ったらしい。もちろん、そんな言葉は使わず、「お任せします、早く治療開始してください」 と返したようです。この時点で、予定2ヶ月遅れ。ですが、更に届いたFAXが、これがまた治療に対して超が付く消極的内容。ガイドラインに無い治療内容であることは、請け負う前からわかっていた筈なのに、いざ施行となった時点で、院内で問題が生じたらしい。もう2ヶ月も治療予定が遅れているもんで、イライラした米村先生、患者さんのご主人に電話したらしい。 僕が治療するから、ここへ来ませんか って言おうと思って、さっき、電話したんやけど、出んのです まだ若いからね、このまま大した治療もせずに 死なせる訳にはいかん ・・・って何故か私に言われるんですよねぇ。しゃ~ないから わかりました、私がご主人に連絡取ります成り行きです。私ならメルアドもケータイ番号もわかりますからね。米村先生としては、もう、この時期、とっくに手術を終わらせている予定だったから、イライラ大爆発です。
2012年11月16日
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何があっても、多忙は変わらず。。。落ち込んでいる時間もない状況の中、やはり、アタシだって落ち込むし、泣くのですよそれでも、昨日も今日も、メール対応に追われてます。昨日の続きです。マサコさんの胃癌が判明したのは、2007年10月です。当時、ステージ1bとの診断です。3ヶ月毎に検査を受けていましたが、2年後に大腸転移・腹膜播種で再発したのでした。それから、米村先生の元に来られたんです。術後の食事困難を克服してからは、普通の生活を送っていたのです。元気そのものです。最後に私に届いたメールは、今年の6月下旬でした。 今日、外来だったんですが、 白血球が多すぎて、抗癌剤が出来なかったんです 米村先生が、今度、PET CT しよかって 私、そんなに悪いんでしょうか 米村先生に、私、死ぬんですかって 直球でアホな質問してしまいましたという内容でした。白血球の数は書いてなかったけど、これは炎症だな。。。でも、どこが炎症しているのかは、わからない。何が原因かも、これだけじゃわからない。だから米村先生、PET CT なんて言い出したんだろうと思いました。ですが敢えてこれは言わず、単なる定期検査の1つですよと答えました。腫瘍マーカーとか、他に問題は書かれていませんでしたし、実際、術後、1年、2年経つと経過を見る為にPET CT を撮るということは、良くある話。これで、たまたま初期の甲状腺癌が見つかった患者さんもいます。多くが何も問題なしですけどね。経過観察の為の検査ですから。実際に、マサコさんが PET CT を受けたのかならば、結果はどうだったのかこの報告は無いまま、数ヶ月が経過。。。そして、ご主人から 「殆ど寝たきり」とのメールだったのです。白血球が多すぎで治療を中断してから、どうやら、治療は滞っていた様子です。それまで実に順調だっただけに、治療中断せねばならなくなったのが、悔やまれます。ご主人の話によれば、8月に階段で転んだのだそうで、これを機に動けなくなり、殆ど寝たきり状態で、食事もままならなくなってしまったようです。人間というのは、動かなくなると、又は、動けなくなると、ありとあらゆる所が機能低下してしまって、悪循環に陥るものです。うちの父も、貧血で倒れてから脳挫傷を負い、抗癌剤治療も出来なくなり、動けなくなった途端、あれよあれよと癌が進行してしまいました。マサコさんの場合は、お若いだけにこのような心配は無用と思っていましたが、そうではなかったようです。不要になったから抜いたIVH用のポートを、栄養点滴の為に再度、埋め込む処置が行われました。点滴に頼ってでも、体力を回復させねば治療が出来ませんからね。この時、肺に水が溜まっている事がわかりました。この時点では胸膜転移であるのか、栄養失調からくる胸水なのか不明なまま、一先ず、胸水を抜きました。そのうちに気管支炎となり、それが肺炎に発展してしまったんです。肺炎が回復しないまま、旅立ちとなりました。 米村先生とのツーショット写真のような笑顔を 1日でも長くみることが出来たのは、 米村先生とひろりんさんのお陰です ありがとうございました との言葉が添えられて、訃報が届いたのでした。スキルス胃癌でも、再発からのスタートは、実際、かなり厳しい所からのスタートです。術後2年7ヶ月という時間は、現実的には良い治療成績に値します。ですが、これが3年でも5年でも、やはり短いと思ってしまいます。
2012年11月14日
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先月から現在に至るまで、懇意にしていた患者さんの訃報が相次いで届いていて、正直、相当な感じです。私でさえ、相当、気力失っている状態なので、辛い話なら今回のテーマはスルーを選択の方は、ここまでで1週間ほど前、あのマサコさんの訃報が届いたんです。このマサコさんのことは、「頑張れ!二人のマサコさん」と題して、2010年の春頃からシリーズ化して書いています。この2人のマサコさんは、2人共、スキルス胃癌の再発で同じ日に、2度目の手術を受けました。ですが、お1人のマサコさんは術後3ヶ月で他界となりました。残ったマサコさんの経過は、「頑張れ二人のマサコさん!一人になってしまったけれど」で書いてきました。この一人になってしまったマサコさんも、先週、マサコさんの元に逝ってしまいました。術後の2年と7ヶ月の間には、時々、精神的な不安に襲われるマサコさんから、メールが届きました。 ひろりんさぁ~ん、私、死んだりしませんよねってね。メールが届くのは体調が悪い時とか、検査結果が悪い時じゃないんです。たまたま見たテレビ番組で、癌患者が突然死んでしまったとかね。健康な人から見たら特に意味もなく、「明日、交通事故で死ぬかもしれない」 って考えて不安になるような感じでしょうか。癌という病気が、そうさせてしまうのでしょう。でも、そんなメールに返事をすると、必ず、 アホなことばかり考えちゃってダメですね すみません、お陰で元気になりましたこんな内容のメールが返ってきて不謹慎ですけど、私はこんなやり取りが大好きだったんですよね。2010年3月に受けた手術の後は、食事がどうにも困難で、高カロリー輸液の点滴に頼っていたり、凄い貧血で輸血を受けたこともありましたが、次第にどちらも不要なほど食事が摂れるようになりました。術後の体を労わってくれるご主人の手料理を 正直、主人の料理、美味しくないんですぅなんて贅沢なコト言ったりしてね。 「こらこら、そんな事言わないでありがたく頂きなさい」 なんて返したこともありました。マサコさんは、私にとって歳の離れた妹みたいな人でしたからね。術後の抗癌剤治療は、月に1度のカンプト。これを順調にこなしていました。何故か術後からずっと痛みを訴えていて、鎮痛剤は飲み続けていました。痛みって、検査で数値化できるものじゃないし、自己申告が唯一の指針だから、鎮痛剤の処方が続いていたみたいです。原因は不明なまま。とにかく、術後の食事の苦労が無くなってからの経過は、ずっと書いてきましたけど、普通に生活、普通に食事、普通に30代の女性です。大好きな焼肉を食べ、おしゃれも楽しみ、結婚記念日には奮発したディナー。抗癌剤治療こそは続いていましたけど、平穏な結婚生活を送ってました。時々届く、甘えん坊メールは微笑ましかったですし、逆に安心もできました。なのに。。。何故。。。。10月に入ってから、本当に久しぶりにご主人からメールが届きました。夏頃から、起き上がれなくなって殆ど寝たきりだと書かれていました。心底、驚きました。次回に
2012年11月13日
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昨日の続きです。患者さんを取り巻く環境が落ち着き、娘さんも出産を終えていよいよセカンドオピニオンの受診となりました。ここに至るまでは、一山、二山、三山くらいはあった模様です。娘さんの出産時にトラブルが発生したこと。結果的には、無事な出産になりましたけど、ご本人は大変だったはずです。普通ならこんな時、女性はヒステリックになりがちです。ホルモンバランスが崩れて、自分を見失うこともあるものです。ですが、彼女は自分のことは後回しで、一番に父親を思っていました。肝心の父親の説得には、手こずったようでしたねぇ。娘さんがいくら説明しても、「素人が何を言うか」 「ほんのちょっと聞いたくらいで何を知っているんだ」 という風だったようですよそもそも、なんでわざわざ、そんな遠くの病院に行かなければならないのかわっけわからん・・・って感じでねぇ。あれ、このパターン、前にもあったなぁ。。。そうそう、「覚悟が足りな~い」 で書いた虫垂癌の患者さん。娘の心親知らず・・・みたいなトコ、似てます。事実を所々、伏せているとこうなります。娘さんにすれば、余命のこととか絶対に言えないし、それでも、米村先生のセカンドオピニオンはどうしても受けて貰いたいし・・・で四苦八苦したようです。ようやく、何とか本人に首を縦に振らせたものの、当のご本人は、嫌々、渋々だったようですねぇ。データを借りるに当たり、ご本人は主治医に 娘がどうしてもって言ってきかないから、 仕方なく行って来ますが、 あちらで治療受ける気なんて、全くないですから また、ここでお世話になりますからと言って出てきたそうです。主治医が、「まぁ、まぁ、そう言わないで、娘さんも心配しているんだから」 となだめたくらい。だから娘さんは 「うちの父は、米村先生の手術なんて絶対無理だ」 と、この時、諦めたそうです。 ところがどっこい。当日、ご本人、米村先生の受診時に、生存率を含めて治療の奏功率等の説明を数字で説明を受けたようです。これ、米村先生にしては珍しいというか、私的には、「上出来じゃん」 って言うかちゃんとご本人にある程度の現実を理解して貰い、その上で、治療に臨ませる、戦う意欲を持って貰う、治療の選択をして貰う。。。これ、一番大事なポイント「現実を知る」 これは、「自分自身の」 です。データや情報じゃわからない、自分に当てはまる現実を知ることが大切です。こういった事実を受け止められる時期というのは、実は元気な時だけ。手立てが無くなってから、体力的に治療が難しくなってからでは、正直、遅いと思います。絵に描いた餅しか手に入らなくなってしまうから。で、こういった説明を米村先生から聞いたこの患者さん、 ここで治療をお願いしますに変わったらしく。。。娘さん、びっくり 「私、父に疎ましく思われていたみたいなんです。 一緒に住む兄に、こぼしたらしくて。。。 私が父を思って、一生懸命になることが、父には迷惑だなんて思ったら 泣けて仕方なかったんです 米村先生から話を聞くまでは、いくら私が言っても、 他人の話を聞いているみたいにしか、思ってなかったみたいです ようやく、米村先生から話を聞いて、その気になってくれました 厳しい現実が変わった訳じゃないけど、前に進めた気がします」と娘さん。これまた、過去の私そのもの。真実が言えないばかりに、父からは 「余計なことをして、先生を怒らせてしまったじゃないか どうしてくれるんだ」と怒られましたからね。唇噛んで耐えたけど、何故、わかってくれないのって、私も泣きましたっけ。何をどう選択するのも、ご本人の権利で自由だけど、現実を知らないままの選択が幸か不幸か・・・これも人それぞれ。この患者さん、新たなスッテップに踏み出しました
2012年11月07日
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このところ、切羽詰った状況連絡が、次から次へと舞い込んでおります。ひろりんの心は、あっちへ飛び、こっちへ飛び・・・でして・・・更新もままならない状況ですが、私の方は元気ですのでご心配なく。忘れた頃に出るような咳が残ってはいますが、風邪も大丈夫そうです。本日は、また別の胃癌・腹膜播種(60代・男性)の患者さんの話です。この患者さん、胃潰瘍から胃癌が見つかっています。これ、時々あるパターンです。胃潰瘍を繰り返すうちに癌になったとか、胃潰瘍だと思われていたけど、胃潰瘍の原因はストレスだけでなく、実は癌だったとか。この患者さんの場合、腫瘍マーカーのCEAは正常値だったのですが、CA19-9の方が100を越えていて、それが130170に上がったことから、手術となりました。術前に胃壁が厚くなっているとの指摘を受けたようです。これは、スキルス胃癌にありがちな状態です。普通の胃癌なら、塊となって大きくなるので、その癌の塊を念のため大きめに切除すれば、完治する可能性が大です。ですが、スキルス胃癌は胃壁に向かって浸潤していき、故に胃壁が厚くなっていくのです。進行すれば胃壁全体に癌が広がり、胃自体がスキルスの言葉の意味通り、硬くなっていく、胃が狭窄する等の状況になります。浸潤していくが故に、癌が胃より下にこぼれ落ちてしまい、落ちた先に居つくのです。これが、腹膜播種です。この患者さん、手術時に、目視レベルの腹膜転移が見つかり、ステージ4と断定されました。胃は今後の食事面を考慮したものと思われる、2/3切除に留まりました。慌てたのは、ご家族です。いきなりステージ4の胃癌ですからね。息子さんと娘さんがおられるようですが、この娘さんから相談メールが届いたのが今年の8月でした。娘さん、ご自身の出産を間近に控えた状態でした。娘さんの状態も考慮して、先ず、慌てず術後の病理検査の結果を待つことを伝えました。そして、術後1ヶ月頃から抗癌剤治療を開始するのが通例だから、その治療を1~2クール受けてからでもセカンドオピニオンは遅くはないこと。それまでに、ゆっくりお父さんを説得すれば良いこと等を伝えました。その間、出産もできます。調べれば、調べるほど落ち込み、娘さんの焦っておられる様子はヒシヒシと伝わって参りましたけど、患者さんは手術を終えたばかりでした。焦っても仕方ないですし、この娘さんご自身のお体、これから生まれる新たな命も守らねばなりませんからね。私は医者じゃないので、こういったご家庭それぞれが抱える環境や、立場、全てのものを加味して最善を探るようにしています。「無理」 って一瞬なら誰でもできますが、その無理が息切れしてしまうと、一番辛くなるのは患者さん本人です。「続けられる無理」 「持久力のある無理」 じゃなければしてはいけないって思うんです。次回に
2012年11月06日
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先日の続きです。この患者さんの奥さんから頂いたメールによると、私のアドバイス通りに地元での受け入れ病院を探すも大きな病院は全て、「紹介状がないと受け入れられない」と断られたんだそうです。多くの方が、「病院なんて沢山あるんだから、どこでも好きな病院を選ぶことが出来る」 と思っていますけど、それは、「元気」 というと語弊がありますが、元気な患者さんや、治療を施して明らかな改善が見込める患者さんだけです。健康保険診療が、今、どんだけシビアで厳しくなっていることか。。。年間3900億円もの赤字状態ですよ。患者さん=お客さん が病院のはずなのに、健康保険診療においては必ずしもそうではないんです。患者さんが溢れかえっている病院が、何故に赤字なのか不思議でしょ。全国各地から絶えず癌患者さんが訪れる、癌の聖地とも言える病院ですら、赤字、赤字で、ついに独立行政法人化されたほどです。病状が進んだ患者さんは、特に人手を必要とします。病院にすれば、元気な患者さんなら1人のナースで賄えるところ、病状が進めば3人も4人ものナースを必要とします。それでも、入る保険診療代は元気な患者さんとさほど変わらない。となれば、病院とすれば元気な患者さんなら診るけど、そうでない患者さんを抱えると下手すれば赤字転落となってしまう。だから、診たがらない。。。実際、こんな背景があるから、癌という病気はいざとなった時、いよいよとなった時、難民と化してしまうことがあるんです。私も父の時に散々苦労しましたけど、この奥さんも同じ苦労をしたようでした。病人なのにですよ、病院に受け入れて貰えないという事実は、心底、辛かったです。父の場合は、病院探しに躍起になっている時に、患者本人に感染症が見つかり、人道的立場から転院させられないとの判断が下り、そのまま置いて貰いましたけど。。。行く場がなくて、立ち往生していたことは確かです。父が治療を受けていた病院が、地元であれば、「サテライト」と称して紹介してくれる病院はありました。ですが、ここは地元からは遠かった。。。だから、自分で探すしか無かったのです。この患者さんの場合も同様で、抗癌剤治療を受けていた病院は地元ではないから、自分で探したのです。たまたま、本当にたまたま耳にした評判の良いペインクリニックに、ダメもとで電話を入れたら、引き受けてくれたのだそうです。縁もゆかりもない、見ず知らずの病院だったそうですが、お願いすることにしたのでした。そこに至るまでのご心痛を思うと、過去が蘇り、胸が痛みました。このクリニックに到着したのが、この日の夕方でここで1泊入院。翌日、紹介して貰った総合病院の泌尿器科で尿管ステント挿入すると、みるみるうちに大量の尿が出てきて、高かったクレアチニンの数値もどんどん下がってきました。この総合病院はあくまでも、緊急避難的な役割を請け負ってくれただけなので、腎機能が落ち着けば退院しなければなりませんが、その後は、体力回復するまで、あのペインクリニックでお世話になる予定ですとメールにありました。こんな緩和ケアを基本とする病院が、実は、本当にいざとなった時に先進医療とか、先端医療なんかよりずっと助かるものなんです。なのに、脚光を浴びることはなく、名医とか、権威として医師の名前が上がることもない。もっと光が当たって良いポジションなのに・・って思います。何はともあれ、ドタバタしましたけど道筋が付いてホッとしたのでした。
2012年11月01日
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