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今日書く患者さんは40代・男性です。過去のブログを読んでいる方は、ご存知でしょうか、やんちゃさんの話です。2007年11月のある日、胃に激痛が走り病院に行くと胃穿孔が判明。その穴を塞ぐ為の緊急手術が行われました。緊急手術の後、胃癌であることが判明。年が明けた2008年1月に、胃癌の手術が行われました。前回の手術は、胃に空いた穴を塞いだだけですからね。その後の病理検査で、癌が見つかったので、胃の定型手術が行われたのでした。ところが、この時に腹膜播種が認められ、手術不能となりそのまま閉じることになったのです。この時、告げられた余命は3ヶ月。奥さんは嘆き悲しみながらも、何とか命を繋げられないかと必死にネット検索を始めます。そこで、私のブログがヒットしたんですねぇ。相談メールが届き、私もた・ぶ・んですが、直ぐにお返事したと思います。(直ぐに返事できることが少ないので、私の都合の良い記憶かもですけども)電話でもお話しましたねぇ。電話口で泣き出す奥さんを、励ました覚えがあります。その後、米村先生の元へ来られ、腹腔内化学療法を経て、胃癌の定型手術及び、腹膜切除+術中温熱療法を行ったのが、4年前、2008年の5月だったんです。米村先生を批判する医師の中には、「奇異な手術」「危険きわまりない手術」とか称する人もいる、あの手術そのものですよん。やんちゃさん、何がなんだかよ~わからんまま走り出し、手術にこぎつけたという感じでした。本人は、余命3ヶ月って言われたことなど、露知らずでね。やんちゃさんは自営業者であり、社長さんです。やんちゃさんの身に何かあれば、会社は倒産の憂き目に会いかねません。お子さんはまだ高校生と中学生です。今のうちに、売れるうちに会社は売った方が良いのでは?と進言する人もいたほど、大変な状況にドボンと落ちたことなど本人は知らず・・でした。前が全く見えないまま、手術の日を迎え、順調に回復。こんな大きな手術を受けた後だと言うのに、退院の迎えにいくと言う奥さんを頑固に断り、一人で新幹線に乗って帰るわ、途中下車して、息子さんの野球の試合なんか見に行くわ。。。これにはホント、驚きましたよ。更に驚いたのは、この術後の病理検査でどこからも癌が検出されなかったこと。私だけじゃないですよ、驚いたのはね。米村先生も驚き、前の病院から、改めてデータを取り寄せたほどです。間違いなく、腹膜播種だったと再確認したくらいですからねぇ。また更に驚いたのは、この後、しばらくして奥さんから届いた相談メール・・・って言うか、「困ってます」メールの内容が、お酒を飲みすぎて困るというもの。。。えっえ~普通ですよ、胃を全摘して、尚且つ、腹膜切除まで受けていて、もっと尚且つ、術中温熱療法まで受けている胃癌患者さんって言うのは、「食べる」「飲む」の苦労がつき物なんです。だから、いくらお酒が好きであっても、「呑んだくれる」 ほど、飲みたくても飲めないつーの「ホントに米村先生、胃を切ったんかいな」 って思うくらいです。 これに対する米村先生のコメントは、過去に書きましたけど、 安い酒を買って来て、飲ませれば良いんですわ まずい酒なら、沢山は飲めないから あっはははは・・・(これって、問題の対策になるんだろか)手術から4年が経過して、今、やんちゃさんはどうしてるかと言えば、タバコは吸う、酒は飲む、趣味の釣りで遠くまで出かける。。。奥さんから、「元気です」メールって言うよりも、「呆れてます」メールがつい先日、届きました。で「タバコやめなさい」「お酒、飲みすぎです」「もっと体を大切に」と、口煩く言うてはケンカに発展しちゃうこともあるみたい。これって、どこの家庭でもある話ですよね。とっても胃癌患者さんのご家庭とは思えないんですけぉ。。。奥さんからは、 あの辛い日のことを忘れずに、 米村先生とひろりんさんへの感謝の気持ちを忘れずにいたいと思ってますって書かれてました。
2012年05月30日
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お休みを頂いておりましたが、お陰様で、つつがなく27日、28日と祖母の葬儀を終えました。常に私は裏方を頼まれる立場となり、受付の裏で香典の整理なんぞしておりました。祖母も98歳ともなれば、子沢山とは言え、子供らも皆、還暦を過ぎ、現役から遠ざかって時間がかなり経っていることもあり、集まって下さった方々は、ご近所と親族ってなものでした。ではありますが、何せ祖母は子沢山。私を含め沢山の孫、その子供達で、親族だけのひっそり感など全くなく、賑やかでしたね。昨年の5月、祖母の6番目の子供(娘)が70歳で肺癌で他界しました。祖母の命日とは4日のズレがあったにも関わらず、葬儀の日程は同じという奇遇。丁度、昨年の5月27日、28日はこの叔母の葬儀だったのだと気付いた時は、何か見えない糸を感じました。それはさておき。。。弔問に来られていた70過ぎの男性と、たまたま、斎場での待ち時間に同じテーブルになりました。親戚の親戚は、親戚だ~みたいな関係の方で、私は面識なし。この方どなた?って具合。この方、ご自分から、胃癌であることを話しはじめましてね。4年半前に胃の全摘手術を受けたこと、それも、なんだかすごく特別な内容の手術をしてくれたお陰で、食事の苦労もなく、痩せることもなく、元気に今に至るのだと、自慢げに嬉しそうに話されるんです。しかし、よくよく聞くと、別に特別な内容の手術でもなく、ここは、「それ、特に珍しくも何ともないですから~」 って突っ込みいれるトコだったかしらん。それに、隣に座っていた奥さんの話を加えると、本当は当時5キロは痩せたそうで。。。ご本人、悪いことは頭の中から消去しているみたい。奥さんから言われても、ってな顔をしておられる。患者さん本人の話って言うのは、多少割り引いてきかないと真実は見えないもんだなぁとか思ったりして。。。癌って言っても、細胞の種類によって余後は大きく分かれる訳ですけども、そういった詳細は「退院後に、分厚いカルテをくれたんですよ~」 って、自分は特別な患者と言いたげに、これまた嬉しそうに言う割に、何も知ってはおられない。折角、そこまでしてくれたのなら、ちゃんと読めば良いのにとか思う私。自分の体のことでしょ?「読んでもわからない」、「やたらと難しい」 内容でも、目を通して知ろうする気持ちは必要なんじゃないでしょか。わからなくても、ド素人でも自分の体は、結局は自分で責任を負うことになるのだし・・・まぁ、胃癌で全摘というならば、早期胃癌ではないコトは確かな訳だし、術後、4年半経っていて元気なんだから、それは喜ばしいことですけどね。ですが、ですが。。。私にとっては、この後がいけなかった。この方の主治医というのが、父が最初にお世話になった、あのM医師。名前を聞いた途端、怒りの感情がフツフツと。。。(私の前で、この名前を出すとはケンカ売っとんのか)みたいな。。。11年前のコトではありますが、あの時の怒りは今も尚、健在だったんだなぁ。。。言い換えれば、M医師がいたから、その反発から米村先生と出会い、その後、「ひろりん」 生まれたわけなんですよね。今では多く方から感謝されるようになっていて、「米村先生もひろりんさんも、いてくれないと困ります!!」 と言うて下さる方が実に多くてですねぇ。。。M医師との出会いだけでは、ただ憎しみと悲しみを持て余した、1患者家族というか1患者遺族に終わっていたでしょう。それが、米村先生と出会い、「ひろりん」 が生まれた訳で、災い転じて何とやら。。。なんでしょうかねぇ、これも次回は、スキルス胃癌・腹膜播種で米村先生の手術を受けて4年経過患者さんの近況を書こうかと思ってます。こちらのデータは、ちゃんと把握してますんで
2012年05月29日
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これまで何度かここに、手術連絡待ち患者さんの話を書いてます。常にベッドが満床なことや、米村先生の場合、突然、 来週○日に手術だからね、前日に入院して下さい なんて電話を寄越すパターンが実に多いことも書いてます。ですから、手術連絡待ち患者さんは、「ああそうなのか、そういうものなのね」 って思っていて、気長に待っておられます。そんな患者さんのご家族から、1週間くらい前かなメールが届きました。何でも、米村先生から5月10日以降に手術日程の連絡をすると言われたとか。でも、未だ電話がこないのだと。まぁ、そんなものだと思ってはいたけれど、ボチボチ、抗癌剤治療を止めて1ヶ月が経とうとしている訳で、そのお陰で患者さん自身は、食欲はあるわ、元気に動き回っているわ・・・これは嬉しいコトではあるけれど、抗癌剤治療を止めていると、その間に癌が進行しちゃうんじゃなかろか抗癌剤が抜けて元気なのは良いけれど、癌の進行は心配な訳で・・・どうすれば良いでしょうという内容のメールだったんですねぇ。これは良くあることだけど、まぁ、念の為、米村先生に確認してみっか・・・で、電話を入れたところ、 丁度良かった、今朝、2回電話入れたんやけどぉ、 繋がらんのですわ どこか変なとこに、繋がってしまうんです 連絡先、知りませんかと逆に質問されてしまう。。。へっどーゆーコトそれで私も以前、お聞きしていた患者さんのお宅に電話を入れてみる。 ○○さんのお宅ですか いえ、違います、ここは会社ですよ すみません、間違えましたおかしいな、間違えたかなで、今度は間違えないように、気をつけて電話番号をプッシュ。にも関わらず、また、 先ほども言いましたけど、ここ、会社なんですえっ~えっ~慌てて過去のメールを探し出し、他にケータイ番号とか書いてなかったかを探しまくる。すると、メールをやりとりしている娘さんのケータイ番号を見つけました。急いで、また電話を入れる。これまでの経緯を話し、患者さんのお宅の電話番号を確認してみるとぉ。。。市外局番が一つ違ってたんです。焦ったのは娘さんです。 「すみません、すみません」 の大連発 この患者さんの場合、静岡の病院に通院して治療を受けています。手術は、大阪の病院で行うので、手術前に1度、大阪の病院に来院して頂き、そこで電子カルテが作成されます。この時に手違いがあったようで。。。米村先生いわく、「電話しても繋がらない」状態だったそうな。で、米村先生にはメールで正しい番号を送り、娘さんにも病院に電話を入れるように伝え。。。一先ず、一件落着、めでたし、めでたし スキルス胃癌の患者さんです、手術、がんばって貰わねば!!
2012年05月25日
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先日に続く、祖母の話です。長男の叔父が、全面的に面倒をみていましたけど、使ったお金は実に莫大。ちょっとした土地付の家が買えるほどです。経済力のある叔父だから、一人で抱え込んだ経済的負担でしたが、そんな叔父は、築40年以上の家に住み、25年以上も同じ車に乗ってます。(これはこれで凄いことで、昔、日産の方から博物館に頂けないでしょうか・・・なんて話があったくらいです)日頃使う車は、軽トラでしたけどね。自分の贅沢はぐっと抑えて、時にプチ贅沢をしてきた十数年ってところでしょうか。。。その叔父はよく 「お袋を見送るまでは死ねない」 「お袋を見送っても、どこまで法事がやってやれるか」 と言ってました。 この叔父も、もう70代半ばを過ぎてますからね。私が言うのもナンですけども、あの祖母の状態で、状態が急変した半月余りの時間で3枚ものレントゲン写真を撮る必要はないんじゃないだろか。。。医師ならば・・・って言うか、医師じゃなくても浮腫みきった体を見て、排尿量をみれば腎機能の著しい低下なんてわかるから、これはイコール危篤。肺に大量の水が溜まっているなんてことは、聴診器を当てれば・・当てなくても胸に耳を当ててもわかることだし、どんなに大量の酸素を送っても取り込めないことくらい、私だってわかる。レントゲンなんて撮らなくても良いんじゃないだろか。健康保険は逼迫財政なのに。。。なんて思ってしまったのでした。こういった検査は、確実に病院にとっては利益に繋がるから、こういった病院を維持する為にも、家族に納得して貰う為にも必要なんだろうけども。結局、しわ寄せは健康保険の赤字を増やすだけで、どんどん医療は厳しくなっていくわけで・・・祖母は、結構長い時期、家でお嫁さんに面倒をみて貰ってました。食事も下の世話も、お嫁さんが全部やってました。昼も夜もなく、騒ぎだす祖母にはかなり参っていたようです。それがある時、恐怖心にかられた祖母は、近くにあったハンガーをお嫁さんに投げつけてしまい、お嫁さんが軽い怪我をしてしまいましてね。これを機に、もう限界となり、施設にお願いすることにしたのです。だから、こういう施設は家族にとって必要な施設で、成り立って貰わねばなりません。健康な人が倒れてしまいます。とどのつまり、こういった省ける筈の医療費が、誰かを助け、そして皮肉にも誰かを苦しめているんでしょう。。。菩提寺のご住職の都合で、葬儀日程は27日通夜、28日告別式となりました。週明けは私もドタバタです。土曜日までは出来る限りの対応と、更新は致しますが、この葬儀の2日間ほど、お休みをくださいませ。
2012年05月24日
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今日は癌とは全く無関係、私事の内容となります。昨日、母方の祖母が98歳の大往生を遂げました。4~5日前から「危ない」との報告を受けていて、母や叔母、叔父達が入れ替わり立ち代わり、見舞いに訪れていました。見舞いに行った叔母や母の話を聞くと「いよいよ危ない」「持ち直したみたい」と見解がバラバラ。。。入院している病院は隣町にあるので、昨日の午後、母と叔母を連れて見舞いに行ったのです。午前中にレントゲンを撮ったと言うので、その結果を見せて貰いました。ここ半月、この日を含めて3枚のレントゲン写真を見せて貰いました。担当してくれたのは、若い女医さんでおそらく研修医では?と思われる医師でした。この半月あまりで、画像は、(肋骨が全く見えない)真っ白になっているので、かなり病状が悪化しています、覚悟してください・・・との説明。。「酸素飽和度は?」「この真っ白な影は、単に炎症だけではなく胸水ですか?」「あの状態をみると、もう腎不全状態ですよね?」と確認だけさせて頂いて、いよいよ危ないことを悟ったのでした。しばらく病院にいたけど、夕方、家に戻り、2時間としないうちに「訃報」の電話がありましてね。大好きだった祖母が、旅立ったのでした。旅立ったというよりも、やっと旅立てた・・・という感じです。祖母はこの療養型病院に4年いました。その前には、市内の病院で何年もの間ギリギリ許されるまで入院していました。「ぽっくり逝きたい、ボケたり寝たきりになったら家族が大変だから」って常に言っていた祖母は、実に十数年、ボケて寝たきりだったんです。だから、やっと旅立てたんです。。。私は沢山いる孫の中でも、1番、2番を争うほど、祖母に可愛がられていて、大人になってからは頼られてもいて特別な存在でした。嫁さんの愚痴を言うこともあり、迎えに来て欲しいと頼みごとをされたり・・・祖母にとって私は 「ひろりんちゃんだから言える、頼める」 という存在だったようで仲良しでした。だからこそ私は思うんです 「やっと逝けたね」と。この話、もう1回だけ書かせてくださいませ
2012年05月22日
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割と最近届いた、偽粘液腫の患者さんからの相談メールに、「ローグレード」 という言葉がありました。当初、「卵巣腫瘍の摘出」 の為の手術だったのですが、開いて見ておやってことになりましてね。卵巣腫瘍なのに何故、虫垂が腫れとるん何故、大網に癌らしき物が存在するん・・・で術後の病理で、腹膜偽粘液腫と診断が下りたばかりの30代の女性患者さんのご主人からのメールでした。ご主人、無我夢中でネット検索する中でこのブログがヒットしたらしく、ひろりん誰やこれ何か怪しい人ちゃうんネットの世界やで、騙されまへんで俺は・・・って思ったのかどうかは定かではありませんが。。。で、右も左もわからないままメールが届き、主治医からの言葉に「ローグレード」という言葉があった事だけは記憶にあったそうな。「ローグレード」低分化のコトすみません、知識不足の私には耳慣れない言葉でして、こーゆー時は、米村先生に聞いてみよ・・・と電話を入れました。米村先生、私用にレベルを落として説明してくれました。 ローグレードとハイグレードがあって、新しい区分けですわ ローグレードって低分化って意味かと思ったんですが いや違います、低分化、高分化ではないです ローグレードよりは、ハイグレードの方が良い癌やね というのも、ハイグレードの方が完全切除しやすいんですわ でも、取り残せば再発率は3割あるから、 ハイグレードでも、5年生存率となると70%やね ローグレードの方は、完全切除が難しいんですわ 難しい細胞なんやけど、完全切除ができれば 再発率は1割くらいだから、5年生存率90%なんですわ まぁ、どちらも完全切除ができなくて、再発すれば同じやけどね~ と、これは米村先生のデータからのご見解だと受け止めています。何れにせよ、完全切除が不可欠ということ。完全切除できない場合というのは、切除するには大変な箇所に腫瘍が存在しているとか、あまりにも腫瘍が大き過ぎて切除しきれないとか、もしくは、臓器に浸潤してしまっていて臓器ごとの切除が難しいとか・・・もしくは、目視できないサイズの腫瘍が、どこかでかくれんぼしていたとか・・・長々と米村先生にご教授を頂きながら、この患者さんの状態も伝えて更に説明を受けていたら・・・ 切れますと突然言われる えっ この患者さんの場合、完全切除できるという意味ですか いえ、電池が切れます、電話切れます・・・って。。。電池切れで話が終わったのでした。まぁ、突然電話が切れて、かけ直して繋がらなくても、「まっ、いっか」 で終わらせるアタシもいい加減なヤツだけど、こういうコトはよくあるコトでしたから、電池切れサインを伝えてくれるようになっただけ、米村先生も進歩かな
2012年05月20日
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私の場合はこのブログの題名通り、本来はスキルス胃癌患者さんのみ対象にサポート活動を行っておりました。それが、米村先生が病院を移られ、それまでの「胃外科」「消化器外科」となり、大腸癌の患者さんともお付き合いするようになりました。まぁ、「腹膜播種」 であれば性質の違いこそあれ、ほぼ同じなので 「まっいっか」 ってな具合です。それが 「腹膜播種」 つながりで、子宮癌、卵巣癌、腹膜癌、乳癌・・・とお付き合いの幅が広がりました。広がったとは言え、正直言うと、これらの癌は胃癌や大腸癌とは私からみると全く違っていてわからないことだらけです。これらの癌に加え、今度は米村豊繋がりで、腹膜偽粘液腫の患者さんからも多数、相談メールが届くようになりましてねぇ。。。最初のうちは、米村先生への単なる橋渡しだったんですが、ご家族はともかく、患者さんご本人とお付き合いするうちに、仲良くなるうちに、こりゃアタシも勉強せねば!!って状況になりました。だって、ずっと仲良くしていきたいもん本題に戻ります。アヤコさん、怒涛の2011年が過ぎ、2012年に入り2月に米村先生の定期外来となりました。アヤコさんの場合、半年に1度の外来です。女性患者さんの場合、手術時に卵巣も子宮も切除するので、お若くても更年期障害が早々に訪れる可能性が出てきます。それを防ぐ目的で、女性ホルモン注射の必要が出てくる場合があります。この女性ホルモンの注射ですが、女性ホルモンを注射すると乳癌になるリスクが出てくると言われています。ですので、むやみやたらにはお薦めできないのですが、アヤコさんの場合は30代であること、骨の強化の為にもホルモン注射をしています。ところがアヤコさん、この2月の外来で、「問題なし、次回の外来は8月」 と言われたのですが、ナント翌日に腸閉塞を起こしてしまいました。婦人科でお世話になっている大学病院に行って、そのまま入院です。腸閉塞を起こすと、「絶食、もしくは絶飲食で様子をみる」 が基本なんです。だから食事が出来ない・・となると点滴で栄養を補給するしかなく、自宅で点滴ができるならば、入院の必要はないんですが、長期間というのならばともかく、短期間でなんで1週間程度の入院・・・ってことになったようです。「入院」 って言うとすんごぉく大げさですが、家で点滴が出来ないから、絶食せないかんから・・・ですからね。あと、つまみ食いできない、盗み食いできないってコトもあるかな。アヤコさんって食い意地が張っているんだぁ・・・なんて思わないで下さいね。ちゃいますからね~、ホントですよ~検査の結果、手術の癒着による「サブイレウス」 (イレウスって腸閉塞のこと)でした。手術を受けると、必ず、癒着を起こします。この癒着を出来る限り防ぐには、術後早々のリハビリです。切って痛いけど、「歩け、歩け」 って言われるのは、この為。それでも、完全には防げませんからね。1週間の入院の後、退院。腸閉塞は治まったものの、翌月の3月には胃が不調。。。 内視鏡検査を受けるも、特に問題もなし。CTを撮ると、何か怪しい影があって、これ再発かもしれないと大学病院の医師に言われたとか。。。更年期障害から来ているのかも去年、色んなことがあったから、ストレスからきているのかもまさか。。。もう再発・・・って近況と不安が入り混じったメールが届いたのが、今年の春でした。万万が一、再発で胃が不調ならば、胃の裏側に腫瘍がこびりつくので、内視鏡検査ではわからないこと、それと、アヤコさんの場合は、まだまだ再発の心配は要らないだろうと思うって事を伝えました。で、つい先日、予定外の米村先生の受診となりました。 沢山の外来患者さんがいらっしゃっているのに、 入れて貰って、申し訳なかったです・・・ってアヤコさん。事前に米村先生には、この点は伝えておりまして、 今度の外来に来るんでしょ なら、MRI やりますわ、それでわかるから 来て貰えばええわって言うてました。それで、そのMRI検査の結果、「再発ちゃうで」 との診断。CT画像に写った影は、横隔膜を切除しているからその痕跡だろうとのこと。 行って良かったですとアヤコさん。癌なんて病気になると、ちょっとした不調でも何でもかんでも「癌」のせいって思ってしまいますけど、癌とは全く無縁で不調になることもあら~なって感じかな。今年の夏休みは、お子さん達と楽しく忙しく過ごしてくださいませ
2012年05月19日
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この偽粘液腫というのは、病名ではなく症候群を指す言葉なのですけども、敢えて病名として書きますね。稀な病気なだけに、世界標準とかガイドラインというものが無いんです。ですから、分類にしても規定が設けられているわけじゃなくて、たまたま多くの患者症例を持つ医師や病院が、こんな風に区分けしてますよ~程度なのですが。。。どの癌にも当てはまりますが、悪性度に違いがあります。アヤコさんの場合は、境界型悪性っていうヤツで、粘液はあったものの細胞自体は見あたらなかったという、偽粘液腫の中でも悪性度が低いタイプです。高悪性の場合は、細胞が沢山含まれていて、尚且つ、細胞同士が重なり合っていて、増殖力が強いんです。良性腫瘍だったものが、いつしか悪性化してしまう場合もあるので、楽観こそはできませんけども、本来、進行が遅いのが特徴の病気でもあります。アヤコさん、地元での手術に加え、同じ年に米村先生の手術も受け、体力的にはヘロヘロでも仕方ない年に、更に、追い討ちで義理の弟さんのスキルス胃癌判明となり。。。 凄く凄く辛かったぞ~ いっぱい、いっぱい泣いたぞ~アヤコさんにとっては、こういう年だったんですよね、去年は。アヤコさんが義理の弟さんの病状を知った時は、残念ながらもう打つ手がありませんでした。というのも、何年か前に戸籍上は他人になっていたからなんです。命が危ぶまれる状況に陥り、最後に離れて暮らす幼い子供に会わせたいという、このスキルス胃癌の患者さんのご両親の願いから現状を知る事となったんです。そこには、入院生活を余儀なくされ、それでも、体力が回復すれば抗癌剤治療を望むご家族と患者さんの姿がありました。手立てはなく、抗癌剤治療は更に命を縮めてしまうのではないか?と思われる状況にまで、病状は進んでいたのです。一進一退の日々が続きました。病室でじっとしていられなくなったご両親は、無駄骨でも良いからセカンドオピニオンをと切望されましてね。それで急遽、米村先生に時間を頂戴したんです。 患者さんの命はもう、どうにも出来ないところまできています ですが、残されたご家族の心を救って頂けないでしょうか 時間が無さそうなんです、即、お願いしますと電話を入れると 良いですよ、それも医者の仕事ですと快諾してくれました。過去にもこういったケースは何度もありました。米村先生の元を訪れることで、米村先生が対峙することで、救われる 「心」 がありますからね。これを医療とは呼ばないのでしょうけど、そういう医者がいても良いんじゃないかって思ってます。米村先生の外来は常に予約を入れても2~3時間待ちは普通で、患者さんは溢れ返ってます。手術待ち患者さんも、たっくさんいます。それでも即、快諾してくれるから、これが米村先生の良いトコです。普段は、ハチャメチャなボケとツッコミしてますけど、一応、やることはやってます米村先生のセカンドオピニオンの後、1度だけ、抗癌剤が投与されましたが、間も無く旅立たれました。治療が本人の希望だったのだから、誰にも後悔はありません。ご両親からもお礼の言葉が、アヤコさんを通じて届きました。訃報と共に届くお礼の言葉は、何と表現して良いのか。。。満足感なんていうものは一切なく、ただ私なりの役目を果たしたというか、終えたというか・・・米村先生に報告を入れると、 残念やったねぇ。。と。。。毎度のことながら、一体なんなんでしょうねぇ。。。この何ともいえない思いは。アヤコさん、大丈夫かな。。。また次回に続く
2012年05月16日
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私の方が学ぶべきモノを持っている患者さんって、アヤコさんをご紹介してますが、そう書くと、「えっ~私はぁ?」 って思っちゃう患者さんがおられるといけないので、この点は弁解しちゃいますけど、他にもそう思っている患者さん方は沢山います。爪のアカ飲まなきゃってなくらい、尊敬に値する方が実に多いです。米村先生の手術を終えて、順調に回復して、2週間の入院で退院したアヤコさんでしたが、約3ヶ月後のある晩に、酷い腹痛に見舞われました。それで、夜10時過ぎに電話があったんですよ。 いつもお世話になっております、アヤコの連れですとアヤコさんのご主人から。それがねぇ、ほら、お笑い芸人の 「麒麟」 っているでしょう。イイ男を連想させる声の方。。。(ごめんなさい、名前わからん)あの声と良く似ていてですねぇ、ついイケメンを想像してしまう私しっぶ~い、かっくいい~・・・話がぶっとんでしまった。そうじゃなくてぇ、アヤコさんがピンチだった訳ですよ。こういう緊急電話って、私には珍しくなく、こーゆー場合、直ぐに疑うのは 「腸閉塞」。「吐き気はありますか?」「実際に吐いてますか?吐いているとすれば、どのようなモノでしょうか?」「お腹の張りは感じてますか?」「便は出てますか?」「発熱はありますか?」等々・・・質問をする訳ですよ。腸閉塞やら胆管狭窄やら、感染症やら膀胱炎やらを想像しながら質問するんです。吐き気なし、発熱なし、ただ腹痛でうずくまっていると言います。食後に痛むのであれば、腸が動いての痛みだと考えられます。術後3ヶ月経っているけど、癒着による痛みも考えられるし、腸が部分的に動きが悪くなって便が詰まっている箇所があって、それが押し出されようとして痛いのかもしれないしぃ・・・聞く限りでは、さほど心配無用と思ったのですが、やはり、話だけじゃわからないしぃ・・で、上記の件が考えられること、心配要らないと思うけど痛くて眠れないじゃ困るし、夜間でも見てくれるなら、病院に行ってみてくださいと伝えました。それで、夜間救急外来に行って、鎮痛剤貰って帰ってきたようです。その後、治まったって言うから、やっぱ心配無用だったみたい。術後、一時的に腸が麻痺して、腸閉塞もどきになったりすることはありますからね。体調は少しずつ落ち着いて、また穏やかな平常が戻ってきて、めでたしめでたし・・・になったと思ったら、今度は、またアヤコさんに辛い試練がやってきちゃいましてねぇ。。。今回は体ではなく、精神的な試練です。丁度私が、長崎に旅行に行っていた頃です。長崎から何度かメール送信した覚えがあります。放ってはおけません、だって、今度は義理の弟さん(30代)にスキルス胃癌の末期がわかったと言うんですから。これこそ、私の出番ってなもんですもん。こっちなら、ほぼわかります。悲しいかな、わかってしまうって言うか。。。でも、どんなモノでも例外は付き物だから。。。って思いながら、メールを繰り返したのでした。アヤコさんにとっても、新たな苦しい、辛い時でした。何故なら、単に身内の不幸事というだけでなく、否応なく、「30代の死」 を考えなきゃいけなくなったから。ご自分に当てはめて考えてしまうから、目の当たりにしてしまうから。どれだけ苦しい時だったか。。。彼女の心も心配でした。また次回に。
2012年05月14日
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このブログでは、米村先生のコトをまぁ自分で言うのもナンですけども、ハチャメチャに書いてて、そのうち米村先生から 「名誉毀損」 で訴えられるんじゃなかろかってコトを懸念してですね、米村先生には正直に 米村先生の悪口を一杯書いてますから、見ないでくださいねと言ってありますこれで我が身は安泰、大丈夫でしょう患者さんサイドからは、何人かの患者さんからは 「大阪人にはアレが面白いんですよ~、家族揃って笑わせて貰ってます」という感想が届くし、またご家族からも「米村先生とはセカンドオピニオンと手術前に会っただけ。入院中の回診も風のようですし・・・それでも、ひろりんさんのブログを読んでいると、とても先生が身近に感じられて、先生のことは凄く信頼しているんです」という感想が届いたりで。。どーゆー訳か米村ポイントが上がっとるやん 今日は過去にも書いた事がある、偽粘液腫の患者さんの話を。30代の女性で、アヤコさんって言います。性格は、あやちゃんママ(30代・偽粘液腫)と似ています。私からみるとこのお二人、私の方が学ぶべきモノを持っている女性です。地元の大学病院で卵巣腫瘍が見つかったのが、2011年3月です。翌月に手術したら、「境界型悪性偽粘液腫」ということが病理で判明しました。私にメールが届いたのが、そのまた翌月で2011年5月。米村先生のセカンドオピニオンを受け、米村先生の手術を受けたのが、同年7月。順調な回復ぶりで入院期間は2週間。ここまでは、何ら問題なく進みました。唯一、想定外の問題は、一番下のお子さん、2歳だったかな当時。遠方の病院に入院、手術となって会わない時間は、半月ちょい程度だったのですが、母親を忘れるという事態が発生しました。(確か、過去にこの話はかいてます)これはもちろん、ご本人も、私も、全くもっての想定外でしたねぇ。この年齢の子供にとっての時間は、大人の時間と違うんですねぇ。子供、それも特に幼い子供にとって、親と過ごす時間の重要性や価値を思い知ることとなりました。一時、摩訶不思議な時間となりましたけど、直ぐに思い出してくれて、親子は感動の対面となり、今は何ともないです。子供って、時に大人顔負けの 「大人」 だし、時に思っているよりずっと 「子供」 なんですよね。大きな山を越えて、大きな1歩前進となり、穏やかな生活が戻ってきました。ところが、同年10月下旬の夜10時過ぎに私のケータイが鳴りました。後日に続く(変な心配はしないでくださいね、アヤコさん、今、お元気ですから)
2012年05月13日
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更新サボりまして、すみません。GW明けたら、更に忙しくなっちゃいまして^^;沢山の方々とメールで交流してますとですね、「医療関係者」 って立場の方も結構おられます。で、正直言うとですねぇ、「えっ」 って驚くほど現場は知っていても、「医療制度」 や 「今の医療事情」 をご存じない方が多い、多い。内心、(完全自由診療ならともかく、そこまで健康保険で求めるって・・・無理じゃね) って思うこともしばしばです。相手が、「医療関係者」 ってなるとアタシなんざ、ごくごくフツーのどこにでもいる主婦なんで、立場弱く、物申せる立場なんかじゃなく、釈迦に説法できるほど偉くはなく・・・である意味、やり辛いってもんです。あのね、あのね、今の癌医療はね、制度上、んな甘くはないのよね。請求した分だけ、健康保険からすんなりお金が降りるってもんじゃないのよね。病院だってね、潰れちゃう時代なのよね。今の日本って消費税10%でもまかなえないのよね。税収入は国債の利息に消えちゃうのよね。震災前から17%くらい必要とか言われてて、それが震災で放射能事故でしょ。更に必要な消費税率はupしちゃったのよね。前にも書いたけど、2010年度の健康保険の赤字額は3900億円ですよ。前年度比650億円もの赤字増なんですよ。その後にあの大震災に加え、放射能事故ですよん。今後30年はゆうに、想定外の費用がかかるでしょうからねぇ。。。結構前の話ですが、前にも書いたかなぁ。。。米村先生とあーだこーだとおしゃべりしている中で 先生、それ健康保険で認められないでしょ んなことないですよ、僕、何も言われたことないもんってことがありましてね。(そうかなぁ、そんなに甘くないって思うんだけどなぁ)って思ってたんです。そしたら後日、 ほら、こないだのアレね、僕、事務に行って確認したんです そしたら、健康保険に請求しても無駄だからって、 請求そのものをしてなかったんですよ 病院が負担していたんやねぇ その額がねぇ、僕の分だけで年間1千万もありました 病院に悪いことしたなぁ。。(やっぱし。。。)なんてことがありました。米村先生がやっている手技って、ガイドラインから逸れてますますからねぇ。どうしても定型手術より余計な費用がかかってしまうんです。定型手術で収めていたら、赤字なんか出すことは、まずないんでしょうけどね。でもやたらと、「それ赤字」 「これも赤字」 なんて私が言うと米村先生ってば、 そんなの国が出せば良いんです 日本のGDPはアメリカよりずっと低いんですからってキレちゃうんですよねぇ 日本は今、赤字大国のド貧乏国でっせなんて言うと お金儲けは、頭のいい人がすれば良いんですとか言う。あーだこーだと、時にわっけわからんコトを言われますが、言われることはスジは通っていて道理も通っていて、人としての仁義もあるんです。おかしいのは今の世の中の方ってこと。 でも僕みたいな医者ばかりだと、医療制度は潰れるねぇ あっははは・・・・なんて言われるから、一応、自覚もあるみたい
2012年05月10日
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このGW中は、さすがに可哀想だから米村先生を解放して差し上げ、私なりに気ぃ使って連絡せずにおりました。私自身のGW中はどうしてたかと言えば、途絶えることのないメールに目を通し、尚且つ、チビチビながらお返事をし、時に遊びにも出かけ。。。で終わりました。で昨夜、久しぶりに米村先生に電話したら おっ、ひっさしぶり~ 先生は何してましたのん お~そうかぁ、休みだったかぁ~で結局、お互い連休という感覚がなく、当然のことながら 「連休なんかあるかいな」 と言う状況だったことが判明したのでした。実際に 「連休」 なんかしたら、やることが溜まるだけで後が大変ですもん。GW前、米村先生、「GWは論文書いてます」 って言うてましたけど、はかどったのかどうか。。。連休中も病院に出向かれていたようですからねぇ。よくよく考えてみると、医者って因果な商売ですよねぇ。真夜中に呼び出されたり、日曜も祝日も病院に行っていたり、ケータイなんか広まってからはどこにいても「当たり前」に捕まってしまう。米村先生なんて口うるさい私に捕まっては、何故か怒られ、何故か謝る羽目に陥り、ホントお気の毒で「連休」だったから、そりゃ用件山積。そんな中で、用件というよりも世間話に近いんですが、ある偽粘液腫の患者さんの娘さんと何度かメールのやり取りをしていましてね。現在、某大学病院で治療を受けているようです。1度手術を受けてますが、粘液腫瘍が広範囲に広がっていたようで取り切れなかったとのこと。腫瘍は沢山残っているから、後は抗癌剤治療での対処となったようですが、この抗癌剤治療も、「効く」か 「効かないか」 はわからないとの条件付きです。実際、全く効かない患者さんもいますし、それなりに、普通の癌のように効く患者さんもいて、それがこの病気の難しいところです。「病気」 って書いてますが、実際は病名じゃないですよ、偽粘液腫というのはね。症候群を指す言葉です。だから、虫垂癌や卵巣癌が判明した後に 「偽粘液腫」 と言われる患者さんもいます。「自分は虫垂癌なのでしょうか?偽粘液腫なのでしょうか?」と質問される方もいて、患者さん本人が混乱することもしばしばです。で話は戻って、この偽粘液腫の患者さん(女性)、抗癌剤治療にトライするも副作用強すぎて一旦、givu up。テレビに出演された米村先生の存在を知り、手術を考えるも、主治医に否定されてしまったそうな。 「初回手術であれば良いけれど、再手術の場合は、 米村先生は臓器全てを切除してしまって、臓器そのものの機能を失ってしまう だから、お薦めしません」と言われたそうな。。。まぁ、当たらずとも遠からずってとこかしらん。一理はあるけど、んな訳あるかと、突っ込める部分もある説明でんなこれでは。で米村先生にこの話をまんま、世間話的に伝えたんです。 米村先生ってば、○○大学病院での評判、悪っはい、このまんま言いましたよ、米村先生にはね。そしたら、 あっははは・・・ 僕もまだまだやね~もっと論文書いて治療を理解して貰らわんとね~と笑ってましたよん。場合によっては、臓器も一緒に切除することもあら~な。それで、QOLが低下することもあら~な。それでも、生きる時間が稼げるからやるんでしょ~が。逆に手術で体力を落とし、時間を縮めてしまうこともあるってことは否定しません。でも、効くかどうかもわからない治療に身を任せて、先が見えている時間を過ごすっていう運命を受け入れるならともかく、そうでない患者さんもいるわけですよ。QOLを落とさずに、再発せず元気な患者さんもいるし、QOLの低下を受け入れて前を向いて生きている患者さんもいるし、再発しても再度、切除を繰り返しながらも懸命に生きている患者さんもいるわけですよ。悪い話ばかりじゃなくて、こういった実在の患者さんの話も、一応、言うて欲しいところなんですけどねぇ。だって、これは嘘じゃないもの。100万人に1人とか言われちゃっている病状ですよ。医師人生の中で、そんな患者さんと一体、何人出会いますかねぇ?たまたま知りえた悪い結果が、良い全ての結果を消してしまうのはどうなのかなぁ。。。って単純に思うだけなんですけどね。
2012年05月07日
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昨日は山梨県にある 「ハイジの村」 に行って来ました私とて、いつまで思うように動けるかわからぬ身、行ける時に、行ってみたい時に出かけなきゃですからチューリップ祭り開催中って話だったので行ったんですが、もうチューリップ終わっとるやん入場料500円だし、他のお花が綺麗だったし、天気も良かったし、陽気も良かったから許しちゃうけど東京ドーム2個分の広さってパンフに書いてありましたけど、シーズン中は何度も足を運ぶ東京ドーム。。。それでもこの表現はサッパリなんとか自分の 「足」 で歩けた日でした。博士が 「ゆっくり歩け」 だの 「行き倒れたら捨ててくぞ」 とか言うもんだから、これでも気ぃ使って歩いたら歩けましたの日でしたそれからこの場を借りてお礼を。何人もの患者さんのご家族から、近況報告メールが届いております。皆さん、「ご報告だけさせて頂きます、お返事は大丈夫ですから」 と気を使って下っていて、今はこのお言葉にズッポリと甘えさせて頂いております。ホント今、メールに追われまくりです。頂いた報告メールはちゃんと拝読しております。お心遣いを本当にありがとうございますGW前の米村先生との会話です。米村先生ってば、いきなりこんな報告を。。。 厚労省から、ひていされましたよ(えっ、否定) 先生、今、何て言いました 厚労省から、していされて、偽粘液腫の研究をすることになりましたあ~、びっくりした。「否定」 じゃなくて 「指定」ね。・・・ったく。。。米村先生ってば何やらかしたのかって思って、ビックリするやん。そもそも米村先生が何かトラブったのなら、今ここでうちの博士が寝転んでいる筈は無いんだけども。。。米村先生の話によれば、厚生労働省より2年間の限定ながら、年額390万円出すから、難病研究をして下さいっていう依頼が舞い込んだそうな。米村先生に難病研究って言えば、偽粘液腫しかない。前回厚生労働省から下りた研究費650万円というのは、公募に米村先生を筆頭とする研究チームが応募した結果、下りた研究費なんです。今回のは、厚生労働省より依頼研究という形で下りた研究費です。まだまだ発展途上段階の治療研究である偽粘液腫ですが、これから発展するために研究費が下りました。どんなことも研究とか、開発っていうのは 「カネ」 がかかるんですよねぇ。。。その資金が出たと言うことは、どれだけありがいことか。。。感謝、感謝でございますぅ何故か米村先生、こういう件は必ず報告してくれるんですよねぇ。。これもまた、笑えます
2012年05月06日
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GWに入って家の雑事ばかりしておりましたけど、2日は雨の中、東京ドームへ巨人戦の負け試合を見に行って参りました。勝ち試合を見に行く予定だったのになぁこのところ、股関節痛も落ち着いて来て動けるようになりました。・・・がっ激痛というのは、突然やってくるから参ります先週なんぞも、博士とショッピングセンターへ行って、私は1階で服をちょっと見て、博士は2階の100金へと分かれて行動した時に、中レベルの激痛がやってきて、それからもう大変、大変。歩けないんですからぁ。。。少しずつ動いて、近くのベンチで休憩。目の前のエスカレーターが遠い遠い。数歩、歩いては止まるを繰り返して、やっとこさ2階の100金フロアへ到着。キョロキョロと博士探して、目でSOSの合図。 痛いのか 動けない(T T)私的には 「腕を組んで」 ですけど博士的には、 「しがみつかれて」 歩いておりました。この突然の激痛をうちの博士は 「行き倒れ」 と呼んでます。このところ、大変厳しい状態の患者さんのご家族からのご相談が相次いでおります。広島のみどりさん、ケータイアドレスにPCからメール送ってます。着信拒否とか、大丈夫ですか?届いていなければ、再度、メールしてくださいね~。そんな中で、ありがちな話なんですけど。。。抗癌剤治療が上手くいっていた為に、ご相談が遅れましたとか、ご無沙汰しましたというメールが結構あるんです。私からすれば、もっと早くに連絡くれれば。。。と思うこともしばしばです。治療が上手くいっている時は、相談する必要もない訳で無理からぬことなんですけどね。治療が上手くいっている時こそ、元気で体力がある時こそが、治療の選択の幅が広がるっていうものなんです。皆さんが口を揃えるように言われる言葉が、「副作用もさほど辛いものではなかったし、腫瘍マーカーも下がってきていたし、画像診断も問題なかったから、もう少し続けていれば、もっと良くなると思っていました」というもの。癌というのは、進行さえしなければ 「今」 を保つことができます。何より怖いのは、「癌の進行」 ですから。抗癌剤治療の目的は、「良くなること」 でも、「治る」 ことでもなくて、進行を抑えることなんです。「今」 の状態を保つことなんです。癌が縮小しても、それは良くなっている訳じゃないんです。前にも書いたけど、腫瘍が縮小するってことは、神経を圧迫から開放したり、何らかの臓器の動きが良くなったりという 「良いこと」 は確かにあります。でも、癌という病気が良くなったということにはならないんです。癌という病気になる前に近づけたという事にはなりません。だからこそ治療が上手くいった時こそ、治療の選択の幅を広げるチャンスなんですけどねぇ。。。人間っていうのは、「聞きたいことしか聞こうとしない」 「知りたいことしか、知ろうとしない」 ものですが、聞きたくないことも、知りたくないことも、可能性としてあり得るなら、全てを一旦受け止めて、それから対処を考えるのが最善だと思っているんだけどなぁ。。。
2012年05月04日
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