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今朝起きたら、神奈川県は雪国となってました我が家の庭先でございます。この7人の小人ちゃんは、10年以上前に購入した物ですが、見てわかるように片方は安物(当時1980円)で今やチアノーゼ状態もう片方は5000円也で、やっぱりこーゆーとこで値段って出ますねぇ毎度っちゃぁ、毎度ですが、アタシャ聖徳太子かって自分でツッコミを入れたくなるほど、次から次へと 「てぇへんだぁ、てぇへんだぁ」 メールの対応に追われていますですで先日の続きです。この患者さんが米村先生のセカンドオピニオンを受診したのは、2008年9月でした。FOLFOX の治療中でした。「癌患者」 となって10ヶ月が経過して、どうやら最悪の8ヶ月を免れて、もうちょい先が見込めそうだと思った頃でしょうかねぇ。FOLFOX が辛過ぎて、他の手立てを求めたのでしょうかねぇ。受診となったのでした。当時の米村先生の見解は このままFOLFOX を続けて、予定の6回が終わったらまた来て それから、その後を考えましょうだったと思います。直ぐに 「切る」 と仰らなかったのは、肺の影が気になったからです。この肺転移と思しきヤツが今後、どうなるか経過観察が必要とのご判断でした。ここまでの流れの中、言うならば、「癌患者慣れ」 するまでは、ご本人はもちろんでしょうけれど、奥さんの心にも大きな葛藤がありました。「癌」「ステージ4」 というキーワードで、周りの誰もが 「直ぐに死んじゃう」を連想するようで、その空気というか、言葉尻というか、そういったモノに超敏感になってましてねぇ。 ご主人の学生時代の友達が、頑張れのエールを手紙でくれたそうなんですけども、その内容が、「悔いの無いように生きろよ頑張れよ絶対死ぬなよ」 みたいなノリだったそうで・・・熱い青春そのものって言うか、夕日に向かって走っていきそうって言うか・・・送り主は、それこそ涙流しながら書いたかもしれない文面でしたが、送られた方は、 こっちは治ろうとしているのに、何コレ 冗談じゃないわよ、失礼なと奥さんは激怒当時、無茶苦茶怒ってましたっけ。当のご主人は、「そーゆー変わったヤツなんだよ」 って笑っていましたけどね。癌という病気が突然降って沸いてくると、「誰もわかってくれない」 「下手に話しても、同情しかしてくれない」 という環境に陥ります。確かに理解を求めるのは難しいですが、案外、自分の方でバリアを張っていて、誰も入れないって事もあります。それじゃ、理解もできませんってば。まっ、時間が解決してくれますけどね~こんな時期があって、今があるってもんです。
2012年02月29日
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「治療しなければ平均8ヶ月、治療をすれば24ヶ月」こう言われて治療をしない患者さんは先ず、いないです。24ヶ月という時間でも、この頃のこの患者さんやご家族にとっては、あまりにも短い時間でした。と言うよりも、短すぎるものでした。それでも8ヶ月よりは長い・・・だから、治療を選びました。そんな思いとは裏腹に、医者の方は 「これをやれば、24ヶ月も生きられるんですよ」 と言う感覚だったみたいですがで治療が開始となります。FOLFOX はこの患者さんにとって、とっても辛い治療だったようで・・・投与後は、丸々1日半は寝込んでしまう。この患者さんにとって、これは 「過酷」 だったようです。それでも、「余命8ヶ月」 の言葉、言うならば強迫観念があるから、続けねばと思う訳です。これが、実は、抗癌剤治療の基本とも言えちゃうから皮肉です。命に関わる治療だと、本人が強く認識せねば続けることが出来ない。だからこそ、患者さんへの真実の告知が必要となるんですよねぇ。命に関わる治療でなければ誰だって、簡単に give up しちゃいますからね。医師は、これまでの膨大なデータを踏まえて治療を提示ています。何事にも 「例外」 はあって、これは 「良い例外」 もありますが、「悪い例外」 も存在してます。これらを総体的に判断し、最善と思える治療を提示します。その治療内容の提示には、残念ながら 「楽チン度合い」 は無くて、QOLも重視しているとは言いかねて、「奏功率」 「延命日数」 こそが最も重要視されています。ですから、患者さんもご家族も必死です。ご家族は、辛くて寝込む患者さんに 「頑張って」 と心の中でエールを送るしかなく・・・この頃、ステージ4の癌患者さんとしての第一歩を踏み出していた訳ですが、患者さんにも、ご家族にも精神的な余裕など全くなく、私はただ、奥さんの話相手になっていただけのような気がしますねぇ気がかりな点は一つ、手術時に既に見えていた 「肺の影」 でした。転移とは確定していませんでしたが、気になる 「影」 として写ってましたからね。2008年上半期のことで、癌判明手術腹膜播種判明・同時に肺の影余命宣告抗癌剤治療をしないと8ヶ月、治療がうまくいったら24ヶ月FOLFOX開始副作用に苦しむ・・・の流れでした。
2012年02月28日
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2月10日の日記に書いた大腸癌の患者さん(病気判明時は50代男性、現在は60代)の話を。と言うのも。。。この患者さんとのお付き合いは長くてですねぇ。。。私自身、どういう経過で現在に至るのか?記憶がごちゃごちゃでして。病気発覚当初、5年生存率20%と言われたこの患者さん、今年、5年目を迎えるにあたり、ここまでの道のりを改めてご紹介しようと思います。会社の定期健診で、要検査とひっかかったのが2007年。それで、検査を受け大腸癌が見つかりました。手術を受けたのが、2007年の12月だったでしょうか。この時に奥さんから相談メールが届きました。だから、かれこれ丸々4年のお付き合いなんです。手術時に、腹膜転移が認められ、術前はステージ2か3と言われていたのが、ステージ4に確定となりました。腹膜以外の癌を切除した訳です。術後はセオリー通り、抗癌剤治療の提案がなされましたが、当時の主治医は 「1年以内の再発率70%で、5年生存率20%です 術後の治療は、やってもやらなくても、どっちでも良いですよ」と言ったんですねぇ。まぁ、この頃はご本人には、かなり現実を伏せて告知されていたようですが、ご家族はハッキリこう言われてました。癌初心者の患者さんとご家族です。こんな風に言われたら、「治療しないと、直ぐに死んじゃう」 という脅迫観念が生まれたようです。それで、具体的にFOLFOX の提案がなされますが、この治療内容の提示にあたり、 「この治療は画期的な結果を出しています それまでは、平均8ヶ月の延命だったのが、 この薬のおかげで24ヶ月まで延びたんです」との説明あり。当の患者さん側は驚きました。 えっ、治療をしても24ヶ月の命なのか やらないと8ヶ月で死ぬのか どう転んでも、もう長くは生きられない・・・という諦めとも思える心情が生まれました。繰り返し書きますが、2007年の12月の話です。
2012年02月27日
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先日の日記で、「癌は必ずしも小さくなれば良い訳じゃない」 って話を書きましたけど、実際の症例をご紹介します。この患者さんは、米村先生の患者さんではありません。細かく書くと、「営業妨害」 にもなり兼ねないので、アバウトに書かざるを得ないんですけども。ある癌患者さんが、全身転移の状態で某病院に駆け込んで来ました。この患者さん、ある自由診療の治療を受けていたと言います。高い治療です。「癌を切らずに治す」 こんな言葉に乗ったのかはたまた、抗癌剤治療の副作用が嫌だったのかこれはわかりませんが、「副作用が無い」 「拒絶反応がない」 という言葉が魅力的だったのでしょう。この 「治療」 を受けてから、実際に癌は小さくなりました。小さくなって、本人大喜びです。副作用もなく、痛くもない 「治療」 でしたからね、実に良いコト尽くめ。ですが、癌が小さくなったというのに、何故か全身に癌が転移している事が判明。それで、某病院に駆け込んで来たという訳です。癌自体は小さくなったのに何故こんな事に?と不思議に思ったこの病院の研究者は、この患者さんが受けた 「治療」 を解明します。すると・・・顕微鏡の中で大変なことが起こっていたことがわかったのです。確かにこの 「治療」 のせいで癌は小さくなっていました。ですが、小さくなっていたのではなく、この 「治療」 のせいで癌の周りの硝酸塩濃度が異常に上がり、接着因子が溶け出して、癌はバラバラに分解されていたのです。つまり、この患者さんの場合、癌は同じ場所で、食っちゃ寝、食っちゃ寝しているうちに、いつしか超おデブさんになってしまった。おデブさんになってしまったから、動く事もできなくて、しゃ~ないから、そこで食っちゃ寝、食っちゃ寝を続けていた。そこへ、あの 「治療」がやって来て、このおデブさんを分解し小さくスリム化してしまったんです。身軽になった癌細胞は、あっちフラフラ、こっちフラフラ~で、気付いたら全身転移となっていたんですねぇ。。。大変お気の毒ですが、ここまで全身に癌が転移していては、もうどうすることもできません。抗癌剤治療で、これも奏功すればの話ですが、兵糧攻めにして癌を小さくしたのであれば兎も角、癌をバラバラに・・・は駄目です。あくまでもこの患者さんのケースで言えば、抗癌剤治療でお茶を濁し続けるか、もしくは手術に望むか・・・をしていれば、何れ、進行してしまうにせよ、ここまでの全身転移はなかったであろうというのが、研究者の見解でした。癌の「治療」 というのは・・・あくまでも、この患者さんのケースですけども、本来の目的の真逆に進んでしまうこともあるんですねぇ。。癌の治療に、リスクが無いなんて事はありません。癌研究の世界的権威と呼ばれる方々は、皆さん、口を揃えて 「癌の解明にはあと50年かかる」「あと100年かかる」 と断言しています。癌という細胞は、まだまだ未知数であり、治療は発展途上にあります。どんな治療にも、必ず、リスクが付きます。良いこと尽くめの治療なんて、そんな自分に都合の良いばかりの治療は存在しません。リスクが大きいのか、小さいのか、はたまた、全く逆の方向に進んでしまう可能性も秘めているのか・・・十分、考慮する必要があります。癌の治療に楽はないです。これは、人生に似てます。
2012年02月25日
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ここで米村先生の最新著書 「腹膜播種に対する腹膜切除アトラス」 をご紹介したのを機に、「病院で買って来ました」 というご報告が多々届いております。既に、読み進めている方も多いと思いますが、紹介した当の私など、興味がある箇所から随時読んでいるペースで、読破には未だ未だ時間がかかりそうです今日はこの本の 「中身をご紹介」シリーズです。腹膜転移の分子機構 のページから読んだけど文章が難しくてよ~わからんがなと言う方の為に、ひろりんがチョーわかりやすく解説します。「ひろりんの、誰にでもわかる医療講座」 ・・・って何かをパクったりして腹膜播種になるまでの過程は、癌細胞が原発巣から離れ、遊離細胞となって腹腔内を泳ぎ腹膜に行き着き、居座ることから始まるとされてます。遊離癌細胞というのは、癌細胞同士を結び付けている接着剤の役目を果たす物質が、接着の役割を果たせなくなり、バラバラになった癌細胞のこと。癌という腫瘍は、小さくなれば良いってもんじゃなく、小さくなった方がヤバイってこともあるんです。接着因子が役割を果たさなくなると、大きい癌細胞はバラバラになって、あっちゃこっちゃに遊びに出かけて、遊びに行ったが最後、帰って来ませんからねぇ。。。これが転移ってやつ。実際、癌の縮小は延命日数に比例しません。癌が小さくなれば、その分、長く生きられるか?というと、そうではないんですねぇ。言うならば、大家族が共通の趣味で仲良く生活していたけれど、いつしか個々の趣味が変わってしまって、話が合わない家族となり、それぞれが独立を目指そうと家を離れて、新たな棲家を見つけに行く・・・みたいな。新しい棲家が腹膜だと腹膜播種。遊離癌細胞の発見は、「腹腔洗浄細胞診」 で見つかります。これは、腹腔内を生理食塩水で洗浄し、この水を検査するものです。この本では、胃癌に関して書かれています。胃の一番外側にある膜をショウ膜と言いますが、目で見えるショウ膜への浸潤が2cmを超えると遊離癌細胞が認めらるとあります。つまり、ショウ膜浸潤が2cm以上あると、腹膜播種に限りなくクロということです。これが、スキルス胃癌の場合だと、遊離癌細胞が認められた時点で、ショウ膜浸潤は5cm以上あると書かれています。つまりつまり、スキルス胃癌の場合は、同じ検査結果であっても他の胃癌よりも進行している、癌に冒されているということになります。スキルス胃癌の場合においては、6割方が洗浄細胞診陽性つまり、遊離癌細胞が存在しているので、例え、完全切除しても腹膜に癌が潜在していると考えるのが妥当なんです。だ・か・ら・術後に行う抗癌剤治療っていうのは、再発予防というよりも、潜在するであろう癌細胞対策と言った方が、当たっていると思います。癌は未だいるだから、戦おうぜぃってとこ。で常々、「癌は切ってナンボの病気」 と申しておりますが、これは、抗癌剤で癌は治らないことがわかっているからです。また、癌細胞は自分自身が作り出した細胞だから、免疫細胞が敵と見分けられない細胞です。だから、自分の免疫にも頼れない。自分の免疫が、癌細胞を敵だとわかっていたら、癌という病気はそもそも発症しません。ですが・・その肝心の手術によって、癌が転移してしまう可能性も、この本の中では触れています。リンパ液の中にも、血液の中にも癌細胞は存在していて、手術により切断し、こぼれ落ちるリンパ液や血液から癌細胞が流れ落ち、どこかに落ち着いてしまう可能性もあります。そうならないように、手術ではお腹の中を十分洗います。高い技術が求められるというのも、事実です。(米村豊医師の著書・「腹膜播種に対する腹膜切除アトラス」 の内容と、過去に集めたデータによる内容になってます)
2012年02月22日
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お元気な患者さんの近況メールと同時に、訃報も受信したり、緊急メール受信したり・・・でひろりんのは常に超多忙一体私は、泣けば良いのか、それとも笑えば良いのか、はたまた、えらいこっちゃえらいこっちゃと慌てれば良いのかどれやねんの日々でございます。で、今日はあやちゃんママ(30代)の近況を。昨年の9月13日以来だと思います。「虫垂高分化型粘液腺癌 腹膜偽粘液腫」と2007年に診断を受けてから、現在に至ります。お元気ですよん過去の日記をご覧頂くとわかりますが、原発の虫垂を切除後、妊娠2009年1月に出産。粘液腫瘍の切除を受けたのが、2009年の4月です。この後、すこぶる健康な日々を過ごすも、約2年後に再発となり、偽粘液種の2度目の手術となったのが2011年5月です。その前、虫垂原発切除や、帝王切開を入れると4回目のメスになるのかな。やはり2011年9月23日に、偽粘液腫の患者さん(40代・女性)のチコさんの話を書いていますが、このチコさんは偽粘液腫の手術だけで4度目。このように、再発を繰り返してしまう事が多いのが、この病気の特徴でもあるんです。で、2度目の手術を受けて現在に至るあやちゃんママですが。。。近況メールが届きましたよん。 さすがに初回手術の後のようにはいきませんが、 今は普通に食事も摂れるようになりました 脱水症状が心配なので、週に2~3回、点滴を受けてますって書かれてました。初回手術の後は、本当に何の変化もなく、普通に健康体そのものの生活でしたからね。今回は、さすがにそうはいかないなぁ・・・というところみたいです。暫定的なストマを付けています。半永久的ということではなく、何れ、外すことが可能なストマです。食事のタイミングと、ストマの管理との悪戦苦闘も時にあるようですが、 元気になりましたよ~ってメールをくれました。メスを入れる度に体が変化していくこともあって、新しい体を受け入れるっていうのは、頭と感情のバランスが難しい事もあります。 「命があるんだもん、良いじゃないこれくらい」って思おうとしても、心が付いて行ってくれない時もあるってもんでしょう。だけど。。。あやちゃんママには、最高の宝がいます。「あやちゃん」 っていう宝がね。米村先生が生み出してくれた命は、一つだけじゃなかったんですよね。前回の手術みたいに、早々に元気満タンって訳じゃないですが、明らかに少しずつ、少しずつ元気になってきています。頑張れあやちゃんママ
2012年02月21日
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今日は車を走らせて、「道了尊」 に行って来ました。行ってみてびっくり、ちょっとした雪国になってました。寒っここは天狗を奉るお寺です。600年の歴史を誇るお寺で、中にお不動さんがあります。天狗の持つ、うちわで皆さんの病を振り払って下さいとお願いして来ました。今日も過去に書いた患者さんの近況を。2011年11月28日以来の、これまたシリーズ化?している患者さんです。この患者さんはねぇ。。。もうミラクルとしか言いようが無い患者さんで、この患者さんの経過はホント、嘘のようなホントの話なんですよ。(過去の日記参照)2009年6月に、腹水4Lで癌が判明した患者さんです。フツーなら、今頃は娘さんと息子さんの守護神と化している筈・・・なんですが・・・現在、守護神どころかですよ、ディズニーランドに遊びに行ったというから驚き年齢は70代後半の女性です。自宅の三重県から、時々、娘さんがいる東京に芝居見物に来ているようです。歌舞伎とかお芝居とか、これは年相応のご趣味で、「納得」 なんですが・・・娘さんが、「他にどこに行きたい?」 と聞くと 「ディズニーランド」 と答えたそうな。ディズニーランドの目的は、アトラクションでもショーでもなく、 「ディズニーランドのポップコーンを食べること」 だとか。で実際、この寒空の下、行って来たそうです。もう1度説明しますと・・・この患者さん2009年6月に腹水4L 抗癌剤治療 効果なし 治療は無理、もう看取りを考える段階と宣告受ける 大泣きする 米村先生のもとへ来る 抗癌剤治療再開 治療奏功 2010年2月米村先生の手術受ける、この時、腹膜を切除 元気になって、お芝居見物、SMAPのコンサートに行く 2011年5月、肝臓に癌が再発する 2011年9月、肝臓の手術を受ける 元気にディズニーランドって・・・ちょっとぉ、マジぃって経過を辿ってます、現在進行形でございます。あっ、それとですね、ディズニーランドでは、スプラッシュマウンテンに乗ったというから、更に驚きです。私でさえ、この手のアトラクションは苦手で、乗ったことないって言うのに帰りは新幹線で、あのディズニーランド独特のポップコーン2つ首から下げて三重県まで帰ったとか。。。いやはや、私より元気なんですけどぉ。。。
2012年02月18日
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ここ最近、しばらくご無沙汰だった患者さんの近況メールが届いております。その中の一人、スキルス胃癌の患者さんの近況を。以前も何度か、この患者さんの話を書いています。60代・女性 と表現していましたけど、つい最近、70歳のお誕生日を迎えられましただから、今回からスキルス胃癌の患者さん(70代・女性)に変更です出会いは2007年秋。スキルス胃癌・腹膜播種と診断を受けて、地元病院で治療を受けておられる時に、娘さんから相談メールが届きました。正真正銘、スキルス胃癌・腹膜播種の患者さんです。米村先生の下で腹腔内化学療法を受け、腹膜切除の手術を受けたのが、2008年2月です。胃全摘、子宮、卵巣切除、腹膜切除、脾臓、胆嚢切除、リンパ2郡カクセイです。あれから丸4年が経過しました。再発もなく、本当にお元気に過ごされています。娘さんが、ご丁寧に手術した2月になると、近況を知らせてくれます。でもね、術後1年は苦労の時間だったんですよ。術後、感染症というアクシデントがありましてね、入院は長引き、2ヶ月弱の入院となりました。胃癌患者さんは、皆さんが経験されますが、術後の食事はそりゃ大変です。この患者さんも、例外ではなく食事の苦労栄養点滴・・栄養状態が悪いと、体力も低下。退院後は自宅で、寝たり起きたりの生活が長々と続きました。 あぁ、元気になったなぁ やっと、手術前同様の体になったねと本人とご家族が思える、感じるようになれたのは、術後1年経った頃です。それからは、もう 「普通」 の日々。回復に要する時間は、感染症の有無や、年齢的な体力、栄養状態により個人差が大きいです。この患者さんの場合、感染症や年齢的なものから、1年という時間を要してしまいましたが、今も尚、お元気に過ごされています。1度、術前の治療の期間にこの患者さんとは、お会いした事があります。隣にいた旦那さんの肩を叩きながら、 ねぇ、ねぇ、この方がひろりんさんですってって、若い女の子みたいに、はしゃいで喜んでくれましたあれから4年です。。。来月は娘さんのご家族達と一緒に、温泉旅行ですって
2012年02月17日
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このところ更新も、ままならない程、メールのお返事の溜め込み状態が続いております。何で、何で、こう忙しいのよで、時間がなかなか取れなくて、誠に申し訳ないです。書きたい事や、ネタはあり過ぎるほどあるんですが。。。そんな中で、2月3日に書いたあの乳癌の患者さんから、近況が届きましたのでご紹介します。(笑っちゃいけませんが、笑えます)このブログは、基本、消化器系の癌患者さん向けサイトですが、「腹膜播種」 繋がりでこの患者さんと知り合いました。どの癌も、腹膜播種と診断を受けた時点で、ステージ4ですからね。経過は違えど、シャレにならない病状である点は、同じです。前回は、病院食の不味さが彼女を奮起させ、術後の退院日は正に彼女の 「食欲」 が獲得したという話でした。癌は違えど、手術前は大量の腹水に悩まされ、抜いてはまた溜まりを繰り返してましたから、大変な状態であったことは、変わりません。術後は腎機能の低下、高熱の繰り返しで苦しんだこともあり、「うん、うん、私も大変だったわ、わかるわ~」・・・って頷く患者さんもいるでしょう。で今回届いた近況はですねぇ。。。彼女の趣味はバレーなんですって。バレーの前に 「クラシック」 が付くんじゃなくて、「ママさん」 が付くバレーですよ。手術前も、週1回とは言え、練習に参加していたんですってその彼女が術後、初の試合に参加したそうです。それも、3試合フル出場それもそれも、抗癌剤投与した2日後ですよん一番困ったのは、皆さんも同じかもですが、カツラだそうな。飛んだり跳ねたりしたら、当然、カツラは動いてしまう、取れちゃうかも 外れたら外れたで、別に私自身は笑っちゃうだけで、 良いんですけども、周りの方々が反応が困るだろうって思ってって、本人はあっけらかんとしてます。試合がストップしちゃうのも悪いし、困るし・・・悩んで悩んだ挙句、閃きましたそうだ、あの 「なでしこジャパン」 で行こう 選手が付けていたヘアーゴムバンドです。これが上手くいったそうですよそして今、彼女の目下の悩みは 夏は暑いだろうなぁ・・カツラ・・・どうしようなんですねぇステージ4の診断を受け、腹膜播種の原発がわからなくて、ちっとも治療が始まらなくて、イライラ、焦りまくりしていた同じ人とは思えないんですけどぉ
2012年02月15日
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先日、こちらでご紹介した米村先生の新刊本、大阪の病院で一気に売れたとか木曜日が米村先生の外来日ですから、どうやら昨日外来に訪れた患者さん方が結構、ご購入されたみたいです。 在庫切れになった、びっくりしたと米村先生が仰ってましたよん。(我が家には未だ沢山ありますケド)こういう専門書というのは、あーた、滅多に売れるもんじゃないんですよ。私のブログを読んでご購入された方も多いのではないでしょうか?米村先生の汗と涙の結晶でございます、ありがとうございます。また、内容をわかりやすくここでご紹介しますね。ところで、久しぶりに患者さんの経過を。かなり以前に書いたきりの大腸癌の患者さんです。2010年12月21日以来かな。肺転移が認められていたばかりに、ずっと経過観察が続いていた患者さんです。あまりにも肺の転移がおとなしいので、肺の手術に踏み切ったのですが、切ってびっくり、大腸癌・肺転移ではなく、肺癌だったんですから。初期の肺癌を退治したという訳です。あれから月日が流れまして。。。今度は、もう片方の肺に影が。しゃーない、小さいし、又切りましょか・・・ってなり、つい先日、手術だったんです。片方の肺が小さくなって、肺の手術後の息切れがようやく何ともなくなったのに、もう片方の肺も小さくなるのかぁ・・・ってご本人だったんですけどね。肺癌の肺転移かと思ったら、これまたびっくり今度は、大腸癌・肺転移だったんです。ありゃりゃりゃ・・・でも小さかったし、また悪いヤツを退治した訳だし、術後の回復は順調だし、今のところ何の心配もないですけどね。「影」 だけじゃ、敵の正体はわからないものだけど、こんなことってあるんですねぇ。。。こんな訳わからん影に、以前はずっと怯えていたんですが、いざ退治したみたら、お子さんの結婚式でハワイに行くわ、奥さんと仲良く旅行に行くわ・・・でしたからねぇまた元気になって、旅行楽しんでくださいませ
2012年02月10日
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昨夜、米村先生に 届きましたよ~ってしたら、 もう少ししたら、トルコ語と中国語の本も出来上がるんですわ 出来たら送りますって言われるんで トルコ語なんて読めませんよ、中国語もわからないけど まぁ、本棚にそんな本を置いておいてもええやん・・・って、次回送られてくる本は我が家のオブジェ今後、時折、新刊本の内容をかいつまんでご紹介していきます。腹膜播種に対する腹膜切除アトラス 腹膜播種と妊娠妊娠中に癌が発見される率というのは、0.1%とされているそうな。消化器・腹膜播種での妊娠報告は殆どありません。どの癌でもそうですが、妊娠中の癌治療は胎児に及ぼす影響が計り知れません。放射線やCTといった治療や検査ができませんし、抗癌剤が胎児に与える影響も不明瞭です。胎児を優先させれば、事実上、母体の癌治療が滞ってしまい、その間、どんどん進行していく可能性が高くなります。ですので、胃癌、大腸癌の腹膜播種での出産例というのは、事実上、無いと言えます。ところが、胃癌や大腸癌よりは、一般的に悪性度が低いとされる腹膜偽粘液腫の患者さんには、出産例があります。ごく稀に、腹膜偽粘液腫でも、スキルス胃癌もビックリするほどの高悪性度の症例もあるので、あくまでも、一般的に!という条件つきです。この本の中では、米村先生が文献から集めた症例8例と、ご自身の症例6例の内容が書かれています。分類すると、虫垂原発の偽粘液腫11例、卵巣原発の偽粘液腫1例、胃癌1例、横行結腸癌1例です。全ての症例において、「めでたし、めでたし」 ではありませんが、その中の1例の胃癌をご紹介します。腹膜播種が確認されている中で、妊娠し出産したという稀の中の稀の症例です。内容を読むにつれ、「あぁ、この症例は○○さんだ」と気づきました。はい、私、この患者さんご本人とお付き合いがあります。胃癌で、胃の全摘手術と2郡リンパカクセイと言ういわゆる、定型手術を受けています。その際に腹膜播種が確認されています。胃癌定型手術の後、妊娠し、術後14ヶ月で出産してます。ですが、出産後、3ヶ月で腸閉塞を起こしてバイパス手術を受けました。この時に相談メールが届いたんです。本人から電話もきまして、電話の奥で生まれたばかりのBabyの泣き声が聞こえましたっけ。その後、米村先生の下へ来られ、腹膜切除術を受けて、本の中では1年6ヶ月経過中とありますが、もう2年近く経つと思います。他にも、元気な男の子を産んだ症例や、播種を伴わない虫垂癌の患者さんの妊娠例等々、この本に書かれてますよ。低悪性度で、虫垂原発の腹膜偽粘液腫の治療成績が一番良く、完全切除+腹腔内化学療法では15年生存率50%と記されています。
2012年02月08日
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私に相談メールを送って来られた方の中に、今現在、米村先生の 「受診予備軍」 の方が何人もおられます。腹膜播種が手術で判明したばかりで、現在、病理検査の結果待ちの50代の虫垂癌の方でしょ。患者さんの病状が落ち着くのを待って、落ち着き次第、即受診希望の30代のスキルス胃癌の方でしょ。家族と十分話し合った後、是非、受診させて下さいという60代の虫垂癌の方でしょ。今後1ヶ月という時間をかけて検査予定が入っている、40代の偽粘液腫の方でしょ。今年に入ってお正月休みなんて全然なくて、ひろりんは相変わらず大繁盛してます・・・って、これって良いことじゃないですよねぇ既に、何人かは受診済みだったり、予約を入れ終えた方もいますよん。一番、迅速だったのが、「先生、来週よろしく」「了解しました」 で即日に話が決まったのが、つい数日前の話そんな中で・・・この予備軍の患者さんの一人、スキルス胃癌の30代男性の患者さんの容態が気にかかってます。と言うのも、相談メールが届いたのが1月2日のお正月。今年の1番バッターです。患者さんのお兄さんからでした。スキルス胃癌が近くの病院で判明し、そんな大変な病気なら、スキルス胃癌ならここと定評のある病院に連れて行きました。そこで、改めて各種検査と、腹腔鏡による検査も受けました。そして腹膜播種が認めらます。検査上、他に転移は見当たらないものの、腹膜に転移が認められたので手術不能。抗癌剤治療をしましょうとなった訳です。ここまでは、ごくごく普通の流れであり、珍しくはありません。そしてこれまた珍しくはなく、腹膜播種なら米村先生・・ってコトで相談メールが届いたちゅーわけでんねん。本人を連れて行きたいから、本人の回復次第、予約をお願いしますってことになりました、って言うか、今もそうなっているんですが・・・あれから1ヶ月以上経ち、ちっとも進展がないのは何故か?腹腔鏡検査の後、腸閉塞となり入院を余儀なくされているからなんです。なんで腸閉塞?って言うんで、これまた検査、検査・・・でも原因掴めず。そうこうしているうちに、時間ばかり経つわ、回復は見られないわで、ようやくセオリー通りの抗癌剤治療が開始されました。TS-1 が腸閉塞で飲めないから、5FUに変えて、シスプラチンとの併用です。当初、何故かシスプラチンの単剤だって言うんで、どうせって言ったら申し訳ないですが、入院しているんだから、TS-1を5FUにして貰ったらどうですか って言ったのが、現実になった形です。やっと始まった治療、少しばかり治まってきた腸閉塞。なのになのに、何故、胃穿孔?そう、胃に穴が空いたと昨日、メールが。。。ありゃりゃりゃ・・・どうってるのこの患者さんのスキルス胃癌
2012年02月05日
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この楽天ブログの機能変更が先月より相次ぎまして、そのうちの一つ、プロフィールを新たに作りました。ここに 「つぶやく」 機能が付いてまして、更新をサボってもご心配おかけしないように、更新できない日など、ここでつぶやくことにしますね。これまでのコメント同様、コメントを頂きましても、お返事は出来ないと思います。ごめんなさい。で、先日の続きです。遠路はるばる滋賀まで通院した彼女、昨年12月に手術となりました。片方の乳房だけだと思っていた乳癌ですが、もう片方の乳房にも癌が見つかり、双方の乳房を切除することに。。。これについての、彼女のコメント 釣り合いが取れて、良かったかも彼女からは、何の悲観的な言葉も出てきません。病理の結果、腹膜播種は乳癌からのものであることが判明。リンパ転移も認められたことから、腹膜の治療は温熱療法のみに留めました。術後は、腎機能が落ちたりして、入院期間は1ヶ月ちょいとなりましたが、現在は、ご自宅で過ごしてます。温熱療法を受けると、たまに腎機能低下という副作用がおこるようです。入院中は1番何が辛かったかってそれはねぇ、味覚障害もあって食欲不振に陥りましてねぇ・・・そんな時に病院食じゃねぇ。。。食欲はますます入院自体はともかく、美味しいものが食べたぁいだったみたい。あぁ~もうこの食事じゃ、ムリ、げんかぁ~いこの食事事情とオサラバする為に、何としても回復するゾと心に強く思ったら、ホントに回復して退院許可が下りたというから、不思議何事も気持ちってヤツは大事ってことですかね。術後の抗癌剤治療も予定通り、始まってます。ぼちぼち、食欲も戻ってきたようですよん
2012年02月03日
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私、乳癌って全然わからないんです。前立腺癌と、乳癌はスパンが長い癌であること、普通、癌は5年生存が完治の目安とされるけど、乳癌は10年であること。。。このくらいしか知らない。治療法となると、これまたサッパリそもそも私自身が、乳癌は全然わからない全くの初心者であること、米村先生も基本、専門外であることから、症例数はとても少ないこと、診て貰っても治療を請け負えるかどうかわからないこと等々を、説明した上で大阪の病院に行って頂きました。そしたら、「抗癌剤治療して手術しましょう」 ってことになりました・・・という報告が届きました。 やっと、治療が受けられます ここまで、長かったですと言ってましたね。大阪の病院で受診はしたけど、頼める乳癌の専門医が滋賀の病院にいるとかで、治療は滋賀になりましたけど。ここから、彼女の闘病生活がスタートします。しかしながら、闘病という言葉はどこへやら、彼女、腹水抱えて遠路、明るく元気に通院しました。時に、腹水を抜いて貰って お腹が軽くなったので、楽チン、楽チンみたいなノリで通院してました。これには私がびっくり普通は、腹水を抜くとドッと体がだるくなったり、疲れがかなり出るものです。それなのに彼女は え~っ そういうもんなんですかぁ 私、なんともないですよ~って調子です。そんな通院のある日の報告がですね、笑えました 今日、米村先生の受診日だったんですが、 米村先生が、「小さくなった?」 って聞くんで えぇ、私、もともと小さいですからって答えたんですこれ、米村先生は胸の腫瘍のことを聞いた訳ですが、彼女、何を勘違いしたのか、胸のサイズだと思ったんですねぇ。。。一瞬、変な間ができたそうな。 後で気が付いたら、もう可笑しくて、可笑しくて米村先生もどう反応して良いのか、困っただろうなぁ。そもそも、これが胸のサイズのことなら、それはセクハラやん私なら、ここでケリの一つも入れてるかもまぁ、とにかく結構笑えて、楽しい闘病が始まったのでした。検査、検査で時間ばかり過ぎて、焦って、落ち込んでいた時はどこへやら~って感じです。続く
2012年02月02日
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「腹膜播種」 について色々とネットで調べると、かなり高い確率で米村豊先生がヒットするらしく、消化器系の癌以外からの癌患者さんからも、時々相談メールが届きます。腎臓癌、胆嚢癌、膵臓癌、子宮癌、卵巣癌からの腹膜播種とかね。基本、胃癌、大腸癌以外の癌のご相談はお断りさせて頂いております。そもそも、私が全然わからないもので。ただ米村先生に診て頂きたいという希望がある場合は、必ずその都度、米村先生に直接お聞きした上で、「お断り」 を入れています。米村先生ご自身も腎臓癌、胆嚢癌、膵臓癌はお断りしています。中には、私が相談する以前に、手術した経験がある癌もあるようですが、残念ながら良い結果が出せなかったこと、その後の抗癌剤が扱えないことから、現在は受けておられません。そもそも消化器外科医ですから。子宮、卵巣切除自体は、米村先生もお手の物なので、子宮癌と卵巣癌においては、受ける場合もあります。これは、その時の患者さんの混み具合にもよりますけどね。そんな中で、乳癌・腹膜播種(40代・女性←乳癌は男性でもありますので、念のため書いておきます)の患者さんから相談メールが届きました。昨年の秋です。 (乳癌ねぇ。。。これは初めてだわ)話を聞くと、乳癌は認められたものの、腹水の原因、つまり腹膜播種の原発がイマイチ確定できない状態だそうな。原発がわからないと治療も行えないと言われ、検査ばかりでちっっとも治療に行き着かないのだとか。それで、乳癌はともかく、腹膜の治療だけでも、米村先生にやって貰えないでしょうか?という内容でした。この時点で既に、米村先生の病院に電話を入れたそうだけど、乳癌からの腹膜播種の場合、原発である乳癌を切除していない状態で、腹膜の治療をしても意味がないと、病院の担当者に断られたと言います。病院の担当者が断ったものを、私がでしゃばる必要は無いんだけど、諦めきれないから私にメールを寄越したんだろうなぁ。受診がダメならダメで、この患者さんは納得というか、確認が欲しいのだろうと思ったので、何時も通りに米村先生に直接、お伺いを立てました。患者さんから聞く、詳しい状態を伝えると、これが意に反して 乳癌からの腹膜播種に、温熱療法がとても良く効いた例があると言われます。 でも先生、この患者さん、腹膜播種の原発が現時点不明で、 尚且つ、乳癌の手術も未だしていないんですよ 先生、乳癌は切れないでしょ? 乳癌の専門医がおるから、切って貰えばええですわ その時に温熱もやればええしと何故か乗り気というか、やる気満々というか、興味津々というか・・・の反応。 じゃ、先生この患者さん、受けます?と念を押すと、 まぁ、診てみないとわからんからね、 1度、来て貰えばええですわ その方が本人も納得するやろと言われるので、受診予約を入れたのでした。続く
2012年02月01日
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