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ちょっと前の話です、外出先でケータイが鳴りましてね。 「お忙しい時に大変恐縮です、母のお腹が赤く腫れて参りまして・・・」と患者さん(胃癌・70代・女性)の娘さんから電話がありました。話を聞くと、ここ数日でお腹が赤く腫れて来たと言います。手術を受けたのが今年の6月ですから、3ヶ月が経過しています。この患者さん、昨年の夏に内視鏡で胃癌が判明。経過を見ているうちに、高分化の癌でステージ1だったにも関わらず、その後、腫瘍マーカーがぐんぐん上昇。CA19-9 が800なんて言う数字が出てびっくり、それから2000まで上がってびっくり。で今年の1月に開腹手術を行うも、腹膜播種が認められてそのまま閉腹しました。その後、米村先生の元へ来られ術前に腹腔内化学療法を受けていて、6月に手術。ポートは埋め込んだままです。(現在、諸事情が出てしまって、全ての患者さんに施行できず、ごくごく一部の胃癌患者さんにのみ、施行しています)この時に埋め込んだ腹腔ポートが、まるで浮き出るように赤く腫れていると言われます。痛みもなく、熱もないと言うので、急を要する事態ではなさそうだけど、トラブルが起きたら、「ポートをぬく」 が基本なので、米村先生もそうしてるから、抜いてくれる病院が近くにあるなら抜く事自体には問題はないことをお話ししました。なければ、この患者さんのご自宅からは、近くはないけれど、米村先生が定期的に外来を設けている病院があるから、そこに打診してみて下さいとも伝えました。電話を切った後で、そういえば、ついこの間、この娘さんからメールが来ていたことを思いだしました。例のごとく・・・まだお返事できてなく・・・腹部の腫れなど書かれていなかったから、腫れたのはこの数日の事のようです。メールには、余りにも食事が摂れなくて、在宅医療で栄養の点滴が出来る体制を作るのに苦労があったこと。ようやく、体制を整えたら何故か栄養の点滴をしている間だけ38度の熱が出るようになったこと。退院直後は、米村先生の病院の近くで継続入院したり、関西に住む次女さんの家で在宅医療を受けていたけれど、その時は何ともなかったのに、家に帰って来たら、同じ事をしているのに、何故か発熱。「どうしてでしょう」という内容でした。発熱って言うと、まっさきに感染症を疑いますが、点滴が終わると下がる感染症なんて、聞いた事がないし、んな筈はない。何で何でわからないそうだあの点滴の問題はどうなったんだろうと、電話をかけ直したのでした。 「点滴を止めて様子を見ています」と言われます。点滴さえしなければ、発熱しないんだから、まぁ、妥当な線ですな。原因は不明のままですけども。次に心配になったのは、食事の状況です。 「エンシュアリキッドを1本は毎日飲んでいますし、 私からみると案外、食べれているような気がします」との返事。ここで気になるのが現在の体重。先に、腹水や浮腫みがないことを確認すると、 「在宅で来て頂いている医師からは、そういったお話はないですし 素人目ですが、どちらも無いように見えます」と言われます。 「身長は149cm、体重は38Kgです」という事は。。。自分の身長と体重と比較してみます。私は現在、身長154cm 体重43~44Kg。これでも太りましてねぇ、以前は42Kg が普通でした。で、夏痩せしてしんどかった時に40Kgを切るギリギリだったけど、生活に支障はなかったしぃ、身長差を考えても、この患者さん、痩せてはいるけれど、問題なくない 切除した臓器分を差し引いたら、あんまし変わんないかもこの点も心配なさそうだと思ったのでした。次回につづく
2012年09月28日
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今日は重いテーマです。米村先生のところには、北は北海道、南は沖縄、果ては海外からも患者さんが来られます。近くの病院で手術できる状態なら、簡単に治る病気なら、わざわざ遠くから患者さんは来ません。そうじゃないから、手術出来ないって言われたから、遠くからも来られる訳です。一般的には 「腹膜播種」 と診断されたら、手術対象外患者さんですからね。ですが、米村先生の場合は腹膜播種の患者さんであっても、腹膜切除を施行するから手術対象患者さんになる訳です。とはいえ、全ての腹膜播種の患者さんが手術対象になる訳じゃないです。ですが、患者さん側にすれば、自分が、自分の家族が手術対象になるかならないかわからない。例え、手術は出来なくても、手術以外の何かしらの治療をしてくれるかもしれない、治療の提案をしてくれるかもしれない・・・と、沢山の患者さんがやって来ています。特に余命1ヵ月とか2ヵ月・・・なんて言われた患者さんにすれば、藁にもすがる思いな訳で、家族勢揃い、時に親戚一同揃ってやって来られます。米村先生に対する期待度の表れとも言えます。ですがこの間、米村先生がこんなに事を呟いておられました。 僕はねぇ・・・ 手術を目的に治療しているんです 手術する為には、抗癌剤治療が効いてないとダメなんですわ消化器外科医なんだから手術が目標の治療を行うのは、当然で、それが米村先生の役割です。 だから、手術がどうにも出来ない患者さんは断っているんですこう言った後、直ぐに いや、断ってはいないんやけどと言い直し、溜め息をつかれました。余命1ヵ月とか、2ヵ月とか言われて来る患者さんは、抗癌剤治療が効かなくなったか、治療をやりつくしたか、治療が出来る状態じゃないから、そう言われている訳です。米村先生は、こういう患者さんに対して 今のところは、手術は出来ないから、 主治医に抗癌剤治療をやって貰って下さいって言うらしい。ところが、相手は「余命1ヵ月って言われているのに、抗癌剤治療をやって貰えるものですか」って言う。 そうなんよね、矛盾してるんよね・・・と、また溜め息です。米村先生の病院では、入院治療が請け負えないんです。ベッドは術後の患者さんで常に満杯で、フル稼働。入院して治療を行えるベッドの余裕なし。だって外科医ですから。。。こうなってくると外科医の範疇ではなく、内科医の手腕が問われるか、もしくは緩和ケアの充実が図れるか・・・結局・・・こういった患者さんに対しては、米村先生は何も出来ないんだけど、それを言えば相手は救われない。だから、ギリギリのところで踏ん張って、何とか患者さんに元気をあげているようです。その分、米村先生の溜め息は増えているんですけどね。医者としての苦悩とジレンマを抱えておられます。米村先生が静岡の病院に勤務されていた頃、余命1ヶ月と言われたスキルス胃癌患者さん(30代・女性)のご主人がセカンドオピニオンに来られた事があります。患者さんはかなり黄疸が出ている状態で、入院を余儀なくされていました。残念ながら打つ手なし。それでも、このご主人が診察室から出てくると 良い先生だぁ~って号泣したのを見たことがあります。患者さんは救えないんだけど、その代わりに救った「何か」を私は生で見たんです。だから米村先生が、「どうすることも出来ない」 と白旗を絶対に揚げない姿勢は意味があると思っているんです。ある意味、「まやかし」 かもしれないし、医療とは言わないけれど、その「まやかし」も苦しんでのこと。心ある医者なら、何十年も苦しんでますよ。私だって、ここ10年は苦しんでる。。。
2012年09月26日
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今日は久しぶりに、「覚悟がたりなぁーーーい!!」 と題して書いた患者さんの近況です。この患者さんは虫垂癌・腹膜播種の70代の男性です。一番最近は6月6日、その前は4月の下旬に続けざまに経過を書いています。当の患者さんは、癌という病気を抱える前から、人間不信に陥っていました。実の娘にさえ、完全に心を開けず時には疑うことさえもあったほど。そうさせてしまうほどの、辛い辛い経験が過去にあったようです。そんな時に虫垂癌・腹膜播種が判明したのでした。この事態がどういうことなのか、本人はイマイチわかってなく、状態云々よりも 「癌」 ってことが何よりショックで、プチ家出なんかして家族を心配させたものでした。そんな折、娘さんが必死に病気の勉強を開始そして、この4月に米村先生の手術にこぎつけたのでした。さて、今日はそれから。。。の話です。手術前、娘さんは何故か1人で、かっかかっかしてました。だって、腹膜播種の大変さやシビアさなんて、当の患者さんは何にもわかってなくて、米村先生に手術して頂けるようになってみたけれど、その手術の大変さなんて、全然理解なんかしてなくて、術後の心配なんかも全くしてなくて、 これでいいのかーーーーって感じでした。ですが、こんな娘さんの心配をよそにご本人、人工肛門になったこともすんなり受け入れ、術後、特に寝込むこともなく、元気に過ごしています。それまで疎遠だった地元の医師の元へ顔を出し、笑顔を見せ行きました。 「虫垂癌・腹膜播種で、腹膜切除 そんなの聞いたことがない、ありえない、どうなるかわからない」と疑心暗鬼だった医師の目の前に、術後の元気な患者さんが現れたことで、この医師の中の常識もちょっと変わったようです。偽りの無い、「生き証人」 ですからね。さてさて術後5ヶ月が経って、ご自分で運転して外来に出向いている今、もう、娘さんも嘆くこともなくなりましたから、めでたし、めでたしと言いたいとこなんですが、ここにきて、更に 「続・覚悟がたりなぁーーーい!!」 状況が。と言うのも、術後も抗癌剤治療はしばらく続くんですが、この術後の抗癌剤治療を途中で放り出している様子なんです。ゼローダを2週間服用して、1週間の休薬期間を設け、外来で全身に抗癌剤を投与するメニューです。ですが、「辛い」からとゼローダを1週間飲んで止めちゃうみたい。だから、娘さんは怒るわけです。先ず、「辛い」 のレベルがわからない。滅茶苦茶しんどいのか、まぁ我慢の範囲なのか、ちょっとだけなのか、これは本人にしかわかりませんからね。再発率の高さを承知しているとは思えず、だからと言って、それを言えば、脅すみたいだし、承知して途中放棄しているなら仕方ないけど、何も知らないで放棄しているから、イライラしちゃうわけです。だから、「続・覚悟がたりなぁーーーい!!」 になってしまうんですねぇ。 まぁ、今はまだ微笑ましい段階ですけども。で、薬というのは、ちゃんと計算されて処方されているので、中途半端な服用は感心しません。「飲むならちゃんと予定通り飲む、飲まないならもう完全に止めてしまう」実際、これが基本です。とは言え、この薬は抗癌剤。そう白黒ハッキリできないもの。術後の効果となると、まだ手探り状態ですからね。ですから、米村先生にしんどさを正直に伝えて、量を加減して貰ってくださいと伝えました。それと娘さんがポツリと言ってました。 落ち着いて、ひろりんさんにメールを送る頻度が減った今、 寂しくて寂しくて仕方ない自分がいます 父親も、出かけた先で、大変だった手術の話をしながら 米村先生の自慢話をしてます ご迷惑をかけないように、メールは自粛していますけど こんなにも寂しい気持ちになるのは、予想外でした ブログは毎日、欠かさず見ていますというより、見ずにいられません 父や私のように、米村先生やひろりんさんから自立できない人は 沢山いるかもしれませんねはぁ。。。そういうものでっかまぁ、患者さんがお元気なのですから、私としてはとっても嬉しいご報告メールでした
2012年09月24日
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昨日は、東京ドームでジャイアンツの優勝の瞬間を見て参りました思えば4月は酷かった初戦から19試合しかしていない時期に、5連敗を2度。最下位・・・って。。。あぁ、もうダメだ、負けるの飽きたとか思っていたんですが、まさか優勝してくれるとは3年ぶりの優勝です。「優勝」って漢字をすっかり忘れてました10日前から、東京ドームでの優勝を狙って、「21日」と山張ってチケット購入してました。バッチリ大当たりジャイアンツファン以外の方々、ごめんなさい。電光掲示板優勝の瞬間、外野席から大量のオレンジテープ投入選手全員で記念撮影今日は、先日の続きです。また、別件で米村先生に電話すると 北海道のあの人、どうなりましたって、同じ質問をされます。(だからぁ・・・)と、また私、同じ話をする訳です。 じゃあ、手術予定をもう入れちゃって良いかな・・・って、なんで私に聞くのかよくわからない別の日、また、まるっきりの別件で米村先生に電話すると 北海道のあの人、どうなりました・・・って、また同じ質問です、これで3度目。(もぉ~だ・か・ら・ぁ)と同じ返事をする。次聞かれたら(人の話、ちゃんと聞いてんのか、 それともアタシに喧嘩売っとんのか)とか言ってしまいそう。ぶちキレて、壊れるひろりんを想像ひろりんの人格が変わってしまうがな。これはもう立派に緊急事態だな。しゃ~ないので、北海道に電話しました。A子さんが出て、思いの外、お元気そう。可愛らしい声と電話の向こうでは、赤ん坊の声。(突然、電話なんかしちゃってすみませんねぇ米村先生が何度も何度もうるさいもんですから) ありがとうございます、気にかけて頂いて 私、主人にまかせっきりで、よくわかってなくて・・・> とA子さん。その日の晩に、ご主人から詳細がかかれたメールが届きました。 米村先生は、この患者さんにはDCS療法を薦めています。このDCS療法というのは、TS-1を服用しながら、タキソテール(別名・ドセタキセル)+シスプラチンを静脈から点滴で入れる手法です。腹腔内化学療法と同じ薬剤を使用しますが、投与する先が、腹腔内か静脈かの違いです。米村先生によれば、効果は同等で、腹膜切除を目的とする米村先生にとっては、DCS療法は、薬剤による癒着が起こらない分、手術がやりやすいらしい。ですが、この手法もガイドラインにないことから、現在、治療を受けている病院では、出来ないと言われたそうな。米村先生にしては珍しく、この場合を想定して、北海道にいる知り合いの医者を紹介していました。ですが、北海道って広い広い。せっかく紹介してくれたけれど、セカンドから帰って調べたら 「そこは遠すぎます」って事が判明。結局、A子さんのご実家の近くの病院、出産でお世話になり尚且つ、癌を見つけバイパス手術を受けた東北の病院で、引き受けてくれました。現在はTS-1単剤の治療、来月からはDCS療法。11月か12月には手術って感じです。 それにしても、セカンドオピニオンから約2週間の間に、米村先生から 北海道のあの人、どうなりました って、3回は聞かれました。患者さん側から 「手術まだですか」 って、何度も何度も聞かれる事はありますけど、米村先生の方からというのは・・・米村先生の 燃えてきた~> はマジですな。お二人共、治療、頑張ってください
2012年09月22日
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今日は、9月1日書いた 「燃えてきた~」 の患者さんの話です。・・・って言うより、米村先生の話になるかなぁ。出産直後にスキルス胃癌・腹膜播種でステージ4が判明した2人の30代の患者さんの話です。1人は北海道のA子さんで、もう1人は関西圏のB子さんです。B子さんは第2子出産直後、大量腹水で判明。米村先生のセカンドオピニオンを受診後、既に大まかながら手術日程が組まれています。幸い、地元病院の医師が大変協力的で、新たな検査データのやりとりもされていて、抗癌剤治療は、現在の治療が効果が出ていることから、内容を変えずに地元病院で続行中です。あれだけあった腹水が消えていますからね。実に良い感じです。お住まいが関西圏である事から、来月の外来予約もあり、こちらは米村先生もどっぷり、ゆったり構えておられます。とは言え、手術は急を要する状態で、予定の抗癌剤治療のメニューをこなしたら即、Go体制。B子さんのご主人からは、私に細かな状況報告も届いていてますので、私もちゃんと把握してます。ところが、北海道のA子さんは、遠いからまた来月米村先生を受診って訳にはいかない。こちらは第1子出産直後に、腸閉塞でスキルス胃癌・腹膜播種ステージ4が判明していて、こちらもセカンドオピニオン受診後、早々に手術の提案がなされてます。提案というより、もう予定ですな。A子さんのご主人からは、セカンドオピニオン受診後、「地元病院でTS-1+シスプラチンを3クール受けて、11月に手術と言うことで米村先生の元へ行く事になりました」 と報告がありました。そういう流れになったのねと私は把握。ところが、ところが、この流れを把握してない人が約1名・・・私が全くの別件で米村先生に電話する度、 北海道のあの人、どうなりました 僕のとこに連絡こんのよって・・・だから、A子さんのご主人からきた報告をまんま伝えると あぁ、そうかぁ~って言われます。これ、第1回目の話です。第2回、第3回があるんですよぉ続きは次回
2012年09月21日
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珍しく連日の更新です先日の患者さんの続きです。この患者さん、尿管狭窄の水腎症で突然、スキルス胃癌・腹膜播種が判明したのが、今年の2月です。えらいこっちゃ、えらいこっちゃでドタバタ、ドタバタそれから抗癌剤治療を経て、8月に手術となりました。突然の癌宣告抗癌剤治療開始手術退院・自宅療養と約7ヶ月。実に目まぐるしい時でした。そして今、ようやく大きな山場を乗り越えて、自宅でのんびり、ゆっくり・・・過ごしています。で、手術前には、手術後は、患者さんによって違いはあるけれど、少なくても数ヶ月、もしくは半年は、寝たり起きたりの生活が普通ですからね。年配の方だと、手術前の体に近づいたって思えるようになるまで、1年かかったりする手術ですからね。焦らず、ゆっくり回復してくださいね。って伝えておきました。特に女性患者さんの場合だと、家に帰ればやる事は沸いて出てきます。キリがなく。動きたくなくても、動かないといけない状況に追い込まれちゃうんで、つい動き回ってしまう・・・すると、疲れちゃって、痛みも出ちゃって横になる。こんな生活になりますよ・・・って意味で、「寝たり起きたり」って何度か言うておりました。中には、どうにも動けないほどダメージ受けてしまう方もおられますんで、どっちになるかは、わからないから、単に 「寝たり起きたり」 と言うておきました。ですが、ですがですよ。動かなくて良い、動いちゃいけない、寝てなきゃいけない・・・なんてコト一言も言うてませんがな。つい先日届いた、ご主人からの質問メールでは 特に問題もなく、回復しています 食事も少しずつ、摂れています 術後4週間が過ぎて、3日前からは鎮痛剤も必要がないほど 痛みが取れました でも、体重は10kg落ちました 家では、トイレやシャワーは1人で行ってます 寝るときは、1人で2階に上がってます もっと動いた方が良いですか ・・・って。。。動いた方が良いというよりも、動かな過ぎやんこんな生活してたら、筋肉は落ちる、術後の癒着が起こる、腸の動きは悪くなる、そもそも、動かな過ぎて、お腹なんて減らないでしょう。特にこの季節ですよ、大したカロリーも必要なく過ごせる時に、尚のこと、腹減らないでしょ~動かないと、食欲だってわかないですよ。入院中だったら、廊下をどんどん歩かされてまっせ。動いて多少は疲れないと、正常な睡眠も取れません。睡眠不足は私の経験上、確実に体重を落とします。あぁ。。。私の説明が悪かった。。。言葉って難しいなぁなんでこう、極端やねんお腹空かせる事もやらなきゃ、体を疲れさせることもやらにゃですよ。何度も何度も食事を繰り返しているうちに、代替胃が出来てくる。そうすれば、直接、腸に食べた物がいかなくなる分、下痢の頻度も減るでしょう。下痢が治まってくれば、体重減少にも歯止めがかかるってもんです。こうならないと、体重は増えるどころか、減るばかりなり。。。ですよん。時に患者さんによっては、電解質異常を起こして、食べても食べても、身にならなくて24時間の電解質の点滴を余儀なくされることもありますが、この場合は、小腸をバッサリとか、とにかく、腸をごっそり切った場合です。そうじゃないんだからぁ。。。リハビリ、頑張ってください
2012年09月19日
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今年も届きました鳥取県の二十世紀梨です。贈り主は、2005年11月にスキルス胃癌で他界したカズオさん(40代)。もちろん、ご本人が贈れる筈はなくカズオさんの奥さんから。梨農家を営み、ご自分のことを 「梨バカ」 と表現するほど熱心に梨作りをしていた梨農家さんです。奥さんが、「私の気持ちです・・・というより、主人の気持ちです」 って言って今年もまた。。。そのカズオさんが、お気持ちだけで十分ですからと断る私に、 「ひろりんさんに食べて欲しいから贈るんです」 って病床で言った言葉を思い出し、また涙する私です。。。ところで、今日はあの尿管ステントの件でドタバタした、スキルス胃癌の患者さん(30代・女性)の近況です。(2012年8月23日の日記に書いてます)ほら、尿管ステントを4ヶ月交換してなくて、交換が必要だって事も知らされていなかった患者さんですよ。慌てて私、電話しちゃいました。これ緊急って判断です。この患者さん、1ヵ月前に手術は無事に終わってます。開いて見ると、結腸にも癌があって予定より大きな切除内容となりました。その分、術後の回復を心配しましたが、これが予想を反して早い回復でね。予定通り退院しました。あっ、正確には予定より数日延びました。退院予定日の前夜だったかな尿が出ない騒ぎになりましてね。米村先生、深夜1時に呼び出されたとか。医者って大変ですな。経過をみているうちに、問題解決となり予定より数日延びて退院しました。で、退院して自宅療養を開始して約2週間経つんですが、何かと心配するご主人からメールが何度か届いてます。 まだ少ししか食べれません、栄養の点滴した方が良いですかそりゃ、胃袋が丸ごとなくなったんだから、少ししか食べられないのは当たりでんがな。術後数週間じゃ、まだまだ無理ってもんです。少しずつ何度にも分けて食べて下さいまし。これも練習、リハビリでんがな。少しずつながらも、ちゃんと食べられているというので、食べられるなら栄養点滴は要らないと思うと返事。小腸も切除した場合はこの限りではないけれど、この患者さんの場合、小腸はそのままと聞いています。点滴すると、お腹が空かないって人が多いんですよね。お腹が空かないと、更に食事量が減ってしまうから、食べられるなら点滴なんかしない方が良いんです。そもそも、静脈から入れる点滴なら、チョコレートやレーズンが入った高カロリーのビスケット数枚程度のカロリーですもん。普通に食べた方が良くねで次のメール 下痢が続いているんですが・・・胃がなくなって、食べたものが直ぐ腸に行くんだから、腸が刺激されて下痢にもなりますがな。この患者さんの場合、腸も切除しているから、本来の水分吸収率も下がっている訳で、その分、下痢にもなる。最低でも、下痢は数ヶ月は続くのが普通です。まだ術後、数週間なんだから、しゃ~ないってとこです。いくら何でも、焦り過ぎてまっせ~このご主人、かなりの心配症ですまっ、仕方ないですけどね。やれやれ・・・ってトコで落ち着いたんですが、またちょっと経ってから質問メール。はい、続きは次回に。
2012年09月18日
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気が付けば、かなり更新をサボってしまったような・・・メールの対応はこれでもぉ、毎日ぃ、やってますがぁ、この暑さで思うようにはかどりません。あっ、サーバーエラーはあの日の夜遅くに解消してます。この間書いた乳癌・腹膜播種の患者さん(40代・女性)が、この頃太ってきた事を気にされているんです。それまでは、食べても太らなかったそうで、ご本人が言われるには 「すっかり熟女ボディ」なんだとかそれで、前回の米村先生の外来で太ってきた事を伝えると、米村先生、カルテを見て 太る薬飲んどるやんって言うたそうな。太る薬って・・・ステロイドの事らしい。ステロイドって、消炎剤です。ステロイドを使用した癌患者さんを何人か知ってますが、皆、副作用に「ムーンフェイス」を訴えます。浮腫んでしまうようでねぇ。。。彼女の場合は、乳癌ですから婦人科も通院しているんで、そちらから処方されているみたい。だから、彼女も太ったというより浮腫んで、体内に水が溜まって体重が増えたんだろうと思ったんですが、そうではないみたいで 「中心性脂肪」って言われたそう。 中心性脂肪って何と博士に聞いてみた。すると 内臓脂肪の事じゃないのか 内臓脂肪が何故良くないか知ってるかと、言い出しましてね。ここからは、うちの博士の医療講座のはじまり、はじまり・・・内容を簡単に書きますとですねぇ・・・内臓に脂肪が付くと、免疫細胞のマクロファージに、「排除しろ」という指令が出る。数ある免疫戦士の中でも、一番大柄だから、大掃除には持ってこいみたい。それでマクロ戦士は、せっせせっせと大掃除を開始します。だけど、掃除しても掃除しても、減らない内臓脂肪、次から次へと内臓脂肪が出てくると、このマクロ戦士も堪忍袋の尾が切れて、「もう嫌だ、やってらんねーよ」と自爆しちゃうらしい。ある意味、過剰労働ですな。働き過ぎを訴える組合はないみたい。問題は、自爆の際にドカンと大量の活性酸素を吐き出すこと。この活性酸素が、心筋梗塞を引き起こすという事がわかったんですねぇ・・・以前より、太っている人の方が免疫力が弱いとか、その為に癌になるリスクが高いとか、色々と説はありましたが、活性酸素は癌も生み出すと言われているから、このせいもあるかも。だから皮下脂肪より内臓脂肪の方が良くないって言われる所以なのだとか。 ふぅ~ん・・・で終わった医療講座でした。じゃ、どうすりゃ良いのよってコトなんだよねぇ。。。
2012年09月15日
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メールのお返事の滞り状態が続いております。誠にすみませんm(_ _)m現在、新規の患者さんも3日ほど、お待ち頂いている状況です。新規患者さんほど、急を要する状況と心情なので、優先させて頂いております。で、今現在、サーバーエラーでメールが開けない状態言い訳しちゃいますが、今、この時間、お返事しまくるぞぉ~って勢い込んでPC開くも、このようなアクシデントついてないなぁ。。。今、私からのお返事をお待ち下さっている方々。。。どうでもええ、余談ですが。。。うちの博士、ケータイ2台持ち。んで、私も必要に迫られて今やケータイ2台持ち。夜中にバイプ音に気付いても、どれどれってキョロキョロなんてことも。。。また、夜中にトイレに起きると、「ここは清流の川辺」ってな感じで、あっちとこっちで、蛍のごとくチッカチッカ点滅してたり1部屋に4台もケータイがあると、結構、賑やかだったりします余談が長くなりました。4月20日に書いた、偽粘液腫の患者さん(50代・女性)の近況が届いてますこれから手術を受ける方、はたまた今、術後の経過の最中にいる方、苦労は誰もが同じでございます。どの患者さんも手術前は、あたかも、目標は「手術」であり、手術さえすれば、ばら色の生活が待っているかのように、「手術」「手術」と、待ち侘びています。ですが、ですが、内蔵を切除するということは、一時ながらも辛い時間を過ごさねばならないのが現実でんがな。それを乗り越えて、ようやっと元気ってヤツはやって来ます。この患者さんも、退院後に地元で緊急入院したり、激痩せしたり・・・と山も谷もありました。ですがぁ。。。今は、ホントに普通に元気そのもの。つい先日の外来で米村先生から 太ったって言われたそうな。米村先生の患者さん方は、多くの方が痩せてます。胃癌や大腸癌の方が多いですからね。病気で痩せてしまった方に、「痩せたねぇ。。。」 は禁句ってもんです。逆に、「太ったんじゃない」 は褒め言葉だったりします。 恐らく、米村先生、この褒め言葉のノリだったのでしょう。術後は間違いなく、激痩せしてましたからね。ところがご本人、元気になれば普通に女性な訳です。それ、今は気にしてるトコですから~女性に対して、その言葉、やっぱダメっしょ。術後こそは本当に苦労しましたけど、今は普通に生活して、普通に女性してます今、苦労している方々、もうちょい待ってくださいね。
2012年09月10日
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今日は、2012年2月15日に書いた患者さんの近況です。ほら、ヅラがズレたら・・・って、あの話の患者さんですよ。このブログでは大変珍しい、乳癌・腹膜播種の患者さん(40代・女性)の話です。敢えて脱毛激しい頭を見せたい訳じゃないけれど、髪の毛がないと、周りの方々に逆に気を使わせちゃうからカツラを購入しましたって言う患者さんです。そうかぁ、そういう観点もあるんだなぁ。。。って思ったもんです。殆どの患者さん、女性患者さんですけども、やはり見た目を気にしてカツラやウィッグ、帽子で頭を隠そうとします。これ、普通ですよね。女心ってヤツですよ。ですが、確かに・・・殆ど毛髪が抜け落ちた頭だと、やはり人と言うのは、無意識に視線が頭に行くものです。失礼だから見ないようにしていても、その努力は感じてしまうもの。ある男性患者さんが言ってました。面倒くさいから、頭を剃りましたって人がいたんですが、視線を頭にばかり感じるんだそうで・・・「僕の顔より、頭の方を見てますもんねぇ」って言ってました。社会っていうのは、そういうモノなんですよねぇ。話が反れました。この患者さん、手術を終えたのが2011年12月。両方の乳房に癌がありまして、双方を切除。腹膜にも癌が飛んでいて、温熱療法を受けました。米村先生のご判断で、腹膜は残したままです。その後、抗癌剤治療は今現在も続いています。最近の悩みは、お通じだそうで・・・どうやら、下痢が酷いみたい。抗癌剤の副作用かなぁ。ですが、ですが、抗癌剤治療を受けている身にも関わらず、趣味は相変わらず、ママさんバレー。先月なんて、抗癌剤投与の翌日がバレーボールの試合だったそうなそりゃ、無理でしょ。試合なんか出れる訳ないでしょ。・・・・って思ったんですけども、彼女、出場しましてね。ナント、優勝しちゃったって言うんですから、驚きですその優勝記念の写真をメールで送ってくれました。チームメイトと一緒に、真ん中に収まってね。写真を見る限り、えっ、患者さんはどこって感じです。飛び切りの笑顔に、元気そのものの女性が写ってましたよ思えば、癌が判明してから原発がわからなくて、治療に取りかかれなくて、右往左往。時間ばかりが過ぎていく中で、焦っていた時にメールが届いたんですよね。去年の10月のことだから、あれからもうすぐ1年です。1年前は、こんな風に1年後、チームメイトに囲まれて笑えるなんて思わなかったんじゃないかなぁ
2012年09月05日
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今日は久しぶりに、そりゃないよさんのお母さん(膵臓癌・60代)の話を。2012年3月11日の日記以来になります。あの時は、たまたま、そりゃないよさんのお母さんが治療を受けている同じ病院の患者さん(スキルス胃癌・30代・女性)のお兄さんから相談メールが届いて、奇遇だなぁと思い、お母さんにメールしたら 「手術しました」 って返事が届いたんです。そのお母さんですが、その後、抗癌剤治療を続けるも再発が認められましてね。腫瘍マーカーのCA19-9にナント2万という数字が出ました。この時に、先月ですけど、ご本人と電話でお話したのですが CA19-9 で20000なんていう数字があるんですねぇ ここまで大きな数字が出ると、まるで他人事ですよ と、あっけらかんと言われます。腫瘍マーカーは目安でしかないって言っても、確かにこの数字では、そんな言葉は気休めにもなりません。何より、ご本人が癌という病気、そして癌の治療を良くご存知です。息子さんがスキルス胃癌(2009年6月・30代で他界)で亡くなっています。実のご兄弟(兄と姉)が2人も、膵臓癌で亡くなっています。気休めの言葉が通じる相手ではないのです。亡くなった息子さん(そりゃないよさん)の苦労を知る為もありましたが、癌の治療には積極的でした。 ひろりんさん、私ねぇ、何もしないで諦めるのだけは嫌なんです 息子のように、最後の最後まで抗癌剤治療に苦しむのも嫌、 姉のように、自分で何も決められないまま、結局、何もしないままなのも嫌 性分でしょうねぇ、自分で決めて、やるだけのことはやらないと 気がすみません 自分の人生はねぇ、自分で旗振って思うようにやりたいんです以前からこう仰ってました。そんなお母さんですが、ここにきて抗癌剤治療の副作用にギブアップ。「治療止めます」 と決断されました。ここまでの経緯やお母さんのご気性を知る私は、奥の手、「神頼み」 です。先日、行った富士山5合目の神社、小御嶽神社でお守り頂いて来て、送りました。心を込めて願って来ました。せっかちで、やることやらな気が済まないお母さん。本来なら12月に行うべき、ご主人の3回忌を昨日済ませちゃいましてね。(2010年の暮れに事故で他界)病気の経過だけを書くと、辛い内容かもしれませんけど、何事も本人の気の持ちようと言いましょうかねぇ。。。ご本人、常に冷静であっけらかんです。娘さんや、そりゃないよさんの奥さん、お母さんからすればお嫁さんと孫のマイちゃんが、何かと気遣ってくれています。そんなお母さん応援団にも、富士山土産を送りました。要らん物も同梱してね。何かって、富士山5合目で撮った、ひろりんの写真です門外不出ひろりんの顔を知る人は、まぁ、いませんからねぇ写真を見たマイちゃんの感想をお嫁ちゃんが教えてくれました。 かわいい~ ひろりんさんって子供 んな訳、ないじゃろ~ だって、かわいいがぁ~・・・って。小学2年生の女の子から、「かわいい」って言われるアタシって。。。アタシの写真も、一時のお母さんの団欒の役に立ったかしら笑うってイイコトですからまだまだずっと、穏やかで元気で、フツーの日常が続きますよ。ご主人の3回忌という大仕事の次の、やらないかんこと、まだまだある筈ですもん。
2012年09月03日
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今度は山梨県側から富士山5合目に行って来ました。すばるラインから、車で行けますからね。この先に富士山の頂上が見える筈なんですが、雲でイマイチ見えず。富士山5合目にある神社なんですけど、富士山って 「富」 じゃなくて、「冨」 が正式な文字なんですって。 ね、う冠じゃなくて、わ冠でしょ。富士山5合目にある簡易郵便局です。「あめとーーく」でお笑い芸人さんが紹介していたハンコを注文して来ました。このところ、米村先生のセカンドオピニオンを至急に希望される方が多く、ドタバタが続いてました。「来週お願いします」 ・・・みたいな。米村先生の外来は、待ち時間が実に長いです。定期外来の患者さんでも、2~3時間待ち。新患だと、5時間待ちというのも珍しくなく。。。相変わらずの人気ぶりです。そんな中でたっまたまなんですが、スキルス胃癌が判明したばかりの、2人の30代女性がいましてね。それが、突然の判明となったのですが、お2人共、出産後早々に判明しましてね。突然の判明や、30代・女性というなら、何人も存じているのですが、出産後早々の2人というのは実に奇遇です。で、米村先生にこのお2人の経緯をお話して、早々のセカンドオピニオンをお願いしたんですけど、その時の米村先生の言葉がですね まだ若いなぁ~ お子さんが生まれたばかりなら、尚更、絶対に治さないかんね 燃えてきた~・・・って。こんな風に書くと、「若くないとダメ」とか思わないで下さいね。この度の、たまたまの言葉のあやってヤツですから。スキルス胃癌とか、腹膜播種とかとなると、最初から諦めムードが漂うことが珍しくないのが現実ですけども、そうじゃない現実もここにあるんですねぇ。。。お2人共、生まれたばかりのお子さんの為にも、希望をもって治療に臨んで頂きたいって思ってます。頑張れ2人のママ
2012年09月01日
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