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角田光代の短編に『イギー・ポップを聴いていますか』という1編があります。 イギー・ポップはアメリカ出身のロックミュージシャン・作曲家・俳優で、過激なステージパフォーマンスで知られるロックバンド「ザ・ストゥージズ」のメンバー。 物を拾う癖があるぼくは、ある日家の近くに届け物のように置いてあった紙袋を持ち帰ります。中には6本のビデオテープ。ぼくは興味がわいて見てみます。 最後の1本は結婚式のビデオでした。 披露宴に参加している気分で見るぼく。ビデオが終わったとき、ぼくはこのビデオが捨てられた理由について思い当たるのでした。最後のぼくの行動は、梶井基次郎の『檸檬』を思わせます。 参照元:角田光代『福袋』河出文庫 から『イギー・ポップを聴いていますか』
August 30, 2022
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家族がコロナに罹ったとき、気をつけて自分はうつらないようにすることもできるでしょうが、障がいのある人が罹った場合は、感染の回避は困難です。 のび太君が罹った時点で「これは一家で罹るな」と覚悟しました。 のび太君は食事もトイレも入浴、着替えなども自立していて介助は不要です。が、体温を測るなど、健康管理には助言と支援が必要です。 マスクもつけていられますが、それくらいで防げるようなウィルスではありません。オミクロン株の感染力は半端ないです。 2日後、主人も私も発症しました。主人は完全にダウン、のび太君より重いくらいでした。私はなぜか風邪程度。微熱さえ出ず、平熱のままで、鼻づまりと鼻水、のどの痛みくらいの症状でした。幸い私が動けたことで、2週間の家族揃っての家ごもりが何とか可能でした。 3人揃ってダウンしていたら今頃どうなっていたんでしょうか、怖いです。 食事の準備はできるので、食材はネットスーパーに頼りました。ドア越しにインターホンで「置いていってください」と言うと、シートを敷いて置いてくれるので、直接会わずに品物が受け取れます。日頃から利用している東急さんと西友さんにお世話になりました。 すぐ食べられる総菜や、解凍して食べる冷凍のお弁当のようなおかずもあります。また、食品の他日用品も届けてもらえるので助かります。 水と食料は災害用に備蓄してありましたが、あってよかったもや必要だったものは、①レトルト食品の「中華丼」のようにとろみがあるもの。咳や喉の痛みが出るので「カレー」は無理無理。②パスタやそうめんとレトルトのパスタソース。麺類はのどごしがよく食べやすいので。③スポーツ飲料。発熱時の水分補給に。主人は食事がとれなかったのでカロリーあり、のび太君は肥満防止のためカロリー0のもの。ワクチン接種後、発熱を心配して用意しておいたものが役に立ちました。④1人1本の体温計。後からネットスーパーで買い足しました。⑤風邪薬とロキソニン。医者にかかっても処方されるのは風邪薬です。常備薬の咳止め、風邪薬で症状を和らげました。⑥ポリ袋各種。ゴミ箱の中にはポリ袋を何重にも重ねておいて、使ったマスクやテッシューなどはさっさと片付けます。袋に密封してからゴミ袋に。ゴミは袋を二重にして出しました。⑦アルコールスプレー。トイレのドアノブや使ったトレーなどはアルコールをかけて消毒するので、常に持ち歩いていました。⑧スマホ。自室に閉じこもっているのび太君とLineでやりとりしました。「喉が渇きましたよ。何か飲み物ください。」「オッケー、持ってくよ」という具合です。 家庭内での感染は想定内ですが、外には絶対うつさないことが大事だと思い、2週間一家揃って一歩も外に出ない、誰とも会わない、を実行しました。 幸いのび太君はインドア派なので、絵を描いたり音楽を聴いて「退屈」と言いつつも過ごせました。スマホ1台あればニュースも見られますし、外部とつながることもできます。 アウトドア派の障がいのある方には厳しい時間になりそうですが。 回復してみると、何もない日常の大切さと、何もなく暮らせる幸せを心から感じます。できれば、皆さんが罹らずにすみますように。
August 28, 2022
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ある朝、のび太君が急に咳き込んだと思うと体温急上昇。「これは罹ったな」と思い、市販の検査キットで陽性を確認しました。 発熱外来はどこも予約一杯、発症した日も次の日も通院できませんでした。結局ネットで県に感染を報告し、自宅療養を選択しました。 手続きには、届け出のフォームがあります。 個人が特定できるマイナンバーカード(写真と住所が分かる面)とキットの検査結果のわかる写真を含む記入事項をメールに入力して送りました。スマホから手続きができますが、のび太君には難しいので全部代理で送りました。 県から療養番号だかが送られてきます。あとは療養期間の10日間Lineがくるので体調を答えるだけ。症状が悪化したら通院が必要ですが、順調に回復して発熱、咳などの症状が消えればそのまま外出してOKです。 てんかんの発作以外、心臓や呼吸器系の疾患がないのび太君ですが、医師の診察を全く受けないことに不安はありました。 ですが、私たちが住む地域の発熱外来はどこも満杯状態です。年齢相応の体力もあると主治医から言われていたこともあり、自宅療養を選択しました。 結果、通常のインフルエンザ程度の軽さですみました。熱は38度後半まで上がりましたがロキソニンが効いて下がり、3日間は上がり・下がりでしたが、4日目から落ちつきました。 食欲は衰えず、元気もありました。1~2時間おきにすごい量の水分を摂っていました。麦茶での水分補給ができない(少量しか飲めない)ので、デカフェの紅茶と緑茶、ハーブティーを薄めに入れてひたすら飲み続けました。 現在、回復後は後遺症もなく元気にしています。 ワクチンを3回打っていても罹るときは罹るんだというのが感想。ただ、軽く済んだのはワクチンの効果と思いたいです。
August 27, 2022
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大学生の牟田は、身に覚えのないストーカーに間違われ、追い詰められていきます。冤罪を晴らしてくれたのは先輩の紗雪でした。 連作短編で、第1話がストーカー嫌疑をかけられる牟田の話。第2話以降、大学内のドローン破壊事件、牟田の父が関わる事件…とつながっていきます。 実際起こった事件が織り交ぜられ、冤罪は現実に起こりうることだということが伝わります。被害者、目撃者に悪意がなくても、顔の錯誤、記憶の上書きが容易に起こりうること、無実であっても、罪を認めざるを得ない状況の怖さが語られます。 ミステリーとしては動機の意外性に惹かれました。 参照元:友井羊『無実の君が裁かれる理由』祥伝社
August 26, 2022
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礼…レイ、ライ ストレートな無礼を表すのが「傲岸無礼」傲岸無礼=傲岸不遜。おごり高ぶって人を見下し、謙虚な気持に欠けること。 類語に「傍若無人」。 内面の無礼を表す「慇懃無礼」慇懃無礼…言葉・態度が丁寧すぎてかえって嫌みであること。また、表面だけは 礼儀正しいが、内面で相手を見下していること。無礼講…身分・地位にこだわらず、ざっくばらんに宴会を楽しもうとすること。 上司の方から「今日は無礼講で」と言うものです。 間違っても部下が言い出したり、羽目を外しすぎてはいけません。
August 24, 2022
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8月22日は島崎藤村の命日に当たります。藤村は小説家のほか詩人としても有名で、「千曲川旅情の歌」の「小諸なる古城のほとり…」はよく知られます。 「常盤樹」という詩もあります。常盤樹の枯れざるは百千の草の落つるより傷ましきかな 落葉樹は、葉を落として再生します。生き返ったときの若葉は鮮やかです。 対して、常緑樹は落葉することなく、常に同じ色で立ち続けなければならない。何かを振り捨てて新しい自分になることはできない。人と重ねて考えると、大変なことかもしれないと思います。おごそかに立てよ常緑樹 参照元:島崎藤村『藤村詩集』岩波文庫
August 22, 2022
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並の顔、スタイルなのになぜか猛烈に女にもててしまう三波。うらやましいなんて言っていられません。同僚男性たちの嫉妬を買って仕事はうまくいかないわ、女に勝手に家に居座られるわで散々な目に遭ってきました。困り果てた三波はポケットティッシュを見て「ばくりや」を訪ねます。「ばくりや」は、特殊な能力を別な能力に取り替えてくれるという店でした。ただし、どんな能力になるかは選べません。 三波は女にもてる特殊能力から解放されますが…。 「ばくる」は北海道の方言で「交換する」の意味です。相手と何らかの物を交換するときに使うそうです。馬や牛の売買をする「博労(ばくろう)」から出た言葉です。 短編集『ばくりや』の中には皮肉な結末もありますが、成功例?は爽快です。『狙いどおりには』は痛快で、『さよなら、ギューション』『ついてなくもない』は心に残ります。いい気分になっていると最後はとどめのパンチを食らいますが。 参照元:乾ルカ『ばくりや』文藝春秋
August 20, 2022
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乾ルカの『てふてふ荘へようこそ』は、一部屋に一人の呪縛霊が住むという、不思議なアパートのお話です。 玄関・風呂・トイレ共同ながら2Kで家賃格安の「てふてふ荘」にやってくる住人はそれなりに訳ありで、住み着いた霊にもそれぞれ成仏できないわけがあるわけですが…。 お酒だけは実際に飲めるおっちゃんの幽霊と、恋をしているみっちゃんの二号室はコントのよう。 どの話もユーモラスですが、生きている人も霊もなく、心が通い合うってこんなものかと思わせてくれます。 端から見ると不器用な生き方かもしれませんが、自分の生き方を大切にする人たちがしっかりと描かれています。どの人も生きることに誠実なのです。 ばらばらだった住人と霊ですが、ピンチが迫り結託することに。最後は晴れ晴れとナイスショット!です。 参照元:乾ルカ『てふてふ荘へようこそ』角川書店
August 18, 2022
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8月16日は夕顔の命日です。 源氏物語に登場する女性たちの中でも、とりわけ夕顔が好きでした。おとなしやかな性格、源氏と知り合ってすぐ亡くなってしまう儚さと、今ひとつ正体がわからないというミステリアスな雰囲気に惹かれました。 高貴で美しく教養に富み、非の打ち所がないけれど、自尊心も強く生き霊となる位愛着が深い六条御息所とは対照的だなあと思いました。心あてにそれかとぞ見る白露の光そへたる夕顔の花(当て推量で源氏の君かと見る方は、白露のように輝いて夕顔の花に光を添えております)夕顔…朝顔・昼顔と異なり、ウリの仲間。実はかんぴょうになる。 乳母の家にお見舞いに訪れた源氏は、隣家の垣の夕顔に目をとめます。花を手折る舎人に、風情ありげな童女が扇を差し出して、これに載せて差し上げてくださいと言います。その場面の歌。 このエピソードから隣家の女主人は夕顔というニックネームになりました。 乳母の息子、惟光(乳兄弟で腹心の部下)の手引きで、源氏は夕顔と懇ろになります。 八月十五夜の逢瀬中、〝なにがしの院〟に移った夜半、夕顔はもののけに襲われます。弓弦を鳴らしたりして退散させようとしますが、効果はなく、夕顔は息絶えてしまいました。 子どもっぽい性格で、人の言うなりになってしまうような夕顔、もう少し自我が強かったらもののけ(六条御息所の生き霊?)に命を奪われることもなかったかもしれません。 遺体を恐ろしいとも思わず、夕顔の手を取り、もう一度声を聞かせてほしいと泣く源氏でした。
August 16, 2022
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紫の上の具合が悪いので、明石中宮は心配で里帰りしたまま宮中に戻れずにいました。中宮の子、幼い匂宮は「誰より好きなおばあさまがいなくなっては困ります」と言って涙を誘います。 明石中宮は明石の君の娘ですが、明石の君の身分が低いため、入内まで紫の上が母代わりに育ててきました。中宮にとって紫の上は、生みの母以上の存在です。 8月14日の夕暮れに、紫の上は前栽を見ようと脇息に寄りかかっていました。「中宮がいらっしゃるとご気分が晴れるようだね」と源氏は喜びます。中宮と源氏と紫の上は歌を交わします。紫の上は、最期の時の源氏の嘆きを思うとしみじみと悲しくなります。萩薄藤袴 絵巻の前栽には、萩・薄・藤袴が描かれています。歌に詠まれるのは萩。萩が露=命と結びつくイメージの植物であることから。風に吹かれる庭の風景はそのまま3人の心象風景です。おくと見るほどぞはかなきともすれば風に乱るる萩のうは露(起きているとご覧になっても、ややもすれば風に吹き乱れる萩の上に置く露のようにはかない命です。) 源氏は一緒に死にたいと歌を詠まれます。ややもすれば消えをあらそふ露の世に後れ先だつほど経ずもがな(ともすれば先を争うように消えてゆくはかない世に、後先なく時を同じくして生死を共にしたいものです) 中宮の歌秋風にしばしとまらぬ露の世を誰か草葉のうへとのみ見む(秋風に吹かれて少しの間も留まらないはかないこの世の中を、誰が草葉の上だけのことと思うでしょうか。) このあと紫の上は中宮に手を取られながら亡くなりました。夜一夜さまざまのことをし尽くさせたまへど、かひもなく明け果てるほどに消え果てたまひぬ。 紫の上の晩年は、女三宮の降嫁により、辛い思いもあったでしょう。上皇の娘であり、たっての願いで源氏に託された女三宮を大切にしないわけにはいかず、心は紫の上にありながら、なかなか顔を出せずにいた源氏でした。 最後の時、看取れなくてもおかしくない身分の娘の手を取られ、亡くなったのがせめての救いと感じます。前栽を前に歌を詠み合う場面は印象的です。 紫の上の命日が8月14日、翌15日が葬送の日でした。 参照元:倉田実「三省堂辞書ウェブ編集部によることばの壺」
August 14, 2022
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源氏物語・巻四十帖『御法(みのり)』は、ヒロイン紫の上の死を描きます。巻名は、紫の上が花散里へ贈った和歌からとられています。 3月10日、紫の上発願の法華経千部の供養が二条院で盛大に行われました。明石の方や花散里も訪れ、最後の別れを惜しみます。絶えぬべき御法ながらぞ頼まるる世々にと結ぶ中の契りを(これでもうおしまいになるであろう法会ですが、この世も来世もとあなたと結んだ結縁が頼りです。)(花散里の返歌)結びおく契りは絶えじおほかたの残りすくなき御法なりとも(この世で結んだ結縁は、次の世までも絶えることはないでしょう。ここでは最後の法会になりましても。) 花散里も源氏の妻の一人で、父の故桐壺院の妃、麗景殿女御の妹に当たります。院の没後は、女御・妹の三の君とも源氏の庇護のもとで生活していました。三の君とは若い頃恋愛したと書かれています。 花散里は、温和で慎ましく、裁縫・染色の才に長けた家庭的な女性でした。性格の良さから紫の上やほかの妻たちとの関係も良好でした。源氏の信頼も篤く、夕霧たちの母代わりとして養育もしています。 この後夏を越え、紫の上は徐々に弱っていきます。そして、迎えた秋…。
August 13, 2022
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花火の輪どんとどどんと爆ぜ重ね夜空しだいにしぼみてゆけり馬場あき子 コロナ禍で、大規模な花火大会は中止になることも多いのですが、夏空に上がる花火は見応えがあります。 「どんとどどんと」がいいなと思います。「爆ぜ重ね」る花火は日本特有のものです。外国では「どんと」1回爆ぜて終わり、その後はまた次の「どんと」というのが、打上花火だそうです。 花火が終わるときの空、確かに空までしぼんでいくような感じがします。見る人の心も重なるからでしょう。 花火の残像が残るように、心に残る一首です。 参照元:馬場あき子『阿古父』砂子屋書房
August 11, 2022
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小学5年生の俺は、喘息持ちのキョウスケと友だちになり、彼に合わせて行動するため、クラスの中でも「イケてない」奴認定されたと思っていました。 悔しい俺は、大きいな町に住む金持ちの家の、何でもできる親友『ゆうちゃん』を創り出し、ことあるごとにその名前を持ちだしました。クラスメイトたちはその嘘に気づいて、俺をいじめるようになりますが…。 「スクールカースト」なるものの存在と、こどもたちの容赦ない言動は怖いです。反面、おとなにはないピュアな友情が奇跡を起こします。 キョウスケに誘われて俺は、蟬の羽化の瞬間を目にします。実際目にすることでしか学べない生命の神秘を知ります。 成虫になって自由に飛ぶ時間よりずっと多くの時間を地下でじっと過ごす蟬たち。 そんな蟬たちの鳴き声を背景に、俺が願った天変地異が起こるのです。俺は、「蟬の脱殻とだけ関わっていてはだめ、もっと中味のある奴らとちゃんと付き合え」と教わります。 一冊に納められた他の作品と異なるテイストの一編です。 参照元:辻村深月『ふちなしのかがみ』角川文庫から 『八月の天変地異』
August 9, 2022
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『青空の卵』は「コージーミステリー」と呼ばれる、日常の些細な謎や秘密を解き明かすジャンルのミステリー短編集です。 殺人や強盗などという大きな事件ではなく、出てくるのは、しゃべらない子ども、ヒステリー女、視覚障害者を尾行する双子?などという謎です。 平凡な〝僕〟坂木司には、半ひきこもりのプログラマーの友人、鳥井真一がいました。僕は彼を外に出そうと、スーパーでの買い物につきあわせるのですが、傲慢で派手な化粧の女のヒステリーに遭遇し…。 元同級生が警官として登場したり、関わった人たちのネットワークが広がっていきます。とりわけ〝僕〟のお得意様、かんざし職人の木村栄三郎がいい味を出しています。栄三郎にあるのはな、きちんと生活をしてきた人間の匂いだ。栄三郎には本質しか見えないんだ。(鳥井のことば) 話が進む中、鳥井がただひとり信頼を寄せる存在として鳥井に寄り添ってきた〝僕〟が、実は鳥井に依存している心の奥もあかされ、ふたりの自立という道しるべが見えてきます。生きていく上での幸福は、誰かと分かち合う記憶の豊かさにあると僕は思う。 この短編集のあと二冊のシリーズが続きます。ふたりは青空を飛べるでしょうか。 引用および参照元:坂木司『青空の卵』創元推理文庫
August 8, 2022
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8月7日は8(ハ→バ)月7(ナナ)日の語呂合わせから「バナナの日」です。暑い日々、栄養満点のバナナをたべようという趣旨。 東京土産のバナナといえばこれ「東京ばな奈」です。チーズケーキ版です。お茶は夏らしく、レモンスカッシュ烏龍茶で。 チョコバナナ・フレーバーのイタリア麦茶(オルツォ)は、ストレートでもいいのですが、ミルクティーにするのがおすすめ。ストレートで。ピスタチオ・サンドクッキーと。ミルクティーは、ピスタチオクリーム入りのオムレットと。
August 7, 2022
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乾ルカのホラー短編集『夏光』を読んで思うのは、本当に怖いのは「霊」「幽霊」というものではなく、生身の人間の心だということです。 タイトルにもなっている『夏光』は、第二次世界大戦中の物語。 疎開してきた厄介者の哲彦と、顔の左半分に大きな黒い痣がある喬史は、虐げられている者同士仲良くなりました。 喬史は死に近づいた人がわかるという秘密を打ち明け、哲彦はこっそり汽車に乗り込んで母親の元へ帰る夢を語ります。 やがて、行ったことがある場所だから案内できるという喬史と共に、汽車への乗り込みを実行に移します。 哲彦より自分の息子たちに多く食料を与える伯母も、暑さと空腹でいらだち「疎開もんは帰れ」と壮絶ないじめを行う級友も、生と死のぎりぎりの状況になかったら、そこまではひどい人間ではないのでしょう。 人と違う痣のある顔でも、余裕のある時代だったら人権が尊重されたかもしれません。 「人の死がわかる」という超常現象より、ずっと人の心と行動のほうが怖いと思います。 伯母が体調を崩した哲彦に「どうせ戻してしまうんじゃけぇ」とすいとん団子を一つだけ碗に入れたのに、おいしそうに食べる姿を見て、もう一個よそってやる場面には救われます。 広島に着いた二人。行き交う人々を見る喬史の左目は今までにないほど青白く発光していました。 時の砂粒が一つ落ちるくらいのほんの短い時間、喬史はものすごく怖くて悲しい顔をした。…そして、納得した彼は哲彦と全力で駆け出します。 「夏光」こそ、闇より怖い、人が作りだした光でした。 参照元:乾ルカ『夏光』文春文庫
August 6, 2022
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暑い日々には涼しげなゼリーが食べたくなります。 爽やかなレモンゼリーが入ったパルフェ。買い物のついでに、スーパーやコンビニで買えるスイーツに手が出てしまいます。 東急のお取り寄せで買った「フェアリースイーツ」のゼリー3種。小ぶりですが満足度は高いです。素材の組み合わせが絶妙。 「ピンクグレープフルーツ」は、レモンゼリー、グレープフルーツの果実、グレープフルーツゼリーが三層になっています。夏にふさわしい酸味の効いた爽やかさ。「パッションマンゴーココ」は、パッションフルーツ・ジェレにマンゴー果実、ココナッツムースの組み合わせ。「マスカットピオーネ」は、レモンゼリーの下にピオーネ果実、マスカットゼリー。再びスーパーのスイーツ、モンブランムース。
August 5, 2022
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漱石はロンドン留学中の明治34年8月3日に、カーライル博物館を訪ねました。かねてから尊敬と共感の対象だったカーライルの生活した家を博物館した場所です。 帰国後、この体験を漱石らしいユーモラスな筆運びで綴ったエッセイが『カーライル博物館』です。 博物館は煙突のような真四角の4階建でした。窓から景色も四角で、漱石は、カーライルの顔は決して四角ではないのに、などと思います。 案内人のおばあさんが朗々と説明してくれます。口調に聞き入ってしまうと、内容が頭に入ってこないというのは、あるあるです。案内者はまだ何年何月何日の続きを朗らかに読誦している。(案内人の口上は)電話口で横浜の人の挨拶を聞くよう 生活音を受け入れがたかったカーライルの書斎は4階の屋根裏でした。頭の上は硝子一枚を隔てて全世界に通ずる青空であった。4階から降りるごとに、下界に近づき、1階に降りたときには自分が俗人になったと漱石は言います。 博物館や美術館は世俗の時間から離れた空間、この言葉はわかる気がします。随所にユーモアがちりばめられた見学記です。 ※トーマス・カーライル…19世紀イギリスの歴史家・評論家。「世界の歴史は英雄(神、預言者、詩人、僧侶、文人、帝王など)」と唱えました。 引用および参照元:『夏目漱石全集2』ちくま文庫から『カーライル博物館』
August 3, 2022
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きりっと冷えた緑茶や焙じ茶もいいもの。焙じ茶「鬼の焙煎」と栗・小豆の入った寒天。目にも涼しい和のスイーツです。水出しのピーチ&オレンジの緑茶には梅ゼリー。抹茶かんの蜜豆に白桃煎茶。藤兵衛庵のうちわせんべいは、目でも楽しめるスイーツ。柄は爪楊枝です。煎茶をいれて。
August 2, 2022
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人生には「もしもあのときこうしていたら…」と思う『if』が必ずあります。そんな『if』の話。 AとBの章立てで、ほとんど同じ話が進行します。もしかしたら、あのオチ?と思った内容は見事に外れました。トリッキーですが、最後はストンと腑に落ちる短編です。ネタバレになるので、これ以上言及できませんが、気持ちよい騙され具合に、さすが伊坂幸太郎と感心しました。 参照元:『20の短編小説』小説トリッパー編集部・編 朝日文庫 から 伊坂幸太郎『if』
August 1, 2022
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