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April 9, 2018
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カテゴリ: 詩とやまと歌と
​​​​​​星 ​寛…カン​

霞立つ永き春日に子どもらと手まりつきつつこの日暮らしつ
この里に手まりつきつつ子どもらと遊ぶ春日は暮れずともよし
​子どもと手まりをつく…で、誰の歌か想像がつくかもしれません。
 江戸末期に生まれた禅僧で、漢学・和歌・書に優れ、子どもたちにも親しまれた
良寛の作です。
 良寛は、名主の家の長男でしたが、出家して国上山の五合庵に落ち着きました。

 山から下りてきて、里で子どもたちと遊ぶ春の日。
子どもには子どもの時間が流れています。
大人も一緒に興じるそのときだけは、子どもの時間の中に身を置けるのかも
しれません。


ひさかたの天(あま)ぎる雪とみるまでに降るは桜の花にぞありける
​「天ぎる雪」は古今和歌集の「梅の花それとも見えず天霧(あまぎ)る雪の
なべて降るれば」の歌を受けて。本歌は実際に降る雪ですが、良寛が歌ったのは
雪のように降る桜です。山桜でしょう。桜が散るのは、行く春のしらせ。
里で手まりをついた春の終焉です。



​何ごとも移りのみゆく世の中に花は昔の春に変わらず
​「ふるさとに花を見て」の詞書きがあります。
良寛に代わって家督を継いだ弟は家を没落させ、村人との関係も悪化していた
ようです。
 百人一首の紀貫之の歌が元にあります。
「人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香に匂ひける」
この歌を踏まえていますが、貫之が故郷は変わらないと言ったのに対し、良寛は
花は変わらないが故郷は変わったと言います。


時代も、人と人との関係も、変わっていくばかりですが、良寛が子どもたちと
過ごした温かな時間は、歌の底流となって流れ続けます。歌の情景を思い描くとき、私たちの上にも春の日差しが惜しみなく降り注ぎます。


          参照元:佐々木隆『コレクション日本歌人選ー良寛』笠間書院​





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Last updated  April 9, 2018 12:00:33 AM
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