60ばーばの手習い帳

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September 19, 2018
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カテゴリ: 常用漢字
​​​​  9月19日は正岡子規の命日にあたります。
子規は、明治34年9月から死の直前まで『仰臥漫禄』という、俳句・水彩画などを
交えた病床日誌を記しました。
 病気の重さも、自分の弱さもありのままに綴って、しかもユーモアを忘れない
記録は、心を打つものがあります。



子規庵の庭から  2017年10月28日 以下同

星 仰…ギョウ、コウ、あお(ぐ)おお(せ)  臥…ガ、ふ(す) 
   伏…フク、ふ(す)ふ(せる) 






 「仰臥」は、子規がうつ伏せになることができないので、仰向けのまま記した
という意味です。

 肺は左右とも大半が空洞になっていて、生きているのが奇蹟といった状態
でした。



糸瓜 子規庵の庭
​​
棚の糸瓜思ふ処へぶら下る
糸瓜ぶらり夕顔だらり秋の風
病間に糸瓜の句など作りける
​  病床の楽しみは食べることであると、​子規は毎日食べた物を記録しています。
病の重さを感じさせないくらいの健啖ぶりですが、さすがに

この頃食ひ過ぎて食後いつも吐きかへす。
​とも記しています。この日の記録は
朝 粥四椀、はぜの佃煮、梅干し(砂糖漬け)
昼 粥四椀、鰹のさしみ一人前、南瓜一皿、佃煮
夜 奈良茶飯四椀、なまり節(煮て、少し生にても)茄子一皿
二時過牛乳一合ココア交て
  煎餅 菓子パンなど十個ばかり
昼食後 梨二つ
夕食後 梨一つ
​で、これは確かに「食い過ぎ」かもしれません。牛乳は毎日のように摂っていて、
おやつ、果物もよく登場します。子規の果物好きは有名です。『仰臥漫禄』には
菓子パンのスケッチも載っています。

 ネジ形パンが固くてうまくなかったので、やけになって羊羹・菓子パン・煎餅
など食べた、なんていう日もあります。

 また、当時はハイカラだったカレーライス三椀という記述もあります。


鶏頭 
鶏頭や今年の秋もたのもしき
人間はまだ生きて居る秋の風
牡丹にも死なず瓜にも糸瓜にも
 一番の看病は、病人の気が紛れるような話をすることなのに、妹にはそれがなく
冷淡だ、などと批判的な子規でした。「団子が食いたい」ではだめで「団子を
買ってこい」といわれないとわからない木石のような女だ、という愚痴のような
文もあり、妹に同情してしまいます。

 食の残りを捨てるのが惜しいので、どこか不足している処へ届けられないものか、と考える日もあります。

 いよいよ病が重篤になると、医師に死期の宣告を望むと記します。​
運命は運命として置いて、医師が期限を明言してくれれば善い。

わがままや最後の贅沢が言えるから。
 自分でもこの冬を越すことはできないという自覚はありました。パニックに
なった日もあります。飾らない心の記録だからこそ、心に響くものがあります。

​​ 糸瓜さへ仏になるぞ後るるな ​​
 34歳での死は本当に残念です。

引用および参照元:正岡子規『仰臥漫禄』岩波文庫​




​​





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Last updated  September 19, 2018 12:00:38 AM
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