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ミステリー、SF、ホラーと多彩な内容が詰まった竹本健治の短編集『フォア・フォーズの素数』の最後を飾る一編が『銀の砂時計が止まるまで』です。
祖父を亡くしたボクは、この星でたったひとりの住人でした。
ボクの空想の中で、時間の神様は、きれいな女の人でした。ある日、ボクはお気に入りの岩浜に座って海を眺めた帰り道で、海辺で倒れている女の人をみつけました。
彼女は、思い描いていた時間の女神そっくりでした。
ボクの介抱で彼女は意識を取り戻し、一緒に暮らし初めますが…。
孤独の悲しみが、ひたひたと押し寄せてきます。出会いと別れは、ずっとひとりだった時以上の寂しさを置いていくのです。
この短編集全編に、取り残されていく少年の孤独が色濃くにじみ出ていますが、とりわけこの作品は胸に迫るものがあります。
少年の星の秘密には伏線も張られていて、うまく構成されています。
海も空も、嘘のように青くひろがっていた。
少年の視点から書かれたストレートな文章が、きらっとした言葉がそのまま届く作品です。
参照元:竹本健治『フォア・フォーズの素数』角川書店 から『銀の砂時計が止まるまで』
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