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今邑彩氏の作品は「ホラーとミステリーの融合」と言われます。最後まで読んでみないと、着地点がホラーになるのか本格ミステリーになるのかわからないのです。

作家・砂村悦子が殺されました。部屋は密室、鏡の中に入っていったかのような血の足跡、持ち去られた小説原稿。編集者がみつけた原稿には、鏡にまつわる自身の恐怖体験が綴られていました。
警視庁捜査一課の貴島が事件を追います。
鏡に向かって付けられた足跡の謎は、現実的に説明されます。1つの事実がはっきりすると、奇妙で説明がつかない犯人の行動の理由がわかります。犯人も。
題名の「i」は、アイ、死んだ従妹の名前であり、私の「I」虚数の「i」です。悦子の書いたミステリーの中では、5歳のI(わたし)がアイを殺したことになっています。わたしは、鏡の中のわたしは、アイであると思い、鏡を恐れていました。
悦子が殺された事件は、彼女の小説と鏡像のようになっています。現実なのか、i虚構の世界なのか、翻弄されながら一気に読んでしまいました。
本格推理小説として過不足ない作品であり、ホラー・テイストも十分に味わえる贅沢なミステリーでした。
参照元:今邑彩『i 鏡に消えた殺人者』中公文庫
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