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“Runaway(悲しき街角)” by Del Shannon 1961 1961年4月22日付 Cash Box Top Singles #1 がデル・シャノンの『悲しき街角(Run Away)』だった。Billboard Hot 100 でも4月下旬から4週連続1位になる大ヒットを記録した。 これに漣健児が日本語の歌詞をつけて飯田久彦が歌い、日本でも大ヒット。オリジナルも同時にヒットして、ここに「街角男」は誕生した。 そもそも “Runaway” という原題がなぜ『悲しき街角』かといえば、これはなかなかよくできたタイトルであって、歌詞の内容とさほど乖離していないのだ。 この歌詞に出てくるこの男、歩きながら考える。「あんなに強い愛だったのに、一体何がいけなかったのか」と。そして「まだ心の未熟な頃に一緒にしてきたこと」に思いを巡らす。 つまり、今は別れてしまった彼女のことを考えながら歩いているんですね。そしてメジャーに転調してからあの印象的な雨のシーン。 ♪ I’m walkin’ in the rain, 雨の中を歩いている Tears are fallin’ and I feel the pain, 涙が流れ心は痛む Wishin’ you were here by me, 願わくば君がそばに来て To end this misery この惨めさに終止符を打たんことを ここを漣健児訳だとこうなる。 「♪ どうしてあの娘(こ)と 逢えないのだろう どこにいてさえ さがしてるんだ」 雨の中を歩いてはいないけれど、この男の心情はきちんと語られている。 では、なぜ漣訳では冒頭でいきなり「♪ 街角で別れた あの子は今どこにいる」と「街角」が出て来たのか考えてみた。 好きだった女の子と別れて一人歩くこの男、雨の中一体どこを歩いているのだろうか。 山道とか田舎の小径なんかじゃないですよね。やっぱり街角と呼べるような所でしょ。 大都会でなくても小さな都市でいいから、賑やかな商店街があって、路地裏には子供達が遊んでいるような、そう、僕がちょうどこの歌の流行った頃に住んでいたような街の、角を曲がると映画館のある通りがあって、斜め前には駄菓子屋があるような、どうしてもそんな景色が頭に浮かんでくる。そういう所。 あるいは1961年の東京ならどこでもいい。あ、無論街角のあるような都市部の話です。三多摩はちょっと違うでしょうか。できれば銀座や青山、神谷町とか六本木、西麻布とか、電停のあるどころがいいかな。 もしや、電停がわからないとか。辞書で調べてください。 話が逸れました。そう、やっぱり別れたのは「街角」なんですよ。だから「悲しき街角」は、実にこのオリジナルの男にとって、まさにふさわしい邦題と言えるのではないでしょうか。 そして最後の方の、「♪ why she ran away, なぜ去ってしまったのか」 ~「♪ My little Runaway 僕の可愛い逃亡娘」に関しても、「今はどこにいるの」と、未練タラタラな男の胸の内を歌っているのが、くどいくらいだけれどリズミカルで何故かとても良い。 さて、この『悲しき街角』のヒットに気を良くした漣健児さん、デル・シャノンのその後の曲のタイトルにやたらと「街角」を付けた。そのうちの何曲かは結構ヒットして、特に僕は『街角のプレイガール』が好きですね。 どんな曲かって、そりゃあ来週のラジオ(5/6)を聴けばわかるってえもんよ。つまり5月6日には「街角特集」をやりますから。 じゃあ、今日はあまりにも有名なあの『悲しき街角』聴いてみましょうか。 “Runaway(悲しき街角)” by Del Shannon 1961 ********** 庭に10年以上前に苗をいただいて植えたピタンガがあるんですが、なんと、今年初めて実を付けました。ピタンガはちょっと変わった味なので、慣れるまではたくさん食べられませんでしたが、慣れたらそれなりに結構イケます。 うちのピタンガはどんなかと言いますと、実はまだ食べていません。家族の話では、癖がなくて食べやすいとのこと。とにかく鳥との争奪戦になるので、いつ食べられるかわかりませんが、楽しみです。 ********** 4月22日放送の「穴沢ジョージの “Good Old Music”」のオンエア曲です。1. 悲しき街角 (デル・シャノン) 2. Hold Me, Thrill Me, Kiss Me (Mel Carter) 3. 誇り高き男 (The Three Suns) 4. 私の心はパパのもの (マリリン・モンロー) 5. Heartaches (Harry James Orchestra with Marion Morgan) 6. Blue Moon (Bob Dylan) 7. Moonlight Serenade (小野リサ) 8. Earth Anthem (The Turtles) 9. Earth Song (Mary Hopkin) 10. Earth Angel (The Penguins) リクエスト曲は、7.酋長Kobaさん。ありがとうございました。 上記以外は穴沢選曲です。1.は1961年の4月22日付 Cash Box Top Singles #1 の曲。ここから「街角男」は始まった。2.はこの日がメル・カーターの誕生日(1939.4.22生,84歳)で。3.~5.このところテレビで放映された映画にまつわる曲。5.はジャッキー・ロビンソン・デーの翌々日(4/17)に “42~世界を変えた男” が放映されたので、1942年の4月15日から22日にかけて全米でヒットしていた (#1になった) 曲を。6.は今月の歌『ブルー・ムーン』をボブ・ディラン節で。7.~10.はこの日がアース・デイだったので、Earth にまつわる曲を。 以上です。次回もよろしく。
2023.04.28
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“Take Me Out to the Ball Game” by The Andrews Sisters & Dan Daily 1949 (Original: 1908) 4/15はちょうどジャッキー・ロビンソン・デーで、毎年恒例、選手全員が背番号42を付けてプレイしていましたが、発想が素晴らしいですね。 米大リーグの試合で一番羨ましいのが、ホームチームがラッキーセブンに入る時、すなわち7回の表が終わると、観衆が総立ちで『私を野球に連れてって(Take Me Out to the Ball Game)』を歌うあの光景。・・・とここまで書いて、前にも同じことを書いたことがあったなぁと、思い出してみたけれど、いつのことだったか思い出せません。 ま、とにかく大リーグ中継を積極的にやっている NHKさんには、7回の表が終わったら余計なビデオとか入れないで、ぜひこの Seventh Inning Strech(セブンス・イニング・ストレッチ) の観客の楽しそうな姿を必ず映してほしいです。 ・・・と書いている端から、今日(4/19)の中継では「大谷のこれまでの全打席をご覧いただきます」とか、いつでもできそうなことをやって、セブンス・イニング・ストレッチのスタンドを映さなかったばかりか、『私を野球に連れてって(Take Me Out to the Ball Game)』の歌声すら聞こえてこないという、僕が一番嫌なパターンに持っていったではないか。 これは正式に抗議したいくらいのことなんですけど、みなさんは平気なんでしょうか。大リーグの試合で最も重要なシーンですよね。 どんなに味方のチームが負けていても、この時だけはみなさん楽しそうに歌う。 この歌の持っている全然ギスギスしていないほのぼのとしたメロディーとテンポが、結局はいつまでも歌い継がれている最大の要素なのだろう。それにもちろん歌詞。最後の方の「♪ If they don’t win it’s a shame. For it’s one, two, three strikes, you’re out. At the old ball game. (負けたら残念だよね。だって、昔ながらの野球では、ワン、ツー、スリーストライクで三振アウトだからね)」ってのが良い。 今日はこちら↓で聴いてみましょうね。 “Take Me Out to the Ball Game” by The Andrews Sisters & Dan Daily 1949 ********** 日曜日、インドザクラにオオゴマダラが来て蜜を吸っていました。しばらく吸っては優雅に花を移りまた吸って、随分長いこといました。ちょうど清明の真っ最中です。 ********** 4月15日放送の「穴沢ジョージの “Good Old Music”」のオンエア曲です。1. Stay (The Hollies) 2. Come Running (Marty Wilde) 3. I Hear You Knocking (Dave Edmunds) 4. Steal Away (Jimmy Hughes) 5. Moon River (The Four Freshmen) 6. Blue Moon (Dean Martin) 7. Take Me Out to the Ball Game (The Andrews Sisters & Dan Daily) 8. Take Me Out to the Ball Game (Carly Simon) 9. Wild Cat (Gene Vincent) 10. 恋のひとこと (Nancy Sinatra with Frank Sinatra) リクエスト曲は、4.座波ソーメンさん。5.酋長Kobaさん。以上、ありがとうございました。 上記以外は穴沢選曲です。1.は先週お届けした “Stay” のホリーズによるカヴァー。2.はこの日がマーティ・ワイルドの誕生日(1939.4.15生,84歳)で。3.はこの日がデイヴ・エドモンズの誕生日(1944.4.15生,79歳)で。6.は今月の歌『ブルー・ムーン』をディーン・マーチンの渋い声で。7.&8.はこの日がジャッキー・ロビンソンデーだったので、米大リーグの試合で必ず聴衆が歌うこの歌を。9.はこの日がイリオモテヤマネコの日だったので。10.は1967年の4月15日付 Cash Box Top Singles の #1 ナンバー。 以上です。次回もよろしく。
2023.04.19
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“Because” by Julian Lennon 1985 4月8日はジュリアン・レノンの誕生日で、1963年生まれの彼は60歳、還暦を迎えたわけだ。 何年か前に同じようなことを書いた記憶があるので調べたら、2017年が今年とカレンダーが同じで、4月8日のラジオでジュリアン・レノンの『ビコーズ』をかけて、この曲のことを書いたのだった。(2017年4月10日の日記) 1985年に『ビコーズ』をカヴァーした経緯についてちょっと知りたくて調べてみたら、ミュージカル “Time(タイム)” からのシングルカットだということがわかった。 ではその “Time” とは一体どんなものだったのか Wikipedia さんに相談してみると結構詳しく説明されていましたよ。 Time (musical) ただ、ジュリアン・レノンはこのミュージカルに出演していないのに、このミュージカルからのシングルカットということになっているのはどういうことなんだろうか。 まあ、オリジナルキャストが歌っていないというだけで、このミュージカルで使われたのを機に彼が歌ったというだけのことなのかなと思ってちょっと下の方を読んでみると、以下のようなことが書いてあるではないか。 Recording The concept album Time was released by Capitol Records in the United States and EMI elsewhere in the world (UK Catalogue Number UK:AMPM 1 (EQ 5003).In addition to Richard and Olivier, it featured Freddie Mercury, Julian Lennon, Murray Head, Dionne Warwick, Leo Sayer, Ashford & Simpson, Stevie Wonder, John Christie, Jimmy Helms Mike Moran, and Paul Miles-Kingston. Olivier's spoken "Theme From 'Time'" was released as a single in some countries and was a surprise hit on the Australian charts, reaching #27. (以上、Wikipedia より引用) なるほどね。そういうことだったのか。あの商魂逞しいデーブ・クラーク氏のプロデュースしただけのことはある。 つまり、舞台のオリジナルキャストとは関係なく、このミュージカルで歌われた曲を上記のような錚々たるミュージシャンに歌わせて、コンセプトアルバムを作ったということだったんですね。 だから、もう一つこちら↓の記事を読む必要があったということだ。 Time (Dave Clark Album) しかし、この二枚組のアルバム200万枚も売れたようだけど、当時(1986年発売)話題になったんだろうか。全く知らなかったなあ。ぜひ一度通して聴いてみたいものだ。 『ビコーズ』を歌っていた時のジュリアンは、ジョンから毒気を抜いてさらに人の良さに磨きをかけたような、実に育ちの良さがその風貌にも表れていたっけ。還暦を迎えた顔はどんなだろう。ジョンが還暦まで生きていたとしたら、やはりいまのジュリアンに似ていたろうか。あとでネットでこっそり見てみよう。 ジュリアンの『ビコーズ』↓もやっぱ良い。 “Because” by Julian Lennon1985 ********** 庭のアマリリスが今年も咲きました。これは先週(4/6)撮った写真で、いまはもうこの株の盛りは過ぎていますが、あと5株ほどあるので、もしかするとまだこれから花を付けるのでしょうか。一向にその気配が無いのですが。 ********** 4月8日放送の「穴沢ジョージの “Good Old Music”」のオンエア曲です。1. シュガータウンは恋の町 (ナンシー・シナトラ) 2. Blue Moon (Rosemary Clooney) 3. Because (Julian Lennon) 4. 天使のハンマー (Peter, Paul and Mary) 5. Stay (Maurice Williams and The Zodiacs) 6. Lollipop (The Chordettes) 7. And When I Die (Blood Sweat and Tears) 8. Eli’s Coming (Three Dog Night) 9. Wedding Bell Blues (The 5th Dimension) 10. Georgy Girl (The Seekers) リクエスト曲は、4.字糸満のシンディさん。5.尻焼原人さん。6.酋長Kobaさん。以上、ありがとうございました。 上記以外は穴沢選曲です。1.&10.は今年とカレンダーが同じだった1967年の4月ごろに日本で流行っていた曲。2.は今月の歌『ブルー・ムーン』3.はこの日がジュリアン・レノンの誕生日(1963.4.8生,60歳)で。7.~9.はこの日がローラ・ニーロの命日(1997.4.8没,享年49)で、彼女の作詞作曲の名曲から3曲選んでお届けしました。 以上、次回もよろしく。
2023.04.14
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“Let Your Conscience Be Your Guide” by Marvin Gaye 1961 坂本龍一氏ついに逝ってしまいましたね。 亡くなる直前まで様々なメッセージを発信していたのには頭が下がります。ご冥福をお祈りします。 ********** 年度替わりにいつも思うこと。 1. 小学校の入学式に雪が降った これは、以前にも書いたけど、僕が当時住んでいたのが長野県東部だったから。今から思えばこの日は多分上雪(かみゆき)が降ったのだろう。上雪とは、南岸低気圧の影響で関東地方を中心に降る雪のことで、通常2~3月に多い。時には4月にも降ることがある。 この頃の入学式は4月1日で、母は着物の上に羽織を着て唐傘を差し僕の手を引いた。僕は保育園にも幼稚園にも行けない激しい人見知りだったので、その時の緊張感は今でも記憶にある。 教室に入ると、黒板に花とか動物か何かの絵がチョークで描かれていたが、何の絵だったろうか。思い出せないし、それ以降の記憶もない。ただ、講堂で撮ったクラスの集合写真は残っていて、その時に焚いたマグネシウムのフラッシュ音が異様に大きく、ほとんどスズメ脅しのカーバイトの爆発音みたいだったのは覚えている。爆発の瞬間に完全に目をつぶってしまった者もいた。 極度の人見知りも、この日から無くなった。 2.なぜ日本ばかりが4月なのか。 入学式や入社式が4月なので、欧米に留学したり留学生を受け入れる際に色々と苦労があったようだ。近頃ではその辺は柔軟に対応する例が多くなったようだが、敗戦後すぐにGHQは9月入学を決めてしまえば良かったのにね。その方が国際的にも色々便利でもあるし、夏休みが終わって新たな学年が始まるという流れの方が、火照った頭が徐々に冷めて勉学に励むのに適している気がするし、自然のように思える。 でも、本来明治時代に学制が確立するまでは9月入学を採用していたらしい。が、国の会計年度末を3月、年度替わりを4月に決めて、それに合わせて学校も4月入学になったとのこと。なんだか残念な気がする。 ********** 4/1はマーヴィン・ゲイの命日でした。若き日の歌声↓をどうぞ。 “Let Your Conscience Be Your Guide” by Marvin Gaye 1961 ↓今年もこんな感じで咲きました。春ウコン。 ********** 4月1日放送の「穴沢ジョージの “Good Old Music”」のオンエア曲です。1. April Love (Pat Boone) 2. The April Fools (Dionne Warwick) 3. Let Your Conscience Be Your Guide (Marvin Gaye) 4. 好きさ好きさ好きさ (カーナビーツ) 5. The Diary (Little Anthony & The Imperials) 6. Blue Moon (The Marcels) 7. Dedicated to the One I Love (シレルズ) 8. Dedicated to the One I Love (ママズ&パパス)#2 9. Penny Lane (ビートルズ)#4 10. Happy Together (タートルズ)#1 11. 見つめ合う恋 (ハーマンズ・ハーミッツ)#3 リクエスト曲は、5.酋長Kobaさん。ありがとうございました。 上記以外は穴沢選曲です。1.は毎年恒例4月第1曲目の『四月の恋』。続けて今年は4月1日に当たったので、バカラックの2.もね。3.はこの日がマービン・ゲイの命日(1984.4.1没,享年44)で。4.はこの日がアイ高野の命日(2006.4.1.没,享年55)で。6.&7.は今年とカレンダーが同じ1961年の4月1日付 Cash Box Top Singles #1と #2 の曲。7.~11.はやはり今年とカレンダーが同じ1967年の4月1日付 Cash Box Top Singles の上位4曲(#が順位)。因みに8.は7.の6年後のカヴァーで、偶然にも同じ4月1日にチャートの2位になっていたんです。こんなこともあるんですね。 以上、次回もよろしく。
2023.04.06
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