アルタクセルクセスの王宮址遺跡

アルタクセルクセスの王宮址遺跡

2005年09月11日
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カテゴリ: 映画
 今日はあいにくの天気の中、午後映画を見に行った。先日ヴェネツィア映画祭で特別賞を受賞した宮崎駿のアニメ映画最新作「ハウルの動く城」である。宮崎アニメに興味はあったのだが、映画館に行くことまではしたことが無かった。宮崎アニメに詳しいUさん(卒論で宮崎アニメについて書いたそうだ)の誘いを受けて見に行った次第である。

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 上映時間が午後三時ということからして、ドイツではあくまで子供向け映画の扱いで、観客の多くは子供連れだった。日本ではむしろ大人のほうが宮崎映画に熱狂しているように見うけられるのだが、ドイツではそうでもないらしい。宮崎アニメはむしろイタリアやフランスでの方が評価されているようだ。
 僕は宮崎アニメのファンというほどでもない。テレビ放映でいくつかの作品を見て感心した程度で、積極的に見たわけでもない。「もののけ姫」だけはあまりの評判に食指を動かして映画館まで赴いたが(舞台が中世ということもあったし)、長蛇の列を見て見る気が失せた。数少ない宮崎アニメ経験からすれば、僕が一番好きなのは「紅の豚」で、次いで「風の谷のナウシカ」だろうか。あとは「天空の城ラピュタ」と「魔女の宅急便」をテレビで見たくらい。大ヒットになった「隣りのトトロ」や「もののけ姫」、アカデミー賞を受賞した最近の「千と千尋の神隠し」すら見ていない。

 この映画については事前に賛否両論聞いていた。批判する人は「なんだか全体に薄味」と表現していたが、確かに展開が唐突で登場人物の性格などが説明されないうちにどんどん話が進んで行くのでそういう意見も理解できる。これはオリジナルストーリーではなく英国?の絵本を原作にしているから仕方ないのかもしれない。あと木村拓哉や倍賞千恵子の吹き替えをくさす人も居たが、これはドイツでは吹きかえられてしまうのでなんともいえない。最後のほうの挿入歌はちゃんと流れたけど、あれは谷川俊太郎の作詞だったんですね。
 もちろん褒め言葉も聞いていた。一緒に見に行ったUさんなんかは感動したそうで、もう一度見たいということだった。なんでも過去の2作よりも宮崎アニメの本流に戻っているのだという。ただ過去の宮崎アニメとかなり違うのは、家族の絆とか個人(青少年)の自立とか人間と自然のせめぎあいとかではなくて、男女間の愛が比較的ストレートに描かれていることだろうか。これはちょっと意外だった。あともしかして老化とかそういうのもテーマなんだろうか(話がよく分からなかったので何とも言えないが)。
 僕としては「事前に思ったより面白かった」というのが感想だろうか。ただ話はよく分からないところがあった。

 宮崎駿が反戦主義者にして兵器オタクというのはよく知られているそうだが、この映画でも「動く城」を始めとして奇怪な兵器や爆撃シーン、兵隊がたくさん出てきた。最初に出てくる兵士の行進のシーンや街に貼られた愛国的なポスター(看板とかは英語なのに、これはなぜかドイツ語)なんかは、ナチスを連想させるのかドイツ人の観客は眉をひそめていたが、それだけよく描けているということでもあるのだろう。
 それにしても宮崎アニメの描くヨーロッパ(物語中ではもちろんヨーロッパとは明示されないのだが)は素晴らしく描き込まれている。例えばディズニーのような欧米アニメに日本の風景をこういうふうに描けるだろうか(「ムーラン」とか見ればまあ明らかですが)。いや描く必要性すら感じないのだろう。

(あらすじ)

 自分の姿に居たたまれなくなったソフィーは町を出て荒野を目指し、ハウルの住む「動く城」にでくわす。家政婦としてソフィーは「動く城」に住みつき、ハウルやその弟子マルクルと共同生活を始める。ハウルは気ままに生きる魔法使いだが、かつてのハウルの師匠で王宮の実権を握る魔女サリマンは、ハウルを支配下に置こうと画策し、ハウルは追われる身になる・・・・。

・・・・・・・・・
 映画のあとは飲みに行った。
 僕らが暢気に映画を見ている間に日本の総選挙の開票は進み、自民党の圧勝(15年ぶりの単独過半数)、民主党の惨敗という結果に終わった。民主党の岡田党首は即日辞意を表明。それにしても自民党は勝ちすぎたかもしれない。民主党への失望感が極端な形で出たのだろうか。トルコのつんぽ桟敷に居て解散総選挙へのいきさつをよく知らないのでなんとも言えないが、民主党は戦うべき時機を誤ったのだろうか。思いきって解散に打って出た小泉首相の作戦勝ちというべきか。まあ何だかんだいってもこれが「民意」ですね。
 来週はドイツで総選挙である。今日の映画の前にも、「緑の党」と「左翼・PDS」両党のスポット広告が出ていた。前者はフィッシャー外相自らが出演して彼の個人的人気を前面に押し出した広告。後者はボクシングの場面(「ミリオンダラー・ベイビー」のイメージか)でトレーナーが「左だ!、左(で打て)!!」と連呼する内容。後者はウケ狙いのつもりだろうが今一つセンスが無い。どうせなら「赤いオスカル」ことラフォンテーヌを前面に出せば良かったのに。





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最終更新日  2007年10月24日 04時38分20秒
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