アルタクセルクセスの王宮址遺跡

アルタクセルクセスの王宮址遺跡

2006年10月28日
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カテゴリ: 映画
 この日は映画に行く。しかしむしろ暇つぶしのようなものだったうえ、夏休みと年末の間の今の時期はどうしても見たい映画がほとんどなくなる。というわけで今日のタイトルの映画(邦題「イルマーレ」)で妥協する。なんでもキアヌ・リーヴスとサンドラ・ブロックが「スピード」以来12年ぶりに共演した映画だそうだ(「スピード」からもうそんなに経つのか・・・)。へえ。


イルマーレ(2006年度製作版)(期間限定)(DVD) ◆20%OFF!

(あらすじ)
 医師ケイト(サンドラ・ブロック)は、住んでいた湖畔にあるガラス張りの別荘を出て、間違って届く手紙の転送を頼むため、次の住人に宛てて郵便受けにメッセージを残した。
 就職先のシカゴの病院での多忙な日々に疲れていたある日、彼女の目の前で交通事故が起き、男性が死ぬ。彼を救えなかったケイトは医師としての無力感にうちひしがれる。

 建築家のアレックス(キアヌ・リーヴス)は、著名な建築家である父親(クリストファー・プラマー)との確執から、望まない仕事について楽しまない日々を過ごしている。彼は父親の建てた湖畔のガラス張りの住居に引っ越す。ある日、郵便受けに手紙が入っている。
「新しい住人さん、新居へようこそ。前の住人からひと言、ここでの生活を楽しんでね。郵便局に住所変更届を出したけど、きっと配達ミスがあるわ。その時は新しい住所に転送して下さる?お願いするわ。
追伸 入り口の犬の足跡は前からありました。屋根裏の箱もです。」
新しい住人さん??自分の少年時代に父が建てたこの家は長年空家で無人だった。手紙の主のケイトなどという人が住んでいたはずがない。「入り口の犬の足跡」も「屋根裏の箱」もない。


 二人は会ってみたいと思いそれを試みるが、当然ながら2004年当時のケイトはアレックスを知らない。アレックスはケイトを垣間見て接近するが、当時のケイトに恋人がいる(2006年時点では「いた」)ために遠慮してしまう。
 アレックスの父が病死する。反目しながらも愛していた父の死に、心に穴が開いたようになったアレックスは、ケイトに会いたいと強く願う。アレックスを励ましたいケイトも強くそれを願う。ケイトは明日(アレックスにとっては二年後の明日)、シカゴにあるイタリア料理店「イルマーレ」で会おうと提案する。早速アレックスは「イルマーレ」に赴き、二年後の明日の予約をする。
 ケイトは翌日、心踊らせて「イルマーレ」に赴く。確かにアレックスによる予約が入っている。ところが彼女がいくら待っても、アレックスはその場に現れなかった。「何かの間違いだ、そんなはずがない」と(2年前の)アレックスは謝るが、裏切られた思いのケイトは「もう手紙を書かないで」と言い渡すのだった。失意のアレックスは、ケイトとの思い出の手紙を箱に詰めて屋根裏に残し、湖畔の家を後にする。
 元恋人とヨリを戻したケイトは、やがてアレックスがその日「イルマーレ」に現れなかった真相を知ることになるのだが・・・・

(感想など)
 これは所謂「タイムスリップもの」に近いものなんだろうと思うが、手紙でしか互いのやり取りが出来ない辺りは御都合主義とはいえなかなかよく出来た設定だと思う。もし自分が同じ立場になったら、株価の動向とか勝ち馬をケイトから聞いて一財産築こう、などと性低劣な僕などは思うのだが(笑)。「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」に出て来る悪役の男も、タイムスリップを利用して賭けスポーツで一財産築いてましたね。
 しかしこうしたタイムスリップものの宿命である時間関係の複雑さ、そして「未来人が過去に影響してしまうことの結果」という問題がつきまとう。ケイトとアレックスの間には二年の壁があるのだが、映像上は全く差がないので見ていてちょっと混乱する(同時代にいるように見える)。例えば「イングリッシュ・ペイシェント」のように、現在進行形の場面は青を基調にした映像、回想場面は黄色を基調とした映像といった具合に、色使いなどを分けてくれれば観客にも分かりやすかったかもしれない。ただ「時間を越えた恋」がこの映画の眼目だから、こうしたおせっかいをすると却ってムード台無しかもしれない。
 なんだかさほど重要とも思えない父親との確執といったちょっと御都合主義な設定、湖畔の洒落た家(これを見て新石器時代の ボーデン湖畔にあった杭上住居 を連想した僕は病気でしょうか)、イタリア料理店、犬、ドストエフスキーなどの小道具は、オリジナルの韓国映画の影響なんだろうか。

 最後の場面でケイトは「歴史を変えてしまう」のだが、それ以前の物語が荒唐無稽な設定であるにしろある程度の論理性をもって構成されていたものが、最後の場面でなんだか時間の流れがエイヤっとねじ曲げられたような感じがした。見終わった直後に僕は感動するどころか、鉛筆を取り出して年表を作って物語の時間関係を検証しようとさえ思ったくらいである。なんだか釈然としない。
 ドイツの映画レビューのサイトを見ても「最後の10分が、それ以前の1時間以上にわたる複雑なタイムスリップ物語の調和や破綻の無い物語を、陳腐な結末によってぶちこわしにしてしまった。脚本家がオリジナル作品のもつ陳腐な結末を再考すること無く無条件に受け入れてしまったことは残念という他ない」と書かれている。実にその通りだと思う。リメイクに関する契約とかで筋は変えられないんだろうけど。ちなみにオリジナルの韓国版と両方見た人は「これはオリジナルとはだいぶ違う」と言っていたそうだが。
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最終更新日  2007年10月24日 04時32分27秒
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