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その19 ~ 擬似精霊2 ~ピーチェは目の前の生命樹の枝の群れにも臆することなく庭師の鋏で次々と刈り取っていった。蒼星石をはさんで反対側にいるレンピカと比べると幾分遅いものの、対称的に精確に動いている。「増えやがったですか…。ならいいですぅ。それぐらい計算のうちですぅ。」翠星石は気にすることなく見守っていた。群れの一団が二手に分かれてピーチェに襲い掛かる。死角を狙ったかのようにピーチェの前方の群れを囮にして右側面から挟み撃ちにした。すっぽりとかぶった袋には穴が空いてないのでどういう原理で見えているのかわからない。だが目で追いきれないほどの速さで迫る敵に柔軟に体が反応しているみたいだった。ピーチェは前から迫る敵を一蹴し、その反動で体を翻して右側面の敵を鋏で払い切った。それでも生命樹の勢いは止まらない。新たな群れがどんどん成長してピーチェを襲う。一方、レンピカも負けていない。庭師の鎌に慣れてきたのか、器用に前後左右に振り回し彼女の間合いにまったく寄せ付けない。「なんてよく切れる鎌なんでしょう。すっかり私(わたくし)の手に馴染んできました。 まるで髪をすくように切れてしまいますわ。ほらシスター見てください。 まるでバイオリンを奏でるように押しても切れ、引いても切れます。 そう、これは優雅なシンフォニーみたいな…。」まるでレンピカはダンスを踊っているように見える。獰猛な獣の群れに浮かぶ蒼い精霊は静寂な夜を壊さぬよう静かに舞う。乱すものを治めるように、騒ぐものを鎮めるように。「へぇー、レンピカの奴、慣れてきたみたいだな。まあその調子じゃ大丈夫か…。 あっちはと…。ピーチェとか言ったかな。あいつの方が戦い慣れてるみたいだ。 擬似精霊だって? 確かに見た目はああだけど、僕としてはこっちの方がいいかもしれない。 あの袋の中の顔がどうなってるのか気になるしね。 おっと、時間が足りなくなってきたようだね。 今は別にローザミスティカなんてどうでもいいや。またいくらでもチャンスはある。 さっさと決着をつけて翠星石には帰ってもらおう。 それにどうせ戦うならこんな場所よりももっとふさわしい場所でね。 その時は…。イヒヒヒ…。」蒼星石は二人の戦いぶりを見ながらそうつぶやいた。もちろんその声は届かない。擬似精霊ピーチェには何かを感じ取れる機能があるのかもしれない。蒼星石のつぶやきに反応するかのように動きが格段に滑らかになってきている。最初は鋏のみの攻撃だったのが、足を使って蹴り倒し、ついには使わなかった右腕も使い始めた。その小柄な胴体と比較して大きすぎる左腕が彼女の武器かと思われたのだが実際は逆であった。確かに蒼星石が使っている庭師の鋏はピーチェには大きすぎる。蒼星石よりもひと回りピーチェのほうが小さいため、左腕を除けば鋏にすっぽりと隠れてしまう。だからその大きな左腕がなければ鋏を使いこなせたかどうか怪しいかもしれない。実際、鋏を楽々と振り回す姿は左腕あってのものだと言い切れる。小柄な胴体に似合わず太刀筋は蒼星石に劣らない速さで振り回しているのだ。小さな右腕はオマケのように左手にそえられているだけだった。しかしオマケのはずの右腕の真価がついに発揮された。生命樹の激しい攻撃でそれが鋏で断ち切れないばかりか、逆に絡められようとした時、それは起こった。ピーチェは動けなくなった腕と鋏をなんとか離そうと振り回したが余計にからまってしまった。容赦なくその隙を狙うかのように、第2・第3の群れがピーチェを攻める。その悪しき気配をピーチェは感じたのか、右手を迫り来る手近な群れに向けた。4本の指が開かれる。いや、そう見えるだけで薬指と小指にあたる部分はくっついている。ピーチェは呪文を唱えるように奇妙に指を曲げては伸ばして数回動かした。手の周りを囲むように三角形の小さな魔法陣が3つ浮かび上がる。そして再び大きく手を開いた瞬間…。手のひらから太い光線のようなものが放たれた。光の束は迫り来る生命樹の枝を貫き、直進してたちまち地面ごと焼き払った。「ひぃーーっ! なんてことしやがるですか!」翠星石は絶叫した。無理もない。生命樹の枝は切ることはできても、基本的に焼けないからだ。それは桁外れな生命力ゆえに可能なことであって、例え燃え出してもそこから再生が早い。つまり刈り取る以外に方法がないわけである。 …つづく。
2006/10/31
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最近、なかなか時間が思うようにとれなくて、このブログも放置状態です。でもしっかり小説だけは書き続けているんです。ただ、今月中に『Tomoest』も『そこ現』も終わらせたかったのですが、どうやら無理みたいです。特に『Tomoest』は夏のお話なんですけど、しっかりと今の季節は冬になってしまいました。まったく…想定外ですね。どうやら私ってお話をまとめる力がないみたいで、どんどん膨らんでいく一方なのです。いや、もともと文章力がなかったんですね。それは常々実感しています。まあせめて今年中、つまり年内には完結させたいです。本当は『おかえり』自体を完結させる予定だったのに…。現実は厳しいものですね。まぁ、あせらずコツコツと続けたいと思います。そんな事言ってるから『Tomoest』がその28までいっても終わらないんですけどね。あー、もうこんな時間か…。トロイメントのドラマCDのこととか書きたいことがいろいろあったのですが、今日はここまでですね。それではまた…。
2006/10/30
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その28 ~悪戯と報復(いたずらとほうふく)~「んーっ…。ちょっと悪戯しちゃおうかなぁ。」ふと思いついた。せっかくのいい機会だから、これを逃さない手はないわよね。さっきの仕返し…。なにが『Tomoest』よ。課長が言い出したことかもしれないけど、広めたのはたぶん理紗だ。だからこれぐらいの可愛い悪戯なんて許されるわよね。うんうん、許される許される。どうせ『酔っ払ったもん勝ち』ってことわざもあるしね。洗面所に近づくとドライヤーの音が聞こえる。どうやら理紗は立ち直って髪を乾かしているみたい。チャンス!後ろから攻めて…。「理紗~! たいへん! い、いたの。女の子のお化けが!」ワザと鏡に映らないように隠れて声を上げてみた。「ええーっ!」絶叫と共にガチャンと床に落ちるドライヤーの音がした。この悪戯の代償は意外と高いかもしれない。あのイオンドライヤーって結構高かったんだけどな…。「もう! 巴! ウチ、だからいややって言うてたやんか! アンタな、悪魔とかお化けとか魔法の本、持ちすぎなんやって! そんなん持ってるから、そういう目にあうねん。 オカルト好きもほどほどにせーな、呪われてからやったら遅いねんで!」うん、予想どおりの反応だ。絶叫と悲鳴が見事に入り混じるいい声だ。私って悪魔?「ちょっと! 聞いてる、巴? いくらウチでもそんなん相手に出来るわけ…。」え…? これは予想外。てっきり小さく震えていると思っていたのに。理紗はなんとバスタオルを巻いた姿のままで飛び出してきた。やっぱり理紗って…友達想いなんだ。悪戯は半分成功半分失敗ってところね。でも、嬉しい失敗だったかなぁ。「はい、お化け。」私はにっこり笑って、理紗に金糸雀を差し出した。金糸雀は何が起こっているのかわからずキョトンとした顔をしている。一瞬、顔が引きつり悲鳴を上げようとした理紗が硬直したまま止まった。両手を口にあててなんとか悲鳴だけは押し殺したみたいだった。その時、体に巻いていたバスタオルがバサッと落ちた。 「理紗、バスタオル落ちたわよ?」私は何もなかったような顔をしてそう言った。「お、お化け…!?」理紗の顔は引きつったままだ。あれ? 信じた? もしかしてこの金糸雀をお化けだと思っている?こんな可愛いお化けがいるわけないのにね。でも、まずいかな。「あっ、この子は金糸雀。雛苺と同じローゼンメイデンの第2ドール。 お化けじゃないわよ。理紗、脅かしてごめんね。」「お化けとちゃうの?」「うん。ほらよく見て。こんなかわいいお人形がお化けのわけないでしょ。」金糸雀はきょろきょろと私と理紗の顔を交互に見て自分が何に利用されているのかわからない感じだ。そして理紗は恐る恐る手を差し出して金糸雀を受け取った。「人形? ローゼンメイデン? この子が…?」理紗は金糸雀を抱きかかえて、まだ理解できていない様子で金糸雀を見つめている。「金糸雀、その人は私の友達の理紗っていうの。怖くないから大丈夫よ。 それからごめん。理紗を脅かすのにあなたを使っちゃった。」あっ、いけない。笑いがこみ上げてきた。口に手をあててクククっと笑った。その時ようやく理紗は気づいたみたいだ。「あー! 巴、騙したなー! あっちゃー。やられたわ。 ウチともあろうもんが、こんな手に引っかかるなんて…。 ほんま、しゃーないなぁ。くやしいけど負けを認めたるわ。」何が負けなのかわからないけど、こっちは勝ちってことでいいのよね。「なにかしら?」金糸雀が困った顔をしている。まだ事態が理解できてないみたい。ドールだけにおもちゃにされちゃったって感じよね。あ、悪いの私か…。「わーっ! しゃべった!? この子、しゃべれるん?」「当たり前でしょ。ローゼンメイデンなんだから。 それよりさ、理紗。いくら暑いからっていつまでも素っ裸じゃ風邪をひくわよ。」私は足元のバスタオルを指差してそう言った。驚いた顔で足元を見る理紗の顔が真っ赤になる。「へっ? あっ、もう! 巴ったらすけべえやなぁ。人の裸ジロジロ見たらお金取るよ。」そう言って、理紗は金糸雀を左手に抱えたまましゃがんでバスタオルを拾った。金糸雀を降ろせばいいのに…。「えーっと、金糸雀ちゃんやったっけ? ウチの名前は理紗って言うねん。よろしくな それから、あそこにおる酔っ払いのおばちゃんの一応…友達やから。」…って、どういう紹介の仕方しているのよ。しかも『おばちゃん』!?「うん。そうなの。ともちゃん、お酒臭くって、カナ、顔を上げれなかったかしら。」…って、アンタもそうかい!! しかも『おばちゃん』を何気に肯定されてる!?じゃあ何? さっきまで私の胸に顔をうずめて泣いてたのはそういう理由だったの?ドールに酒臭いって嫌われる私って…。なんだかすごいショックだわ。「あれ? それじゃ金糸雀、理紗はお酒臭くないの? 理紗だって私に負けないくらい飲んでたわよ。」 金糸雀は返事をする代わりに首をブンブン振った。「そらそうやわ、それが女としてのエチケットって言うもんや。常に清潔さを心がけんとなぁ。 ウチが普段から言うてるやろ、もっと女を磨けって。」そんな事、言われたって…。さっきまで一緒に飲んでたの誰よ。「そんな格好で言われたって説得力ありません! 理紗だってもう少し恥じらいってものを意識しなさいよ。」理紗だって裸じゃん。隠すとこ隠してから言ってほしいものよ。「何言うてるん。こんなセクシーなお姉さまに向かって。なあ、カナちゃん?」金糸雀はどう答えたものか指を口にくわえて理紗をじっと見ていた。 …つづく。
2006/10/30
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レンピカどころかピーチェまで出してしまいました。当初はここまで話を広げる気はなかったのですが、こんな展開になってしまいました。それでも続きを考えているのは楽しいことです。それを書く時間があればもっといいんでしょうけど…。それにしても最近は小説upのみのパターンが増えてきて、まともに日記を書いていませんよね。それはがんばるしかないんでしょうかね? 何か違うような気がしますけど…。それではまた…。
2006/10/24
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その18 ~ 擬似精霊1 ~やがて…。魔法陣が破裂したかと思われた。少なくとも蒼星石にはそう思えた。激しく明滅する魔法陣がその輝きを増し、一つの大きな光となったあと一瞬で光を失ったからだ。「何っ!?」「なんです?」遠くから見ていた翠星石には花火が一瞬光ったようにしか見えなかった。偶然なのか、立場が違えど双子の人形たちは同時に驚きを感じた。光を失った後に残ったものは庭師の鋏とそれを掴む手だけだった。その手はちょうど肘から先がない状態で空中に浮かんでいる。だがやがて肘の部分に当たるところから変化を始める。それは徐々に赤黒い肉の塊がそこから膨らんでいった。蒼星石は見るに耐えられないおぞましさを感じながらそれを見つめている。翠星石からはそれがよく見えない。まるで鋏が宙に浮かんでいると思った。レンピカは横目に見ながら「遅い…。」と漏らした。それでもこれを成長と見るならば驚くべき速さで大きくなっているのは間違いない。レンピカが実体化するのと違い、こちらは腕から増殖しているのである。生命樹の枝が伸びるのに匹敵するぐらいの成長力など普通の生物にはありえないからだ。それは人型にレンピカほどの大きさになるとそれを包むように再び魔法陣が発生した。今度は光を放ちながら最初から文字に包まれた状態である。そして同じように光を失うと残ったものは………レンピカと同じような少女であった。だが、少女と呼ぶには異形であった。そもそも少女と呼べるとも思えない。なぜなら頭に当たる部分には袋のようなものがすっぽりとかぶせられている。そして袋からはみ出た形で腰まで伸びた長い金色の髪がある。鋏を持つ左腕だけが異様に大きく、それが余計にアンバランスに印象付ける。体にまとっているのは服とは呼べないような濃紺の布を粗雑に巻き付けてあるだけだ。腰のところにある茶色い帯だけで留めているらしい。はきものはなく、いびつな形をした裸足がまた特徴的で、特にかかとはそこに瘤が生えているように大きい。また右足首のところに黄色の紐を巻きつけてリボンのようにしている。「大丈夫か、これ?」蒼星石は思わず本音を漏らした。それを聞き取れたのかどうか、鎌を振り回し攻撃の手を休めずにすかさずレンピカが答える。「シスター。これは私の身体の一部、擬似精霊のピーチェでございます。 擬似精霊ゆえに見た目はよろしくないかもしれませんが、力は私(わたくし)と同等でしょう。 ですのでご安心下さい。戦うことには何の支障もございません。 ほら、ピーチェ。シスターにご挨拶なさい。」ピーチェは頭を軽く下げたようなそぶりを見せたかと思うとすぐさま蒼星石に背を向け飛び出していった。「なんだあれ。どこが大丈夫なんだか…。」蒼星石は苦々しく吐き捨てるように言った。 …つづく。
2006/10/24
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久しぶりに『Tomoest』の更新をしました。自分でもこんなに長くなるとは思っていなかったんですが、二人のやり取りは本当にネタの宝庫といいますか終わりなき話の戦いみたいなもので、なかなか本筋までたどり着けなかった感はあります。でもそれもあと少しです。意外な方向に話は進んできましたけどなんとかまとめて終わりたいと思っています。それにしても金糸雀はかわいいですね。泣かせて登場させましたけどかわいらしさいっぱいです。この後、当然あの人なんかは出てくるのですが、他にもあの人とあの人が出てきます。それはその時のお楽しみなんですけど、これで役者がそろって話がまとまりそうなんです。最初の考えではもっとシンプルな話だったんですが、話のオチが欲しいし、ダラダラ過ぎますから私個人としては登場人物を増やすしか思いつかなかったんです。結果は最後までわからないにしても、かなり書きやすくなったと思います。あとは…、『そこ現』ですね。こちらも似た理由でつまっているのですが、それもあと少しなんでしょうか。それではまた…。
2006/10/22
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その27 ~金糸雀(かなりあ)~金糸雀が鏡の前で小さくしゃがみこんで泣いている。「うえ~ん。うえ~ん。」私が近づいてきたのがわからないのか一向に動かない。小さい体をわなわなと震えさせて、両手で顔をうずめて泣きじゃくっている。「ど、どうしたのよ!? 金糸雀。どうしてここにいるの?」膝をついて金糸雀の高さまでしゃがんで、そっと肩に手を優しく置いて声をかけてあげた。そのまま泣き止もうともせずに振り返った金糸雀の目からは大粒の涙が幾度となくあふれていた。「うう………。ともちゃん?」人間以上に人間らしいと言うべきか、金糸雀の泣き顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった。それ以上は声が出ないのか、喉をつまらせて泣き出す。「どうしたの? 雛となんかあったの?」スカートのポケットからハンカチを取り出してそっと拭いてあげた。床に涙で出来た水溜りがある。かなり長い時間泣いていたんだろうな、可哀想に…。「うう…。」拭いている間は我慢しているのか歯を食いしばって私を見ている。それでもどんどん瞳に涙が溜まって行くみたいだ。「はい、綺麗になったわよ。大丈夫だからね、金糸雀。」私がそう言って顔を拭き終えるとすぐに、金糸雀が私の胸に飛び込んできた。そんな金糸雀をそっと抱きしめてあげたら、金糸雀は堪え切れなかったのか再び泣き始めた。「ともちゃ~ん。ひどいかしら、ひどいかしら。雛苺ったらひどいかしら。」金糸雀は小さい手で私のブラウスをギュッと掴んで、顔を私の胸にうずめて泣いている。気の強い雛苺とはまた違った泣き方だなと思った。「ほらほら、泣かないで金糸雀。ここじゃ暗いからあっちに行ってお茶しましょ、ね?」「うん…。」泣きながら一度だけ顔を上げてそう言うとまた顔をうずめる。とにかくこのままじゃ話にならないわよね。まずは金糸雀に落ち着いてもらってから話を聞くことにしよう。そのまま金糸雀を抱きかかえて立ち上がった。ふわりとゆれた金糸雀の髪からいい匂いがした。花の香りだ。なんだっけ、この花の匂いは? やさしくて、春の青空みたいにすっきりしてあたたかい…。最近流行のお部屋の芳香剤みたいな嫌味な植物の匂いが全然しない。摘みたての花でもここまでやわらかい匂いはしないと思う。そうだ。やわらかいだ。この表現が一番あっている。雛苺のイチゴの甘い匂いとはまた違ったいい匂いなんだわ。ふと思った。みっちゃんさんが金糸雀にマサチューセッツする気持ちが痛いほど理解できる。こんなにかわいくてこんなにいい匂いなんだもの。ずーっと嗅いでいると幸せな気分で満たされそうな誘惑にかられてしまう。そのせいで抱きかかえるのがまったく苦にならない。いつまでもこうしていたいと思ってしまったほどだ。今までなんども金糸雀とは会っているけど、金糸雀を抱きかかえたことはない。いや、こんなに間近で見たこともない。だから気がつかなかったんだ。雛苺が帰ってきたら同じように抱きしめてあげよう。そう思った。雛苺だって負けないくらいいい匂いなんだから。理紗みたいに『練乳かけて食べたい』なんて私は言わないけどね。気持ちはわからないでもないけど…。「じゃあ、おいしいお茶を入れてあげる。金糸雀はセイロン茶が良かったかな? それとも…。そうだこの間、おいし~いジャスミン茶を手に入れたから、そっちにしよっか?」顔をうずめたままコクコクとうなづいて返事をする金糸雀。「なら決まりね。理紗がいるからなにかデザートでも作ってもらいましょ。」我ながらいいアイデアだわと思った。事情を話せば喜んで作ってくれるでしょうしね。こんな可愛いお化けがいたなんてわかったら、どんな顔をするのやら。理紗はたぶん金糸雀を見るのが初めてだから絶対感動するでしょうね。雛苺の時みたいに…。黄色い光点のピチカートがフワフワと金糸雀の後ろで漂っている。なんだか心配そうな動きって感じね。「大丈夫だから、あなたもいらっしゃい。」そう言うと安心したのか、ふわっと金糸雀の背に留まった。金糸雀の人工精霊ピチカートは主人想いの素直な良い子なんだろうなと思った。なんとなく金糸雀に似た礼儀正しいかわいいメイドさんの姿を想像してしまう。どこかの頼りなげな兄(アン)ちゃんとは大違いだろうな…。そんなことを考えて部屋を出る時、鏡の方を見た。「ベリーベル! そこにいるのはわかってるのよ。隠れてないであなたもついて来なさい! あなたにもたっぷり事情を聞かせてもらいたいんだからね。」鏡の裏に隠れていたのかすーっと淡いピンク色の光を放ちながらベリーベルが出てきた。あいかわらずのビクビクした動きに思わず苦笑してしまう。本当に同じ人工精霊なのにどうしてこう違うものなの。まさにピンキリというか…。雛苺の力を考えればこんなものなのかもしれないけど、ちょっと…ね。仮にもローゼンメーデンのドールに仕える選ばれた高位の人工精霊でしょうに。「もう、今日は怒らないから。早く来て。」そういう言い方だと毎日怒っているみたいだ。別に怒っているわけじゃないのよ。雛苺の人工精霊なんだから、雛苺のかわりに教育しているだけなの。まあ私もどっちかというと体育会系だから多少の厳しさは仕方ないというか、実際厳しいけれどね。ある意味、雛苺と私の二人に責められる平社員って感じがする可哀想な存在ってところかなあ。ベリーベルは私のすぐ後ろにフワフワとついてきたので部屋を出ることにした。その間も私の胸にずっと顔をうずめていた金糸雀だったけど、何とか泣き止んではくれたみたいだ。さてと…、あとは理紗を安心させてあげるのが先かな。 …つづく。
2006/10/22
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『Tomoest』その26~悲鳴2~「どうかしたの?」寝室を出て廊下に向かう。ゴキブリでも出たとか? まさか…ね。このゴキブリ対策だけは完璧な家にそれはないでしょう。ホウ酸団子にゴキブリポイポイ、嫌避虫の魔術法程式が書いてある御札、封魔滅殺の魔法陣、害止使のハーブ、暗緩明早の宝鈴…そして絶対封印の聖遺物。たかがゴキブリのために科学と魔術の力が混沌とした家は世界広しと言えどもはここしかない。魔術を扱えない私でもここまで魔術道具を集めると使える気になるんだから不思議だ。そういうわけでこの家に越してきて以来、黒い奴を見かけていない。実家でもたまに見かけたし、大学時代はうんざりするほど遭遇していたおかげで対策は徹底的だ。それぐらい私だって苦手なんだから、もしそういう時は見て見ぬフリをするものなのよ。いや、フリをされても困っちゃうか。ここでは存在自体が許されてないんだ。んーっ、ありえないと思うけど……。だったら何? 理紗が悲鳴を上げるほどの事件って?あー勝手に事件にしてしまっている。まぁ事件よね、たぶん。「トゥモエ~!!」まったくなんて悲鳴を上げてんのよ。理紗の発音がおかしい。ガクガク震えてるし…。まぁ、とにかくバスルームだ。事件はそこで起こっている。いやできれば起こって欲しくないな………。そんな期待を込めて、バスルームにつながる扉を開けた。状況が状況ならかなり色っぽい光景なんだろうか?「何? なにかあったの? 理紗、とりあえず下着つけて服を着て。」バスタオル1枚だけで胸を隠して床にへたり込んで座っている理紗を見て、なんだか妙な不安がした。「と、ともえ。あの…。声…。ほら、聞こえる…。」「声?」別に何も聞こえないと思うんだけど…。理紗は声がすると言う方向を指差した。振り返ってその方向を見ると…。壁…、じゃなくてあっちは図書室…か。正直、この時点で私はホッとしていた。だってアレじゃ無いもん。振り向いて黒い奴がカサカサ動いていたらどうしようと思った。「何もないと思うけど。」「だって聞こえたんやもん。 シャワー浴びてたらなんか聞こえるなぁと思て出たら女の子の声が…。 ウチそういうの嫌やってゆうてたやん。」そっか。理紗は私と正反対なんだ。私は虫が嫌い。理紗はお化けが嫌い。でもこれって正反対っていうのかな? まあいいや。問題はそこじゃないのよね。「えー、女の子!?」「うん。あれは雛ちゃんの声と違う女の子の声や。」まさか!? この家に? 雛苺は今、みっちゃんさんの家にお泊りだから、この家には他に誰もいない。お化けや妖怪の類はありえないはずなんだけど、それは少し自信がない。私は何もしていないつもりだし、本が勝手に何かを召喚なんてことはありえない。だから…。んー…。少し考えてその可能性も否定できないことに気づいた。ありえないことを起こすのはありえないモノ。その言葉の意味を知っているだけに、軽率な考えは捨てなきゃね。せっかく良い気分で飲んでたのに、仕方ないか。まずは現実を確かめなくっちゃ。「気のせいだと思うけど…、見てくる。」私って黒い奴ならともかく、そっち系はかなり耐性がついているので大丈夫なんだよね。まずはひと安心ってところかな。かなりお気楽なのは酔っているせいだ。でも今の騒動で少し醒めた気がした。やっぱり後でワインを開けようかな。そんなことを考えながらバスルームを後にする。それにしても理紗の裸は色っぽくてうらやましいと思った。私より小柄なのに胸だってそこそこあるし、自分で太っていると言いながらウエストは細いし…。たしかに下腹部は出てるかもしれないけど、脱がなきゃわからないレベルよね。うん、女を磨くって、ああいうことなんだわ。見えない部分にも気を抜かないって言うか、脱いでも綺麗って感じよね。モデルのように綺麗とかじゃなくて、女の人として艶があるって感じ。私も見習わなくちゃいけないのかな…。ずいぶん長いこと鍛えてないお腹に手を当てて少し悲しくなる。たるんでるとは思えないけど、気をつけなくっちゃね。ん!? 確かに何か聞こえるような気がする。気のせいじゃなかったみたいだわ。でもこの部屋にそんな怪しいものは………ありすぎてわかんない。とにかく図書室の扉を開いてみた。重々しく本棚が並んでいるいつもの光景。大量の本を整理するためだけにここに住んでいるようなものだから、この部屋だけは特別だ。並んでいる本棚をすり抜けて奥に入る。時折目につく本に気をとられて、これは読んでなかったっけなどと考えそうになる。あー誘惑がいっぱい。自分の家なのに…。一冊を手に取り小脇に抱えた。後でこれを読もうっと。すでに目的外のことをしている。少し反省…。でもいいんだ。酔ってる時はなんでもOK。そういうことよね。さらに進んで、部屋の奥にある机には誰もいなかった。当たり前じゃない。いるわけないんだから。でも…。横に立ててあるの鏡の前に………。「か、金糸雀!?」金糸雀が泣いていた。どうして? …つづく。
2006/10/21
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と言っても、あと95ですから今週中くらいには達成できるかも!?です。たぶん無理でしょうけど…。なぜなら今週はたぶん更新できない予感がひしひしとしていまして、今日もどうしようかと言った具合でブログとしては非情にピンチなわけです。しかも20000hitに立ち会えないかも知れない状況ときていますので、個人的にすごく残念です。たぶん今、『そこ現』をupすれば明日にでも見れるかもしれないと言う期待があるのですがupするには微妙な量でして…。それにもう寝なくちゃいけない状況でもあるし…。でももし20000のキリ番を踏まれた方は是非是非メッセージいただけたら幸いです。狙ってもよし、偶然でもよしです。こういうチャンスってなかなかないものですから、その瞬間は大事にして欲しいなと思います。私だって踏めたのは人生で一度きりなんですから、どんな形であれ幸運だと思いますよ。そのおかげでこうやってブログとか小説なんかを書いていられるんですから。まあ他の人はどう思うかわかりませんけど、私にとって本当に幸運な出来事でしたから、今でも良かったって胸を張って言えます。ただ、そのサイトは今は見れないのが残念なんですけどね…。あれから1年早いものです。私なんかじゃ全然及びもしない夢を見させてもらいました。願わくば再びお目にかかりたいですけど、いつかきっと夢はかなうものなんでしょうか?また思い出を語るには早すぎますか? それとも思い出にするのが早すぎますか?私はいまだにDollsの小説を忘れられないでいます。それはたぶんその時を分かち合った人たちも同じだと信じています。あー思い出すと自分でも書かなきゃって気になりますね。今の私に出来ることはそれだけなのかもしれません。少しでも書いてあの人に近づきたい。それこそ夢なのかもしれません。いまだに涙の借りを返す当てもない私ですから…。でもいつかきっと…。と思っています。どうしてもキリ番というとそればっかりですね。ですが私にとってはとても幸せなことでしたから、それは今後50000hitでも100000hitでも変わらないと思います。それではまた…。
2006/10/16
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日曜日はのんびり過ごすに限ります。でものんびりしすぎと言うのもよくないと、最近特に思います。もっと計画的に過ごさないと…後悔ばかりです。以前から『そこ現』をまとめてupしようと思っていたのですが、なかなか時間が無かったもので、今日になってやり始めてたです。ですが…思ったより長いんですね、これって。正直、こんなに書いてるなんて思ってなかったです。先に結果だけ書きますと…途中放棄しました(笑)。と言うのは嘘ですけど、今月中にはまとめたいですね。というより今月中には終わらしたいですね。昨日から体調を崩していますけど、頑張ります。それではまた…。
2006/10/15
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昨日はあまりのショックで何書いてんだかわからないような状況でした。とりあえず4週間は大丈夫なのでそれまでに対策を模索してみることにします。とは言っても正直メディア関係に疎いというか、お仕事以外でパソコンを使うのがこのブログくらいなものなので、どこまでできることやら…。まあその時はその時で縁が無かったと諦めるしかないんでしょうね。それにしても…、『誰か何とかしてください』って、恥ずかしすぎる無責任ぶりですよね。勢いで書いた後にすごい後悔です。さて、普段おざなり気味のこの日記ですけど、力の入れようが根本的に間違っているような気がします。ですが、小説の設定を考えているのが最近では一番楽しいと思えるようになっているのも事実なので、しばらくはこの形式で仕方ないんじゃないかと言う結論に…。でも、一日の中で書ける時間がかなり限られていますから自分でも本当に書きたいことを書かないと後悔してしまいそうで…。そうかと言って良く言えばランダムな状態、悪く言うならまとまりのない状態っていうのも私の性格的には我慢ならない面であるんです。まあ私がBlueBerryJamという名を使っているから、文字通りJAMなわけです。(ちなみにJAMって『グチャグチャに混ぜる』っていう意味があったと思います。)そんなこんなで秋の夜長を考えていたらすっかり朝になりました。そういえばもう少し日常分も書かないと日記らしくないような気がして嫌だったころもありましたけど、最近ではそんなことすら意味のない日常になりつつあります。いわゆる現実逃避をしすぎて結局現実の中にいるみたいな、わかりづらい日常なんです。んー? ちょっと違うか。逃避しているようでしていないんですね。週の半ばは日記を書くことがわりと困難だったりしますし、だからと言って休日はたっぷり書けるわけでもないんです。でも書く時間が欲しいって気持ちはいつもありますけどね。やはり今日も支離滅裂なのでこのへんで終わります。それではまた…。
2006/10/14
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ランティスウェブラジオの『ねぶら』と『涼宮ハルヒの憂鬱 SOS団ラジオ支部』を毎週欠かさず聞いているんですけど先週あたりから異変がありまして大いに困っています。と言いますのは、回線接続か悪いのか私のパソコンの調子が悪いのか、原因不明なんですが、はっきり聞こえずエラーが多発しています。ウインドウズメディアプレイヤーは私の専門外なので詳しい設定とかはまったくわかってないんですが、これはもしかしてランティス側が故意に謀略でも張りめぐされているんでしょうか?もうネットラジオが聞けない…。というわけでしばらくショックの状態なのです。あ~誰かランティスさんにきちんとしたものをネット配信するように頼んでください。もしくは上手く聞ける方法を教えてください。このままだとつらすぎます。誰か何とかしてください。それではまた…。
2006/10/13
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その17 ~ 人工精霊4 ~レンピカは左右を確認してから生命樹の枝の右側の群れに向かって飛び出していった。蒼星石は面倒くさそうにそれを見てつぶやいた。「いい加減、疲れたなぁ。早くしてくれないとこっちの力が持たないや…。 まったく何がシスターをお守りしますだ。勝手に自分が楽しんでんじゃないのか。 まあ、初めての戦闘だから仕方ないにしてもだ。これはちょっと考えないとな。 庭師の鎌だって使いにくそうだし…。違う道具の方がよかったかな? ちぇっ、今の僕じゃ贅沢はいえないか。これは練習だから仕方ない、そう思わなきゃ。 姉さんを倒せたら、次は…やはり水銀燈だな。百倍にして恨みを返さないとね。 いや、その前に薔薇水晶かな。あの偽ドールにも一矢報いなきゃ気がすまないね。 それまでに僕もマスターを探さないといけないみたいだし…。 今度のマスターはレベルの高い人間にしよう。そのほうがレンピカに頼らなくてもいいしね。 あっ、レンピカの奴、また遊んでるな。まったく…。役に立たないんなら引っ込めるか。」どういった理由でレンピカが右側に出たかはわからない。左右から蒼星石たちは挟まれているはずなのに片側だけ攻めるということはおかしい。蒼星石は左側の枝の群れをちらりと見てうんざりした顔をした。「これを僕にまかせるってわけか? レンピカの奴…。」けだるそうに左手を肩の高さでかざして蒼星石はレンピカの名を唱えた。たちまち庭師の鋏が実体化して左手に握られた。「まぁ、大目に見てやるか…。こういった場合の修練も必要だしね。」そういって蒼星石が構えた時、蒼星石の目の前で魔法陣が浮かび上がった。魔法陣といっても単純な円を重ねただけのものでネオンライトのように光っている。円の中心部分は空白でその周りを3重に円が取り囲み、さらにその周囲を六芒星が囲んでいる。やがて文字らしきものが染みのように一つ、また一つと六芒星上に徐々に浮かび始める。次第に浮かび上がる速度を増していき円の周囲は文字や幾何学模様で埋め尽くされるようになった。色を変え、形を変えて浮かび上がるので点滅しているようにも見える。「何これ? 魔法陣? いったい…。」蒼星石が光り輝く魔法陣を不審な目で見ていると後ろからレンピカの声が聞こえた。「シスター、お待ち下さい。ただ今、双方向支援の魔法でそちら側をお守りいたします。 その目の前に見える魔法陣は私(わたくし)の異種同位体でございます。 ですのでシスターはそこでお休みいただければ結構です。 翠星石様の手の内はすでに見切ってございますから、後は私(わたくし)にお任せ下さい。 それと誠に申し訳ないのですが、シスターの鋏をその魔法陣に投げ入れてください。 そちらの私(わたくし)には武器がございませんので…。」蒼星石は言われるままに庭師の鋏を魔法陣に向かって投げた。緩やかな弧を描いて鋏が魔法陣に近づいた時、円の何も無いはずの中央から白い手が出てきた。その手は魔法陣が発する光に照らされて不気味に見える。そして鋏が魔方陣と接触する瞬間、その手は鋏を捕らえた。 …つづく。
2006/10/13
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雨ですね…。まったく最近は暑いんだか寒いんだかよくわからない日が続いています。これも秋の特徴なんでしょうけど、すこし辛いです。まあだんだんと寒くなっている分、幸せかもしれませんね。時々、ひきこもりのなれたらどんなに幸せだろうかと考える時があって、休日なんかに一歩も外に出ないことをやってみたりするんですけど、やっぱり…体が適応してくれません。植物でもないのに太陽の光が恋しくて、外の空気が吸いたくて、他人の喧騒が聞きたくって、どうしても外に出てしまいます。本当に疲れているときなんかは何も見たくないし聞きたくないし感じたくないんですけど、それでも人間の多い場所に行くと不思議に癒されてしまうのです。自分では孤独を愛すると言うか一人ぼっちっていうのが子供の頃からすごく慣れているのに、まったく理解できません。要はどちらでもいいんですね。私はあまり人恋しいと思うことはないですし、寂しいって感覚もかなり麻痺しているような人間なんですけど、うるさいのはうるさいなりに価値を認めている部分もありまして、自分がどちらを求めているのかさえ見失っている時があります。しかも…今日(笑)。お仕事でかなり疲れていまして、本当は静かに過ごしていたいのに、電車に乗ったとたんに妙にワクワクして帰りに寄り道して買い物でもって考えてしまいました。まあそんなときに限ってお財布の中が氷河期を迎えていたりするんですけどね。しかも大の大人がお財布の中に254円しか入ってないなんて! 信じられない!!100円ショップでも2つしか買えないじゃないですか。今時、たばこも買えません。せっかく上がったテンションが奈落の底に落とされました。なんて嘆かわしいんでしょうか。今日のところは我慢して明日につなげます。それにしても…なんだかなーって感じです。あっ、そうそうこの話にオチはありませんから。というよりこんな人生にいちいちオチをつけてたまるか!ってもんです。今日も話が支離滅裂でごめんなさい。普段から私、こんなです。それではまた…。<昨日はごめんなさい>昨日は『そこ現』だけupして力尽き眠りました。でも今日読み返すと表現におかしな矛盾がチラホラしてなんとも後味の悪い内容になっていました。かといってすぐに修正するのも違うような気がします。それにしてもレンピカ強いですね。自分で書くのもなんですけど強すぎます。もう少し手加減してくなきゃね。それと翠星石が見事に悪人です。これだとどっちが正義かわかりません。その辺を注意して明日からは頑張りたいと思い、そういう理由で今日は小説upしません。書きかけはあるんですけど、今から頑張って書いたところで朝が来てそのままお仕事行くのを想像したらますます自己嫌悪ですよ。とにかく一日4時間は眠りたいものです。ただそれだけなんですけどね…。
2006/10/10
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その16 ~ 人工精霊3 ~地面から行きおいよく伸びていく生命樹の枝がレンピカを襲う。レンピカの腕の太さぐらいあるものが5・6本からまりながら、レンピカ目がけて伸びる。その数は実に100はあるだろう。間髪いれずに次々と地面から生えていき、レンピカを貫くのが目的とばかりに鋭く襲い掛かる。レンピカはふわりと空中に飛び上がり、襲い掛かる速さにまったく動揺することなくかわしていく。そしてスローモーションでも見ているような緩慢な動作で鎌を振り上げては下ろしていった。「この庭師の鎌は草を刈るためのものですから。」もはや当然とばかりにフッと笑って、襲い掛かる枝を左右にかわしては鎌を振り下ろした。だが必ずしもレンピカの動作が遅いわけではなかった。たちまちレンピカの足元に刈り取られた枝が山を作っていったからだ。つまりレンピカの動きが速過ぎて残像でしか見れないわけなのであった。「でも…、さすが翠星石様ですね。これほどの攻撃をなさるとは。 やはりシスターの姉上だけのことはございます。 それに一分の狂いも無く私(わたくし)の胸をお狙いになる。 こうしてかわしていても矛先は見事に変化していますし、まったく無駄がございません。 もっとも、私(わたくし)のほうが速いのですから、誠に残念ではございますが。」「だったら当たりやがれですぅ!」翠星石は歯を食いしばってレンピカをにらみつけた。「申し訳ございませんが、そうはできないでしょう。それに…。」レンピカに襲い掛かるのとは別の一群が蒼星石のほうへ伸びていった。再び蒼星石に当たるかと思われた刹那、蒼星石の手前で真っ二つに別れていった。蒼星石は鋏を手にした様子は無い。不敵に笑いながら腕を組んでただ立っているだけであった。その蒼星石の手前、枝の分かれたその中心にレンピカが鎌を真っ直ぐ正面に向けて構えている。「こういうこともございますのでね。」レンピカがにっこりと微笑み、翠星石へウインクした。庭師の鎌は通常の道具としての鎌とは異質な点として両刃である。ゆえにこういう使い方も出来るのだと見せつけるように翠星石へ向けられていた。翠星石が庭師の鎌を忌み嫌うのはそういう理由であった。これでは道具でなく武器だからだ。「ちぃっ! そこまで見てやがったかですぅ。」翠星石は舌打ちをした。くやしそうに顔をゆがめる。「もちろんでございますよ。シスターをお守りし戦うのがこの私(わたくし)のお役目なのですから。」だが翠星石の攻撃は休まらない。左右から挟むように枝が襲い掛かる。「そんなこたぁ最初からわかってるですぅ。この時を待ってたですぅ。一緒にくたばりやがれですぅ!」翠星石は大きく如雨露を振り回した。飛ばされた生命の水が地面に落ちると共に一瞬で枝が生えていく。かなり計算された動きなのか、それらは広大な布のようにまとまって二人に向かって伸びていく。あたかも獰猛な動物の群れが襲い掛かるようでもあった。「レンピカ、お遊びはそろそろ満足だろう。そのへんで止めなきゃ、姉さんが可哀想だよ。」蒼星石はまったく気にしない様子でレンピカに優しく言った。「そうですね、シスター。お待たせいたしまして申し訳ございません。 では翠星石様、短いお時間でしたが楽しませていただきましてありがとうございました。 それではさようなら…。」 …つづく。
2006/10/09
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昨日は結局、人工精霊のお話を書いていてメンテナンス前にupできませんでした(泣)。でも、メンテナンス終了まで待ってからupしたので善しとします。逆に眠たさに負けて最後まで書ききれなかった悔しさが残るばかりです。ていうか『そこ現』upしていないし…。いったいどこまで話が脱線するのか自分でもわかりません。これがこのブログの本来の形式だし、まあいいかなと思いましたけど…ダメか…。 おかげで今日一日はじっくりとヨーロッパ史の勉強ですよ。錬金術に関してはいろんな本で読んだ知識があるとしても実際の世界史はあまり得意じゃないです。でもあらためて歴史をネットで検索してると、これが事実の歴史だけに本当に事実は小説より奇なりなんですね。東ローマ帝国の興亡にすっかり魅せられてしまいました。学生時代になぜ世界史をきちんと勉強しなかったのか悔やまれます。当時は全然興味なかったですからね。こんなことなら教科書も置いておくべきだったのかもしれません。たぶんあれは先生が面白い授業をしてくれなかったせいだ…、なんてことは言いませんけど、後悔先に立たずです。この秋晴れの天気のいい日に家でなにやってんだかと思いつつも不思議な充実感がありました。そうか…これも読書の秋なんだ。明日は元気に外に出よう!それではまた…。<昨日の続き>我ながら『からくりサーカス』なみの歴史を考えてしまいました。4世紀頃から17世紀までのおよそ1300年です。正直これだけで一つの物語みたいになってしまいました。『そこ現』のサブストーリー的なものを書いているつもりでしたけど、ここまで来るとやり過ぎですよね。でもこれからの話を書く上でも人工精霊は欠かせない存在ですし、それらしい歴史をキッチリと構築しておくのも世界観のために必要なのか知れません。それなら逆にもっと掘り下げてみるのもいいなと思いましたけど、時間が無いので無理かなぁ。それでは続きを…。ちなみにタイトルは『彼の本』です。彼の本は錬金術というよりも人体の構造に関する医学書のようなものでした。内容は現代で言うところの解剖学から始まり、精神を創造する理論、魂を召還する方程式などです。ただ解剖学を除いては失敗した実験の膨大なデータと裏付けの無い理論だけに当時の錬金術師たちはそこに何の価値をも見出すことが出来ませんでした。そういう理由で彼の本は錬金術師たちよりも一部の医師たちに写本として広まっていくことになりました。その研究が1000年の時を経てようやく時代が追いつくことになります。パリの錬金術師ニコラ・フラメルの手に彼の写本が渡り、ニコラ・フラメルの持つ錬金術の知識と彼の描いた理論の一部が合致することから、その本の価値が認められることになりました。その後、錬金術師であり医師でもあるパラケルススによって、その本に描かれた理論が次々と実証されました。発達した錬金術が彼の研究を裏付けると同時に彼が認めなかった実験結果も完成することになったのです。それでも彼の書いた本はごく一部の錬金術師たちを除いて広まることはありませんでした。というのは当時とはまったく同じ材料が手に入らないので、代用品での実験となり、成功もまた稀だったからです。中にはその本の信憑性を疑う錬金術師も現れました。また皮肉にも医学が彼の本を必要もしなくなるくらい発達しました。そうして一時期に大量に出回った彼の写本は歴史から姿を消す結果になります。一方でホムンクルスの製造にこだわる錬金術師たちは本の内容に関する実験を試行錯誤しながら繰り返し、ドイツの錬金術師カルトンが偶然にも同じ結果を発見しました。16世紀末のシュトラスブルクにほど近い田舎の農村で研究を重ねたカルトンは彼が失敗したと認める精神の練成で生まれたものを人間が持つ精神とは似て異なるものと考えました。司祭の父を持つカルトンはキリスト教の知識も豊富で自身も教会の神父という立場であり、これを人が作る精霊のようなものであるという結論に達しました。それが世界最初の人工精霊だと言われるものです。それは弱い光を放ちながらフワフワと空間を漂い、意思も無く、数週間で消滅してしまうものでした。それでも精霊と認める理由に聖句や聖水に反応したり、物理的に封じこめることが出来たり、気象条件で色や形が変化すると言った現象が観察されたからです。やがてカルトンはこの人工精霊の研究に没頭するあまり、異端者として教会を追われます。そしてフランスとドイツ、イタリアと放浪を重ね、ついにはヴェネツィアで息を引き取るまでに73のさまざまな人工精霊の創造に成功しました。カルトンが創造した73の人工精霊はカルトンの死後、弟子のアランが人工聖霊同士の合成や精製を重ねて個体数を減らしていくうちにどんどん知識や知恵を吸収しカルトンが目指した本当の精霊としての力を持つようになります。最終的に意思を持つまでにいたった人工精霊は22でした。そして意思を持たない人工精霊は12で、合わせて34の人工精霊が生まれることとなったのです。ただ不思議なことにその後はアランがいくら研究・実験の繰り返しても生まれる総数が73を越えることはなく、また意思を持つものは生まれませんでした。それは人工精霊の定数と呼ばれることになります。また一般にこの意思を持つ22体を指して人工精霊と呼び、意思を持たない12体は擬似精霊と呼んで区別されるようになります。そしてアランの死後、この人工精霊を作り出す技術は封印され、錬金術の衰退と共に歴史から消え去りました。残された人工精霊がその後どうなったかは誰にもわかりません。一説にはサン・ジェルマン伯爵が手に入れたとも言われていますし、ドイツの人形師がアランの晩年に譲り受けたとも言われています。最後に彼の名は残っておりません。でも彼の本の名は『進むべき希望』だったそうです。
2006/10/08
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よく晴れた土曜日でした。 以上、終わり…。…って、オイッ!そうじゃなくて、この微妙なタイトルにもの凄く違和感を感じています。やはりカタカナだとこんなものなんでしょうか?だからと言ってひらがなだと『ぺとらぷと・ぱるてぷと』だし…。それもどうかなぁと思いますし、実に複雑な気分です。でも今さら変えるのもなんなのでこのままでいきます。あーこの言葉の意味ですか? 意味よりも言葉の響きが好きです。ハンプティダンプティみたいな…。どちらかと言うと呪文みたいな感じもしないでもないですけど、それよりも物を数える時に重宝したりします。『ペ・ト・ラ・プ・ト・パ・ル・テ・プ・ト』でちょうど10文字なのです。ですからお風呂でこれを10回唱えればあっという間に100を数えれたりするんです。ほら『だるまさんがころんだ』と同じ原理です。しかもこれのいいところはちょうど5文字目に切れ目がありますから10だけでなく5も数えれるといったこともあります。だからなんだ?なんて言わないで下さいよ。そういうものなのですから。深い意味は特に…。メンテナンスタイム前なので少々焦っておりますけど、もう少しだけ。今日はあの『地獄少女』が帰ってくる日なのです。もちろん関西限定ですが…。昨年はトロイメントの放映時間前ということもあって、手に汗握りながら?見ていたわけですが、寂しいかな、今年はどうやら『地獄少女』オンリーみたいです。というか、土曜日深夜にアニメを見るのは久しぶりのような気がします。私自身、最近アニメから遠ざかっているような気がしないでもありませんけどね。ああ…あと10分…。妙にドキドキしています。それではまた…。<レン・ピ・カートン・ウラウチェルト?>略してレンピカです(笑)。長い名前ってわりと好きなんですよ。色んな意味を名前にこめているって感じがして。まぁ原作に反するんですけどね。原作では『名前など意味を持たないもの』として扱われていますけど、私は名前には深い意味があると考えています。それが名づけるものの意思にかなうかどうかは別としてです。たまたま付けられた名前にとんでもない深い意味があったりするかもしれませんしね。『名は体をあらわす』って言葉もあります。ですから名前はとても重要だと思います。そういう原作だって『真紅』とか『翠星石』、『蒼星石』なんてそのまんまじゃないですか。ちなみにレン・ピ・カートン・ウラウチェルトは特に深い意味はありません。たぶん…。本当は色んな言語からこじつけようかと考えたのですけど、それだと意味から先に生まれてきてしまう感じになりますから、あくまで思いつきと言うかひらめきみたいなものでつけました。昨日も書きましたが、人工精霊はホムンクルス、つまり人造人間の製造過程で偶然の失敗作として誕生したと考えてました。だから人工の精霊だというわけです。ここからはあくまでも私のフィクションです。その昔、東ローマ帝国のあるところに名も無い錬金術師がいました。彼は日々貧しいながらも研究に明け暮れ、あるものを作ろうとしていました。当時では金もしくは人間を作ることが一般的であったため、彼もそれに習って色々と試しましたが成功することはありませんでした。ですが金の練成は材料費も馬鹿にならず、また手に入れるにも厳しい状況でしたので、ひとまず人間の方を優先することにします。彼は田舎の村医者でもあったので、研究材料と言うか資料には不自由しませんでした。といっても村人を実験道具に使うほどの悪魔的なことは小心者の彼には不可能ですし、どちらかと言うと村人の信望も厚いぐらいの人柄だったぐらいです。そう表の姿は医者で裏の顔は錬金術師だったわけです。そんな彼がなぜ錬金術師の道を選んだかと言うと偶然訪れた旅人の治療にあたっているときに不思議な薬の話を聞きます。エジプトのアレクサンドリアでは禁じられた製法でどんな病気も治せる薬が作られていて自分はその秘法をローマに持ち帰ろうと思っているのだと旅人は言います。それこそが賢者の石より精製されたものだと知るのはかなり後の話ですが、その時から彼の心は錬金術に傾倒します。医者として人々を救うためと言えば聞こえはいいですが、どちらかと言うと彼は薬の製造技術そのものに興味があったわけです。やがて彼自身でもアレクサンドリアへ訪れましたが、キリスト教による弾圧のせいもあり、ほとんど成果はありませんでした。それでも様々な知識を得た彼は興味の対象が薬から金や人間へと替わりました。とにかくお金がないことには研究も進まなかったからです。そして金の練成に見切りをつけ、人間を作ることに没頭しました。試行錯誤の結果、人間には肉体と魂と精神が必要だということまでわかりましたが、それらが理論上正しいかどうかの実験にはなかなか成功しませんでした。その3つが上手く融合してくれれば人間は出来るはずだと考えていたのです。ある日、精神を錬金術で作ろうとして第5元素であるエーテル体を変換する時に何かが足りず、何かが多すぎたために肉体に定着できなかったモノができました。それは意思を持つかのように空中で動きまわる光点でしたが、それを精神と決め付けるには、彼は確信が持てなかったのでした。結局、生涯をかけての錬金術は成功せず、残ったのはこれまで全ての研究の成果をまとめた一冊の本だけでした。その本は彼の死後、様々な錬金術師や魔術師の手に渡ってゆき、およそ1,000年後のフランスでようやく日の目を見ることになります。 続く…。
2006/10/07
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雨ですね…。3日ほど体調を崩してしまいました。たいした事はないですし、月に一度はこうなるみたいなので気にはしていませんけど、日記と小説が書けないのは辛かったりします。でもその間にいっぱいネタを考えたりして、別の意味で充実していましたよ。まあそれらはゆっくりと更新することになると思います。それにしても夜の雨音って静かでいいですね。窓から雨が見えないだけに不思議な感じです。なんとなく心が落ち着くと言うか…。それからこのブログのタイトルですけど変えることにしました。いつまでも『ひとり言』っていうのもおかしいですよね。わりと好きだったんですけど、いろんな方のブログを見ているうちに、わかりやすいタイトルより意味不明のタイトルの方が面白いかなって思いまして考えました。とは言っても自分の中でこの言葉は10年以上も心の中にあって、一つの意味もあるのですがそれはまた別の機会に紹介できたらいいなと思っています。こう書くのはおかしいかもしれませんけど、これで検索サイトに引っかかる可能性が少ないと思うと少し嬉しくなってきたりして…。まったく私ってひねくれ者なんでしょうか?あー『Tomoest』の更新がおざなりになってるー!最近、『そこ現』の方ばかり書いている気がします。戦闘シーンって小説で表現するのはかなり難しいと思います。だから余計にむきになって書いているんです。でも催促されないうちにupしなくちゃいけないですね。ここからがメインなのに。明日は土曜日なのでたぶんまだ『そこ現』をupすると思いますけど、こちらはこちらで戦闘シーンが続くのでなかなか止まれないのです。まあ明日から3連休ですからどうなるかわかりませんけど、無事にupできることだけを祈っています。…って、祈るな、私! そうじゃなくて書けばいいだけなんだから…。それではまた…。<出ましたレンピカ>人工精霊って言葉を聞いて最初に考えたイメージが人間によって作られたものだということです。ではどうやって? なんとなくローゼンメイデンにおける世界観から推測するに、錬金術ではないかと思われます。ローゼンメイデンの世界では不思議なくらい抽象的な表現が多いのですが魔法はほとんど出てきません。かと言って科学的でもないのですけどね。原作ではローゼンらしき人としてサン・ジェルマン伯爵と言う人が出てきました。その人は錬金術の世界ではポピュラーな人です。ですからローゼンメイデンの世界は錬金術と係わり合いがありそうな気がします。人形を動かすこと自体が魔法の領域のような気がするんですが、あくまでもそれにいたる研究とかが錬金術的なのです。錬金術と言うと『鋼の…』のような等価交換の原理の世界だったり、『武装…』みたいなものが有名ですけど、実際にあったヨーロッパの歴史でもあるわけです。ローザミスティカ=賢者の石とは言いませんが、それに近いものがあるように感じます。それで話を戻しますけど、精霊自体を作り出す意義がマズ見当たりません。宗教的には意義があるかもしれませんが、錬金術としては精霊はそんなに大切じゃないもののような気がします。逆に人間を作るなら大きな意義があるみたいですし、ホムンクルスの製造なんてことも錬金術ではありますしね。だから人口精霊は実験中に偶然に生まれたような気がします。でも22人とは…。我ながら大風呂敷を広げすぎたような気が…。 …続く
2006/10/06
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その15 ~ 人工精霊2 ~「いきなり何しやがるですか。危ねぇやつですぅ!」翠星石はそう叫んでみたものの、虚勢にしか過ぎなかった。間一髪で鎌の間合いから逃れたが、それだけである。本来ならそこから反撃に移すべきなのだが手にした如雨露は接近戦用の武器にはなりえない。しかも蒼星石の鋏のダメージがまだ残っている以上、レンピカの攻撃を受けるわけには行かない。そして先ほどの蒼星石に向けてはなったような攻撃をするにはかなりの間合いが必要である。それに接近戦は翠星石が不得意とするところでもあるので、状況としてはかなり不利だといえる。それらの理由で翠星石にとってどんな手段でもかまわないからレンピカとの距離をかせぐ必要があった。レンピカは空を切った鎌に何の感慨も持たず地を蹴って翠星石に襲い掛かった。「ご冗談を。これはアリスゲームでございます。 ゆえに私(わたくし)がシスターの代わりに戦うのは道理と言えましょう。 翠星石様は先ほどからなにか勘違いされておりませんでしょうか?」レンピカは庭師の鎌をかなり大振りではあるが翠星石へ向けて幾度と振り下ろす。一つ…、二つ…、三つ…。その大きな動作を見極めて翠星石はなんとかかわし続ける。レンピカは攻撃が当たらずとも何も気にしない様子であった。何一つ無駄な動きの無い蒼星石と比べればレンピカの動きは無駄が多いように感じる。道具としての特徴なのか、ギリギリまで間合いを詰めなければ鎌としての機能を発揮できないからだ。いかに柄が長くても庭師の鋏より体二つ分ぐらい攻撃範囲が広がっているだけである。これならなんとかかわしきれる。そう翠星石は読んで反撃の隙をうかがった。「うるさいですぅ! お前がレンピカなんて誰が信じるかですぅ!」そう言ってレンピカから目を背けずに次々と後ろに跳び下がる。一瞬でも目を離せば間違いなく自分はやられると感じていた。幸いにもこの世界には障害となるものは何もない。あるのは白い布で覆われたような空ともやに包まれた大地だけだ。蒼星石は遥か遠くに見えるからさっきの攻撃に使った生命樹の枝葉に足を取られることもないだろう。(とにかくなんでもいいですぅ。もう少し距離があれば…。)だがレンピカは苦も無く翠星石を追う。執拗に攻撃を繰り返しながら、静かにこう答えた。「信じていただかなくてもかまいません。私(わたくし)はレンピカ。 正確にはレン・ピ・カートン・ウラウチェルトと申します。 ホムンクルスの製造過程で偶然生まれた22人の人工精霊…、その一人が私でございます。 人の手により生まれし者ではございますが、私の力は神々からいただいたものです。 決してローゼンメイデンのドールに劣るとは思いませんが、いかがでしょうか?」レンピカはまるでおしゃべりを楽しむように微笑む。顔だけ見るなら、初対面のものに自己紹介をするような仕草だった。しかし、腕は別の生き物のように激しく留まるところを知らない。「くーっ! 人工精霊の分際でドールに楯突くとはいい度胸してやがるですぅ。」翠星石は再び虚勢を張った。そして蒼星石と比べて大きく違う点に気づいた。レンピカは明らかにスピードが速い。それが人工精霊のなせる業なのかどうかわからないが視界に映るそれは明らかに速い。これで無駄な動作がなければ目で追いきれない。「その言葉、お褒めになられたものとして受け取っておきましょう。 ですが、翠星石様がそのご様子では説得力に欠けるというものです。 スイドリームも大人しく従っているのは哀れだとお思いになりませんか?」「えっ!? スイドリームが?」翠星石は一瞬、虚を突かれた。レンピカが実体化したようにスイドリームも実体化するなど想像していなかったからだ。すかさずそこを目がけて鎌が振り下ろされる。翠星石はかわせなかった。頭上から襲う鎌を如雨露で受けきるのが精一杯だった。鈍い音を立てて、二人の動きが止まる。「はい、もちろん彼女も22人いる人工精霊の一人でございます。 偶然ではありますが彼女も私の双子の姉なのです。いえ、偶然ではございませんね。 おそらくローゼンが双子のドールを作りし際に私(わたくし)たちを選んだのでしょう。」翠星石はかなり強い力で抑え込まれて必死で抗う。レンピカはそれでも涼しげな顔でそう言った。「翠星石のスイドリームはそんなんじゃねーですぅ。そんな戯言なんか聞く耳持たねーですよ!! このおしゃべり女め! ごちゃごちゃぬかすなですぅ!」翠星石の両腕がプルプルと震えだす。少しでも気を抜くと間違いなく鎌の餌食になりかねない。レンピカは余裕の表情でこう言った。「これは申し訳ございません。お喋り好きなものですから。 とは言え、私(わたくし)の場合、手が休まるものでもありませんからご心配なく。」怒りに任せて翠星石は両腕の力を振り絞ってレンピカをはじき返した。レンピカの体はよほど軽いのか、かなり吹っ飛ばされた。それは翠星石にとって最初で最後のチャンスとなる。「きぃーーーーっ!! しつこいやろうですぅ! いいかげんにしやがれですぅ! スイドリーム!」翠星石は一瞬の不安があったが、かまうことなく反撃を返すことにした。蒼星石に仕掛けたときと同じ攻撃がレンピカに通用するかわからない(それでも今やらなければならんですぅ。きっと今しかネーです 蒼星石が出てきて1対2になったら、私に勝ち目はないですぅ)「その技は私(わたくし)には効果ありません。なぜなら…。」そう言ってレンピカは表情を変えることなくゆっくりと立ち上がった。 …つづく。
2006/10/06
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慌しく土日を遊んでいた私は、9月30日というこのブログにとって大切な記念日をスルーしてしまいました。まったく何やってんだか…。そういうわけで、こんなダメダメな私でも1年間続けてこられたことがすごいなと思います。ほとんど3日坊主になると思われたのですけど、相変わらずこんな深夜に書いている自分が時折信じられないくらいです。たぶん私の友人なんかは、こんなことやっていていつも寝ているのが3時過ぎだなんて信じられないだろうなと思います。正直、私も信じられません(笑)。とは言え、拙文ながらもここまで書いてこられたのは、こんなブログでも見に来てくれる方がいるおかげだと思うし、書き手の文章力がないせいでひどい内容になっている小説(もどき)の続きを待ち望んでいる声に励まされているからでしょう。ええ、本当に感謝の気持ちが絶えません。心からありがとうございます。それとこのブログのきっかけを下さった丞様に感謝を捧げます。それで1年したら色々とリニューアルをしたいのですが、今は特に思い浮かばす、せめてタイトルだけでも変えようかなと思っているだけだったりします。でも…、思い浮かばないや。まぁゆっくり、ゆっくりしていきます。それではまた…。<少しリニューアル>今まで日記と小説は同じ記事にしていましたが、後から検索して読みにくいとの声をいただきましたので、同じ日でも別々にupします。確かに、携帯で見ると読みにくいと私も思いましたから。っていうか、携帯で読んで下さるなんて、すごく嬉しいです。ありがとうございます。さてそうなると恒例のあとがきはこっちの日記の方に今までどおりに書きたいと思います。これでネタバレもOKですよね。とは言ってもあまりたいしたことは書けませんけどね。というわけで、今回の『そこ現』なんですが、やっとレンピカが出てきました。これは人工精霊について思うことの結論の形だと考えてください。以前から人工精霊について考察をしましたけど、こういうのもありかなと思います。まだまだレンピカの見せ場はありますのでもう少しお楽しみください。これで翠星石VS蒼星石から翠星石VS蒼星石&レンピカに移行します。どこまで翠星石が持ちこたえるかどうかが見所かもしれません。でもあまり長くしたくないです。次のお話も書きたいものですから。
2006/10/02
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『そこにあるのは現実…』その14「あ、ありえないですぅ…。」その声は力弱く発せられ、消えていった。翠星石の見開かれたオッドアイには異質なものが映っている。レンピカはゆっくりと人の形をなしていき、一瞬ボウッと光を放つとやがて実体化した。「お呼びでございますか、シスター?」レンピカだったものが蒼星石に話しかけた。硝子の鈴の音のようなきれいな声だった。レンピカはひざまずいて頭を垂れて現れたあと、ゆっくりと立ち上がったそしてその姿は一点を除けば明らかに少女の体だった。蒼星石の肩の高さぐらいの身長で三角の帽子をかぶり、青いコートのようなものを着ている。紺色のスカートから見え隠れする膝が人間のそれと変わらないことから人形ではないことがわかる。透き通るような白い肌とは対照的なほんのりと薄紅色の唇が優しく微笑む。右手の袖口からのぞく細い手首が全体的に華奢な感じを覚えさせるのだが、その手にしたものは…。不吉な色と不似合いなほどに禍々しい大きな鎌であった。鎌の刃の部分だけでも今のレンピカよりも大きい。刃先の3分の2は鋭い刃だが残りの根元に近い部分はノコギリ状になっている。柄はさらに長く、もはや槍と言ってもおかしくないだろう。死神が持つと言われる鎌に似ているが、道具としてはこちらの方が実用的な分、禍々しい。それをレンピカは重さを感じさせないくらい軽々と手にしている。「ああ、レンピカ。悪いけどこの枝葉を切ってくれないか? どうにも不自由で仕方なかったんだ。 それと…。そうだな、あそこにいる人形にご挨拶をしてくれ。あれでも僕の姉なんだ。」蒼星石は首をひねってレンピカを見やり、あごで翠星石を指した。「かしこまりました。シスター。すぐに…。」そう返事を返しきらないうちに、レンピカの手首が動き、鎌が振られた。バサッと音を立てて、蒼星石を拘束していた枝葉が落ちる。「な、なんだっていうですか。人工精霊が…、人工精霊が人の形をするなんて…。 そんなのありえねぇですぅ。聞いたこともねえですぅ。それに…。 その鎌は『庭師の鎌』じゃねーですか。なんでそいつが持ってるですぅ。」翠星石は激しく動揺した。体が小刻みに震えているのが自分でもわかる。しかもそれを止められない。本能的に嫌悪感が鎌から伝わっているからだ。「あれ? 知らなかったのかい? これが僕のレンピカの本当の姿じゃないか。 可愛いだろう? 小さいけど賢い奴でね、よく気が利くんだ。」蒼星石は自由になった両手をブラブラと動かしながら、優しくそう言った。「まぁ…庭師の鎌はオマケだよ。僕がnのフィールドで見つけたんだ。 レンピカにも何か道具を持ってもらいたかったからでね。 ほら、なかなか様になっているだろう。」蒼星石はニヤリと笑い、レンピカを誇らしげに見た。「この姿ではお初にお目にかかります、翠星石様。 私はレンピカ、蒼星石様の人工精霊でございます。 ローゼンメイデンのドールに私の本当の姿をお見せすることは禁じられておりましたが、 その禁忌も蒼星石様のお力添えゆえに、創造主にお許しを得ました。 従いまして、今の私は蒼星石様、いえシスターのご命令により実体化を許されております。 この庭師の鎌はシスターが庭師の10大道具よりお選びになられたもの。 不肖ながらこのレンピカがシスターのお手の替わりに使用させていただいております。 再びお会いできて至極光栄なのですが、シスターの命に従い、残念ながら貴女様にお別れを 申し上げなければなりません。」 レンピカは軽く一礼をしてから薄青紫色の瞳で翠星石を見つめた。レンピカの帽子からあふれて肩から背中へと流れる金色の真っ直ぐな髪が揺れたと思った瞬間、レンピカは翠星石のすぐ真横に庭師の鎌を振り下ろしていた。翠星石は間一髪かわした。地面に刺さる鈍い音が後に残った。ほとんど無意識のうちに左方向に体を引っ張られるようにして一歩だけ体をずらしていた。もちろん翠星石は何が起こっているのかわからなかった。数十メートルは離れていたレンピカが一瞬ですぐ近くに来て翠星石を殺そうとしたことも。左手に持つ如雨露に引っ張られたことも…。レンピカは地面に鎌を打ちつけたまま顔を翠星石に向けた。その顔は優しくはにかんでいる。「さすがローゼンメイデンのドールでございますね。かわされるとは思ってもいませんでした。 これでも初太刀には自信があったのでございますが、翠星石様を甘く見ておりました。 なんともお恥ずかしいかぎりです。もっとも私の技はこれだけではございませんが…。」その声で翠星石は正気に返った。危機を察して後ろに跳び下がる。それを追うようにレンピカは庭師の鎌を横に薙ぎ払った。大きな鎌はかすることなく空を切った。 …つづく。
2006/10/02
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