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トヨタレンタカーでプリウスを借りる。ドライブは乗りなれた車に限る。もっとも、僕は車を持っていないからプリウスは田村京子に合わせて選択した。旅の始まりは、なんだかとてもわくわくする。日本中を旅している僕だが、今回だけは特別だ。彼女がはるばる前橋からたずねてきてくれたのに、高山の家に居候だったから二人で遠慮の塊となっていたのだ。やっと二人きりですごす事が出来る。「どこへ行こうか?」「そうね、まずは鳥取砂丘なんてどうかしら。」僕の問いかけに田村京子は即座に答えたものだった。 進路を東に取り、空から見て大好きになってしまった中海に浮かぶ大根島を抜けると、すぐに境港に着く。 観光客で賑わう水木しげるロードをゆっくりと通り抜け、境港の水産センターで海鮮丼の昼食を取る。 この海鮮丼は信じられないほど旨い。以前、高山が案内してくれたおかげで迷わずにたどり着く事が出来た。 美味しいものを食べているときの笑顔は最も幸せな笑顔だ。それでなくても田村京子は美しい顔立ちなのに美味しい顔といったら、見ている僕が涙が出てしまう。 出雲から鳥取砂丘への道のりは160kmほどだが、僕たちは寄り道をしながら走っていったために6時間以上もかかってしまった。もっとも、感覚的には6時間ほどのドライブは一瞬でしかなかった。僕の一人旅なら熟睡の一瞬だが、二人の旅はハッキリ起きているのにあっという間だった。 鳥取空港の傍らを抜け10kmほど走り最後カーブを曲がると、薄暮の中に巨大な鳥取砂丘が広がっていた。 秋の長雨はとうに過ぎていて一年で最も乾燥する季節になっている。乾燥した砂は美しい風紋を作る。肌理の細かい砂の風紋は大自然の織り成す芸術に他ならない。僕たちは裸足になり、すでに夕闇の砂丘を歩いた。限りなく続く風紋はふたすじの足跡を快く受け入れてくれる。僕たちはどこまでも歩き続けた
2009.10.30
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朝は散歩している散歩とはいえ時間を無駄にしたくないので事務所へ歩きで通っているだけだいよいよ秋も深まり熊谷でも紅葉し始めたいつも通り過ぎるだけの公園の木々も紅葉が始まっている朝歩くというのは脳に大量の血液を送り込む事になるので朝から脳の働きが活性化しているらしいおかげで毎日のように気づきがある今朝の気づきは これ何の変哲も無い紅葉だけれど僕にとっては『100へー』古っ!紅葉のメカニズムを垣間見る事になった木々を良く見ると紅葉しているのは表層の葉だけだ内部の、いつも日陰にある葉たちは紅葉していない紅葉は寒暖の激しい年ほど美しいことは良く知られているがそれが何故なのかは良くわからないさて、表層の葉たちは、晴れた夜間には宇宙に向かって放射冷却をする放射冷却によって冷えた葉の表面には空気中に存在した水蒸気が結露するよく、『夜露が降りる』とか『霜が降りる』といわれている現象だが夜露や霜は 降りない!その場にあった水蒸気が結露しただけだ日陰に在った葉たちは夜露にぬれにくい表層の葉にさえぎられて放射冷却できないからだつまり、表層の葉の方が日陰の葉よりも寒い思いをしている事になるぬれた母いや濡れた葉は乾くときに気化熱を奪われ更に冷える放射冷却が起きるときは空が晴れているときだ空気が澄んでいるから効率良く放射現象が起きるそして、晴れているときは昼間は天気が良い(あたりまえだ!)天気がよければ陽が射し葉は暖められるつまりこんな時はとても寒暖の差が激しい結果、紅葉が美しくなるいつも日陰にある葉たちは寒暖の差が少なく紅葉しにくい結露はどんなところにも起きるその素材が優れているから結露しないなどということはありえないどんなに優れた建築家でもどんなに優れた素材を使用しても結露しない家は作れない家が自然界に存在する限り放射冷却は避ける事が出来ないからだえっ放射冷却で結露するのは建物外皮の外側だけじゃないの?と思われる方が多いかもしれないが放射冷却で冷やされた外壁や屋根材の裏側は、確実に結露している屋根裏をのぞくと雨漏りなどしていないのにノジ板にシミがあるのは放射冷却による内部結露なのだくりかえすが結露しない家は作れないしかし結露しても腐らない家は作る事が出来る散歩は脳の働きを活性化する(むりやりだなあ)
2009.10.30
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管理建築士講習 ねむいです にろちんと同じだ あと二時間の辛抱です
2009.10.29
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最近発見したダイエットアイテム 栄養は概ねそのままで カロリーオフ 最近 朝はこれです
2009.10.28
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島根で出会った神社の床下こーんなにオープンでも通気する床下はかびるし腐る風を通せは良いってもんじゃないなぜだかわからない建築家は懺悔すべしそれからそれからトーっても良くわかる収納はダメだけど暖房している家はOKという証拠写真これも島根イヤーこの日はよく歩いたつかれた
2009.10.28
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11月に入り、高山と僕はエンタルピー断熱の吸放湿断熱部分の工事を開始した。エンタルピー断熱は、杉の樹皮の繊維をボード状に成型したものを使用する。水蒸気の吸放湿に優れているだけでなく、化学合成された接着剤をまったく使用していない安全性にこだわった断熱材だ。杉の樹皮は古来から寺社仏閣の屋根葺き材料として使用されるほど水に対する耐久性が高く、腐朽菌の発生も少ない。吸放湿をさせるにはこれ以上の素材は無いといってよく、軽くて柔軟で適度な強度があり、驚異的な吸音性まで備えている。普通なら気密性の高い住宅は屋外の音が侵入しにくい反面、室内の音は反響して耳障りになりがちなのだが、エンタルピー断熱はこの素材のおかげで残響時間の短い快適な音響空間となる。僕たちは工事が進むにつれて室内の音がデッドになっていくのを感じていた。「静かだ・・・こりゃあ、大変な事になりそうだな。」高山は、作業しながら嬉しそうにぼくに言ったものだった。正直、発案した僕でさえその静粛性と断熱性に驚いているのだった。山間の高山邸の外部は11月といえども底冷えするのだが、家の中は20℃を下回ることはなく、とてもすごしやすかった。仕事が楽しいと効率も良い。10日程で、エンタルピー断熱もそろそろ完了かというある日、高山利子と一緒にいるはずの田村京子から電話があった。「シードさん!大変!敏子さんが!陣痛が始まって、今、病院に来たの。高山さんに伝えて!」こんなときの男ほど、頼り無いものは無い。僕もうろたえたが、高山といったら、「おおっそうか、でっ、どうしよう?」あたふたとマルノコを持ったままぐるぐると鎖につながれた犬のように巡り回っている。「おいおい、高山!マルノコ!危ないったら!!落ち着いて!兎に角病院に行こう!」僕たちは仕事もそっちのけで病院に直行した。分娩室の程近い待合室には、利子の母親と田村京子が待っていた。「高山さん!もうすぐ生まれるみたいです。間に合ってよかった!」田村京子ははちきれんばかりの笑顔だった。女性にとって出産は人生最大のイベントなのだ。はるばる出雲までやってきて始めて出来た同性の親友が出産する。そして自分がリアルに立ち会っている。この体験は彼女にとっても大きな意味を持っているのだろう。「そっそうですか。ふうーっ」高山は意味不明のため息をついた。僕もつられるように止まっていた呼吸を開始した。こうなるといよいよ男は使い物にならない。たかだか一時間ほどの時の流れが永遠に続くかと思えるほど長いものに感じられたが、かすかに分娩室から赤ちゃんの泣く声が聞こえ、20分程で対面が許されると、時は静かにいつもの速さで刻み始めたのだった。まさしく生まれてきた子のための時がスタートを切った。赤ちゃんは女の子だった。僕から見るとサルのようにしか見えなかったが、僕以外はカワイイ・カワイイの連発で、僕も、カワイイと言うほかはなかったが、「自分の子ならかわいく見えるのだろうか?」と、新たな疑問が生まれ、「いつかそんな日が来るのだろうか?」と、疑問は連鎖していった。赤ちゃんのおかげで「数日間は仕事を休もう!」と高山は出産休暇を宣言し、僕は田村京子と出雲を観光するチャンスを得た。折も折り、旧暦の10月。西暦の11月から12月にかけての出雲は『神在り月』であり、八百万の神々が出雲大社に集合する。しかも出雲大社は縁結びの社なのだ。
2009.10.27
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断熱技術には大きなテーマがある。断熱材の内部に結露を生じさせないということだ。断熱材は乾燥しているからこそ断熱力がある。結露によって含水率が上昇してしまえば既にそれは断熱材ではなく、熱伝導体となってしまい、熱橋として評価される。断熱材が熱的な境界を形成するものである限り、断熱材の内部に露点が存在する可能性が高い。この事は古くから認識されている事実だから、断熱材には防湿フィルムという水蒸気を通しにくい材料を断熱材の高温側に取り付けて結露を防いできた。この方法は功を奏して断熱材が結露による含水率の上昇によって断熱力を失う現象を免れていた。しかし、日本には四季があり、しかも夏は湿度が高い。断熱材の内側に防湿フィルムを取り付けて防ぐ事が出来るのは暖房をしている間だけで、夏の冷房時は屋外の方が高温側になってしまう。高温側が反転してしまえば防湿フィルムが低温側で水蒸気をくい止めてしまうから断熱材内部で結露が生じる逆転結露という現象が起こりうる。28℃程度の冷房であれば心配する必要は無いが、26℃以下の冷房では十分に危険性がある。夏と冬の逆転結露を物理的に防ぐことこそ断熱技術の永遠のテーマだったのだ。エンタルピー断熱は防湿層の両面に断熱層を備えている。防湿フィルの外側にも内側にも断熱材があるのだ。そして内外の断熱材の厚さも質も同じものではない。それは、冬型の結露が起こりうる場所は断熱層の中心付近から外側であり、夏型の結露が起こりうる場所は断熱層の内側寄りにあることから、結露する場所を正確に把握する事が出来れば、結露エリアを両方ともかわすことの出来る最適なポジションに防湿層を決定し、夏と冬の結露を確実に防ぐ事が出来るのだ。しかも、防湿層の室内側の断熱材を吸放湿素材とすることで室内空気をエンタルピーのコントロールを手助けする事が出来る。断熱材に吸放湿をさせるということは基本的には間違いだ。断熱材の含水率の上昇が断熱性能の低下を招いてしまうだけでなく、吸湿して欲しいはずの夏は、外気のほうが圧倒的に水蒸気量が多く、外気から水蒸気を吸湿して、屋内へ放湿するとい、期待とは逆の現象が起きる。吸放湿素材はいかなる時も絶対湿度の高いほうから吸湿し低いほうへ放湿するのだから。夏だけではない。過乾燥になりがちな冬には、加湿器などを使って室内空気の相対湿度を上げようとする。しかし、断熱材が吸放湿してしまってはせっかく加湿した水蒸気を断熱材が吸い取り、はるかに絶対湿度の低い外気へ放湿してしまう。しかも、壁内結露を伴いながら。エンタルピー断熱はこの問題も解決した。防湿フィルムの内側の断熱材を吸放湿素材としても、そのすぐ外側に防湿フィルムがあるから水蒸気を外に逃がさない。しかもそのポジションは外側の断熱材によって露点以上の温度帯域に位置しているから内部結露にはならない。このことで初めて吸放湿素材の持つ相対湿度60%以上で吸湿し、35%付近から放湿するという基本性能を安全で衛生的な状態で利用する事が出来る。防湿するからこそ始めて水蒸気を利用できるようなるのだ。エンタルピー断熱が持つ吸放湿断熱材はその使用容積が高山邸(床面積140平米)では10m3にも及ぶ。この吸放湿材の吸放湿量は、少なく見積もっても5%!約500リットルにも及ぶ事がわかった。防湿層の内側にあるあらゆる吸放湿素材(木材などの建材)を含めれば20m2にはなるだろう。積極的な加湿を行えば、10%の吸放湿が期待できるだろう。その量は、なんと2トンにも及ぶ。水分量がエンタルピーを左右することから、この大量の水分が持つエネルギーが冷暖房に寄与する効果は絶大なものとなる。高山邸は、十分、無暖房で暮らすことの出来る家となるのだ。
2009.10.24
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エンタルピー断熱エンタルピー(enthalpy)断熱とは僕の造語であり、当然辞書などには載っていない。そもそもエンタルピーとは熱力学での物理量を表す一つの単位であり断熱技術とはあまり関係が無いように思える。しかし住宅の断熱は外気と室内空気を断熱によって隔てる事に他ならない。外気と隔てられた室内空気はある意味では一つの系(熱的に物質的にも独立した空間)となる事が理想であり、断熱技術はそれを目指している。エンタルピーは系が持つエネルギーの総量であり(内部エネルギーと体積と圧力の積)で求められる。簡単にまとめれば、室内空気に含まれる水蒸気の量が多ければ大きいほど室内空気が持つエネルギー量は大きくなり、つまり暖かくなるのだ。体験的に、湿度が高いと夏は蒸し暑く感じ、冬は快適な暖かさと感じる。逆に湿度が低ければ夏は涼しく感じ、冬は極端に寒く感じる。これは、気温20℃で相対湿度50%の空気と気温22℃で相対湿度40%の空気とがほぼ等しいエンタルピーを示す(約39kJ/kg)ことから確認できる。別の視点から見ると湿度が低い乾燥した空気には汗が気化しやすく気化熱を奪われることで涼しく、あるいは寒く感じ、湿度が高ければ気化しにくく体温を放熱しにくくなることから暖かく、あるいは蒸し暑く感じる。断熱技術は、居室の空気環境を人間の体感が快適な状態に維持する事が目的であるけれど、その本質はより少ないエネルギー消費で快適な環境を維持する事にある。快適さという曖昧な指標は断熱技術など無くても大量にエネルギーを投入することで実現可能なのだ。そこで、目的と手段を正しく整理する。快適性のレベルはエネルギーの消費量に比例する。断熱性能のレベルはエネルギーの消費量に反比例する。エンタルピー断熱は空気が持つ水蒸気の量が体感に影響する事を前提に、断熱技術で水蒸気量をコントロールする事をテーマとしている。空気中の水蒸気量(絶対湿度)をコントロールするためには住宅は系(熱的に物質的にも独立した空間)となる事が理想となる(実際には不可能だけれど・・)。系でなければ、加湿して湿度を上げたい冬の場合、外気は室内よりはるかに乾燥なので室内の水蒸気は屋外に逃げていってしまい、限りなく加湿し続ける事が必要になる。系でなければ、除湿して湿度を下げたい夏の場合、外気は室内よりはるかに高温高湿度なので除湿して乾燥した室内へ屋外の無尽蔵にある水蒸気が流れ込んでしまい、限りなく除湿し続ける事が必要になる。まさに快適性はエネルギー消費で維持されるのだ。そこで、完璧とはいえないまでも、断熱層の内部に水蒸気の透過できない密度のフィルムを取り付けることで水蒸気の流れを隔絶し、簡易的な系を構築する。たとえばガラスの箱の中を除湿すれば、箱の中の絶対湿度は永久に変わらず、除湿に対して消費されるエネルギーは飛躍的に減少する。断熱技術の完成度は熱的な遮断だけではなく物質的(水蒸気)な遮断も必要であったのだ。熱的にも、物質的にも断熱する事がエンタルピー断熱の目的であり、この技術は実際に革命的な成功を収めた。一つの問題点をのぞいて・・・ピンチ次回、エンタルピー断熱が直面した最大のピンチに迫ります。つづく
2009.10.23
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「良くぞ来てくださいました。男たちときたら大きなおもちゃ作りに夢中で家庭のことなんてこれっぽっちも省みないのだから。」 高山利子は突然現れた田村京子を援軍が来てくれたと解釈したらしい。 僕が運転する車の後部座席であっという間に二人の女性は意気投合したようだった。「それにしてもシードさん、隅に置けないわね。こんなに可愛らしいガールフレンドがいらっしゃったなんて。」「そんなー利子さん、からかわないでください。」僕と田村京子は同じ言葉を口にした。しかし、僕は照れるしか反応の仕様がないが、田村京子は屈託が無い。 羽田空港で僕を発見した田村京子は、僕に気づかれないように同じ便に搭乗したのだった。そんなこととはつゆ知らず別れの寂しさを胸に機中の人となった僕は、高山邸の仕上げ工程に気持ちを集中して気持ちを紛らわせようとようと必死だった。そのせいで、同じ便に彼女が乗っている事などまったく気づくことが出来なかった。そんな僕を田村京子はひそかに観察していたのに違いない。それにしてもすごい行動力だ。女性とは、いざとなると強いものなのだなあと、僕は妙なところで感心したものだった。 二人の女性は僕が運転席にいることなどすっかり忘れてしまったかのように話に夢中になっている。おかげで僕は運転に集中できた。 僕は工事現場に直行し、工事の進行状態を確認する事にした。程なく高山邸に到着し、高山に京子を紹介すると、「それはめでたい。奥手のシードが彼女を連れてくるなんて青天の霹靂だ。利子!今夜は宴会だぞ。」「はいっまかせなさい」 まるで自分のことの様によろこぶ高山と、利子夫人やり取りはまさに夫唱婦随だった。「京子さん、お買い物に付き合ってね。男たちはほって置きましょう。美味しいものを作りましょうね。」突然現れた田村京子に「ハイ。利子さん。なんだか楽しくなってきました。」女たちはいそいそと買出しに出かけていった。女たちのいなくなった工事現場は急に静かになってしまったが現場とはそういったものだ。男はストイックに仕事をするものなのだ。勿論、今夜の宴会は楽しみだが・・・高山邸は既にプラスターボードの貼り付け工事はすっかり終わっていて、窓台の下や壁と床下地合板の取り合い付近から防湿フィルムが少し飛び出して見えている状態だった。なかなか丁寧な仕事で、できばえは申し分なかった。「これなら明日からエンタルピー断熱に取り掛かれるな。」僕は高山の肩を叩きながら言った。「うむ。お前が帰ってくるまでにプラスターを終えておこうとがんばったんだ。俺もこの後の工程が楽しみだ。さて、帰って酒でも飲むとするか。お前の土産話を聞きながらな!」4人の宴は深夜まで続き、僕の記憶はあるところで途切れていた。気がつけば僕のとなりには高山が寝ていて、のどの渇きに水を飲もうと台所へ行くと二人の女性は楽しそうに朝食の支度をしているところだった。「シードさんたら、大切な日に酔いつぶれてしまうなんて、しょうがない人ね。ねえ京子さん。」高山利子は笑いながら僕をからかった。「ホント。なんて人かしら。私、考え直そうかしら。」田村京子まで同じ調子で笑っている。僕は、バツが悪くて、水を一杯飲むと早々に台所を逃げ出した。
2009.10.20
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奈良に参りまして何はともあれ腹ごしらえ栗ご飯 おいしゅうございました腹が出来たらかねてから会いたかったこの人に会い唐招提寺の金堂の様子を見たいと思って行きましたが見られる筈も無く校倉造は宝物を仕舞うには不向きだと再確認し銀婚旅行でやってきたホテルは今日がちょうど100年なのだと告げられ100年のセンセは因縁のようなものを感じたのでした100年ホテルのバーはかなりセピアです今日は良い天気です京都へ移動して弥勒菩薩 半跏思惟像に会いに行きます夜は勿論、祇園です
2009.10.18
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夏の日差しをさえぎってくれて快適な夏をすごさせてくれた我が家の外カーテン!もうそろそろ涼しくなりましたから取り外さなければと思いつつ出張の連続で家庭の事を顧みないfsです台風18号のときは名古屋で足止めでしたから自宅の窓の外に下がっているカーテンが気がかりでしたが帰宅したときはそんなことなどすっかり忘れていてまた出張に出かけたりして・・・気がつくとこんな有様です 5年働いてくれましたからご苦労様ということですね早くはずさなくちゃ忙しい忙しいと言い訳しながら住宅革命の新展開を書かずにほったらかしですがまあ、単にサボっているわけですサボって何をしていたかというとこれを作っていましたウエストポーチというには大きすぎるのでウエストバッグという事にしましょうか構想1年やっと形になりました何度、針を指に刺したことかでも気に入っています出来上がったのでこれで住宅革命を書き始めるかと思いきや結婚25年いつのまにやら銀婚式を通り過ぎてしまっていて長年の感謝の意をハニーに示さなければなりませんそこで明日から旅行します住宅革命は帰ってからじっくりと書く事にしましたお楽しみに
2009.10.16
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日本航空のA300は前回と同じように中海の大根島上空を大きく左に旋回して低空で宍道湖の上を滑っていく。秋も深まり、風の向きは西風で安定していて、この季節の出雲空港進入方向は宍道湖上空からというのがおきまりだ。 宍道湖の湖面には漣が立ち、漁師の船がまばらに浮いている。上空からではそれがシジミ漁なのか魚を獲っているのかわからない。 やがて飛行機は、ひたすらのどかな風景のなかへ着陸した。 僕は、羽田に向かう前に環境住宅研究所に立ち寄り、杉山や穴沢に田村邸の改修工事の完了を報告した。「ご苦労だった。なあシード!うちは、とうぶん暇だから心配せずに島根へ行ってくれ。まったく不景気でかなわん。」 杉山は90年ぶりといわれている大不況をぼやきながらも屈託が無い。不況の時ほどチャンスなのだと日ごろから言っている通り、厳しい状況の中を上手に研究所を運営している。 穴沢も相変わらずだった。長い髪を後ろできりりと束ね、黒ぶちの眼鏡をかけ、長身に白衣を纏った姿は、ますます近寄り難い感じがする。「シード君、遊びほうけているとデスクが無くなるわよ!出雲の現場もさっさと片付けてらっしゃい!」 言い回しは高飛車だが、僕はそんな穴沢が嫌いではない。根はとても優しい女性なのだ。 追い出されるように研究所を飛び出した僕は、その日の出雲行き第3便JAL1667に乗り込んだのだった。 空港には、高山利子が迎えに来てくれていた。大きなお腹に左手を当て、僕に手を振っている。「お帰りなさい。シードさん。」「ただいま帰りました。身体、大変なのに・・お迎えありがとうございます。」 僕は、身重の若妻に土産の東京バナナを渡しながら、「お腹、大きくなりましたね。もうすぐですものね。僕が運転しますから・・」と、駐車場の方へ向かおうとした。 彼女は車のキーを僕に渡しながらも、その視線は僕ではなく僕の肩越しに違うものを見ているようだった。 何かなと振り向くと、そこには田村京子がスーツケースを携えて立っていた。「きょっ、京子さん!どうしてここに?」僕の顔はきっと、口を開いたまま固まってしまった能面のようになっている。驚きと喜びと困惑が続けざまに去来した。「来てしまいました。」田村京子は僕にそう言い、高山利子に向かってお辞儀をした。二人の女性は僕に顔を向け、「どなた?」と言葉には出さずに微妙に顔を傾けたのだった。
2009.10.11
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新幹線が先に動きました JBの機転で 新幹線で岐阜羽島まで行き ライフマスターに 羽島まで迎えに来てもらい なんとか10分ほどの遅刻ですみました ふいー
2009.10.08
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名古屋岐阜間 電車が動かず 名古屋に足止めです あー 今日は みの二期の定例会なのです さて どうしよう
2009.10.08
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昨夜から名古屋に居ります18号は通り過ぎてくれたようです今日はこれから18号を追うように岐阜へ参りますさて行くとするか電車動いているのかな
2009.10.08
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田村家最後の夜、僕は全ての工事が完了した故田村次郎氏の書斎で一夜をすごした。 自分が設計した改修計画の効果を体感してみたいと考えたからだ。 田村家の家族は僕の願いを快く受け入れてくれて、僕は自分が係わり完成させた建物に始めて宿泊する事になった。 改修とはいえ、断熱と気密を最適化された居室は未体験の静けさを体感させてくれた。 周りには人家が少ないから屋外の物音は殆ど聞こえない。 耳を澄ませても聞こえてくるのは家の中で発っした音と耳鳴りに似たシーンという擬似音だけだった。 断熱改修をしただけでこれほどの静粛性を得る事が出来るのだからエンタルピー断熱を完成させたらどんなだろう。 僕は心の中では田村京子との別れを恐れながらも、遠い出雲で進んでいる高山邸の工事の事を思い出していた。 長い夜を越え、朝はやってくる。 時間はゆっくりと流れながらも確実に進み、冷酷に別れを現実のものにしてゆく。 僕は拷問のような時の流れに耐えることができず田村家の裏口から抜け出す。 未だ日の昇らぬ藤沢川の川沿いを歩きいつしか小高い場所に立っていた。 振り向けば黎明の中に前橋の町が広がっている。 明るければ関東平野が一望に見渡せるかもしれない。 夜のうちに雨が降ったのか草がぬれている。 眠れぬ一夜だったが雨には気づかなかった。 徐々に東の空が赤く染まりはじめ、地平線の少し上のわずかな雲の切れ目に太陽のかけら姿を現す。 太陽の昇る速度は決して速くはないが、その遅さゆえに胸の奥で刻まれている鼓動がしだいに強さを増しているかのように感じられる。 帰ってこよう。 いつかここに僕は帰ってこよう。そう決めることで別れを受け止めることしか僕には出来なかった。「短い間でしたが、本当にお世話になりました。ありがとうございます。いつかまた立ち寄らせていただいても良いですか?。」 僕は月並みな挨拶しかする事が出来なかったが、田村家の女たちは終始にこやかで、あっけらかんとしたものだった。 なんだか僕だけセンチメンタルで気恥ずかしい気がしたが、そのおかげで気持ちの切り替えもスムーズに出来た。 田村京子は駅に向かう車のなかでは無口だったが機嫌が悪いわけではないようだった。 ただ、会話は弾まず何か考えているように見える。改札で分かれるときも「じゃあ」「ええ」とだけ言葉を交わして、握手をして、そして僕は旅人となった。
2009.10.06
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今回の工事ではダウンライトは撤去する事にした。実績の少ない新製品に、すでに発生してしまっている問題の解決を託すわけにはいかないし、確実に解決する事が僕の任務だからだ。ダウンライトと天井の回収をする前に屋根裏の断熱改修と通気止め処置を先行した。ダウンライトがあるおかげで明るい状態で作業を進める子が出来た。赤い十字架の元となった書架も取り外し間仕切壁側に移設した。生い茂った裏庭の植栽は枝打ちをし、明るく風通しも良くなった。外壁のスタッコラーストは高圧洗浄と消毒をしたうえで顔料を上塗りしたら見違えるようにきれいになり、工事は予定通り一週間で完了してしまった。これでこの家にあの赤い十字架が出現することはないだろう。これで、いつもなら仕事を終えた後の達成感を感じ、満足して立ち去るところだが、僕の心の中にはやりきれない気持ちが充満している。( なぜこんなに仕事がうまくいってしまうのだろう。何ヶ月もかかってしまえばいいのに・・・)「京子、シードさんっていいひとね。お前だって満更でもないんでしょう?」母親は、年頃の娘にズバリと言ったものだった。「そうだねえ。わたしも良いと思うねえ。」祖母も追い討ちをかけるように相槌を打つ。田村京子は「そんなあ」とこたえただけだったが、女性として大先輩の二人は既にお見通しだった。「あのね、シードさんみたいなタイプはね、優柔不断なところがあるから待ってちゃダメよ。積極的に行かなきゃダメなのよ。」母は言う事がだんだん大胆になり、「そうそう。そうだねえ。」と祖母の合いの手もまるで打ち合わせでもしてあるかのようだった。どうやら大先輩たちはシード捕獲作戦を伝授しようとしているらしかった。となりの部屋でそんな作戦会議が開かれているとは露知らず、僕は旅立ちの準備をしていた。出雲の高山邸はそろそろプラスターボードの貼り付け工事が終わる頃だろう。秋はますます深まり、冬が近づいている。年内には高山邸を完成させなければならないのだ。明日は一旦、新橋の環境建築研究所に立ち寄って田村邸の工事完了を報告してから出雲へ立とうと僕は考えていた。
2009.10.02
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工事に取り掛かるまでの三日間は僕にとってはありがたい休暇となったが、三日間の休日はあっという間に過ぎ、田村家の改修工事は始まった。僕が田村家に滞在して二日目に田村京子は僕をドライブに誘ってくれた。群馬県は広い。険しい山々には野生動物が生息し、豊かな大自然が広がっている。秋も深まり始めた山肌にはところどころに紅葉も始まっている。プリウスは関越自動車道を北上して行く。前方には二つのピークがある険しい山が見えている。「あの山はなんと言うのですか?」僕は運転をする田村京子に尋ねた。「谷川岳です。右のピークがオキの耳で左のピークがトマの耳と呼ばれています。狼の耳にたとえているらしいです。子供の頃、父に連れられてあの山に登りました。つらかったなー。岩場が多くて子供にはきつい山なんです。」谷川岳はロープウエーが完備し、中腹の天神平にはスキー場のリフトもあることから、気軽に登山を楽しめる山だが、北斜面の一の倉沢ルートは山屋にとっては本格的な登山ルートとなっている。冬の一の倉沢で遭難して亡くなった登山者も多く、いたるところに石碑やケルンがある。水上ICを降り、しばらく山間の道を走ると谷川岳ロープウエーの駐車場に到着した。往復で2000円のロープウエーは22人乗りで、とても小さい。索道は2本のワイヤーで出来ていて2本の腕でゴンドラがぶら下がっている。ワイヤーを2本にしたことで山岳地特有の強風にも強いのだという。平日の午前中のせいか客もまばらな山ろく駅から僕たちは可愛らしいゴンドラに乗り込み、進行方向に向かって並んで腰掛けた。ゴンドラには僕たち二人だけしか乗っていない。ゴンドラはぐんぐんと高度を上げていく。すれ違うゴンドラも無人だった。田村京子は自然なしぐさで僕の肩に頭をもたれ、僕は彼女の肩を抱いた・・・田村家の工事を開始する前に、僕はダウンライトを検証しいた。ダウンライトが結露を助長してしまうのは、照明時の廃熱を天井裏に排気するためだ。照明器具メーカーでは既にこの事実を把握していて、現在製造されているダウンライトの多くは密閉型となっている。密閉型のダウンライトにはフランジにパッキンが取り付けられていて、気密を確保しやすい構造になっている。熱を排気するための穴も無く、これなら問題はなさそうだなと思えた。しかし、排気口がないのでは白熱球は使用できない。蛍光灯かLED電球に限定される事になる。とはいえ、建築のデザイン上ダウンライトの気密性能の向上はありがたいことだ。
2009.10.01
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父の主治医を変えたことでついでに自分も便乗してしまおうと以前から気になっていた生活習慣病をチェックしていただきましたこれが見事に糖尿病と断定されコレステロール値も高く積極的な治療を必要とするという事になりここ数日は飲酒もせずおとなしくしています昨日は合併症のチェックで眼科へ行き「糖尿病網膜症」の検査をしていただきました糖尿病網膜症で失明すると光も感じない状態になり高齢者が急に失明と言う事態になると行動できないことからどんどん不幸な結果になるなどと脅かされ戦々恐々の状態で受診瞳孔を開く薬で 瞳全開しっ しみる・・・まっ まぶしい・・コクーンが降りてきたのではないかというほどの光の洪水を体験し、しばし「きれいな網膜ですね。網膜症なし、白内症なし、緑内症なし。それにしてもシードさん右と左で視力が違いすぎますね。1以上違う。これで眼鏡かけなくて大丈夫なのですか?」と、美人の女医がおっしゃる。網膜症なしの診断にほっとしつつ「最近、老眼が進んできましたが、左右のズレのおかげで、片目づつ遠近両用でよく見えます。」といったらぷっと吹き出しながら「実に興味深い、学会で発表しようかしら」 だとそれにしてもいよいよ不摂生な生活とはおさらばしなければならないようです勿論、これまでも良く歩き、食べ過ぎず(喫煙などはとっくにやめ)を気をつけてきたつもりなのですが、飲酒がどうも・・・生活習慣病とはまさに生活習慣からその病気になっているのだということで生活を変える事が必要なのだと主治医殿はおっしゃるというわけでさらに自主管理を徹底した生活に突入する事にしましたがこれ以上ちゃんとしたら、もう人間じゃないってくらいちゃんとしてしまうなあなどとちゃんとしていないフライングシードは思ってしまうのでありました自己管理には強い意思が必要ですが僕に強い意思などはあるはずもなく自己管理を達成するための意志力の事を考えてみました人にとって最も強い意志力を発揮するのは・・義務感・愛・おもいやり・責任感・闘争心なんかより「意地と欲と楽しみ」意地っ張りは死ぬまで意地っ張りですから!「意地」で管理してみようかと考えてみたわけですそれから「欲」何か達成するたびにご褒美を用意しておくこれもいいかもしれませんそれから「楽しみ」この状況を如何に楽しむかこの心理状態を持続する事が大切でそのために「意地」と「欲」が功を奏する様な気がします
2009.10.01
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