「ブロークン・フラワーズ」■過去への追求

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2006年07月03日

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テーマ：映画から何かがはじまる(571)

カテゴリ：作品レビュー（外国映画）

昨年のカンヌ映画祭は「子供」がキーワードであったのだろうか。
パルムドール受賞の「ある子供」も審査員特別賞受賞の「ブロークン・
フラワーズ」も子供が重要なキーワードである。
また、同じく受賞は果たさなかったが、コンペティションに出品の
「ヒストリー・オブ・バイオレンス」との共通点としては、過去への
追求という点が共通している。
アメリカの原風景に迫った「ブロークバック・マウンテン」も、その
ものズバリの「ニューワールド」も、過去にある原点を追及した作品
と言えると思う。

過去への追求という側面がある。
ヴィム・ヴェンダースの「ランド・オブ・プレンティ」もまた、
ある人物を求めてのロードムービーで「ブロークン・フラワーズ」
と共通点がある。
今、優れた映画作家たちが、何かある方向に向かって追求を始め、
それを我々に提示しようとしているのではないか。
アンゲロプロスが「エレニの旅」から取り組み出した現代史３部作
がその頂点にあるのかも知れない。
他にどんな作家がこのようなアプローチを行っているのか？
今、映画から眼が離せない！

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最終更新日 2006年07月03日 00時40分21秒
コメント(7) | コメントを書く

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■コメント

映画で

charlotte さん

こんにちは！
いろんな所に、一定の共通点が見出せますね。
ホント、映画から目が離せません。
おかげでいつもよりハイペースで鑑賞が進んでます。(^^ゞ
こちらとちょっと温度差が出来てしまうと思いますが、こうしていつもTBをしてくださるとまた映画に対する想いも共有できて大変嬉しいです。
今後もどうぞよろしくお願いします♪ (2006年07月03日 09時44分05秒)

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Re:「ブロークン・フラワーズ」■過去への追求(07/03)

サリィ斉藤さん

短編集「コーヒー＆シガレッツ」など見ても思いますが、ジャームッシュの人間に対する洞察力は年を追うごとに深まっているような。
この映画も、エチオピア・ジャズとかフレッド・ペリーのジャージとか、オシャレ系の人（どういう人だ）が飛びつきそうな要素はしっかり盛りこみながらも、男にとっての「子を持つこと」のリアリティのなさが残酷なほど描き出されていましたね。 (2006年07月04日 01時19分56秒)

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Re:「ブロークン・フラワーズ」■過去への追求(07/03)

とこみんさん

ジム・ジャームツシュは大好きなのですが、最近なんだか身内で固めたような、一般観客の私には入っていけないような、壁を感じています。
私がよく彼の映画を解っていないということなのですが。
(2006年07月04日 13時42分18秒)

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charlotteさんへ

哲０７０１さん

ありがとうございます。
やはり映画は時代の鏡ということでしょうか。
そして見ている自分の投影でもあります。

温度差という点では、当地は首都圏に比べて
ずっと遅く公開されることがほとんどで、
その意味ではブログでも盛り上がりが終わった
時期にこちらで公開で、ちょっとお祭に遅れた
というケースがあります。 (2006年07月05日 01時33分00秒)

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サリィ斉藤さんへ

哲０７０１さん

>男にとっての「子を持つこと」のリアリティのなさが残酷なほど描き出されていましたね。
-----

なるほどですね。
この点は非常に大事なポイントですね。
その意味でラストのあの青年との会話は
かなり意味がありそうです。
(2006年07月05日 01時34分32秒)

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とこみんさんへ

哲０７０１さん

いただいたコメントは、かなり重要なことを指摘
されているような気がしました。
もう少し考えてみます。
(2006年07月05日 01時35分35秒)

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これは神様のくれた赤ん坊か？

Ｅ．Ｔ．さん

昔々、若気の至りで取った行動（男女の機微）結果を知らせるピンクの手紙（インターネットとは対極のアナログ手段）が巻き起こす成金となったＩＴ長者による、飛行機＋レンタカーによる全米放浪紀行文体映画は、どことなく前田陽一監督「神様のくれた赤ん坊」風でしたね。
　ジム・ジャームッシュ監督の非ハリウッド的製作志向が何故か、忘れられかけた元スターたちで構成されるのは、皮肉。
　せっかくシネコンで公開されたのに、昨年の「エレニの旅」同様、一桁の観客数（公開２日にもかかわらず）でした。映画ファンなんて、何処の星に退散したのでしょう。 (2006年07月05日 20時03分17秒)

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