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俺だけの旅 0
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えー鯖という字はフィッシュ偏にブルーでしたっけ? 長嶋茂雄 必殺からくり人 第13話「終りに殺陣をどうぞ」藤兵エはとんぼに匕首を渡すと仇吉を迎えに出かける。仇吉は曇りに呼びつけられていた。先代の元締・蘭兵衛を殺したのは曇りだ。仇吉はそのことを持ち出すが、曇りは先日の狙撃未遂事件を引き合いに出し、さらに事件以来姿を見せなくなった時次郎に会いたいと言い出す。「時次郎が俺や幕府のお偉方を狙ったとなるとちいとばかり話が面倒なことになる」。或いは仇吉たちに配下へ加わるよう迫るが「私たちは涙以外とは手を組みません。涙がこぼれるような依頼しか引き受けない」と断られる。「涙?がはははーそんな甘っちょろい考え方をしてるから先の元締は死んだんだ。その考え方を変えねえ限りあんたも同じようになるぜ」「昔からお上と結び付く殺し屋は臆病者。あんたたちが考えている程、花乃屋の一党、甘っちょろくて弱いかどうか」「試してみろというんだな?」「勝負!」。こうして花乃屋チームと曇りチームの全面抗争が始まる。まず屋形船で仇吉の許へ向かっていた藤兵エが襲撃される。川の中で大乱闘。何とか敵を倒して船に戻るが、別の手下たちに何度も銃で撃たれた上に滅多突きされる。「姐さん・・・迎えに行きますからね」。仇吉は藤兵エの最期を見届ける。その頃、とんぼにも曇りの手下たちが迫っていた。「お母さん、藤兵エさん・・・」。一人仕留めたものの次々と襲ってくる。そこに仇吉が駆け付け難を逃れる。しかし戻ってきた屋形船には変わり果てた藤兵エの姿があった。仇吉はとんぼに蘭兵衛と時次郎の位牌、三味線を持たせて花乃屋を後にする。その頃、へろ松は父親・藤兵エが死ぬ正夢を見て大騒ぎしていた。「また寝ぼけやがって!」と天平は呆れるが、曇りの手下たちが迫っていることに気づく。三人仕留めたものの小屋に爆弾を放たれて大爆発。天平は視力を失ってしまう。さらに手下たちが襲いかかる。「右や!左や!真っすぐや!突っ込め!」へろ松のサポートで辛うじて仕留める。翌朝、仇吉ととんぼは敵に追われながら天平の小屋に辿りつく。無残な瓦礫の山になっていたが天平とへろ松の死体が見当たらない。二人共生きていると確信する。仇吉ととんぼが死んだと思った天平は復讐を誓う。めそめそするへろ松。絶体絶命の花乃屋チーム。仇吉はとんぼに大坂・曽根崎新地の清元信光という三味線の師匠を尋ねるように言うと一人で仇を討ちに行く。「皆死んじまったらからくり人がいたってこと誰も知ってくれないじゃないか。どうしても曇りだけは殺す。殺さなくちゃならない」「無理よ!」「無理でも生かしちゃおけない。悪いお母さんだったね」。長唄を口ずさみながらとんぼを乗せた小舟を押し出す。「あかあさん・・・おかあさん・・・おかあさーん」何度も叫ぶとんぼ。そして天平もへろ松に支えられて曇りの屋敷に向かっていた。「お前は行くんだよ!」「天平さん!」。門を爆破すると松明を持って勘だけを頼りに単身乗り込む。「曇りを出せー!」。大勢の手下に囲まれ、松明と花火を闇雲に振り回す。「曇りを出せー!」。花火に火を点けて手下たちに迫るが、躓いたはずみで自爆してしまう。爆発音を聞いた仇吉は次々と襲ってくる手下たちを倒しながら天平を探すが見つからない。姿を現す曇り。「曇りさん一緒に死んで貰いますよ」。曇りの向けた銃口が仇吉を狙う。仇吉の撥が曇りに突き刺さると同時に、曇りの撃った銃弾が仇吉を貫く。遠のく意識の中、八丈島を抜け出した時の記憶がよぎる。蘭兵衛、藤兵エ、天平、時次郎。一人小舟に乗っていたとんぼはへろ松と再会を果たす。「天平さんが死んじゃった。俺らこれからどないしたらええんやろ・・・」。いつまでも泣いているへろ松。三味線を弾くとんぼ。「明治の初め上方で清元の名手として名をはせた信寿はとんぼのこと。その姿といい撥さばきといい仇吉そっくりであったといいます」。年老いた清元信寿が三味線を弾いている。お・わ・り「金」をもらって恨みを晴らすのが必殺シリーズの基本設定。但しからくり人は一切「金」を受け取らない。代わりに「情」が仕事の動機となる。しかし、そのことが半ば仇になり全員殉職という前代未聞の結末を迎える。しかも曇りチームとの抗争はただの私闘であり殺し屋のセオリーからも大きく逸脱している。他方、必殺シリーズの顔・中村主水は「金」を仕事の絶対条件としている。ゆえに闇の世界に居座り続けることができた。殉職した殺し屋のほとんどが「情」で悲惨な末路を辿ったことを考えると中村主水の存在が際立つ。我々の仕事も同じです。それにしても『必殺からくり人』を観るたび壮絶過ぎて溜息しか出てこない。
2020年05月05日
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私、豹以上に豹柄が似合うと言われているの 杉本彩 必殺からくり人 第12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」ある日、時次郎は置き手紙を残して花乃屋から姿を消す。「本日を以って皆様とは以後関わり無しにして頂きます。来る13日の夜、15日の昼、皆様必ず人目のところに居りますようくれぐれもよろしく」。時次郎は大きなことをしようとしている。花乃屋のメンバーを巻き込まないため、アリバイを作るよう言い残したのだ。数日前、時次郎は天平の仕事場から火薬を持ち出していた。藤兵エは時次郎のなじみの女郎・しぐれ(赤座美代子)を訪ねる。仇吉はしぐれを見て「そっくり」と驚く。昨日も時次郎はしぐれの許に通い、枕と身受けの金を置いて行った。一方、天平は鉄砲鍛冶のじいさん(魔風雷丸)を訪ねていた。時次郎はじいさんにスコープ付きの組み立て式ライフルを注文していた。しかし目的が分からない。仇吉は藤兵エを連れて紅屋に向かう。紅屋のおかみ・アキは時次郎の小さい頃からの許嫁だった。ある日、縁日でチンピラに絡まれたアキを助けようとしたところ、相手の打ち所が悪く死なせてしまった罪で八丈島へ送られる。その後、島抜けをして真っ先にアキへ会いに行ったが、その日はアキの祝言だった。子どもに恵まれ幸せな家庭を築いている様子を時々眺めるだけで時次郎は満足だった。時次郎が死んだと聞かされていたアキは仇吉の話を聞いて驚く。時次郎が生きていれば祝言は挙げなかった。「あれは時次郎さんだったんですね」。数日前、紅屋におもちゃが置かれていたのだ。時次郎はアキにさえも会わなかった。子どもの頃を思い出すアキ。「アキちゃんが欲しい、花いちもんめ」。しぐれとアキ(赤座美代子)は瓜二つだった。何の手がかりもつかめないまま13日を迎える。アリバイ作りのため仇吉たちは方々へ散っていた頃、南町奉行所の目付・花井虎一が時次郎の手で暗殺される。花井虎一は渡辺華山、高野長英らを告発し、蘭学者らに言論弾圧を行った蛮社の獄に関わっていた。時次郎との接点はなかったが、以前しぐれの腹痛を治した医者が蘭学者・小関三英だった。以来、蘭学者に心酔するが小関三英は蛮社の獄を受けて自害する。時次郎の目的は老中・水野忠邦の側近であり、次期南町奉行・鳥居耀蔵(岸田森)の暗殺だった。さらに鳥居の父親の命日に上野の寺へ訪れることが分かる。寺には曇チームが警護していた。時次郎は寺の五重塔に潜伏、鳥居耀蔵を狙撃するため入念に準備をして待ち構えていた。下から登って来れないよう、自分も逃げ出せないよう梯子を外す。弾は四発。「あの子が欲しい、花いちもんめ。あの子じゃわからん、この子が欲しい」「勝ってうれしい花いちもんめ、負けてくやしい花いちもんめ」。仇吉たちはアリバイ作りのため再び街中に散らばっていた。スコープに映る鳥居耀蔵、後藤三右衛門、曇。そして水野忠邦が到着する。時次郎は鳥居耀蔵に向けて引き金を引くが、偶然弾道に飛び込んだ鳩に当たってしまう。暗殺は失敗、愕然とする。「負けてくやしい花いちもんめ」。残った火薬を全身に塗りたくり、最後の一服を終えると煙草をぽとりと落とす。江戸中に響く爆発音。「もしあの時、鳩さえ飛ばなかったら恐らく日本の歴史は幾分変わったものになったことは間違いありません」。お・わ・り次回感動の最終回。
2020年05月03日
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ボールを母親の顔と思って打ってみろ 野村克也必殺からくり人 第11話「私にも父親をどうぞ」最終三部作スタート。とんぼは父親の顔を知らない。仇吉は話したがらない。仇吉が八丈島へ送られた時、既にとんぼを身籠っていた。父親は江戸にいるはず。藤兵エは人は四十を越すと昔のことが懐かしくなり何かと昔のことを話したがるが、どうしてもできない話もあると言う。「つらい昔だからですよ。思い出すだけで気持ちがずたずたになるほどつらいことなんです。だからとんぼちゃんも昔のことは穿らないで下さいよ」。仇吉はある男を見かける。以来、藤兵エたちに花乃屋へ近づかないように指示する。島抜けが明るみになるかもしれないからだ。男は絵師の歌川延重。その延重が花乃屋を訪れる。仇吉の留守にとんぼをモデルにスカウト。延重は仇吉が島抜けしたことを知っていた。それをネタに毎日屋敷へ来るようとんぼを脅す。延重は長崎奉行・妻木(覚禅)とグルになり、オランダ人の女を巧みに拐かしては大目付(※変態)に差し出していた。そしてお艶=仇吉が江戸に戻っていることを報告する。ある日、仇吉はとんぼにすべてを話す。かつて深川の売れっ子の芸者でお艶と名乗っていた頃、貧乏絵師の延次郎と将来を誓い合っていた。延次郎は金と名声欲にかられお艶を騙してカピタンに差し出す。何も知らないお艶は眠り薬の入ったワインを飲まされる。気がつくとオランダ人の男に慰み物にされてしまう。「OH~!ゲイシャガール」「あ~れ~」。翌朝、延次郎は姿をくらましていた。その後芸者を続けることができず鳥追いで生計を立てるが、どこへ行っても「毛唐と寝た女は犬畜生」と言われ、石を投げられ、屋台で酒を飲んでも「お前さんの使った茶碗は使えねえからな」と目の前で叩き割られるなど過酷な差別を受ける。さらに身籠っていたことが分かり、腹に石を押しつけて中絶しようとするが流産には至らなかった。そして新しい長崎奉行に着任した妻木と延次郎を刺し殺そうとするが失敗、八丈島へ送られる。お艶は島でとんぼを産む。髪の毛の色は赤色と覚悟していたがそうではなかった。仇吉が殺そうとした男、歌川延重と名乗っている延次郎がとんぼの父親だった。妻木と延重はお艶に刺客を放ち、とんぼを慰み物にしようと画策。刺客を返り討ちにした仇吉はとんぼを延重の屋敷に向かわせる。延重はとんぼにオランダの衣装を着せると例のワインを勧める。「お母さんが飲まされたものと同じものですか?」。動揺する延重。その時、仇吉に始末された妻木の悲鳴が響く。延重は騙されていたと言い訳をするが「もし騙されていたらどうして騙した相手について長崎へ行ったんです?」と突き返される。それでも言い訳をする延重。仇吉は部屋に飾られた延重の絵を撥で切り裂く。「この絵のために私は体を汚され石を投げられた!」。土下座する延重を指して「とんぼ、これがお前の会いたかったお父つあんだよ」と言い放つ。「あんたは自分の娘に眠り薬を飲ませてどうしようと思ったんですか?」「違う!俺の娘なんかじゃねぇ」「ありがとう。その言葉をあんたの口から聞きたかった。あんたみたいな男が父親ではこの子が悲しい!」。刃物で切りつけようとする延重をとんぼの目の前で始末する。延重にすがりついて泣き崩れるとんぼ。眠れぬ夜は長くてつらい。花乃屋の縁側でぽつんと佇むとんぼ。お・わ・り
2020年04月29日
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ひな祭りに、ひなのの祭りにができて、とてもうれしいです 吉川ひなの必殺からくり人 第10話「お上から賞金をどうぞ」白玉売りに精を出すへろ松の目の前で捕り物が展開。岡っ引きの円蔵に追われた兵作は恋人のおさとの前で転落死する。へろ松は兵作が持っていた装飾品を拾う。装飾品はキリシタンの十字架。そうとは知らず身につけていたとんぼを見て仇吉は手放すよう注意する。記録の上では元禄七年に尾張の国の隠れキリシタンたちが斬首されて以来、絶滅したものとされていたが、慌てた幕府は密告または召し捕った者に金20両を与える制度を掲げた。円蔵はキリシタン探しに躍起。装飾品を持ち逃げしたへろ松を血眼になって追っていた。おさとは天平に兵作はキリシタンではない、しかも転落死ではなく突き落とされたと話す。仇吉は賞金の20両欲しさに企てた何者かの仕業と睨む。そんなこんなでへろ松を追って円蔵が花乃屋に乗り込んでくるが、仇吉はしらを切り通す。次いでおさとを追求。どさくさにまぎれてセクハラ取り調べを開始しようとしたところに天平が駆け付けて事なきを得る。今回の一件は円蔵と飾り職の米吉による自作自演だった。米吉が兵作の家に十字架を忍び込ませ、円蔵は密告があったと米吉を追求。しかし米吉は転落死。米吉がキリシタンであることの証拠になる十字架は行方不明のまま。これでは賞金をゲットできない。お上からは十字架の代わりにロザリオやマリアの絵を差し出すよう言われている。そこで円蔵と米吉はエロ絵師の緑水を仲間に引き入れる。緑水にマリアの絵を描かせ、米吉は十字架とロザリオを作る。そして円蔵からお上に袖の下を握らせて賞金をゲットする作戦。その頃、尾張での調査を終えた時次郎が帰って来る。キリシタンだった兵作の父親は取り調べに耐えられず口を割ってしまう。そのため大勢の隠れキリシタンが処分。米吉は兵作と同じ尾張の出身で互いの身上を知っていた。その後、兵作の父親を追って米吉も江戸に出てきた。米吉は兵作の父親のせいで自分の家族が処分されたと恨んでいた。そんなこんなで円蔵はおさとの家に忍び込んでニセの十字架とマリアの絵を至るところに忍び込ませる。そしておさとと父親が帰ってきたところを見計らって「密告があった」とわざとらしく乗り込む。しかし忍び込ませていたニセグッズが見当たらない。見張っていた天平が抜き取っていたのだ。その夜、作戦が失敗した三人は解散。それぞれ藤兵エ、時次郎、天平に仕留められ、円蔵の首に十字架がかけられる。お・わ・り
2020年04月26日
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もう、やめて~ 横山弁護士必殺からくり人 第9話「食えなければ江戸へどうぞ」江戸の人口は増える一方。都会の人口過密化は農村の過疎化を引き起こし、農地の荒廃、地方財政の窮乏など現代と変わらない様相を呈していた。そこで老中・水野忠邦は膨れ上がった江戸の人口を減らすため、出稼ぎ農民や身売り同然に商家へ奉公に来た娘たちを強制的に郷里へ引き戻す「人返し」の政策を打ち立てた。天平の小屋に居候しているへろ松。今朝も寝しょんべんで目が覚めると見知らぬ男・弥助が転がり込んでいた。郷里に戻されたくない弥助はへろ松に仕事を紹介してほしいと頼む(間寛平の力量を見込んでか何気に延々と長回し)。そんなこんなで花乃屋へ。弥助は同じ村の娘・おすえを探していた。弥助とおすえは役人に捕まり、男女別に村へ引き戻れることになったが、いつまで待ってもおすえは姿を見せず、村にも戻っていなかった。そのため弥助は命がけで江戸に舞い戻ったという次第。仇吉は弥助を船頭見習いに雇い、おすえ探しを手助けする。ある日、藤兵エに連れられ女郎屋へ。行方不明になった女は身売りされる場合が多い。案の定、女郎になったおすえを見つけるが女衒たちにぼこぼこにされる。その後、髪結いに扮したとんぼがおすえに接触。おすえは江戸の生活を望んでいる。しかし「人返し」にあった後、どうやって江戸に戻れたのか?誰かに口止めされているのか本心を探ることはできなかった。仇吉は昔馴染みの女衒・松造から凄腕の女衒・吉五郎の存在を教えられる。吉五郎は「人返し」にあった娘たちを密かに江戸に戻す「戻し屋」であり、口入屋の高田屋(甲賀幻妖斎)とつながっていた。高田屋は吉五郎から娘たちを買い、権力者たちに斡旋していた。弥助はおすえに村へ帰ろうと誘うが「今さら痩せた土地にしがみついてどうやって食べていくのか?」「三度三度の食事にありつけるだけ今の生活ほうがよっぽどましだ」と拒否される。毎年のように天災が続くため、郷里に戻っても食べていけない。生きるためにはどうしても江戸に残りたい。「戻し屋」はそういう娘たちを食い物にしていた。娘たちは高田屋と吉五郎に言い包められて監禁される。高田屋は仇吉に嗅ぎつけられたことに気づき「儲けの三分で手を打ってほしい」と取引しようとするがあっさり断られる。「金づくで話がつかなきゃ腕づくってことになりますけどね」。しかし仇吉たちは先手を打って監禁された娘たちを解放。「女たちの恨み代。あなたの命で払ってもらいましょう」。高田屋を仕留めると千両箱から百両だけ奪う。その百両を弥助に差し出しおすえを身受けするよう勧める。郷里に戻っても上手く生活できるか。江戸にいれば食うだけは食える。その後も「人返し」は続けられたようだが、江戸の人口は一向に減る気配はなく、とりわけ女の数は年ごとに増え続けたという。あるいは他にもまだ「戻し屋」が江戸の闇に暗躍していたのかも。お・わ・り
2020年04月19日
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悔しかったらアンタも司法試験に通ってみなさい 横山弁護士必殺からくり人 第8話「私ハ待ッテル一報ドウゾ」テレビ局のスタジオで公開大捜査。カメラに向かって失踪した子どもに呼び掛ける母親。テレビもネットも無かった江戸の人々はとある橋の袂にあった「たずね石」に紙切れを張り付けて行方知れずになった肉親の情報を求めた。おせん(西崎みどり)の幼馴染で越前屋の跡取り息子・彦市も6歳の時、人さらいに遭って上方へ売られていたが、10年ぶりに戻ってきた。彦市の母親・ふゆが「たずね石」に張り付けていた紙を見た旅人が知らせてくれたとのこと。しかし何となく別人のような。その後おせんは水死体で発見される。おせんは5歳の時、堀に落ちて溺れかけていた彦市を助けたことがある。久しぶりに再会した彦市にそのことを話すが、覚えていないどころか「魚のこと?」など頓珍漢なことを言う。いくら幼い時のこととはいえ死にそうになった時のことは覚えているはず。その話を聞かされたとんぼは5歳の時、八丈島から抜け出したことを思い出す。おせんは本当の彦市ではないと気付いたため消されたのだ。越前屋は彦市が戻ってきたと今も大喜び。彦市を見つけ出した旅人二人組は越前屋と「たずね石」のあたりをうろうろしている。藤兵エが調査を開始するが、赤ん坊を背負った女(荒砂ゆき)に刺され大けがを負う。時次郎は闇医者に藤兵エを治療させる(緒形拳、山田五十鈴、芦屋雁之助、梅津栄の芝居合戦が見どころ)。とんぼは彦市に5歳の時のこと、そして「別人では?」と問いただすが逃げられてしまう。そんなとんぼをつけ狙う赤ん坊を背負った女。ある日、ふゆは花乃屋を訪ね彦市は正真正銘本物だと説明する。とんぼはふゆに詫びるが、もし本当の彦市で無かったとしたら「やっぱりあの子は私たち夫婦の子供です。新しく授かった彦市です」。そう答えるが実は偽物だと承知していた。その後、越前屋は事故死する。彦市の仕業か?旅人二人組と赤ん坊を背負った女の指図を受けていた。その夜、寝ているところをふゆに布団を掛けられ涙を流す。「あれが本当のおっかさんだったらいいのに・・・」。しかしふゆは旅人二人組に殺され、彦市は正式に越前屋の跡取りに就任する。もう我慢の限界。彦市は抜け出そうとするが、旅人二人組と赤ん坊を背負った女に越前屋へ戻るよう命令される。「度胸の無えガキだ」。時次郎と天平は旅人二人組を仕留める。赤ん坊を背負った女に連れ戻される彦市を藤兵エが呼び止める。「彦市さん、ここだよ。あんたが溺れかけたところをおせんちゃんに助けてもらったのは」。女は泣き出した赤ん坊をあやしながら藤兵エを刺そうとするが返り討ちされる。「おっかさん!」「おっかさん?あんたのおっかさんかい!?」。女に背負われた赤ん坊を彦市が背負う。「嫌な男と組んで俺に嫌なことをさせるんや!そやから死んだほうがええんや!弟かて今に俺と同じことさせられるんや!」。その場から去ろうとする彦市を呼び止めるが「俺は十五や。もう働ける!」「困ったら俺のところに来い。花乃屋だ深川の・・・」「おっかさんを殺した奴のところなんか行くもんか!」。絶句する藤兵エ。後日、とんぼは「たずね石」に一枚の紙を張り付けた。「尋ね人 赤子を連れた十五歳の男の子、右腕にアザ有り 藤兵エ」。お・わ・り
2020年04月10日
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金が一番、命が二番 宮路年男必殺からくり人 第7話「佐渡からお中元をどうぞ」金を貰って人を殺す。その基本に反して『からくり人』は金を受け取らない。今回は殺しもなければ誰も死なない。明確な悪人も登場しない。現代の京都。美味しそうにかき氷を食べている若者たちに見とれているとんぼ。真夏に氷を食べる。江戸時代では考えられない。仇吉たちは信州・追分へ避暑に出かけることになった。とある本陣の近くに居を構えると、天平と藤兵エは密かに穴掘りを開始する。そこに依頼人・伝蔵が合流。穴掘り作業をサポートする。伝蔵はかつて佐渡で金を掘らされていた。地下深く、狭い穴は地獄。多くの人足が死んでいった。幕府は佐渡の金が欲しい。そこで数年に一度ごろつき者から酔っ払いまでしょっ引いて、時には500人も佐渡へ送った。しかし五年後、帰ってこれたのはたったの17人。大方は仕事のできない身体になっていた。伝蔵は死んだ仲間や残された家族のための供養を考えた。五日後、佐渡から金の延べ棒を運ぶ一行が追分にやって来る。それを奪うのが今回のミッション。穴を掘る音が漏れないよう仇吉はとんぽに三味線と太鼓の稽古をつける。その賑やかな音を聞いた岡っ引きたちは盆踊りを手伝ってもらおうと思うが今年は中止。但しなぜか見張りを厳しくするよう言われていた。そんなこんなで佐渡からの一行が一日早く到着するとの情報が入るが作業は遅々と進まない。そこに偶然降り出した雷雨に紛れて爆弾を使用。ようやく捗り始めた頃、一行は本陣に到着、蔵に金の延べ棒が運ばれる。一方、依頼人の一人おゆう(市川森一夫人)も合流。父親と兄が佐渡へ送られ、死んだ知らせは届いたが遺骨が送られてくることはなかった。そして穴を掘りまくって蔵の真下に辿りつく。時次郎、天平、藤兵エ、伝蔵は金の延べ棒をダミーにすり替えて強奪に成功。翌朝、何も知らずに一行は江戸に向けて出発、盆踊りも例年通り行われた。問題は強奪した金をどうやって江戸へ持ち帰るか。時次郎たちは関所の前で「お氷さま」が通るのを待っていた。「お氷さま」とは信州・北川藩が将軍に献上するため、真冬に湖から取り出した氷の柱のこと。氷室に貯蔵された「お氷さま」はお盆に取りだされ、三日三晩ぶっ通しで江戸城に運ばれる。そのため関所を通るのもフリーパス。そのチャンスを狙って時次郎たちも大八車を引きずりながらあとに続くが氷奉行に気づかれる。「峠を越えるまで御一緒願いてぇんですが・・・」「ならぬ!」「しょうがねえなあ」。すかさず爆弾を手にした天平が「お氷さま」の上に飛び乗る。「ほらほら氷が溶けてきましたよ~」。さらに藤兵エが袖の下を握らせる。「足抜けの女郎を運んでいるんです」と大八車から姿を見せるおゆう。こうして時次郎たちは無事に関所を通過、「お氷さま」は将軍の元に届けられ、金の延べ棒は小判に換金される。伝蔵と藤兵エはとある貧乏長屋を訪れ「これは佐渡で亡くなられた旦那さんのご供養に・・・」と大金を渡す。「旦那さんはこの何倍もの金を掘りだしたんです」。時次郎、天平、おゆうも一軒一軒訪ねていた。「これ全部配り終わるのに十日以上かかるなあ」。お・わ・り
2020年03月29日
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1,2,3,シドニー! 田村亮子 必殺からくり人 第6話「秘めごとは白い素肌にどうぞ」前回と同じく百万坪で死体を発見する天平ととんぼ。死体は女。外国製の香水をつけていた。天保の頃、深川あたりの芸者や遊女たちの間で刺青が大流行。趣向を凝らした彫り物を鑑賞する刺青会なるものが夜ごと催されていた。とりわけ人気があったのが伊佐吉の彫り物。好事家にたいそうもてはやされていたとか。しかしお上は公序良俗に反するとし、厳しい弾圧を加えた。つうことで伊佐吉は百叩きの刑に。自分の芸術が認められないことに憤るが体はボロボロ、役人から目をつけられる。時次郎はしばらく休業することを勧める。伊佐吉に島帰りの印である腕の刺青を消す仕事を依頼していた。ある日、とんぼは熊谷から江戸へ身売りに来たお藤と知り合う。昨年の大雨で川が氾濫し、父親を亡くした。何とか田んぼを元に戻したが、無理がたたって母親は身体を壊し十両を借金する。ところが10日以内に百両の返済を迫られる。そんなこんなで伊佐吉はまたしても役人に捕まり百叩き。もうやってらんね-。時次郎にオランダ行きを宣言する。4~5日前、長崎屋を通じて紹介されたオランダ人から「アナタノ刺青ハ素晴ラシイデース」と絶賛されていた。ただし柄は相手の指定、相手はオランダ人が長崎から連れてきた妾。とんぼはお藤のため口入屋で仕事を探していたところ、長崎屋からスカウトされオランダ行きの仕事を勧められる。プライドが傷ついたと仇吉と藤兵エに憤慨しながら報告。その話を傍でお藤が聞いていた。長崎屋に出入りする伊佐吉を心配する時次郎。伊佐吉は長崎屋から注文を受けて、女の背中に日本地図の刺青を彫っていた。しかも「見えない」ように。日本地図の海外への持ち出しは禁じられていた。「こんな酷い目に遭った国だ。いっそ売っちまったほうが・・・」。伊佐吉は個人的な恨みだけでなく長崎屋の開国論に心酔していた。一人目の女は失敗したが「これは俺の一世一代の仕事だ。必ず上手くやってみせるよ!」。二人目の女はなんとお藤だった。しかし仕事を終えた後、口封じのため殺される。駆け付けた時次郎は伊佐吉に「俺の刺青、一本だけ残っちゃったよ」と話しかける。そんなこんなで時次郎と天平はお藤を救出。伊佐吉が残した一世一代の彫り物を確認するが、背中には何もない。おそらく体温が上がれば浮き出る「隠し彫り」。お藤を風呂に入れるが一向に浮き出てこない。一方、仇吉と藤兵エはお藤と日本地図をネタに長崎屋を強請るが、ハッタリが通用せず退散。時次郎は水を汲み上げた時、腕に一本だけ残った刺青が二本浮き上がっていることに気づき、お藤の背中を水で冷やす。一面に浮き出た日本地図を確認すると再度長崎屋を脅迫。今回はあっさり負けを認め、口止め料として千両出すことに応じる。しかし、約束の場所に持ってきた千両箱には石ころしか入っていなかった。長崎屋の手下を次々と仕留める時次郎と天平。そして時次郎の手で長崎屋は葬られる。絶命する長崎屋を見つめるお藤。お・わ・り
2020年03月22日
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コロナブームのおかげで刺身の盛り合わせが今ならなんと税込380円。必殺からくり人 第5話「粗大ゴミは闇夜にどうぞ」舞台はいきなり東京都・夢の島(ロケ地:京都の山奥のゴミ捨て場)。ゴミが捨てられる様子を見ている天平ととんぼ。「この調子じゃあ今に無くなっちまうなあ。東京湾」「江戸湾でしょ!」。100万都市の江戸はゴミだらけ。川やそこら辺に捨てていたが追いつかなくなり、元禄に入ってから奉行所指定の産廃業者が誕生。ひとつは港屋。もうひとつは半田屋。集めたゴミは江戸湾へポイ。それが埋立地の始まり。天平はその百万坪と呼ばれる埋立地に住んでいた。ある日、天平ととんぼは手首だけ突き出た死体を発見する。天平は通報しようとするとんぼを止めて死体を埋め直す。「俺たちは影の人間だ。調べられちゃ困るんだよ」。とんぼは天平に好意を抱いているが実は兄妹らしい・・・。その夜、天平は死体を掘り返す。身に着けていた上等な足袋から港屋の主人と突き止める。港屋のおかみ・多恵(チャータム)は主人の物と認めるが、出かけたばかりだと言って取り繕う。ある夜、時次郎は川を下りながら枕を売っていると、江戸城の堀に仏壇と位牌を捨てる連中を目撃する。南町奉行所の目付・北川は半田屋と港屋の多恵を呼び出し、堀に捨てられているゴミについて注意する。ゴミ業者は儲かるため指定を受けたい業者は後を絶たない。北川は半田屋と港屋を忖度していた。当番だった港屋は必死で掃除をやり直す。後日、多恵は密かに北川と会い、主人亡き後も引き続き取り計らいを願い出る。主人は殺されていた。一方、港屋の番頭は百万坪で亡き主人の墓を掘り返していた。天平は港屋を潰そうとする何者かに脅迫され続けていることを番頭から聞く。江戸にゴミ業者は二つのみ。港屋に取って代わろうとする連中の仕業だ。翌日、へろ松のミスで多恵の長男がかどわかされ、子どもの命がほしければ商売から手を引けとの脅迫状が届く。多恵は仇吉に子どもの救出を依頼する。いっそ商売を辞めてはどうかと言われるが、既に主人が殺されているため後には引けない。もし子どもが殺されたら報酬は無し。時次郎は賭場でお堀に仏壇を捨てた男を見つけるが、口封じの金を渡された上に消されそうになる。後日、藤兵エを従えわざわざ老人に扮して再度賭場へするがモロばれ。ただし、蔵の中に多恵の子どもが匿われていることを突き止める。やくざの裏にいるのは誰か?ゴミ業者の指定を出す北川と接している可能性が高い。案の定、上州を拠点とする超大物やくざ・大前田英五郎が北川に賄賂を渡しまくっていた。仇吉はそのことを多恵に報告。子どもの救出は今夜。多恵は北川に接触し、天平と時次郎はやくざと大乱闘、子どもを救出する。多恵は北川に抱かれながら大前田英五郎の存在を聞き出そうとするがしらを切られたため簪で刺す。北川は刺されながら多恵の首を絞める。後日、仇吉は大前田英五郎が泊っている宿に出向き、新規参入を取り止めるよう話をつける。その後、港屋は両親亡き後、長男が跡を継ぎ幕末まで栄えたと言われている。お・わ・り
2020年03月08日
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油中心生活。必殺からくり人 第4話「息子には花婿をどうぞ」おけいの赤ん坊が白昼堂々さらわれ旗本二千石の安斉邸へ逃げられる。安斉家は旗本の中でも五本の指に入るほどの権力者。探りを入れようとした夫は因縁をつけたかどで江戸所払いになる。おけいは江戸に残り安斉邸に通い詰める。確かに赤ん坊の泣き声が聞こえるが、五日前から突然聞こえなくなった。そこで仇吉に赤ん坊の取り戻しを依頼する。報酬は一両だけ。仇吉は身体を売って作った金は受け取られないと突き返すが、仕事の依頼は引き受ける。そこへ侍に追われた女が駆け込んでくる。よく見ると女ではなく夢三郎と名乗る男だった。夢三郎は陰間茶屋の男女郎。天平に一目ぼれ&モーレツアピール。そのやり取りを見ていたのが安斉利正(鬼堂誠之介)。安斉家絡みの仕事と聞いて時次郎が花乃屋に慌ただしく訪れる。二ヶ月前ひょんなことで枕を売ることになったが相手は「安斉・・・なんてったかなあ」。その屋敷で奥方の邦江に迫られる。邦江は二番目の妻だった。最初の妻は亡くなっている。子どもができなかったとの噂。邦江も恵まれなかったが先月男の子が生まれた。しかし「そんな腹具合には見えなかったなあ」。赤ん坊は安斉家の跡継ぎとしてさらわれた可能性が高い。その話を聞いておけいは安心するが、赤ん坊を取り戻すことに躊躇する。「二千石・・・そのほうがあの子はうれしいでしょうね」。その夜、花火がぎっしり詰まった天平の小屋に何者かが火をつけて大爆発。天平とへろ松は大やけどを負う。翌日、安斉邸で跡継ぎの息子の葬式が行われる。おけいの赤ん坊だ。おけいは墓を掘り返すが骨は入っていなかった。葬式は見せかけで赤ん坊は殺されたのかもしれない。邦江は利正の母・久に先妻は殺されたのではないかと尋ねる。一方、久は邦江が時次郎を連れ込んでいたことを知っていた。さらに跡継ぎを作らせるために家臣の村上新之助(北斗星司)を勧めるが邦江は断る。「あの人を嫁になされば良かったのです」「あの人とは?」「村上のことです」。久は否定しなかった。「男同士では子供はできぬ」。天平は夢三郎に惚れている男を探るため陰間茶屋へ。そこへ村上が現れる。天平の小屋に火をつけたのは村上だった。時次郎は邦江から赤ん坊を殺したことを聞き出す。見も知らぬ赤ん坊を押しつけた利正が憎かった。一度として女性として扱われなかったことも。時次郎は鈴虫の音のする枕を与えるが、久の命令を受けた村上によって殺される。そして三度目の妻を迎え入れようとする。その縁談の場に仇吉が現れ、ことの全てを暴露する。「この御曹司は女に興味のないお人です」。さらに天平が夢三郎を連れてくる。「お主ら何の恨みがあってこのような酷いことを!」「酷いのはあなたでしょ?」。時次郎と藤兵エは駆け付けた村上たちを次々と仕留める。利正は天平に惚れている夢三郎を刺すと自分の首を斬る。この期に及んで安斉家の行く末を心配する久に仇吉は「息子さんには花婿が一番似合ってたんですよ」と言い捨てる。利正と夢三郎は手を取り合って心中死体で隅田川を流れたという。後味の悪さに気が滅入る天平と時次郎。二人は「あの女はいい女だった」と言うがあの女とは?結局赤ん坊は骨さえ見つからなかった。しかし骨を流した場所が分かっただけでも満足だった。おけいは川面に向かって乳を与える。お・わ・り
2020年03月03日
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他人中心生活。必殺からくり人 第3話「賭けるなら女房をどうぞ」 舞台はいきなり競馬場。観戦中のおっさんたちの中に今回の主役・魚屋の伝次の姿も。馬券は全部外れ。真面目な魚屋だったがサイコロ博打にハマって、ついに女房まで賭けてしまった。「え-と結果ですか?」とカメラ目線で時次郎が解説したところで天保の時代へ。博打に負け、女房は女郎屋に売られ、自殺騒ぎを起こす始末。時次郎はせめて初めての客になってやれと金を貸す。しかし女郎屋でボコボコに。そこへ言い寄ってきたのが曇りのメンバー・麻吉。なぜか坊主に仕立てられる。ある夜、仇吉、とんぼ、藤兵エは料亭で何者かと密会している曇りを見かける。一人は備前屋、もう一人は分からない。とんぼは読唇術で備前屋に一万五千両の借金棒引きを頼んでいるところまで読み取るが、最後の一言が分からない。備前屋は米の買い占めを始める。のちに密会の一人が戸田藩の江戸家老・篠崎頼母だと分かる。しかも切腹覚悟で一枚噛んでいる。最後の一言は「一揆」では?百姓一揆が起これば米の値は上がる。伝次は曇りに利用されている。時次郎は天平と調査を開始。坊主になった伝次は飢饉で亡くなった人たちを供養するため旅に出ていた。とある村でやくざに扮した麻吉らが村の仏像に因縁を吹っ掛け大騒ぎ。そこへ伝次が現れ麻吉らに「仏様が怒って足を立たなくするぞ!」と一喝。麻吉らは足を押さえてのたうち回るが「二度とこんなことしませんか?」などと伝次に諭されると・・・「歩けたヨ~」と奇跡が起こる。村人たちは伝次を生き仏として祭り上げる。その後も八百長の連続に村人フィーバー。そこへ盲目の母親を連れた娘・キヨが伝次を訪ねる。麻吉はキヨの頼みを断るが、調子に乗った伝次は引き受ける。すると本当に奇跡が起こり、キヨの母親は視力を回復する。村人大フィーバー。伝次びっくり。時次郎もびっくり。その頃、仇吉たちは再び曇り、備前屋、篠崎頼母の密会を張り込み。とんぼは三人の会話から、一揆は明後日に二日間起こる、集めた米を捌くには二日必要、旗を振る男を消すので一揆は二日で治まる、と読み取る。伝次を消すつもりだ。一揆が二日で治まらなければ切腹だけでは済まない。戸田藩は備前屋に借金をしてた。そして数千人規模の一揆が起こる。麻吉らも伝次を止めることができない。戸田藩入りを前にして伝次は麻吉ら曇りの配下に襲われ、時次郎に助けられる。「時さん、俺こんな気持ちになったの生まれて初めてなんだよ。皆に拝まれて皆に慕われて・・・」「それはお前の幻だよ」「幻じゃねえよ!」。このまま城下に入れば何百人も殺される。元々は女房を身受けする金を稼ぐためだった。江戸に帰るよう説得されるが、高揚していた伝次は村人に時次郎を襲わせる。「江戸に帰ろう!」時次郎の説得はかき消される。翌朝、戸田藩は鉄砲隊を組んで待ち構えていた。伝次は一人で交渉に向かう。キヨもついて行こうとするが「私は生き仏なんかじゃないんだ。くだらねえ魚屋だ」「うそ?」「女房を女郎屋へ売ったばくち打ちだ!」と告白する。そして鉄砲隊の前に飛び出し交渉を持ちかけるが蜂の巣にされる。一方、篠崎頼母は借金の責任を全て負って切腹する。その後、仇吉は料亭での会話をネタに備前屋を脅迫する。伝次の報酬50両はまだ支払われていない。「それとあなたの儲けのために働いた下野の人がざっと三千人。丸三日潰したんですから一人につき三朱ずつの請負料、562両2分と伝次の50両!」。抵抗する備前屋に撥を突きつける。50両は時次郎を通じて伝次の女房に渡される。「あの人どこなんです?」「遠くさ。こんな銭作ったんだ。ずいぶん遠くへ旅しなくっちゃな」。お・わ・り
2020年03月02日
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お前中心生活。必殺からくり人 第2話「津軽じょんがらに涙をどうぞ」舞台はいきなり帝国劇場。山田五十鈴の控室。お芝居は藤本義一原作『津軽三味線ながれぶし』。レポーターに津軽三味線と盲人の旅芸人・瞽女についてレクチャー。瞽女はあと十年もすれば衰退してしまうのではないか。。。仇吉はある夜、自分の三味線にぴったり合わせて演奏する女を見かける。女は酒に酔った侍たちに斬りつけるが失敗。川に身を投げるが時次郎に花乃屋へ担ぎ込まれる。女は越後の瞽女だった。名はおゆう。あちこちで騙され江戸に出てくるまで7年もかかったという。なぜそこまでして江戸へ向かおうとしたのか?江戸中の花火職人たちが集まって腕前を披露する恒例の菩薩花火が近づいてきた。今年から天平も加わることになった。職人たちに打ち上げ料が渡される。「菩薩」と呼ばれるスポンサーが供養のために金を出しているとのことだが、出所がよくわからない。腑に落ちない天平は調べを開始、大蔵屋が「菩薩」の正体と突き止める。大蔵屋は将軍も金を借りに来ると噂されるほどの大金持ち。しかし誰もその素顔を知らない。おゆうは瞽女の母親と旅を続けていた。ある日、旅先の漁村で母親はみすぼらしい男・弥蔵(岡田英二)に抱かれていた。瞽女は門付だけでなく売春をすることもあったらしい。弥蔵は金を持っていなかった。貧しさに加え、瞽女に情けをかけられたことも耐えられなかった。弥蔵は江戸に出て何が何でも金持ちになりたいと言う。おゆうの母親は親切心で路銀を与えようとするが、大金を持っていることに気づかれ撲殺される。そしておゆうは目を潰されてしまう。その後、苦労して江戸にたどり着いたが何も得られなかった。母親の元へ向かおうと思った時、仇吉の津軽じょんがらが聴こえた。津軽じょんがらが響くところに必ず弥蔵がいると思っていた。おゆうは弥蔵の顔を覚えている。その頃、天平と時次郎は大蔵屋を探っていた。7年前、江戸に店を構えた時には既に大金持ち。色々な噂が絶えない。時次郎は大蔵屋から枕づくりを注文されていた。しかも越後の波の音がする枕。金はいくらでも出すとのこと。誰も見たことのない大蔵屋の顔を拝むチャンス。二人は枕を届けた際、隙を突いて大蔵屋の素顔を確認する。顔には酷いやけどの跡があった。口封じのため襲撃する追手を時次郎は枕作りのヘラで刺殺、天平は花火を飲み込ませて爆殺する。その後、藤兵エの調べで弥蔵は大金を元手に大店へ納まっては放火、店員皆殺し、大金ゲットを繰り返していた。顔には大やけどの跡が残っているという。弥蔵は大蔵屋だ。おゆうの杖には瞽女のお守り「妙音菩薩」と書かれていた。菩薩花火の所以だ。そして菩薩花火の日が来た。次々と打ち上げられる花火に手を合わせる弥蔵の前に三人の瞽女が現れる。仇吉、とんぼ、おゆうは津軽じょんがらを弾き始める。「やめろ!」。時次郎と藤兵エに羽交い絞めにされた弥蔵に向かって仇吉はおゆうに匕首を握らせる。「越後から・・・出てこねばいがった・・・越後から・・・出てこねばいがった」。絶命する弥蔵。菩薩花火は天保四年の夏で終わった。お・わ・り
2020年03月01日
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自分中心生活。必殺からくり人 第1話「鼠小僧に死化粧をどうぞ」ご存知必殺シリーズ第8弾。主題歌をなんと拓ボンが熱唱。出世したね~。「雨が降ったら傘をさす/つらい話は胸をさす/娘十八、紅をさす/魔がさす、棹さす、将棋さす/世間の人は指をさす/許せぬ悪に/とどめ刺す」(ナレーション:レギュラー全員)。からくり人は金をもらって困りごとを解決する。ただしミッション遂行のため必然性があれば殺しも行う。舞台はいきなり銀座の歩行者天国。誰かが来るのを待ち構えている緒形拳ではなく夢屋時次郎。「緒形拳さんですよね?誰を待っているんですか?」と突っ込むレポーターに「あたしゃ夢屋時次郎っていうんです。緒形拳なんて名前じゃありませんよ。あ、来た!」と指をさす方向に薄化粧をした市中引き回しの鼠小僧次郎吉(財津一郎)の姿があった。天保の江戸は人口130万。文化は爛熟。不眠症が「現代病」になっていた。時次郎の表稼業は安眠枕づくり。ある夜、お松という女が枕を購入する。そして別の夜、お近という女に不眠症の男を紹介される。「あれ?あんたどこかで会ったね」「いえ・・・」「やっぱり会ったよね?」。男の正体は鼠小僧次郎吉だった。二人は以前さる武家屋敷で鉢合わせしていた。時次郎はオランダ製の眠り薬を持ってくると約束する。「そんなの効くのかよ」「フラ~ンスという国のナ~ッポレオンという皇帝も飲んでた薬ですからね。効く効く」。一方、次郎吉は睡眠の代償に表に出れば世の中がひっくり返るほどの代物を預けると約束。しかし翌日、時次郎は裏の仕事を行う。元締は深川で骨董品屋を営む壺屋蘭兵衛(芦田伸介)。配下のからくり人は時次郎、仕掛の天平(千葉県知事)、八尺の藤兵エ(芦屋雁之助)、花乃屋とんぼ(はな)。吉原に売り飛ばされた女郎たち六人の依頼を受け、娘買いの連中をあっという間に始末する。その間に次郎吉は奉行所に捕まっていた。蘭兵衛は次郎吉の女房から仕事を依頼される。お松は次郎吉の女房だった。昨日の夕方、次郎吉は珍しく家に帰った。もう二度と顔を見ることはないかもしれない。お松は危ないことは止めてほしいと頼むが、次郎吉は何者か脅されていた。蘭兵衛と時次郎は仕事を引き受ける。お松は金を持っていないが「世の中がひっくり返るほどの代物」を次郎吉が持っている。早速、時次郎は小伝馬町牢屋敷に侵入。次郎吉は何者かに嵌められたと言う。「世の中がひっくり返るほどの代物」とは権力者たちの変態っぷりの数々を盗み見した下ネタメモだった。それを集めさせた人物が誰なのか分からないが奉行所を操るほどの力を持っている。さらに吃音の特徴があった。蘭兵衛は曇り(須賀不二男)と断定。曇りは同じからくり人でも貧乏人から金を受け取らない蘭兵衛たちを快く思っていない。時次郎と藤兵エは「死のう組」を通じて超貧乏人・与吉に10両で次郎吉の身代わりを依頼する。「死のう組」とは最下層の人々が自らの死を売るために作った組織のこと。蘭兵衛はお松に次郎吉救出の目処が立ったと報告、早々に江戸を発つよう助言する。そして次郎吉の市中引き回しと斬首が8月15日と決定。次郎吉は牢屋見回りに賄賂を渡して死化粧を用意させる。死化粧を施した与吉と入れ替わる作戦だ。その日、蘭兵衛は赤ん坊を背負った女、職人、商人風の男に土砂降りの白昼堂々刺殺される。ばか兄弟並みのばか店員・八寸のへろ松(間寛平)に「みんな・・・危ない」と言い残す。へろ松は花乃屋仇吉(山田五十鈴)ととんぼに蘭兵衛の死を報告する。「みんな危ないよ~!なんとかしてー」。仇吉は八丈島を抜け出した時のことをとんぼに語る。「あの時あんたはまだ四つだった。小さいけどあたしの腕を痛いほど握っていた。元締も一緒だった。時次郎さんも、藤兵エも、天平も、へろ松。小さな船にしがみついて。八丈島から七日七晩。三回も四回も死んだかという目に遭って浜に打ち上げられたんだよ」。その時、襲ってきた刺客を撥で仕留める。そんなこんなで次郎吉脱出成功。愛人のお近を訪ねる。厠に隠していた下ネタメモを探すが、そこに潜んでいたお近に刺される。「なんでお前エが・・・」咄嗟にお近を刺し殺す。「あんたをおかみさんのところへ帰したくなかった・・・」。次郎吉は下ネタメモの隠し場所を時次郎に教えると「天下ひっくり返すと良いや」と言って絶命するが、下ネタメモはペットの鼠に食い散らかされていた。次郎吉とお近の死体に雪のように降り注ぐ紙くず。その頃、旅の準備をしたお松は次郎吉を待ち続けていた。翌日、仇吉は時次郎、藤兵エ、天平を従えて曇りに二代目元締襲名を宣言する。「所帯は小そうございますが今後とも指図、手出しは一切無用。一突きには二突き、二突きには三突きでお返し致します」。曇りは意にも介さないが下ネタメモを仇吉が手にしていると聞いて顔色が変わる。「ふん、は、は、はしゃぎやがって」。そして与吉が入れ替わった鼠小僧次郎吉は市中引き回しとなる。カメラ目線で語る時次郎。「のちに千住回向院に鼠小僧の墓が造られましたが、あれは「死のう組」の与吉の骨。知っているのはあたしたちからくり人だけです」。こうして仇吉チームと曇りチームの抗争が始まった。お・わ・り
2020年02月28日
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