剣の試合に、損得はない
酒井讃岐守の命を受け、由紀姫が彦根にやって来た目的は・・・そのことを思い、将軍家上洛の日までは彦根にいようと決心をしたはずの新吾でしたが、翌朝新吾の姿はなく、置手紙がありました。今の自分は、将軍の子の煩わしさから逃れたい気持ちでいっぱい、愛馬とも別れ一人で行く、願わくばあとを追わないでほしい、とありました。
一人旅立った新吾。あとをつけている大賀陣蔵には気づかないのでした。
辻堂で雨を避けようとしたとき
、
辻堂の中から現れた白根弥次郎
に、新吾は驚きます。




弥次郎は、こんなところで日本一に会えるのは全くの奇遇だ、といい 近づいてきました
。が、新吾が相手にせず黙って その場を去ろうと
したとき、弥次郎が新吾に「 待て
」と言います。


弥次郎「また逃げるのか。俺のような名もない剣士では、損とみたか」
新吾 「剣の試合に、損得はない」
弥次郎「では、相手をするか」
新吾 「損得で手合わせするお人とは、立ち合いたくないのだ」
と言った新吾の高慢ちきな面の皮をひんむいてやる、といい 剣を抜きます
。
弥次郎「弱いものが負け、強いものが勝つ。俺の剣に理屈はない。強い者勝だ」
新吾もゆっくりと 剣を抜き身構えます
。


弥次郎が斬り込んでいきます。新吾も容赦はしません。
激しい雷鳴と凄まじい稲光のなか、 二人の壮絶な戦いが広げられます
。
新吾が弥次郎の剣をはじき返し、たじろぐ弥次郎に一刀をあびせようとしたとき、木の上から狙っていた大賀陣蔵の 手裏剣が新吾の腕に突き刺さります
。
手裏剣の飛んで来た方を見て、新吾は「大賀陣蔵と呟きます。









陣蔵に邪魔され、新吾が 弥次郎に斬りたてられ
て、足を滑らせ 崖下に落ちてしまいます。



「日本一の葵新吾を打倒した、俺が日本一だ」という弥次郎に、陣蔵が「俺のおかげでな」と姿を見せます。「俺が投げた手裏剣に気がつかなかったのか、俺がいなきゃお主の命はないところだ」と言った陣蔵に、それでは礼をいわなくちゃといい、弥次郎は刀を鞘におさめると見せて、陣蔵に斬りかかります。陣蔵が投げた手裏剣が弥次郎の目をめがけます。刺さったように見せた弥次郎に油断した陣蔵は逃げるところで斬られ崖の下に落ちました。
続きます
。
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