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2021年4月刊マカロン文庫著者:若菜モモさん「日本支社へ異動が決まったパリ在住のウブなOL・萌音。パリ最後の夜、ひょんなことで知り合った雪成とお酒を飲むことに。「忘れられない一夜を過ごさせてやる」ーー酔った萌音は本能のまま彼に抱かれ、初めてを捧げてしまい…!? 二度と会えないと思っていたが偶然に再会、雪成は御曹司で“帝王”と呼ばれる不動産CEOだったのだ。「俺のそばにいろ」ーー戸惑う萌音だったけど、甘く迫られて彼に惹かれていく。そんな矢先、萌音の妊娠が発覚! 身分の違いから身を引き、ひとりで産み育てようと決意するも、一途な独占欲を身体と心にたっぷり刻まれていき…。【極上の結婚シリーズ】第五弾!」↑楽天ブックスより、あらすじ文引用スターツ出版・ベリーズ文庫の姉妹レーベルで、電子販売オンリーのマカロン文庫です。amazonのkindleで購入して読了。マカロンもベリーズカフェで連載されてたものを纏めて書籍化するパターンが多いんですが、今回のこの作品は書下ろしになります。ピッコマでも公開されてるみたいですね。ここからネタバレと感想。中学生の時、父の海外転勤でフランスに渡ったヒロイン・伊藤萌音。その父が東京の本社勤務となり両親は帰国したが、萌音は大学生になっていたのでそのままフランスに残り、外資系企業に就職。順調にキャリアを積んでいました。が、父に胃がんが見つかり手術でも取り切れず化学療法に切り替えると聞き、今までしてこなかった親孝行のつもりで日本への帰国を決意。幸い東京支社への転属希望も受理された。そして、フランス最後の記念としてバレエ公演を観に来た萌音。そこで座席ミスでもあったのか席につけず困っていた老夫婦の事情を聞くと、萌音ののチケットと重複販売されていたらしい。劇場側のミスにも関わらず、いかにも彼女に席を変われと圧をかけてくる支配人の視線に萌音は席を譲ります。そんな彼女を見ていたある男性が萌音を自分が年間リザーブしているVIP席へ招待してくれました。男性は不破雪成と名乗り、公演後バーに誘われ聞き上手な彼に萌音はあれこれ自分の事情を話します。アルコールが入っていたせいもあったけど、たった数時間で雪成に惹かれてしまった萌音は彼と一晩を供にしてしまいます。翌朝、荷物を引き取りに業者が来るため、まだ寝ている雪成に置手紙を残し一度アパルトマンに戻り荷物を送る手配を済ませ、ホテルへ戻ると彼はもうチェックアウトした後でした。雪成の名前しか知らないが、すぐにスイートルームが取れたり劇場のVIP席を年間リザーブするくらいだから相当の資産家だろう。調べれば見つかるかもしれないが萌音はそれをせず、フランスから旅立ちました。帰国して二か月ほど経ち、可愛い後輩も出来て仕事も順調。お喋りな後輩のもっぱらの話題は自社ビルのすぐ近くに建設された複合ビルのオーナーがまだ30そこそこのイケメンらしいということ。近々、落成式があるため噂のオーナーが来るらしいとはしゃぐ後輩に、今日はこの後人間ドックがあるのだから遅れないようにねと釘を刺す萌音。しかし、検査の後に何故か医師から呼び出された萌音は妊娠を告げられます。相手は雪成しか該当者がおらず、萌音は途方に暮れましたが何故か産むと言う選択肢しかありませんでした。1人で育てようと決心していたその時、自社ビルへの道すがらばったり雪成と再会。あろうことか件のビルのオーナーが雪成でつい先ほど着いたのだと言う。彼は萌音に話があると落成式後のパーテイーに来るよう招待状を渡すと立ち去ります。偶然にも程がある再会ですけどページ数の兼ね合いもあるからかさくさく展開していきます。果たして再会した二人。雪成はあの日消えた萌音に対して少し怒っていましたが、萌音が引っ越し荷物の引き渡しがあったので遅れるわけにはいかず、一旦自宅に戻りその後ホテルに戻ったのだと言うと機嫌を直し、交際を申し込まれます。萌音としては嬉しい申し出でしたが、世界的に有名な不動産会社のCEOだという彼に自分は身分違い過ぎると渋っていると、突然目が回り萌音は倒れ腹部の痛みを訴え気を失いました。救急搬送された結果、切迫流産で2週間絶対安静を言い渡され、挙句付き添いで来た雪成に妊娠がバレてしまった。迷惑かけずに一人で育てるから産ませてほしいと懇願する萌音。だが、雪成は自分の子を何故彼女一人に育てさせなきゃいけないんだと、交際をすっ飛ばして結婚を申し込み、結果根負けした萌音はプロポーズを受け入れます。忙しい中毎日見舞いに来る雪成。赤ちゃんのエコー写真を二人で眺め、萌音は思ってもみなかった幸福に酔いしれますが、そんな彼女をよく思わない雪成の第二秘書が退院の準備をしていた萌音に自分こそ彼の本命なのにと罵しり病室は一触即発。一瞬雪成に疑いを抱くも、タイミング良く現れた本人によりきっぱり否定され事なきを得ます。どうやら、以前から彼に媚びを売ってきた女で相手にせず放っておいたら、雪成の結婚を知り強硬手段に出たらしい。萌音の気分を害した罰として元第二秘書は地方支社に飛ばされたのでした。それにしても、雪成さんいつもタイミング良すぎぃ(笑)退院後、雪成から実は萌音と子供の頃に会ったことがあること、彼にとっての初恋の相手が萌音であり、バレエ公演の時、顔を見てすぐに気付いたから声を掛けたのだと告げられ改めてプロポーズされます。その後、両家の親とも挨拶を済ませ二人は籍を入れました。化学療法中だった父は、雪成の口利きで腕のいい外科医に手術をしてもらえることになり手術は無事成功した。妊娠五か月を迎えた頃、萌音は会社を辞め、数か月後長男を出産。飛行機に乗れるほど育った息子とそのベビーシッターを伴い、思い出の地・フランスへプライベートジェットで新婚旅行に向かった二人はあの日の再現をするのでした。で、了。総ページ数128ページということもあり、出て来た自称恋敵も数ページであっさり消えるし、物事万事うまくいくお話でしたが、とにかくテンポよく進むのでストレスもゼロ。さすがは「極上の結婚シリーズ」、雪成がスパダリ過ぎて萌音もドエライ男捕まえたなって感じ。プライベートジェット持ってる上に、遠方に移動の際はもっぱらヘリの人だもんね。交際期間がほぼ無い感じだったので、それでいいのかとも思ったけど、雪成の初恋話で一応覆ったのかな、それなりに遊んでそうなのに案外一途な人だったんだな。評価:★★★★この作家さんはページ数短めでもやはり安定の面白さ。これぞ玉の輿、なお話でした。
2022.01.31
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2018年11月刊ロイヤルキス文庫著者:森田りょうさん「田舎町のお菓子屋で育ったクリスティーナは、ある日シエヌ国の王女であることが告げられる。質素な生活から一変、ゴージャスな王宮で過ごす中、そっくりな双子の姉の身代わりに正体を隠して政略結婚することに。相手は密かに思い続けていたベンバードン国のアレン王子だった!?初心な反応を気に入られ、「早く俺のものにしたい」と激しく楔を穿たれて快感に溺れるうち、本当の名を告げられないことが苦しくなる。その様子からアレンに隠し事を勘付かれてしまい…!?純愛ウエディングラブ。」↑楽天ブックスより、あらすじ文引用4年近く前の発売ですね。先日、kinndle unlimitedの読み放題作を漁ってて見つけた作品ですが何か表紙に見覚えがあり、あれこの文庫うちに無かったっけ?と積読の山を探したら、ありましたよやっぱり。しかも購入特典のペーパー付で(^_^;)多分、身代わり花嫁ものにハマってた時期に買っておいてそのまま忘れて本棚にってパターンだな。そんなわけで文庫の方で読了。しかし、これは何とも内容が薄い・・・。話の大筋としては王道だし悪くはないんですが、官能小説読んでるのかと思う程ラブシーンが多くて、多分ページの6割くらいに該当してたから読んでて唖然。これはこの作家さんの作風なんでしょうか。取り敢えず、ここからネタバレと感想。18年前、シエヌ国に双子の王女が誕生。だが昔から双子は凶兆の証とされており、出産に立ち会った巫女が国王夫妻を騙し、妹姫の方を王宮から連れ出すと金で雇った男にこの国以外のどこかへ捨ててくるよう依頼します。男は隣国ペンバードン国の下町スアラのとある菓子店傍に姫を置くと、せめてもの情けとして国王夫妻が名付けた「クリスティーナ」と肌着に書き付けその場を去りました。時は流れて、子宝に恵まれなかった菓子店夫婦が店の傍に捨てられていた赤ん坊を引き取り、クリスティーナは美しく明るい働き者に育ち、町の住民達にも可愛がられていました。ある時、彼女は幼馴染で騎士見習いのジェロームからこの国の王子・アレンの良くない噂を聞き、嫌な気分になります。冷酷で性格が悪く女癖も悪いなどとそんなはずはない、クリスティーナがそう言い切るには理由がありました。10年前湖で遊んでいる時に不注意で溺れかけ、そこを助けてくれたのがアレンで、その時交わした会話ではアレンは王族としての誇りを持った優しい人だった。今思えばあれが初恋だったなとも思うけれど、相手が王子では叶うはずもない恋、もしもなどあり得ないはずでしたが、ある日店にシエヌ国の騎士が現れ、クリスティーナの顔を見るなり泣き出し、あなた様をお迎えに来たのですと告げます。騎士は事情を話し、自分が18年前産まれてすぐ攫われたシエヌの第二王女で、長年国を挙げて捜索されていたと言うのはわかったが、両親の実の子でないことにショックを受けるクリスティーナは、状況を察してこのような日が来ることを覚悟していたという母・ダリルに送り出されスアラを旅立ちます。シエヌ王国では実の両親の国王夫妻と双子の姉・ブリジットが自分の到着を待ちかねており、18年ぶりの再会を喜び、クリスティーナの王宮での生活が始まりました。数か月後、浮かない顔の姉を不審に思い事情を尋ねると、ペンバードン王国のアレン王子との政略結婚の話が来たのだが、姉には恋人がおりどうしても嫁ぎたくないのだと言う。相手がアレンと知り、クリスティーナはそっくりな自分がブリジットとして嫁げばいいと提案し・・・。この政略結婚、実はペンパードンの国王が息子の良くない噂を払拭するために考え付いたもので、シエヌの王女ならどっちでもいいんですよ。ブリジットには将来を誓った恋人がいるので双子の妹のクリスティーナを嫁がせますと言えば済んだ話だったのに、やらなくていい入れ替わりなんてことしちゃうから後々面倒になると言う。そして当のアレンには忘れられない少女がいました。湖で助けたあの娘は元気だろうか、と。顔合わせの席でアレンは目の前に現れた王女を見て驚きます。あの娘に似ている王女を一目で気に入り暴走モードへ突入した彼は、出会った初日でディープキスをかまし、ペンパードンに慣れるためにと王宮へ連れて帰ると即関係を迫って来て深い仲になったら、そこからもうラブシーンの連続。王子どんだけ盛ってんの(苦笑)途中、クリスティーナに請われ婚前旅行にかこつけてスアラに連れて行き、母とつかの間の再会を果たしたり、結局入れ替わりがバレてあちこちに説明と謝罪に回ってたりしますが、驚くことにここでもう終盤ですからね。アレンの根も葉もない噂を流して王家の信頼を失墜させようと企んでたのがペンバードンの宰相なんですけど、この人も王位継承権でもあるのかと思ったらそんなこともなく、どうやって自分が国を掌握するつもりだったのか、さっぱり。最後は部下に命じてクリスティーナを浚い辱めようとした所をキレたアレンに叩きのめされ国外追放になった、特に印象もない悪役でした。出て来たのも最後の方だったし。やたらと子供が子供がと終盤の方のラブシーンで言ってたから予想の付くラストでしたが、結婚式シーンから数年後、男女の双子と第三子を妊娠中のクリスティーナとアレンの幸せそうな家族の一コマで了。特典ペーパーは第三子のサラも二歳になり、四人目を作ろうという夫婦のお話でした。なんて言うか、将来的に子沢山な国王一家になりそう。かなりのご都合展開ではありますが、何も考えずに読むには良いのでしょうかね。あと、生粋の王女さま育ちのブリジットは一人称「私」なのに、下町の菓子屋育ちのクリスティーナの一人称が「わたくし」って。育ての親がクリスティーナの肌着の上等さから貴族の娘に違いないと思ってたらしいから、「わたくし」と言わせてたんだろうか。評価:★★★ストーリーとしては星2つ半ってとこですが、イラストは美麗だったので星3つで
2022.01.30
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2020年5月刊ベリーズ文庫著者:田崎くるみさん「大手家電メーカーで働くさくらは、実家のお店の常連である誠司に密かに憧れていた。店先で他愛ない会話ができる日々に幸せを感じていたさくら。しかし、二人の距離が縮まってきた矢先、彼はさくらの勤め先の副社長・村瀬誠司であることが発覚。身分の違いを憂い身を引こうとするが、誠司の溺愛は止まらず二人の関係は加速する。そんな中、誠司の長期海外出張中に、さくらの妊娠が発覚し…。」↑公式サイトより、あらすじ文引用約2年前の作品ですが、購入したのは去年の11月くらいだったかと。地元の書店さんが結構ベリーズ文庫の既刊を揃えててくれてて、以前電子で読んで面白かった作家さんだったので手に取りました。何でもベリーズカフェ総合ランキング1位を取ったお話だそうです。サイト掲載時のタイトルは「ごめん、どうしようもないほどキミが好きなんだ」個人的「タイトル、原題の方が良くない?」シリーズ2作目(笑)まあ、タイトル詐欺って程でもないんですが、TL小説って作中何回か致してるせいか、ヒロインの妊娠・出産ENDが普通に多いんですけど、このレーベルさんは中盤で妊娠が発覚する展開だと大抵あらすじとタイトルとにぶっ込んでくるんで、多分一定数の需要があるんだろうな。ここからネタバレと感想。ヒロイン・猪狩さくらは大手家電メーカーの社員食堂で管理栄養士として勤めている傍ら、終業後は両親が営む弁当屋を手伝っています。そんなさくらには気になっている男性がいました。仕事終わりがギリギリなのか、いつも閉店間際に急いでやってくる村瀬誠司。手作り弁当の味を気に入り、常連になってくれた彼のために、この時間には先ず残らない日替わり弁当をわざわざ取り置き、彼が来るのを心待ちするように。両親も娘の気持ちに気付いたのか、さりげなく村瀬に売り込むので焦るさくらでしたが、彼もまんざらではない様子で、ついに休日出掛けないかと誘われます。長期出張があるから仕事が落ち着いたら改めて誘うという村瀬に嬉しい気持ちは山々だったけど、何故か複雑な心境になるのは村瀬が自分が勤める会社の会長の孫で副社長だと知ってしまったから。村瀬に好意を持ったのは勿論彼の正体を知る前でしたが、それ以前にデートの誘いは単に社交辞令ではないのかと悶々とするさくら。両親は村瀬さんはそんな人じゃないと思うとは言ってくれたけど・・・。村瀬が二か月ほどの海外出張に旅立ってから2週間ほどたった頃、栃木で食堂を営む祖父がガンを患い、手術後は療養するそうで、これを機に両親は弁当屋を畳み祖父の世話をしながら食堂の跡を継ぐことにしたと娘に告げます。成人して会社勤めのさくらは無論東京に残り独り暮らしとなるけれど、それより連絡先も交換していないのに店が無くなったら村瀬との連絡方法が無い。人事部に尋ねようかとも思ったが一介の社員に副社長の連絡先など教えてくれるはずもなく。幼馴染にも相談してどうしようと考えてるうちに時が過ぎ、村瀬が帰国する一週間前に昔なじみの商店街の面々と常連客に惜しまれつつ両親の弁当屋は店を閉めた。帰国した村瀬は嬉々としてさくらの店に向かったものの、閉店のお知らせを見て茫然。村瀬もさくらに好意を抱いており、所謂理想の女性で帰国したら結婚を前提とした交際を申し込むつもりでした。こんなことならあの時先に連絡先を聞いておけば、と激しく後悔していると、秘書の山浦が副社長が仕事に打ち込めるようにと、さくら探しを引き受けてくれます。結果、山浦の聞き込みの際、気のいい商店街の連中によりさくらの所在と事情はすぐに知れ、両親が祖父母の食堂を継ぐため田舎に帰ったこと、さくらは現在商店街近くのアパートで独り暮らしの上、驚くことに彼女は自社社員だと報告。同じビルの社員食堂にいると分かり飛び出していこうとする村瀬を抑え、昼食の席を設けるから二人で話せと山浦に言われ、漸く再会を果たします。そこでお互いのことを話し、さくらが自分が社員だと知ったら村瀬の態度が変わってしまうのが怖かったのだと胸の内を明かすとそれは杞憂だと分かり、後日約束通りデートすると案外子供好きだったり意外な村瀬の一面を知って益々彼に惹かれていくさくら。帰り道で村瀬から告白され二人の交際がスタートします。お付き合いは順調で、村瀬は栃木まで出向き改めてさくらの両親に彼女との結婚の許しを請います。人柄には好感を持たれていても、娘が勤める大手家電メーカーの副社長だったと知り両親は驚き、将来は社長を継ぐ村瀬との婚約に案の定両親は難色を示しました。が、二人の意志が固いことと村瀬がさくらを守ると誓ったことで承諾します。さくらも村瀬の両親と会い、こちらからも認められ晴れて二人は婚約者となったのだけど、それを快く思わない者たちもいました。村瀬の叔父で専務を務める勝次と幼馴染で社長令嬢の早乙女彩芽です。彩芽は秘書課に勤めており、二人の交際を知るとさくらに対して地味な嫌がらせを仕掛けてきます。これがねぇ、結構ムカつくやり方なんですよ。まあ苦労知らずのお嬢さんだからこその方法なんですが、さくらは元より食堂のおばちゃんたちの怒りを買って言い合いに発展、騒ぎを聞きつけた山浦に彩芽が叱責されて事なきを得るも、彩芽はまだ何やら企んでるようでさくらを敵視し続けます。さくらは村瀬には黙っていてくれと山浦に騒動の口止めをしますが、村瀬がまた海外出張に出かけていたある日、さくらの妊娠が発覚。診察を受け母子手帳の交付をしに役所に出掛けた際に運悪く彩芽に遭遇して妊娠がバレた挙句罵られたさくら。不味いことになったと思いつつ、それより彩芽に言われたようにまだ婚約中なのに先に妊娠したことで村瀬に迷惑をかけないかの方が心配になるのでした。加えて専務からも身分違いの結婚だとネチネチ言われる始末。正直、好きな人に婚約者が出来てその人が妊娠までしてたら、嫌がらせや罵られた程度で別れるわきゃないだろうと思うし、さくらを責めるのもお門違い。でも、彩芽も何か意趣返ししないと気が収まらないとこまで来てるんだろうな。専務については、うっせーわこのおっさんって感じ。さくらの不安を他所に帰国した村瀬に妊娠を報告すると彼は大喜び。だと思った。二人で話し合い、さくらの意向で働けるギリギリまで栄養士として勤め、その後退職すると決めた。そんなある日、彩芽が食堂で妊婦が作った食事なんて悪阻で吐いてたら不衛生だしこんなの食べさせる気か(意訳)と、世の妊婦さんに喧嘩売るようなセリフで騒ぎを起こし、社員たちも釣られてざわめき出した頃、山浦から報告を受け飛んできた村瀬が現れ彩芽を諫めます。追い詰められた彩芽の自分への気持ちを知った彼は妹みたいな存在で今更恋愛対象として見られないと詫びます。そして、その場にいる全員の前でさくらと婚約しており入籍も近いこと、彼女が自分の子を妊娠していることを告げ頭を下げるとその真摯な態度に一転して周りは祝福ムード。かくて二人の関係は全社員が知ることとなりました。ここまで行っても専務はさくらとの結婚に異を唱えていましたが、実は彩芽の父の会社との繋がりを持ちたかったのと、自社製品の情報漏洩もしていたらしい。だが、村瀬とその父である社長にその不正がバレて地方支社に飛ばされたことで、二人の結婚に絡む一連の騒動も幕を閉じます。大体親が認めてんのに横から叔父が甥の結婚に何度も口出してれば不振に思われて当然よな。数年後、子供が歩けるようになってから式を挙げた二人。彩芽からの詫びと祝いの言葉が綴られた短い手紙を読み涙するさくら。あの子も根は悪い子じゃなかったのは良かった。更に数年後、第二子を妊娠中のさくらと賑やかな村瀬家の一コマで了。あらすじに身を引こうとするという一文がありますが、そこまで大事にはなっていません。叔父が小悪党だったくらいで、妊婦さん達への偏見と暴言は許せませんが、その他の彩芽の嫌がらせも可愛いもんです。食堂のおばちゃんにやり込められてるくらいだし、上司の叱責も受けたからな。それに大勢の前で想い人にフラれたのが相当の罰だったと思います。このレーベルさんにしては厚めの本ですけど、読みやすい文面でさくさく展開も進みます。あと、村瀬が良い男なんですよ~。さくらが羨ましい。評価:★★★★★さすがは総合ランキング1位作品、割と日常的なお話なんですけどその分共感もできるので話に入り込みやすく、何より面白い。商店街の面々やヒロインの幼馴染二人もいいキャラしてた。現代TLものとしては一番のおススメかも。
2022.01.29
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ネタバレ感想が続いたのでたまにはこういう息抜き記事も上げてこうと思います。書店で面陳や平積みになってる既刊本も多く買ってるので、余計に積読が増えちゃうんですよね。でも手元に未読本が無いと不安になると言うか(^_^;)あと、買い忘れてた本を見つけたり。発売日が前過ぎて新品で買えないものは時々ブックオフやamazonのマケプラとかも利用してます。因みにタイトルは最近と銘打ってますが先月辺りからつい最近の購入作品となっております。画像リンクだけだとタイトルが読み難いものもあるので今回は楽天のテキストリンクで貼ってます。死神の初恋 犠牲の花嫁は愛を招く [ 朝比奈 希夜 ]楽天で購入表紙イラストとあらすじ買い(苦笑)未読です。去年の1月刊みたいですね。隣に続刊も置いてあったので、ツボったら買うと思います。ってか多分買う。昨日スターツ出版文庫の新刊見に行ったら、そっちじゃなくて面陳になってたこちらを手に取ってましたこういう出会いが本当に多い。異世界に救世主として喚ばれましたが、アラサーには無理なので、ひっそりブックカフェ始めました。 3/和泉杏花【1000円以上送料無料】楽天で購入発売日(去年末)に購入。読了してます。シリーズ3巻目で完結刊。コミカライズ版も揃えるかメッチャ迷う。鬼の花嫁 5[本/雑誌] (スターツ出版文庫) / クレハ/著楽天で購入こちらも発売日(去年末)に購入。読了してます。シリーズ5巻目で完結刊。こちらもコミカライズされて連載中ですがコミックスが出たら買っちゃいそうなくらい好きなお話囚われ令嬢でしたが一途な王子様の最愛花嫁になりました (ヴァニラ文庫 ヴァニラ文庫 VBL281) [ 小出みき ]楽天で購入去年の11月刊ですが、買い逃してしまい書店で見つけられず先日amazonで購入。未読です。これもあらすじ買いです。不遇と言うか陰謀に巻き込まれるヒロインのお話らしい。読み終わったら感想上げます。冷徹軍人皇帝の一途な純愛 みそっかす姫はとろとろに甘やかされてます (蜜猫文庫 ML-093) [ すずね 凜 ]楽天で購入去年の10月刊ですが、出てるの知らなくて去年末購入。まだ店頭にあって良かった。まだ読んでる途中。作家さん買いですがヒロインが可愛い。それにしてもこのレーベルさんいつの間にこんな価格に?文庫で¥880てΣ(゚Д゚)ああ、でも3年くらい前からもう\700以上はしてたっけ。節約とか言いながら本に関してはあんまり値段確認しないからなぁ。←本好きあるある(?)皇帝陛下の溺愛花嫁 結婚三日前に前世の記憶が蘇ったので全力で旦那様をお守りします (蜜猫文庫 ML-092) [ 御厨 翠 ]楽天で購入すずねさんと同時発売の作品です。イラストのCielさんに惹かれピッコマで無料公開されてる分だけ読み、面白かったので購入。ので、序盤までしか読んでません。これも書店にあって探さず済んだ。コメディかと思いきや結構シリアス展開っぽいですね。冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~ (ベリーズ文庫) [ 吉澤紗矢 ]楽天で購入去年の4月刊です。ベリーズカフェで連載を読んでたので、本編は読了してます。書下ろし短編2編が読みたくて購入。これは金欠時期と重なり買い逃してて、そのうちamazonででも注文するかなぁと思ってたら、フェアでもあったのか先日書店で面陳されてたのを見つけて即買い。ラッキーでした。聖女の魔力は万能です 7 (フロース コミック) [ 藤小豆 ]楽天で購入一応漫画も。去年の12月刊です。コミックウォーカーの連載を読んでるので読了してます。発売日に購入。原作のノベルス8巻が3月に発売らしく楽しみでしょうがない( *´艸`)ホーク様の中の人目当てで見始めたアニメでハマって、当時出てたノベルス&コミックス全巻を大人買いした作品。一気に1万4千円近く飛んでったっけ(遠い目)悪女は砂時計をひっくり返す 1 (フロース コミック)楽天で購入リンク先の価格が5割増しくらいになってますが、初版切れかな。これもコミックスです。所謂韓国マンガ。聖女7と~同時期くらいの発売日だったのか同じ日に買った記憶。ピッコマで連載読んでて大好きな作品です。やっと1巻が出た。オールカラーなためお値段は¥1000弱しますが買って損なし。美少女がやり直し人生で逆襲するお話。同じレーベルの「公爵夫人の50のお茶レシピ」を揃えるか考え中。お値段的にまだ2巻なうちに買った方が傷は浅い気がする。年末に楽しみにしてたシリーズものが立て続けに完結してしまってしょんぼりですが、あんまりダラダラと続けられてもなとも思う二律背反。結構自由が利く仕事なので、時間を作ろうと思えば出来るんでしょうけど、如何せん時間配分が下手糞で、ゲームでイベントが始まっちゃうとそっちに気を取られて読書が進まないこともままあります。そういえば、今月上旬発売のベリーズ文庫、買おうと思ってたタイトルがあったような。結局忘れたままになって後で探すと言うパターン多し。そんなわけで、今回のブログはここまで。また何か買ったら備忘録記事上げます。
2022.01.28
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2020年12月刊くるみ舎・こはく文庫著者:永久めぐるさん「花嫁修行の一環として王宮で侍女をしているフェルダは、最近婚約者から一方的に婚約破棄されたばかり。伯爵家の娘ではあるものの、もともと掃除が大好きで行動的な性格のフェルダは「もうこの際、侍女として生涯独身で過ごすのも良いかもしれない」などと考えながら王宮での侍女生活を楽しんでいた。ある日、フェルダは王宮北棟の掃除をしていた。そこは第三王子レイナードの管轄で、立入禁止の書斎では悪魔の召喚術や死霊を呼び出すための降霊術が研究されていると噂されていた。いつも通り熱心に掃除をしていると、本が落ちるような物音が聞こえてきた。音のするほうへ行くと、どうやら立ち入り禁止の書斎のようだ。思い切って扉を開けると、そこには埃にまみれたレイナード……と、汚れ放題、ひどい有様の室内! お掃除好きの血が騒いでしまったフェルダは、黒い噂などすっかり忘れ書斎の掃除を買って出てしまい……。」↑楽天ブックスより、あらすじ文引用例の如く読み放題で読了。電子書籍が続いてますが、紙媒体も購入してるんですけど中々読む時間が取れず、ページ数の少ない電子に行きがちになってます。ここからネタバレと感想。ヒロインのフェルダは花嫁修業の一環で王宮で侍女勤めをしているトロイシルト子爵の長女。ある日フェルダは婚約者のロルトに呼び出され、運命の人に出会ってしまったので婚約を解消してくれと頼まれます。お相手は美人で有名な伯爵令嬢・エデラか、と、自分に酔って尤もらしい解消の理由を並べ立てているロルトに淡々と了承の旨を告げるとさっさとその場を後にしたフェルダは焦っていました。早々に実家の父に連絡して連携を取らねば嘘八百並べ立てられて自分が原因の破談にされてしまう。飽く迄ロルト側の事情でこちらに何の非も無いことを念押ししないと、破談された女性は次の縁談が決まり難いため即行動に移します。が、親同士が決めた婚約とは言え、ロルトは不誠実すぎる婚約者でフェルダにご機嫌窺いすることさえ稀だった。噂によれば繁華街で遊び歩いてるらしく何度も目撃情報が上がり、周りから注意を促されることも一度や二度ではなく、その度に腐っても婚約者だからと庇ってやっていた自分がアホらしく思え何とも情けなかった。しかも相手はあのエデラとは。エデラは確かに美人だけど、それ故に非常にモテる。多数の男性と浮名を流してるとも聞くがトラブルだけは起こさないと言うことはエデラは相当狡猾だと言うこと、ロルトもその遊び相手の一人だろうに。案外ショックだったのか暫くはこの婚約解消の場面を何度も夢に見るフェルダでした。無類の掃除好きのフェルダはある時第三王子・レイナードの住む北の棟の掃除を任されます。レイナード王子は人嫌いで、必要最低限の公式行事にしか顔を出さず、ほぼ自分の書斎に籠って歴史の研究に精を出す変わり者という噂があり、同室の同僚・グレータには心底心配されましたが、毎晩のように夢見が悪く掃除で憂さを晴らしたいこともあり、掃除し甲斐のありそうな北の棟はうってつけの場でした。レイナードは気難しいとも聞いているので気分を害さないようにだけ気を付けようと掃除を始めて暫く経ち、書斎から物凄い音がしたので飛んでいくと、積んであったらしい大量の本の山が雪崩を起こしたようだった。幸い難を逃れたレイナードから片付けの手伝いを頼まれ、テキパキ熟していくと、レイナードはホコリも溜まるし本をすぐ散らかしてしまうので二、三日に一度書斎の掃除をフェルダに専属で頼みたいこと、あと片付けのコツを教えてもらいたいと言われ、以降部屋を片付けながら二人の交流が始まります。掃除好きのヒロインですが、雑巾で拭き掃除するような作業は侍女ではなくメイドの仕事な気がするんですけど、まあそこはきっと突っ込んじゃいけないとこですね。あと、あらすじでフェルダは伯爵令嬢になっていますが本文では子爵令嬢です。書斎の専属掃除係となって約一か月。レイナードの為人も見えてきます。彼は決して人嫌いでも変わり者でもなく、物腰柔らかく気遣いの人でした。そして、書斎には随分と人の出入りが激しく何やら部下達から様々な報告を受けているらしいから、北の棟に幽霊が出ると言う話も単に部下の一人を見間違えでもしたのだろう。そんな日々が続いたある日、命令の名目でティータイムに突き合わされ、レイナードに個人的なことを色々尋ねられて面食らうフェルダ。父のぎっくり腰のことまで知っているのを不審に思っていると、一応念のため身上調査をされていたらしい。こういう調査も仕事の一つなんだと悪びれず、実家に帰る時は自分も付いていくとまで言い出すレイナードに驚くとトロイシルト領には歴史ある砦跡があり観に行きたいのだ、との答えに、フェルダは何故か残念に思うのでした。フェルダは自分でも気付かないうちに色々な面を見せるレイナードに惹かれていました。そしてレイナードも腹心のギードにフェルダと仲良くなる方法を尋ね、先ずはお互いを知れとアドバイスされお茶に誘ったのです。今まで浮いた噂の一つも無かったレイナードが漸く女性に興味を持ったとギードは心中で咽び泣く程喜んだものの、上手くいかなかったらこの人は一生独身かもしれない、そうならないよう二人の恋を応援しようと心に誓っていました。二人の付かず離れずな関係が暫く続いた頃、フェルダは元婚約者のロルトがエデラに手酷くフラれている場面に遭遇します。気まずい雰囲気の中何も見なかったことにすると答えた彼女にロルトは感激し、以降フェルダに毎日花を贈り付き纏うように。その様子にグレータも心配し、いっそレイナードに相談してはと忠告されたけど、何となく元婚約者のことだけに言い難い心境でしたが、あっさり悩みはレイナードに見破られ、ロルトの現状を調査したらしく教えてくれました。どうやらロルトはエデラに相当貢いだらしく自分の資産を食いつぶし借金塗れ、ついには親であるアルヴァール伯爵にも見限られて二進も三進もいかないらしい。そこで目を付けたのが元婚約者のフェルダ。トロイシルトは子爵とは言え代々堅実にやってきたため並みの上位貴族より裕福でした。フェルダに取り入り、あわよくば金を引き出そうと考えているのは明白。さすがにあの婚約解消で激怒してた父が金を出すとも思えないし、何より拠りを戻すつもりもない。考えあぐねているとレイナードがフェルダの身を守るため監禁するととんでもないことを言いだします。実際相当追い詰められているだろうロルトが強硬手段に出るのは時間の問題。確かに王子に匿って貰うのが一番だけど、どうしてそこまでしてくれるのかと尋ねれば「君が好きだから」と答えるレイナード。まさか相思相愛だったのは嬉しいが、破談された女という現実が負い目となり戸惑っていると、レイナードは「結婚しよう」と色々すっ飛ばして来る始末。結果、二人は非公式ながら婚約します。ロルト、やっぱり騙されてたか。エデラは狡猾だとフェルダのモノローグにもあったことだし、やはり一枚上手だったようで、おそらくこんな被害者が沢山いるんだろうな。そして婚約と相成った二人ですが、正直、レイナードがフェルダに惚れたツボがよく分からくて。割と序盤にギードに相談してたのを見るに、掃除と整理整頓の腕前かしら。まあ単純に外見も好みだったのかもしれませんが。結局押し切られて北の棟の一室に監禁されることになったフェルダ。世話係にグレータが着いてくれて思ったよりも快適な生活でしたが、それも部屋の中だけの話。ドアの前には護衛の騎士が二人、交代で二十四時間張り付いている厳重な警備。これならロルトも迂闊に近付けないはずでした、が、食事のワゴンを受け取りに行ったグレータが人質に取られ、フェルダに着いてくるよう命じるロルト。もうどうにもならなくなり、フェルダを連れてトロイシルト領で匿ってもらう腹積もりらしく、短剣で脅しながらフェルダを連れ出そうとしますが、報告を受けてやってきたレイナードが当然のようにキレてロルトを叩きのめし、慌ててやってきた第二皇子に止められ事件は終わります。国王とアルヴァール伯爵とフェルダの父を交えた協議の結果、ロルトは後継の資格を剥奪の上アルヴァール領に謹慎となり、エデラも極めて悪質と判断され両親であるフラウム伯爵夫妻は厳重注意されたそう。事件から一年後、レイナードとフェルダは結婚式を挙げました、で了。失礼ながら、あんまり期待してなかったんだけど面白かったです。何だろう、会話のテンポが良い。レイナードは王族ながら諜報部のような任に着いているんですが、情報処理の仕事をしていると必然と籠りがちになり、尾鰭が付いた噂が広まったよう。面白かったけど気になった面も。爵位があっちこっちしちゃって読んでて混乱してしまうことが。ロルトの実家は伯爵なんですけどいつのまにか侯爵になってて、結局最後は伯爵。どっちやねんっ、と(苦笑)書いてるうちに設定のプロットが変わって訂正し忘れたのかな。あと、ページ数の割にラブシーンが長いのでそこに割くならヒーローがヒロインに惚れた過程をじっくり書いて欲しかったかも。ヒロインが勇気を出して婚前交渉の誘いをかけに夜這いする件は良かったけど。評価:★★★★細かい部分に目を瞑れば、ストーリーは面白いと思います。
2022.01.27
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2019年6月刊くるみ舎・こはく文庫著者:ちろりんさん「ユニス・キャトレイは子爵家の長女でありながら、借金を抱えた実家へ仕送りをするため、王女の侍女として働いていた。彼女の夢は世界に唯ひとつ、自分だけのオーダーメイドドレスを作ること。ある夜会の夜、ユニスは王女・イングリットから、破れた上着を直してほしいと頼まれる。それはユニスのあこれがれの騎士・ディーングラードのものだった。それをきっかけとして、急激に距離を縮めていくユニスとディーングラード。憧れの騎士と恋仲に、なんてありえない! とは思いつつも、ユニスはディーングラードとともに過ごす幸福な時間に酔いしれてしまう。しかしある日、ディーングラードはユニスが予想もしていなかった言葉を口にする。「故郷に残してきた大切な女性にドレスを贈りたい。一緒に選んでもらえないか?」 ディーングラードの言葉に失恋を覚悟したユニスだったが……!?」↑楽天ブックスにてあらすじ文引用こちらも例の読み放題にて読了。ピッコマの「待てば0」なら最後まで無料で読めるみたいですが、読み終わるまで二週間以上かかっても大丈夫な方前提です。ここからネタバレと感想。ヒロイン・ユニスは地方領主を務めるキャトレイ子爵家の長女で、王女付きの侍女を務めています。キャトレイ領は五年前に起きた領地を縦断する川の氾濫により、多くの家屋が倒壊し人的被害が出てしまい、未だ復興再建の途中です。この災害が起きた当時のアムフォレスト王国は隣国との戦争中であったため、本来ならあるはずの国からの支援金が支給されず、復興資金はほぼ領主であるキャトレイ家からの持ち出しとなりそれでも足りずにあちこちから借金して漸く家屋や田畑などの復興は成ったものの、以降キャトレイ家は借金返済に追われ、せめてもの助けにとユニスが王都まで出稼ぎに出て運良く口利きがありこの国の王女・イングリットの侍女の仕事にありつけたのでした。イングリットは気が強く多少気難しい性格でしたが、根は優しく何よりユニスの細やかな気配りとドレス選びのセンス、そして縫製技術を高く買い随分と目に掛けてくれ、自分のドレスをあげるからユニスも夜会に出ようと誘ってくれたりもしています。だが、ユニスにはいつか自分の拘りを詰め込んだオーダーメイドドレスを作ってそれを着て夜会に出るというささやかな夢があり、給金のほとんどを仕送りに回しながら残った僅かな金額をその資金のためにコツコツと貯めていて、それを知っているイングリットも強く夜会の参加を薦めませんでしたが、もし意中の男性からドレスを贈られたならそれは断らずに着てあげなさいよと忠告されます。意中の人、と何気なく言われたユニスにも密かに想ってる人物がいました。それは今回の戦争中鬼神の如く活躍し国を勝利に導いた立役者の一人で英雄と呼ばれる騎士・ディーングラードです。元は平民の自警団団長だった彼は、騎士団と協力して国境付近で隣国を迎え撃った時の活躍が目覚ましく、後に直々に騎士団長のカークが出向いてスカウトしたという傑物でした。ユニスは凱旋パレードで見たディーングラードの精悍な顔立ちと逞しい体つきに一目惚れしてしまい、以来淡い恋心を抱いていました。イングリットに誘われた夜会は王の在位二十周年記念の祝賀会で、騎士たちを労うための目的もあって任務以外の者はほとんど出席することになっており、当然ディーングラードも参加しているはず。夢を優先して誘いを断ったことを少し後悔したけれど、借金まみれでその返済に追われる子爵家の娘が英雄の横に立とうなどおこがましいと思いつつ、イングリットの湯あみの支度をしていると、そのイングリットが、ディーングラードの腕を強引に引っ張り帰宅し、夜会で酔っ払いに絡まれ破かれてしまったらしい外出着を繕ってやってほしいとユニスに頼みます。突然の想い人の来訪にユニスの胸は弾むも、ディーングラードの上着は故郷の友人お手製の大事なものだと聞き、彼女はすぐに修復に取り掛かります。待っている間作業を邪魔しない程度に話しかけてくれたディーングラードはぶっきらぼうで粗野な言葉遣いながら、話は面白く同じく地方出身者だと知ると親近感を持ってくれたようだ。修復が終りふと上着を見るとワインのシミも付いてしまったようで、ユニスはしみ抜きをしておくと一旦預かり、後日綺麗に治った上着を届けると彼は大層喜び、休日にお礼をしたいから城下に出掛けようと誘われユニスは内心天にも昇る気持ちになりますが、続けて言われた「大切な女性へ贈るドレスも見立てて欲しい」に昇っていた気分もあっという間に失墜。でも憧れの人と出掛けられるチャンスは二度と無いと思い、誘いを受けるのだけど・・・。困窮する実家を助けるために懸命に働くヒロインが健気で良いです。ヒーロー・ディーングラードの口調が最初ちょっと受け付けなかったんですけど、(表紙のイラストと印象違い過ぎて)読んでるうちに慣れました。イングリットも年齢の割にマセてたりするのだけど、この王女にも好感持てて実は悪人が一人も出てこないTL小説にしては珍しい部類かな。街に出掛けた二人は先にドレス選びをしようと洋裁店に入ると、ユニスは贈る相手のイメージを聞きます。ディーングラードによると彼女は幼馴染で結婚式に着るものらしい。結婚も決まっているのかと落胆した気持ちを隠し選んだドレスは値段も手ごろで、ディーングラードも幼馴染のイメージにぴったりだと喜び、先日のお礼も兼ねてユニスにもドレスを贈らせてくれと申し出ます。もうすぐ結婚するくせに誤解させるようなことするなと静かに怒りが沸いたものの、純粋な好意からっぽいので、ユニスは自分の夢を語ってその申し出を断り、結局礼は食事に。が、合間での会話でドレスの送り主の幼馴染はもう一人の幼馴染の男性と結婚するらしく、祝いの品の希望を聞いたら式に着るドレスと言われたからだと言われ、紛らわしいとムカつきながらホッとする自分もいたのでした。ディーングラードもユニスの夢を応援し、叶うと良いなと声を掛けながら苦労してるらしいのにおくびにも出さない彼女に好感を持ち始めます。以来、二人は友人以上恋人未満の関係が続けていましたが、ある日ユニス宛に故郷の弟妹から母が倒れずっと寝込んでいるから一度帰ってきて欲しいと手紙が届き、急ぎ帰郷すると母は病気ではなく栄養失調で倒れたことが判り病ではないことは良かったが、父が亡くなり後を継いだ兄も顔色が悪い。ちゃんと食べているのかと尋ねれば、育ち盛りの弟妹に食べさせると母と兄は一日一食食べられればいい方だと言う。ユニスも困窮していたのは承知していたが自分がいた頃より状況が悪くなっていたことにショックを受けます。川の氾濫防止のための堤防作りが資金難で借金返済の傍ら残りの税収をつぎ込んでもなかなか進まず、ほぼユニスの仕送りだけで生活していれば四人もの生活費は毎度カツカツだろう。堤防や災害復興の支援については戦争も終わったことだし、イングリットから国王に話をしてもらうよう頼むから兄たちもちゃんと食事をするようにしてくれとユニスはもしもの時のためにと持参したドレス費用で貯めていたお金を全部兄に渡し、王都に戻りますが、少しでもの足しにと道中髪を切ってそれをウィッグ店に売りそのお金も実家に送ると、次の給金からは全額実家に送ろうと決心するのでした。ユニスの健気さがぶりがブーストかけてきましたが、こんないい子が報われないはずがなく、イングリットが再度国王に掛け合ってくれて国から災害支援金がキャトレイ家に支払われることになり、少なくとも借金返済と堤防作成の資金についてはもう税収をつぎ込む必要は無くなり、母と兄が食事を我慢することも無くなりそうでした。ディーングラードはユニスを精神的に支え、やがて恋人関係となり結ばれます。途中、和平の証として隣国の王子とイングリットとの婚姻の話が持ち上がり、想い人のいるイングリットの代わりに双子の妹・クラリッサが嫁ぐことになってそこで悶着あったりします。一年後ディーングラードとユニスが結婚式を挙げ、ユニスのウェディングドレスは彼女がデザインした夢のドレスでした、で了。最後まで気持ちよく読める何ともいい話でした。正直、ラストがかなり駆け足だったので、無理に二人のラブシーンを入れずにそこに力入れてほしかった感はあります。ページ数も130弱ですし、レーベルのノルマで一回は入れるとかあるのかな。TL小説好きですが、個人的にラブシーンは無くてもいい派です。評価:★★★★心がささくれ立ってる時に読むと良いかも。因みに、イングリット王女が主役のスピンオフ作品もあるようですが私は未読。
2022.01.26
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2020年11月刊ジュリアンパブリッシング・ロイヤルキス著者:すずね凛さん「「捕まえた、もう、離さない」公爵令嬢のソフィアは、次期皇帝・第一皇太子の婚約者だったが、突然婚約破棄を言い渡され、下げ渡されるように第二皇太子セガールの結婚相手にさせられてしまう。セガールは一見快くこの婚姻を受け入れたが、払い下げの令嬢を押し付けられて、内心快く思っていないのではと不安になるソフィア。「私だけの可愛い妻」そう囁くセガールの甘い声に蕩けさせられ、熱い愛撫に痺れる身体を押し倒される。灼熱の塊はソフィアに本当の愛と官能の悦びを与える。しかしある日、セガールには密かな想い人がいることを知ってしまい……。この手をもう離すことなんて出来ない!! 国家の繁栄に尽力する第二皇太子と運命に翻弄される公爵ソフィアのすれ違い溺愛ラブ!!」↑楽天ブックスより、あらすじ文引用こちらも例の如く読み放題にて読了。一時期すずね凛さんにハマって文庫では結構揃えてたんですけど、電子書籍オンリーの小説もあると知り検索して見つけたのがこちらの作品。unlimitedに入っててラッキーでした。(読み放題でなくても購入してたと思います)やはり安定した面白さでした。が、ラブシーンが多いのは相変わらず(苦笑)没落貴族の令嬢が皇太子の婚約者に選ばれたと思いきや、あっさり他の女に乗り換えられて破断し、結果想い続けていた人と結婚して幸せになりました。というお話。ここからネタバレと感想。コミックサイト等で連載読んでて先の展開は知りたくないと言う方はブラウザバック願いますヒロイン・ソフィアは帝国五大公爵のうちの一つであるクラウスナー公爵家の一人娘。だが、父が詐欺に合い莫大な借金を背負わされ、父は失意の末に病死。残された母とソフィアが屋敷の調度品や領地全てを売り払い何とか完済したものの以降生活は困窮、心臓病を患う母を支え細々と暮らしていました。幸い、羽振りのいい親戚の伯爵家が生活費の援助をしてくれており食べていくだけなら何とかなりそうだけど、伯爵の使いでやってくる娘のヴェロニカは自分のお下がりを渡しながらソフィアを見下してきます。そんな彼女の態度が気にならないと言えば噓だけど、食材や生活用品を貰えるのは素直にありがたいことだった。そして、そんな彼女達の生活を支えてくれる人物がもう一人。毎月最後の水曜日に必ず、短い文面の手紙を添えて金額欄が空白の小切手を送ってくる「篤志家様」です。生活が困窮し始めた頃突然匿名で送られて来て以来毎月欠かさず届き、ソフィアは裕福な貴族内で流行っているらしい慈善事業の一環で援助してくれているのだろうと推測していますが、それにしたってもう随分と経つ。金額欄が空白ということは好きな金額を書いて使えということなのは判るが、ソフィアはいつも自分達にとっては高額な母の治療代と薬代分だけ書き込んでいました。感謝してもしきれない、顔も見たこともない篤志家様からの便りをいつしか彼女は待ちわびるように。ある日、皇宮からソフィアが皇太子の許嫁候補に推挙されたこと、明日顔合わせが行われるので皇宮に来るよう伝令が届き、さすがはソフィアだと喜ぶ母。謙遜する娘に、没落しても由緒ある公爵家の令嬢なのだからと珍しくはしゃいだ母は興奮したせいか久々に発作を起こし、主治医から投薬治療ではもう限界なため早いうちに手術に踏み切るよう、ソフィアは判断を迫られます。心臓の手術ともなると高額なのは元より、高度な技術が必要で主治医には無理らしく、医師を探すのも苦労するだろう。八方塞がりの中、ふとソフィアはある考えに思い至ります。腕がいいらしい皇族専属の医師がいると聞く。自分が皇太子妃になれば母は救えると。翌日、皇帝家付騎馬兵団大団長を務める第二皇太子・セガールがソフィアを迎えにやってきます。何でも皇族に連なる者の護衛と送迎も任務の一つらしく、ソフィアが皇宮に上がる際は必ずセガールが着くことを告げられますがソフィアは容姿端麗の彼に思わず見惚れます。そして、迎えた初顔合わせで出会った皇太子・ニクラスは兄弟だと言うのにセガールに似ても似つかない何ともでっぷりした外見の男性でした。ニクラスは美人のソフィアを一目で気に入り、いきなり抱き寄せキスしようとまでしてきて驚いた彼女はつい抵抗してしまいます。ニクラスは初心な彼女の反応に興ざめしたようで顔合わせはほんの数分で終了してしまったが、でもこれで一応候補ではなく正式に婚約者となったらしい。あの外見はともかくどうにも女性に手が早い所に生理的嫌悪感が沸くも、もう自分は婚約者なのだから母の手術のためにと必死に我慢するソフィアでしたが、現在ニクラスは自分付きの侍女を愛人にしてるらしく、その侍女・アデーレから目の敵にされてる風なのも苦痛だった。でも、挙式の打ち合わせ等で皇宮に行くたびに役目とは言え送迎の任に着くセガールに段々と心惹かれていくソフィア。誠実で優秀な彼は騎馬兵団の団長業の傍ら、病気で臥せっている皇帝の代わりの公務も担い本来自分の送迎任務などしている暇は無さそうなのに、帰宅を告げに来たソフィアを手ずから淹れたコーヒーでもてなしてもくれました。ある時の会話で昔ソフィアに会ったことがあるのだとも言っていた。その続きは聞かせてもらえなかったけど、ニクラスに会うのは憂鬱でもセガールに会えるのは嬉しい。が、式の日取りを決める段階になって皇宮からの呼び出しが半月ほど途絶え戸惑うソフィア。何よりセガールに会えないのが辛く悶々としていると、一月経つ前に漸く呼び出しがかかったと思い出向けば、ニクラスから他の令嬢に心奪われたからこの婚約は解消して欲しいと言われ茫然。しかもその令嬢とはあのヴェロニカでした。没落貴族の分際で家格だけで皇太子の婚約者になったとソフィアを妬んでいたのは知っていたが、まさか横取りとは。おそらく自分がニクラスとの婚前交渉を拒否したことでつまらない女と判断され、そこをヴェロニカに付け込まれたのだろうが、勝ち誇るヴェロニカのことはどうでもいいけど、母の手術の当てが外れて意気消沈するソフィアにセガールは必死に慰めの言葉をかけてくれましたがもう彼と会えないと思うとどうにも辛い。何故なら彼の誠実さはどこか篤志家様を思わせたから。だから心惹かれたのかもしれない。部屋に閉じこもって泣いていると再び皇宮に呼び出され、皇太子との婚約破棄に伴い、ソフィアは第二皇太子・セガールと婚姻せよと皇帝からの命として代行の宰相から告げられます。本人としては願ってもない話ですが、下げ渡された体での自分との婚姻とはセガールに申し訳なく、素直に喜べないソフィアでした。不遇というより苦労の多いヒロインですが、母の命のために淡い恋心を堪えて皇太子妃になる決心をしたのに、まあタイトル通りの展開になりましたね。あと、第二皇太子って呼び方が妙に気にかかるんですが、この場合第二皇子でいいような。複雑な思いからこの結婚話をソフィアは断ろうとしますが、何故かセガールは聞く耳を持たずキスで黙らせる暴挙に出て陶然としている彼女に了承させます。しかも明後日から遠征に出るので結婚式は明日執り行うという。母に皇太子との婚約破談を言い出せなかったソフィアの代わりに王家の都合で婚約者が変わってしまったこと、飽く迄ソフィアに非は無く自分が彼女を気に入ったからだと強調して説明したおかげで、母は納得してくれた。その母には看護師を就けること、後に然るべき処置を受けさせると約束し、あなたは身一つで来ればいいというセガールは何とも嬉しそうだった。それもそのはず、実はソフィアはセガールの初恋の人で、彼女に相応しい男になり彼女が大人になったらプロポーズしようと日々努力していましたが、クラウスナー公爵が詐欺被害に合って多額の借金を負い無理をした返済によって没落してしまった。例え婚姻をしたいからだと明かしたとしても皇族が私的に一つの家に支援することは禁じられているため、せめて彼女達の生活を立て直せるようクラウスナー家宛に匿名で小切手を送り影ながら援助することを決めた。篤志家様はセガールだったのです。(ですよね~)なのに、父である皇帝が病気で退位も時間の問題となり、今年三十歳でまだ独身の皇太子が即位するにあたり妃がいた方が良いだろうとの意見が出て、高位貴族で丁度年回りも良い未婚女性がソフィアしかおらず彼女に皇太子妃の白羽の矢が立ってしまい兼ねてからの夢は儚く消えた。が、兄の女癖の悪さのおかげで婚約は破談、彼女は下げ渡された自分などと申し訳ないと思っていたようだがずっと想い続けていたのです、浮かれるなという方が無理。翌日式を挙げた二人は初夜を迎えますが、まーこのシーンが長い(苦笑)やはり十年来の想いが詰まってるからか。一夜明けて遠征に出発したセガールは新妻恋しさに半月の予定を一週間ほどに短縮して飛んで帰ってきたりとソフィアを溺愛します。仲睦まじく暮らす二人でしたが、まだ婚約も成立していないのにもう皇太子妃気取りで身分が上になる嬉しさから、ヴェロニカが取り巻きの貴族の令嬢達に命じてソフィアをを村八分にさせたり色々嫌がらせを仕掛けてきます。だがそれも、ニクラスの愛人だったせいでヴェロニカに追い出された侍女のアデーレとセガールの助けで事なきを得ます。そんなある日、ソフィアはニクラスとヴェロニカが賭博に興じているのを目にし厳しく糾弾。この国で賭博は法律で禁止されており、当然皇族にも罪は適応されるのに悪びれない彼らに怒りを覚えるも、このことを外部に漏らせばソフィアの母に危害を加えると逆に脅されて口を噤むしか無い。折しも、皇帝の病気見舞いで訪れた際にソフィアが渡した見舞い品のアロマポットに毒が仕込まれており、それを焚いていた皇帝が意識不明の重体に陥る事件が起き、ソフィアにその疑いが掛けられ・・・。幸か不幸かソフィアは証拠不十分で逮捕は免れますが、以降根も葉もない噂話を立てられて夫の立場を思うと何とも居た堪れない。考え抜いた末に離婚を申し出た彼女はわざと嫌われるよう嘘をつき離婚届にサインして実家に帰ったりと少しじれじれ展開があるも、妻の無実を証明するため水面下で調査していたセガールにより事件は解決、二人も元鞘に戻ります。因みに離縁届は彼女が去った後すぐに暖炉にくべてたそう。まあ、この辺は特に捻らず犯人は皇太子とヴェロニカなんですが、出来のいい弟とその側近の公爵を左遷してしまえば賭博の件もバレないだろうし、皇位を継いだら自分達の天下だと思い込んでいたのに元の木阿弥、賭博の証拠と証人を提示されて二人は逮捕されます。往生際が悪く濡れ衣だと騒いでいた彼らは、ソフィアに罪を着せ皇帝暗殺を謀った証拠を見せると漸く大人しくなり、皇太子は王位継承権を剥奪の上国外追放、ヴェロニカは無期限の謹慎になったそう。混乱を避けるためか皇帝暗殺未遂事件は隠蔽され飽く迄賭博罪で裁かれているので、ヴェロニカは刑罰が軽いですね。皇太子はかなりの額を使い込んでたのを思うと妥当かな。エピローグではセガールが皇位を継ぎ、皇后となったソフィアは第一子を妊娠中。ある切欠からセガールが篤志家だったと知り、今まで伝えられなかった感謝の言葉を伝えて了ノベルス一冊分くらいのボリュームがあるので読み応えはそこそこあると思います。事件があったりセガールの初恋話とか内容は面白いんですが、前述の通りラブシーンは多目。とは言え新婚さんだから多少は、ね。あらすじにあるほどすれ違ってはいなかったと思うけど、まあ別居はしてたからな。セガールの想い人云々の誤解は件の初恋の話を彼女に聞かせたことで割と早く解けますし、母親も皇族の医師に診てもらえたおかげで病気も回復に向かって随分元気になったよう。ニクラスの愛人だったアデーレがヴェロニカ憎しでソフィアの忠実な侍女になったのが意外な展開だったけど、この人結構好きかも。何でこんなに出来る人がニクラスに惚れてたんだろうか、理解に苦しむ(^_^;)評価:★★★★表紙&挿絵イラストが美麗でセガールの美形ぶりが際立ちますね。
2022.01.25
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2018年3月刊夢中文庫プランセ著者:柏野すばるさん「ガルナ王国の王女メイエは七歳の時、隣国サレンディア王国へ人質として差し出された。囚われの身となり、修道院で暮らすが、修道女たちから虐待を受ける過酷な日々が続いた。心を閉ざし、死の恐怖に怯える毎日。そんなある日、王太子エルシオンが訪れて、和平が成立して友好による縁談が決まったと告げられる。メイエはサレンディア王国の王太子妃となり、エルシオンによって大切にされる日々が始まった。エルシオンに対し、恐怖から思慕の念を抱くようになったころ、エルシオンがよそよそしくなったように感じ始める。そして麗しい妃がやって来るという話を聞いてしまい、悲しみに暮れるメイエは自分の気持ちを伝えようと心に決めるのだがーー」↑楽天ブックスより、あらすじ文引用例の如く読み放題にて読了。一応オンデマンドのペーパーバック版でも発売されてます。約4年前の作品で、あらすじを読まれたらお分かりでしょうが不遇ヒロインものです。それもかなり悲惨な部類で今まで読んだ不遇ヒロインの中でトップ3に入るかも。そんな幸薄いヒロインが優しい王太子に愛されて幸せになるお話です。ここからネタバレと感想。ヒロイン・メイエはガルナ王国の第一王女。国王である父は愛妾に溺れ、正妃でありながらその愛妾から苛め抜かれ精神的に追い詰められた母は体を壊しメイエを産んで早々に亡くなります。正妃の死後も家臣からいくら言われても王は愛妾の言いなりで贅沢の限りを尽くしては国の財政を傾かせ、あろうことか王位継承権一位であるにも関わらず、王女のメイエを王宮の離れにある寂れた塔に世話係のばあやと二人幽閉同然に追いやります。塔での生活は毒殺に怯える日々でした。そんな彼女が塔から出られたのは7歳になったある日、戦争中だったガルナ王国が敗れ、戦勝国のサレンディア王国から「王の血を引く者」を人質として差し出すよう要求があり、唯一の嫡女であるメイエが差し出されることになったのです。もうこの序盤で可哀想過ぎて(´;ω;`)ウッ…愛妾何様なん? そして国王がクズ過ぎる。まあ正妃とは政略結婚だろうから愛情持てなかったのかもだけどそれでも娘くらいは可愛がってやれや。妾に言われるまま跡継ぎの王女を塔に閉じ込めるとかただのアホとしか。サレンディア王国にやって来たメイエは修道院に預けられることになりますが、弟をガルナ王国との戦争で亡くした修道院長から憎まれ、「厄介ものの王女」と蔑み、幼いメイエに雑役を命じます。院長は気に入らないことがあるとすぐにメイエに鞭を振るい、修道女たちからも彼女がガルナ国の人間ということで目を付けられ謂れの無い暴力に晒される毎日。サレンディア王家は、院長がメイエを「神に仕える者として保護したい」と申し出た故に王女を預けたので、そんな状況になっているとは露知らず。周到にも院長は定期的に視察が送らてくる際はメイエに清潔な囚人服を着させ、精神的なショックから口をきけない風を装い余計なことを喋らせないようにしており、この国の王家からの助けは望めないまま十年間、メイエは地獄のような毎日を何とか生き抜いてきました。そんなある日、突然王太子が視察に来ることになり、急な先ぶれで大わらわになる中、いつものように振舞うようきつくメイエに言い含めた院長は彼女を伴い、王太子・エルシオンに拝謁。メイエはまだ声が出ないのかと尋ねるエルシオンに尤もな言い訳を述べてやり過ごそうとする院長だが、真相を確かめるため、敢えて約束の時間の前に修道院の脇道を通った彼は修道女に激しく罵られ泣いているメイエの声をしっかり聞いていました。更に彼女の袖を捲り上げると腕には多数の痣や傷がある。紛れも無い虐待の証拠に静かな怒りを見せるエルシオンは後日相応の処罰が下されると院長に言い渡すとメイエに向き直り、助けが遅くなったことを詫び「あなたを迎えに来た」と告げます。実は、敗戦後も徹底抗戦を唱える一部貴族の抵抗が続いて難航していたがこの度漸く和平協定が結ばれ、ガルナ王国はサレンディア王国の属国扱いとなった。同時にメイエも人質ではなくなり、宥和政策の一環としてエルシオンと結婚し王太子妃となることが決まり、王太子自ら出向いたこと。彼女の知らぬ間にガルナ国王は二年前に亡くなっており、愛妾は国庫金を私的に使い込んだ挙句、国王が存命中の時から恐怖政治を強いた罪を問われ先日処刑されたとも説明されます。七歳までしか教育に触れることのなかったメイエには難しい言葉が多かったけど、自分が自由になるのだけはなんとか理解できた。でも長年受け続けた虐待のせいで、皆が自分を騙して嘲笑おうとしてるのではと疑心暗鬼に駆られ、王宮までの馬車の中で怯え震え続ける彼女をエルシオンは憐れに思います。漸く助け出されましたが、人質として連れて来ただけにメイエの扱いが難しかったのと、これ程時間がかかったのはガルナが中々和平協定に応じなかったことも関係してたのを思うと、何かあの国色々問題抱えすぎだわ。愛妾と良い勝負でクズな院長には厳罰が下されそうだとは言え、何かモヤりますね、城での生活が始まり、王太子妃になったメイエにエルシオンは優しく接し、ほとんど教育を受けていない彼女のために教育係を付けて学ばせる傍ら、動物好きらしくテラスに現れた猫の親子を可愛がる彼女のために、いつしか二人の暮らす宮は小動物が多数闊歩するようになり、中々な賑わいとなりましたある日、手紙を書く授業で教育係に彼女の書く文章に感情が見受けられないと指摘され、その勉強の一環として王太子宛に恋文を書くよう薦められます。日々暮らす中でエルシオンに惹かれ始めていたメイエは拙いながら精一杯の想いを綴った恋文を何とか仕上げ、仕舞い忘れたそれを読んだエルシオンは胸を熱くするのでした。メイエの恋文は読んでて何だか物凄く泣けました。正直、恋文を読むまではエルシオンのメイエに対しての感情は愛情というより同情の方が勝ってた気がするんで。この出来事からエルシオンがメイエを意識し過ぎて態度がよそよそしくなったように見え、不安に駆られる彼女に追い打ちをかけるように、漏れ聞こえた侍女たちの会話でどこぞの王女が嫁いでくると知り、自分は離縁されるのではとパニックになるも、メイエは一度も自分の口から想いを伝えていないと気付きます。しかしその誤解も、庶子の生まれで長らく市井で暮していた第二王子が王宮で暮らすことになり、輿入れしてくる王女はその王子のお相手だったことがエルシオンから知らされます。さすがにまだメイエもこの国の王族の事情まで全部把握してないだろうから早とちりも仕方ない。既に夫婦だと言うのにあと一歩踏み込めなかった二人はお互いの想いを告げて結ばれます。エピローグでは十数年後、王妃となり貴婦人の鏡とまで言われるようになったメイエが5人の子供たちに囲まれ、賑やかながら仲良く幸せに暮らしている様が描かれ幕。71ページという短編小説ですが、いやー幸せになって良かった。貴婦人の鏡と呼ばれるようになるためにメイエもどれだけ努力したのかと思いますが、あの恋文をずっと大事に保管し、時折取り出しては読んでるらしいエルシオンにほっこり。評価:★★★★amazonで高評価だったのも頷けます。ページ数のおかげで、どん底から幸せの絶頂まで上るのも早いのは良いですね。
2022.01.24
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2021年2月刊ロイヤルキス著者:蒼磨奏さん「老舗呉服店杉渓屋の娘・八重は、幼いころ親同士の約束で、名家葛城家の長男であり優秀な軍人・毅の許嫁となった。年の差があっても大切に扱われ、幼い恋心を胸に秘めていた八重。毅に思いを寄せている八重は、運命の赤い糸が毅に繋がっていると期待に胸を膨らませながら、彼に相応しい女性になれるよう努力していた。しかし、ある夜、八重は火事に遭い身体に火傷を負ったショックで塞ぎこんでしまう。疵物となった自分は嫁ぐ資格を失ったのだと、八重は毅との婚約を解消したいと申し出るが……。甘やかに純潔を散らされ、残酷な焔によって焼けた赤い糸が再び紡がれる、真実の愛ーー。」ジュリアンパブリッシングの電子書籍レーベルです。そこそこの価格の作品なのでamazon kindl unlimited会員向けの読み放題サービスに入ってたことに少々驚きました(^_^;) 当然の如くそちらで読了。西洋貴族ものが続いたので、ここらで日本が舞台の作品を。何か読んでて同じ大正時代なせいか「はいからさんが通る」を思い出しちゃいました。TL小説としては珍しくヒーロー目線で綴られる許嫁の少女との十年間の物語です。(ゆうて、ヒロインが亡くなるとかの展開はありませんので、ご安心を)ここからネタバレと感想。ヒロイン・杉渓八重は老舗呉服屋の末娘で、十六歳になったら女学校を辞めて許嫁の軍人・葛城毅と結婚することが決まっています。両家同士が旧知の間柄で、二人の出会いは八重が十二歳、毅が二十八歳の時でした。何と十六歳差! 現代なら珍しいけど、この時代はよくあったんでしょうね。そして、ヒーローの名前が章ごとにルビ降ってほしいくらい「たけし」と読んでしまってましたが「しのぶ」と読むそうです。毅が何かと忙しい軍将校であるため、許嫁ではあっても頻繁に会えるわけではない。八重にとって毅は初恋で、女学校を辞めるのは寂しいけれど結婚は待ち遠しかったし、たまに会いに来てくれる毅と出かける前日は楽しみで眠れないほどだった。そんな八重に対して、毅は彼女には年の離れた妹程度の感情しか持っておらず、素直に好意を寄せてくる八重は可愛いいし愛しいとも思う、だが、女性として愛してるかと言われると・・・。もうすぐ祝言だと言うのに何とも複雑な想いで八重に請われるまま、デートをして彼女を屋敷に送り届けると、玄関先で杉渓の父が一人の男と揉めており、何度か怒鳴りつけられた後、玄関から追い出された男・村田は一頻り悪態をつくと去って行きましたが、毅は村田の様子にどうにも嫌なものを感じるのでした。どうやら村田は事業に失敗し、伝手を頼ってあちこちから借金をしているらしく、父も一度は気の毒に思い金を貸してやったが、その時の金もまだ返せていないのにまた返すあてのない借金をしに来た村田にさすがに人のいい父も怒り喧嘩になったのだと言う。塩まで撒いていたくらいだから相当頭に来たのだろうと八重も察したが、村田のあの嫌な目つきは気になった。その晩、眠っていた八重は息苦しさと煙さに目覚めると屋敷は火に包まれており、不幸にも庭からも玄関からも遠い位置に部屋のある八重は逃げ遅れていました。何とか火の回る前に重要書類や通帳を持ち出した父と兄は八重がまだ出てきていないことに気付き、水をかぶって助けに行きますが、二人が見つけた時八重は倒れて来た壁の下敷きになり一人では身動きできない状態でした。寸前まで迫る火に巻かれながら彼女は父と兄に助け出されます。杉渓の家が火事と聞き駆け付けた毅が見たのは、体のあちこちに火傷を負って搬送される八重の姿。背中の火傷が殊更酷く、助かるかは五分五分と聞き、毅は愕然とするも暫くは面会謝絶では会いに行くこともできない。翌日現場検証が行われ、火元は不明だが台所の種火の消し忘れによるものだろうとの結果だった。幸い書類の類と通帳は持ち出せたのと、店舗は近所にあるため商いは変わらず続けられるからじきに屋敷は建て直せるが、八重の容態と言い杉渓家の心的ダメージは相当のものでした。これ、どう考えても村田が超怪しいんですけど、この時代の検証では今ほど不自然な火元や焼け跡とか見つけられないだろうし、何ともモヤモヤします。そして驚くことにこの火事に至ったのが中盤も中盤なんです。あらすじを読んで、火事になってヒロインが消えない火傷を負ってどうこうって話のはずなのに「えっ火事はいつ起きるの?」と。まあ、プロローグで少しさわり部分は描かれてるんですけど、二人の出会いから始まってるからそりゃここまでページ数使っちゃうよね。何とか容態が持ち直し意識が戻った八重は、動けるようになると毅宛に婚約解消をしてほしい旨の手紙を送ります。背中の火傷は酷いもので皮膚移植手術をしてもかなりの痕になってしまうらしく、こんな体で毅と結婚するわけにはいかないと、あの火事からあんなに明るく前向きだった八重はすっかり心を閉ざしていました。納得いかない毅は八重に何度も会いに行くもその度に面会を断られ、間の悪いことに軍から毅に九州の駐屯地への出向の辞令が下ります。しかも2年間という長さ。この時期に八重と離れれば余計に彼女は自分の殻に閉じ籠ってしまう。断りたいのは山々でも優秀な毅の佐官への昇進のためとわざわざ上司が口利きしてくれた辞令と聞けば断るなどできるはずもなく。毅は会ってもらえないならせめてと、今の自分の正直な気持ちと二年間待っててほしいとの旨の手紙を八重に送り九州に旅立ちます。そして八重には辛い投薬治療と手術、リハビリが待っていました。時が流れ、帰還した毅はまっすぐ建て直された杉渓邸に向かいますが、そこで見たのは美しく成長した八重の姿で・・・。火事以降モヤモヤとじれじれの連続で読んでてもーもだもだしました。八重の気持ちも判るんですよ、15,6の女の子が背中に一生消えない火傷の痕が付いたら許嫁に申し訳ないと思っちゃうよな。いくら毅は構わないと言ってくれても、生きてるだけで丸儲けとは思えないよね。毅は毅で思春期時に継母から性的な悪戯をされた過去があり、幸い未遂だったのと様子のおかしい自分にすぐに父が気付いてくれて継母を追い出したことで事なきを得たものの、以降女性に触られることが苦痛となっていました。父も判っていたので無理に縁談を進めなかったけど、あの日十二歳の八重に会った時、膝にまで乗られたのに何ともない。自分の反応に驚くも、何となく彼女となら結婚も大丈夫かもしれないと。そんな毅を見て父も気付いたのか程なく二人の婚約が決まったのです。初対面時に八重が十二歳だったってのも大きかったのかもしれませんが、成長した彼女に手を握られても大丈夫なんだから、単にトラウマのせいで女性の接し方と愛し方が判らなかっただけなのかなと。まあ、妹みたいに思う感情はあの年齢差じゃ致し方ない。成長した八重を女性として見れるようになったのも、離れてた二年のおかげかも。再会後、天岩戸の如く閉じ籠る八重相手に根競べで挑む毅との攻防戦の末、毅が勝利。結果、二人はずっと延期していた式を挙げ結ばれますが、八重は頑なに背中を見せたがらない。しかし、静かに過ごす生活の中、根気よく接してくる毅に、八重も次第に絆されていきます。だって嫌いになって婚約解消の意志を伝えたわけじゃないもんね。その頃、東京で放火とみられる不審火事件が相次いでいて、折しも親友の屋敷からの帰宅途中に八重が何者かに浚われます。犯人は予想通り村田なんですけど、当然杉渓家に放火したのもこいつでした。借金を断られた腹いせに火を点け玄関だけでも焼ければいい気味と思っていたら思いの外火が広がって屋敷は全焼してしまった。あの後は地方で働いていたが、あの時の炎の美しさが忘れられずにまた東京に舞い戻り、以降あちこち放火しまくってたらしい。八重を浚ったのは、杉渓の娘が背中に大やけどを負ったと噂で聞きつけ、それを見たかったからと宣う村田が結構サイコですが、間一髪探しに来た毅と同行してきた警官たちに現場に突入されて八重は無事救出。逮捕された村田は何件もの放火により多くの死傷者を出した罪で裁判後に絞首刑になったそう。この事件で色々吹っ切れた八重は毅に背中を見せ、過去に踏ん切りをつけました。その後、八重は双子を産み、家族と幸せそうに過ごしているらしき様子で幕。電子書籍の割に300ページ弱あるお話でしたが、何だろう事件もあったので盛り上がるはずが結婚してから失速してってる感が(^_^;)とは言え、話の全体は面白いんですよ。多分、後半にラブシーンを集中して詰め込んでるせいかなぁ。致してる最中にあんまり肝になりそうなことも言わないから余計に。あの半分の回数でも良かったかもしれない。取り敢えず、相手限定とは言え毅が不能でなくて良かった(苦笑)評価:★★★★結構なじれじれ展開なのでダメな人はダメかも。前述の通り、ストーリーは面白いと思います。
2022.01.23
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2021年4月刊くるみ舎・こはく文庫著者:仙崎ひとみさん「母を亡くしたアリーシャは、父の後妻に虐げられている。針仕事を押し付けられ、クズ呼ばわり。後妻の連れ子で義姉となったクリスティーナからも意地悪されている。幼なじみの騎士フレデリックは親切にしてくれるものの、そのフレデリックもクリスティーナの婚約者となって、孤独な日々を健気に耐えていた。辛い時に思い出すのは、亡き父と母、それにヴィクターーーそうこの国の王である。4年前、父母とともに体調不調の国王を見舞った際、当時まだ王太子だったヴィクターと偶然出会った。戦で隻眼となり王位継承者として不適だと落ち込むヴィクターを、アリーシャは慰め、刺繍入りハンカチをお守りとしてプレゼントした。良き王になりたいと語るヴィクターに憧れを抱くアリーシャだったが、それはあまりにも遠い日のこと。今夜の国王の凱旋パーティに呼ばれることもない。だが、そのパーティから帰った義母と義姉から、国王から明日の催しに出席するよう命じられたと聞き……。」↑楽天ブックスより、あらすじ文引用例のごとくamazon kindle unlimited会員サービス読み放題対象作品で、そちらで読了。今後もこはく文庫さんの感想が増えそうなため、カテゴリも電子書籍から分けていきます。あらすじを見ればお分かりかと思いますが、まんまシンデレラストーリー。そして、個人的な主観の<TL小説クソ家族ランキング>にて栄えある1位に輝いた母子が出てきます。こんな奴らに金と地位を与えちゃイカンばりのある意味テンプレな小悪党で、当然ざまぁ要員です。ここからネタバレと感想。公爵令嬢でありながら、母が亡くなりその後迎え入れられた後妻のケイトリンとその連れ子で2歳上の義姉クリスティーナに使用人の様にこき使われていたばかりではなく、毎日手酷く虐められる日々を過ごしているヒロイン・アリーシャ。古参の使用人たちはアリーシャを不憫に思い、こっそり手を貸し、見つからないよう食事を取っておいて食べさせてくれたりと何かと助けてくれたけど、公爵夫人と令嬢に口出しできるはずもなく、いつも自分たちの力の無さを彼女に詫びますが、アリーシャはその気持ちだけで充分でした。美しく優しい私たちの自慢のお嬢様が、と嘆くメイドたち。数年前母が亡くなり、1年も経たずに後妻を迎えた父であるギルモア公爵ですが、その公爵も馬車の脱輪事故で死亡。父の存命中からも継母と義姉からのアリーシャへの風当たりは強かったけど、夫が亡くなるなり継母たちは好き勝手し始め、アリーシャから宝石やドレスを全て取り上げ、使っていた豪華な部屋から追い出した挙句に屋根裏部屋に追いやる暴挙に出ます。当然、公爵令嬢への仕打ちではないと親戚連中からは批判が出るも、ケイトリンはアリーシャがクリスティーナを没落貴族の娘と苛め抜いており行儀作法もなってない、当主が亡くなった以上自分がアリーシャを指導しなければと。嘘八百を並べて捲し立てて、飽く迄これは「躾」だと言うケイトリンの言葉に親戚たちも強く出れず、彼らの助けは望めない。かくして、これがアリーシャの辛い生活の始まりでした。もう序盤のこの時点で母子への印象最悪ですが、このすぐ後に熱い紅茶の入ったティーカップを投げつけ火傷を負わせて、食事を採らせる時間も与えないほど急ぎで夜会に持って行く用のハンカチへの刺繍2枚も用意させるなど、まぁ読者に植え付けるヘイト効果は抜群です。因みに刺繍はヒロインの趣味であり特技。ある日、長らく北方の平定のために出征していた国王・ヴィクターが凱旋し、4年ぶりに王宮へと帰還。それを祝しての祝賀会が数日間かけて行われることになり、ギルモア公爵家にも全員出席するよう招待状が届きます。はしゃぐ義姉の着付けを手伝っていると、クリスティーナのエスコートにやって来たアリーシャの幼馴染であり侯爵家令息のフレデリックは、ケイトリンがアリーシャは留守番させると当然の如く言っていたので食って掛かります、上位貴族は全員出席とのお達しだったはずだと。そんな彼にアリーシャは着ていくドレスも無いからと宥め、義姉のエスコートをお願いねと頼むのでした。両親を亡くしこんな生活になってからもフレデリックは変わらず優しく接してくれていたけど、それだけ。どうやら彼は義姉と婚約するらしい。寂しい思いをしながら、屋根裏部屋に戻ったアリーシャはせめて一目ヴィクター様にお会いしたかったなと溢すのでした。継母たちがスパートかけて来てますね。この辺の継母たちは本家のシンデレラをモチーフにしてるのかな。そしてここから一気に好転していきます。4年前、まだ母が存命中、先代国王が体調を崩しギルモア公爵夫妻はアリーシャを連れて王宮に見舞いに訪れたが、部屋に入れるのは夫妻だけでアリーシャは別室で待機となり、暇を持て余した彼女は城内を歩き回り案の定迷子に。そこでアリーシャは片目を包帯で覆った青年に出会います。どうやら泣いていたらしい彼が心配で声をかける彼女に、まだ14歳の小娘な自分をレディ扱いしてくれた青年はヴィクターと名乗りますが、すぐそれが王太子だと気付き無礼を詫びるアリーシャ。だが、彼は気にせず素直に泣いていた理由を尋ねる彼女に自分の事情と心情を語ります。立派な王になるべく、戦場に赴き手柄は立てたものの片目を負傷し王位を継ぐものとして失格だと詰られ、国のために心血注いでいたのにこんなことで父の期待を裏切ってしまったと意気消沈していたのだと。そんな彼に、生きて帰って来れたのだから片目のケガだけで済んで良かったと思わねば、いつか国王様も判ってくれますよと精一杯励ます彼女。こんな自分と話したことで少しは気が楽になったのか、涙を拭う為に渡したハンカチをお守りにくれと請われ、自分は彼のハンカチを貰い親愛の証とした。その後、国王は崩御。ヴィクターが次代国王に即位し、北方の平定の為に出征。この度4年ぶりに王国へ帰還したと聞き、もうアリーシャとのことなど覚えていないかもしれないが、一目だけでもお会いしたかったと泣き疲れて眠りについた彼女は継母達の帰宅に叩き起こされ理不尽な罵詈雑言を投げつけられます。同行していたフレデリックによればアリーシャを連れてこなかったことで、ケイトリン親子は国王に衆人環視の中で叱責されたらしい。だからあれほどフレデリックもアリーシャも連れて行けと言ったのに、先ず王家からの招待状に記載されていた全員出席を無視するとかただのアホとしか。翌日の海外からの特使も出席するパーティーには必ず連れて来いと念押しされ渋々了承したもののアリーシャに対しての怒りは収まらず、用意された彼女のドレスはクリスティーナのお下がりでガリガリに痩せてしまった彼女にはサイズが合わず、着付けられても何ともみっともない姿でした。というか、新しく買ってやる気が無いなら取り上げたアリーシャの持ち物から一式分だけでも返せばいいだけなのに、そんなにも彼女には目立ってほしくないのね。おまけに、自分たちは豪華な馬車で迎い、アリーシャにはおんぼろ馬車で後から来させるとか、どこまで読者にヘイト意識を植え付けるのかw当然、あんなドレスで出かけたアリーシャは門番に呼び止められた上に会場では周りからひそひそ言われ、居た堪れない思いから国王に一目会えたらこの場を辞そうと考えていると、いつの間に現れたヴィクターが目の前までやって来てファスーストダンスを申し込まれます。ケイトリンが国王との間に入り、クリスティーナが正統なギルモア公爵令嬢だと訴えるも、ヴィクターは聞く耳持たず、一つもアクセサリーも付けずサイズの合わないドレスを着た酷い格好のアリーシャを見ると、王国の序列一等のギルモア公爵家の正統な血筋の彼女への無体な扱いを言及し叱責します。自分を納得させられる理由が無いならそれ相応の厳罰を与えると告げると、踊り始めた二人は出会いの思い出話を語り、自分が遠征中にアリーシャの状況が激変していたことを知らず要らない苦労をさえたと詫びるヴィクター。ただ会えただけで嬉しく、あの頃からお慕いしていたと答えた彼女を玉座近くまで連れて行くとヴィクターはアリーシャを王妃にすると宣言します。家柄は申し分ないものの、さすがに突然の話で貴族たちから疑問の声も上がるも、ヴィクターが4年前の彼女の言葉で自分が救われたこと、その時から生涯の伴侶はアリーシャしかいないと決めており、相応しい男になるべく北方の遠征に出た。そして彼女が18歳になったらプロポーズするつもりだったと明かすと、そんな二人の純愛に周りは一転祝福ムードで、異を唱える者はいませんでした。その後すぐさまアリーシャは王宮に迎え入れられ、お妃教育を受けながら過ごした数か月後、二人は結婚し結ばれますが、ケイトリン親子は完全な逆恨みでアリーシャを憎んでいて・・・。この後、あのアホ親子が何かするのかと思いきや、長ーい国王夫婦の初夜シーンを挟み、そこから更に3が月くらい時が経って、ケイトリン親子がヴィクター相手に騒ぎ立てているのを立ち聞きして、アリーシャが要らぬ誤解をするという何とも小さいやらかしでした(^_^;)そこに付け込み、フレデリックが彼女に想いを打ち明け駆け落ちを提案するんですけど、今更どの口がと思ってたらヒロインもそう思ってた(笑)現れたヴィクターが吐き捨てた、虐められてた彼女を傍観してただけなら何もしていないのと同じ(意訳)は、本それです。家格が上の家の夫人や令嬢に早々口出しにくいのも判りますが、本当に好きならそれを推しても戦うべきだったよね。アリーシャの誤解もヴィクターとの会話であっさり解け、ケイトリンが勝手にアリーシャ名義の公爵家の財産をほぼ使い果たしていたことが判り、窃盗と横領罪が適応され罰として公爵位が剥奪されていたらしく、どうやら今夜はその陳情に来ていたそうで。一応は義理とは言え后の母親と姉であるため、言い分如何によってはと思っていたら相変わらずの嘘八百、おまけにアリーシャを侮辱してクリスティーナを王妃にしろと言ってきた。爵位剝奪だけで済ませてやったのに、反省するどころかあの態度。国王夫妻への不敬罪で国外追放の上、治安の悪い国への流刑を提案してきたヴィクターはアリーシャにあんな人たちでも父の選んだ人だからと懇願され思い止まります。ここからまたラブシーンに突入するんですけど116ページしかない割に、拘りがあるのかラブシーンに随分ページ数使ってた気がする(^_^;)エピローグでは国民に絶大な支持をされ大人気の王妃となったアリーシャがその後子供を産み、幸せに暮らしました的な〆でした。子供の性別は明かされておらず。ヴィクターが良い男でしたねー。外国の特使たちもいる中で自分たちの恋のなれそめを語って可愛い恋人を自慢する王。大好物です( ̄ー ̄)ニヤリ なんというか、継母と義姉以外はほぼヒロインに好意的だった気がする。そういえば爵位剥奪の憂き目にあったギルモア公爵邸の使用人たちはどうなったのか。いい人たちばかりだったので、何かしらの救済があればいいな。ヴィクターが手を回してればいいけど。継母達への罰はまぁ落としどころとしてはこんなものかなぁと。先ずヒロインが厳罰を望んでいないしね。読み終わってよくよく考えれば、ギルモア公爵に女を見る目さえあればアリーシャがこんな酷い目に合わず、財産は食いつぶされ公爵位は剝奪の憂き目にもならなかったのでは?一番の元凶はこの父な気がします。評価:★★★★不遇ヒロインものが好きな方には結構刺さるかも。
2022.01.22
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2020年9月刊天海社・DIANA文庫著者:なかゆんきなこさん「疫病で両親を失い、天涯孤独となったリリー。生きていくために牧場を手放し、思い出のつまった村を離れて働く決意をするそばからエヴァレット伯爵家令嬢の忘れ形見だったことが判明。政略結婚の駒として祖父伯爵に呼び戻されたリリーは、わずか一ヶ月で礼儀作法と教養を叩き込まれ、“血まみれ将軍”“首狩り将軍”の異名をとる侯爵シルヴェスターにめあわされることに。噂以上の顰め面とあまりにも鋭い眼光に委縮してしまうリリーだったが、シルヴェスターから結婚相手が自分で本当にいいのかと念押しされ、相手を慮る態度に縁談を受け入れた。不安と緊張でいっぱいの挙式。永遠の愛を誓うキス。新婚生活がはじまり、リリーはシルヴェスターのやさしさひとつひとつに触れながら、少しずつ心を開き、穏やかな愛を育んでいく。ところが社交界でリリーは令嬢たちから歓迎されず……」↑楽天ブックスより、あらすじ文引用こちらも電子書籍販売オンリーのレーベルさんですね。kindle unlimited会員の読み放題対象作品のためそちらで読了。ピッコマでも公開されていて「待てば100」を利用すれば終盤近くまでなら無料で読めます。物語としては王道のシンデレラストーリーで、まあ有体に言うと、まんまタイトル通りのお話。ここからネタバレと感想。幸せな花嫁さんになるのが両親二人の願いで自分の夢だったヒロイン・リリーは、小さな農場兼牧場を営む両親と堅実ながら明るく幸せに暮らしていましたが、王国全土で蔓延した流行り病に罹り両親は共に儚くなってしまい、彼女一人が残されます。王都から遠く、医者も薬も届くのに時間がかかったために自分たちが住んでいる村では件の疫病で甚大な被害が出ていましたが村長始め、生き残った村人たちは何くれとなくリリーを気にかけ良くしてくれました。しかし、3人で何とか切り盛りしていた牧場と農場はリリー1人では立ち行かない、牧場を始める時に作った借金もあり、牛込みで全て売り払い借金返済に充てても全額には遠いため、自分は村を出て働くことを決心。幸い、母からもしもの時のためにと礼儀作法や読み書き、マナーなどみっちり仕込まれており、運が良ければ貴族の屋敷でメイドの仕事にでもありつけるかもしれない。そんなある日、家の前に立派な馬車が乗りつけられ、降りて来た紳士はエヴァレット伯爵家からの使いで執事のモーリスと名乗り、リリーを迎えに来たという。実はリリーの母シャロンはエヴァレット伯爵家の長女で、屋敷で働いていた父・デニスと恋に落ち二人は駆け落ち。伯爵は手を尽くして娘を探したものの見つからず、10年ほど経ち漸くこの村で暮らす二人を探し当てたが既にリリーが産まれており、最早引き離すことはできないと判断、母の弟夫婦からの説得もあって何とか伯爵に許され、以降定期的に伯爵家から様子見の使者が来ていたらしい。そんな実家との関係が続く中、シャロンは夫婦共々流行り病に罹り、たまたま定期連絡の様子見が来る時期と重なってすぐさま伯爵家に連絡が行ったが、急いで用意した医者と薬は間に合わなかった。そこで残された娘のリリーを伯爵家に迎え入れることになったらしく、後継の叔父夫婦は仲が良かった姉の忘れ形見であるリリーの到着を心待ちにしているとか。夫妻が残した借金も伯爵家が肩代わりしてくれるとの申し出もあったが一先ずその話は断り、両親が亡くなっても天涯孤独ではなかった事と祖父と叔父夫婦に会いたい気持ちもありリリーは伯爵家で世話になると決め、王都へ旅立ちます。が、期待を膨らませて初対面した祖父は気難しく頑固そうな男で、道中モーリスから聞いていた人物像とは随分印象が違って戸惑うも、自分を引き取った真の理由を聞かされ唖然。母・シャロンにはとある侯爵家長男の婚約者がおり結婚式の日取りも決まりかけていたが、兼ねてよりデニスと恋仲だった母は駆け落ちを決行。当然破談となり侯爵家は面目を潰されたと大層怒り、エヴァレット家は婚約破棄の違約金に加えてかなりの額の賠償金を支払うために領地もいくつか手放し、伯爵家は傾いた。長年、何とかエヴァレット家の再興を考えていた伯爵は、先の大戦での英雄であり、資産家でもあるラングフォード侯爵家の当主・シルヴェスターが結婚相手を探しているが、何とも血生臭い異名と強面のせいか中々相手が決まらないとの噂を聞きつけ、リリーの存在を思い出し伯爵家側から結婚話を持ち掛けた。婚姻が成れば多額の支度金と金銭援助が見込め、ラングフォード侯爵家の後ろ盾も付く。しかも、もしどうしても夫婦同士性格が合わないとなれば後継さえ産んでくれたなら、離縁にも応じる上、多額の慰謝料を支払い伯爵家との関係も解消しないと言う。よっぽど結婚相手に困ってるのか、かなりの好条件でとにかくこの結婚は何一つ伯爵に損は無いどころか得ばかり。シャロンが過去に背負わせた伯爵家の損害と迷惑をその娘のリリーが償えと言う何とも心無い命令でした。家の借金さえもままならないのに、いくつもの領地まで売って作った伯爵家の損害額など返せる当てのないリリーは泣く泣くその話を承諾。急ぎ伯爵令嬢としての教育が施されますが、母の教育の賜物で基礎はしっかりしていたおかげで予想よりも仕上がりは早かった。この伯爵の言動にかなりムカつきますが、家格が上の侯爵家に恥をかかせて伯爵家に多大な迷惑とかけた娘は可愛さ余って憎さ百倍と言った心境なんでしょう。ましてや娘を浚って行ったデニスには憎しみと怒りの念しかないようで、父にも似ているリリーにもいい印象を持っていない様子。幸いあの後対面した叔父夫婦が姪のリリーにも良くしてくれて、実は様子見の者を寄越していたのも、医者と薬を届けようと動いてくれてたのも叔父でした。こんな話断ってもいいんだと言ってくれたけど、その後被るであろう叔父たちへの迷惑を考えればリリーの選択肢は一つ。祖父の言動からして違和感あると思っていたら、やはりリリー親子を見守ってくれてたのは叔父夫婦と分かり余計に迷惑はかけられませんよね。そして初顔合わせの日、伯爵邸にやって来たシルヴェスターは何とも眼光鋭い青年で、さすがは「首狩り将軍」の異名に相応しい強面でした。窓から眺めていたリリーは視線に気づいたシルヴェスターに睨まれ萎縮してしまい、顔合わせの席は何とも気まずい雰囲気。しかし、彼は本当に自分が相手でいいのか?と念押しで何度も尋ね、リリーの気持ちを慮る姿勢を見せ顔に似合わず優しい人なのだなと感じた彼女は不安はあるものの承諾の意志を伝え、その後盛大な結婚式を挙げると二人は晴れて夫婦となりました。若くして侯爵夫人となり暮らし始めたラングフォード邸での生活は何とも快適で、使用人達は過去にシルヴェスターに拾われた者も多く、主人への忠義に厚い彼らは漸く来てくれた奥方に喜び気持ちよく尽くしてくれる。夫のシルヴェスターも表情は怖いけど、リリーを溺愛し、何かと慣れぬ贈り物をしては喜ばせようとしてくれて、政略結婚だったけどいつしか彼女も夫に対して愛情を持ち始めます。生活にも慣れた頃、避けて通れぬ社交の場に招かれることとなり、そこでリリーは貴族令嬢達に口さがない事を言われ傷付きます。そんな令嬢達を諫め彼女を助けてくれたのは「社交界の花」と呼ばれ、見るからに令嬢の中の令嬢な雰囲気のパトリシア・オルコット嬢でした。話し上手で夜会に慣れぬ自分に仲良くしようと言ってくれたパトリシアにリリーは憧れ、その後茶会にも何度か呼ばれ親交を交わしますが、ある日同席した令嬢から、パトリシアがシルヴェスターと元恋人同士で婚約目前だったが、彼女の父である侯爵に「首狩り将軍」に娘はやれないと泣く泣く引き裂かれたという経緯があったと聞きショックを受けるリリー。しかもパトリシアはまだ彼に未練があるようだ。その話を耳にして以降、何故かリリーの目につく所でパトリシアとシルヴェスターの不貞を示唆する出来事がいくつも起き、彼女の不安は増す一方。なのに、当のシルヴェスターは弁解もしない上に、リリーの外出を禁じるとまで言ってきた。積もり積もった怒りでリリーはキレて大喧嘩となり、実家に帰るとまで言い出して・・・。終盤近くまでこんな展開ですが、読んでて怪しいなぁと思ってた一連のシルヴェスターの不貞疑惑はパトリシアが仕組んだもので、彼とは付き合ってすらおらず、逆に「首狩り将軍」との結婚などごめんだと持ち上がった婚約話は彼女から断っていた。でも、よくよく考えてみれば20代で将軍まで登り詰めたシルヴェスターは侯爵家の当主でもありかなりの優良物件だった。逃した魚はあまりにも大きい。なのに正統な血筋でもない田舎娘がシルヴェスターの妻に収まるとは、と何とも自分勝手な嫉妬から二人を仲違いして離縁させ、その後に後妻に収まろうと企んでた性悪女でした。離縁にリリーが応じないならどこかに呼び出して浚い、駆け落ちでもしたことにして消してしまえとまで考えてたそうだから、いやはやどういう性格してんのよ。しかしそんな浅はかな目論見はあっさり見抜かれており、リリーに近づくパトリシアの行動に目を光らせていたシルヴェスターは証拠を掴むまで彼女を泳がせていましたが、パトリシアからの苛めに耐えかね辞職したオルコット侯爵家の元メイドから作戦の全容を聞くや、さすがにリリーの殺害は最後の手段だろうがそこまでパトリシアが視野に入れてるなら急ぐ必要がある。不安にさせないため口を噤んでいたことが逆効果となり、身の安全のために外出を禁じたらリリーにキレられたのが大喧嘩になったあらまし。悪いことはできないもので、シルヴェスターの意趣返しにより、パトリシアの本性とやらかしていた事が大勢の貴族たちの前で暴かれ、罪には問われずとも彼女はもう社交界では相手にされないだろうことは明白。今回の騒動を全く知らなかったパトリシアの父・オルコット侯爵が、分別ある人っぽそうなだけに少し気の毒でした(^_^;) 娘の恋路を邪魔した鬼父みたいな話まで捏造されてたしね。バカな娘のせいで・・・。作中の悪人と言えばこのパトリシアくらいのもので(悪人に該当しそうなエヴァレット伯爵は理由を思えばただの性格悪い頑固な爺さんなだけ)一連の騒動で夫婦関係に亀裂は入りかけたものの惚れた弱みか、割とすぐにシルヴェスターが折れて事情説明するので仲直りも早くじれじれ度も少な目です。この辺展開が早いのはページ数の都合かな。初対面時に睨まれたのは単にリリーが好みのドストライクでガン見してた所、目つきが鋭くなっていたというオチ。はいはいバカップルw何だかんだと可愛らしい夫婦のお話でした。評価:★★★★展開も早いしTL小説を読みなれない方にも読みやすいかと。話も面白いのでおススメです。絵柄のせいか、表紙&挿絵イラスト見るにヒーローの外見は強面というよりただ目つきの悪いハンサムにしか見えない(笑)
2022.01.21
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2021年9月刊くるみ舎・こはく文庫著者:宮永レンさん「まもなく18歳になるロッティは、来月には孤児院を出なければならない。そのために仕事を探しているが、うまくいかない。そんな時、たまたま泥棒に遭った老紳士ヴォルフを助けると「うちに来るといい」と言われ、仕事が得られたと大喜び。だが翌日、彼女のもとにヴォルフの息子を名乗る端正な顔立ちの青年がやってきて、金目当てだろうと一方的決めつけ、いくばくかの硬貨を置いてあきらめるよう言い放つ。さらにその翌日には、別の者がロッティを迎えにくる。混乱するロッティ。そんな彼女は迎えの者から、ヴォルフ老人がリンジー伯爵であること、伯爵がロッティを養女にと望んでいること、そして息子のトレヴァーが反対していることを教えられて驚く。戸惑いながらリンジー伯爵家に向かうロッティを、温かく迎えてくれるヴォルフと、拒絶する嫡男のトレヴァー。そんなトレヴァーから、ロッティは伯爵令嬢としての社交マナーを学ぶことになるのだが……。」↑楽天ブックスより、あらすじ文引用昨日に引き続き、こはく文庫の作品です。こちらもamazon kindle unlimitedにて読み放題対象品となっており、私はそちらで読みました。大まかな内容としては、孤児院育ちの少女がひょんなことから伯爵家の養女となり、他人に厳しく自分にも厳しい義兄と恋に落ち幸せになるお話。貴族ものが続いてますけど、単に一時期ドハマりし大量に読んでたおかげで感想のストックがたんまりあるからです(苦笑)現代ものもそのうち合間に挟みますので。ここからネタバレと感想。じきに18歳の誕生日を迎えるヒロイン・ロッティは孤児院育ち。孤児院の規定で18歳になると独り立ちして出て行かねばならず、「衣食住」揃った職場を地元の町で探していました。が、顔馴染みで最後の希望だった宿屋の女将からも不景気から人は足りているとすまなそうに断られ途方に暮れるロッティ。ヒロインは孤児なため、住み込みに食事つきという仕事条件も判るんですが、「衣」までとなるとお仕着せがあれば尚良しってことかな。この国では18歳から成人とみなされ、同時に様々な事も解禁となるため出来る仕事内容も増える。孤児院はどこもカツカツで成人になった者達まで置いておけません、そこであの規定でした。優しい院長は子供たちが成人して旅立って行くたびにこの規定に胸を痛め、もうすぐ出て行くロッテイのことも心配していました。ロッティはそんな院長のいる孤児院があるこの町に愛着があり離れがたく思っているけれど、田舎であまり治安も良くなく貧しいここで住み込みの働き口を探すのは難しい。腹を決めて別のもう少し栄えた町に行くべきかと考えていたその時、背後で老人の騒ぐ声が聞こえ目をやると、どうやら持っていた高価そうなステッキを引ったくられたらしい。正義感が強く足の速さに覚えのあるロッティは犯人を追いかけ、勝手に転んだ犯人から無事ステッキを取り返し持ち主に渡しますが、改めて見るとステッキの頭部分には大粒の宝石が嵌めこまれており、老紳士は随分と身なりも良くおそらく貴族と思われた。ここは治安が悪い。こんな紳士が一人で歩いていたらさぞいいカモだったろうと、やんわり注意すると、感謝の言葉を述べる紳士は是非ロッティの両親にもお礼をしたいと言うと、孤児院育ちなので親はいない、話の流れからじきに孤児院を出る歳になるから職探しをしていることもつい話してしまいます。そしてそれが難航してることも。ロッティの事情を聴き、紳士は「なら、うちに来ないか?」と提案。仕事の斡旋かと喜ぶ彼女に紳士はライアン・モルダー・ヴォルフと名乗り、リンジー伯爵だと言う。リンジー領のことは噂で聞いたことしかないが、この町から離れることになっても伯爵家で働けるならありがたい。幸いにも紳士は院長の名前を知っており、あの孤児院の子なら申し分ないと言い、後日孤児院に迎えの馬車を寄越すからと告げ、紳士とは一旦別れます。荷造りしながら迎えの訪れを心待ちにするロッティ。数日後、銀髪の気難しそうだがやけに顔のいい青年が孤児院にやって来て、ロッテイに面会するとおもむろに金貨の入った袋を渡し、この話は無かったことにしてくれと無愛想に告げられます。せっかく見つかった仕事をあの紳士から取り消されたのならともかく別人に横柄に告げられた挙句、金をやるから文句を言うなばりの態度に頭にきたロッティは納得いかないと食い下がり、二人は一触即発なムードに。金も返そうとしたが、それを無視して話は終わったとばかりに立ち去る青年。この状況にまたもや途方に暮れるロッティ。院長に職が見つかったと喜ばせたばかりなのに、断られた事は黙っていなければまた心配させてしまう。まんじりともしないまま誕生日を迎えたロッティが取り敢えず貰った金貨でリンジー領に向かうことを決意していたら、そのリンジー伯爵家からの迎えの馬車が到着し、乗っていた従僕から先日の青年・トレヴァーが伯爵の長男であること、彼は父親がどこの馬の骨とも判らないロッティを養女にすることを大反対し、勝手に金で解決しに行ったのだと聞かされ、情報量の多さに唖然とするロッティ。先ず、仕事の斡旋ではなく「うちに来い」とは養女になれと言う意味だとは予想外だった。そりゃいきなり聞かされた息子は反対するよ。どちらにせよ今日で孤児院は出て行かねばならず、約束通り迎えが来た。かくて、ロッティはリンジー領へ旅立つこととなりました。父がメイドを雇った程度で遠路はるばる断りに来たトレヴァーって、と思っていたら、まさかの養女とは。伯爵も随分気に入ったんだなってことですが、財産目当てで人のいい父相手に一芝居打って近付き取り入ったのでは?と思われても仕方ない気はします。トレヴァーは彼女の為人を知りませんからね。言い合いにもなったから第一印象はお互い最悪でしたが、屋敷で再会した伯爵の話によれば、遅く出来た息子のトレヴァーは地方裁判所の判事を務めており、優秀だがお堅い性格で人付き合いと特に女性が嫌いらしく、いい歳になっても結婚する気が更々ないことに憂いてました。そして伯爵はずっと女の子が欲しかったから、正義感が強く優しいロッティを一目で気に入り養女に迎えたのだとも。会話の途中で仕事から帰宅したトレヴァーと再会しますが、案の定ロッティには冷たい態度。でも当主が決めてもはや覆ることは無いだろうし、彼女ももうここに来てしまった。これ以上反対しても仕方ないから諦めたが、その上引退して以降慈善事業に全財産をつぎ込みそうな父に頭を痛めていると、そんな息子の苦労も見ないふりして、伯爵はロッティに貴族令嬢として最低限必要なマナーと勉強の教師をしてやってくれとトレヴァーに頼みます。売り言葉に買い言葉でまんまと教師役を引き受けさせられたトレヴァーの、やるからには妥協せず徹底的な厳しい授業が始まり、ロッテイは生真面目ながらたまに不器用な優しさを見せる彼に次第に惹かれていき・・・。所謂義兄妹ものの恋愛ストーリーですが、見ての通りの関係のため背徳感はゼロ。ヒロインを養女に決めたのも彼女の性格もさることながら育てた院長の為人もあったようで、なぜ伯爵が孤児院に詳しいのかと思ったら慈善事業に力を入れてたからだと分かり、これも後にヒーロー&ヒロインの将来にも繋がっていきます。ページ数の兼ね合いか、途中でトレヴァーが捜査に携わっておりロッテイの友人も被害にあった結婚詐欺&連続女性誘拐事件も水面下で起こっていて、二人の恋を挟みながら話はさくさく展開していきます。お堅いトレヴァーがロッテイに落ちるのも早かったwロッテイが事件に巻き込まれ、無事保護された時に勢いで告白、そのまま一線越えかけたものの、トレヴァーもあの時はよく我慢したなぁと感心しました。事件後、リンジー伯爵にロッティとの養子縁組を解消してもらい、兄妹の関係でなくなってから式を挙げることにことになるのですが、余計なトラブル回避のためか法律で養子縁組の解消は最低1年経たないと受理されない決まりとなっていました。そこでのんびり時を待つよりはと、トレヴァーは判事を辞め、彼女と心通わせるうちに興味を持ち始めた父親の慈善事業の仕事を受け継ぎ精力的に活動を始めます。ロッテイと二人で数多くの貴族の催しに顔を出しては融資や寄付を募り、事件解決で王家からの覚えも目出度く、その上活動に一枚噛んでくれたことから様々な支援や基金設立に成功。その中には孤児院出身の子供たちの就労支援や生活が安定するまでの生活費の支給、やむに已まれず一人で子供を育てる女性たちへの職業斡旋や経済的支援というものもありました。そんな忙しい日々を送り長いようで1年はあっという間に過ぎ、沢山の功績を上げた二人は多くの人に祝福されて式を挙げ結ばれました、で幕。ヒロインが前向きで真っ直ぐな明るい性格なので序盤はヒーローとは喧嘩ばかりでしたが、結構可愛い関係の二人で読んでて何とも微笑ましかったです。評価:★★★☆この時代背景にしては二人が着手した基金の制度が素晴らしい
2022.01.20
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2020年8月刊くるみ舎・こはく文庫著者:上原緒弥さん「両親を不幸な事故で亡くし、叔父夫婦に引き取られた元伯爵令嬢・シャロン。使用人同然の扱いに耐えながら慎ましやかに暮らしていたある日、従姉妹のアデラに、隣国の宰相の元に嫁ぐよう王命が下る。しかし相手が冷冷酷無比な人物だという噂の宰相であるため、アデルは婚礼を受け入れない。そこで、シャロンが身代わりとして嫁がされることに……。使用人としての生活に未練もなく、半ば自暴自棄な状態で新婚生活をスタートしたシャロン。しかし夫となった隣国の宰相・マティアスは噂とは異なり、シャロンに優しく接してくれる。新居の使用人たちからも親切にされ、シャロンは「身代わりの花嫁」であることに罪悪感を募らせていく。夫婦としての生活を続けていく内、マティアスに惹かれ始めたシャロンは、彼から「アデラ」と偽りの名前を呼ばれることさえも辛くなりはじめて……。」↑楽天ブックスより、あらすじ文引用こちらも電子書籍オンリーのレーベルさんですね。約1年半くらい前の作品で、amazon kindle unlimitedの読み放題対象になっており、私もそちらで読みました。内容は正に王道、不遇ヒロインが身代わり花嫁になるシンデレラストーリーです。ここからネタバレと感想。ヒロインのシャロン・メレディスは侯爵家の長女。事故で両親と妹を一度に亡くし、叔父のティアニー伯爵家に引き取られます。父に似て優しく穏やかな叔父はシャロンに良くしてくれていたけれど、その妻のイヴェットと娘のアデラからの風当たりは強く、叔父が急死してからはシャロンは二人から使用人同然の扱いを受けるようになり、虐げられながらも耐え続けていました。おかげで彼女は誰と話す時でも吃音が出て、使用人からも馬鹿にされる始末。叔父さんが良い人だっただけに、つくづく貴族同士の政略結婚恐るべしと思いました。こんな性格悪い奥さんとじゃさぞ毎日気も休まらなかったろうに。しかも娘も母親そっくりの気性と来てる。そんなある日、アデラのいつもの我儘でオレンジを買いに行かされたシャロンは町でならず者たちに絡まれるもフード姿の青年に助けられて事なきを得ます。ほんの僅かな邂逅でしたが、家族と叔父が亡くなってからは初めて優しく気遣われたせいかシャロンはフードで顔も良く見えなかったけどその青年が忘れられませんでした。この出来事から暫く経ち、アデラに隣国の宰相に嫁ぐよう王命が下ります。今回の二人の結婚は両国の友好関係をを示す大事なものですが、宰相ことアルヴィエ公爵には冷酷無比で不細工な男だという噂があり、そんな人に嫁ぐなんて真っ平だと駄々をこねるアデラ。娘可愛さに困り果てたイヴェットは、社交界デビューもしておらず、どうせ顔は知られていないのだからとシャロンをアデラとして嫁がせることを画策します。思うんですけど、この手の身代わり婚系の話は本物が家出してたりして苦肉の策としての方法で、今回の場合使用人たちに口を噤ませたとしても隣国に嫁に行った娘が外を出歩くわけにもいかないし、本物のアデラをずっと隠れて暮らさせる気なんですかね。こっそり外国にでも出なきゃ嫁にも行けないやん(^_^;)これまでの生活ですっかり諦め癖が付いていたシャロンは、このまま使用人扱いされ続けて生きるよりはマシだとイヴェットの命令に従い、アデラ・ティアニーとして隣国の公爵マティアス・アルヴィエに嫁ぎます。色々覚悟してやって来た公爵家ですが、当主のマティアスは冷酷無比な面など欠片もなく、ましては不細工などととんでもない長身でハンサムな青年でした。吃音癖の抜けない彼女の話を根気よく聞き、優しく接してくれる夫に惹かれていくシャロン。使用人達もみな気の良い者たちばかりで若き公爵夫人を歓迎してくれている。マティアスの母が訪ねてきた時も侍女たちの助けもあり何とか上手く対応できたようで、結果義母にも気に入られ、マティアスもまた彼女を愛しく思い始めます。でも、この生活が幸せなほど自分が身代わりの花嫁なことを気に病み始めた彼女は、マティアスにアデラではなく、本名であるシャロンと呼んで欲しいと願うようになりました。そんな折、家族の命日が近づき、ティアニー家にいた時も欠かさなかった墓参りをしに国に帰りたいとダメもとでマティアスに頼みます。親代わりで世話になった伯父一家の墓だと偽る心苦しい願い出でしたが、マティアスは快諾。しかも付いてきてくれると言う。かくて、墓地ににやって来た二人は墓周りを綺麗に掃除し、マティアスが墓に眠る家族に挨拶までしてくれたことに胸を熱くするシャロン。そんな二人を、伯父一家の墓参りに訪れていたアデラが木の陰から覗いていました。シャロンの隣に立ち、彼女に気遣うよう接するマティアスを目にし、噂に聞いてた宰相と全然違うじゃない、と憤慨した彼女は母に相談してシャロンとの入れ替わりを目論んで・・・。このクソ母子、あろうことかマティアスの留守中にアルヴィエ邸に乗り込んでシャロンを脅し、アデラに妻の座を譲るよう命じるんですが、噂を鵜呑みにして結婚を嫌がり無理矢理身代わりにして結婚させておきながら、後でいざ相手の良さに気付くや立場を変われと好き勝手言ってくる。でも、シャロンも勇気を振り絞りその命令を拒否。怒り心頭なイヴェットに殺されかけた所を帰宅したマティアスに救われますが、悪いのはシャロンだと叔母が嘘八百を並べ立て身代わり結婚のことも暴露されます。が、マティアスはそれがどうした、な態度。彼はとうに気付いていました、なぜならシャロンはオレンジの子だった。見るからに使用人の身なりをしていた娘が伯爵令嬢として嫁いで来たのだから、何かあると思い最初は彼女のことも少し疑っていたけど、おどおどしていた彼女がそんな大それたことを目論むはずもなく、イヴェット達に脅されるなりして無理矢理やらされていたに違いないと。更に結婚相手の身上はよく調べるものだとの答えに、ホントそれな。実は、叔父・ティアニー伯爵と隣国の国王は旧知の仲で、死の直前に「妻が自分を殺そうとしている、もし自分が死んだら墓を暴いてでも死体を調べてほしい」という旨の手紙を王に送っていました。非公式の調査のためにマティアスが秘密裏に動いてたらしく、その最中、偶然ならず者たちに襲われていたシャロンを助けたのだったというオチ。デスヨネー、だと思ってた。シャロンを始末しようと持ち込んだ毒は叔父の遺体から検出されたのと同じもので、それが証拠となってイヴェットが夫を毒殺したことが判明します。その後イヴェットは本国へ強制送還され重罪人として裁かれることが決まり、アデラは父の殺人には加担せずとも、偽装結婚を示唆し侯爵令嬢への脅迫罪が問われ、加えてとある証言から貴族令嬢数人を手酷く迫害していたことが発覚し、極めて悪質と判断され修道院送りが決まったそう。ティアニー家は取り潰しとなり、シャロンも脅されてのこととは言え偽装結婚の片棒を担いでいたことから罪に問われるかと思いきや、マティアスの口利きと王の計らいで無罪放免。しかも、二人は愛し合っていることからメレディス侯爵令嬢として嫁ぎ直すこことなりました。シャロンは自分が嫁ぐことで後継がいなくなるメレディスの名を返上しようとしますが、結婚後も生涯名乗ることを許されたそうなので、ミドルネームにでも入れるのかしら。不遇ものお決まりのざまぁ展開にはなったものの、性格悪いだけでなく叔母親子がマジものの犯罪者だったことにΣ(・□・;)てっきり叔父さんは普通に心筋梗塞みたいな病気で急死したのかと。シャロンだけでなく貴族令嬢達まで虐め抜いてたアデラは、誰に見られるかもわからないのに外出して伯父一家の命日に墓参りに来てたらしいから、よくわからん子だったなぁと言う印象。シャロンのことはただ自分より身分が上の従妹を妬んで虐めてただけで生前のメレディス夫妻のことは慕ってたってこと?ちょっとツッコミ所もありましたが、ヒロインが健気なのとストーリーとしては王道なので身代わり花嫁ものが好きならアリかな。決してつまらなくはないので。ヒーローのマティアスがスパダリ系なのも良かったです。評価:★★★あらすじには元伯爵令嬢とありますが、プロットから変更でもしたのか本文ではヒロインは侯爵令嬢です。
2022.01.19
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2021年12月刊IRIEnovel著者:更紗さん「「オリヴィア。君には、俺なしではいられなくなってもらう」家の借財が嵩み爵位を返上することとなった貧乏男爵家の娘、オリヴィア。もう貴族ではいられない。人生最後の夜会に参加した翌朝、誰もが恐れる『黒衣の仮面公』ブラッド=ロンダングが現れ、オリヴィアを妻にしたいと求婚の申し出をした。驚くオリヴィアをよそに、欲に駆られた継母は勝手に婚約を決めてしまったのだが、それはオリヴィアの人生を一変させてーー?」↑楽天ブックスよりあらすじ文引用先月上旬発売の電子書籍ノベルなので結構新しい作品ですね。このレーベルさんはkindleでの取り扱いがないため、ピッコマでポイントチャージ(課金)して読みました。過去に起きた事件で兄を失い、自身も心と体に傷を負った孤独な公爵が前向きな没落貴族の令嬢と出会って恋に落ち、愛すること自分を取り戻していくお話。ここからネタバレと感想です。貧しいせいで縁遠かった仮面舞踏会に貴族令嬢として最後の思い出作りにと参加したヒロイン・オリヴィア=ハートレイ。領地も狭く実入りの少ないハートレイ男爵家は何とか細々とやってきたが借財が嵩み、ついに立ち行かなくなった父は爵位の返上を決意。既にオリヴィアも幼馴染の親が経営している商会で働かせてもらうことが決まっている。でも、彼女なりの精一杯のおしゃれをしても時代遅れのドレスと目立つ赤い髪、貴族らしからぬ畑仕事で焼けた肌を見て仮面を付けていても既にオリヴィアだとバレており、そこかしこから「渇きの令嬢」と揶揄されていましたが、これまた今回珍しく参加した「黒衣の仮面公」ことブラッド=ロンダング公爵の登場で会場内の空気は一変。5年前、王位継承争いで対立していた派閥貴族の陰謀で襲撃を受けたロンダング公爵は、一緒にいた兄を殺された上に自分も重傷を負い、更に肌を焼く薬品をかけられ、幸い命はとりとめたものの顔と上半身には醜い火傷に似た傷跡が残ってしまっていた。見目麗しく社交界でも人気者だった彼の姿は見る影もなく、こうした催しに参加しても誰も近寄ろうとしない。この有名な悲劇は貴族の噂話に疎いオリヴィアも耳にしていましたが、傷を隠すためか伸ばした黒髪と同色の仮面、一見黒ずくめで地味に見えながらもセンスの良い服装と洗練された佇まいの彼に興味を持ちます。貴族人生最後の夜会で踊るのはこの方しかいないと、参加者たちから遠巻きにされていたにブラッドにダンスを申し込むオリヴィア。かつて社交界の人気者だっただけに上手いリードのブラッドにオリヴィアは彼を選んだ自分の勘が当たっていたことに満足しますが、ダンスの後、お互い離れがたくバルコニーへ移動して会話を交わす中、オリヴィアの事情と明るく前向きで初めて自分の傷跡を見ても怖がらない彼女に興味が湧き、そして妻にしたいと考えるブラッド。二人はそのまま別れましたが、翌日父が王宮へ爵位返上の手続きに出向き屋敷を留守中、ブラッドがハートレイ家を訪れ、オリヴィアに結婚を申し込みます。僅かな時間の邂逅でも昨夜の件でブラッドを憎からず思ってはいても自分はもう貴族ですらなくなるため、その申し出を断ろうとすると爵位返上に納得いかず文句を言い続けていた継母が、公爵家との縁組に大喜び。これで金銭的援助も期待できると勝手に了承の返事をしてしまいます。が、そんな母子の様子を見てブラッドはオリヴィアの意志も鑑みて、では一か月の間公爵家で一緒に暮らして自分を知ってもらい、どうしてもその気にならないなら破談にしてもいいという妥協案を提示。しかも、彼が上に手回しして、爵位返上をせずハートレイ家がそのまま領主でいられるようにしてくれていました。父も今頃王宮で話を聞いて戻ってくるだろうとも。ブラッドさん、公爵の権力をフル行使してこんな短時間で外堀を埋めて、囲いまくって来てますが、内心でも必ず一か月の間に自分に惚れさせると燃えておりました。そして始まった公爵家での生活は何とも快適でした。良く気の利く使用人たちに、食事も美味しく、用意された沢山のセンスがいいドレス。しかも、専用メイドに毎日丁寧に高価なオイルなどで髪や肌を手入れしてもらってるうちにオリヴィアが元から持ち合わせていた美しさにも磨きがかかっていきます。ある日、社交の場に出るのも勉強だとブラッドに伴われ、舞踏会に出席したオリヴィアは自分が働くはずだった商会の跡取りで幼馴染のフィルと再会しますが、どうやら彼は今回の彼女の婚約が気に入らない様子で公爵相手にも終始慇懃無礼な態度にハラハラ。更に会場ではブラッドにとって喜ばしくない元婚約者・ヘザーとの再会もあり、オリヴィアが今の自分の婚約者だとヘザーに紹介します。だが、ブラッドが席を外して一人になったオリヴィアはヘザーから「彼の容姿が醜くならなければあんたなんて相手にもされない、玉の輿に乗れてラッキーだったわね」(意訳)と嫌味を言われ、彼と暮らしその人となりを知るうちにもう既にブラッドのことが好きになっていた彼女はもやもやするのでした。このヘザー、事件後ブラッドの傷跡を見て悲鳴を上げた挙句彼との婚約を解消して傷心のブラッドを更に傷つけた人物なんですが、その後嫁いだホーランド伯爵家は件の派閥争いでブラッド側に敗れた派閥の一つでした。何も元婚約者の派閥と争ってた家に嫁がんでも、となんて空気読めない女だと思ったら、やっぱりただのアホだったようで。王太子が即位したら反対派閥は粛清の憂き目にあうのは明白。ホーランド家は取り潰しになる前にと、せめてもの意趣返しとして、贅沢をしたいヘザーを焚き付けブラッドの殺害を画策していました。折しもヘザーの出現と投げつけられた言葉、フィルからの忠告などが重なり、お試し期間だからか自分に触れても一線を越えないブラッドの言動にも不安に駆られたオリヴィアは彼と言い合いになり、結果、激昂した勢いで無理矢理ことに及ぼうとしたブラッドは己を恥じ、奇しくも約束の期限最後の日の朝、彼女をハートレイ家に帰します。馬車で送り届けられ、一か月ぶりに帰ったハートレイ領は見違えるほど綺麗で立派になっており、驚いている彼女に声をかけて来た顔見知りの領民の話によれば、オリヴィアが旅立った後、公爵家からの依頼で数名のスペシャリスト達が派遣されて来て、以前から水捌けの悪さで問題視されていた畑回りに水路の設置など様々な改善を施された結果、瞬く間に今のような立派で美しい土地になったと言う。しかも男爵家の財政の立て直しまで。いい旦那さんですねと褒められ、胸を熱くして面映ゆい気持ちになるオリヴィア。この一連のシーン、ヒロインがヒーローを更に惚れ直すという割と重要なファクターだとは思うんですが、ここで忘れてはいけない、前述にある通りまだ一か月しか経過していないことを。せめて三か月くらい経ってればこの領地の様変わりにも納得いくのだけど、いくらその道のスペシャリストでも水路の設計や設置だけでも一月くらいかかりそうなだけに(^_^;)まあ細かいことを気にしてはいけないな。途中フィルとも会い、彼から想いを告げられますが、オリヴィアにもう迷いはなく気持ちは決まっていました。彼女の想いが揺らがないと知るやフィルは潔く身を引きオリヴィアを送り出します。ロンダング邸に着き、早く彼に会いたいと部屋に飛び込んだ彼女が見たのは、毒薬を飲み使用人たちに応急処置をされているブラッドとその傍で気が狂ったように笑い続けるヘザーの姿で・・・・。執事の応急処置がかなりの手際だったのともしもの時のための備えでヘザー来訪の際に人を配置していたのが功を奏しブラッドは助かります。オリヴィアに害を加えると脅されちゃ毒も飲まざるを得ないですよねぇ。黒幕のホーランド伯爵家が作中一番の悪役ですが、派閥争いに負けたのは先見の明が無いからで逆恨みもいい所。元婚約者という立場からブラッドに近づける存在として白羽の矢を立てられ、その虚栄心を擽り実行犯にさせれたヘザーにも全く同情心湧かず、オリヴィアにけちょんけちょんに言われていた様はちょっとスッキリしました。まあ、ヘザーも黙って聞いてるタマでもなかったですけど。この事件の一か月後二人は式を挙げ結ばれましたという終わり方ですが、ラストがほぼ丸々ラブシーンだったのは我慢を重ねて漸く感はあったので、良かったねブラッド、って感じです。評価:★★★★薄い文庫本1冊分くらいのボリュームがあり読み応えありました。作者さんの書き方もあるのか、読んでてヒロインのオリヴィアよりブラッドの方に感情移入してしまった稀有な作品。時間経過の違和感が唯一の欠点(?)
2022.01.18
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2021年7月刊夢中文庫セレナイト著者:織原深雪さん「貧乏子爵家の娘・サリーは家を支えるため、侍女見習いとして今日も真面目に働いている。ある日、友人の誘いで参加した仮面舞踏会でひとりの男性と出会うと、名前も素顔も知らないまま、サリーはその男性と一夜を共にしてしまう。翌朝、彼が次期公爵にして宰相補佐官のローウェン・マクレガーだと気づくと、あまりの身分の差に、サリーは逃げるようにして彼の前から去るのだった。しかし、一か月後、ローウェンの子を妊娠していることが判明。このまま王宮で働くことはできないと思ったサリーは仕事を辞め、城下で針子として働き始めるのだが、その一方で、ローウェンは行方をくらませたサリーを捜していて……?」↑楽天ブックスよりあらすじ文引用こちらもamazonのkindle unlimited会員なら読み放題対象作品になってます。楽天のブログ&商品リンク貼っといて言うのもなんですが、ピッコマ等で連載中のTL小説が結構な数でこの読み放題ラインナップに入ってるので、お試し会員で最初の2か月、\99(だったかな)で読めるだけで読んで解約するか、毎月\980払っても引き続き会員続けるのもある程度の節約にはなると思います。(電子でしか読めない作品もかなり増えましたし)ラストが気になってそこだけ課金も1作とかなら少額で済みますが、必ず何作か出てくるのが常ですからね。塵積もを考えると・・・。何だかんだと毎月10冊くらいは文庫やノベルスも買っちゃうんですけど、抑えてるつもりでも結構な出費なので、この読み放題はかなり助かってます。またもや前置きが長くなりましたが、ここから本題のネタバレ&感想です。ヒロイン・サリーは貧乏子爵令嬢で、家のために王宮の侍女見習いとして真面目に働きながら給金から少なくない金額を毎月仕送りしていました。ある日、そんな生活の気晴らしになればと友人に誘われてとある仮面舞踏会に参加したサリーは、そこで運命的な出会いをします。しかも、お互い仮面をつけながらも相手側の青年もサリーを気に入ったようで、場の空気と雰囲気に流されるまま会場から抜け出した二人は一夜を共に。早朝目を覚まし、正気に戻ったサリーは隣に寝ている青年に目をやると、何と以前から密かに思いを寄せており遠くから見つめるだけだった宰相補佐官のローウェンだった。役職もさることながら、もうすぐ公爵を継ぐらしいローウェンと貧乏子爵の娘の自分では身分差があり過ぎると、彼が起きる前に逃げ出したサリーは、昨夜のことは自分だけの思い出にしようと心に決めます。友人から怪しまれながら、こういう時に限って広い宮内だというのにローウェンと鉢合わせそうになり、必死に身を隠すサリー。そして、ローウェンの方もまた一夜を共にした女性を探しており、ふと視線に入った侍女見習いの少女が何とも彼女に似ている。確かめようと近付こうとすると、もう逃げ出してしまった後で話を聞くこともできない。サリーにとっては美しい思い出ですが、相手は一夜の過ちと思ってるかもしれない。しかもかなりの身分違いということも拍車をかけ、自分勝手な思い込みから二の足を踏んでるサリーに読んでて少しモダモダしますが、ローウェンにとっても忘れられない女性だったようで、せめて眠る前に名前くらい聞いていればと後悔していました。そんな日が続いてあの夜から1ヶ月、サリーは酷く体調を崩し更には月のものまで遅れていることから、まさかの思いで医師の診断を受けると、やはり予想通り彼女は妊娠していました。父親はローウェンで間違いないけど、またもや勝手な思い込みで一人で子供を産み育てることを決心するサリー。そうなれば、このまま王宮にいるわけにもいかないと友人にだけは事情を話してサリーは侍女見習いを辞め、実家にも知らせないまま城下にある洋裁店で針子として働くように。その頃、仮面舞踏会の出席者を秘密裏に調べていたローウェンは、この王宮勤めの侍女見習い達が数人参加していたことを知り、あの風貌とあからさまに自分を避けていた態度からもうあの夜の相手がサリーだと確信していました。が、時すでに遅くサリーは城から去った後。没落寸前の子爵家の娘というからローウェンのために身を引き姿を消したのだろうと察しは付いたものの、このまま連れ戻しても根本的な問題は解決はしない。ローウェンは彼女の実家に探りを入れ捜索を続けつつもサリーを妻に迎えるべく外堀も埋め始めます。一番のハードルで反対されるだろうと懸念していたローウェンの両親である公爵夫妻は、どんな縁談にも乗り気にならず断り続けていた息子がやっと結婚する気になったと逆に大喜びで、相手が下級貴族の令嬢だと言うことも全く気にせずあっさり承諾。しかも、遠い親戚の家にでも世話になっているのでは?とサリー捜索に役立つかとその身の上を詳しく調べていたら、彼女の母の実家が王家と縁続きの由緒ある家だと判明。思わぬ副産物で口さがない貴族連中たちも黙らせられそうだった。あとはサリー本人を見つけるだけ。唯一事情を知っているサリーの友人・ベランナは、あの後結婚を理由に退職していました。お腹の中の子の父親が誰かまでは聞かされていなかった彼女は突然自分を探して訪ねて来たローウェンを見て全てを察します。でも、ずっと思い悩んでいたサリーを傍で見ていたベランナは、自分の口から全てを話すことはできない、サリー本人と話し合うべきと彼女の居場所のヒントだけをローウェンに教えると、彼を送り出します。果たして、ローウェンは臨月で産まれるギリギリまで働いていたサリーを城下町で見つけ出し・・・。総ページ数72ページということもあって、先日感想を書いた「冷徹公爵のよすが妻」より、もっと短く展開早いです。おかげで、じれじれ要素もさくさく進んでくれるので気になりません。でもやっぱりヒロインの後ろ向き思考にモダモダはするんですけど、よくよく考えてみれば、元々付き合ってたとかならともかく一夜だけの関係でしかも妊娠だもんね。そりゃ10代の子には重いか。反面、ヒーローがかなり行動的で用意周到に外堀埋めてから後顧の憂い無く妻に迎えようとしてるあたり、さすがは宰相補佐官と言ったところ。もう臨月になってたのを見るに、作中の時間経過の速さに驚きましたけど、見つけ出すまで時間かかり過ぎだろ、と。とは言え、地方にいる親戚にまで捜索範囲広げてたらしょうがないか。それに一応貴族の令嬢なのにまさか城下町で働いてるとは思わなかったんだろうな。灯台下暗し、その辺はお坊ちゃんな思考だったのかもしれない。あと、ページ数の都合、←一番の理由っぽそう(苦笑)再会後、産気づいて無事に女の子が産まれますが、ローウェンに請われるまま公爵家に迎えられ、そのまま先に婚姻届けと出生届を出し、晴れてマクレガーの姓になったサリー。その子が1歳になってから2人が式を挙げたところで終わっています。取り敢えず、義両親になる公爵夫妻が良い人そうで良かったです。あと、サリーの友人・ベランナが友達想いのよく気の回る頭のいい人だったなという印象。評価:★★★☆テーマ別アンソロに入ってそうな、さらっと読める短編って感じのお話でした。
2022.01.17
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2021年10月刊IRIEnovel著者:夕日さん「「ナナオ……俺を欲しがってくれ。お願いだ」将来自分の店を持つことを夢見ていたカフェ店員の笹倉七緒は、ある日異世界の『パーカネン王国』に迷い込んでしまう。面倒見のいい銀髪の騎士団長トルスティの計らいで、念願のおしゃれなカフェを開くこともできた七緒だったが、訪れる客はお酒目当ての屈強な騎士さんたちばかり。思ってたのとちょっと違う……そんなある夜、珍しくトルスティがひとり店に残っていてーー」↑楽天ブックスより、あらすじ文引用電子書籍オンリーのレーベルみたいですが、現在amazonのkindleでは取り扱いは無く、読むには画像商品リンク先の楽天ブックスや各種コミックサイトでの購入が主な方法になるみたいです。私はこの作品はピッコマのキャンペーンで課金チャージした際の還元とか、たまにあるミッションクリアで貰えた分を貯めてたポイントでまとめて購入して読みましたが、一応、終盤間近までなら無料でも読めます。際限なくなるため他のコミックサイトさんは利用しておらず形態が判らないのでピッコマを例にすると、話読みで最初の3、4話までは¥0、途中まで<待てば¥0>を利用し有料になる終盤だけ購入していくスタイルがおそらく一番お安く読める手段だと思います。TL小説なら\120~\200くらいで済んだり、レーベルや発売日にもよりますが1冊丸々無料だったりすることも。(因みにこのレーベルさんは少々割高な部類かな)ただし、異世界トリップの感想時にも書きましたが、ある程度1冊にかかる日数を覚悟できる方のみの手ではあります、念のため。「時は金なり」とは言われてもこういう節約でもしていかないとジャンル絞っても本は沢山読めませんよね。お金も無限ではないので(^_^;)前置きが長くなりましたが、ここから本題のネタバレと感想です。現在連載で読んでる途中で先を知りたくないと言う方はブラウザバック願います。簡単に言うと、異世界転移したヒロインがそこで念願だったカフェを開き、美形でやり手の騎士団長と恋仲になり慌ただしいながらも幸せに暮らすお話です。なんだかデジャヴ感じると思いきや、アルファポリスの某・異世界でカフェをなんちゃらにシチュが似てるんだな。こちらはTL小説なので、それのR18バージョンみたいな感じかなと思いましたが、本文見たら色々設定が凝っていてこれはこれで面白い。ある日勤務先のカフェに出勤途中、異世界に迷い込んでしまったヒロイン・笹倉七緒。当然見たこともない街中で途方にくれていた七緒に声をかけてくれた住人達は、たまに現れる存在「落ちてくる」異世界人と判断し、この国でそんな人達を保護し検分してくれるという部署の第三騎士団に連絡を入れ、程なく団長のトルスティが七緒を迎えにやってくる。詰所にてトルスティがここがパーカネン王国ということ、この国に限らず「落ちてくる」異世界人が少なくないことを説明してくれます。そして、おそらく戻る方法は無いことも。でも、彼女が迷い込んだこのパーカネン王国は異世界人を厚遇する温情ある国で、生活が安定するまでは無料で住まいを提供ししかも結構な額の生活費まで出してくれる何とも有難い制度がありました。なぜそこまで破格の対応を?と七緒も疑問に思いますが、続けてトルスティに説明された「落ちてくる」もの特有の力・ギフトのおかげらしい。まず、「落ちてくる」もの恩恵として必ず<言葉の壁>が無くなり、どの国に行っても言葉では苦労はしません。そして、個人個人に備わっている夫々異なるもう一つのギフトが重要で、魔法とは概念が違う大小ピンキリだが人によっては水を湧き出させたり攻撃に特化したものなど様々。パーカネンでは個々能力差はあれど、有事の際に国のためにそのギフトを使うことを条件に生活の面倒と身の安全を保障してくれるそうですが、他所ではそのギフトを恐れ異世界人を迫害している国もあるという。どうして異世界人が「落ちてくる」のか原因の究明はされてはいないものの、神々の意志が働いているという見解も王国の保護が手厚い理由にはなってるようで、何にせよ平和な国で良かったと胸を撫で下ろす七緒。そこで気になるのは自分のギフトがどんな能力なのか、期待半分で鑑定してもらうと「人生が幸運に傾きやすい」という何ともボヤっとしたもの。懸念していた検分も問題なく終わり、かくして七緒の異世界生活が始まりました。ギフトとか、王国の異世界人への神対応など面白い設定だと思います。勿論、その恩恵も危険分子でないという条件付きだけど、日本人なら先ず引っ掛からないしね。でも確かに迫害なんて一銭の得にもならないことに躍起になるより、有事の時だけとは言え国のためにその特異な力を奮ってもらった方がいいし理にかなってるのかな。七緒のギフトは本人的にはぼんやりしたものだなぁと思ってたりもしてたけど、個人的にはちょっと羨ましい能力です。一年後、国から支給されていた生活費から贅沢をせずコツコツお金を貯めていた七緒はかねてからの念願だったカフェを開くことに。もう元の世界に帰れないならこの国でやりたいことをやるって前向きですよね。あの時から何くれとなく面倒を見てくれていたトルスティが物件探しに手を貸してくれ、町で生活するうちに仲良くなった住人達の協力によりできた店は七緒の夢の集大成で、例の個別ギフトの賜物かここでの暮らしは日本でのものより順風満帆でした。が、店は予想以上に繁盛しているものの、カフェの常連となってくれたのは荒くれ者も多い騎士団の面々。彼らは勤務が終わるとやってきて、その度に飲めや歌えやの大騒ぎ。ここはいつから居酒屋にと頭を悩ませつつもそこそこお金を落としてくれる騎士団員達に文句も言えず。そんな中、忙しいだろうに毎日店に顔を出すトルスティ。ある日、閉店まで居座っていた彼は実は初めて会った時から気に入っていたと(意訳)七緒に求愛し、流されるままそのまま関係を持ってしまいます(ここからTL展開に突入)男女交際未経験だった彼女はこの状況に戸惑いますが、トルスティとするのは嫌じゃないから困る。でも彼のことが本当に好きなのか判別付かないのに、そんなことだけしてていいのかと悶々過ごしていたら、トルスティを逆恨みしたならず者達に七緒が浚われ・・・。ちょっと命と貞操の危機も感じましたが、七緒はトルスティと常連の騎士団員達により無事救出。吊り橋効果も後押ししたのか彼女もトルスティへの想いを自覚し、自分からも気持ちを告げ、晴れて二人は婚約します。伯爵家の長男らしいトルスティは家族に異世界人である七緒との結婚を反対されてまいしたが、由緒はあっても金は無い伯爵家は騎士団長にまで上り詰めた長男に出て行かれたら立ち行かない、かくして両親は折れ二人の婚姻を認め、程なく二人は夫婦となり七緒は変わらず居酒屋状態なカフェを元気に切り盛りしていました、で幕。薄い文庫本程度のぺージ数なので、ヒロインの誘拐事件を除けば後はせわしない日常と、二人が付き合いだしてからは(トルスティはそう思ってた)時々エッチって内容でしたね。七緒がポジティブなのは勿論元からの性格もあるだろうけど、ギフトや国の手厚い福利厚生制度のおかげかな、世の中やっぱり生活の保障があれば先行きは明るいんだよなぁと読んでてしみじみ思いました。なんか、出会って一年以上気があっても手を出さずにいたのに、トルスティが告白後すぐに手を出してきたから七緒もさぞビックリしたろうなぁ。せめて彼女の気持ちを確かめてから手を出してあげてよ、恋愛初心者なんだから。肉体関係だけ先行してりゃ、そりゃグルグル考えちゃうわ。彼女を気に入って通ってる騎士団員達のうちの誰かに取られるかと焦ったかららしいけど、美形で割とそつなく生きてそうなヒーローのそんな人間臭い面を可愛いと取るべきなのか。評価:★★★☆異世界人への対応など普通にラノベにも使えそうな設定は良かったと思います。あと、読んでてオムライスが食べたくなった。
2022.01.16
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2021年10月刊夢中文庫セレナイト著者:高遠すばるさん「「かわいいアデーレ、私と結婚してほしい」ーーコンラート・フォン・シュナイダーはアデーレ・フォン・マジュラムを嫌っている。ひそやかにささやかれている噂は純然たる事実であり、かつて兄のように慕っていたコンラートは、ある日突然、アデーレを嫌いだしたのだった。……なのに、どうしてこんなことをするの? 周囲の目もあるデビュタントでの求婚の言葉と、その空気にアデーレは応えるしかなかった。ーー不安な思いで彼の妻となったが、コンラートは今までが嘘みたいに優しく、アデーレを甘やかしてくるように……。昔のように穏やかな時を過ごすうち、アデーレはコンラートの役に立ちたいと思うようになって行動しようとするが……」↑楽天ブックスよりあらすじ文引用こちらも割と新しめの作品。リンクは電子書籍ですが、オンデマンドのペーパーバック版(電子の約2倍の値段ですけど)でも発売されてるようです。amazonのkindle Uniimited会員の方は読み放題対象の作品なため無料で読めます。私はそちらで読みました。嫌われてると思い込んでた自分に自信のないヒロインが、長年苦手としていた高スペックな年上の幼馴染のヒーローに実は溺愛されていましたというお話です。恋愛ものではよくある展開と内容だと言ってしまえばそれまでなんですけど、エピローグは少々駆け足な気もしましたが限られた少ないページ数にしては上手く纏まってたと思います。ここからネタバレと感想。ヒロインの伯爵令嬢・アデーレは親同士が親友で長らく家族ぐるみで交流があり、若くして公爵家を継いだコンラートが苦手でしょうがない。幼い頃は何くれと面倒見てくれて兄のように優しかったコンラートのことが大好きだったアデーレですが、いつからか彼は自分から友達を奪い、貰った贈り物の類も取り上げて周囲から孤立させられていたから。でもそんな行動の後には必ずコンラートから代わりにと言わんばかりの高価でセンスの良いプレゼントがわんさかと贈られていましたが、そんなことされたって嬉しくもない。いつしか貴族たちのお茶会などの催しではアデーレはコンラートに嫌われているとまことしやかに噂されるように。序盤でもうコンラートの行為が、嫌っているどころかアデーレを好き過ぎて嫉妬故に周りを牽制していただけだとすぐ判るんですけど、如何せん当の本人の自己評価が低すぎる上に鈍かった(^_^;)まあ、好きな子ほど虐めるって状況とも違ったし、友人すら作らせなかったのは多少やり過ぎ感はありますね。女友達にすら妬いてたか。コンラートの妨害にもめげず孤独になりかけていたアデーレと友達付き合い続けていた令嬢・キティは、すぐ自己嫌悪に陥る彼女に「あなたは変わらずそのままでいいのよ」(意訳)とお決まりのセリフを吐き慰めますが、コンラートはそのキティとの友人付き合いこそ特に嫌がっていました。そんな二人の関係が大きく変わったのは、貴族令嬢なら誰もが待ち焦がれるデビュタントの日。アデーレの苦手意識をまるで理解していない親同士の話で当日のエスコートをコンラートにしてもらうと父から聞かされたアデーレは愕然とするも、娘の晴れの日の準備に盛り上がる両親にもはや何も言えず。周りの視線が痛い中、華やかな会場で突然コンラートは片膝をつきアデーレに求婚。思いもかけない展開に彼女もパニックになりかけますが、いくら親同士が親友でも家格的に自分から断るなんてもってのほか、しかもそんな空気じゃない。かくして二人の結婚は決まりました。盛大な結婚式を挙げ、シュナイダー家に移り住んだアデーレ。伯爵家とは比べ物にならないほどの贅沢な生活に、教育が行き届いているのか気持ち良く尽くしてくれる使用人たち、そして次期宰相候補として忙しい中でも新妻を溺愛するコンラート。最初は面食らいながらも穏やかな生活を過ごすうち、幼い頃の想いを思い出し彼のふさわしい妻になりたいと考え始めたアデーレは思いもかけない事件に巻き込まれ・・・・。戸惑いながらも愛されることで、少しずつでも自分に自信を持ち始めるヒロインの身に起こる事件が何とも痛々しくて、ここからちょっと読むのが辛い展開なんですが、貞操は無事だったのが救い。見るからに怪しく、作中でも特に注意してコンラートが近づけないようしていたキティがずっと恋焦がれていた彼の妻に収まったアデーレを恨んでやらかすんですけど、一番の友人だと思っていたキティの裏切りに当然相当なショックを受けます。が、荒事に慣れているはずもないのに、謂れのない暴力に対して勇気を振り絞り必死の抵抗をするアデーレは、まだ10代の少女なのに随分成長したなぁと思いました。愛は人を強くするとはよく言ったもので。着ていた白いドレスが真っ赤に染まるほど殴る蹴るの暴行を受けたアデーレは浚われた彼女を必死に探していたコンラートに救出され、キティも現行犯で逮捕となり事件は幕を閉じます。目を覚ました彼女に助けに行くのが遅くなったことを詫び、改めて愛してると告げるコンラート。裏でアレコレ画策して外堀埋める前に結婚する前から愛を囁いてればアデーレも妙な気を回さなかったんですけどね、そこをキティに上手く付け込まれてたわけですから。キティもコンラートにストーカーチックな勝手な想いを膨らませていた上に薬物で精神を蝕まれ嫉妬に輪がかかりアデーレに懸想していた兄を唆して事件を起こしたそうだけど、長らくアデーレを騙して自己否定させた挙句コンラートへの苦手意識を増長させるよう仕向けてたり、ホント女の妬みとは恐ろしい。事件後ほどなくして宰相となったコンラート。結婚してから大恋愛をしたというシュナイダー公爵夫妻の話は王国で登場人物の名前を変えた歌劇ともなり後世にも語り継がれたそうで。(アデーレが事件に巻き込まれたのも民衆にはドラマチックに見えたのかな)まあ、この辺は多少蛇足な気もしますが、この時代の娯楽と言えば歌劇や演劇とかだったろうし、きっと晩年まで国民の話題に上るほど随分と仲睦まじい夫婦だったんでしょうね。ラストは三男二女の子宝に恵まれ、更には六人目を妊娠中のアデーレとシュナイダー家の賑やかな日常が描かれています。97ページという短さでよくこの内容を纏めたなと。その分、二人の結婚が決まる展開も早かったりするんですが、よくある設定というのが功を奏したのかも。読者にも分かり易いから余計な説明にページを割かなくてもいいですからね。おかげでさほど時間もかからずさらっと読めますが、終盤ヒロインがかなり痛い目に合う(結構な重症だった模様)のでそういう展開が苦手な方はご注意を。タイトルにある「冷徹公爵」と言う程、冷徹だったかなと思う節はありましたが、基本ヒロイン以外どうでもいいヒーローだったのと、犯人達には容赦なかったからな。評価:★★★★個人的には好きなお話でした。気軽に読めるページ数なのも◎
2022.01.15
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異世界トリップの脇役だった件【初回限定SS・電子限定SS付】【イラスト付】【電子書籍】[ 葉月クロル ]楽天で購入2017年9月発売ジュリアンパブリッシング・フェアリーキス著者:葉月クロルさん「お姫様抱っこがデフォ★な"お兄ちゃん騎士"に、過剰に過激に、甘やかされてます!?異世界トリップした先で、騎士のカインロットさんに護衛されることになったわたし。見た目はクールなカインロットさんだけどーー「ミチルのことは俺が守るからな! 俺のことはお兄ちゃんと呼んでいいぞ?」過保護すぎるほど甘やかして恥ずかしいくらい。移動はお姫様抱っこ、座るときはカインロットさんの膝の上。『氷の牙』と呼ばれるほどストイックな雰囲気なのに、わたしにはゲロ甘炸裂! そんな彼に胸の高鳴るわたしだけど、ついにお兄ちゃん騎士と《偽装》結婚をすることに!? 「くっ! 俺の嫁が可愛すぎて、もはや凶器!」 結婚初夜は、豹変したお兄ちゃんにいやらしい言葉責め&おねだりを強要されてしまって……!?"お兄ちゃん騎士"の理性のタガ、ついにはずれる!」↑楽天ブックスより、あらすじ文引用自分はおまけの脇役かと思いきや実は主役だった、ってお話。小説家になろうの女性向けR18部門であるムーライトノベルスで連載されていた同名タイトルに加筆訂正して纏めたものらしいです。ヒーロー視点の書下ろし番外編付き。発売日を見てもらえると分かるように5年近く前に発売された本のため新品のリンクは出ず電子版ですが(しかもサイズミスった)綺麗で可愛い絵柄なので本文イラスト付きなのは良いですね。発売年月が経ってるおかげか、ミチル編(2巻は主役が違う?未読なので不明)はピッコマの話読み「待てば0」で書下ろし部分も含め全話無料で読めますが、イラストは入ってないし完全無料だと1日1回10ページ弱しか読めないため、それをノベルス1冊分となれば結構な日数がかかるので(1/20までならチャージ半減かかって1日2回読めるみたいですが、それでも話数を考えると)そちらで読み始める方はご注意を。私は当時ピッコマ入りたてで慣れておらず根気よく待てば0で読みました(^_^;)因みに挿絵の方によるコミカライズ版も出ています。ムーンライトノベルズに掲載されていた連載版はノベルスが発売されても4年以上経つ去年秋以降くらいまで読めていたんですが現在削除されており読めません。運良くそちらも消される前に読むことが出来ましたが後日談が少し違う?←何か月も前なので記憶が朧気ここからネタバレと感想。というか、ネタバレに関しては引用したあらすじ文にラストまで要約されて書かれてますね(苦笑)現在連載を読んでて先を知りたくない方はブラウザバックしてください。ヒロイン・大沢ミチルは大の石好きの大学3年生。ある日、同じく石好きで気の合うサークルの後輩・木下麻紀と帰宅途中交通事故にあいます。気付けば2人共何故か無傷なだけでなく、どう見ても現代日本では有り得ない異世界にいました。これぞ流行りの異世界召喚かとワクワクする2人だけど、どうやら召喚石を媒体にやって来たらしく、呼ばれたのは石の持ち主の麻紀だけ。ミチルはただの巻き込まれでガックリ。実はこの麻紀、元々異世界のエスティリア国の人間なのに何かの手違いで日本で産まれてしまった神子だったらしく、精霊からの命によりついに召喚が実行されたのだという。(シチュとしては妖精の取り換えっ子みたいなものかな)事情は分かったけど、居心地の悪い親戚の家で厄介になってた麻紀は日本に特に何の未練もないのに比べ、家族仲が良い上に巻き込まれて来たミチルは元の世界に戻してくれと懇願するも、本来麻紀を迎えるためのもので帰る必要も無い一方通行の召喚です。現状では戻る方法はありませんでした。ショックを受けるミチルですが、国王と同列の地位らしい神子になる麻紀の大事な友達で大学の先輩だということで、彼女のこともエスティリア国の王家は重要人物の「センパイ」と称して丁重に扱うと決定。ミチルには世話係に王弟の妻・リーナが付き、優秀と評判で大層な美形の騎士でリーナの甥でもあるカインロットが護衛騎士に就任します。至れり尽くせりの対応で一転して上機嫌になるミチル。カインロットは一見冷たい印象で侍女たちの話では「氷の牙」という異名で呼ばれてるらしいけど、何とも厨二病臭い呼び名に偽りなく女性たちに黄色い悲鳴を上げられても見向きもせず、ミチルに尽くすカインロットは職務に真面目な男でしたが、どうも自分への対応で奇妙に感じる節がある。そしてミチルはあることに気付きます。彼のストライクゾーンがロリだと言うことに。完全無欠っぽいカインロットさんにまさかの性癖が発覚wwミチルは20歳でありながら見た目は座敷童とあだ名がつくほどの年齢不詳ぶりで可愛らしい上、身長も160あるのに長身揃いのエスティリア国ではかなり小柄の部類らしく、子供に手を出したらさすがに異世界のこの国でも犯罪になる中、彼女は合法的にも正にカインロットの理想のタイプでありました。道理であの過保護ぶり。移動の際、慣れない靴で靴擦れしないようお姫様抱っこがデフォとかお兄ちゃん呼びを要求するとか護衛騎士とは?と思ってたらやっぱりこの世界でも斜め上の対応だった(笑)そりゃ、リーナも甥の残念過ぎる性癖については話に難いですわ、主に疑問に思われなきゃ多分言わなかったと思われる。それでも鉄の意志で耐え抜いていたカインロットですが(あれで?)始まった神子教育で溜まった麻紀のストレス発散の飲み会で前後不覚に酔っぱらったミチルは絡み酒で彼の忍耐の限界値を更新させます。翌日、何も覚えておらず挙動不審なカインロットを尻目に神殿に呼び出されるミチル。そこで待っていた精霊から聞かされたのは帰る方法が見つかったとかいう嬉しい知らせなどではなく、自分が召喚された真の理由でした。石が大好きでコツコツ集めたコレクション1つ1つを大事にして惜しみなく愛情を注いでいたミチルは石たちからも愛されていました。が、あの事故でミチルは本来死ぬ運命で、それを嘆いた石たちの願いを聞き届けた精霊が麻紀の召喚とタイミングを合わせて一緒にエスティリア国に送ることで彼女の命を永らえさせたのです。石たちのミチルへの深い愛に( ;∀;)元の世界ではミチルは事故で既に死んでいるから、例え帰る方法が見つかってももう家族の所へは戻れません。残酷な真実を知って取り乱し過呼吸を起こしたミチルにキスをして落ち着けたのはカインロットでした。この出来事から急激に彼を意識するミチルですが、彼女には更にこの世界でも希少で重要なある適正があり・・・。いやぁ、このお話本当に面白かったです。何でムーンライトで連載?なろうのノーマルの方でいいんじゃと思ったらよくよく思えばカインロットさんがいたわね(^_^;)この人、ミチルとの初夜で喜びのあまり大暴走してたからなぁ。今回、参考に色々この作品のレビューも目にしたんですけど、やっぱりこのシーンが賛否両論で、指摘されてたユーザーさんも多かったのも納得。ドン引きとまでは行かないけどアレは軽く引くわ。まあ、騎士に就任した当初からカインロットの性癖はミチルにもバレてたし、本人たちが幸せならいいんでしょう。それにしても懐妊するの早かったねぇ。今後もエスティリア国での地位も安泰だし、交際期間をすっ飛ばしはしたものの愛する夫もGETしたミチル。仲が良い麻紀もいるし、悪人が一人もいない何とも優しい世界のお話で、ミチルの召喚理由が少し気の毒なのを除けば、最後まで幸せで面白いラブコメでありました。書下ろしの番外編はカインロット目線のお話でしたが、この人は本当にブレないw評価:★★★★☆ストーリー展開、キャラクター、セリフのテンポなどラブコメとして読む分には満点。でも、どうにも終盤のTL要素は蛇足な気がしてしまったのと、個人的に件のシーンの変態度に少し萎えてしまったためそこだけマイナスで。変態チックなラブシーンが苦手な方はそこだけ飛ばすのもあり、かな。
2022.01.14
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子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む (ベリーズ文庫) [ 晴日青 ]楽天で購入「呉服屋の令嬢・琴葉は、継母と義妹に虐げられて育った。ある日、義妹に老舗和菓子屋の冷徹御曹司・葛木との縁談が舞い込む。しかし、義妹に押し付けられ、代わりに琴葉が嫁ぐと、葛木からは結婚を横取りした浅ましい女だと誤解される。しかも、跡継ぎを産んだら離縁すると宣言され…。それでも健気に夫に尽くす琴葉に庇護欲を刺激された葛木は、新妻の初めてを散らし、情熱的に抱き尽くして…!?」↑公式サイト商品詳細ページよりあらすじ文引用2021年11月刊ベリーズ文庫著者:晴日青さんタイトルぅっ! レジに持って行き難いよっ(苦笑)こちらは割と最近発売の作品ですが、ここ数年多いですよね。題名に超短いあらすじというか内容紹介ぶっ込んでんで来てる系。サイトで連載されていた時の原題は「身代わり花嫁の不幸な結婚、のはずでした。」タイトルこっちのほうが良くない?とも思いますが(^_^;)取り敢えず発売日に文庫版で購入。意図せず、貴族ものの感想が続いたので、ここらで現代日本が舞台の作品を。販売元であるスターツ出版さんが運営している小説サイト・ベリーズカフェでも本編&後日談が無料で読めますが、書籍化にあたり加筆訂正され書き下ろしの短編2本が入ってます。ここからネタバレ&感想。裕福な呉服店の令嬢でありながら、5歳の時に母を亡くし、その後嫁いで来た連れ子のいる継母から20年近く虐げられていたヒロイン・宝来琴葉。唯一味方になってくれるはずの実父は継母のウソにまんまと騙され、やってもいない悪さの濡れ衣を何度も着せられたせいで、ついには虫を見るかのように嫌われてしまい血のつながらない義妹ばかりを溺愛し贅沢をさせていました。そんな生活が続いていたある日、昔から宝来家と交流のある老舗和菓子屋葛木家の御曹司・保名と義妹・弥子の縁談話が持ち上がるも、ハンサムだが仕事に厳しく冷たい男性だという保名の噂を聞き、ましてや現在彼氏がいる弥子は乗り気ではない。奇しくも保名は幼い時に葛木家が宝来家のパーティーに招待された際、家族からつまはじきにされ出席も許されなかった琴葉を気にかけ、ケガをしていた指に絆創膏を貼ってくれた彼女の初恋の人でした。いないもの扱いされてはいるものの結婚すら自由にはさせてもらえないだろうと諦めていた琴葉は、その後とんとん拍子に話が進む義妹の縁談を祝福しようとしていましたが、式当日になってまだ切れていなかった彼氏と別れたくないとゴネて結婚を嫌がる弥子。当然、ここまで来て今更やめるわけにもいかないのに弥子に甘い両親は琴葉に代わりに嫁げと無理難題を押し付けます。義妹はまぁ、百歩譲って育ち方のせいでああいう性格になったのも仕方ないこと思わないでもないんですが、とにかくこの親が最低過ぎる。今まで読んできたTL小説の中でも5本の指、いやトップ3に入るかも。とは言え、不遇ヒロインものではほぼ定説でもあるざまぁ展開も勿論あるため、ムカついてもここは我慢。そう、これが宝来家破滅の切欠になるとも知らずに、(ΦωΦ)ふふふ・・・・幼少時から刷り込まれた親に対する畏怖の念と保名の妻になれる喜びもあり、身代わりに結婚の了承する琴葉。しかし、式で花嫁を見た保名は顔合わせした女と別人だったからビックリですよ。←そりゃそうだ今や大きな会社となった和菓子屋の御曹司の結婚式ともなれば盛大で、花嫁が別人なんだけど?と騒ぎを起こすこともできず、沈黙したまま滞りなく式は終了。保名が多忙のため新婚旅行は無く、二人はそのまま保名が住んでいたマンションで暮らし始めますが式の時から色々問い詰めたくてモヤモヤしていた保名から責められる琴葉。しかも、状況説明を求めた宝来の両親は、琴葉は男好きの遊び人で保名をいたく気に入ったので義妹を脅した挙句、当日強引に式に割り込んだのだと話したのだと言う。このクソ親たち、よくもまあこんな嘘八百を。でも政略結婚なら当日花嫁がすり替わってたらまぁそんな与太話も信じちゃうのかなぁ。長年の家族達からの虐めのせいで、卑屈になってしまっている琴葉はこうして強い口調で責められるとしどろもどろで上手く説明することも否定することもできない。それを肯定と受け取ったのか、そんなに男遊びしていたならもしかして今父親の分からない子を妊娠しているかもしれないからと謂れのない疑惑を向けられ、最低でも向こう一か月間初夜さえも拒否されてしまいます。そんなギクシャクした二人の生活が始まり、翌日の朝、どうやら家政婦の類を入れたくないらしい保名はせめて妻なら家事をしてくれと彼女に言いますが、継母からの嫌がらせでやらされ続けていた掃除以外、料理どころかIHの点火方法も判らないとういう彼女に驚きます。しかも高校卒業以来閉じ込められるかのように、ほとんど外にも出ない琴葉は、食料や生活用品購入のために渡したクレジットカードの使い方も判らない。自分が留守中の妻の様子をコンシェルジュに尋ねると保名が出勤中はどこにもいかずに一日中マンションに閉じこもってるらしい。ここまで来るとさすがに保名もおかしいと思い始め、せめてできる掃除だけでもと精を出し何とか夫に気に入られようと懸命に尽くし、様子窺いに電話をかけて来た弥子に唆され初めてカードを切ってセクシーランジェリーを購入してきた琴葉を保名は可愛く思い始めます。そんな彼も実は自分の両親の不仲ぶりを見て育ってきたこともあり、この結婚自体相手は誰でも良かったし、妻に期待することも無かった。ただ、会社の跡継ぎは必要だったので了承したものの、まさかの入れ替わりが起こるとは。騙されたこともあり琴葉には子供が出来たら離婚するとも言い渡していました。徐々ではあるものの、健気で美しい彼女に素っ気なかった保名の態度も軟化していきますが、夫婦同伴の必要があったとあるパーティーに出席した際に起きたアクシデントを切欠にして、二人はついに結ばれます。これを機に琴葉と話すようになった保名は漸くこの結婚の真相や宝来の家での彼女の扱いを知ります。嘘を信じ込み琴葉に冷たく接していた自分を責めつつ、割と早いうちから彼女に持っていた好意に素直になり、更には自分が妻の初恋の相手だったことを知ると愛しさは募るばかり。ここまで来た時は「本当に良かったー」でした。保名も親から愛情を得られず育った人なので一際琴葉の気持ちが判るんでしょう。が、そんな幸せな二人に忍び寄る不穏な影。そう宝来家の面々です。あろうことか、恋人と別れた弥子が、もう贅沢な生活は堪能したでしょ?と琴葉に保名と離婚するよう迫り自分が後妻に入ると宣言。その思考回路はどうなってんの?ばりな要求をしてくる義妹に読んでて唖然。よくよく考えれば保名は金持ちでハンサムだし妻になるのも悪くないと思い始めたかららしく、そんな弥子の願いを叶えてあげて? と嫌がる琴葉に圧をかける継母。こいつ、マジでなんなのそしてそこで、継母がなぜ自分を虐めていたのか本人から理由が初めて語られますが、最初は連れ子である弥子の宝来家での立場を守るため始まったことらしいけど、ここまでエスカレートしてると正直個人的には全く同意できない内容でした。様子のおかしい琴葉から彼女の実家で持ち上がっている自分と弥子との再婚話聞き出すときっぱり否定した保名。どんなことがあってもそんな馬鹿な話を了承するわけがなく、いっそあの店潰してやろうかと殺気立つ保名は、酷いことをしないでくれという琴葉の頼みを聞き、後日開催され宝来家も出展するイベント和風フェスタで彼なりの妻の実家への意趣返しを画策。果たしてそれは充分功を奏し、目論んでいた弥子との再婚話も保名本人に突っぱねられたことから家族に酷く罵られた琴葉はついに自分の口から実家との縁を切ると宣言します。騒動後、宝来家に勤める使用人たちから次女が嫌がっていた結婚を、わが子可愛さに継母が幼少時から虐めていた先妻の娘である長女を身代わりにして無理矢理嫁がせたという噂が真実に尾ひれがついて広まり近所の目を気にした継母は家から出られなくなり、保名の話で長年のウソがバレて夫から激しく責められ離婚話まで出たという。しかし、琴葉を嫁に出してしまったため、宝来家を継ぐのは弥子しかおらず、後妻と離婚するわけにもいかない。そんな弥子も新たに付き合い始めた男に騙され店の商品を転売された挙句借金の保証人にまでなっていたことが発覚し現在裁判中だとか。醜聞を嫌う上客達にはそっぽを向かれ呉服屋・宝来の経営は傾くばかり。金策に困った父は業績が上がり羽振りのいい娘婿の保名に援助を頼みますがあっさり却下されます。そして、今更琴葉にすり寄って助けを請わないよう、彼女に連絡をとることも禁じる保名。この父親もホントバカだなぁ。いくら仕事に追われて目が行き届かなくても、自分の目で見たことだけで判断してれば後妻の嘘にも惑わされなかったろうに。ここまで来るとこの人もある意味被害者ではあるけど、琴葉にしてきたことを思うと同情は出来ませんね。そんな父の思惑通り、琴葉ならあんな目に合っても相談されれば助けてやってくれと言うかもしれないけど、どんなに虐げられててもそれでも家族だと思っていたのに、身を切る思いで絶縁宣言した彼女のためにもここはもう保名が心を鬼にしないと、とも思います。結局斜陽になった呉服店はどうなったのか、そこまでは作中では書かれてません。琴葉のモノローグで裁判中らしいとまでしか語られてないため、取り敢えず倒産は免れて細々とやってるのかなと想像していますが、まあ、結構なざまぁぶりで天晴っす。まさに因果応報ってやつですな。後日談では琴葉の妊娠発覚と、書き下ろし短編にて長男の育児に悩む琴葉の話が1本と、もう1本は子供含めて3人でやり直しの結婚式を挙げるエピが描かれています。また長くなっちゃいましたが、刺さる人にはメッチャ刺さると思うお話です。だって、TL小説の人気要素てんこ盛りですもの。身代わり花嫁、不遇なヒロインに最初は険悪でも後に溺愛してくるハンサムで金持ちの夫、そしてざまぁ展開。個人的には大好きなお話です。←メッチャ刺さった人不遇だったヒロインを支え守る夫がとにかく優しくてイイっ。妻が料理ができず、滅多に外にも出なかったせいで買い物に慣れていないなら自分が会社帰りに総菜買ってくる夫とかなかなかいないよ。素っ気ない態度だったのも序盤の方だけなので、誤解が解けてからはヒーローがスパダリ方向に行くのが早いのも◎260p弱の文庫なので割とさらっと読めます。このレーベルはラブシーンの類を長々入れない上に描かれる回数も少ないため、割と初心者向きかな。(タイトルがちょっとハードル高いかもなので書店購入し難い方は通販か電子がおススメ)ヒロインの不遇ぶりが読んでていたたまれなくなりがちな方は少々ご注意を。評価:★★★★★夫の保名さんがとにかく良いマジで不遇なヒロインもののヒーローはこれくらいの仕返しはしてくれないとね。
2022.01.13
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背徳の婚姻【電子書籍】[ 浅見茉莉 ]楽天で購入2015年11月刊ヴァニラ文庫著者:浅見茉莉さん「おまえは俺のものだ、一生……。信じていた関係が崩れ堕ちるーー独占愛の誘惑「お前を妻にする」家族と自分は血が繋がっていないと告げられた日、ヴィヴィアンは兄と信じていたアンドリューに求婚された。「こうしておまえに触れる日を待っていた」と囁くアンドリューから与えられる、甘く激しい愛撫に夜毎蕩かされ、ヴィヴィアンは情愛と罪悪感に苛まれる。それでも、アンドリューの搦め捕るような執愛に抗うことはできなくて……。」↑楽天ブックス商品詳細ページよりあらすじ文引用。楽天の商品リンクでは発売日のせいか中古品しかなかったので電子版になっていますが、私が読んだのは文庫版です。先に電子でコミカライズ版を読んでまして、原作小説をかなり前に購入していたものの積読になってたのを思い出し、(発売日からして何年積んでた)昨夜読み終わったこともあり記憶が新しいうちに感想上げときます。が、う~~~ん色々とツッコミ所があり過ぎて今回はネタバレの方の長文は書けそうもありません(^_^;)てか、いつも長すぎですよね。でも筆が乗ってる=面白さのバロメータだと思っていただければ。読みやすさを念頭に書き方や文字の明暗、ブログデザインについても現在模索中ではあるのでご容赦を。けれどもこの調子でブログ書いていったら早々にネタ切れしてサボりがちになりそうなので、こんなタイトルも読んだよ、的な紹介もしてこうかなと。話題が逸れましたが、ここから簡単なネタバレと感想をば。社交界デビューをした日、自分が侯爵家の実の娘ではないと当主である父から告げられたヒロイン。しかも美形で頭も良い優秀な9歳上の兄が彼女を妻に望んでいるという。混乱するヒロインを尻目に両親は兄の願いに反対どころか歓迎ムード。寧ろ息子よよく言った感がありありと。まあ、政略結婚が主流の貴族社会で気の合わない令嬢を嫁に迎え入れるくらいなら、自分たちが育てた自慢の娘を息子の嫁にしてずっと傍に置いておきたいよね。でも今更兄と結婚など考えられないとヒロイン・ヴィヴィアンは思い悩みますが、自分付きの侍女を始め屋敷の使用人たちは、これが至極当然の流れとばかりに二人の仲を祝福しており、意を決して相談した親友にも彼女の悩みは理解されません。そこから何だかんだとあり、割と最初の方で強引な兄・アンドリューとヴィヴィアンは深い仲になりますが、そんな関係が続いたある日、アンドリューが彼を結婚相手にと希望してる独身令嬢達の催す集まりにばかり顔を出していることに気付いたことで新たな不安が募り、漸く兄としてではなく異性として愛していることを自覚するヴィヴィアン。折しも、最近ロンドンでは物騒なことに貴族令嬢失踪事件が頻発しており・・・。タイトルに背徳とはありますが、前述のとおり血は繋がってないので言う程背徳感はありません。狡猾で家族とヒロイン以外には腹黒なヒーローが幼い時の約束を有言実行するお話です。既に外堀は埋まりまくってるので、周りも二人が男女の仲になってからは仲いいわねぇという感じで生暖かく見守ってるので、アンドリューに浮気疑惑を持つヴィヴィアンの悩みも、彼を信じてあげなさいとしか言われない。とは言え、傍から見てもアンドリューには彼女しか目に入ってないのはもう丸わかりでしたからね。知らぬは本人ばかりなりで、せっかく彼が気を付けていたのに不安から屋敷を飛び出したヴィヴィアンが件の事件に巻き込まれるんですが、もうね、ここまでがとにかく長い。ヴィヴィアンが自覚するまでもそこそこ長かったのに、自覚してからは本当に自分と結婚してくれるのかとぐーるぐる。まあ、彼女が一応事件に巻き込まれる前フリ自体はちゃんとそこかしこに盛り込まれていたので唐突感が無かったのは良かったかな。恋のライバルとしては王家の親戚筋である公爵家の令嬢がいたものの、名前が出た程度。権力をかさに令嬢の父親である公爵が強引に婚約を進めようとしますが、当然ヴィヴィアン命のアンドリューの鉄の意志は変わらずで、それどころか例の失踪事件を調べるうちに偶然入手した公爵家の秘密をネタに撤回させるという鬼畜ぶりを披露。社交界では血が繋がっていないとはいえ一緒に暮らしてた兄妹で結婚だなんて、と陰口もありましたが、そんな噂も事故死した伯爵夫妻の娘を引き取った親友の侯爵一家の愛情という、ヴィヴィアンの身の上話が美談として語られたことで一転、祝福ムードが広がる中、二人は大々的な婚約発表パーティーを開きました、で幕。話の構成自体がちょっとアレでしたけど、この時代の小物やドレスとかもよく調べて書かれてますよね。が、よっぽどのデッドエンド入稿だったりしたのか誤字やキャラ名の間違いなどが目立ってしまい、重箱の隅と突っ込まれそうですけども、読んでてかなり気になってしまって。侍女カロリーヌの名前をヒロインの親友のシャーロットと二回も間違えてるし、おそらく変換間違いだろうなぁと思われる漢字の誤字もいくつか。もしかして校正さん入ってないのかしら。とまあ気になる点もあったものの、ヒーロー・アンドリューはキャラ的にそこそこスパダリ要素あるのでここは好印象でありました。↑個人的に結構重要ポイントページ数が限られてるせいか、挿絵担当の方が描いてるコミカライズ版の方が余計な要素をそぎ落としてて面白いのが何とも。やっぱり小説で作中やたらと導入されていたヒロインの生活描写(風呂やら寝起きやら食事やら)がテンポ悪くしてたのかなぁ。申し訳ないけど読んでて目が滑って仕方なく(^_^;)ヒーローとのエッチシーンもそれなりに多いので、本筋も内容があって無いように見えてしまうのが何とも残念です。失踪事件に関しては首謀者がヤク中&アル中の割には頭も手間も使ってるなとは思えたんですが・・・・。評価:★★★作家さんのファンの方には申し訳ないですが、私には合わなかったです。ヒーローが好みのタイプだったのが幸い。挿絵は好き嫌い分かれるかもだけど、読まれるならコミカライズ版の方をお勧めします。
2022.01.12
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異世界で魔女に間違われたら愛されすぎて困ります!?【電子書籍】[ 如月美樹 ]楽天で購入2020年10月より配信夢中文庫プランセ著者:如月美樹さん「転移した異世界で魔女と勘違いされてしまった奈々は、アルシャンドレ王国の国境警備隊に保護され、隊長のアンデルをはじめ騎士たちが暮らす砦で共に生活をすることに。騎士たちは皆、奈々を妹のように可愛がってくれ、異世界にいながらのほほんと暮らしていたのだが……そんなとき、敵国の兵が砦内に侵入し奈々は攫われてしまう。アルシャンドレの騎士たちは奈々を取り返そうと奮起するのだが、連れ去られた奈々は敵国の王・カレウスに求婚されてしまう! そしてなにやらカレウスには、奈々を手放せない特別な理由があるようで……。さらに、奈々を魔女と信じて疑わない教会のトップ・教皇ラセラスも、奈々を奪う機会を窺っていて──!?」↑楽天ブックス商品詳細ページよりあらすじ文引用この<夢中文庫>も電子書籍のみのレーベルさんです。最初気付かなかったんですが「王国騎士団独身寮の家政婦」シリーズの作家さんなんですね。amazonのkindleでは今読み放題のラインナップに入っているので、この作品を目にされたことがある方はそこそこいらっしゃるかも。さて、ここからネタバレ有りの感想です。ジャンルとしては異世界転移の逆ハーものってとこでしょうか。突然異世界に転移し戦場の真っただ中に放り出されたヒロイン・奈々はアルシャンドレ王国の国境警備隊に保護され、見た目の幼さ+可愛さにより(この世界の住人たちはみな体格がよく、日本人のヒロインは19歳なのに若く見られ12~14くらいだと思われている)ヒーローである砦長・アンデルを始め、騎士団員達から溺愛されのんびり暮らしていました。当初、奈々は転移してから暫くは、古くから伝承のある、神から遣わされた強大な力を持つ魔女だと思われていましたが、教会で鑑定したところ、何とも判別しにくい結果で終わったことで魔女とは断定されず。それでもまだ絶対そうでないとも言い切れないため、当面の間は砦で彼女を預かり守ることとなったのです。が、この手の異世界召喚系では珍しく、まず主人公キャラにはデフォで備わってる万能言語翻訳機能など持ち合わせていない奈々は意思疎通にも一苦労。身振り手振りでは自分の年齢すら正しく伝えられません。おかげで見た目から奈々は成人にも満たない子供だと思い込まれ、それに拍車をかけて必死に片言で喋り舌の回らない幼児言葉だったことが一層騎士たちの庇護欲をそそり、溺愛は増す一方。そんな愛されヒロインを誰かに取られやしないかと自分の執務室に置きつつ、ヤキモキするアンデル。これねぇ、序盤とエピローグ、モノローグ以外で片言で話すヒロインのセリフの語尾に「しゅ」やら「ちゅ」だの、ずーーーっと付くので読んでてちょっと、いやかなり辛かったです(^_^;)この喋り方が可愛いと思える&特に気にならない人には何の問題も無さそうですが、某・転生公爵令嬢の幼女言葉ですら読んでて苦痛だった私は面白くなければ序盤で挫折してたかも。砦での生活が続く中、漸く奈々は覚えたての数字を使い自分の年齢を皆に伝えられたけど、今度は結婚可能な年齢だと判明したことで騎士たちの目の色が変わり彼女への猛アピールが始まります。かくしてライバルは芋づる式にと増え続けアンデルの気苦労は増すばかり。そんなある夜、星祭りイベントに沸く騎士たちの隙を狙って砦に敵国の王・カレウス達が侵入し、世間ではまだ魔女疑惑のある奈々を連れ去りますが、言語翻訳機能は無くともこれまた異世界召喚モノとしてはお約束の主人公補正・人たらし能力だけはとんでもなく高かったのと、奈々が過去に悲劇の死を遂げたカレウスの妹に少し似ていたという偶然が重なり、ここでも溺愛され王妃にとまで望まれます。しかし、奈々を取り返すべく今度はアンデルたちがカレウスの城に侵入。多勢に無勢でアンデルたちは捕まり殺されそうになるものの奈々の必死の懇願と砦に帰りたいと言う気持ちを汲み、カレウスは折れ、奈々は皆と砦に返されることとなりました。この騒動から数日後、奈々とアンデルたちに王城から呼び出しがかかりますが、魔女を崇拝する教会の教皇ラセラスが何とか奈々を手に入れようと画策し暗躍し始めます。後ろ盾のいない彼女の身柄を教会から守るため、王妹を妻に持つ砦の料理長の養子縁組の話が具体的となったり、作戦の一例として更に足場を固めるべく高位貴族との婚約も提案され名乗りを上げるアンデル。ラスボスって程の存在ではないからか、一応あらすじには名前が載ってる教皇ラセラスが登場するのはなんと終盤もいい所の9章から。「魔女」とは一体?奈々がこの世界に転移された理由の判明とか、アンデルとの深まっていく仲含めここから一気に展開していきます。結構な急展開なので前フリみたいなものも特になかったのがチト残念ですが、ページ数の割に登場人物が多かった弊害かなぁ。カレウス関連の話もホント中盤も中盤からだったし。そりゃラセラスの出番も遅くなるわ。でもまあ皆いいキャラしてたと思います。割と唐突に出て来た奈々の母になる元王女殿下とか、懸念事項が全て片付き、急速に仲を縮め想いが通じ合ったアンデルと奈々は結ばれますが、シーン自体ははそこまで長くなくページ数も少な目。この辺は蛇足とまではいかずとも個人的には無くても良かった気はしますが、一応TL小説ですからね。奈々と致したことがバレてカレウスや副官始め部下たちに弄られまくるアンデルが何とも気の毒でしたwエピローグは本編から16年くらい後のお話。4人もの子宝に恵まれた二人の家庭の様子と、9章で和平を結び友好国となりアンデルたちと交流を続けているカレウスが生まれたばかりの奈々にそっくりな末娘を成人した際には嫁にと希望する微笑ましいエピが描かれています。てか、カレウスもこの時点で40歳超えてるんじゃ。しかもまだ独身だったんかいっ。早く身を固めて跡継ぎを作ってもらいたいだろう臣下たちの心労は推して図るべし、この分だと最低後15、6年はかかるぞ。(この世界の成人は15歳)彼女のために身を引きはしてもずっと奈々を忘れられなかったのね、カレウス(^_^;)異世界転移というファンタジー色の方が濃いヒロインがモテモテの逆ハー展開なライトなTL小説でありました。とは言っても、そういえばこの作者さんの王国騎士団~も同ジャンルだったっけね。このレーベルにしてはページ数も多目なのでそれなりに読みごたえはあります。ビーンズ文庫等女性向けラノベを読みなれてる方ならば、TL小説初心者でも楽しめる作風かと。評価:★★★☆個人的にヒロインの幼児言葉もどきが読んでて苦痛だったのでそこだけマイナスで。片言だけでも良かったんじゃ・・・。話の展開や登場人物は良かったと思います。
2022.01.11
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間違いで求婚された女は一年後離縁される【合本版】【電子書籍】[ ヤマトミライ ]楽天で購入2019年1月発売アマゾナイトノベルス著者:ヤマトミライさん「『一目見た時から私の心は貴方に奪われていた。どうか私の妻になって欲しい。私の愛しい人』「不義の子」と父親に娘としてすら認められず、使用人以上に酷使され満足に食事も与えられなかったシェリルは愛情に飢えていた。そんな彼女に届いた一通の手紙。私を選んでくれた唯一の人。私に愛を注いでくれる人。もうすぐ心暖かなセノーデル辺境伯様に会える!そう願ったのもつかの間、シェリルは予想だにしない言葉を投げつけられる。「いったいお前は誰だ!?」幸せを夢見て、彼の元へと嫁いだシェリルに待っていた悲劇とは?!」↑アマゾナイトノベルス商品ページよりあらすじ引用こちらのレーベルは電子書籍でのみで販売していて、amazonのkindleで購入して読みました。小説家になろうで連載されていたTL小説をまとめて加筆訂正されてるものです。コミカライズ版がもうかなり長いことピッコマの恋愛、TLジャンルでランキング上位に入っているので、この原作よりそちらを読んだことがある方の方が多いかも。去年末くらいまでは小説の方はなろうでも読めていたのですが、どうやら削除されてしまったようです。まあ、なろうにも改訂版で載ってたし内容も変わらないからコミックサイトから削除するよう言われたのかな。さて、ここからネタバレと感想です。詳細ではないですが先の展開は知りたくないっ、な方はブラウザバックお願いします。ヒロイン・シェリルはハルウェート侯爵家の長女でありながら一族の特徴である銀髪も青い瞳のどちらも受け継がない黒髪黒瞳で生まれたため、父からは不義の子と蔑まれ娘とは認めてもらえていません。加えて、母の死後すぐ迎え入れられた継母や2歳下の異母妹からは使用人よりキツイ仕事をさせられる毎日。食事すら満足に与えられない時も多々ありそんな不遇な生活を20年近く耐え忍んできました。このシェリルがとにかく可哀そうなのと侯爵家の連中の言動が胸糞過ぎてマジ許すまじ何でここまでするかな、彼女が養子とかならともかく実の家族やで。人の心とは?と一晩位かけて全員正座させて説きたくなる。とは言え、一応この手の不遇ヒロインものお約束のざまぁ要素も含まれてるので最後にこの家族はそれなりの報いを受けます。辛い日々を過ごしていた冬のある日、シェリル宛にセノーデル辺境伯と名乗る人物から求婚の手紙が届きます。「あなたに一目惚れしたから是非私の妻に」的な内容が書かれていたものの、必ず家族全員で出なければならない催し以外は屋敷で働いているシェリルにはとんと覚えが無い。美人と評判の妹・リリアならそんな話もあるだろうけど、と混乱する中、このクソ親父ついにはどこかでこっそり色目使って引っ掛けて来たんだろうと責める始末。それでも厄介者の娘を追い出すいい機会とばかりに了承の返事を出すと、後日輿入れの支度金2000万ジェンが届き、更にその数日後迎えに来た馬車で(結構な破格ぶりらしいのを思うと、おそらくジェン=日本円の万と捉えていいかと)シェリルは王都から片道何日もかかる雪深いセノーデル領へ。当然、支度金は一切彼女の嫁入り準備のためには使われず、持ち込まれた荷物は妹のおさがりである季節外れのドレス数枚と唯一の趣味である裁縫道具を詰めたトランク一つのみ。迎えに来た御者はあまりの荷物の少なさと、道中季節外れの薄い服で凍えるシェリルに疑問を持ちますが、使用人が侯爵令嬢に余計なことは言えないため、口を噤んでいました。そんな彼女の到着を待ちわびていた夫・セノーデル辺境伯グレイグは現れたシェリルの顔を見た途端誰何の声を上げます。実はグレイグが一目惚れし求婚したのは妹のリリアであることがすぐに発覚しますが、その美貌から数多くの男性と浮名を流し醜聞の多いリリアは外で初対面の相手にはシェリルと名乗っており、当のグレイグのことは鼻にもかけていませんでした。早馬でハルウェート家に経緯を問い合わせたグレイグは返信を読んで茫然。結婚の了承を貰ってすぐ貴族院にシェリルの名で婚姻届けを出してしまったので今更撤回できず、しかも法律上最低1年間は離縁することができません。人違いなのだから離縁後はリリアと再婚も考えましたが侯爵家側はそれを拒否、リリアも国境に近く雪国で田舎(と思われてる)辺境伯領に嫁ぐのはまっぴらだったので。フられただけでなく騙されていたショックからか、リリアでなければ離縁後に誰と結婚しても一緒だと吐き捨てるグレイグに地獄のような日々から引っ張り出してくれた上、ハンサムな彼に一目で好感を持ったシェリルは誰でも一緒なら自分ではだめなのかと縋るも、リリアの策略でシェリルこそ男狂いの好きものということにされていた彼女を妻になどとんでもないと突っぱねます。だが、書類上だけでも妻ではあるため、一年だけは屋敷に置いてやると豪華にあつらえた妻用の部屋ではなく客間に押し込まれたシェリルはそこで一人寂しく過ごすことに。父からは離縁されても屋敷に戻ることは許さないと、問い合わせの返信に同封されていたメモ紙のようなものに書かれており途方に暮れるシェリル。一年後離縁されたらどこに行けばいいのか。支度金をガメといてホントムカツクわこの家族 この件、グレイグが訴え出れば普通に詐欺罪になるのではと思いつつも、一応シェリル宛に求婚出してるからなぁ、何にせよリリアの周到さに唖然。ここから数か月もの間シェリルはグレイグには放っておかれるんですけど、潤沢な支度金を渡してるにも関わらず彼女の荷物があまりにもみすぼらしく少ないことを顔も見ようともしないグレイグは知る由もない中、執事のテリーは年の功か件の噂を疑います。世話をしながら話をするうち段々と彼女の人となりを知り、疑問は確信に変わり何くれと気にかけてシェリルに優しく接してくれるようになったテリーとセノーデル邸の使用人達。ここまで読んだ時点では侯爵家の面々より多少はマシでもグレイグがしょうもない男に見えるんですが、まー何もかも悪いのは姉の名を騙っていい顔した挙句、気を持たせるようなことをしてた上に自分の醜聞まで姉に擦り付けてたリリアですからね。何でグレイグもこんな女に惚れたのかといえば、一目惚れされる程の美人なのと、しょうもない噂の多い姉妹を気遣い庇う(勿論リリアの大嘘)姿に心動かされたかららしい。テリーのモノローグによればグレイグにとって初めての本気の恋だったというから。ちょくちょく女遊びはしてたらしいけど、早くに両親を亡くし愛に飢えてたこともあり、ああもショックを受けていたのも致し方ないのかもしれない。そんな生活が続いた中、グレイグが商談による隣国への長期出張中に起きた領地と屋敷に蔓延した流行り病の際に1人奮闘していたシェリルの働きを実際に目にしたことで彼女への誤解は解け、二人の仲が改善されることとなります。お詫びとお礼を兼ねて招待された夕食の席で、事情の説明を促されたシェリルは実家の無礼と自分が侯爵の嫡子ではないと土下座して詫び、続いてその口から侯爵家のことが語られます。一族の色味を持たない子を産んだと妻を責め追い詰め死なせた挙句、残された娘を不義の子と言い続けて使用人扱いしていた侯爵にグレイグも憤慨してましたが、それが普通の反応というもの。本来シェリルに使われるはずなのに用途不明となっている支度金のことも含め、やっぱりどう考えてもおかしいのは侯爵家の面々。グレイグは自らの過ちを心から詫び、こんな寒い雪国で季節外れの薄い生地の古着しか持たない彼女に暖かくセンスのいい高価なドレスを何着も贈り、時には領地にある市場への視察に気晴らしになればと二人で出かけ、毎日食事も一緒に採るようになる頃にはもうシェリルに惹かれていることを自ら内心でも認めます。なのに、離縁したら行き場のなくなる彼女の居場所を作ってやろうと次の嫁ぎ先を探し始める主人にテリーも困惑。清楚な見た目で優しく気立ての良い娘だしグレイグももう惚れてるのだから離縁などせずそのまま嫁として迎え入れればいいのに、今まで何か月も無視した挙句辛い思いをさせてしまった自分には夫の資格はないという。この時点で使用人たちがじれじれするほど二人は両片思いのドツボにハマってました(苦笑)グレイグ、ここからどんどんと本来のいい男に戻っていくのだけど、グルグルし過ぎてスパダリにはなりきれておらず、色々と惜しい。が、離縁のタイムリミットであった一年が終りに近づいた頃、昔からの友人の招待で訪れた隣国で二人の仲を決定づける大事件が起き、ついにグレイグはシェリルを妻に迎えることを決意。屋敷の使用人たちに祝福され晴れて二人は夫婦となりましたが、幸せな新婚生活を過ごしていたシェリルのもとにグレイグの留守中、もう一年経ったし離縁するんでしょ?とリリアが次の辺境伯夫人になるべくセノーデル邸に現れ、屋敷を占拠するというどエライことをしでかします。幸い手遅れになるギリギリのところで帰宅したグレイグの一計により事なきを得て、リリアは相当の報いを受けることになります。ここはもう読んでてスッキリしました。よしよしよくやった!どうやら、リリアはシェリルが嫁いだ後もアレコレやらかして王都にいられなくなっていました。大金ではあったけど支度金をガメてた時点でおかしいと思ってたら、やはり侯爵家の家計はひっ迫しており、頼みの綱は大物を引っ掛けてくれそうな美人のリリアでした。でも、彼女の醜聞が社交界では広がり過ぎていて都の貴族への輿入れはもう無理。そこで侯爵が持ってきたのは隣国の金持ちだがリリアよりかなり年上でしかも嗜虐趣味があると言う噂のある子爵との婚姻。身売り同然な縁談から逃げ回っていたリリアは、あんな金額の支度金をポンと出す裕福な地方の辺境伯であるグレイグを思い出し、姉の離縁後にその妻になってしまえば、起こした行動だったのです。身から出た錆とは言え実はかなり追い詰められてたのね。結果、セドリックは意趣返しとして、屋敷から緊急の知らせを受けた帰りの道中で件の子爵に連絡を取ってリリアを迎え来させており、そのまま彼女は子爵に連れていかれ事件はあっけなく終わりました。正式に式を挙げて数年後、顔はグレイグ似ながら銀髪碧眼の男の子を産んでいたシェリル。王太子の婚姻で訪れた王都で孫の姿を見た侯爵は愕然。娘を二人とも嫁に出してしまった侯爵家は跡取りがおらず、ハルウェート家の先行きは暗い。その後、侯爵から何通もの謝罪と孫との面会を求める手紙が届きますがシェリルはそれを拒否。さすがに今更、母への仕打ちと虐げられた年月を無しには出来ませんでした。セノーデル家から養子をとることはもう無理でしょうし、リリアが子爵との間に産んだ子は二人ともハルウェート家の色味を持っていなかったのは報い以外の何物でもない気はします。多分、シェリルの髪と瞳の色は母方の血の隔世遺伝とかだったんだろうに愚かなことをしたもので。この一連の侯爵家へのざまぁ要素は読んでてスッキリ。しかしながら少々ツッコミ部分も。どうもこの作者さん、物語の都合でか辺境伯をただの地方の田舎貴族として書いてる節が見受けられたのが気になって。国境の警備まで任されてるのかは不明なれど、地方長官のような役目と独自の権限ががあるらしい辺境伯が領地と屋敷を守る騎士団くらい持っていないのは・・・。屋敷がある国境付近で隣国と小競り合いでも起きたらどうすんの(^_^;)おまけに使用人の数は妙に少なく、主人の不在中とは言え、たかがリリアとボディーガード兼メイドの女二人に屋敷が制圧されてたことに違和感しかなく。それなら敢えて辺境伯になどせず、普通にグレイグは田舎に領地を構えている羽振りのいい伯爵とかでも良かった気がします。あと、グレイグの腹を決めさせるため入れたのでしょうが、体調を崩したシェリルが二人で招待された舞踏会でとある男に介抱の名目で連れ出され凌辱されかかるんですけど、とにかくこのシーンがねちっこくて肝心の二人の初夜のシーンより力入っててなんだかな、と。正直ドン引きレベルな胸糞場面なので、ヒロインがヒーロー以外に無体な真似をされるのを読むのが苦手、という方はご注意を。大筋は面白かったし不遇のヒロインものが好きな方にはおススメできます。評価:★★★★★3つ半と迷いましたが、不遇なヒロインのシンデレラストーリーは大好きなので★4つで絵柄が綺麗で可愛いコミカライズ版の方が読みやすいのですが、こちらも電子オンリーなの残念。やっぱり好きな話は紙媒体で手元に持っておきたいかな。
2022.01.10
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罪深き堅物伯爵の渇愛 (ティアラ文庫) [ 宇奈月 香 ]楽天で購入発売:2020年10月ティアラ文庫宇奈月 香さん「公爵家のため結婚したものの、事故で記憶の一部を失ったエルティーナ。夫だという美貌の男に愛を囁かれ、淫らな愛撫と快感に溺れていく。「君と夫婦になる日を夢みてた」慈しまれる幸せな日々。だが夫の双子の兄であるイヴァンに片想いしていた記憶を取り戻し、それが今の夫の姿と重なりーー。もしかしてこの人はイヴァンなの?運命に翻弄された一途な男が仕掛けた愛の罠とは!?」ティアラ文庫作品詳細ページよりあらすじ引用例え幼馴染でも口の上手い男には気をつけろ、が教訓になりそうなお話です。美麗な表紙イラストに惹かれて読んでみたら内容も面白く、私が初めてのピッコマ課金を捧げた作品であり、紙媒体でも手元に置いておきたくて結局文庫の方も購入してしまいました(*^-^*)ここからネタバレ有りな感想です。去年の秋以降暫くピッコマのノベルスランキング上位にいた作品のため、会員の方はそちらで目にしたことがあるかも。ヒロインは領地の水害で当主である父と跡継ぎであった兄を一辺に亡くした公爵令嬢エルティーナヒーローは親同士が親友で幼いころ婚約者になったヒロインの許嫁で次期伯爵のイヴァンイヴァンには瓜二つの双子の弟・シモンがいます。父と兄を亡くし、病気がちな母を抱え途方に暮れるエルティーナ。この国では女性は爵位を継げず、後継がいない場合国に公爵位を返上しなければなりません。しかし、残された母や公爵家を慕ってくれている領民たちのことを思うと当然そんなことはできず、エルティーナは婿を取らなければいけなくなるんですが、許嫁のイヴァンはもうすぐ伯爵家を継ぐことになっており婿入りは望めそうもない。幼いころからイヴァンに恋していたエルティーナは彼に婚約解消を告げ、葬式の時意気消沈していた彼女に優しく声をかけ婿入りを提案してきたイヴァンの弟・シモンと結婚することになります。が、このシモンがとんでもない食わせ物で、無愛想だけど努力家で頭がよく仕事のできるイヴァンに比べ、要領よく愛想はいいものの飽きっぽく怠け癖のあるシモンは、自分の欠点を棚に上げ双子なのに長男というだけで伯爵家を継いだ兄に長らく嫉妬していました。これぞチャンスとばかりに傷心しているエルティーナに取り入り公爵家当主に収まったのです。(基本長男が家を継ぐので次男や三男が爵位を得るには婿入りするのが常)しかも、エルティーナと結婚し公爵位を継いだ途端本性を現し、彼女の母が亡くなると愛人を屋敷に引き入れエルティーナは離れにある乳母の家に追いやられ、以来不遇な扱いを受けるように。そんなシモンの行動をイヴァンは度々諫めていましたが爵位はシモンの方が上になってしまった為、強くは出れずそのうちブルジョワ公爵邸には出禁となり、エルティーナのことを思うとイヴァンは気を揉む日々。それもそのはず、イヴァンはある出来事がきっかけでしたが素っ気ない態度をとりつつもずっとエルティーナが好きだったのだから。実はお互い両片思いだったというやつです。そんなある日、どうしても外せない舞踏会に周囲に不仲を隠しつつ出席したシモンとエルティーナ。帰宅途中の馬車の中で、ついに彼女は長らく考えていた離婚を切り出します。結婚してもう3年、気がかりだった母も亡くなったことだし公爵としての役目をきちんと果たしてくれるなら自分が身を引くから好きにやればいい、と。おまけにエルティーナはイヴァンを想い続けていたためについ初夜を拒否したこともシモンを怒らせていた原因で二人はずっとそのまま白い結婚でした。シモンが愛人を作ったのは自分にも原因がある。シモンもそう望んでたはずだと思いきや、母の采配で(実はイヴァンの入れ知恵だった)公爵家の財産は全てエルティーナの名義となっており、シモンが好き勝手には使えないようされていました。そこで、彼はならば彼女が事故で死んだことにすればいいと金で雇った強盗に彼女を襲わせます。この辺のやり取り(特にシモンの物言いが)がホントに胸糞で、読んでてかなりイラっときました。まあ、最初から地位と財産目当ての結婚でしたからね。イヴァンがいい男なだけにどうしてこんなにも弟の方は歪んでしまったのか、身内の妬みってのは根深いものなんですねぇ。この場合双子ってのも大きい原因だったのかもしれませんが。強盗に追われて崖から落ちたエルティーナは頭を打ち失神、運よく発見が早く事なきを得たものの目覚めた彼女はある一部分のみの記憶を失っていました。そしてシモンは疑いを恐れてか襲撃された痕跡を残して行方不明に。事件を聞きつけエルティーナをかいがいしく看病していたイヴァンは自分がシモンだと名乗り、当主として公爵家で采配を振るい献身的に彼女を愛し尽くしますが、一緒に過ごすうちに幸せなのにかすかな違和感を覚えるエルティーナ。そんな生活を重ねた中、図書室で家族のアルバムを見たことをきっかけに彼女は全て思い出し、後日事の真相をイヴァンに尋ねついに彼の本心と想いを聞きます。お互い好きだったと分かりハッピーエンドと思いきや間の悪いことに事件以来行方をくらませていたシモンが屋敷に現れイヴァンには公爵位を渡さんと抵抗しますが、彼を匿っていた愛人を蔑ろにしたおかげで企みは全ておじゃん。シモンは逮捕されエルティーナとは正式に離縁が決まり、イヴァンが婿入りして新たに公爵位を継ぐこととなりました。空席になったミケラグール伯爵位は引退していた彼の父が再び担い、将来イヴァンとの子に継がせるとのこと。本来、余計な画策さえしなければシモンは伯爵位を継げたのにバカなことをしたもので。最初からイヴァンの手を取っていればこんな回り道せずに済んだんでしょうが、苦労したヒロインの3年間は一体。そんな彼女を影ながら支え続けていたイヴァンがいなければもっと大変なことになってたでしょう。まあ、彼の態度も分かり難かったのでエルティーナもそりゃ婿養子に来てくれとは言い難かったなとは思います。長らく自分は嫌われてると思ってたのもあったし。とは言え、彼女の誤解もシモンが過去から色々やらかしてたせいでもあるので、(イヴァンが用意していたエルティーナへの心尽くしの誕生日プレゼントを毎年横取りして自分からだと偽って渡していた)つくづくこの作品の諸悪の根源はシモンでしたが相応の罰は受けたのでね。彼の愛人の態度も最初もイラっとはきたのと、強盗の件は彼女の作戦だったので同情はできませんが、この人も上手いこと乗せられてた上に本気でシモンに惚れてただけ。ある意味この愛人もシモンの被害者ではあったけど、やらかしたことを思えば、修道院行きになったのは致し方ないことか。じれじれ度はままありますが、クールに見えたイヴァンが実は愛に熱い男でロマンチストだったのが個人的にかなりの好印象。話の展開も面白かった。終章での二人の甘い雰囲気は砂糖マシマシです。評価★★★★★乙女系を読みなれない方にも読みやすいかと
2022.01.09
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2017年3月発売竹書房 密猫文庫著者:すずね凛さん男爵令嬢アデルは出奔した姉の身代わりに家の負債を肩代わりしてくれる伯爵の元に嫁ぐことに。相手のローレンスは意外にも若く美しい男性だった。思わずときめくも、彼は跡継ぎのためだけの結婚だと彼女を突き放す。傷付くアデル。だが初夜の彼は初めての彼女に優しく触れ、官能を教えてくれる「いいね。君はどこもかしこも感じやすい」次第に彼の誠実さを知り心惹かれるアデルだがローレンスも初々しい彼女に心を動かし始め!※楽天ブックスよりあらすじ引用感想一冊目は王道・すずね凛さんイラストのCielさんに惹かれて最初はピッコマで読んでたんですけど、まーいい所で有料に切り替わってしまいまして課金しても良かったものの、当時はまだ一度課金したら終わりだと思ってたんでギフト券を持ってたamazonでポチ。私を乙女系小説に転がせてもらった思い出深い作品なこともあり今でもちょくちょく読み返してます。ここからネタバレ有りの感想です・(現在ピッコマで連載読んでて知りたくないよっ、な方はブラウザバックしてください)ヒロイン・アデルは破産寸前の没落した男爵家の次女、ヒーロー・ローレンスは幼い頃のトラウマから女性と結婚に不信感がある伯爵家当主で実業家。いい加減生活が立ち行かなくなり屋敷もそろそろ借金のカタに取られそうで、加えて長患いで寝たきりの妻をせめていい医者に見せたいと、当主である父は金策に苦しみ精神的に追い詰められて酒浸りになる日々。ある日、少しは交渉に有利になるかと美人と評判の長女を連れ銀行に融資を頼みにいくが碌な担保が無いので当然断られます融資を断れた挙句酔ってる弾みで自分を融資担当者に売ろうとまでした父に激怒しさっさと恋人とのデートに向かったアダレード。(でもまあ本心ではなかったとはいえ普通にこれは怒るよなぁ)そんな二人のやり取りを見ていたローレンスは借金を全て肩代わりする代わりに男爵に娘さんを嫁に頂きたいと提案。銀行でのことはともかく、いくら借金の帳消しがかかっていても男爵は娘を売る気はありませんでした、ただこの結婚を機に家の状況も考えず我儘放題のアダレードが少しでも落ち着いてくれればとの思いもあってこの話を受けたものの、親の心子知らずかアダレードはアデルを代わりに行かせなさいよと書置きを残して家出してしまいます。しかし、いくら花嫁がいなくなってももはや借金を清算してもらった以上、今度は伯爵にその金額を返すあてがない。考えあぐねた結果、母を路頭に迷わすわけにはいけないからと、姉の書置き通り双子のように似ているアデルがアダレードとして嫁ぐことを自ら申し出ます。元々姉の顔は遠目でチラ見した程度。ローレンスもよく覚えてないだろうことが幸いし、入れ替わりはなんとか成功、二人は対面後に簡単な式も挙げました。ローレンスは銀行で見たアダレードとやってきた花嫁が随分雰囲気が違うので少し違和感を覚えるも、そもそもこれは契約結婚で跡継ぎを産めば妻はお役御免で、できなければ2年で離縁という約束でした。アダレードを嫁に望んだのも、奔放そうな娘なら後腐れなく別れられそうだったから。とは言え、二人の思惑とは外れお互い一緒に暮らすうちに段々惹かれ合うようになります。アデルは本当に健気で気立ての良い子なので(しかも美人)ローレンスが憎からず思うようになるのにさほど時間はかからず、割と早くから二人の蜜月期に突入。案外チョロかった、このヒーロー。まあ、ローレンスが長年わだかまっていた実母のことを考え直すようになったのも、アデルが逃げ回っていた自分の代わりに母と会って話してくれたからで、女主人として張り切り少しでも夫が過ごしやすいようにと気配りする幼な妻が可愛くないはずありません。途中で契約内容を破棄したのも無理からぬこと。しかし、アデルには姉・アダレードとして嫁いできたことでローレンスに嘘をつき続けていることに罪悪感がありもしバレたらと不安にさいなまれていましたが、主の誕生日の準備に湧く屋敷に恋人と別れたからとアダレードがブレア家の妻に成り代わるためにアデルを追い出そうとやってきて・・・。この姉、どういう面の皮なのか、さすがにいくら瓜二つでももう入れ替わりは無理だと思うんですが、真相を全部ローレンスにバラシてくれちゃったおかげで、もうここにはいられないとアデルは泣く泣く実家に帰ります。が、当のローレンスは今更アダレードと一から夫婦生活をやり直す気はさらさらなく、男爵家へ赴き改めてアデルにプロポーズをし直し晴れて二人は本当の夫婦に。男爵家もアデルからの仕送りと借金が無くなったことで荒れ放題だった屋敷も綺麗になり、母も医者にかかることで起き上がれるように。エピローグではアデルの妊娠も発覚し、仲睦まじく暮らしているようで何よりなラストでした(*^-^*)さて、悪役らしい悪役もおらず、でもそんな悪人のいない中ちょっと悪目立ちしてしまった人物として描かれていた姉も根っから我儘で自分勝手だったわけではなく、性格も良く出来の良い妹に劣等感を抱いて妬んでいただけで、自分の行いを反省はしたよう。男爵家も持ち直したことだし、そんなに悪い子でもないため多分姉にもそのうち良縁があるんじゃないでしょうかね。ヒロインが終盤まで罪悪感を持ちづづけていたことと姉の乱入以外は割と二人の世界なので、最後までほぼストレスなく読めます。じれじれはしてないけどラブシーンはそれなりに多目。なにせあらすじからして官能的だし(笑)イラストが美麗で意図せず本棚が違う作者さん作品でもCielさんがかなり多めになってる今日この頃。評価★★★★★個人的に大好きな作品なので高評価です。
2022.01.08
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初めまして一夏と申します自宅で過ごすことが多くなり、好きだった読書熱が再燃。どうせなら読んでて幸せになるジャンルを読もうと手に取った乙女系小説にドハマリし、今は本棚をじわじわと侵食しつつあります(^_^;)際限なくなるからと自重していたamazonのkindleにもついに手を出してしまって(昨今、電子書籍オンリーが多すぎるのがいけない)1日に大体2作くらいは読んでます。あと電子ではピッコマかな、韓国漫画侮れない(需要があればこちらの感想も上げるかも)一言に乙女系小説とはいっても一応ジャンルがありまして、個人的にツボったのは身代わり花嫁ものとスパダリ系。所謂シンデレラストーリーが好きです(とは言え乙女系の大半はこれに当てはまると思う)そんなこんなで、そこそこの冊数を読んできたのもあり、どうせなら感想も書いてみようかなと思い立ちこのブログを始めました。毎日更新は無理そうですが私の感想で少しでも作品に興味を持っていただけたら幸いです。よろしくお願いいたします<(_ _)>※プロフィール画像は「いらすとや」さんからお借りしています
2022.01.08
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