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茨城県稲敷市浮島のシギ・チドリとの出会いを楽しみにして広大な蓮田を探索。その一角にウズラシギ8羽の姿を見つけました。くわえてアメリカウズラシギ1羽の姿もありました。喉から胸まで縦斑が密で腹以下には斑がない点でウズラシギと違いがありました。ただし、撮影はかなわずでした。ウズラシギでは体上面に赤褐色が残り、眉斑がはっきりしている個体、眉斑がぼんやりしている個体とじつにいろいろ。その近くには、体上面の各羽は黒褐色で羽縁が白いタカブシギ夏羽の姿や肩羽に赤褐色味があり、下面が白色のトウネン幼鳥の姿を見つけました。くわえて、タシギの姿も発見。(写真)2026年8月31日撮影
2026.08.31
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2024年7月にオグロシギは夜間も採食するとの文献内容を紹介しました。内容は、「春のオグロシギは主に水田で採食しており、夜間は採食せずに日中のみ落ち籾を採食していることがわかりました。そして日中で得られるエネルギー量だけで1日にとる必要のあるエネルギー量をみたしていました。それに対して秋の渡りの時期にはオグロシギは塩田でユスリカの幼虫を採食していました。そして春とは異なり夜間にも採食していました」「日中の採食で1分あたりに得られるエネルギー量は 0.27 ± 0.01 kJで,春の1.15 ± 0.03 kJと比べてかなり少ないことがわかり、そしてこの量は1日の必要エネルギー量より少ない」というものでした。(基礎代謝量の計算)この件で、鳥友からオグロシギが一日に必要とするカロリーはどう程度かと質問をもらいました。獣医師の鳥友に基礎代謝量(生命を維持するためのカロリー)の計算式を教わりました。オグロシギの体重は、RSPBによると280-340gとあります。この数値と計算式を使って基礎代謝量を算出してみます。(計算式:K=エネルギー係数で体重50gの鳥には256、200gを超える鳥には156を掛けます)基礎代謝量kcal=K×(体重)3/4体重30gの鳥:29kcal、40gの鳥:11.53kcal、50gの鳥:13.64kcal、60gの鳥:15.63kcal、100gの鳥:22.93kcal、200g・の鳥:23.41kcal、300gの鳥:31.73kcal、400gの鳥:39.38kcal、500gの鳥:46.55kcal、1kgの鳥:78.30kcal、1.5kgの鳥:106.12kcalと算出されます。オグロシギの体重は280-340gとすると、31kcalが基礎代謝量ということなります。(基礎代謝量31kcal=37000cal)報告にある秋の1分あたりに得られるエネルギー量0.27 ± 0.01 kJは0.06cal=60kcalです。また、春の1.15 ± 0.03 kJ=0.27cal=270kcalとなります。(1キロジュール=0.23988kcalですから、0.27ジュールは0.06cal)(引用)植田睦之.2014.野鳥の不思議解明最前線#106.夜ごはんよりも昼ごはん?~採食量が不十分な時に夜の採食をするオグロシギ~.オグロシギの体重280~340g https://www.rspb.org.uk/(写真)1枚目、2枚目:2018年9月22日稲敷市
2026.08.30
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2024年7月にオグロシギは夜間も採食するとの文献内容を紹介しました。内容は、「春のオグロシギは主に水田で採食しており、夜間は採食せずに日中のみ落ち籾を採食していることがわかりました。そして日中で得られるエネルギー量だけで1日にとる必要のあるエネルギー量をみたしていました。それに対して秋の渡りの時期にはオグロシギは塩田でユスリカの幼虫を採食していました。そして春とは異なり夜間にも採食していました」「日中の採食で1分あたりに得られるエネルギー量は 0.27 ± 0.01 kJで,春の1.15 ± 0.03 kJと比べてかなり少ないことがわかり、そしてこの量は1日の必要エネルギー量より少ない」というものでした。(基礎代謝量の計算)この件で、鳥友からオグロシギが一日に必要とするカロリーはどう程度かと質問をもらいました。獣医師の鳥友に基礎代謝量(生命を維持するためのカロリー)の計算式を教わりました。オグロシギの体重は、RSPBによると280-340gとあります。この数値と計算式を使って基礎代謝量を算出してみます。(計算式:K=エネルギー係数で体重50gの鳥には256、200gを超える鳥には156を掛けます)基礎代謝量kcal=K×(体重)3/4体重30gの鳥:29kcal、40gの鳥:11.53kcal、50gの鳥:13.64kcal、60gの鳥:15.63kcal、100gの鳥:22.93kcal、200g・の鳥:23.41kcal、300gの鳥:31.73kcal、400gの鳥:39.38kcal、500gの鳥:46.55kcal、1kgの鳥:78.30kcal、1.5kgの鳥:106.12kcalと算出されます。オグロシギの体重は280-340gとすると、31kcalが基礎代謝量ということなります。(基礎代謝量31kcal=37000cal)報告にある秋の1分あたりに得られるエネルギー量0.27 ± 0.01 kJは0.06cal=60kcalです。また、春の1.15 ± 0.03 kJ=0.27cal=270kcalとなります。(1キロジュール=0.23988kcalですから、0.27ジュールは0.06cal)(引用)植田睦之.2014.野鳥の不思議解明最前線#106.夜ごはんよりも昼ごはん?~採食量が不十分な時に夜の採食をするオグロシギ~.オグロシギの体重280~340g https://www.rspb.org.uk/(写真)1枚目、2枚目:2018年9月22日稲敷市
2026.08.30
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春と秋の渡りの時期に姿を見かけるムナグロ、個体数は、春に多く、秋は少ないと聞いています。その理由について疑問を持つ方もいらっしゃるものと思い、文献を紐解してみました。(1)渡りルートについて長嶋(2020)が、文献に報告されているムナグロの渡りルート、行動および日本列島を通過するムナグロの個体数などについて整理し、記しています。それによると、春の渡りは越冬地のフィジー諸島→マーシャル諸島→マリアナ諸島→ 日本→繁殖地の北極圏までのルートで移動し、秋の渡りは極北の繁殖地からクリスマス島→サモア諸島まで時計まわりで移動する大きな経路があると述べています。さらに、春と秋の渡りコースに違いがあり、成鳥と幼鳥で渡りの時期に差があると指摘しています。春は、2月から3月にかけて南の越冬地から渡りをスタートし、4月下旬から5月が渡りのピークとなると述べいます。成鳥は6月下旬から7月に繁殖に失敗した成鳥が繁殖地を飛び立ち、そのほかの成鳥は8月初旬に繁殖地をはなれ、成鳥の大半は7月下旬から9月にかけて米国西海岸からハワイ諸島に到着、10月にュージーランドに到着のルートをとると述べています。これに対して、その年に生まれた幼鳥は8月中下旬に繁殖地を旅立ち、9月中旬に日本に飛来する、発育の遅れた幼鳥は10月初旬に繁殖地を旅立つと記しています。(2)春と秋の個体数について渡辺(2015)は、環境省モニタリングサイト1000の調査結果をとりあげ、越冬地である南西諸島を除く各渡来地の2014年春期の最大渡来数合計が2938羽、秋期が408羽と述べています。環境省(2022)は、2022年度冬期調査結果によると、ムナグロの個体数は2021年冬1716羽、2022年冬は935羽と報告しています。渡辺 (2015)の記している秋期の408羽と比べると、2021年、2022年冬のいずれも増加しています。調査時期の違いがあるので、増減の評価はむずかしいのですが、発育の遅れた幼鳥の日本への飛来が増えているのか、繁殖時期がずれてきているのかと興味のあるところです。(3)千葉県北西部と茨城県で秋・冬に見かけるムナグロこれまで観察した記録を振り返ると、秋・冬でも30羽未満の群れを観察しています。千葉県北西部、茨城県で観察したムナグロの秋。冬の観察記録を整理すると次の通りです。1998//9/19我孫子市北新田(8)、1999/9/5稲敷市結佐(8)、1999/10/16我孫子市北新田(6)、2000/10/16稲敷市西の洲(3)若鳥、2001/9/30富津市富津岬(4)2003/10/19柏市大井(2)、2011/10/19稲敷市浮島(26)、2011/10/24柏市片山(5)、2011/12/18栄町矢口(1)、2013/12/23稲敷市浮島(22)、2014/10/12柏市泉村(7)、2020/1/2稲敷市甘田(20)、2020/1/13船橋市ふなばし海浜公園(2)、2021/2/13稲敷市稲波(1)、2021/11/13稲敷市浮島(10)、2022/1/28稲敷市浮島(2)、2023/11/8稲敷市浮島(7)、2024/1/10稲敷市浮島(9)、2024/9/20稲敷市浮島(17)、2025/2/25取手市取手(7)、2025/2/26取手市取手(6)・手賀沼とその周辺地域では、利根川南側の水田地帯、手賀沼美岸の水田が記録されています。・茨城県では稲敷市で30羽以下の群れ、取手市で10羽以下の群れが記録されています。・東京湾沿岸では、三番瀬で記録されています。(4)秋・冬に見かけるムナグロの羽衣写真1枚目、2枚目の個体は、同一個体で、眉斑があり、嘴が細めで短くて背や肩羽に横斑が多く、体下面に褐色味を帯びていることから第一回冬羽と思われます。写真3枚目は、上面が全体的に黄色味を帯びており成鳥夏羽から冬羽に移行中の個体と思われます。(写真)1枚目:2010/1/10稲敷市浮島、2枚目、3枚目2023年11月8日稲敷市浮島で撮影(引用)渡辺朝一.2015.ムナグロ Bird Research News Vol.12 No.5.p2-3.長嶋宏之.2020.ムナグロの生態と年齢識別の紹介.野鳥観察の部屋.日本野鳥の会埼玉.環境省.2022.モニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査 2022年度冬期調査結果の概要.pp2.
2026.08.29
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越夏したヒドリガモと今年誕生したカイツブリ幼鳥、バン家族の様子を見に柏の葉キャンパス駅近郊の調整池を探索しました。いつもの年でしたら、そろそろクサシギ、タシギなどが降り立つ頃ですが、13日の千葉豪雨の影響で湿地には水がかなりあるのと繁茂した草で姿を見つけることができずでした。(西口調整池の越夏ヒドリガモ)写真1枚目、2枚目が今朝のヒドリガモです。頭部と脇の赤味の強さは前回(7/16)と同様ですが、白い雨覆は見られず、上背、肩羽あたりにグレーの羽、額にクリーム色がかっていました。越夏個体を観察していくと、換羽の様子がわかるので貴重な学びです。(カルガモの様子)前回姿を見かけた幼鳥の姿はなく、全体が暗色で上尾筒、下尾筒が黒色の雄成鳥、雄に比べると背、肩羽、脇り羽縁が目立つ雌成鳥を複数見かけました。(バン)今朝は、成鳥2羽と幼鳥の姿を見かけました。成鳥はそれぞれ別の水域で餌を探していました。(カイツブリ幼鳥)今年生まれカイツブリ幼鳥、頭から頚にまだら模様があるのを除けば、上面は成鳥と同様に変化していました。(写真)2026年8月28日撮影
2026.08.28
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3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックにシロチドリが準絶滅危惧と区分され掲載されています。(レッドデータブック概要)環境省(2026)は、「モニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査2004-2017年度 とりまとめ報告(2020)では、Amano et al. 2010と同様の分析を行い、最大個体数指標を算出した。2000年を基準値1.00とし、2017年時点で、平均0.38(春期0.34、秋期0.36、冬期0.45)。継続して減少が確認されている」「繁殖状況を現地調査した全国鳥類繁殖分布調査(2021)でも1990年代と2010年代に調査された調査コースを比較すると、22地点から9地点へと減少している」と報告しています。(これまでの個体数の推移)守屋(2014)は、環境省生物多様性センターが報告しているデータを用い観察個体数の季節別変化を整理し報告しています。個体数の推移は、冬期、秋期、春期ともに減少傾向を示しており、2008年時点で春期、秋期とも1970年代から継続して減少していることが示されていると述べています。(1)冬期(1月中旬)最も個体数が多かったのは2004年で3000羽前後、最も少なかったのは2012年で1500羽前後(2)秋期(9月初旬)最も個体数が多かったのは2004年で2800羽前後、最も少なかったのは2012年で1000羽前後(3)春期(4月中旬)最も個体数が多かったのは2004年で1300羽前後、最も少なかったのは2013年で500羽前後あわせて、繁殖分布調査の結果に注目すると、繁殖の確認されたメッシュ数は1974~1978年の74メッシュから1997~2002年45メッシュに減少していると指摘しています。環境省(2026)が「1990年代と2010年代に調査された調査コースを比較すると、22地点から9地点へと減少」と報告していますから、繁殖地点は1974年から減少が継続していることとなります。(三番瀬のシロチドリ)千葉県(2026)は、三番瀬におけるシロチドリについて「三番瀬では最大300羽が確認されているが(1996年冬季)、通常は数十羽の規模が多い」と報告しています。(引用)守屋 年史.2014.シロチドリ Bird Research News Vol.11 No.1.p2-3.千葉県.2026.三番瀬における主な生物 三番瀬自然環境データベース.ttps://www.pref.chiba.lg.jp/環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)2026年8月26日撮影
2026.08.27
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8月終盤に入り、船橋市三番瀬を訪ねました。大潮で船橋港の干潮は10時02分、小型のシギ・チドリの姿をまじかでみようと思い潮が上がってくる13時頃に現地に到着し、探索をスタートしました。(貴重種シロチドリの姿)最初に目に入ってきたのがチドリ科ダイゼン、上面の白黒のまだら模様で黒が目立つ個体と夏羽から冬羽に移行がはじまった下面の黒色が褪せてきた個体でした。続いて、近年は個体数が減少しているシロチドリを複数発見。背と頭の境が白帯で分かれ、足が繁殖期の名残のピンク色の雌成鳥と思われる個体でした。(オオソリハシシギ雌夏羽、トウネン)続いて出会ったのが、雨覆の1枚ずつが垂れ下がったように見え、下面に褐色斑のある雌成鳥夏羽、肩羽が赤褐色となっていたトウネン幼鳥でした。(ミユビシギが波打ち際で、ハマシギは水たまりで採餌)水際を群れで移動していたミユビシギ、ずんぐりとした体型と上面が灰色に変化し、雨覆が黒色の個体と出会いました。ハマシギは、背と肩羽に黒褐色の軸斑があり胸から腹に黒色が残っている夏羽から冬羽に移行中と思われる個体を観察できました。(カラーリングを装着したキアシシギ)ミユビシギ、ハマシギと少し離れたところで餌を物色していたキアシシギ、左脚にX03のリングが見えました。(写真)2026年8月26日撮影
2026.08.26
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海上に多数飛来すると言われているシギ科アカエリヒレアシシギ、マスコミで野球場に乱入したと報じられることがあります。天候が小雨または雨でしかも海に近い野球場で飛来することが多い印象があります。(スクラップブックから)過去10年内に新聞・webニュースなどで取り上げられたアカエリヒレアシシギの野球場への乱入の一部を紹介するとつぎの通りです。2017/08/30:仙台市・Koboパーク宮城楽天-西武戦で雨による試合中断の間に鳥の群れがグラウンドへ飛来し、雨が弱まった後もさらに約40分間試合が再開できない事態が起きた。2021/9/20千葉市ZOZOマリンスタジアム千葉県は曇りか小雨で、渡りの途中のアカエリヒレアシシギが飛来。2022/09/01楽天生命パーク宮城楽天vsオリックスの試合中に鳥の群れが乱入して一時中断するというハプニングがありました。映像を見る限り、アカエリヒレアシシギのようです。(人工照明が渡り鳥を迷わせている)神山(2017)は、米国ニューヨークのライトアップ行事の調査で、人工照明が夜間に空を渡る野鳥の行動に強い影響を与えていることが明らかになった件を紹介しいます。調査は、2008年から2016年に行われ、ライトアップされた夜の間に照明から半径5kmの範囲で110万羽の渡り鳥の行動に影響が出ていたと推定される。ライトアップされている時間帯は上空を野鳥の大群が旋回して飛ぶようになり、周囲20kmの鳥の密度と比べると平均でその20倍となった。くわえて、地上の照明が上空4kmまで影響を及ぼしていることが明らかになったと記されています。(引用)神山和夫.2017.人工照明が渡り鳥を迷わせている.バードリーチニュース.2017年12月.(写真)Ⅰ枚目、2枚目:2020年10月3日稲敷市で撮影頭上と眼の周囲に黒斑があり、上面の灰色は濃い印象がありました。嘴は近似種ハイイロヒレアシシギと比べて細いものでした。
2026.08.25
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習志野市谷津干潟を訪ねました、船橋港の潮汐は中潮で干潮が8時44分と2時間程度の時間差で到着となりますので到着した10時30分では一面に干潟が広がっていました。津田沼高校前のエリアではダイゼン、メダイチドリ、キアシシギ、アオサギ、ダイサギ、コサギが餌探しに余念がありませんでした。また、水路沿いの土手にイソヒヨドリ雌が登場し、出会いを楽しみました。(ダイゼンの腋羽を観察)今日の観察の目玉は、ダイゼンの腋羽を観察できたこと。成鳥では脇羽が黒色で、翼下面の大部分が白い、腰が白いのが特徴です。第一回夏羽では腋羽が褐色ですが、それ以外は年齢に関係なく黒色です。このほか、遠目に黄色味があるよように見えたダイゼンの姿を見つけました。各羽の羽縁が白色で、胸に細かい縦斑があったので第一回冬羽ではないかと思われました。(ダイサギの収縮にびっくり)水路で魚が移動していくのを凝視していたダイサギは全長が90cmありますから、どうやって魚を捕食するのだろうと思っていましたが、眼下に接近してくると腰をかがめてコサギ並の低姿勢になり捕食。(コサギの体の大きさ)浅瀬で羽をやすめていた2羽のコサギ、1羽が頭ひとつ分程度小さい個体を見つけました。全長55-65cmの幅はこうした個体を織り込んだものなのでしょう。(その他)目先が黒色で胸が橙色のメダイチドリ成鳥雄、目先が褐色で胸の橙色が淡いメダイチドリ成鳥雌、キアシシギは体下面の横縞が目立つ成鳥夏羽、帰り道、船橋競馬場近くの浅瀬で餌探しをしていたソリハシシギの姿も見つけました。(写真)2026年8月24日撮影
2026.08.24
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飛翔して降り立った直後に尾を上下に振るのがクサシギ属のシギの特徴です。タカブシギ、クサシギ、イソシギは似たような姿と環境で見かけます。遭遇した時の着眼点を整理してみました。(1)尾羽の違い3種の尾羽は模様に違いがあります。・タカブシギとクサシギは腰が白くで両種を見分けることができます。尾羽の横帯はタカブシギは5-6 本、クサシギは2-3本です。・イソシギは腰が褐色で尾羽は外縁だけが白いので、タカブシギとクサシギと違いがあります。(写真)1枚目:クサシギ、2018年5月3日柏市、2枚目:クサシギ、2019年9月9日稲敷市、3枚目:タカブシギ、2018年9月8日稲敷市、4枚目:イソシギ、2008年7月20日谷津干潟で撮影(2)翼を広げた時の違い・タカブシギの翼下面には褐色斑があり、全体的に白い印象があります。・クサシギの翼下面は全体が黒く見えます。・イソシギは翼上面に白い翼帯があり、翼下面は褐色の帯が見え、白い翼帯があります。(3)全長の違いクサシギの全長は21-24㎝、タカブシギの全長は19-21cm、イソシギの全長は19-21cmです。全長で見ると、タカブシギとイソシギは同サイズですが、タカブシギは足が長い個体が多いので背が高くイソシギよりも大きく見えることが多い印象です。(ただし、タカブシギの足は個体差があります)(4)成鳥冬羽の違い・タカブシギ冬羽は、夏羽に比べて上面の白斑が小さく羽縁になり、頭部から胸の縦斑も弱くなります。・クサシギ冬羽は白斑が夏羽より小さくなり、上面が一様な灰褐色に見えます。・イソシギ冬羽は夏羽に比べ羽縁が白く、雨覆の羽縁に比べて肩羽の白い羽縁は少ないのが特徴です。(写真5枚目:クサシギ、2018年9月12日柏市内撮影)
2026.08.23
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鳥友からスズメが減少していると聞き、調べてみたが、個体数を示しているものが見当たらないと質問をもらいました。(スズメがどれくらい減少したか)三上(2023)は、第2回(1997-2002)と第3回(2016-2021)の全国鳥類繁殖分布調査の記録を用いてスズメがどういう環境でどれくらい減少しているかを推定し報告しています。(1)全国鳥類繁殖分布調査の結果三上(2023)は、「全調査地点 2,344 の調査地点のうち、スズメは 1194の調査地点で観察された。ルート変更された調査地点を除くと 933 調査地点となった。気温が高いほど,水田面積が大きいほど,他農地面積が大きいほど、スズメ個体数の減少が大きいことを示していた。個体数推定の結果、第2回の最小値・中央値・最大値は、それぞれ 3,767,051・3,828,536.5・3,895,734 で、第3回のそれは、2,341,077・2,378,689.5・2,421,619であった。平均値で見れば 第2回から第3回の間にスズメの個体数は 62.1%になったと推測された」と述べています。中央値で第2回と第3回を比較すると、第2回382.8万羽が第3回では237.8万羽となり、約150万羽弱の減少があったということになります。(2)温暖化の影響三上(2023)は、「スズメの分布を世界的に見ると温帯域の鳥であり、温暖化の影響によって気温が高い場所では生息しづらくなっている可能性がある。とくに営巣環境の不足と関係している可能性がある」と指摘しています。ただし、スズメの主要な繁殖環境である都市部や住宅地が調査地点にあまり入っていないと指摘し、普通種までも減少しているという観点を当てはめるのには懸念があると記しています。(引用)三上修.2023.鳥類繁殖分布調査の第2回(1997-2002)と第3回(2016-2021)の間にみられるスズメの減少 Bird Research Vol. 19.pp. A21-A30.(写真)1枚目:2026年7月19日柏市内、2枚目:2026年8月18日柏市内、3枚目:2026年4月22日吉川市、4枚目:2025年10月24日吉川市で撮影
2026.08.22
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鳥友の住まいのある最寄り駅、JR馬橋駅西口から北松戸方向に向い新坂川沿いを探索しました。新坂川は人工的に掘って作られ、昭和30年代から生活排水と工場排水で汚染が進行し、昭和45年にはBODが136と日本で最も汚染が進んだ川でした。様々な対策が講じられ、近年には水鳥たちの姿がみられるようになっています。鳥友が青ちゃんに会えるフィールドと自慢の場所です。(青ちゃんはアオサギ、カワセミ、イソヒヨドリ)今朝、お天気が崩れる前に現地を訪ねました。(アオサギとカワセミの共生関係)川を餌場としているアオサギは、小魚を追い詰めて捕食するのが得意です。見ていると、堤防沿いに魚を追い詰めると魚が捕食されまいと逃げ回ります。そこを堤防に生えている草に止まったカワセミが捕獲する光景が複数回見られました。所謂「片利共生」関係です。尚、イソヒヨドリの姿は見つけられずでした。(写真)2026年8月21日撮影(参考:片利共生関係が見られる鳥たち)片利共生関係が見られる鳥の例を記しておきます。(1)カワウとアオサギ植村(2022)が報告しているカワウとアオサギの関係です。サギのコロニーの近くで繁殖しているカワウについて報告しています。カワウはモビングはしないけれど捕食者を追い払ってくれるアオサギのそばで繁殖することで、捕食者が自分や巣に近づきにくくなるという利益を得ていると述べています。(2)イノシシとルリビタキイノシシが掘り返した地面の穴などでルリビタキなどの小鳥が効率よく餌を探す行動をとると文献で目にしたことがあります。((引用)植村慎吾.2022.カワウとアオサギの混合コロニーにおける対捕食者行動の違いカワウはアオサギに片利共生しているかもしれない.バードリサーチニュース2022年3月.
2026.08.21
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13日の豪雨の影響で印旛沼の鳥たちはどうしているかと現地を訪ねました。探索をスタートした10時時点ですでに気温30℃をこえ、じりじりとお日様が照り付けていました。(カモ類)漁船の船着き場には、カルガモ、越夏したマガモの姿を見つけました。カルガモは沼の水面を吹いている微風のむかい翼を広げたので脇の羽や翼下面を観察できました。マガモは黄色の嘴、赤茶の色味の強い胸が特徴の雄エクリプス個体でした。(魅惑的に色のゴイサギ成鳥の虹彩)沼の浅瀬、周囲の水田にはアオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、ゴイサギの姿を見つけました。コサギは水面を吹き抜けている風で涼をとっているようなポーズをとっている姿、ゴイサギは葦の中を移動し水面を動く魚をねらっている様子でした。ゴイサギは幼鳥の虹彩は黄色、第一回夏羽の虹彩は橙色、今日観察した成鳥では虹彩が赤く、猛禽類ツミの雄幼鳥が成長に伴って黄色-橙色-赤色と変化するのと一緒でした。太陽の光が強い暑い条件下ではメラニン色素が大蓄積されて黒や茶色などの虹彩となると聞いています。(写真5枚目はゴイサギ幼鳥、6枚目は成鳥した幼鳥)(モモイロペリカンのダイナミックに採餌)船着き場の船の先端に止まっていたモモイロペリカンは、何度も水面に嘴を突っ込み小動物をとっているようでした。大きさが確認できませんでしたが、サイズの割に嘴の開け方のダイナミックさにびっくり。(印旛沼沿岸では複数のホオジロが囀り、テリトリーを主張)印西市吉高、和、下井までの印旛沼遊歩道脇の電線にはあちこちにホオジロが止まり、囀りを披露。ホオジロは、春は地上に巣を作り産卵・子育てをしますが、季節を追うごとに巣高が上がることが知られています。あちこちに雄が囀っているのを見ると、樹上巣で最後の子育てをしており、テリトリーを防衛しているのではと思います。(写真)2026年8月20日撮影(5枚目は2020年6月土浦市、6枚目は2018年6月30日土浦市で撮影)
2026.08.20
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3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックにハマシギが絶滅危惧Ⅱ類と区分され掲載されています。身近な探鳥地、谷津干潟でのハマシギの個体数を整理してみました。(1)ハマシギの個体数守屋(2018)およびモニタリングサイト1000(2025)にハマシギについての報告があります。モニタリングサイト1000の2016年冬期の個体数は約30,000羽と最も多く、越冬種の60-70%を占めていたと述べています。あわせて、「谷津干潟周辺にはかつて3000~4000羽のハマシギが飛来しており、谷津干潟が保護区に指定されるきっかけともなった鳥」と記しています。モニタリングサイト(2025)の報告には、2023年冬期のハマシギの個体数は5196羽とあります。2つの報告を比較すると、2023年冬期の個体数は2016年に比べ50.6%となります。(2)谷津干潟のハマシギに着目すると石川(1993)は、谷津干潟で1988年5月3日と8月22日のに行った調査では、ハマシギの個体数が5月は3457羽、8月は3羽と報告しています。モニタリングサイト(2025)に報告されている谷津干潟のハマシギの個体数は2023年春が1500、秋が5羽、冬が305羽と記されています。単純に比較すると、1998年に比較して2023年春43.6%とやはり激減とみることができます。(参考:レッドデータブック概要)環境省(2026)は、「モニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査2004-2017年度とりまとめ報告(2020)では、(中略)最大個体数指標を算出し、2000年を基準値1.00とし、2007年時点で、平均1.18(春期1.08、秋期1.32、冬期1.15)、2017年時点で、平均0.60(春期0.39、秋期0.83、冬期0.57)。継続して春期・秋期とも減少傾向が見られている」と報告しています。(引用)石川 勉.1998.東京湾の渡り鳥.pp246.守屋年史.2018.極北のハマシギ訪ねて三千里ハマシギの現状と保全のためにできること.バードリサーチニュース2018年3月.環境省自然環境局生物多様性センター.2025.2024年モニタリングサイト1000 シギ・チドリ類調査2023年度総括報告書.環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)1枚目:成鳥夏羽、2014年5月4日谷津干潟2枚目:夏羽から冬羽に移行中、2016年9月3日三番瀬3枚目:第一回冬羽に移行中と思われる個体、2015年9月19日三番瀬4枚目:第一回冬羽に移行中と思われる個体、2016年10月30日浦安市
2026.08.19
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先週13日に千葉県を襲った豪雨によって千葉県柏市ではあちこち氾濫がおこりました。定期に足を運んでいる柏の葉キャンパス駅近郊でも集中豪雨が発生しましたが、複数の調整池の働きのお陰で大きな被害は発生せずに済みました。調整池で誕生したカイツブリ、バンの幼鳥たちはどうしているだろうと思い、現地を訪ねました。(カイツブリとバンの幼鳥たち)営巣していたエリアを確かめると、カイツブリ幼鳥が自立し単独で採餌をしている光景とバンの幼鳥が親鳥と一緒に水面を移動する姿を確認でき、ほっとしました。カイツブリ幼鳥は、水中にいるイトミミズのようなものを嘴でとらえ嘴にくわえて直して食している光景を観察しました。先月29日に観察した(写真4枚目)際には頭から頚が白黒のまだら模様で額のあたりが赤かったのが変化していました。上面だけを見れば、第一回冬羽と同様の羽衣ですが、嘴には幼鳥独特の縞模様が残っていました。(カルガモの様子)昨日よりは青空が広がり、直射日光が注ぎ込む朝でした。調整池には10羽前後のカルガモが過ごしていますが、直射日光を避けて小島の草地の影で休む個体、日光浴を兼ねて小島の草地に座り寝込んでいる個体といろいろでした。この時期のカルガモは、肩羽が暗色に見え上尾筒や下尾筒が角度により艶のある黒色になります。(ハクセキレイペアの様子)調整池沿岸で営巣し子育てをしていたハクセキレイペアも健在でした。雄の上面の黒色は艶のするもの、雌の上面は灰色で黒い羽がまじっているのを観察。幼鳥が遊歩道沿いを移動しながら餌探しを活発に行っているのも目撃しました。(調整池を移動し餌探しをしていたダイサギ、アオサギ)豪雨の影響で調整池全体に水位が上昇しているため、シギ・チドリの姿はみつからずでした。それでもアオサギ、ダイサギは小魚などを探す姿を観察出来ました。(写真)2026年8月18日撮影(写真8枚目は7月29日撮影)
2026.08.18
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三週間ぶりに茨城県稲敷市浮島を訪ねました。隣の千葉県では13日の豪雨であちこちに冠水した道路脇に放置車両が目立ちましたが、茨城県側は大雨の痕跡は見受けられるものの、特段の被害は出ていない模様でした。さて、霞ヶ浦に注ぎ込む新利根川脇から広がる蓮田を探索しました。前回訪ねた時と同様で休耕している蓮田がないので、一見するとシギ・チドリの姿はないように見えます。しかし、サギ類が群れているエリアに隣接した中にシギ・チドリが羽を休めるポイントがありました。セイタカシギ成鳥、上面が褐色で足の色が成鳥より淡い幼鳥、蓮田の日陰を探すように移動していたコチドリ幼鳥(アイリングは成鳥に比べて目立ちませんがほんのり黄色)、トウネン夏羽から冬羽に移行中(嘴基部が太く、上面が赤味がかります)、ピョヒョと鳴きながら飛翔していたタカブシギ(尾に黒帯がありました)、チョリッと鳴き移動していたクサシギ(腰から尾が白い)の姿を見つけました。このほか、チュウサギか群れになっていて餌のザリガニ、水生昆虫などを見つけては捕食していました。その近くには、コサギの姿を見つけました。全長はチュウサギが65-72cm、コサギが55-65cmですからあまり違いがないと思いきや、コサギ立ち姿はチュウサギの半分程度。また、蓮田にかかつている網に複数のツバメが降り立つ姿を観察しました。うち1羽が下面が赤褐色の亜種アカハラツバメでした。(写真)2026年8月17日撮影
2026.08.17
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6月20日以降、ツミの子育てを見守ってきました。幼鳥4羽はすべて営巣林を離れ、自立しています。7月28日に営巣林近くの高圧線に雄成鳥が止まっていた姿を観察して以来、成鳥、幼鳥ともに姿を見かけていなかったので移動したのかと思っていました。ところが、雄成鳥が今月4日に近くにある果樹園の地面近くの幹に止まっているのを観察しました。獲物の小鳥を探して移動してきたものと思われます。所有者や市民が通行しているため、頻繁に訪ねるのを避けています。今後もその動向を注目していきます。(今朝出会った鳥たち)成鳥に餌をねだるオナガ幼鳥が林の中を何度も移動していました。ツミが姿を消してからハシブトガラス、ハシボソガラスが接近してきた時には、オナガ成鳥は鳴き声をあげ追い払い行動をとっています。いかにツミの防衛されていたかがよくわかりました。隣接する人家の屋根に頭と胴体が赤茶で翼が黒いハシボソガラス幼鳥の姿を見つけました。どこかで捕食したミミズのようなものをぶら下げて降り立ったものと思われます。ハシボソガラス幼鳥の口の中が赤いのは知られていますが、今朝のようなツートンの色の個体を目の当たりにしたのは初めてでした。別の人家にテレビアンテナには、ヒヨドリが止まり翼を丁寧に羽繕いをする姿を観察したり、地面で餌探しに余念のないムクドリ幼鳥を観察しました。他地域では台風15号の短時間豪雨で木の中に休んでいた多数のムクドリの命が奪われましたが、当地では落鳥も見かけなかったのでほっとしました。(写真)2026年8月16日撮影(ツミ雄成鳥は2026年7月28日撮影)
2026.08.16
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日本鳥学会が2024年に発表した日本産鳥類目録第8版でカモ類の分類に大きな変更がありました。鳥友たちと勉強会を開きました。テキストは、神山(2025)を使用しました。内容の一部を紹介します。(新しい分類)(1)従来と変更がないAnas属(水面採餌ガモと呼ばれ、足が体の中央にあるりバランスが良く陸に上がり歩きながら餌もとる)オナガガモ、コガモ、マガモ、カルガモ(2)状来のAnas属からMareca属に変更アメリカヒドリ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オカヨシガモ(3)従来のAnas属からSpatula属に変更ミカヅキシマアジ、ハシビロガモ、シマアジ(4)従来のAnas属からSibirionetta属に変更トモエガモ(神山(2025)が解説しているMarecaとSpatula属の特徴)(A)Mareca属について「草食性が強いカモの仲間です。水草はもちろん、ヨシガモとヒドリガモは群れで陸に上がり草を食べていることもよくあります。いずれも額からくちばちまでの傾斜が急で、ヨシガモとヒドリガモの雌は目の周囲が黒んでいます。オカヨシガモの雌はマガモの雌と似ていますが、白い翼鏡(次列風切)があること、そしてマガモの雌のような大きな三列風切りがないことで識別できます。大きな三列風切りがないことはマガモとの違いで一番見やすい特徴」と述べています。(B)Spatula 属について「先端が広がった大きなくちばしを持つことが特徴です。シマアジのメスはコガモに似ていますが、頭頂部が平たく見えますから、それに気付いたらくちばしの形に注意してください。」と記しています。(C)Sibirionetta属について神山(2025)には「コガモサイズですが、体の上面に長く黒い羽が多いことが特徴です」と記しています。(引用)神山和夫.2025.鳥類目録第8版でのカモの分類変更.Bird Research Water Bird News.2025年3月号.p3-4.(写真)#Mereca属ヨシガモ:2021年3月6日印旛沼で撮影ヒドリガモ:2021年11月23日水元公園で撮影オカヨシガモ:2022年12月18日柏市で撮影#Spatula属シマアジ:2020年4月4日我孫子市ハシビロガモ:2024年4月8日習志野市で撮影#Sibirionetta属トモエガモ:2025年1月2日印旛沼で撮影
2026.08.15
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飛翔時に白い翼帯と腰の白さが目立つオグロシギは、秋にかけて蓮田、干潟などに飛来し目を楽しませてくれます。叶内(2011)が述べているように、春は日本海側に多く秋は太平洋側に多い傾向にあります。秋に出会う個体は、多くが幼鳥です。その特徴をおさらいしてみました。(1)頭部から背、頸から胸・腹部の色、肩羽の軸斑オグロシギ幼鳥は、頭部から背、頸から胸・腹部が橙色味を帯びています。(写真1枚目から4枚目を参照)また、肩羽が黒褐色で軸斑がオオソリハシシギに比べて黒く、軸斑の先が丸みを帯びています。(2)雌雄の羽色の違い叶内(2011)は、雄の頚は雌よりも橙色味が強く、体は小さいと報告しています。過去に撮影した画像を見ていくと、2016年8月29日に三番瀬で観察した2羽がこれに該当します。(写真1枚目を参照)(3)オグロシギ幼鳥は第一回冬羽への換羽が早い?写真4枚目は、2018年9月22日に稲敷市で観察・撮影した個体です。雨覆から風切がグレーに変化しています。幼羽から冬羽に移行がはじまったのではと思っています。オグロシギは10月頃には冬羽に換羽していると話しを聞いたことがあり、オオソリハシシギが11月でも冬羽が少ないのでオグロシギの換羽が早いのではと思います。(4)年齢に関係なく白い翼帯叶内(2011)が述べいるように、年齢に関係なく翼上面に白い翼帯があり、上尾筒の中央の数枚は基部が白いのが特徴です。(オオソリハシシギでは飛翔時に上面は一様に灰褐色)(引用)叶内拓哉.2011.山渓ハンディ図鑑日本の野鳥.p252.山と渓谷社.(写真)1枚目:2016年8月29日三番瀬で撮影、2枚目、3枚目、4枚目、5枚目:2018年9月22日稲敷市で撮影、6枚目、7枚目:2018年10月28日稲敷市で撮影、8枚目:2022年10月8日稲敷市で撮影
2026.08.14
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シギ類はゴカイやカニなどの小動物のみを食べていると図鑑類に解説があったり、探鳥会リーダーから説明を受けた方がいらっしゃると思います。ところが、日本・イギリス・カナダの国際共同研究グループが、2012年に日本、カナダの干潟における調査や鳥糞や餌の分析をした結果、小型シギ類が最大餌全体の78%を微細藻類、バクテリア、およびそれらが細胞外に放出する多糖類粘液で構成された薄い層から構成されるバイオフィルム(以下、バイオフィルムと略)でまかなっていたと発表しています。(シギとバイオフィルムについて)桑江(2012)が、前記に記した調査結果を整理し、バイオフィルムに関する内容について報告しています。(1)小型シギ類は棘毛(きょくもう)にバイオフィルムを絡めて食べる体が小型のシギ類ほど棘毛が発達し、バイオフィルムを食べるのに適合した形態を持っていると述べています。舌先に存在するブラシのような棘毛にバイオフィルムを巧みに絡めて食べていることが判明したと記しています。また、チドリ類やクサシギ類にも棘毛が存在しているが、大型のチュウシャクシギには見られないと報告しています。(2)バイオフィルムの発達しやすい環境波や流れの穏やかな泥干潟の方が、泥表面にバイオフィルムが発達しやすく、多く利用されている可能性があると報告しています。泥干潟に飛来するトウネンにおいてバイオフィルムへの依存度が高い一方、砂干潟に飛来するハマシギでは依存度が低かったと紹介しています。(3)シギとチドリの餌の取り方は見直す必要あり餌をめぐる他の鳥類との競争で、小型シギは干潟泥表面のバイオフィルムを食べるように進化したのではないかと考えられますと記し、シギは長い嘴を用いて泥深くの餌をとり、チドリは泥表面の餌をとる」という説明は、見直しが必要で、むしろ、小型シギとチドリ類、中大型シギの食い分けと理解できる旨を述べています。(これまでのシギ・チドリ類の嘴と餌について)百瀬(2024)が、シギ・チドリ類の嘴は種類によって変化に富んでいると述べ、体が大きく湾曲した嘴を持ったダイシャクシギ、ホウロクシギは深い巣穴に潜んでいるカニを引っ張り出して食べ、小型のソリハシシギは柔らかく繊維な嘴を使い浅い巣穴にいるゴカイや小型のカニをとらえ、最も小型のトウネンは比較的短い嘴でミシン針のように素早く地面をつつきながらごく小さな餌を食べていると述べています。このうち、舌先に棘毛をもつシギ・チドリ類は、桑江(2012)がウズラシギ、ソリハシシギ、トウネン、メダイチドリを例にあげています。つついて餌をとっているとの表現は、棘毛にバイオフィルムを巧みに絡めて食べていると表現するのが適切ということになります。(引用)桑江 朝比呂.2012.トウネンもハマシギもバイオフィルムを食する.Bird Research News Vol.9 No.3.p2-3.百瀬邦和.2024.餌が違えば嘴の形も違う.おもしろくてためになる鳥の教科書.山階鳥類研究所著.p61-65.山と渓谷社.(写真)1枚目:メタイチドリ2017年8月27日三番瀬で撮影2枚目:ウズラシギ2013年8月24日三番瀬で撮影3枚目:ミユビシギ2021年8月21日三番瀬で撮影4枚目:トウネン2020年8月10日三番瀬で撮影5枚目:ハマシギ2022年4月29日谷津干潟で撮影
2026.08.13
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台風の影響で朝から雨が降ったりやんだりを繰り返しているので、過去に録音したアオアシシギの鳴き声を復習。鳴き声は「キョウ、キョウ、キョウ、キョウ」とか「チョー、チヨーチョー」と3音で構成されている諸先輩から教えてもらってきたし、自分でもそう聞いていました。ところが、三番瀬で録音したデータを復習するとキョウ、キョウ、キョウと8音から構成されていました。調べてみると、蒲谷(1996)が「キョウ、キョウ、キョウと人間の耳には4-5回鳴いているように聞こえるのだが、声紋を見ると2秒弱の間に8回もキョウ、キョウ、キョウという声を出していることが読み取れる。(中略)私たちが聞いているよりも実際にはもっと数多くの声を出している場合が多い」と報告していました。収録のCDを聞いてみると、1秒強の間に8回鳴いている声が確認できました。鳴き声、おさらいしてみると、新しい発見があるものだと痛感しました。(引用)蒲谷鶴彦.日本野鳥大鑑鳴き声333.(上)1996.p121.小学館.(写真)1枚目:2021年8月28日茨城県稲敷市、2枚目2019年10月21日稲敷市、3枚目:2017年8月20日千葉県習志野市、4枚目:2016年9月10日稲敷市
2026.08.12
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打ち寄せる波と引く波に対し走りながら採食するミユビシギ、いろいろな羽衣を観察します。8月から9月に見かける羽衣と近似種トウネンとの違いを整理してみました。(1)夏羽と夏羽から冬羽に移行中の個体春先に見かける夏羽は、頭・胸・体上面が赤褐色で黒い斑があります。8月に見かける夏羽(写真1枚目)は、頭・胸に赤褐色が残りますが、上面に灰白色の羽が混じるので白黒模様に見えます。同じ8月に見かける個体でも写真2枚目のような頭・胸に赤褐色が薄れ、上面に灰色の冬羽が混じるものも見かけます。写真2枚目の個体を観察していたすぐ近くには写真3枚目のような個体も見かけました。上面に黒色と灰白色の羽が入っていました。(2)ミユビシギとトウネンミユビシギは全長20-21cm、トウネンは全長13-16cmと一回りトウネンのほうが小さいです。(写真4枚目参照)しかし、波打ち際を移動する姿を遠目に観察している時、どちらかわからないという場面に遭遇します。そんな時には、翼角(*)に注目します。ミユビシギは翼角が黒いのに、トウネンでは翼角は黒くありません。(*翼の前縁にある、角のように曲がっている部分です)このほか、ミユビシギの換羽中の個体では眼下が白いものが多い傾向にあります。(3)ミユビシギに近いハマシギサイズではハマシギ(全長16-22cm)に近い種類です。ミユビシギの体形はずんくりとしており、嘴はハマシギより短いのが特徴です。(写真)1枚目:2020年8月10日三番瀬、2枚目:2018年8月11日三番瀬、3枚目:2018年8月11日三番瀬4枚目:2013年8月4日三番瀬(画像中央右がミユビシギ、左がトウネン)5枚目:トウネン、2016年7月25日三番瀬、6枚目:トウネン、2025年8月21日谷津干潟で撮影
2026.08.11
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フライイングキャッチ行動を繰り返し空中の昆虫を捕食するツバメチドリは、細長く先端の尖った翼をもち、多くのファンのいるツバメチドリ科の鳥類です。3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックに絶滅危惧Ⅱ類と区分され掲載されています。その内容の一部を紹介すると共に過去の観察記録を整理してみました。(1)レッドデータブック(概要)環境省(2026)は、「モニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査2004-2017年度 とりまとめ報告(2020)では、Amano et al. 2010と同様の分析を行い、最大個体数指標を算出した。2000年を基準値1.00とし、2017年時点で、平均0.90(春期0.79、秋期1.01)。継続して春期・秋期とも減少傾向が見られている。特に春期の減少が著しい」と報告しています。(存続を脅かす要因)環境省(2026)は、「本種は河川敷や埋立地など、被植率の低い環境で営巣するが、ダム建設によって河川が氾濫しにくくなったため被植率の低い河川敷は減少している。また、河川敷はレジャー等による人の影響もある。そして埋立地などの人工的な環境は開発が進むため安定しない。渡りの際にも利用される荒れ地状の草原や耕作地も全国的に減少傾向にある」と述べています。(2)過去の観察・繁殖記録についてa.観察記録環境省(2026)には「1970年代および1990年代では本州での繁殖記録があったが、2010年代では観察記録のみで、繁殖記録は南西諸島の記録のみとなっている」と記されています。蜂須賀(1953)は、ツバメチドリの観察記録を整理し報告しています。報告では、1889年9月28日茨城県にて幼鳥1羽採集、年月日不明、神奈川県(相模)酒匂(松平頼孝氏のコレクシヨン)、1927,黒田長礼が山城国採集の幼鳥1羽を購入したもののほか、1930年5月19日-21日北硫黄島石野村、1930年9月23日東京都洲崎の埋立地で繁殖、1931,年7月中旬-下旬に大阪湾住吉で20数羽の飛翔を観察(以下省略)したなど11件を記しています。このほか、日本野鳥の会(1993)には、1992年4月24日埼玉県本庄市、1993年5月1日埼玉県本庄市の観察記録が報告されています。b.繁殖記録環境省(2026)には繁殖記録は南西諸島の記録のみと断言されていますが、遠藤ほか(1987)が1986年6月12日に成鳥2羽とふ化直後のヒナ3羽の報告をしており、大阪市立自然史博物館に1986年7月28日堺2区埋立地での繁殖、1990年8月26日幼鳥を含む10羽以上の記録、1992年7月5日守口市淀川での巣立ちビナ2羽の記録が寄せられています。(引用)蜂須賀正.ツバメチドリの記録.日本鳥学会誌.第13巻.第62号.p52-55.遠藤孝一・高橋英樹・藤田幸子.栃木県におけるッバメチドリの繁殖記録.日本鳥学会誌.第35巻.p166-168.環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)1枚目、3枚目:2020年8月24日稲敷市、2枚目:2014年8月18日茨城県稲敷市、4枚目:2014年7月20日稲敷市で撮影
2026.08.10
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ズグロカモメ第一回夏羽が8月2日に葛西臨海公園東渚を飛翔していたと情報をもらいました。冬に九州で姿が観察されていますが、8月の観察はとても珍しいと思います。レッドデータブックに掲載されている内容とあわせて紹介します。(ズグロカモメ、第一回夏羽と第一回冬羽)氏原(2010)が「第一回冬羽は頭が黒くなるが成鳥のような完全な頭巾状になることは少ない」、「第一回冬羽は雨覆、三列風切に褐色斑があるが早い時期に灰色の羽毛に変る個体が多い」と報告しています。(レッドデータブックの掲載概要)3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックにズグロカモメが準絶滅危惧と区分され掲載されています。(概要)環境省(2026)は「世界的にも局地的な分布であり、個体数も限られている。繁殖地、越冬地ともに生息環境の悪化および減少が深刻である」、「繁殖地の中国遼寧省で標識放鳥したものが、日本の九州各地、四国、本州西部および韓国南西部で発見されたことにより、これら繁殖個体群と越冬個体群との関係が明確になった」と報告しています。(個体数について)環境省(2026)は、「世界全体の個体数は14400羽で近年やや増加の傾向がある(中略)2023-2024年の冬季調査で確認された本種の個体数は、6007羽」と報告しています。(引用)環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.氏原巨雄・氏原道昭.2010.カモメ識別ハンドブック.p22.文一総合出版.(写真)1枚目:2022年3月21日習志野市谷津干潟(成鳥夏羽)2枚目:2023年3月11日船橋市三番瀬(成鳥冬羽)3枚目:2023年3月11日船橋市三番瀬(成鳥夏羽)
2026.08.09
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印西市と柏市の境にある水路と水田地帯から柏市柏下までの8kmの範囲で真夏を生き抜いている鳥たちの生活を探索。スタート地点の水面に41羽のコブハクチョウ、穂が出そろった田んぼの中では餌探しに余念のないチュウサギの姿、谷津田に入ると電線にツバメ成鳥と幼鳥が横一線に止まっていた姿、複数のスズメの幼鳥、ハクセキレイの親子、カワラヒワ成鳥と幼鳥、ホオジロが芋虫と思われる餌を捕獲した光景とじつにいろいろな生活を垣間見ることができました。(嘴が淡色のスズメは一見するとニュウナイスズメ似)頭頂が赤茶で頬が白っぽく見えたスズメ大の鳥が登場。頬に注目していたら黒斑があり、スズメ幼鳥と判明。気になってスズメを丁寧に見ていくと、嘴と喉が黒色の成鳥、黄色から淡色までいろいろな色の幼鳥といろいろな個体を発見しました。(ハクセキレイ若鳥の微妙な色合い)電線に白い三列風切が目立ち、耳羽を囲む周辺に帯のようなものが見え、口角が黄色のセキレイ類の姿を発見。頭が淡い頭巾状ではないのでハクセキレイ幼鳥とわかりました。近くにはハクセキレイ成鳥が餌探しに余念のない姿を見つけました。(カワラヒワ若鳥の姿)電線に頭部の黄緑色が強いのに下面に縦斑のある幼鳥の姿を観察しました。先月16日柏の葉キャンパス駅近くで観察したカワラヒワ幼鳥とは頭部の色に違いがありました。(写真12枚目が7月16日に観察した個体)カワラヒワは頭部、周辺から抜け始め、翼から抜け始め、背中、翼、尾羽の順番で換羽し全部で90日程度かかると聞いています。(ハシボソガラスは体表に暑さが伝わらないの?)沿岸ではあちこちにハシボソガラスが木の上に止まり、嘴を開けて熱を放出していました。帰宅後、鳥友の獣医に聞いてみたら、羽毛が作り出す空気の層で体表の暑さが直接伝わらないと教えてもらい、体温は約41度程度なので外気とのギャップは感じていないと思うと教えてもらいました。(写真)2026年8月8日撮影(12枚目は2026年7月16日柏の葉キャンパス駅近郊で撮影)
2026.08.08
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渡来したツバメ夫婦が造巣、産卵、子育てをし幼鳥たちと行動している姿を見かけるのもあと少しの時期となりました。来年もまた飛来してくれるといいのにと思います。先日、コウノトリの里を訪ねた折、来訪者の方と毎年同じペアが帰還するのでしょうかと会話をしました。オスとメスの繁殖地への到着する日の差で同じ夫婦が維持されるか、離婚する分岐点となる論文の内容を神山(2010)が紹介しています。くわえて、繁殖地への帰還率について水田(2024)が報告している一部を紹介します。(新潟県での追跡調査の結果から)神山(2010)は、新潟県上越市で2005~07年の3年間に168組のツバメ夫婦を捕獲してカラーリングを付けて追跡調査をした論文を紹介しています。「越冬のために南へ去ったツバメが翌年また戻ってくる帰還率はオスが47.0%、メスが33.3%で、統計的には両者に差はありませんでした」、「オス・メスともに翌年も生存していたのは168組のうち26組で、その中で離婚した夫婦は65.4%(17組)もいました」記しています。また、原因は、オスとメスが繁殖地に到着する日の差にあったと報告しています。つまり、オスがメスより早く到着してい て、オス・メスの到着日の差が10日以内なら両者はふたたび夫婦になる場合が多いのに対して、オスの到着がメスより1日でも遅れれば、メスは別のオスと夫婦になってしまっていたと記し、離婚するのは両性の到着日の差が原因であると紹介しています。なお、夫婦そろって同じ巣に帰還したかついては、記述が見当たりませんでした。(ツバメの帰還率について)前記の神山(2010)は、繁殖地への帰還率がオス47.0%、メス33.3%と紹介しています。これに対して、水田(2024)は1954年から1959年に東京都多摩地方で成鳥240羽、幼鳥1300羽に足環をつけて調査したデータがあることを紹介し、成鳥240羽のうち翌年も多摩地方に戻ってきたのは54羽(約23%)、幼鳥1300羽のうち戻ってきたのは34羽(約3%)だったと述べています。幼鳥の死亡率が高いのとともに生まれ故郷に戻らず新しい場所で暮らす傾向があると考えられると記しています。さらに、夫婦そろって同じ巣に戻ってくるのは単純に計算しても120番のうち3番、わずか2.5%と述べています。この帰還率の差は、里山環境が残っている差、餌となる昆虫の差、越冬地の違いによる差などいろいろな要因が考えられるので評価がむずかしいところです。(引用)神山和夫.2010.ツバメの離婚と雌雄の到着時期の差~なにがツバメの夫婦を別れさせるの?~.原典:Arai, E., Hasegawa, M. & Nakamura, M. 2009. Divorce andasynchronous arrival in Barn Swallows Hirundo rustica. Bird Study 56: 411-413. Bird Research News Vol.7 No.3.p2.水田 拓.2024.毎年来るツバメは同じツバメか.足環をつけた鳥が教えてくれること.山階鳥類研究所 著.p72-75.山と渓谷社.(写真)1枚目:2026年7月27日手賀沼沿岸、2枚目:2026年6月19日柏市内、3枚目:2011年7月2日柏市内、4枚目:2026年8月3日野田市内で撮影
2026.08.07
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スマートな体形で多くのファンを持つとされるアオアシシギ、8月から9月にかけてその姿を見かけます。ところが、その羽衣は同じ種類とは思えないほどバリエーションがあり、観察者を悩ませます。幼鳥、第一回冬羽、第一回夏羽などのポイントを整理してみました。(1)8月から9月にかけて渡来する幼鳥よく見かけるのが上面の褐色味が強く、白い羽縁がある幼鳥(写真1枚目)です。各羽に丸みがなく先端が尖り気味です。幼鳥は4か月ほど経過すると第一回冬羽の羽衣(写真2枚目)になります。(2)第一回冬羽肩羽は灰褐色で先端に丸みがあり、白い羽縁が目立ちます。第一回冬羽では部分換羽で、雨覆・三列風切に褐色の幼羽が残っています。(写真2枚目)(3)第一回夏羽頭から胸にかけて黒い縦斑があり、肩羽には黒い軸斑と白い羽縁の夏羽が出てきます。このほか、冬羽と摩耗した幼羽(褐色)が残っています。第一回冬羽と同様に部分換羽です。(4)成鳥冬羽上面が灰褐色で羽縁が白く丸みがあります。下面の白さも目立ちます。(写真4枚目)(5)その他8月から9月にかけて写真5枚目や写真6枚目のような個体を見かけます。写真5枚目は、頭から胸にかげて斑があった痕跡があり、摩耗した褐色の幼羽があることから第一回夏羽と考えた個体です、また、写真6枚目は、各羽に丸みがなく先端が尖り気味であり、上面の褐色味が強いことから幼羽であることがわかります。(写真)1枚目:2021年8月28日茨城県稲敷市、2枚目:2019年10月21日、茨城県稲敷市、3枚目:2017年8月20日千葉県習志野市、4枚目:2016年9月10日茨城県稲敷市で撮影5枚目:2014年8月24日東京都葛西、6枚目:2024年9月20日茨城県稲敷市で撮影
2026.08.06
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天気予報は曇りでしたが午前中早い時間から晴れ間が出てきたので船橋市三番瀬を訪ねました。小潮ながら干潮は14時30分前後で、公園に近い干潟に鳥の姿がありました。お目当ては、2026年3月に公表のレッドデータブックで絶滅危惧ⅠB類に区分されたコアジサシとの出会い、シギ・チドリとの出会いです。コアジサシについては、草地化による裸地の消失、卵や雛の捕食、造成工事やレジャーにより人為的攪乱を受けるなどで繁殖成功率は高くなく、姿を観察できるフィールドが激減しています。(コアジサシ親子の姿と再会)コアジサシの姿は、船橋港よりの干潟にありました。成鳥8羽、ヒナ3羽。キリィキリィと鳴き声が聞こえたので移動していくと、水たまりの縁で幼羽個体が餌を待ち焦がれている姿があり、成鳥が何とも餌の小魚を運搬していました。幼羽は。背、翼に褐色の斑があり、足と嘴が橙色に見えました。(シギ・チドリ)シギ・チドリは、ミヤコドリ、ダイゼン、ミユビシギ、キアシシギ、オオソリハシシギの姿を見つけました。ダイゼンは下面に白黒が混在している夏羽から冬羽に移行中の個体、ミユビシギは上面の軸斑を除くと冬羽とあまり変わらず、上面は黒色が目立ち羽色の地が白色の若鳥でした。キアシシギは、下面の横縞が目立ち、腹中央に横縞がない夏羽個体でした。(ウミネコの羽衣のいろいろ)ウミネコは、成鳥、幼鳥の羽衣のいろいろを観察しました。嘴が成鳥と同様の赤・黒・赤・黄色、虹彩が黄色で雨覆に褐色部のある幼鳥など、実にいろいろで見ごたえがありました。(写真)2026年8月5日撮影
2026.08.05
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先月まで見守りをしてきた林と別の場所にツミが営巣し、幼鳥が4羽誕生しました。先月22日には幼鳥は2羽、27日には幼鳥は1羽の姿が観察できるのみとなっています。ただし、28日には雄成鳥が近くの高圧線に止まり、カラスが林に接近すると鳴き声を出しながら追い払い行動を目撃しています。林のどこかに幼鳥が存在しているものと考えらます。(今朝は幼鳥2羽が餌を自力で捕獲・解体)今朝は、鳴き声を3回聞いたほか、自力で小鳥を捕獲し、高い枝に止まり解体をしていました。止まっていた位置が高く、葉に隠れてしまい私の方向をむいていましたが、思うように記録はかないませんでした。このため、脛毛の黒褐色の横斑や雨覆の色や模様から同一個体と思われる個体の写真をアップしました。(写真2枚目、3枚目)(いつ頃まで林の滞在するか)畑(2000)が「幼鳥のハンティング行動が見られてから1週間後には営巣林とその周辺では姿が確認できなくなった」と報告しているものもあれば、森岡ほか(1995)のように「8月末までに見かけなくなった例と春先までいて親鳥が繁殖行動をとるようになってから見かけなくなった」と報告しているものもあります。観察地の環境などの影響で幼鳥の行動を把握できる場合としにくい場合があること、採餌する場所が近郊にある場合と遠い場合など影響しているのではないかと思われます。見守りをつづいているツミを引き続き、注視していきます。(引用)森岡照明・叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995.日本のワシタカ類.p118.文一総合出版.畑 隆弘.2000.東京都西部におけるツミの繁殖生態について.スタディレポートVOL6.pp32.(株)フレック研究所.(写真)2026年8月4日撮影(1枚目)、2枚目、3枚目は2026年7月23日撮影
2026.08.04
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3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックにコジュリンが絶滅危惧ⅠB類と区分され掲載されています。(レッドデータブック概要)環境省(2026)は、「本亜種は繁殖を可能とする生息地の条件が非常に限られていて、東北地方の岩木川流域、仏沼周辺、八郎潟、最上川下流域、新潟県福島潟、利根川下流域に個体群が分断化されている」「北日本(青森県、秋田県、新潟県)の個体群は夏鳥として繁殖し、関東以南から西日本の地域で越冬している。利根川下流域に分布する個体群は留鳥である。かつて存在した長野県霧ヶ峰、富士山麓、佐渡島の繁殖個体群は消失した。北海道では確実な繁殖記録がない」と報告しています。(存続を脅かす要因)環境省(2026)は、「河川敷などにおける撹乱の減少による丈の低い草原の減少。放牧・野焼きの中止、採草地の放棄等により草原から灌木林への植生遷移。また、メガソーラー建設による草地開発や耕作放棄により生息地が減少している」と述べています。(絶滅危惧種でありながら越冬地も把握されていない)第5次レッドデータブックには、コジュリンの繁殖地に関する記述はありますが、越冬地についてはまったく記述がありません。絶滅危惧ⅠB類に区分される種類でありながら、越冬地に関する知見を紹介するなど基礎情報の提供をすべきだと思います。次回のレッドデータブックに情報が盛り込まれるように期待したいと思います。(標識調査員のみなさんが明らかにした越冬地)環境省自然環境局(2020)に鳥類標識調査のメンバーによって確認された繁殖地は、7県、18地点、地点は8地域にまとめられると報告されています。また、山階鳥類研究所・環境省生物多様性センター(2023)に「主な越冬地は関東の太平洋側から九州にかけて広い範囲で確認され、主要な繁殖地である北日本の大半では越冬していない」と記されています。(引用)環境省自然環境局 生物多様性センター. 2022.2020年鳥類標識調査報告書.p39-40.山階鳥類研究所・環境省生物多様性センター.2023.バンディングかわら版(第6号).pp1-2環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)2026年8月1日茨城県稲敷市で撮影
2026.08.03
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昨日、茨城県浮島でオオハシシギ夏羽を観察しました。復習をしていて気がついたことがあります。それは、夏羽でも春先と夏では細かい部分で違いがあることです。(春先の夏羽と8月の夏羽の違い)春先の個体は下面の各羽に横斑と白い羽縁が目立つのに、昨日の個体は各羽の横斑と白い羽縁がなく下面は一様赤褐色でした。調べてみると、氏原(2004)がこの点を報告していました。写真1枚目と2枚目は昨日の観察した個体、写真3枚目と4枚目は2013年4月28日に観察した夏羽個体です。(夏羽から冬羽への換羽)8月から9月にかけて換羽をします。写真6枚目は2018年10月6日に同地で観察した夏羽から冬羽に移行中の個体です。肩羽周辺に夏羽の名残がありますが、翼の大方が冬羽に移行しています。翼が最初に換羽し、他の部分はその後ということとみることができます。(上嘴が少し長く、案外しなやか)嘴で蓮田の土をつついていた際、上嘴が下嘴に比べて少し長くて、上嘴が上方向に反っているのを目撃しました。決定的瞬間を記録するにはかないませんでしたが、2018年10月にも同様のことを観察したことがあります。写真2枚目の個体の嘴に注目すると、上嘴が下嘴に比べて長いことがわかります。写真には記録できなかったのですが、嘴を開けていると上嘴が上方向に反りあがっていました写真4枚目は、2018年10月に同地で観察した上嘴が反り返っていた時のものです。以前、獣医の鳥友に嘴に関して教えてもらったことがあります。シギの仲間の嘴は、先端だけが硬い非常に特殊な構造をしているのが特徴で、嘴の先端部にはひだ状の真皮があり、神経が通った機能を持っています。この先端部(ヘルプスト小体)を触覚にして採餌します。先端部は振動に対して敏感で採餌する時に役立つものと教わりました。(尾羽)オオハシシギは腰から尾羽に褐色の横斑がありますが、下面が赤褐色で黒っぽい横斑があるのに気が付きました。近似種シベリアオオハシシギは腰から尾に黒褐色の横斑がありますが、脇から下尾筒は白く、黒褐色斑があり違いがありました。この点は、今井(2019)が同じ点を報告していました。オオハシシギは写真1枚目と2枚目、シベリアオオハシシギは2013年7月7日葛西臨海公園で観察した個体です。(引用)氏原巨雄・氏原道昭.2004.シギ・チドリ類ハンドブック.p37.文一総合出版.今井光昌.シギ・チドリ類の年齢・季節による羽衣の変化 ―連載第17 回 シベリアオオハシシギ―.日本野鳥の会三重会報.第110号.p10.
2026.08.02
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いよいよ、8月に入り、茨城県稲敷市浮島のシギ・チドリを探索する時期が到来しました。霞ヶ浦に注ぎ込む新利根川脇から広がる蓮田を甘田干拓地近く野田奈川の間を探索しました。例年と違って休耕している蓮田がほとんどなく、一見するとシギ・チドリが降り立つところがないように見えましたが、それでも昨シーズンタカブシギ、コアオアシシギが羽をやすめていたポイントに立ち寄ると、コチドリ、タカブシギ、コアオアシシギ、オオハシシギの姿を発見。(タカブシギ)タカブシギは胸と脇に縦斑があり、上面の淡色部が増えている成鳥夏羽と上面の白斑が擦れて白斑が小さい成鳥夏羽後期の個体の姿がありました。(クサシギ)頭から胸に縦斑があり、上面は暗褐色に見え、尾羽の横帯が3本見えました。嘴はタカブシギと比べるとやや細い印象でした。(コアオアシシギ)コアオアシシギは、幼羽から第一回冬羽に移行中と思われる個体を観察しました。(オオハシシギ)オオハシシギは、頭上が褐色色で眉斑があり、まっすぐ伸びた嘴、上面が黒味がかった褐色で、白い羽縁と横斑が擦り切れて下面が一様な赤褐色となっている夏羽後期の個体でした。(甘田観察地のコジュリン、オオセッカ)帰り道に甘田干拓に立ち寄り、コジュリン、オオセッカの姿を観察。複数の個体が生息し、見ごたえがありました。(備考)新利根川よりには蓮田の休耕田はほとんどない状態です。野田奈川沿いに限られた休耕田があるのみです。ただし、農作業の関係で農道への車両の乗り入れは厳禁、また。大人数で入るとシギ・チドリを飛ばしてしまいますので注意が必要です(写真)2026年8月1日撮影
2026.08.01
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