2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
全14件 (14件中 1-14件目)
1
ぼんやりしていると乙一と打ちそうになる。別名義。別名義・・・。長崎県五島列島のある中学合唱部が物語の舞台。合唱部顧問・松山先生が産休に入るため、1年の期限付きで臨時教員&合唱部の指導を依頼したのは、中学時代の同級生で東京の音大に進んだ、元神童で自称ニートの柏木。美しすぎる臨時教員・柏木の登場で、女子部員しかいなかった合唱部に男子生徒が多数入部。練習にまじめに打ち込まない男子部員と女子部員の対立が激化する中、夏のNコン(NHK全国学校音楽コンクール)県大会出場に向け、女子の一部員はこれまで通りの女子のみでのエントリーを強く望んだが、柏木は男子との混声での出場を決める。一方で、柏木先生は、Nコンの課題曲「手紙~拝啓 十五の君へ~」にちなみ、十五年後の自分に向けて手紙を書くよう、部員たちに宿題を課す。提出は義務づけていなかったこともあり、彼らの書いた手紙には誰にもいえない等身大の秘密が綴られていた。男女の対立、協力、練習、恋愛、家族関係、それぞれの事情が絡み合いながら大会を目指す。さわやかな小説。彼らの15年後の自分にあてた手紙も織り込まれて展開。ところどころ気になるエピソードがそのまま放置というか、掘り下げられないので、ちょっと残念でもあるけれど。実際に課題曲になった曲が登場するので、全国の合唱部がどう表現したのかちょっと気になった。-------------------------松山ハルコ~産休に入った音楽教師兼合唱部顧問。心臓が悪いため、出産には危険が伴う。 出産がNコン長崎県大会当日に重なり、携帯越しに歌が届けられる。柏木先生~音大ピアノ科出身。臨時音楽教師兼合唱部顧問。 卒業後は東京で活動もしていたらしいが、 最近は音大出のニートでひきこもりだったと自称。 松山の夫は柏木の元彼らしい。おごっていた頃の自分はふられたとのこと。 自分で作曲した曲をピアノで弾いていたのを聴かれたことがきっかけで、 未完だった曲を自由曲にアレンジすることに。 1年後、東京に戻る。辻エリ ~合唱部部長。真面目。仲村ナズナ ~愛人を作って島を出、その後も金を無心してくるような父がいるため男嫌い。 母は病死し、祖父母と暮らす。長谷川コトミ~天使のような博愛精神で、皆から愛されている・・・キャラ。 実は暴言を吐いたりするが、それは秘密。 暴言を聞かれたサトルと話すことが多くなる。 卒業した神木先輩と付き合っていたが・・・。桑原サトル ~学校では気配を消すように一人で過ごしていたが、流れで合唱部に入部。 長谷川の別の一面を知ってなお、彼女に惹かれている。 自閉症の兄がいる。向井ケイスケ~柏木目当てで合唱部に入部。 やる気なかったが、辻の真剣さに心打たれ練習するように。 幼馴染のナズナに協力を頼み、辻に告白。三田村リク ~ケイスケと仲の良い柔道部員。同じく柏木目当てで合唱部入部。柏木作曲、作詞はナズナとサトルの共作のような自由曲。せっかく自由曲をオリジナルにしたのならば、このあたりをもっと掘り下げてほしかった。
May 26, 2012
本編内容は→コチラ☆単行本、★短編 巻末についていた年表+α(+α分は微妙に適当)1991年 田口:神経内科学教室に入局/東城デパート火災 ☆ジェネラル・ルージュの伝説2000年 田口:講師・医局長就任2001年 オレンジ新棟完成/速水:救命救急センター部長に、花房:同看護師長に就任。2002年 高階:病院長就任2003年 不定愁訴外来開設2005年 桐生恭一:臓器統御外科助教授就任 ☆1 チーム・バチスタの栄光2006年 バチスタ・スキャンダル ☆1 加納警視正:桜宮署へ出向/エシックス・コミティ発足/三船:事務長就任 ショッピングモール「チェリー」開店 ☆ナイチンゲールの沈黙/螺鈿迷宮/ジェネラル・ルージュの凱旋2007年 神々の楽園事件 ☆2 イノセント・ゲリラの祝祭(以下、☆4まで) 青空迷宮事件 ★青空迷宮 田口:厚生労働省斑会議出席 今中:極北市民病院外科部長就任 ☆3 極北クレイマー2008年 医療事故調査委員会設立委員会創設 桧山シオン:日本帰国 ☆2 極北市民病院産婦人科部長、逮捕 ☆3/4 セント・マリアクリニック開院 ☆4 ジーン・ワルツ/マドンナ・ヴェルデ2009年 積雪観測小屋殺人事件(雪下美人殺人事件) ★四兆七千億分の一の憂鬱 桜宮エーアイセンター創設 ☆アリアドネの弾丸 竜宮組幹部連続自殺事件 ★エナメルの証言2010年 社会保険庁解体 ☆ケルベロスの肖像 未来医学探究センター創設 人工凍眠法成立 ☆モルフェウスの領域
May 22, 2012
シリーズ番外編短編集。宝島社出版。様々な事件(死体)を通して、死体検案と医療と警察について考える・・・問題提起?どのくらいが実現しているのだろう?白鳥と加納、それぞれの相手で苦労する田口と玉村のシンパシー。----------------------------0 不定愁訴外来の来訪者東城大学医学部不定愁訴外来の田口公平のもとを桜宮市警の玉村警部補が訪ねる。警察庁のデジタル・ハウンドドック(電子猟犬)と呼ばれる加納達也警視正の命令で、桜宮署管轄で起こった事件のレポートをまとめることになった玉村は加納の指定した事件に田口が居合わせていたことから協力を求める。1 東京都二十三区内外殺人事件「イノセント・ゲリラの暴発」ケース。:「イノセント・ゲリラの祝祭」と同時期。2007年12月下旬。厚生労働省による検討会出席のため、東京出張となった田口。白鳥と小料理屋「牡丹灯籠」(産婦人科セント・マリアクリニックそば)で食事した後、公園で死体を見つけた。白鳥に言われるまま死体を動かしてから、警察に通報。そして、警視庁の警官によって監察医務院(院長・肥田)へ。翌朝解剖の手筈が整う。次の日も同じ場所で死体を見つけた田口はその場で通報。死体は神奈川県警によって、嘱託警察医のいる田上病院へ搬送されるも短時間で心不全の診断がなされる。。前日との違いに疑問を持った田口は疑われ、玉村から教えてもらい加納(警察庁)を呼ぶ。(一つ貸しがあったということで。)田上病院に引き返し、死体のCTをとり、溺死だったことが判明。死体は暴力団構成員で、神奈川県警の所轄で、事件性なしと判断されたことがあった田上病院の管轄である公園は、体表に傷がない死体を投げ捨てる場所になっていた。白鳥が死体を動かし警視庁に連絡したのは、少しの場所の差で管轄が監察医制度が機能している東京都23区内になるからだった。姫宮は北のほうのさる病院に潜入調査中。死亡時医学検索の観点からみると地域格差がひどすぎる。ずさんだが、田上医師の行為は違法ではない、罪は問えない。その解決の一つになるであろうAiは、担当部署となる医療安全課が厚生労働省の古い体質のままのため、導入足踏み状態。2 青空迷宮2007年11月中旬。サクラテレビの新年の特番のプロデューサーは諸田藤吉郎。ディレクターは小松、特番の企画立案者は元お笑い芸人で現ADの真木。賞金のかかった迷路で、芸人が殺された。犯人は・・・。殺されたのは三人組だった真木のネタを盗み、一人芸人として成功した利根川。加納は殺人方法を推測し、証拠をでっち上げ(グーグル・アースの画像を細工。)、真木を追い詰める。今回はでっち上げだったが、本来毎秒送られているグーグル・アースなどの基礎画像情報が捜査に利用されたら、捜査の仕方も変わるかもと加納。・・・そうなったら、監視社会になりそうだ。そんな映画があった気が。3 四兆七千億分の一の憂鬱2009年4月下旬。雪に埋もれていた発見の遅れた殺人事件の容疑者はDNA鑑定ですぐ特定される。斑鳩広報官が創設をアピールした桜宮科学捜査研究所(SCL)DNA鑑定データベース・プロジェクト、通称DDPの適用第一号。(容疑者を捜査で割り出してDNA鑑定ではなく、現場の遺留物の鑑定結果をデータベースにかけて犯人を割り出した。)従来と違う捜査方法に現場は戸惑い、谷口本部長のご意向で加納が出動することに。馬場は製薬会社での治験バイトを利用され、容疑者にされた。犯人はサンザシ薬品常務取締役・白井で、妻を殺害。加納はイオン加速器、スプリング・エイトによる微量成分の分析を使い、また、犯行当日に馬場がネットゲームをしていた事実からアリバイ成立を証明する。医療情報をシステマティックに捜査情報として提供するならば司法が医療を侵食されぬよう、オフィシャルな境界線を引かなくてはならないと言いながらも、田口も捜査に協力。SCL鑑識室室長は棚橋鑑識官。全ての人の指紋は集められないが、医療現場の協力があればDNA鑑定による特定が可能になる、斑鳩は捜査情報に関わる決定権ともなる試料の個人情報とリンクさせるマスターキーを医療現場の手にゆだねることで、協力体制を築いた。斑鳩に対応した東城大学の渉外部署はエシックス・コミティの沼田准教授。20年前のDNA型鑑定の取り扱いを間違えた冤罪、松崎事件が起こった直後。DDPのお披露目はなしとなるが、冤罪とならなかったと斑鳩は加納に礼を言う。科学に頼りすぎ、人物特定はできても真犯人とは限らないという落とし穴がある。その時に、捜査の基本情報を提供するシステムは司法から独立、分離させたほうがエラーは少ない。と加納は言うが、まぁ、これは海堂氏の意見であり、医療と司法の分離独立というのはAiにもかかわるところなので実際、警察関係者がどう思っているかは気になるところ。碧翠院桜宮病院の跡地は、青空迷宮の建築場所であり、SCLの隣、Aiセンター。この事件の後、アリアドネ・フェノメノン起きたとのこと。馬場利一は、ゲーム世界で玉村と知り合いだった。4 エナメルの証言2009年3月中旬。死体の歯科医・栗田は死体の歯の治療痕を依頼通りに処置する。依頼人であるヤクザの組合員が相次いで焼身自殺で処理され、海外逃亡を成功させる。栗田は完璧な処置を施すが、簡単な死体検案ですむと踏んだ師匠・高岡の処置した死体が加納によってAiがなされ(Aiセンター構築メンバー田口→島津ルートで)死体が別人と判明。高岡と彼に依頼したヤクザは逮捕されるが、栗田の処置した死体は多少のズレはあっても誤差範囲内と判断されるような制度だったため、栗田は四国に逃亡。おかしいと思いつつも加納は他の焼身自殺したとされる組長・組員、栗田まではたどり着けず。この事件が刊行予定の「ケルベロスの肖像」に関わってくるのだろうか?桜宮史年表は→コチラ
May 22, 2012
続編登場!ご近所のもめごと、事件、困りごとに三匹のおっさん見参、活躍☆勧善懲悪とばかりはいかないので、スカっと、スッキリとする話ばかりではないのだが、身近に感じる話、よく聞くような事件、事態も多い。実際に三匹のおっさんがいたらいいのに、と思う人は多いのでは?前回のあらすじが、漫画(イラスト)なのが面白い。---------------------------清田清一~通称キヨ。定年退職後、近所のゲーセンに再就職した剣道の達人。立花重雄~通称シゲ。柔道家で居酒屋「酔いどれ鯨」の元亭主。有村則夫~通称ノリ。機械をいじらせたら無敵の頭脳派、工場経営者。清田祐希~キヨと同居している孫。高校二年生。キヨと同じゲーセンでバイト中。早苗の恋人。有村早苗~ノリの愛娘。高校二年生(女子校)。早くに母を亡くし、父と二人暮らし。・第一話前回マルチ商法に引っかかった後、清田貴子は「永田精肉店」でパートを始めた。1ヶ月たつが周囲になじめず、うまく動けない。世間知らずの奥様の気まぐれで続かないと思われ、(実際、大学在学中に出来婚したため、就職経験なし)悔しさも募る。意地で続ける貴子は、店の外であった常連客の女子高生(実は早苗)の前で泣いてしまう。初めての給料の少なさに愕然としながらも、義父母(舅・姑)にケーキを買って帰ると予想以上に喜んでもらえ、息子に助言をもらえたりもする。周囲の動きをみるようになり、苦手だったパート頭・克恵らにも少しずつなじんでいき、パート友達・育代もできる。が、育代と金銭トラブルに。何とか解決するも、「永田精肉店」は辞めることに。なんだかんだと言いながら、嫁・貴子を心配するキヨが微笑ましい。そっと心配する息子・祐希もいい子だよなぁ。早苗が祐希に渡すバレンタインのラッピング選びを偶然手伝ったことで、息子の彼女をこっそり認識する。・第二話シゲは毎月立ち寄る本屋「ブックスいわき」で万引きを目撃する。店長の井脇によると、学校の春休みに向けて悪さするガキどもが増えるという。それを聞いたシゲは、三匹で臨時警備をすることに。一方、祐希も万引き犯とぶつかり、犯人と疑われたこともあり、3人に協力。これは本当に切実な話だろうな。こうやって本屋の経営の大変さを知って、万引きが減ればいいのに。犯人への扱いに気を付けなければいけなかったり、万引き犯の親が今は様々だというところも、本当に頭の痛い話だろう。なによりもきちんと叱られる経験って大事だったんだな。今は逆ギレされて刃傷沙汰ってのも少なくない。そうなる前の教育が大事なのか・・・。祐希は早苗と同じ市立の商科大を目指すことに。その理由の一つに、今はまだ清一と同じ家で暮らし、彼の教えを受けたり、何かあった時に手伝える位置にいたいとの思いが。本当に微笑ましい!もちろん、早苗と一緒の大学にというのもあるが。受験勉強のため、ゲーセンのバイトは春休みで辞めることに。・第三話早苗は、祐希とケンカしてしまう。実は父・則夫が見合いし、お相手・山野満佐子が積極的なため、また、叔母・幹代に父の幸せのためだと詰め寄られ、話が性急に進んでしまい、どうしていいのか分からなくなってしまっていた。則夫も幹代から早苗の重荷になるなといわれていた。満佐子は以前、則夫のパトロールに助けられたことがあった。早苗は祐希に八つ当たりしてしまうが、祐希の仲裁もあり、父も娘もお互い相手のことを想い、遠慮していたが、それぞれまだ寂しいことが判明。満佐子は引っ越しが決まっており、幹代ともどもちょっと焦ってしまってタイミングが悪かったということに。・第四話ゲーセンの敷地内でごみの不法投棄を見つけるキヨ。ポイ捨てした小僧ども(中学生?)を注意したその後、不法投棄が増える。最近の若者は・・・というキヨに対し、最近の年寄は・・・と言いたくなるような横暴だったり、マナーの悪い年寄りがいると祐希。貴子は一駅向こうの雑貨屋でパートをはじめ、続いているらしい。パトロールする3人だが、少年らだけでなく、ルール無視して家庭ごみをおいていこうとする身勝手な大人が多いのに辟易。当たり前の行動ができることに感心したりする・・・そんな時代なんだなと思いつつも救われた気持ちになったりしたり・・・。いたちごっこで、解決したり、しなかったり。年に関係なく、人それぞれになってしまったモラル、「愛される年寄りの秘訣くらい心得てます」とのたまうキヨの妻・芳江の一言もあり、ナイーブな若者の善意(席を譲ってくれる)を受け入れてみたりするキヨであった。・第五話シゲの後を継ぎ「酔いどれ鯨」の店主となった康生は、できた息子と評判がいい。いつも家にいる、スーツを着ない父を恥ずかしいと思ったことがあること、きちっとしたキヨに憧れたことがあること、遊んでくれたお兄さん・健児(キヨの息子)との思い出・・・。商店街も世代交代が進み、大型スーパーができない活性化案として、祭を復活させることに。だが、以前と変わり、神社も氏子が減ったり、とある町内会長の宗教上の問題やら、個人情報やら、大規模マンションの管理組合のそっけない対応やら、商店街内でも組合に入らない店舗が増えたりで資金集めに奔走するも四苦八苦。祭りでの父に憧れたことを思い出す康生。最後に足りない資金は健児の勤める銀行が出してくれる。地元と関係の薄い住民、これもどんどん増えているだろうな。・第六話祐希はとある見まわり三人組に放火犯と間違えられる。その三人組の中心人物は、定年後にこちらに戻ってきた松木邦久で、初恋の相手だった芳江が話した夫・キヨの話に触発され、大野満男、菅原紀久夫を誘い、パトロールを開始したのだった。パトロールの目が増えるのは防犯上悪くないし、手柄も上げたりするが、三匹にライバル心をあらわにし、責任感が強すぎ、融通が利かず、頭ごなし、上から目線の物言いで若者らとトラブルに。三匹が力ずくの仲裁に入り、事なきを得るが、松木の清一に対する長年の嫉妬(現在、妻はいるが、初恋の相手のことは別、らしい)、マドンナを嫁さんにしたのに扱いがなってないという怒りが爆発。その後、則夫の助言で身の丈に合ったやり方に変更することに。この一件から、キヨは芳江を温泉に誘う。祐希は志望校に合格。同じく合格した早苗には満佐子から祝いの花が届く。キヨは再び剣道道場の生徒募集をすることに。・bonus track 好きだよと言えずに初恋は、前回登場の早苗の友達・富永潤子の初恋の相手が、なんと「植物図鑑」の樹と思われるクロスオーバー作品。転校が多かった潤子。六年生の三学期、四年生の時に押し付けられた係がきっかけで話すようになった男の子が、転校が決まった潤子に毎日植物について教えてくれるように。だが、その子は女子の中で抜け駆けしてはいけない男の子だった。「お別れする人には花の名前を教えておきなさい。花は毎年、必ず咲くから」とお母さんが言ったからと、いろいろ教えてくれた日下部くん。「別れる男に花の名前をひとつ教えておきなさい。花は必ず毎年咲きます」川端康成の言葉を授業で聞き、当時を思い出す潤子。うまくやれなかったあの頃。今はキャラも生きやすいように変わった。転校が多く、積み上げた人間関係もすぐ位置からやり直しになることでいつからか僻み、その場のノリで恋愛も刹那的になっていた。でも、男運そんなに悪くなかったと思い出し、引っ越しを機にまた変わろうと決意する。今回の引っ越しを見送りに来てくれた友人というのは早苗と祐希だろう。でも、「植物図鑑」の恋愛は、あれだけで完結させてほしかったな。あちらは恋愛小説だっただけに。樹を登場させるとしても恋愛絡めず、ゲスト出演だけにしてほしかった。
May 18, 2012
その決断が未来を変える。3つの短編が連鎖して、世界を変動させる。「試されていたのかもしれない。たとえば、勇気の量を。」「個人の力を超えた、大きな力が物事を動かしているような気がする。」「臆病は伝染する。」「勇気も伝染する」震災前に書いたとのことだが、なんだか(直接ではないが)彷彿とさせるようなところあるような気がしないでもない。でも、偶然でも現実に起こったことと一部の表現がリンクするようなことというのは(震災前後に関わらず、小説に)多いだろうな。そう思うと、今、小説家には逆に書きにくい時期かも・・・?----------------------------・PK10年前、2002年の前年、ワールドカップ予選で日本代表の要の小津のPKで決めたゴール。父親の友人・次郎君の恐怖体験で躾けられた兄弟。幹事長に偽証を強要されている大臣と彼に付き従う無愛想の秘書官。大臣は秘書官に命じ、小津のゴールについて調べさせる。PK直前、チームメイトで小学校の時からの同級生・宇野とどんな会話を交わしたのだろう?小津も宇野も亡くなっており、事実を本人に確認することはできない。小津の息子の誘拐説、小津と宇野の妻の不倫説、スポーツ賭博疑惑など、様々な説が浮かび上がる。次郎君の恐怖体験で躾けられたのは大臣。大臣の父は作家であり、謎の男に指定通りに小説を改稿するよう圧力をかけられる。断れば大変なことになる、と言われて・・・。父親は浮気相手から自宅にかかってきた電話を、ゴキブリが出たおかげで妻(大臣の母)に取られず、事なきを得たことがあるあるらしい。25年以上前、大臣はマンションから落ちた子供を助けたことがあった。小学生のころの宇野と小津は、その現場を目撃したことがあった。子供に自慢するほうを選ぼうと大臣の父は改稿依頼を断り、子供が目の前で助けられるところを目撃し(勇気を得)たことのある小津は、PKが決まれば勇気を与えられることもあるという宇野の助言で、PKをはずしてほしいという依頼を無視し、そして、だいじんは・・・次郎君=秘書官!?・超人独身謳歌中の小説家・三島のもとを訪れた警備会社の営業社員・本田は、未来が分かると言った。一夜限りの浮気をこじらせ、妻と別居中の田中もその場に居合わせていた。本田青年に届くサッカーの試合結果速報には、2年前から人の名前と数字が記されることがあった。(他人には結果速報にしか見えず、また、時間が経つと本田にも速報にしか読めなくなる)それが、その後事件を起こす人物(加害者)だと気付いた本田は、その人物を先回りして殺害していた。その時、本田のもとに届いたメールには10年後の予知が届く。被害者の数は1万と膨大な数だった。それは、少し前に大臣に就任した政治家だった。就任2か月の大臣は、病で子供を失ったことがあり、大臣の父の不倫相手からの電話を、母がとって大騒ぎになったことがあるらしい。大臣は秘書官に27年前に助けた子供を探してほしいと依頼する。とあるサッカーの試合の審判は、ファウルではないプレーにPKの判定を下す。27年前、現代人に命を救われたのは本田毬夫だった。その後、大臣の要望で、会うことになった本田。本田が受け取ったメールの大臣は彼だった。席を外したところで、大臣を狙う集団に襲われた本田を救ったのは青い生地の服を着た男だった。席に戻った本田が再び受け取ったメールは、前節のサッカーの試合は公式審判の複数人がサッカー賭博に関与していたことが明らかになり、無効になったと記されていた。本田が受け取った「大臣が将来大きな間違いを犯す」と思われるメールも誤報に。「間違いはそれを正すのを拒むまで間違いとならず、過ちを認めることから物事ははじまる」大臣はとある決断をし、その会話を聞いていた謎の男は忽然と姿を消す。・密使握手をした相手の時間を、一日の終わりに(一人につき6秒)盗める三上は、たくさんの人と握手できる職業として、ヒーローショーを選ぶ。そして、現世界を維持したまま、歴史の変更するために、その能力が必要だとの依頼を受ける。ちょっとした行動が、最初のドミノとなって、最終的に大きな変化となる。そのちょっとした行動とは、とあるゴキブリを盗むことだった。それを人間の未来を担う密使として過去に送るという。ゴキブリの出現によって変化する人間の行動が、最初に倒れるドミノの一つ、なのだという。(3億年以上前から進化が完成している→4億年前に送り込まれたゴキブリがいるからとの説がちょっと面白い。)重要な分岐点は、とある家庭にかかってくる夫の浮気相手からの電話をゴキブリの出現によって、妻ではなく、夫がとるようにするところだった。それがきっかけで、最終的には恐ろしい菌の蔓延が防止される。だが、過去にゴキブリを送る瞬間、ゴキブリは消え、死ぬはずだった三上は生き延び、そこには「今までのやり方よりも、より効果的に、求めていた結果が得られます」との広告のコピーが・・・。怪しいのは「失言に気を付けないと」とつぶやく緑色のコスチュームを着た人間・・・。未来の三上?あれ?握手した相手の時間を盗めるだけで、握手してない研究所の人間の時間は盗めないのでは??あ、でも、声を上げた瞬間、握手してなかった相手の時間も止まったんだっけ?あれ?
May 17, 2012
紀橋朱利16歳。断る理由がないから付き合ったが、心動かず、彼女が自分と朱利との距離感を埋められず、別れる。ライブハウスのバイト中、倒れた少女・牧島凪沙は、同じ高校の体育科の生徒だった。昔いじめられていて、心機一転、美波高校に入学した高見澤凜乃は、明るい千桜爽馬に片想いしていた。それぞれ家庭の事情を抱え、コンプレックス、憧れ、恋心が入り混じり、かけがえのない存在のために行動する。朽月夏音も登場。----------------------------両親の離婚と、肘を壊し、バレーボール選手になる夢も絶たれた凪沙は、家出中に朱利に助けられ、その後、普通科に転入。朱利に恋をする。何度告白しても朱利は受け入れない。凜乃は幼馴染の朱利に、過去、いじめた相手の持ち物を切り刻んでいるところを目撃されたこと、また、いつもの彼の全て分かったちょっと上から目線の言動などから朱利を毛嫌いしている。両親亡き後、育ててくれた兄の影響で昔は活発だったのだが、周りから浮いていじめられたことなどから地味な自分の存在を含めコンプレックスが膨らんでいたこともあり、自分とは正反対に見える爽馬に惹かれた。ある日、家庭教師をしてくれた女性が兄の恋人で、結婚を考えていると兄から告げられ、受け入れられず家を飛び出す。その時に爽馬に出会い、爽馬も家を出ていることを知る。医者の家系である千桜家を誇りに思い、嫁である母を苛め抜き、母と妹・桃華を壊した祖父母に反発し、一年高校に通わず一浪した爽馬。久しぶりに家族そろっての話し合いの場で、母を詰った祖父を桃華が刺したことから、桃華を連れて家を飛び出す。朱利は反対するが、皆が桃華が落ち着くまで匿うと決めたため、それに付き合うことに。逃亡劇の幕引きは、朱利がそれぞれの家族に連絡を取り、解決を図っていたことで唐突に終わる。千桜家は体面を重んじ、事件は表に出ておらず、また、祖父も一命を取り留めた。遅まきながら爽馬らの父は妻と子供を守るために千桜家を出ることを決意。凜乃は爽馬に告白。付き合うことに。父の不貞が原因で離婚してから自分に依存し、結婚、恋愛なんてくだらないと言い続ける母親の存在から、恋愛の失敗した未来だけを刷り込まれていた朱利は、恋愛が信じられなかった。その後、朱利は凜乃に恋をしたが、告白してもし付き合うことになったら(始まれば)終わりもくる、好きじゃなくなる日が来る、(それ以前に凜乃自身には嫌われてしまったが)とひたすら彼女のために行動しながらも、自分が関わっていると知ったら彼女は歪んだ顔をするだろうと隠し通したため、何一つ彼女に気付いてもらえない。大事だからこそ付き合わない、付き合えない。凪沙も大事な存在(友達)にはなったが、凜乃以上には思えないと断り続けた。凜乃と爽馬が付き合うことになり、朱利がひっそり失恋したことに気付いたのは夏音だった。夏音がいい味だしている。朱利には幸せになってほしいと思うので、「蒼空時雨」があるのはいい。でも、「蒼空時雨」のスピンオフでも、前日談でもないとあとがきにあるのだが、・・・紀橋朱利が主要メンバーにいる時点でどうだろう・・・?しかも、「蒼空時雨」の10年前に物語という表記もあるのに・・・。シンガー兼イラストレーターである秋赤音 氏の曲に合わせて書いたコラボ小説だとも。完全独立ならば、本当にまったく独立した話にしてほしかったというのはわがままだろうか。今までのシリーズのイラストイメージがあるので、どうにもしっくりこなかった。無謀、無計画、視野狭窄、自己満足、自己犠牲な思いやりに思春期・青春風味を盛り込んで、キラキラさせているように見せた話。というのが初見の感想。気持ちがのらずに読むとこんなにもざらついた感想なのか・・・。まとめる時にななめ読みすると”でも、”の段落より上部のようなまとめになるのだが。コラボ曲を聞いて読むとまた違うのかな・・・。
May 12, 2012
不倫相手の子供を誘拐し、逃亡した女・・・母と思った人は、自分を誘拐した人だった。その後の娘は・・・こう書くと味もそっけもないのだけれど、もっと訴えかけてくるものはある。映像化もされた一作。映画は見たことないが、主要キャストは知っていたので読みながら女優さんを当てはめて読んでしまった。解説にもあるけれど(読んだのは文庫版)どこまでも女性の小説だな、とも。うまく説明は出来ないけれど、この感情の揺れをどう表現したのかと思うと、映画もみてみたいと思った。--------------------------自分は不倫相手の子供をおろしたのに、(不倫相手の)妻は子供を産んだ。秋山家に忍び込み、一目見るだけが、その子を目にした途端、この子は自分の娘だと手が伸び、そのまま抱えて飛び出してしまう希和子。その子を薫と名付け、友人宅をはじめ、見知らぬ女性に声をかけられ、そのままその家へ身を寄せたり、女性のみが集まるエンジェルホーム(新興宗教のような施設)に身を寄せたことも。最終的には小豆島に流れ着き、穏やかな日々を過ごすが、祭りの日に偶然写りこんでしまった写真が賞を取ったことで、見つかってしまう。4年間の幸せな逃亡の日々の終焉。その後、希和子は逮捕される。一方、希和子を母と思っていた薫(本名・恵理菜)。突然、変化した環境。見知らぬ他人と思ったのが実の両親だった衝撃。ぎくしゃくする母子関係。突然(恵理菜が誘拐されている間に)できた妹の存在。戸惑いの中で成長した恵理菜は、不倫相手・岸田の子を身ごもってしまう。そのころ、以前、エンジェルホームで一緒だったという千草が恵理菜の前に現れる。封印するように忘れ、希和子を憎んでいると思った恵理菜だったが、千草と過去の場所を訪れるにつれ、湧き上がる感情があった・・・
May 11, 2012
新たなシリーズ開幕。ファンタジーのなかでも、現代、異世界、並行世界、非幻想現実世界のどれとも異なる法則世界を描いたとあとがきにある。異世界ファンタジーでもあると思うのだけれど・・・?カテゴライズの仕方が分からない。南方の島国・天青国は4人の邪神を(一の神を地底に、二の神を岩に、三の神を海に、四の神を天空に)封じ、(邪神を)礎とし、気脈の楔に築かれた国だという。天青国に王レギウス・ルカ・レグノの命を狙う不穏な動きがあった。15歳の士官候補生イオンは七閠将の一人、オーディンの命を受け王の命を狙うと目されるヘリオドール族の、代替わりした部族長を迎えに行くことに・・・創国神話にかくされた秘密、邪神とは?今回はさわりだけで謎は多いまま。国の成り立ちに疑問を持った少年は、現実にどう向き合っていくのか?という話になるのかな・・・。-------------------------新部族長はまだ幼い(イオンより少し年下に見える)少女・ニケーだった。王都にニケーを送り届けた後、王が暗殺され、王城に火の手が上がった。そこにはニケーの命を狙う暗殺者で、少女の扮装をする少年リッカと国の崩壊を狙い、またニケーを助けようとする少年アルフレッドが剣を交えていた。巻き込まれたイオンは二人と行動を共にし、ヘリオドール族が軍に蹂躙される様を目撃する。アルフレッドに付き従う阿爺(ジェラルダス)は、アルフレッドに邪神になる覚悟を問う。国のあり方に疑問を持ったイオンにあかされたのは、英雄とたたえられるクロウリー将軍の陰謀で、英雄とされながらも亡くなったことにされたアルフレッドの祖父・レオンが幽閉されていたこと、ヘリオドール族は王殺害の罪を着せられ、口封じのために滅ぼされたこと、現在も国がクロウリーに操られていることだった。邪神を探す洞窟で出会った不思議な二人、何か思惑があるらしいイオンの兄で書記官のサルファ、ただの商人には見えないメルクリウス(ユリウス)、など謎の多い人物ばかり。突如起こった竜巻により窮地を脱出したものの、天青国の裏切り者となったイオンは邪神の謎を解き、国の真の姿を探ろうと決意。ニケーはユリウスに預けられ、残った部族の民のもとへ。アルフレッドは阿爺、レオンと共に邪神復活をめざし、王命でニケーの命を狙ったリッカは一から出直しとなる。
May 10, 2012
日本画家の山口晃による、徒然、時に妄想炸裂日記(漫画?)妄想炸裂の国内編、洋行編や、双六に見入り、絵描きの生活に時に吹き出し、時に和む。やる気があるのかないのか、とにかく和む一冊。あ、でも、字が細かかったりするから、読むのに見入って和んでないのかも?いやいや、でも、肩の力を抜いて読める(見れる)。
May 9, 2012
可愛らしい少年少女の連作短編集。対象年齢が中学生からとなっている。--------------------------・約束の場所、約束の時間陸上部の武宮朋彦(中2)は自分とはタイプが違う転校生・菊池悠とは、仲良くなることはないだろうと思っていた。だが、彼が未来のゲームを持っていたことから・・・百年後の未来で特効薬がまだ見つかっていない病に罹り、療養に過去に来ていた悠とゲームを通じて仲良くなっていく朋彦。また、彼の影響もあり、陸上部や、周囲に気を配れるようにも。朋彦と、彼の幼馴染の砂原美晴の窮地を救うため、禁止されたタイムスリップをした悠は、未来へ強制送還される。朋彦と美晴以外は、悠の記憶は消されていた。未来に発生する病に備えるため、未来のためにできることはあるはずだと朋彦は出来る努力をすることを決意する。・サクラ咲く中学に入学し、自分の意見を主張できない、頼みごとを断れない性格をなおしたいと思う塚原マチ。ある日、図書室でめくっていた本から「サクラチル」と書かれた紙が滑り落ちた。その後、何度か同じようなメッセージを見つけたマチは、思い切って返事を書いてみる。メッセージの主との文通(?)と、クラスメイトとの関係が描かれる。メッセージの主は、声楽科のある学校受験に失敗し、登校拒否となっていた高坂紙音。正体を知らずにしていた彼女とのやり取りに励まされ、いつの間にか必要な自分の意見は伝えられるようになったマチ。マチは友人らと共に紙音を支える。朋彦らは先輩としてちょこっと登場。・世界で一番美しい宝石高校で映画同好会を立ち上げ、映画を撮りたいと熱望する武宮一平。ヒロインをお願いしたのは、元演劇部で主演していて、今は静かに図書室で本を読む「図書室の君」・立花亜麻里先輩。かたくなに参加を拒む亜麻里が挙げた出演条件は、昔読んだ絵本を探してくること。先輩の言う絵本はないと予測し、また、演劇部をやめた経緯を聞いた一平らは、先輩の境遇と話が似ていると思い、一平が文を、平野拓史が絵を、手先が器用な生田リュウが製本担当し、オリジナルの絵本を製作。彼らの熱意と絵本の結末に打たれた亜麻里は出演と同好会入部を決意する。一平は朋彦とおそらく美晴の子。図書室の司書・海野先生はサクラ咲くのマチ。(海野奏人と結婚した模様。マチが絵本捜索の協力を頼んだ友人は紙音。)絵本は実在(自費出版のため、見つからなかった)していた。彼らの作った絵本は、すべてと引き換えに世界一美しい宝石を作れる才能を手に入れた宝石職人。周囲は水世界一美しい宝石だと称賛するが、宝石職人自身、以前自分が作っていた宝石よりも美しいと思えず、周囲の笑顔と引き換えに自分はすべてを失った知る。という話。中学まで地味に過ごしていた亜麻里は、高校に入学して一念発起、演劇部のスターとなるが、過去を新聞部の三根に暴かれ、演劇をやめてしまっていた。父・朋彦が研究する新薬が失敗したとしても、誰かにつながると言った言葉を受け、ものづくりが徒労に終わるかどうか、決めるのは人それぞれ、絵本も読み手によって感じ方がみんな違っていいと思い、先輩にぶつかる。朋彦は悠の病に有効な新薬開発に成功した模様。
May 8, 2012
日本が一党独裁の管理国家だったら・・・民主国家を標榜しながらも、その実、管理社会で、国家反逆罪は重罪で、人材育成を重要視し、小学校卒業時に児童の将来が決められ、非戦平和を掲げているため、士官学校は単なる公務員養成所となっている。そんな「この国」を切り取った短編連作集。うーん。視点がケルベロス(管理・取り締まり側のとある人物)に置かれることが多いので、管理社会で生きにくいであろう「この国」にたいする反発が起きるような起きないような。確かに体制の仕組みは気持ち悪いと思うのだけれども。気持ちの置き所が定まらず、なんだかしっくりこなかった。おそらく作者が伝えたいことがあったんだろうけど、設定や、視点の置き所などの無理がたたってわかりにくくなっているような。というか、石持作品でこう感じることが多いってことは、私が石持作品と相性悪いのかも?--------------------------Phase 1 公開処刑 ハンギング・ゲーム ケルベロスともいわれる番匠少佐は死刑囚の菱田の公開処刑に立ち会う。 在野の活動家で、一党独裁政権を打倒すべく結成された反政府組織の一体感に カリスマ性を発揮している菱田を救おうとするであろう 奪還メンバーのいぶりだしが任務の一つでもある。 容姿は知らぬが、マークしているのは松浦、菊池の二人。 番匠は次々仕掛けられる罠を巧妙にかわし、反政府組織のメンバーを返り討ちにしていく。 一度死刑から逃れたら(生き残ることができたら)無罪放免になるという制度を利用し、 自分の命と引き換えに菊池は菱田を救う。 すべてを仕掛けた松浦にしてやられた番匠は、彼の破滅を誓い、 松浦は菊池の妹に兄の敵を取ると誓う。Phase 2 教育 ドロッピング・ゲーム 小学校卒業直前に発表される児童の進路。 それにより、この後歩むレールはおのずと決まってしまう。 その評価は成績だけでなく、周囲への聞き取り調査も反映された。 エリートコースを目指していた金崎啓介と宮村翔一の少年二人の進路は、 エリートコースの啓介とと普通コースの翔一に分かれてしまった。 はじめは意気消沈する翔一だったが仲間と、 同じコースに通うことになった少女・奈津美の励ましによって復活する。 しかし、直後、自殺に見える死を迎える。 気持ちを切り替えた翔一の姿を堕落と取った啓介が、 エリートコースに行けなかったのは同じコースに進みたかった奈津美が、 翔一のことを悪く言ったからだったと入れ知恵したのだった。 翔一はそれを信じ、絶望。校舎屋上から飛び降りた。 前回の責任を取らされて左遷中の番匠が治安警察の大尉として登場。 完全犯罪ともいえる啓介の行為(決断力と行動力、必要ならば親友をも切って捨てられる冷酷さ)を 番匠はエリートなら賞賛すべき行動と容認。 この話が一番、訴えられるものがあってよかったかな。 合理性と、慎重さが招いた悲劇というか、合理的非情さに見る歪みとか。 のちに啓介は外務大臣になる。 視点は当時の担任教師(外国人)。Phase 3 軍隊 ディフェンディング・ゲーム 士官学校に通う生徒に治安警察から依頼された防犯のための見まわり命令が出される。 だが、それは国防実習(ディフェンディング・ゲーム)だった。 実習の協力者として治安警察の番匠少佐登場。(地位は少佐に戻っている) 士官学校でありながら、たんなる公務員の一種ととらえる生徒が多くなった時代に 戦争をしない国の軍人はどうあるべきか、戦わずに国民を守る手段を常に考える必要があると 思考法の提示の意味もあって組まれた実習だった。 Phase 4 出稼ぎ エレグレイティング・ゲーム この国では売春婦は外国人が期間限定で雇われる。 表向きには認めてないが、国営である。 起こった連続殺人事件の被害者は、すべてサタの客だった。 犯人はサタの同郷で、出稼ぎに来ていた青年・サジ。 サジを利用した人間(=松浦)がいると読んだ番匠中佐登場。 Phase 5 表現の自由 エクスプレッシング・ゲーム 反政府主義者が狙っているという、表現庁が企画した「カワイイ博」の警備をすることになった番匠中佐。 参加者のほとんどが反政府主義者メンバーで、番匠は松浦の計画を読み、 何度も窮地を切り抜ける。 だが、最後の最後で記者に成りすましていた松浦と相討ちとなる。両者ともこの国のためにという思いで対立(攻防を繰り替え)していた。一度、話し合ってみることができたら、何か変わっていたのだろうか?この国の体制に何の不満があるのかとずっと主張していた番匠が、死ぬ間際に松浦に対し、愛するこの国について話そう(この国をもっとよくするプランがあれば聞いてやる)と思う、この最後のオチ?で、一気に中途半端になった気がする。どうしても相容れない同志だったはずなのに、相手の言い分を聞く気があったとしたら少しは揺らがなかったのか?と。自分が死ぬからそう思えたのかもしれないけれど、なんだかなぁ。
May 7, 2012
二度目の越後の冬。人々と話す中で、現世利益はなく(念仏を唱えたところで病が治ったり、貧しさが改善されたりはしない)、念仏は浄土への道であると説いても、浄土そのものにあこがれる気持ちのないものにとってはなんのよろこびがあるのか、地獄に落ちると脅すのも腑に落ちず、人それぞれ求めるところが違う救いについて悩む親鸞。外道院一党がこの地を去った後に病や怪我に苦しむ人々の行き場がないと、親鸞は六角数馬を通して郡司の長官である荻原年景に、施療所の開設を申し入れる。薬の処方は早耳の長次が担当し、山寺で鍼灸を学んだことがあるという鉄杖も手伝うことに。施療所の医師として犬麻呂が派遣したのは、幼いころに知り合った聖・法螺房弁才だった。恵信は身籠り、親鸞は父親になるが、不思議な気持ちに。良信に続き、明信が生まれる。7歳となった小野はものは言わぬままだが、子守を手伝う。親鸞39歳、法然上人が都に戻ることを正式に許され、同じく親鸞にも正式の赦免状が届く。親鸞はすぐには都に戻らず、越後にとどまることを決める。だが、次の年明けに法然上人の死が伝えられる。法然上人の背中を見つめ歩んできたが、師を失い、自分の念仏をきわめなければと考える。守護代が変わり、施療院が郡司の手から国司の管理に移さることが決まり、六角数馬も郡司の役所を辞めることに。商売のため、宋に渡ることに決めた数馬に、本場の漢方を学ぼうと長次もついていくことに。また、法螺房弁才は都に変えることを決め、神がかっていたサトは普通の娘に戻り、荻原家の召使い見習いにと、親鸞の周囲は急にさみしくなる。そんな時、人を殺した罪を悔いることができない自分は罰を受けてこそ罪を償えるのではと考えた鉄杖が自害する。犬麻呂から、若いころは坂東武者の一人で、その後、主人に従って都にのぼり、一時期鴨の河原の聖として幼いころの親鸞と知り合った河原坊浄寛が、再び関東へ戻ったのちに関東の武者・香原崎浄寛となり、活躍していること、彼が親鸞を関東に招きたいと言っていることを伝えられる。長男・良信は犬麻呂・サヨ夫婦に育てられることに。鉄杖を救えなかったこと、家族への想い、自分には欠けたところがあると自問する親鸞。一方、自分の殻を脱ぎ捨て、新しい世界へ踏み出したいとの衝動もあり、関東行きを決意する。恵信は法然上人は勢至菩薩の生まれ変わり、親鸞は観音菩薩の生まれ変わりだという夢をみる。関東へ来た親鸞は小島の仮住まいをはじめる。親鸞42歳。鹿島神宮の神官にして武士であり、また、以前、京で法然上人に取り次いだ縁で親鸞の弟子を自称する性信房普済も加わる。念仏の前では身分の差はない、業のない人などいないと説く親鸞に反発する一部の武士はいるが、幼少の頃の話や、自分は法然上人に出会い、念仏して救われたこと、現在の考え、今様などの歌も交えてなされる親鸞の法話の会は評判となる。親鸞を関東に招くことを熱望した下野の国と常陸の国・笠間の領主・宇都宮頼綱の準備が整い、小島を離れ、笠間の地に移る。この時親鸞45歳。親鸞を招く裏には武士の勢力争いなどもあり、また、修験道などの因習、さまざまなしがらみなども絡まり、周囲を取り巻いていた。鎌倉時代末期。混乱期。頼綱の弟・塩谷朝業に仕える堀江義成は修験の行者・弁円に頼綱の野心を阻止するため、また、親鸞の教え(仏の前では身分の差はない)に危惧を抱き、親鸞殺害を依頼する。だが、親鸞に会い、彼と触れ合うことで弁円は親鸞に心動かされ、弟子になりたいと願い出る。後に名法房となる。親鸞の世話をする頼綱の二番目の弟・稲田九郎はのちに親鸞の弟子入りを懇願・頼重房と名乗る。小野は親鸞・恵信の口論を止める際、言葉を発するように。年老いてきた犬麻呂・サヨ夫婦、良信を気にかけ、また、母・鹿野を捜すため、京へ。様々な書を読み解き、自分の念仏についての考え「顕浄土真実教行証文類」をまとめはじめる。ちまたに善人のための、念仏者こそ身を慎めという教えの白念仏、悪人のための、あたうかぎりの悪を尽くせとうそぶく黒念仏が流行りだす。黒念仏を説いて人をあつめる黒い能面を被った異様な法師は、親鸞と因縁のある元平家の組織・六波羅童の頭領だった。救いを求めず、地獄行きを切望する彼は親鸞らを追い詰めるが、犬麻呂の手配によって窮地に現れたのは白川印字党の頭・ツブテの弥七、當間御前らだった。あと一歩のところで黒面法師を逃がしてしまう。親鸞は念仏によって人は同じく救われ、浄土に往生する、念仏をするものも、信じない者も救われるが、真の悪人や信じない者は死んだ後に救われ、念仏するものはその時に新しい人間に生まれ変わり、無限の闇へ怯えていた自分が無限の光に照らされ、阿弥陀仏に抱かれて浄土へ往生できると確信できた時に、人は臨終を待つことなく救われるという考えにたどり着く。念仏と信、他力の念仏についても現在の考えはあるが、まだ突き詰めて考える必要性を感じる。凶作が続き、越後も打撃を受けたこともあり恵信は子供たちを連れて越後の里に帰ることを決意。親鸞は関東にとどまる。勝手に念仏を解釈する派も多くはびこっていることもあり、都では念仏弾圧の動きが繰り返し続いていた。法然上人の遺教いまあやうしの書簡を受け取った親鸞は香原崎浄寛が亡くなる。親鸞61歳、危険を承知で都へ向かうことを決意。
May 6, 2012
35歳の時に念仏禁制によって都を追放され、越後に流罪となった親鸞。妻・恵信も親鸞と行動を共にする。郡司の監視下、一年の役にいた後、異様な集団にであう。それは生き仏を自称し、異様な法力の持ち主・外道院金剛とその勢力だった。穢れを恐れず、多くの民の支持を得、河原に穢れたといわれる者らとともに住んでいた。外道院が親鸞に興味を示したことから、彼の懐刀で影の軍師とみられる彦山房玄海が親鸞のもとを訪れる。越後の国の郡司・荻原年景は守護代に対抗して、河原の利権で外道院と手を組んでおり、また、年景の腹心の部下で実務を仕切る・六角数馬は親鸞たちの監視兼世話役となっている。越後の国の守護代の戸倉兵衛は国司や郡司の力をそぎ、さらに外道院の持つ河川水利の略奪をもくろみ、たびたび外道院一派と対立。その対立に親鸞も巻き込まれてしまう。念仏とは何かと苦悶し、民の現状を知り、また、目に見える利益を求める民にどう本当の念仏を伝えるかと悩む親鸞の姿が描かれる。平安末期から鎌倉時代へ。----------------------------外道院のいる河原に出入りする流れ者・早耳の長次は、のちに親鸞の一番弟子を自任。外道院に仕える白覆面の大男で、河原の弁慶と呼ばれるほどの剛の者・名香房宗元は、守護代の館に捕らわれたサトを救うために親鸞らと奔走。救い出されたサトは神がかりとなる。同じ時に守護代の館から逃げ出した殺人の過去を持つ下人・鉄杖は、後に親鸞に弟子入りする。鉄杖はかつては名香房と共に山で修業をしたこともあった。人間は法力で大自然の営みを左右できるものではない。そうは思うが、穢れた民を受け入れる外道院を否定しきれない親鸞。日野家の召使いだった犬丸は独立して成功し、葛山犬麻呂として世間に知られる商人となっていた。彼が世話してくれていた、姿を消した恵信の妹・鹿野の残した子で口のきけない小野を引き取る。法然上人が正式に罪を許される。親鸞はたびたび奇跡を起こしたと誤解され、外道院が雨乞いの儀式に際し無茶な条件を持ち出したこともあり、国司らが雨乞いの依頼先を親鸞に変える。親鸞はただただ念仏を不眠不休で唱える。その姿に民衆は心を打たれる。(おそらくサトの力で)雨が降り、親鸞は大きな危害を受けずに済む。雨が降ったことで自分の策略の一部が崩されたと、戸倉兵衛は作り上げた堤をきり、大規模水害を起こす。父に反発する次男・戸倉貞次郎はそのことを外道院に知らせ、外道院らは船で越後を発つ。貞次郎も一緒に去る。
May 6, 2012
第恋話 ひたぎエンド化物語シリーズ最終巻かと思ったが、セカンドシリーズ最終巻で、まだファイナルシーズンがあるらしい。今回の語り手に合わせて、詐欺にあった気分だ(笑)まぁ、影のキーパーソンについて何にも明かされぬままだったから、ここで最終巻にはできなかったのかもだけれど・・・。今回の語り手は貝木。意外性は確かにあった。まわりくどいだけともいえるが。神様となった千石に卒業式の日に殺されることが決まった戦場ヶ原と暦。戦場ヶ原が最後に頼った(?)のは、まさかの貝木だった。千石を騙すよう依頼された貝木は・・・。----------------------------貝木が以前、戦場ヶ原一家を騙したのは、すべてはひたぎのため(それが伝わりきれなかった)だったとか、実はこの人いい人だったんです展開があったり(ひたぎは知らないままだが)、セカンドシーズン陰で暗躍したすべての首謀者?ともいえる忍野扇が忍野メメ(天涯孤独らしいので)と血縁関係はないかもということがあかされたりする。忍野がセカンドシーズンに登場しないのにも理由がありそう?神となって解放されすぎた行動をとるも結局、誰も信じていなかったため、貝木の嘘に騙されない千石だったが、貝木の説得(?)に応じ、騙されてあげる(そして人間に戻る)ことに。千石の体内にあった、臥煙が暦に渡したお札は、貝木から再び暦の手に。暦や羽川はちょこっと出演。忍は登場せず。扇が影の首謀者であることは判明するも、気配はあっても扇自身の登場はなし。貝木は珍しく良い行い?をするのだが、満身創痍のところをファーストシーズンで千石のことを呪い、呪返しを受けたであろう少年に襲われるところでエンド。少年に入れ知恵したのも扇らしい。
May 4, 2012
全14件 (14件中 1-14件目)
1