全6件 (6件中 1-6件目)
1
![]()
【5000円以上で送料・代引手数料無料】【レンタル中古DVD】【ポイント10倍】[DVD洋]レス ザン ...価格:1,400円(税込、送料別) 今日は暑さが戻ってくるそうです。いらんことを、、、さて、昨日 ジェームズ・スペイダーについて書いていたら懐かしくなりました。古い映画のこと。調べていたら、今は取り扱いがないものが多いですね。 私がジェームズ・スペイダーに出会った映画です。『レス・ザン・ゼロ』。ブレッド・イーストン・エリスの処女作を映画化したものですが、後々、ハヤカワepi文庫で読んだところかなり変えられていました。 当時は人気絶頂だったアンドリュー・マッカーシー主演です。今でも名優として活躍中のロバート・ダウニー・ジュニアも出ていて、こちらの方がインパクトが強いのですが。 今では「常識」になりましたが、アメリカ上流階級の退廃を描き、当時はセンセーショナルを巻き起こしたそうです。広大な屋敷、高級車、ブランド品に囲まれ、パーティ三昧。セックスやドラッグに溺れ、人間関係も体もめちゃくちゃになる様子が80年代らしい映像で描かれています。アンドリュー・マッカーシーが演じるクレイジェイミー・ガーツが演じるブレアロバート・ダウニー・ジュニアが演じるジュリアンの恋と友情が物語を若干、救っている感じです。 そんな中、ジェームズ・スペイダーが演じているリップは三人の同窓生でありながら、ドラッグを売りつけ、料金が払えなくなると売春の斡旋をするという冷徹な悪役です。原作ではこんなに美形ではないです。それが、ジェームズ・スペイダーが演じることで「冷たさ」と「狂気」が感じられて凄みがありました。 谷崎潤一郎が『痴人の愛』でナオミの眼力について「動物電気」と書いていましたが、そんな「電気」を感じましたね。彼は欧米人男性としてはさほど身長が高くないようですが、圧倒的な存在感。脇役なんですが、ロバート・ダウニー・ジュニアが演じたコカイン中毒のジュリアンと伯仲していました。 こういう、若くても実力のある俳優が出ている「アイドル映画」は主演がかわいそうになりますね。 数十年経って、実力の世界で生き残っているのはこの二人、ですからね。 公開当時はサントラ盤も出ていた、有名な映画です。原作者は『アメリカンサイコ』でも物議を醸した方ですし、機会があったら、お若い方々も是非、ご覧になって下さい。
2015.06.08
コメント(0)
![]()
【楽天ブックスならいつでも送料無料】ブラックリスト SEASON1 COMPLETE BOX [ ジェームズ・ス...価格:10,852円(税込、送料込) 突然ですが、私は昔からジェームズ・スペイダーのファンです。『プリティ・イン・ピンク』や『マネキン』、『レスザンゼロ』、『赤ちゃんはトップレディーがお好き』で立て続けに悪役をしているときから、なーんか好きだったんです。はい。ですから『セックスと嘘とビデオテープ』でメジャーになったときには嬉しかったですね。もともと、実力は認められていたのであとは運とヒット作に恵まれるだけ、だと思っていました。『スターゲイト』『ぼくの美しい人だから』もヒットしましたね。その後、映画ではあまり見かけなくなって心配していたらドラマに活躍の場を移していた、というアメリカによくあるパターンでした。日本ではまだDVD化されていないので見ていないのですが、『プラクティス』の終盤でエミー賞、そのドラマのスピンオフ作品『ボストンリーガル』でも複数回 エミー賞をとっています。そして今回の『ブラックリスト』。どんどんキャラクターが立ってきていますね。『プラクティス』、『ボストンリーガル』では悪徳弁護士。今回はA級犯罪者です。『ボストンリーガル』では主役のアラン・ショアを5年間演じていますから、間に『ザ・オフィス』を挟んだとはいえ、イメージは定着したと思います。それを払拭するためか今回はかなり外観を変えていますね。髪をスキンヘッドに近いくらい短くしています。ドラマを観ていると、額はつるっとしているのにまつげが長くてつい笑ってしまいます。 シャーロック・ホームズシリーズのモリアーティ教授を思わせるような犯罪コンシェルジュ レイモンド・レディントン、通称レッド。彼が突然、FBIに出頭。今までかかわってきた凶悪犯罪について話すと言い出します。が、それにはひとつ条件がついていてその日から配属される女性捜査官 エリザベス・キーンとしか話さないとのこと。エリザベスはレッドと面識がありません。『羊たちの沈黙』のレクター博士とスターリング捜査官のように対面するふたり。どうもレッドの方はエリザベスについて相当情報を持っている様子。情報を得て凶悪犯罪者を捕まえようとしますが、、、、。 波瀾万丈、映画並みの映像とセット、アクションが楽しめる作品です。一筋縄ではいかない、FBIの人間関係、駆け引き、犯罪者たちの敵対&協力関係、情報網などとても入り組んでいます。レッドは犯罪者ではありますが、深い教養、文化への愛情、近しいものたちとの友情など魅力的な部分もありとても複雑な人間です。ときどき、コミカルでかわいらしい部分も覗かせます。が、殺人も辞さない冷徹なルールも持っています。作中、ある人物を殺害するシーンがまるでで祭壇にいる祭司のように見えるところがあって心底、凄みを感じました。難しい場面だったと思うんですが。。。見るたびに引き込まれる作品ですが、まだ、日本ではシーズン2のDVDが発売されていません。私はテレビを持っていないため、シーズン1の途中まで見てぐっと我慢しています。だって、こういうアメリカのドラマはシーズンが終わるときに続きが気になる衝撃のラスト!と来るじゃないですか。なので待つつもりです。DVDになっていないものもアメリカドラマ有料チャンネルだと視聴できるらしいですね。 こういうドラマがあるので、テレビを持ちたいなと思うのですが、初期費用に加え、観てもいないNHKに払う受信料 年間25000円弱?FOXの有料チャンネルに払うお金 年間24000円と思うと実行できません。
2015.06.07
コメント(0)
![]()
【楽天ブックスならいつでも送料無料】ダイエットやめたらヤセちゃった改訂版 [ 夏目祭子 ]価格:1,728円(税込、送料込) 先日、友人と話していて驚いたこと。友人;「あー、太ってきたー。家に娘と夫からルームランナーを買われた!!」私;「おー、一戸建てはいいね-。私は使いたいときには体育館に行っているよ」友人;「お腹の脂肪がすごいことになっていて。」私;「みんなそうだよ。この年齢にもなると。」友人;「そういえばびっくりしたんだけれど、うちの娘が痩せたいとか言い出して」私;「へっ????」 友人の娘さんはまだ小学校の三年生。この年齢特有の、中性的な外観で、細くて長い手足をばたばたさせている活発なお嬢さんです。私;「痩せるって、、、、どこを??」友人;「うちの子、ちょっと発育がいいからクラスの痩せた子に比べると大きいのよ」私;「でも、全然太っていないでしょ」友人;「背の低い子に比べると足とは丈夫で太く見えるみたい」私;「でも、全然太っていないと思うけれど」友人;「小さな世界で、思い込むと怖いのよね、、、、」 そう、小さい世界で、自分の体と友人の体の個体差も考えずに「太っている」と思い込む、これはすごく怖いです。 このお嬢さん、私もよくお会いするのですが、本当にほっそりしているんですよ。ご両親も長身でやせ形。遺伝子を考えてもちょっとやそっとで太ると思えないような。この話を聞いて思い出したのが、夏目祭子さんの著書。『ダイエット破り』。(現在絶版です)まあ、画像検索していただくと分かるのですが、著者の夏目祭子さんは本当におきれいな方です。お顔立ちがいいから、小さい頃から可愛かっただろうな、と納得できる骨格。 学校では「美人」と褒められていた著者。それでもなかなかお母様からは外見を褒められたことがありませんでした。お母様も夏目さんも女性特有の「無い物ねだり」。白人の、体操選手の風貌が理想だったそうです。小学校の中学年になり、発育がよかったためクラスメイトよりふっくらし始めたそうです。周囲の子供たちも、(彼女の外見に対するやっかみもあったと思うのですが、)「ふっくら」を揶揄するようなあだ名をつけたり、指摘したりするようになります。そして、身体測定の結果を見てクラスメイトに比べて、ご自分の体重が重いことに気付きます。多分、プライドが高くて気が強かったんでしょう。(美少女ってそんなものでは?偏見?)アメリカで流行っていた今で言う「炭水化物抜きダイエット」にはまります。普通、小学生がダイエットを始めても続かないと思います。育ち盛りで食欲が、一生で一番あるくらいの年齢ですから。親御さんに反対されて、とか食欲に負けてつい、ぱくぱく、とか。しかし、彼女は鉄の意志でやってしまいます。ご飯を減らし、市販のお菓子を食べず、目標の体重まで摂取カロリーを減らし、運動を続けました。そして達成。体重計に載って大喜びする著者。喜びは一瞬でした。体重は減ったものの、体力が落ち、クラブ活動をやめることになります。太りやすくなり、愕然。その後、 ダイエットをやめる → 痩せるダイエットをする → 太るという一見不思議な経験を繰り返されたそうです。 さらっと明るい筆致で書かれていますが、無理なダイエットから来る過食に悩んだ時期、食事制限をしても太り続けた時期は、悪夢のようだったのではないでしょうか。思ったよりも身長が伸びなかったそうなのですが、これもダイエットのせい?という部分は胸が痛くなりました。 成長後、ダイエットを始めた頃のアルバムを開く場面は印象的です。大人になり、自分を客観視出来るようになったとき、小学生の自分の写真を見てとても驚いたのだそうです。そこに写っていた女の子は全然、太っていませんでした。健康的に笑う、標準体型の女の子だったのです。「戻れるのなら戻りたいくらいだ」どんなに後悔しても成長期には戻ることが出来ません。 心と体の声を聞かずに、無理な食事制限をして痩せてもいいことはない、気軽に始めたのに、恐ろしい結果(低身長、顔のむくみ、体力の低下、摂食障害)が待っていたなど若い子には読んで欲しい内容が沢山書かれています。ネットの古本屋で買うことが出来ると思います。小学校の司書の方、図書館に入れて下さい。推薦図書にして下さい。学級文庫でもいいです。無理なダイエットで、子供たちが大事な時期を棒に振らないようにして下さい。この『ダイエットやめたらヤセちゃった』はそんな体験をもとにに、さらに分かりやすく、科学的な根拠も加えた面白い読み物です。ダイエットに興味のない方でも楽しめると思います。 友人の娘さんが変なダイエットに手を出しませんように!!!!と祈っています。
2015.06.06
コメント(2)
![]()
ウォリス家の殺人 創元推理文庫 / D.m.ディヴァイン / 中村有希 【文庫】価格:929円(税込、送料別) 最近、ディヴァインにはまっています。不思議なもので、デビュー作『兄の殺人者』はぴんと来なかったのですが、『そして、医師も死す』からじわじわとはまりました。なんというか、とても上質な珍味みたいなものですね。しっかり噛まなければ分からないけれど、噛めば噛むほど、、、、というところ。 まあ、最初にクリスティーが絶賛したんですから、当然と言えば当然ですが。派手さには欠けますが、鋭い人間洞察とイギリス人らしい皮肉が効いた作品です。 作家のジョフリー・ウォリスが何者かに殺されます。実の兄 ライオネル・ウォリスとの間にトラブルがあったらしいという証言があります。被害者本人がいろいろと画策していた様子もあり、当初は二人の間のトラブルだと思われていたのですが、、、、。 人間関係がとても入り組んでいます。まず、被害者のジョフリー・ウォリス。人気作家でテレビにも出演しているのですが、実はオリジナリティーはなく、如才ない才能で渡り歩いている利己的な人物です。妻と娘二人がいますが、妻ジュリアは不倫中。長女アンは親の意に染まない恋人と結婚を考えています。次女ジェーンは反抗的な16才。彼と不仲だった兄のライオネルは世捨て人。酒浸りです。 事件の探偵役となるモーリス・スレイターは歴史学者。亡くなったジョフリーとは幼少期をともに過ごしているためジョフリー・ウォリス伝記の作者として白羽の矢が立ちます。離婚した妻 ヘレンと一人息子クリスがいます。どちらともとても仲が悪いです。このほか、ジョフリーの秘書、弁護士、編集者などくせ者揃いです。 被害者ジョフリー・ウォリスは誇大妄想の気がありました。幼少期からずっと事細かな日記をつけていました。それが、海外で生活していた2年分だけありません。伝記を書くため、モーリスはジョフリーの過去を調べ始めます。ギクシャクした人間関係、不愉快な人物たち、明確な「謎」。英国ミステリーの、ひとつの典型ですね。以下、ネタバレを含みます。 ご注意下さい。*********************************** ジョフリーの兄、ライオネルはかつて婚約者フリーダをジョフリーに奪われたことがありました。責任を取っていればよかったのですが、飽きて捨ててしまいます。しかも彼女のお腹にはジョフリーの子供がいたのです。フリーダは22才の若さでこの世を去ります。お腹の子供も一緒です。ライオネルは暫くそれを知らなかったのですが、すべてを知って告白書を取っていた伯父の死後、金庫から問題の書類を見つけてしまいます。当然、激昂。以後、このことを世間に公表する、とジョフリーを脅します。 ジョフリーは自分の非道な仕打ちを反省することなく、ライオネルから書類を奪うことを画策。最も信頼する人物と計画を立て、兄に酒を勧め、睡眠薬で眠らせて書類を見つけ出し、奪うつもりだったのですが、共謀者に殺されてしまったのでした。 実はジョフリーは、フリーダ以外にも毒牙にかけた女性がいました。ジーナという女性です。彼女を元に小説を書き、それが済むとお腹の子供もろとも放り出します。 ジーナを心配していた神父は冷酷な男と縁を切らせるためにジョフリーに「ジーナと子供は死んだ」と嘘をつきます。それに安心したジョフリーは、イギリスで現在の妻と結婚。文壇での地位を確立、社会的な名声と富を築いたのでした。その後、実はジーナから生きていて子供がいることを知らされます。男の子です。ジョフリーは娘は2人いましたが、息子はいません。喜んで自分の息子、フィリップを妻子に内緒で秘書として雇い入れます。しかし、妻ジュリアと自分の弁護士が不倫をしていることを知り、プライドを傷つけられたジョフリーは妻に対し、自分は重婚だから、妻は愛人、子供たちは庶子。よって財産は与えられない、と大騒ぎしたのです。 こうなってくると、ジョフリーの第一子 フィリップ、妻 ジュリア、ジュリアの愛人の弁護士、娘たち、いずれにも動機があることになります。 この作品、皮肉が効いているなと思ったのは犯人は、被害者がもっとも信頼していた人物というところ。ジョフリーの血を色濃くひいているアンなんです。メイントリックは偶然に頼っていますし、目新しくないのですが、こういうところは上手いですね。また、女性を軽々しく扱い、利用しては捨てて来たジョフリーが人生の最後では女性たちに欺かれるというところもとてもシニカルです。 傑作だとは思いませんが、職人技が光る、小品だと思いました。
2015.06.05
コメント(0)
![]()
【楽天ブックスならいつでも送料無料】Law & Order 性犯罪特捜班 シーズン2 バリューパック [ ...価格:2,560円(税込、送料込) 数ヶ月前から観ているアメリカドラマです。何を今更、といわれると思いますが、とても歴史の古い作品。こちらはスピンオフ作品ですね。本家本元は観ていないのですが。なんといっても古すぎてご本家のシーズン1がレンタルショップに置いていない、観たかったら買うしかないというレベルです。 こちらはアメリカドラマの中でも硬派な作り。はまったからと言って、睡眠時間を惜しんでぶっ通しとは行きません。とても重たく、リアルな作品です。1日、1,2話が限度ですね。 警察の特殊班で活躍する人々の話なのですが、綺麗事ばかりではありません。精神がつかれて脱落する人、移動を申し渡される人、悪徳警官、いい加減な捜査官、司法取引、内部捜査。アメリカの暗部をストレートに描き出そうとする意欲的なドラマです。脚本がとてもよくて、毎回うならされます。 子煩悩な父親の一面を持つステイブラー刑事と壮絶な出生のベンソン刑事を主軸に、個性豊かな面々が犯人逮捕のために戦います。 この、ベンソン刑事を演じている女優 マリシュカ・ハージティは黒髪とはっきりとした骨格、目鼻立ちが印象的な「戦う女性」の代表でとても魅力的です。なんとあのジェーン・マンスフィールドの娘さんなんですね。マリリン・モンローの全盛期に、同じ路線で現れた金髪の「アメリカンガール」のひとりです。(伝記的な映画『愛しのジェーン・マンスフィールド』(アーノルド・シュワルツェネッガー出演)参照)これまた、親子で全く違った役柄を演じていて面白いです。まさに正反対ですもんね。いろいろと確執がありそうですね。母親と娘はどこの国でも難しいです。 登場人物がそれぞれ、「プロ」で任務の遂行に情熱を注ぐ姿が胸を打つドラマですが、リアルなため、毎回、犯人が捕まるわけではないところが万人にはお勧めできない理由。落ち込む回は、本当に落ち込みます。私が今日観た回は犯人は分かっていて、証拠もあるのに、様々な大人の事情と被害者が失職しないために事件がうやむやに、、、、というラストでした。きついです。
2015.06.04
コメント(0)
![]()
【楽天ブックスならいつでも送料無料】【DVD3枚3000円2倍】ゴーン・ベイビー・ゴーン [ ケイシ...価格:1,000円(税込、送料込) スーパーセールも終わりましたね。今回は、結構、出費が痛いです。欲しかったかき氷機も父の日のギフトも買いましたので、働かねば。 先日、観た映画です。『ゴーン・ベイビー・ゴーン』鑑賞途中で、このストーリー、知っている!と遅まきながら気付きました。そう、デニス・ルヘインの『愛しき者はすべて去り行く』です。私立探偵パトリック&アンジーものの一作。探偵物といってもコミカルでお約束な展開が楽しめるような作風でなく、重く、辛く、痛く切ないのが特徴です。主演二人が私のイメージしていたパトリック&アンジーとはほど遠かったため、中盤まで気がつきませんでした。ポール・ニューマンがリュー・アーチャーを演じた時みたいな気分です。 が、観ているうちにそんなことは気にならなくなりました。原作の要所を押さえた、クレバーな作りです。数々の賞をとったらしいのですが、なぜか日本では劇場未公開だったとか。多分、主演二人の知名度が今ひとつだった、とか原作のファンについて映画配給元が高をくくっていたとか、いろいろな事情があったのでしょうね。 さて、あらすじです。アメリカの下町で4才の少女アマンダが行方不明になります。世間は勿論、大騒ぎ。そんな中、パトリックとアンジーが経営する探偵事務所にアマンダの伯父夫婦から依頼が入ります。警察が全力を挙げて捜査しているから、といったんは断ったふたりですが、夫妻の熱意に負けて引き受けます。パトリックとアンジーは下町育ち。地元を知っているので力になれるかもしれない、と考えたからです。 アマンダの母親、ヘリーンは麻薬中毒患者。兄夫妻と同居しています。育児はいい加減で、アマンダは殆どネグレクトに近い環境で育っていました。手助けをしようとする伯父夫妻を煙たがり悪態をつくへリーン。話を聞いているとアマンダ失踪時の供述も嘘ばかり。実は麻薬の運び屋をしていて、大金に目がくらみ情夫と薬の代金を横領。ばかげた嘘で薬の本来の所有者を言いくるめようとしていたことが分かりました。 変質者か営利目的の犯罪者かといった視点で進められていた捜査が、一転、「麻薬密売者の報復では?」という見方に傾いていきます。。。。。 とにかく、アメリカの下層社会がリアルに描かれていて、画面から目をそらしたくなる部分もありました。映画だから誇張されているのかと思い、アメリカにいたことのある夫に訊いてみると「本当にこんなだよ」という答え。ますます落ち込みました。以下、ネタバレを含みます。映画を観ていない方、出来たら映画から見て下さい。*****************************************麻薬密売人との取引が失敗に終わり、アマンダの返還はならず、落ち込むパトリックとアンジー。が、別件から得た新事実を元に事件を見直すパトリック。調べていくうちに真相にたどり着きます。実は、警察の一部とアマンダの伯父が、アマンダの将来を思って、いい加減な母親の元から引き離し、恵まれた環境で育てられるようにと考えた上での「誘拐」でした。アマンダ誘拐首謀者の一人、ドイル警部は今までの経験から、子供の劣悪な環境、それから救い出すことの重要性を説きます。優しい里親のところで、笑いながら幸せそうにはしゃいでいるアマンダを見てアンジーはパトリックに懇願します。「あの子は幸せ。どうかこのままそっとしておいて」と。が、パトリックは、へリーンの「娘が戻ってきたら心を入れ替える」という言葉を信じようとします。実の母親から子供を奪うことは出来ない、と。そして通報し、「善意の」犯罪者たちは逮捕。仲の良かったパトリックとアンジーの関係にもひびが入ります。アマンダは母親の元へ返ります。テレビカメラに囲まれて、娘が戻ってきた喜びを口にするへリーン。数ヶ月後、へリーンの家を訪ねたパトリックはソファーに座り、テレビをぼーっと観ているアマンダを目の当たりにします。母親は、またもや恋人と会うためにアマンダを置き去り。それまで、心配して面倒を見てくれていた伯父は監獄。伯母はヘリーンから家を追い出され、遠方へ引っ越しています。パトリックはアマンダと同じソファーに腰掛け、うつろな表情で空間を凝視します。。。。。。 一体、パトリックはどうしたら良かったのか?それは誰にも分かりません。本来、子供は肉親の元で暮らすのが一番のはずですが、そうとも言い切れない「現実」の重さが胸に迫ってきます。これ、原作を読んだときと同じなんです。やりきれなくて哀しくて、とても辛い。変更点はあるものの、原作のエッセンスを凝縮させたいい映画だと思いました。 ちなみに主役のパトリックを演じたケイシー・アフレックは監督の弟。ニコール・キッドマン主演『誘う女』でリバー・フェニックスの弟とつるんでいた落ちこぼれを演じた人です。アンジーを演じたミシェル・モナハンは人気ドラマ『Raw&ORDER』シーズン2第10話で乱暴された女子大生の親友役を演じたのがデビュー作。以後、着実にキャリアを積んでいる実力派女優さんです。その他、モーガン・フリーマン、エド・ハリス、ジョン・アシュトンなど有名な俳優が脇を固めます。渋い力作です。
2015.06.01
コメント(0)
全6件 (6件中 1-6件目)
1

![]()
![]()