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2014年05月16日
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カテゴリ: 仕事
「私の仕事遍歴 その後」
先日、以前の職場で出会って、その後も細々と交友関係が続いている友人と久しぶりに会った。
私も職場遍歴をしたけれど、彼女も色々な職場で働いてきた。
私が出会った時は「心身障害児療育センター」の肢体不自由児部門の指導員であったが、
その後も福祉関係の主に相談業務に関わっていて、
現在は大人の障害を持つ人たちの相談センターの責任者だ。
同じ地域で暮らしながら仕事をしているので、
かつて乳幼児だった頃に関わった障害を持つ子と、
大人になって再会することも当然ある。


「療育センターで関わった子が、相談に来ることが時々あるんだよね…」

それは、ある意味当然のことである。
そのような仕事をしていない私ですら、時々当時関わっていたお母さんに町で出会うことはあるし、
子どものその後についての話を聞くことだってある。
健康な子どもに関わる幼稚園や学校の先生なら、
久しぶりに教え子やその保護者に出会ったら、純粋な懐かしさで、
「久しぶりだねー。○○ちゃん大きくなったでしょ。元気にしてる?」なんて、
ためらいなく声をかけられるだろうけれど、
私の場合はなんて声をかけたらよいかと考えてしまうことがほとんどだ。
私がかつて出会っていた子ども達は
脳性まひ関連や自閉症・情緒障害、知的障害の子ども達ばかりなので、

それどころか、成長するにつれて障害が顕著になり、
それに伴い思いがけない課題や二次障害が発現することも稀ではないのだ。
だから、彼女のつぶやきがとても重いものであることは、十分に察せられるのだ。

「そうだろうねえ。…複雑な気持ちになること、多いでしょ?」と問うと、
「そう、あの頃の私がやっていたこと、何だったんだろうなって思うことあるよ」

「でも、仕方ないよね。あの頃はそれが良いと信じてやっていたんだし、
 今だって一番良いと思うことを信じるしかないもんね」
「そうだよ。その結果がどうなるかなんて、誰にもわからないものね。
 今の知識と経験で、精一杯の支援をすることしかできないもの」
「そうだよね。それしかないよね…」

私達の会話は以上である。
彼女が再会した人は、多分私も知っている人かもしれない。
具体的に聞きたい気持ちもあったけれど、彼女には職業上の守秘義務があるし、
何より私が具体的に聞くことが怖いこともあった。
多分聞いたら切なくなることも多いだろうし、どうにも理不尽なこの世に怒りが湧き上がるだろう。
私が障害幼児に関わり始めた時からすでに40年がたつ。
社会的な支援体制や制度は当時から比べると格段に良くなったとは言えるが、
それでもハンディを持つ人たちの一人ひとりにとっては、辛い事や悲しいことが溢れている。
さらに医療の進歩は、「諦める」ことを難しくさせている。
私は、人間には「諦める」ということが、とても大切な知恵であるとも思っている。
所詮人間の浅知恵でしかないことを、科学的な根拠として進めてしまうことが
さらなる悲劇を生むことは、多少長生きしてきたらわかってくるのではないか。
残念ながら、それができなくなっている人も増えてきて、
人の苦しみ(恨み、憎しみ、後悔など)を増やすことがあるように思う。


次の言葉が出ないままに話はそれで途切れ、別の話題へと移った。
彼女と別れてからも、当時の様々な子ども達の顔が浮かんでは消えて、
その夜はまたまた睡眠不足になってしまった。

一つだけ、例をあげよう。
当時、脳性まひ(特に筋緊張が弱い子ども)の訓練方法として、
「ボ○○法」というのが日本で紹介され始めていた。
まだ医師もPTも試行錯誤状態だったので、
私も道のセンターで指導を受けてお母さん達と一緒に手がけたのだが、
私はこれがとても苦手だった。
この手技は、乳幼児を押さえつけて子どもにとっては不快な体勢を取り続け、
それから子どもが逃げようとする反発力を利用して筋肉緊張を高めるものだった。
当然、子どもは嫌だから泣くことが多く、「可哀そうに」と思う気持ちに耐えて押さえ続ける。
同時に、そんな自分の葛藤に耐えながら、子どもの筋肉の反応に注意を向ける必要がある。
当時の私は、感情が優位になると冷静な判断が難しくなる傾向が強かったのか、
その筋肉の反応が的確に見極められないのだ。
指導してくれたPTの先生に、
「子どもに泣かれると可哀そうで、つい手をゆるめてしまう」と言った時、
「それでは指導員として失格だ。子どものことを思えば、そこは乗り越えなくてはならない」
と言われた。
「あー、やっぱり私はダメなのだ」と思いながらも、
心のどこかでその言葉に違和感があった。
本当にこれを続けたら、この子の障害が治るって言うんなら、私だって頑張るよ。
でも、どんなに心を鬼にしたって、多少改善されるだけでしょう?
そんな気持ちが湧き上がるのを、抑えられなかった。

多分、お母さんも涙を流しながら頑張ったあの方法で、
あの子の障害は完治したわけではないだろう。
私はそれよりも、それによって子どもの母親に対する気持ちの方が、今は心配になる。
あの当時、十分に母子関係のフォローをする指導があっただろうか。
目先の障害をいかに軽減するかの方にだけ、目が向いてはいなかったか。
障害を持つ子どもを育てることの苦しさ切なさだけを、
両親に伝える結果になってはいなかっただろうか。

そのほかにも、色々な思いがある。
でも、所詮は人間の浅知恵である。
その時その時で、精一杯の方法をとるしかない。
そして、その結果の反省を生かしながら次に進むしかない。
それは、すべてのことに当てはまることだと思う。
浅知恵しかない人間が、傲慢になったり盲信したりすることは、本当に怖いことなのだ。







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最終更新日  2014年05月16日 10時06分30秒 コメントを書く
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